HipHop,R&B,Soul,Funk,RareGroove,DanceClassics,Garage,House・・・など、私が気に入っているMixTape,MixCD,その他もろもろを紹介するブログです。
DJ Tatsuta vs Kreva 「Dynamite 7th Anniversary」
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 え~、気付いたら12月になってしまいましたが、ホント、月日が経つのが早いな~と思います・・・

 今年も今年で、平日は仕事が中心、週末はディグとブログ作業な毎日で、気付いたら1日、1週間、そして1カ月が過ぎています・・・
 特に、今年は仕事が強力に忙しく、ほんと暇がない・・・だけど、ディグやブログは更新しないといけないので、プライベートの方が押され気味で、ちょい悲しいです・・・

 そんなわけで、今週は忙しかったので、やや手抜きな更新(え~)です・・・すみません(^^;)


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 今週は、DJ Tatsutaさんを中心に、Krevaさんが属していたKick the Kan Crew周辺のアーティストが参加していたパーティー「Dynamite」関連のテープを紹介します。

 まず、今回の中心となるパーティー「Dynamite」の話をする前に、このパーティーの中心となる「DJ Tatsuta」さんとその周辺の話から行きましょう・・・

 Tatsutaさん自身は、90年代初期ぐらいよりHipHopの活動をされてて、90年代はラップグループ「Radical Freaks」のDJ/トラックメーカーとして活動をしていました。
 Tatsutaさんについては、当時はDJ活動もトラック制作も結構やられていたので、日本語ラップファンならご存知ですよね・・・ミックステープ馬鹿としても、外せない名作「Terminator Searching」を作るなど、結構活動をされていた方になります。

 そして、その活動の中で、自然と他のグループや仲間とも交流が生まれ、段々と「クルー」が出来てきて、そのクルーが一堂に揃ったのが「Dynamite」というパーティーになります。

 クラブミュージックを考えると、どうしてもニッチな音楽なので、結果的に同好の仲間が集まって、色々とイベントをしたり、音源を作ったりすることは多く・・・特にクラブイベントを開催し、そこから「音楽集団(=クルー)」になることは大変多いかと思います。

 その中で、この「Dynamite」というパーティーには、やはり色々な面子が集まり、気付いたら「大きな動き」になっていたかと思います。
 
 その大きな動きの象徴は・・・皆さんご存じな「Kick the Kan Crew」でしょう!

 日本語ラップなり、HipHopを知らない方でもキックのことは知っている方が多いですよね・・・MCのKreva、MCU、Littleの3人が集まったラップグループで、元々は別々のグループで活動してた面子が結成したグループとして有名ですね・・・
 それこそ、MCUさんは、Tatsutaさんがおられた「Radical Freaks」のMCで、Krevaさんは、そのRadicalと相当近い位置にいたラップデュオ「By Phar the Dopest」のMCで・・・ある意味、友達関係だったMC達が、発展的にユニットを組み、それがガツっと組み合わさったのがキックになるかと思います・・・

 そんなキックを作った「土壌」は・・・私としては「Dynamite」になると思っています。

 Dynamaiteは、1995年ごろより開始したクラブイベントで、全盛期となる00年代以降は池袋Bedの名物イベントになり、Tatsutaさんを中心に、Radical FreaksやBy Phar the Dopest、アルファなどが集まっていました。

 写真は8周年の時のフライヤーですが、キックの音楽感に通じる方々が集まってて、結構イイ感じのイベントだった・・・と記憶しています。
 キックが結成された経緯は色々とあるかと思いますが、きっと、このイベントで、主催者としてマイクを取り、そして酒を飲みながら遊んでいた中で・・・お互いの音楽感が分かり、自然発生的に生まれたのがキックだったと思います・・・


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 そんな「Dynamite」ですが、ここまで書くと「MC中心のイベント」と思われがちですが、実は「DJ」に比重を置いたイベントだったと思われます。

 それは、Tatsutaさんが中心なのもありますが、このイベントを冠したミックステープが結構出ていて、そのどれもが音楽的に素晴らしいのが多く・・・この観点からして「DJイベント」だったことが伺えます!

 上の写真のように、@周年記念のテープ/CDは結構あり、イベントに参加した人向けのノベルティーもあれば、お店で販売してたテープもあったり・・・そのどれもが音楽的に面白く、ちゃんとDJをしていたイベントなんだな~ということが分かり、ミックステープ馬鹿としては外せないテープになっています。

 特に、その「DJイベント」であることが伺えるのが、あの「Kreva(クレバー)」さんがDJミックスを披露している作品があり・・・私としては、その点がポイントになるかと思います。

 クレバーさんというと、今となっては伝説のフリースタイラーだったり、何でもこなせるMCとしての認識が強いですが、実は超優秀なトラックメーカーであるので・・・凄く音楽の造詣が深く、実は「DJが上手い」お方でもありました。
 それこそ、今回の作品もそうだし、記憶だとHipHop/R&B音楽誌である「Front」でレゲエ特集をしたときに、本職さながらなレコードを紹介をしてたり・・・実は「レコード」が音楽の中心にある方だった・・・と思っています。

 なので、クレさん自身も、このイベントではDJとしてもプレイしてて、結構な腕前だったと聞いています・・・


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 では、このイベントのテープを紹介するにあたり、今回の紹介ではクレさんのプレイも光っていた7周年記念(2002年)のテープで紹介しますね!

 まず、このテープでは、A面がTatsutaさん、B面がKrevaさんという構成になり、一般でも販売されていたミックステープになります。
 私自身はテープを掘ってる過程で初めて手に取りましたが、当時から人気だったお方々なので、ボチボチとは売れていた・・・とお思います。

 そして、内容ですが、これが結構良く、今週は何度も聞いてしまいました(^0^)

 A面のTatsutaさんは、当時のメインストリーム系HipHopを中心に構成してるけど「このイベントだから」な部分もあり、結構面白かったです。

 それこそ、メインストリーム系であればPuffyとかJay-Zとかもプレイしつつ、野郎にはグッとくる「X-Ecutioners feat. M.O.P. / Let It Bang」なんかをプレイ・・・
 この辺のメインストリーム系は、当時の私は敬遠しちゃってた感じですが、今聴くと結構良くってビックリです・・・当時は大味すぎてアレでしたが、PuffyのBad Boy For Lifeがこんなにカッコよく響くとは思いませんでした(^^;)

 また、Dynamiteらしい点として、イベントを通して「レゲエ」を押してて、このテープのTatsutaさんのミックスでも、当時のJAのレゲエをプレイしつつ、その流れでライムスがレゲエのトラックの上でタイトなラップを決めてくる「Rhymester / Rhymester Is Mystic」なんかをプレイしてて、上手いですね~
 このDynamaiteの他のテープを聞いててもレゲエは結構プレイされてて、きっとDynamiteのパーティーの現場で愛されていた曲(ジャンル)だったんでしょうね・・・もろレゲエな視点ではなく、どことなくBな視点があるので、結構聴きやすく、新鮮でした!

 
 そして、B面はKrevaさんが担当ですが・・・これはヤラれました!

 この作品では、クレさんはなんと「House」をプレイしてて、それが凄い上手くってヤラれました!!

 それこそ、当時ヒットした「Daft Punk / One More Time」などのようなメジャーヒットものをプレイしつつ、結構渋い曲もプレイしてて、ある意味で本格的です・・・
 ただ、サラッと「嶋野百恵 / Hot Glamour (Incognito Remix)」をプレイするなど、House系の方がプレイしない曲を選曲してて、ある意味で「B-Boy House」な感じにまとめてきているのが素敵です!!

 今であれば、音楽の垣根が「あってないようなもの」なので、KrevaさんがHouseをプレイしても何とも感じませんが、当時のHipHop勢がここまで本格的にHouseに手を出してた人は殆どいないはずなので、当時としても衝撃的だったかもしれませんね・・・

 ただ、この辺も「Dynamite」らしさなのかもしれないですね・・・

 私自身、このイベントに行ったことはないですが、先ほどのReggaeしかりで、音楽的には「自由にやっていた」部分が強いのかな~と思いました。
 それも、本チャンでそのジャンルをやっている人達ぐらい腕がありつつ、しっかりと「自分達の音楽」にしてるんですよね・・・クレさんのミックスを聴いてて、特に嶋野さんのプレイは、HouseとR&Bの均衡点を突くようなプレイの仕方で、こういったオープンなスタンスでないと出来ないよな~と思いました!



 んな訳で、今週は割とハマって聞いてましたが、時間が無くって説明は準備不足です・・・もうちょっと深く聴きこみたかったな~

 ただ、このテープ自体は、割と探せば出てくるので、お好きな方は探してみてね~





<Release Date>
Artists / Title : DJ Tatsuta vs Kreva 「Dynamite 7th Anniversary」
Genre : HipHop、日本語ラップ、R&B、Pops、House・・・
Release : 2002年6月
Lebel : Dynamite Entertainment No Number





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<独り言>

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 二週連続で「この紙」が・・・はい、頑張ってますよ~(^^;)

 え~、先週もちょっと報告しましたが、渋谷のユニオンで、これまたゴツいテープ放出があったので、しっかりと行ってきましたよ!

● 渋谷CMS 12.4(日) HIPHOP USED TAPEセール!!


 まず、現在はユニオンの年末セール期間なので、どのお店でもゴツいセールがある中で、先週の下北と今週の渋谷は、日常的にミックステープを頑張っているのでかなり期待をしていたら、結果的にどちらもゴツいセールになり・・・個人的には嬉しい悲鳴を上げていました・・・

 それも、どちらともトップで横綱級に欲しいのがあり、その上で出品リストや写真を見ると「リスト外」が明らかにヤバい匂いがしてて・・・下北も渋谷もかなり本気で攻めるつもりで私の日程を調整し、両日はしっかりと攻められるようにしていました・・・
 最近は、うっかりしていると土日が仕事になったりするので、事前の調整は重要です・・・そのおかげで、12月後半は忙しくなってしまいました(--;)

 そんなわけで、今日の渋谷です・・・気付いたら、朝の7時には渋谷にいて、しっかりと1位で待機していました(^^;)

 もう、朝早くに出勤するのは病●なので仕方がないんです・・・中途半端に早い時間に行って、他の人が先にいて、結果的に狙いのが取られてしまうぐらいなら、無理してでも早く行って、1番で待っている方が精神衛生的にも大変良いんです・・・
 それも、昨日は仕事で、会社の偉い人達を喜ばせる為の忘年会をブっこんでからの早朝出勤・・・結構、ベロ酔いで家に帰ったのに、テープセールの朝は、なぜかしっかりと起きちゃうのが不思議です(^^;)

 んで、2時間ぐらい座りながら仮眠をしたり、人生を考えたり(笑)しながらボーっとしてたら、9時頃に後続の方が1名、整理券配布の10時前には1名・・・そして、開店前には整理券無しが2名で、合計5名の戦いです・・・

 このぐらいは集まるだろうと踏んでいましたが、蓋をあけると普段のテープセールで見ない方が多く、きっと「アレ」を狙ってるんだろうな~という空気感がありました・・・特に2番目の方がそうだったかな?
 ただ、テープセールという「鉄火場」を嫌になるほど経験している私としては、そのことも予測していたので、無理して「1番」を取りました・・・今回に関しては、1番であれば70%の確率で目的の「アレ」は取れそうだと踏んでいました・・・

 そして、開戦です・・・

 エレベーターで4Fに案内され、お店に入ったら店員さんから簡単な説明があるだけで速攻で試合開始・・・この時点で、テープセールになれてない後続の方々は困惑している空気がありましたが、私は悠々と戦場に移動し、なんとなく予測していた場所にトップに欲しいのが置いてあり、速攻でゲット・・・
 そして、鉄火場特有の「最初の3分間」の空気感を楽しみながら、6つあった餌箱を速攻で全てチェックすると、もークソヤバいテープの連続で、一人鉄火場状態になり・・・周りの人を気にせず、ガンガン抜いていました(^^;)

 そんなわけで、結果です・・・


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 じゃん、2週続けて30本オーバーの釣果でした(^0^)

 まず、今回欲しかった「アレ」は、写真下の真ん中の黄色っぽいテープで、なんと「故・Nujabes」さんの鬼レアなミックステープ「Sweer Sticky Thing」になります!

 Nujabesさん自体は、そんなにはミックステープを出していた方ではなく、一般的には黄色の右にある白いテープ(ristorante nujabes)のみが知られているかと思います。
 ただ、この黄色のも作ってて、こちらは手刷りで作られたテープになり、作られた数が相当少なく、殆ど市場に出ることは無いテープとしてマニア筋では有名です。

 特に、Nujabesさんについては、その音楽性の素晴らしさから特定のファンが多いので、このテープは「Nujabesファンの高嶺の花」としても有名で、ミックステープファンよりもNujabesファンが欲しがるテープとしても有名でした。

 なので、今回のセールは、普段のミックステープのセールに来る方々よりも、Nujabesファンの方が来るだろうと考えていて、行動が読めなかった部分もあり、結構な気合い(=朝7時出勤)をいれてしまった部分がありました(^^;)
 なお、これはNujabesファンの方には申し訳ないですが、今回、このテープを個人的に狙ったのは、10月の下北のセールで写真左の緑のテープ(Tribeのコンピテープ)が買えてしまい、Nujabesさん熱に火がついちゃったので、狙ってしまいました・・・

 うん、結果的に無事に手に入って良かった・・・写真の「Nujabes作品の鬼スリーショット」が撮れて、ミックステープ馬鹿としては感無量です!

 そして、1回だけ聞きましたが、内容も素晴らしく・・・やっぱりNujabesさんのセンスの良さが分かる内容でした!


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 あと、今回に関しては「レゲエ」が凄くって・・・これは「衝撃的」でした!

 事前にはあまり情報が出てなかったですが、セール直前でレゲエ系の追加情報があり、断片的な情報を見てるだけでも「ヤバい」のが分かり、今回はレゲエを攻めることも意識して参戦していました!

 んで、蓋を開けたら事前情報に掲載されてないゴツいテープが山ほどあり、結果的には90年代後期にしっかりとレゲエを聴いてた方からの明らかな放出だと判断が出来て・・・もー、見たことが無いテープ、探しても全然出ないテープの連続でヤラれます!

 それこそ、トキワ系のがゴツくって、凄い探してた頂点のTokiwaサイドのテープや、Digital Baseの解散テープ(!)、そして国内のド渋なクラッシュテープなど・・・ヤバすぎです!
 これらのテープ、私レベルで「やっと欲しがる」ブツなので、殆どの参加者の方がスルーしていましたが・・・もし、これらのレゲエのテープだけが出たとしても、確実に「朝に並ぶ」級の放出で、もう感無量です!!

 レゲエについては、HipHop同様、いやHipHop以上にミックステープがあり、知らないテープがまだまだあります・・・
 
 今年は、縁があって西新宿のNATさんの放出に巡り合えたり、今回のような放出に巡り合えたり・・・レゲエのミックステープとは相性の良い年だったようです・・・

 おかげさまで、徐々にテープが集まっているので、私の知識も着実にレベルアップしてきています・・・いつか、どっかのタイミングでレゲエ系のテープも体系化をしたいですね・・・
 

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 そんなわけで、今週の釣果報告でした・・・この2週間で合計60本オーバーで、払った金額は言えないぐらいになってしまいました(^^;)

 今回のセール、渋谷店がテープの仕入れに頑張っているから出来たセールだと思います。
 是非、今後も頑張ってくださいね・・・出ればガンガンと買っいきますよ!

 ではでは、釣果報告でした!





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DJ Nori, DJ Alex from Tokyo, Fukuba, Kenji Hasegawa 「Sunday Afternoon Session - Gallery」
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 今回は、先週に紹介しようと思っていた作品紹介です・・・

 本来ならば、先週の方が良かったのかもしれないですが、中途半端に書くよりも、ちゃんとした形で紹介した方が、天国にいる恩師が喜んでくれるかな~と思い、先週は更新をお休みしました・・・
 ただ、少し時間が頂けたので、しっかりと作品を聴きこみ、準備も出来たので・・・この作品を通して、恩師のことを紹介しますね・・・


david - respect for your soul

 まず、作品の紹介をする前に、今回の作品を紹介する理由から紹介します・・・

 既にご存知の方も多いかと思いますが、ダンス/クラブ文化の開祖とも言える「David Mancuso(デイビッド・マンキューゾ)」さんが11月14日にお亡くなりになられました。

 享年72歳、今の時代であれば、まだまだ現役な年齢です・・・残念です・・・

 Davidさんについては、知らない方が多いと思いますので、少し紹介をしましょう・・・

 Davidさんは、60年代よりNYの自宅で音楽を主としたパーティーを開催し、その後、このプライベートなパーティーが発展し、「The Loft(ロフト)」という名前で素晴らしいパーティーを運営されておりました。
 Davidさんの元には、Larry LevanやFrankie Knucklesなど、多くの音楽を愛する者が集い、彼らの多くはDavidさんから多大な影響を受け、その後のDance/House Musicが作られていきました・・・

 そう、Davidさんは、今、私達が愛している「クラブ」や「パーティー」という概念を作ったと言えるお方になります。

 それは、室内の音響の作り方や雰囲気、ジャンルにこだわらない選曲とDJの在り方、そしてダンスをしながら「音楽を自由に楽しむ」という観点を推し進めていたことなど、今のクラブに欠かせない要素を生み出したとも言え・・・考えれば考えるほど、この「文化」を生み出したと言っても過言ではありません。

 Davidさんのもっと詳しい情報を知りたければ、以下の情報等をご参考にしてくださいね・・・
 
Resident Advisor ニュース RIP David Mancuso
ele-king R.I.P David Mancuso 長谷川賢司(gallery)

 また、Dance/House Musicの歴史については、嬉しいことに様々な本やドキュメントムービーがありますので、Davidさんのことを更に深く知りたいのであれば、是非、手にとって学んでくださいね・・・

・参考 Mixtape Troopers DJ関連書籍 「ダンスカルチャー 歴史・紹介本」


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 そして、Davidさんの影響において、DJミックスという観点ではDavidさんの「選曲」と「DJプレイ」が重要になり、一般からすると特異的でありながら、結果として多くの影響を与えたと思います。

 まず、選曲については、いわゆる「ジャンルレス」な選曲ですが・・・そんな言葉では収まらない「音楽愛」があっての選曲がありました。

 ほんと多種多様な音楽を選曲し、Davidさんがプレイしていた曲は、敬意を込めて「The Loft Classics」として受け継がれています・・・ある程度レコードを買われている方なら、お店が付けるキャプションに「Loft」と書かれているレコードを手に取った方はいますよね。
 どんな曲を選曲していたかは、なかなか短くまとめられないのですが、どの曲も豊かな音楽性があり、凛とした曲が多いかな・・・ただ、聴いてると心も体も動きだし、そしてリラックスもする曲が多いですかね?

 そして、DJプレイについては・・・今となっては独特になるかもしれません。

 DavidさんがDJプレイするときは、いわゆる「DJミックス」を一切行わず、プレイする曲をフェードイン・フェードアウトでプレイします・・・それも、プレイする曲を頭から最後まで、何もDJ的な加工を行わずプレイを行います。
 こういったDJスタイルは、Davidさんのプレイスタイルから、今となっては「Loft スタイル」と呼ばれており、DJ的にはメジャーではないですが、このスタイルにこだわってプレイしている方もおられますよね・・・

 今の時代なら、DJという存在は、ミキサーをイジりながら派手に音を混ぜ合わせる存在と認識されているので、Davidさんのプレイを見ると地味すぎて「これがDJなのか?」と思う方もいるかもしれません・・・

 ただ、Davidさんのプレイにおいては、ミックスはしないものの、聴いてる人をその音楽の「ストーリー」に乗せていくことや、プレイする曲を最良の音響で聴かせることで価値が発揮することなどに主眼点を置いており・・・本当のDJは「DJミックスをしなくてもDJが出来る」ことを表していたのだと思います。
 特に、ストーリー性の部分だったり、あえてDJミックスをしないことで、プレイしている曲に「しっかりと入りこんでもらう」要素が生まれる点などは、DJが標準化した今となっては逆説的に重要な視点ですね・・・
 
 僭越ながらまとめると、DJも選曲も、そして全てのことが「音楽愛」があることで生まれており、それがDavidさんの素晴らしさになると思います。

 変にショーアップせず、とにかく「音楽を愛して、パーティを楽しもう!」という博愛が背景にあり、それが全てに表れていたのだと思います。


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 そして、話を今回の作品紹介に進めます・・・

 DavidさんのDJやパーティーは、結果として様々な人に影響を及ぼし、今の「クラブ」や「ダンス」を形成していきました・・・

 それこそ、故Larry Levanが、Davidさんのパーティーに熱心に通い、そこでDJ、いや「音楽」を学び・・・そして、LarryがDJをしていた「Paradise Garage」は、Davidさんの「The Loft」を大いに参考にして作られたクラブであることは有名ですね。
 その他にも、DavidさんのDJだったり、Loftのパーティーに影響を受けた方は多く、今のクラブ系と言われる音楽の大部分は、Davidさんの影響があると考えられます。

 そして、日本においても大いに影響を及ぼしてくれ・・・その「一つの結晶」が今回の作品かもしれません。

 今回の作品は、現在は不定期で開催をしてるパーティー「Gallery(ギャラリー)」の参加DJ達が2003年に発表したコンピレーションアルバムになります。

 Galleryは、青山にある「Cay」というクラブ/レストランで行われていたパーティーで、いわゆる「House」のカテゴリーになるパーティーでしたが、今回の主役でもあるDavidさんが考えていた「音楽愛」をある意味で「受け継いだパーティー」とも言われています。

 参加メンバーからして、DJ Noriさんを筆頭に、AlexさんやFukubaさん、そして長谷川賢司さんなど、本当に「音楽とパーティーを愛している」方が集い、参加をしていたお客さんも同じ気持ちを抱えながら集まっていたそうです。
 また、パーティーでは、音響にこだわっていたり、心を満たすフードが出たり、DavidさんがLoftで実践していたことを模倣していた部分もあるようで、記憶だと、ある時期はLoftの日本版みたいな紹介もされていた時期があったかと思います。

 残念ながら、私自身はGalleryに参加をしたことがないのですが、きっと、パーティーという「私達の共同体」で皆がニコニコしながら踊っていたのでしょう・・・
 過去の資料を調べると、アフターヌーンパーティーなので、ダンサーのお子さんも入れて、かなりフレンドリーなパーティーだったようです・・・パーティーと言う存在の「理想形」の一つかもしれませんね・・・


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 そして、実際にもDavidさんとの繋がりが深く、このGalleryは、90年代の終わりぐらいから1年に1回はDavidさんを呼び、パーティーを行っていました。

 私の憶測も含みますが、この「Davidさんが来てくれる」ことは凄い重要なことだと思います。

 それは、Davidさん自身は、完璧主義的なところがあったり、お金を稼ぐことよりも自分の理想を貫く姿勢があったりするので・・・よほどDavidさんの考えと合致しないと「来ない」からです。
 つまり、Davidさんに「認められる」パーティーでないと来ないわけで・・・このことを踏まえると、GalleryがDavidさんに認められた存在だったことが分かります。

 Galleryを考えると、DJや音楽関係者からの信頼は非常に高く、Dimitri From ParisやDaniel Wangなどがゲストで参加していたり、他のパーティで来日の際、遊びに来るDJが多かったり・・・このパーティーの「雰囲気」が他にはないことを認めている方が大変多かったようです。

 そう、Loftがそうだったように、Galleryだけにしかない「空気」が素晴らしかったのだと思います。


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 やっと、作品紹介に移ります。

 この作品は、2003年にGalleryの開始5周年を祝う形でリリースされたアルバムで、Galleryで実際にプレイされ、Galleryに集った方々に愛された曲をコンパイルした作品になります。

 まず、先に指摘したいのが、この作品は「DJミックスされていない」ことで、いわゆる「コンピレーション(=普通のアルバム)」ということです。

 実際に収録された曲は、Galleryの参加者自身も深く関わっている「Flower Records」からの音源、そして海外のレーベルの音源が半々で、僅か9曲になります。

 それこそ、Japanese House Classicである「Su-Paka-Pooh / くらげ」(収録はアンリリース版)や、永遠の名曲の一つである「Louie Vega feat BLAZE / Elements of Life」などが収録されており・・・普通に聴いたら割と地味なHouseのコンピに聞こえるかもしれません。
 特に、大半がHouseの曲なので、それぞれの曲のイントロブレイクも入っているので、1曲が異様に長く収録されていることもあり、聴きなれない方にとっては面白さを感じない部分もあると思います。

 ただ、ただ・・・心を開いて聴くと、とても素晴らしい音楽旅行を与えてくれます!

 なぜなら、DJミックスはしていないものの、全ての曲が繋がっており、さながら「Loftスタイル」で作られたといっても過言ではない内容になっているからです。

 それこそ、選曲の統一感が半端なく、聴いてるだけで「Galleryの空気」に魅了されてしまう点は、選曲にLoftのスピリット(魂)が入っている証拠ですよね・・・
 なかなか上手く説明できないですが、それぞれの音に「優しいグルーブがある」というのでしょうか、House的なボトムの強さがありながら、ギターなどの生音系の優しさが加わっている感じで、どの曲にも「Galleryの空気感」でまとめられてて、聴いてて凄い癒されます。

 また、ある人にとっては苦痛になるかもしれない、長ったらしいHouseの曲をそのまま収録することは、その「Galleryの空気感」と折り重なると、逆になくてはならない「音」になっています。
 なんでしょう、Loftスタイルにも通じる話ですが、フェードイン・フェードアウトをすることで生まれる「静寂」を音楽として利用していたり、原曲の世界観を素直にプレイすることだったり・・・とにかく味わいが違います。

 そして、選曲の進め方と配置の仕方も秀逸で、まさに「Loftスタイル」で作られているのが分かります。

 1曲目は、パーティーのテイクオフというんでしょうか、ゆったりと立ち上がる感じで、先ほど紹介した「Su-Paka-Pooh / くらげ」からスタート・・・
 ここを聴いただけで、フロアーを愛するものだったら、パーティーが始まった直後の広いフロアーで、まるで「くらげ」のように、ゆらゆらとフロアーを回りながら踊っているイメージが湧き、Galleryの世界に入っていきます。

 そして、その後も、同じグルーブを保ちつつ、下品な派手さは出さず、気品のある飾り方で音色を高めていく感じで、中盤に配置された「Louie Vega feat BLAZE / Elements of Life」の映え方が上手いですね!
 きっとフロアーで聴いてたら、徐々に空気感を上げてきてるので、気分も高まり、イントロのブレイクを聴いただけで反応しちゃう感じですね・・・


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 あまり上手く紹介ができませんでしたが、作品自体はDavidさんが求めた「音楽」が含まれており、大変素晴らしいです。

 それこそ、Davidさんが日本に来た時、開いたパーティーは「Music is Love」と銘打たれていましたが、その「音楽は愛」に通じる世界観が含まれた作品になっているかと思います。

 この作品自体、Davidさんが作ったものではありませんが、Davidさんが生み落とした「音楽」がしっかりと表現された作品であり、間接的ではありますが「David Mancusoという音楽家の素晴らしさ」を教えてくれる作品だと思います。


 最後は天国におられるDavidさんに感謝の言葉を・・・

 Davidさん、私達に「素晴らしい音楽」を残してくれてありがとうござます。天国でもパーティーを続けてくださいね!!
 




 <Release Date>
Artists / Title : DJ Nori, DJ Alex from Tokyo, Fukuba, Kenji Hasegawa 「Sunday Afternoon Session - Gallery」
Genre : House、Dance・・・
Release : 2003年7月
Lebel : Flower Records FLRC-020






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<独り言>

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 まさか、この流れでこの「紙」が出るとは思わないですよね(^^;)

 ただ、セールの報告なので仕方が無い(?)のと、少しだけDavidさんに繋がる話も含まれているので安心してください・・・

 え~、今回はいつもお世話になっているユニオンの下北沢クラブ店で、年末セールの口火を切るセールとして、かなりゴツいテープセールが開催されるとあり、参加をしてきましたよ!

2016/11/26(土)HIPHP USED TAPE SALE!!


 以前も少しお話しましたが、ここ最近のテープ熱は高く、お店側もしっかりと仕入れてくれるので、嬉しい限りですね・・・
 特に下北は、頼れる御大N村さんがおられるので、仕入れが半端なく、今回も事前情報を見ただけで「ヤバい」のが一目瞭然でした・・・

 そんなわけで、どうしても欲しい、いや「俺が買わないとイケないテープ」があったので、朝の6時30分にはお店の外で並んでいました・・・11月と言えど、凄い寒かったです(^^;)

 そして、整理券配布の時点では6名で、私は安定の1番をゲット・・・

 ただ、ここ最近、これだけ並ぶようになったのは嬉しい半面、同時に敵が増えていることも意味しているので、逆に気合いが入りました・・・

 んで、11時30分には開戦・・・とりあえず、目的の物は速攻で回収し、鉄火場な餌箱からブンドリ合戦でした・・・

 結果は以下の通りです・・・


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 今回も嬉しい30本オーバーで大豊漁でした(^0^)

 まず、報告しないといけない「俺が買わないとイケないテープ」は下の写真の左側の青いテープですね・・・MUROさんが選曲したコンピレーションのア●バン●テープです!

 この作品についてはご記憶がある方が多いかと思います・・・

 ちょうど9月に元となるCDの作品紹介をしたのもあるし、長年探し続けて写真の右側のテープをゲットした経緯があるので、ご存知ですかね?

 少しテープのことを整理すると、まず右側のは、写真奥のCDがリリースされた際、CDのノベルティーとして作られたテープで、CDで収められた曲を、選曲者のMUROさんがDJミックスをしている内容で・・・私の中ではレア中のレアテープと考えているものになります。
 そして、今回の左側のは、この作品がリリースされる際に、販売店舗に対してオーダー用の事前資料として配布されたテープになり、俗に言う「●ドバ●ステープ」になります。

 本当は、これらのテープのことを書くのはアレなんですが、まず、この作品にもア●●ンスが存在していたことが衝撃的で、この情報が出て腰を抜かしました・・・
 なぜなら、左側のDJミックスされている方が「裏テープ」であれば、更に「裏の裏」があったのが衝撃的で・・・冷静に考えれば存在することは当然なんですが・・・なんでしょう、登りきった山の上に更に山があったみたいな感じでした・・・

 そして、このテープは「既に山を登った人しか手にしてはいけない」とも感じました・・・

 つまり、これは「俺が買わないとイケないテープ」です・・・私以外の人の手には渡ってはイケないテープです・・・

 そんな思いがあったので、無駄に朝の6時30分に並び、無事にゲットできて良かったです・・・こちらも結構な金額を出しましたが、また山を制覇できて何よりです(^0^)

 なお、テープ自体はCDと全く同じでしたが、テープで聴くと「更に良い」ですね!!

 ちょうど、今回の記事を準備してたことで、体が「Loft」になってたこともあり、この作品の「Loft」的な部分に激しく反応したのもありますが、テープ特有の丸みがヤバくって、惚れ惚れしながら聴いちゃいました(^^;)
 テープ特有の暖かさが、この作品の「Loft」的な部分を高め、DJミックスが無いコンピレーションなんだけど、しっかりと「ミックステープ」になってるのが奇跡でした!

 あと、多分セール的には本丸である左側のテープは、心ある方に渡ってくれてよかった・・・そして、その方は私よりもたくさん買っていたので、テープ馬鹿がまた一人増えたことも嬉しいです(^0^)


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 その他にも、全然見かけないテープや、欲しかったけど買えなかったテープなども沢山買えてニンマリです(^0^)

 ちょっと蛇足になりますが、今回のセールについては、別角度で嬉しかったこともあります・・・

 それは、遂にお店側が「私のテープ知識を上回るテープを出してきた」ことです。

 私自身、相当テープに詳しいと思いますが、未だに知らないテープは沢山あり、新しいテープを発見する度に興奮をしています・・・
 ただ、それらの新しい発見は、お店側が気付かずに出していることが多く、お店側の知識が追い付いていないことも意味します・・・

 その限りにおいて、今回のMUROさんのテープは、下北のN村さんがテープに対して知識を持ち、かつ、テープのトレンドだったり相場を理解して、市場に対して「提案」をしてきたと感じました。

 つまり、このテープがニューディスカバーであり、絶対に価値があると踏んで出品してくれたことが嬉しく、お店側でもテープに情熱を持ってくれていることが素直に嬉しかったです!

 N村さんと下北店さんにはホント頭が上がりません・・・これからもゴツいのを仕入れてバンバンと私に売りつけてくださいね(^0^)


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 ユニオン的にはセールシーズン突入で、実は今日も下北に行ってDiscoを掘ってきた(!)のですが・・・レコード稼業は本当に「体力勝負」ですね(^^;)

 来週は渋谷でテープセールがあり、これも喧嘩覚悟で攻めることが確定しました・・・
 渋谷も凄い頑張っていて、今回もかなりゴツいのが出ますね・・・ただ、同日は新宿でディスコのセールが被ってるので、ディスコの方がゴツいのが出ないといいな~と願っています(^^;)


 最後に、セールでお会いした皆様には感謝感謝です!

 来週の渋谷も頑張りますよ!!






Kashi Da Handsome 「Handsome Honey Beatz Vol.1」
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 え~、今日はお天気が良く、掃除や洗濯の張り合いがあり、朝から頑張ってしまいました・・・いきなり、庶民話ですみませんね~(^^;)

 気付いたら冬の足音が聞こえる11月ですが、今年の秋は曇りの日が多く、秋晴れを感じらた日が少なく、今日のような日は大変貴重ですね・・・
 ちょっと寒いぐらいの空気に、暖かい日差しが差し込むことが気持ちよく、家でコーヒーを飲みながらブログの作業をしてるだけでもホッコリしちゃいます(^0^)

 そんな、コーヒーの暖かさを後押ししてくれる名作の紹介です!


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 今回は、今までなんで紹介しなかったのかは謎ですが、あのKashi Da Handsome(カシ・ダ・ハンサム)さんによるネタ物ミックス「Handsome Honey Beatz」を紹介します!

 まず、カシさんについては、数年前に「Tenkoo Lounge 1」という作品で紹介をしましたが、改めて紹介をしますね。

 カシさんは、90年代初期よりラッパーとして活動を開始し、90年代中ごろからは「Flick」として活動をしてたMC/DJ/ Producerで、今はDJの方が有名ですが、昔はラッパーとして有名だったかと思います。
 故Dev Largeさんが主催していたレーベル「エルドラド」からFlickとしてのシングルを数枚出したり、客演で色々な曲に参加してたり・・・あの特徴的な声と、グッとくるフロウと韻の踏み方がお好きだった方は多いですよね!

 また、カシさん自体はMUROさんのクルー(KODP)に属していたので、MUROさんがKODPクルーのをラッパー達を引き連れてOld School的なDJセットをやっていた時代(2000年代初期~中期ぐらい)には、カシさんもMUROさんのサイドMCとして大活躍をしていました!

 カシさん自体、MUROさんとのお付き合いも古く、90年代からDJの現場では既に共演をしてて、その頃からサイドMCはやっていたのだと思いますが、KODP時代に行われていたパーティーでは、MUROさんのDJがいわゆる「Super Disco Breaks」スタイルで、とにかく盛り上げる方向性のDJだったこともあり、MUROさんにとって「サイドMC」の存在は非常に重要でした。

 特に、MUROさんの「ドマニアックなんだけど、プレイすれば盛り上がる選曲」が理解できていないと、MUROさんの横でマイクを操ることができない中で、カシさんはしっかりとMUROさんの選曲を理解した上でサイドMCをしてたので、その安定感と的確さは最高でした!
 個人的には、Harlemで不定期に開催してた「Back to the Old School」が印象的で、この頃になると、メインはHicoさんがやっていましたが、カシさんがサイドをやると、MUROさんが次の曲をタンテに乗せただけで、そのレコードのラベルから次の曲を把握し、MUROさんのDJに合わせて完璧なサイドMCを入れてくるのが素晴らしかったです!

 また、そのタンテに乗った次の曲が分かった時点で大喜びしてて、カシさん自体がMUROさんのDJを楽しみながらサイドをしてたのも印象的です・・・うん、カシさんは「音楽が好き」なんだな~ということを感じるエピソードですね・・・


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 そんな「音楽好き」なカシさんは、音楽が好きだからこそ「DJ」の活動も中心になっており、自身のパーティーの主催や、全国でのプレイ、そしてミックス作品の発表などを通して「DJ」としての活動も頻繁に行っています!

 特に、ミックス作品の影響度は大きく、これらの作品を聴いてカシさんのDJが好きになった方は大変多いですよね・・・

 ミックス作品においては、得意とする「ネタ物」関連の作品が多く、B-Boyの視点でのSoul、Funk、JazzFunk、Jazz、RareGroove、Latinなどのプレイが気持ちよく、師匠とも言えるMUROさんも認める腕の持ち主です!!

 その中で、今回紹介をする「Handsome Honey Beatz」は代表格でしょう!

 内容的にはネタ物の作品なのですが、MUROさんが制作し、様々なDJやディガーに影響を与えたミックステープ「King of Diggin'」の世界観を踏襲しつつ、カシさんにしか作れない内容になっているのが素晴らしいです(^0^)
 親分であるMUROさんからは、発売当時には「これはKing of Diggin'のVol.8(=続編)と言ってもいいだろう」というコメントが出たほどで、素晴らしい作品です!

 では、以下で紹介しますね~


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 まず、この作品は、一番分かりやすい表現では「ネタ物」で、いわゆるHipHopの曲でネタにされた「元ネタ」とされるSoul、Funk、JazzFunk、Jazz、RareGroove、Latinなどの古い曲を選曲した作品になります。

 それこそ、この作品が発表された2002年辺りのネタ曲が多く、例えばJaz-Zの「Girls,Girls,Girls」ネタな「Tom Brock / There's Nothing in This World That Can Stop Me from Loving You」のようなSoulや、Jurassic 5の「A Day at the Races」ネタな「David Axelrod / Urizen」のようなRareGrooveを選曲しています。
 この他にも、ヒットしたKool G Rapの「My Life」ネタな 「Fania All-Stars / Cha Cha Cha」のようなラテン系の曲、そして当時は手法として流行ったSoulネタの早回し(33rpmを45rpmでプレイなど)も網羅してて、Stylesの「Good Times」ネタな「Freda Payne / I Get High」もしっかりと早回しで選曲しててヤラれます!

 割と2000年代以降のネタが中心になっていますが、この辺を揃えているのはドープですね・・・

 MUROさんもそうですが、他の人がネタにした曲をDJプレイすることは、ある意味でそのDJの「掘りの深さ」が分かる部分かと思います。

 それは、昔はHipHopの元ネタになっても、その曲を発表する側からはネタ曲はあまり知らされないし・・・それ以上に、根本的にこういった昔の曲を探すこと自体が大変だし・・・実は地味に大変なことになります。
 その上で、オンタイムでここまで揃えているのにヤラれますし、例示したJurassic 5であれば、その他J5のネタ曲を連続プレイしてきたり・・・この辺を選曲するだけでも腕前の確かさが分かります!!

 
 また、この作品を語る上では、MUROさんのKing of Diggin'と同じく、そのネタ曲の「ネタになった部分」を中心にしつつ、その曲が持つ「気持ちよさ」や「黒さ」を引き出すような方向性で選曲/ミックスをしている点も大きいかと思います!

 それは、「ネタ」ということを考えると、その曲の1小節や2小節をループさせているので、下手したらその部分だけ切り取れば成立しちゃう中で・・・あくまでも「曲全体がイイからその部分を抜いた」というDJ視点を忘れずに選曲/ミックスをしてて、それがミックス作品としての「良さ」を引き出していると思います。
 きっと、この辺の発想は、MUROさんも含め、カシさんも自分のトラックを作るためにネタを掘っていることや、良い音楽をDJとしてプレイしていることや・・・何よりも「音楽が好き」という視点があってのことだと思います。

 そして、その上で、広く聴くと、全体的に「Kashi Da Handsome」という世界観/グルーブが下敷きになっていることに気付かされます。

 それこそ、選曲がそうで、Tom BrockやFreda Payneのような親父ソウル(甘茶ソウル)ラテン系の選曲は、カシさんが得意とする部分で、この辺を恥ずかしがらず、胸を張ってプレイしているのがメチャクチャ気持ちいいですね・・・

 特に親父ソウル系は、HipHopラインが求める黒さとは少し方向性が違い・・・なんでしょう「甘すぎる」感じがあって、意外とDJプレイにしづらい部分があるかと思います。
 その中で、その「甘さ」を逆手にとって「黒さ」に変えているようなプレイの仕方になっており、結果的に凄く聴きやすく、この辺はカシさんのセンスの勝利だな~と思いました。

 また、ミックス面においてもカシさんらしいセンスがあり、DJミックスにおいてカットインで攻めていく中で、効果的なカットインが多く、これが選曲を光らせています。

 個人的には、MUROさんのDiggin' Iceにも収録された「Sister Sledge / Easier to Love」を、MUROさんと同じタイミングでカットインしてるのですが、軽く歌詞を2枚使いしてからのカットインで「Freda Payne / I Get High」の早回しインにはヤラれました(^0^)
 MUROさんは、Remind Meにカットインして、恐ろしいほど狂おしい空気感を作ってたので、この辺は師匠へのリスペクトとオマージュを込めてのプレイでしょうか・・・こういう部分を聴くと「カットイン」の美学を感じちゃいますね!!




 そんなわけで、ザックリとした紹介ですが、カシさんのセンスでまとめ上げた内容が聴きやすく、ネタ作品でありながら聴いている人を飽きさせない展開が秀逸な作品です!

 全体的なイメージとしては、黒い音楽の中に「甘さ」がある感じで・・・それこそ、深みのあるエスプレッソベースのカフェラテに、隠し味で「はちみつ」が入っている感じです・・・そう、聴いていると「ほっこり」しちゃう感じです(^0^)

 ちょうど今ぐらいの時期に聴くと、雰囲気も相まって最高ですよ・・・お家でのくつろぎタイムのお供にどうぞ~




 <Release Date>
Artists / Title : Kashi Da Handsome 「Handsome Honey Beatz Vol.1」
Genre : Soul、Funk、JazzFunk、Jazz、RareGroove、Latin・・・
Release : 2002年2月
Lebel : K.K.Fuckwell HHB-001


Notice : シャウトアウトについて

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 これもカシさんらしいところなのですが、この作品では関係者からのシャウトアウトが豪華で、これにもヤラれます!
 親分のMUROさんを筆頭に、Dev Largeさん、キエるマキュウ(マキさん、CQさん)、ニトロ勢、Lunch Time Speaxの面々などがシャウトを送っており、カシさんが業界内部で信頼されている証拠ですね!
 なお、B面最初はDLさんのシャウトで、これがクソカッコいいです・・・この部分だけ聴くために買っても損はないでしょう(^0^)


Notice : トラックリストについて

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 この作品は、ネタ物作品だけあってトラックリストは付属されていません。
 ただ、発売当時はごく少数の関係者には上記のトラックリストが出回ったそうです・・・MUROさんのSuper Disco Breaksもそうだったので、KODPの伝統なんでしょうね(^^;)

 なお、写真のトラックリストは、今年の夏、とある大先輩からお譲り頂いたものです・・・Mさん、ありがとうございます(^0^)


Notice : CD盤について

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 人気作品だけあり、上記のようなCD盤も存在します。
 写真のは2004年制作の1枚CDタイプで、CD1枚に収めている関係から、A面、B面のそれぞれの最後の方がカットされています。
 また、2010年(?)には、2枚組CDでも再発され、そちらはA面、B面ともノーカットで収録されています。

 なお、本文で書くところが無かったので、ここで書きますが、B面の最後の方では、私のクラシックである「竹●まり● / Plastic Love」が収録されており・・・2004年のCDではしっかりとカットされていました(^^;)
 2002年の時点でこの曲を入れてくるのも凄いですが、その後にCurtisのTripping Outを選曲してくる辺りには「ニヤっ」としたのは私だけではないでしょう(^0^)



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<ミニコラム> シンガポー●産のテープについて

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 え~、この話は、愚痴半分で書きますね・・・(^^;)

 まず、今回の紹介においては、結構大変な道のりがありました・・・

 それは、私が手持ちだったテープが、以前はちゃんと聴けたはずなのに、再生しようとすると波を打ったような再生になり、満足に聴けない状態になっていました・・・
 まあ、結果的にはCD盤を持っていたので、CDをメインに聴きこみをしていましたが・・・CDの方は、先ほども指摘したPlastic Loveが入ってないので、ちょっと物足りない感じがありました・・・

 この再生エラーについては理由があります・・・

 それは、このテープが「シンガポー●」産であることです・・・

 もー、テープ馬鹿にとっては、シンガポー●は「鬼門な国」で、色々と困りますね・・・

 まず、背景から説明をすると、ミックステープを商品として作る過程では、テープをプレスする会社に発注するわけですが、ミックステープが作られていた90年代末~00年代中期は、日本でもテープのプレスが出来る体制(工場)がありましたが、聞いた話だと少しコストが高いようで、コストの安い海外でプレスする方法も主流になっていました。
 その海外にあたるのは、このシンガポー●になり、大きな特徴としてカセットテープ本体にシルクスクリーンのような形でタイトルなどが印刷されている仕様になっています。

 そして、困るのは、このシン産のはテープは磁気テープの質があまり良くない材質(内容)で作られていたようで、経年劣化をすると、色々な再生エラーに発展する傾向にあることです。

 過去にも、このテープを再生すると「キーキー」といった擦れた音がして満足に聴けない(通称:キーキーテープ)ことを愚痴ったりしましたが、これ以外にも、色々なトラブルが発生しやすく、最悪なケースではテープが切れてしまったり、絡まったり・・・とエラー頻度が高い傾向にあります。

 今回については、再生中に①再生スピードのムラが出始め、更にヒドくなると、②そこで再生が進まなくなり、デッキ側が再生停止かオートリバース判断をしてしまう、という症状が発生し、全く聞けない部分もありました・・・

 もー、このシン産のテープ、本当に謎で、数年前は普通に聴けたのに、突然こうなることが結構あり、ほんとムカつきます・・・


 そんな中、たまたま下北ユニオンで、このテープの「未開封」というテープが売られててたので、これなら「絶対に聴ける!」と思い、喜んで購入し、今回の紹介に辿りつきました・・・

 私が考える中では、原因はテープ質が問題なので、いかに「経年劣化」していない状態で聴くかがポイントなので、今回の未開封は飛びついてしまいました・・・

 んで、いざ聴いてみると・・・おおっ、ちゃんと聴ける!

 いや~、理論的な部分があってたのも嬉しいですが、ちゃんと聴けるのはもっと嬉しいです・・・今週は、この買い直したテープ版を貪るように聴いていましたよ!


 ただ、今回はオチもあります・・・

 なんと、未開封のテープ、聴けば聴くほど、他のテープと同じようなエラーが発生しています・・・これには泣いてしまいました(^^;)

 う~ん、つまるところ、このシンガポー●産のテープは、作った時点で「運命」が決められているような部分があるんですかね・・・未開封でもダメなら、手の打ちようが無いです(^^;)

 なんか、カシさんがCD盤を作った理由が分かったような気がしました・・・テープが聴けないのであれば、CDで聴くというのは間違えのない選択肢になるようです・・・






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<独り言>

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 え~、いつも変わらずテープを馬鹿みたく買っている30半ばですが、今年は「テープ」という存在が動いた年なのかな~と思っています。

 それは、分かりやすく書けば、テープに注目が集まり、テープを買う人が増えてきたことを意味する訳で、この間の下北ユニオンでのセールをみても、テープに人気が出てきたのが肌で感じられるようになりました。

 そんな中、一つ、嬉しい動きがありましたよ!

 ユニオンが定期的に発行しているジャンル別の買取リストにおいて、HipHopのリストで、なんと「ミックステープ」の掲載がありました!
 
● HIPHOP CD/RECORD WANT LIST2016


 リストについては、ユニオンが真剣に「欲しい(=売りたい)」と思うタイトルを掲載してて、必ずこの値段で買取るとはいきませんが、こういったタイトルがあれば、真剣に買取ります・・・という表れを示した内容になるかと思います。
 つまり、このリストに載っているタイトルが「今のトレンド」に見合ったタイトルであることが分かり、ミックステープの掲載は4本だけでしたが、トレンドとして評価されたことがちょっと嬉しかったです(^0^)

 内容的には、私の中での横綱である「MUROさんの裏Diggin' Inceなテープ」をプッシュしてる辺りが嬉しいですし、Kenseiさんが好評価なのには納得です!
 
 まあ、掲載された4本は、色々な条件があってこの位の値段がついちゃうテープになり、他のテープがここまで値段がつくことはないかと思いますが・・・こういうリストが出た時点で、以前と比べて、お店側が「真剣に買ってくれる」ので、売る方のタイミングとしては悪くはないと思います。

 是非、興味があれば、ユニオンさんに問い合わせてくださいね・・・・11月中であれば、12月のセールに向けて商材をかき集めているので、かなり頑張ってくれるはずですよ!

 特に、マイメンN村さんがおられる「下北沢クラブミュージックショップ」は相当頑張ってくれるので、是非問い合わせてみてくださいね・・・
 ちょうど、年末セールとして開催する「テープセール」の日程も確定したので、親切に対応してくださるはずです(^0^)


 ちなみに、その11月26日のテープセール、私はしっかりと日程を開けてありますよ・・・MUROさんのテープの「裏の裏版(?)」は私が買うので、死ぬ気で攻める予定です(^0^)
 その他でも、相当ヤバいのが出てくるみたいなので、頑張りますよ・・・2週間後をお楽しみに~

 あと、やるやる詐欺で止まっている「ブログ開設7周年のボム」ですが、やっと基礎資料(?)は完成し、方向性が見えたので、後はひたすら執筆です・・・
 年内中には何とか公開したいと思いますので、こちらも楽しみにしててくださいね~




 
DJ Masayuki 「Sunny - Minutes Remix」
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 え~、先週のKensawさんの追憶記事を書いてたら、耳が「Hip Hop」モードになってしまったようで、今週はHipHop系の作品を聴いてました・・・

 30半ばになりましたが、こういった音楽が好きになったきっかけは、少年時代に聴いてた「HipHop」なので、オッサンになっても反応しちゃうんですよね・・・
 特に、DJミックスが上手いのにはノセられてしまい、帰宅の夜道でつい首を振ってしまう訳で・・・今週の帰宅の夜道では、なぜかノリノリなサラリーマンになっていました(^^;)

 そんなわけで、今週、見事にハメられてしまった、この作品の紹介です!!


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 今週は、98年にリリースされた名作「Sunny」を紹介します!

 この作品は、京都のDJである「DJ Masayuki」さんが制作した作品で、当時の売れ具合などは分からないですが、中古市場では結構見かける点を踏まえると、結構売れていた作品のようです?

 Masayukiさん自体は、中々詳細がつかめないお方ではありますが、オフィシャルHP(!)の情報によると、95年より大阪/京都でDJを開始されたそうで・・・大阪/京都のレコード文化にガッツリと根ざしてた方なのかな~と思っています。
 京都であればUlticut Up!(=Vinyl 7)のお膝元だし、大阪は大阪で素晴らしレコード屋さんが多かったし・・・関西圏のレコード文化で育った(育てた?)部分があるかもしれないです。

 なお、リリースはDJ S@Sさんが主宰していた「Undaprop Wreckordz」で、確認できる範囲では3本のテープがリリースされています。
 アンダ自体、東京のレーベルではありましたが、京都のミックステープ業界を代表するDJである「DJ Gossy」さんが、割とアンダと繋がりが深かったので、その流れでアンダからリリースをしたのかな~と思います?

 なんか、今回は「?」が多くてすみません・・・

 ただ、作品は「怒涛のクイックミックス」でかなりヤラれます!

 きっと、当時、この作品を聴いたことある方なら影響を受けた方も相当いるのではないでしょうか・・・今聴いても、そう思うので、かなりレベルが高い作品です(^0^)

 では、作品紹介です~


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 この作品は、もはや「Masayukiスタイル」と言っても過言でないくらい、グッとくる「黄金期HipHopのクイックミックス」が聴きどころな作品で、HipHopが好きな方なら絶対に「首を振る」作品になっています!

 ある販売サイトの情報によると、A面+B面で122曲、1曲平均44秒のプレイ、そして、アナログのレコードで一発録りのようで・・・まさに「怒涛のクイックミックス」です!
 それも、ただ単にクイックをしているのではなく、HipHopらしい「ノリ」を選曲とミックスで上手くキープしながらのプレイになり、そんじょそこらの「クイックミックス」ではなく、聴いてて圧巻です!

 まず、選曲的な話を入れておくと、Bなら反応をせざるを得ない選曲です(^0^)

 A面は、割とNew School(90年代初期)を中心に、同アーティスト繋ぎやトラックメーカー繋ぎで選曲をしてて、それこそ写真上の「DJ Premier」であれば、出だしから「Group Home / Supa Star」「Gangstar / Mass Apeal」を選曲しててヤラれます!
 そして、B面は、New SchoolからMiddle School(80年代後半)まで選曲の幅を広げ、同アーティスト繋ぎなどもこなしつつ、全体的にノリを優先したミックスで、それこそ「Run DMC / Here We Go」からの「Biz Markie / Nobody Beats The Biz」にはグッときました!

 クイックミックスって、ミックス作品として作るのはかなり大変なので、あまり作る人がいなかったジャンルになりますが・・・クラブ等での現場では「絶対的な武器」になる技術になるかと思います。

 それは、色々な理由があるかと思いますが、クラブプレー中に、それぞれのお客さんが色々な方向を向いて楽しんでいるのを、クイックをすることでお客さんの意識を「DJ」に向かせ、そして、DJが作る「ノリ」で一体感を作り、フロアーを盛り上げる・・・そんな効果があるかと思います。

 この限りにおいて、重要なのは「クイックしていくことでノリを掛け算していくこと」「お客さんが知っている曲でボムらせること」になるかと思います・・・

 後者は、知っている曲=俗に言う「HipHopクラシック」になるので、それなりに知識、いやそのDJが「HipHopが好き」であれば外さない要点ですが、前者の「ノリを掛け算」することは、実はかなり技術がいるかと思います・・・


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 Masayukiさん自体も、結構現場でプレイをしてたようなので、その辺の「現場感」も踏まえたクイックになっているように聞こえますが・・・細かく聴くと、要所要所でその「ノリを掛け算」するプレイがあり、メチャクチャ上手いです・・・

 その観点で押したいのが、A面で披露されている「Pete Rockメドレー」です!!

 ざっと紹介すると、Pete Rockが外部プロデュース(またはリミックス)をした曲を選曲しており、「①Das EFX / Jussumen (Remix)」から始まり、「②A.D.O.R. / Let It All Hang Out」「③Run DMC / Down With The King」、そして大トリは「④Public Enemy / Shut Em Down (Remix)」という流れになります・・・

 それなりにHipHopがお好きな方であれば、この並びをみて「うほっ」とはなりますよね・・・ただ、Masayukiさんのプレイにおいては「攻め方」が上手く、PEでつい激しく首を振ってしまいます(^^;)
 
 どんな攻め方かというと、①~③はイントロのブレイクを2~4小節程度だけプレイして次の曲にカットインしていき、その過程で「期待感」を煽ってからの④でボムる展開なんですね・・・割とベタと言えばベタですが、ここを聴いただけでMasayukiさんのプレイの上手さが如実に分かります!
 
 まず、基本的なDJミックスはカットインなのですが、そのタイミングと、前後の曲の「メロディ」や「グルーブ」をしっかりと読み切ったカットインなので、ガッツリと次の曲がハマっています!
 これらの曲はPete Rockの全盛期の曲なので、独特なドラム感やソウルフルなホーン使い等が上手くかみ合った名曲なので、繋ぎやすいと言えば繋ぎやすいのですが、この辺の読み切りを含め、大胆にカットインしていくのが大変素敵です!

 その上で「ノリの掛け算」が上手すぎます!!

 私の感じた視点で紹介すると、①→②になった時点で「おっ、Pete Rock繋ぎだね!」と聴いてる側は反応する訳ですが、速い展開のイントロブレイクのクイックをすることで「Pete Rockのノリ」だけを抽出し、急速にグルーブを増加させている感じです・・・
 この「急速」の部分が、足し算ではないので「掛け算」という表現をしましたが・・・段々と「どんな展開をするか」という期待感も加わり、全体のグルーブが加速度的に早まります・・・

 その急速なグルーブの行きつく先が「④Public Enemy / Shut Em Down (Remix)」で、この曲だけは1曲をプレイするのですが、①~③の「掛け算」があったからこそ、メチャクチャ首振りなグルーブになってて、気付いたら、最初っから首を振り、ラップをしながら夜道を歩いている私がいました(^^;)



 なんか、技術的なところは、あまり上手く紹介ができませんでしたが、これぞ「DJマジック」と言いたくなるような技が随所に光った作品です!

 単純に「クイックミックスをしている作品」と言えばそれまでかもしれないですが、要所要所で現場で培われた「技」が光っており、かなり最高です!
 HipHopがお好きな方であれば、絶対にお勧めなので、探して聴いてみてくださいね~


 なお、今週も独り言がないので、独り言と蛇足をかねて話を追加しておくと、ここ数年、こまめにHipHopのオリ盤を買ってたので、こういった作品が何とか自分の力だけで紹介出来るようになって良かったな~と思います。

 この辺の12inchは、大昔は死ぬほど高かったので、当初はリベンジ買いだったのですが・・・やっぱりこれらの時代の曲は「カッコいい」ので、今は「カッコいい曲だから買う」みたいな方向性になっています・・・
 Pete Rockなんかが特にそうですが、サンプリングだけど「オリジナル」なんですよね・・・うん、やっぱり「Hip Hop」って素敵ですね(^0^)




 <Release Date>
Artists / Title : DJ Masayuki 「Sunny - Minutes Remix」
Genre : Hip Hop・・・
Release : 1998年
Lebel : Undaprop Wreckordz UWT-011






DJ Kensaw 「DJ Kensaw Hip Hop #10」
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 今週は、急遽、紹介予定だった作品を差し替えての紹介です・・・こういう紹介はあまりやりたくはないですが、故人を偲んでの紹介です・・・


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 既にご存知の方も多いかと思いますが、大阪HipHop界のレジェンドである「DJ Kensaw(ケンソウ)」さんがお亡くなりになられたそうです・・・

【訃報】DJ KENSAW (LOW DAMAGE/梟観光)が死去


 もともと、あまり情報が出ない方なので、正確な情報は分かりませんが、ここ最近はあまり体調が良くなかったそうです・・・謹んでご冥福を申し上げます。

 Kensawさんというと、どうしても大阪の方なので詳細が分からない部分が多いですが、大阪での影響力はホント大きいかと思います。

 80年代末より活動を開始し、盟友のDJ Tankoさんと共「Low Damage」を結成し、DJ活動や楽曲制作を通して「大阪でHipHopを根付かしたDJ」になります・・・

 この点は、なかなか実証しづらいところはありますが、聴いたお話だと、かなり早い時期からHipHopをプレイしてて、大阪のヘッズ達はKensawさんのプレイを通して「HipHopのカッコよさ」を学んだそうです・・・
 特に、95~97年ぐらいの日本語ラップ/DJブームの際はシーンの中心として活躍し、大阪版の「証言」と言っても過言ではないクラシック「Owl Nite」の制作を通して、大阪のHipHopシーンを盛り上げた点は非常に大きいかと思います。


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 そして、その「カッコよさ」を学ぶことにおいて、活用されていたのが「ミックステープ」だと思います!

 当然、現場でのプレイも大きいですが、Kensawさんのテープを聴いて「HipHop」なり「DJ」の魅力を教わった方は多いかと思います。

 Kensawさんのテープは、一般的には「そこまで出していない」と思われがちですが、実は結構出していて、特に今回紹介する「DJ Kensawシリーズ」は大阪の方であれば、思い入れがある方が多いでしょうか?


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 このシリーズは95年~96年ぐらいに集中的にリリースされていたテープで、分かりやすい表現であれば「新譜紹介テープ」になります・・・

 こういったテープは、色々なDJが作っているのであまり注目がされませんが、Kensawさんのテープは作っていた時期がHipHopがブームになり始めた頃なので、まだ「HipHop」を知らない子達がKensawさんのテープを聴いて「HipHopの魅力」を学んでいたようです・・・
 私自身、大阪のシーンのことは分からないのでアレですが、今年の大阪旅行で某レコード店の店主さんからこのシリーズの初期テープをお譲り頂いた際、お話を伺うと、やっぱり影響を受けた方は多かったようです・・・

 そして、テープ自体はいわゆる「手製(手刷り)」で作られ、どれも味のあるジャケットが印象的ですね・・・

 95~97年ぐらいだと、まだテープを業者さんに発注して作ることは慣例的ではなかったのと、シーン自体がかなりアンダーグラウンドだったので本数的に手刷りレベルでも対応できたので、結果的に手刷りのテープが多かったのですが・・・手刷りのテープはかなり重要な存在だったと思います。

 当時を思い返すと、東京では「DJ Nisimiyaさんのテープ」なんかが有名でしたが、シーンが黎明期が故に情報が無いので、その「情報のなさ」を上手く埋めてくれた存在になっていましたね・・・
 今の時代からしたら信じられないかもしれませんが、こういった情報を教えてくれる本や雑誌、TVやラジオは殆どなかったので、生の「HipHop」や「DJ」を知ろうと思ったら、レコード屋さんとか洋服屋さんに行って、こういったテープを買うことが身近だったんですね・・・

 実際に大阪でどのように販売していたかは分かりませんが、ヘッズ達がテープを購入し、擦り切れるぐらいに聴いて勉強をしていたのかもしれません・・・

 では、テープの紹介です!


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 今回紹介するのは「10作目」で、リリースは96年になります。

 この10作目は、今の中古市場でもよく見かけ、東京のユニオンでもよく見かけるので、大阪を飛び越え、全国で流通していたようです・・・それだけ内容が良く、人気があった証拠ですね!

 内容的には、当時の新譜HipHopミックスになり、私たち世代だと懐かしい「Group Home / Suspended In Time」「Tragedy / Da Funk Mode」など、あの時期特有のハーコー感やアングラ感が出たHipHopが多く、かなりヤラれます!

 今回、改めて聴いてみて思ったのが、Kensawさんの選曲って「実は独特」で、このミックスでも割と独特な方向性があるな~と思いました。

 トラックリストがついていないので全ての曲が捕捉できないですが、当時としてはあまりチョイスしなかった曲が多く選らばられている感じで・・・変な話、他のDJがプレイしない曲を多く選曲している感じがします。
 それこそ、「Tragedy / Da Funk Mode」なんかは今でこそクラシックですが、当時はそこまで珍重されてなかったし、他の曲も聴いてて全然知らない曲が多いんです・・・Kensawさん自体、かなり早い時期から西のHipHopを押してたりしてたので、ちょっと視点が違うんですよね・・・

 ただ、聴いてると「独特のファンクネス」というんでしょうか、HipHopらしい「武骨さ」が伝わる選曲で大変イイんですよ・・・

 その「武骨さ」は、シュアな2枚使いやスクラッチが更に盛り立て、この時期のHipHopの良さを分かりやすく表現しています・・・
 なんでしょう、2枚使いやスクラッチがうるさくならない程度に擦ってくるんですが、それがかえって「味」になり、楽曲を盛り立てます・・・同時期であればDJ Kenseiさんなんかの方向性と同じ擦りなのですが、ちょっと「大阪ノリ」がある点が「武骨さ」を醸し出しているかもしれません。

 そう、この作品・・・というか、Kensaw作品において一番重要なのが「大阪ノリ」だと思います!

 「大阪ノリ」と書いてしまうと、なんか吉本ライクなコテコテなイメージが出てしまいますが、東京のHipHopとはちょっと違う感じがあります・・・
 う~ん、なかなか表現が難しいのですが、東京だと無言で淡々と首を振っている感じなのに対して、大阪は「皆で盛り上がろう」的なフレイバーも含まれているのかな~と思います。

 そして、その「大阪ノリ」の顕著な部分は、DJミックスに「MCがマイクイン」している構成になっていることです!

 大半の作品では、盟友である「DJ Tanko」さんがマイクインし、現場感を盛り上げています・・・この作品だとロボ声にして登場していますが、この「おしゃべり感」は大阪ですかね?
 大阪の方には失礼かもしれませんが、大阪の方は「しゃべり」が「ノリ」を生み出していて、それが人間のコミュニケーションの根幹になっているかと思います・・・その辺の背景があってのマイクインかと思いますが、個人的には大変好きですよ!



 あまり上手く紹介ができませんでしたが、Kensawさんのテープは「大阪HipHop」の基礎を作ったかもしれませんね・・・

 Kensawさん、お疲れさまでした・・・こんな素敵なテープを残してくれてありがとうございます!!




<Release Date>
Artists / Title : DJ Kensaw 「DJ Kensaw Hip Hop #10」
Genre : Hip Hop・・・
Release : 1996年
Lebel : Owl Nite Muzik No Number


Notice : Kensawさんと日本語ラップ

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 今回の作品紹介では外しましたが、Kensawさんにおいては「日本語ラップ」も重要なので、別項として紹介しますね!

 まず、このテープの範囲だと、写真のように、テープのケースに後付けのシールで「MC Ichi aka 1Low / Ghetto Red Hot」の告知(?)が貼ってあり、テープにもボーナストラックのような形で同曲が収録されています。

 Kensawさん自体、もはや大阪クラシックなポッセカット「Owl Nite」を制作されたり、日本語ラップの普及に貢献をしてたお方なので、テープでも日本語ラップを取り入れることもありました。
 作品単位であれば、大阪~名古屋の日本語ラップをショーケース的に紹介(トコナも参加!)している「Between In The Beatz」(97年)なんかが有名ですが、テープ自体に大阪のMC達をフューチャーしてることもあり、この辺も聴きどころかもしれません。
 
 ただ、ミックステープ単位だと日本語ラップはメインではないのと、当時のことを考えると、聴いた人は、これらのテープに収録された「USのヒップホップ」の魅力を知った方が強かった(無論、日本語ラップの曲の良さも伝えていますが)と思うので、別項にしました・・・すみません・・・


Notice : 手刷りテープについて

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 今回は独り言がないので、補足事項を多めにしましょう!

 作品紹介でも触れましたが、このシリーズは、基本的には「手刷り」で制作されています。

 手刷りとは、専門業者に発注して作ったテープではなく、市販のカセットテープを、製作者側が一本一本ダビングして作ったテープのことで、手作りで作ったテープになります。

 業者に発注すると、それなりの金額がかかるのに対し、手刷りであれば、テープは1本100円ぐらいで買えたので、自分たちの労力を換算しなければ相当安上がりに作れたので、90年代はかなり手刷りで作ってた方が多いです・・・
 まあ、ミックステープが黎明期だったので、DJ側が「どこに発注してイイか分からなかった」のもあるし、都市伝説レベルの話ですが、ミックステープが著●権をアレしてるので業者側が受け付けなかったこともあったそうで・・・90年代は手刷りも主流でした。

 んで、今のコレクター市場から考えると、手刷りのテープは根本的な本数が少ないので、おのずと希少性があり、一部のタイトルは高くなってしまうのですが、業者発注のテープと違い、オリジナル品かどうかの区別がつきづらく、売る側としては敬遠されており・・・結果的にテープの優劣(?)としては「業者テープ > 手刷りテープ」になっているかと思います。

 ただ、手刷りは手刷りで凄いイイところもあります。

 それは「テープ質」がイイ点です!

 実は、当時、日本で市販されていたテープは結構品質が良く、テープ特有の悩みである「伸び」とかがあまりないんですね・・・相当マニアックな話ですが、80年代のはメチャクチャ質がよく、90年代になると色々な理由で値段が下がりして品質は少し落ちますが、品質の良さは変わりありません・・・
 むしろ、業者テープの方が質が悪いことが多く、特に海外発注系のだと、テープ自体が薄かったり、品質的に悪かったりするので、後々になり、テープが伸びたり、謎の再生不良がおきたり・・・最悪は切れたりするケースがあったりします。

 実は今回、Kensawさんのテープが正にそうでした・・・

 今回の作品紹介においては、真っ先に思い付いたのが、大阪~名古屋の日本語ラップの紹介とKensawさんらしいDJミックスがフューチャーされた「Between In The Beatz」だったのですが、こっちは業者プレスなのに、謎の再生エラーで満足に聴けませんでした・・・他のテープ(A to Zとか)でも同様のエラーがあり泣くに泣けませんでした(^^;)

 その半面、今回の手刷りのシリーズテープは全然普通に聴けました・・・結果的に、こっちのテープを聴いて「Kensawさんの紹介はシリーズテープの方が良い!」となったので、結果オーライではありますが、改めて手刷りテープの威力を痛感しました(^^;)


 なお、業者テープの再生不良は、今回のはテープ全体が微妙にヨレているのが原因で、それで音が悪かったり、デッキの方が再生出来ずに止まってしまう・・・そんなエラーです。

 んで、皆さん、そういったテープをどうやって聴けるようにするのか?が気になるかと思いますが・・・こういう場合は、諦めて別のテープを買う方が良いかと思います・・・
 ただ、全く同じタイミング・環境・内容でプレスしてるので、買い直しても同じケースの場合もあります・・・もう、運に任せるしかないんです(^^;)