HipHop,R&B,Soul,Funk,RareGroove,DanceClassics,Garage,House・・・など、私が気に入っているMixTape,MixCD,その他もろもろを紹介するブログです。
ビクター・ファンタスティック・オーケストラ 「山下達郎作品集」
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 いや~、熱いですね・・・熱いよ・・・

 日中、ちょっと外にいるだけでも汗だくになり、日差しで肌が痛くなります・・・今年の夏は厳しそうですね~

 ただ、やっぱり夏の青空はイイですね・・・先ほど、買い物に行ったら、空の青さが綺麗で、つい、チャリを止めて眺めていました・・・
 なんか、最近、空が好きなんですよね・・・私の中で何かあったんでしょうか?(^^;)

 そんなわけで、毎年恒例の「イルな和物特集」です!!


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 今回は「インストで聴く和物テープ」としまして、あの「山下達郎」さんの楽曲を、ナイスなインスト・カバーした作品を紹介したいと思います!!

 まず、いわゆる「インスト・カバー」ですが・・・みなさん、お好きですよね?

 もー、星の数だけインスト・カバーの曲はあるのでなかなか説明がしづらいですが、ある有名な歌を、あえて歌を入れずにカバーした曲を「インスト・カバー」としており、ほんと色々なカバーがあるかと思います。
 私個人としては、Jazz系のミュージシャンがJazzFunk~Discoのラインでカバーした曲は大好きで、歌が無いけど、その歌のメロディーを上手く楽器で演奏してくれているので、踊ってて凄く気持ちよく、つい後でレコードを購入することが多いジャンルです!
 なんでしょう、外見は楽曲から歌を抜いただけの曲かもしれないですが、その歌なしの曲にも魂がこもっており、これがインスト・カバーの良さになるのかな~と思います。

 そして、このインスト・カバーについては、和物でもチョコチョコあり、DJ業界的にはちょっとだけ人気なジャンルかと思います。

 それこそ、洋楽の曲を、サラッとカバーした和物曲は人気で、それ専門のレコードもあったりしますよね・・・私が好きなDiscoラインであれば、国内の謎の海外箱バンドに演奏させたヒット曲集など、結構ありますよね~

 そして、今回の主役である山下達郎さんの楽曲については、写真のようなレコード(1984年/ソニー)があるぐらいで、元々の曲がイイから、インストカバーも多いのかな~と思います。
 
 DJ業界的には「インスト」って重要ですよね・・・

 歌入りの元曲はもちろん最高ですが、歌が入っていないことで変化球の選曲が出来たり、逆に歌が入っていないことでDJのグルーブを持続できたり、結構便利なので、つい「インストは買う」という方が多いかと思います。

 ただ、正直なところ、和物の曲だとインスト・カバーって少ないんですよね・・・

 私なりに考えると、日本人はそもそも「歌ありき」で音楽を考えており、インストという音楽は必要が無いと考えていた傾向があり、あまりインストカバーを作らなかったようですね・・・
 ただ、後述する「カラオケ」という別要素があるので、探せばそれなりに「インスト」はあるのですが、一般的には歓迎されていなかったようですね・・・


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 ただ、私としては、このような「インスト・カバー」が、日本では名前を変えて愛されていると思っています・・・

 それは「歌のない歌謡曲」です。

 何人の方が「YES!」と頷いてくださるかは分からないですが、気づいたら私自身は「歌のない歌謡曲」を通して「和物のインスト・カバー」、そして「和物」の良さを知りました・・・

 ここで、写真のオジサン(失礼!)の説明になりますが、私は、毎朝、出勤をするまでの間、TVではなく「ラジオ」を聴くことが多く、TBSラジオで放送されている「森本毅郎・スタンバイ!」を常に聞いています・・・
 そして、この番組では、6時45分ぐらいから「歌のない歌謡曲」というミニ・コーナーがあり、アシスタントの遠藤泰子さんが日々の生活に役立つ情報を紹介する中で、日本の歌謡曲のインスト版をBGMで使っており・・・これでヤラれてしまいました(^0^)

 まず、毅郎さんのラジオですが・・・もう、毅郎さんと泰子さんの声を聞かないと1日が始まらないぐらい、私にとっては欠かせない番組です!!

 ニュースや時事情報などを分かりやすく簡潔に伝えてくれ、そして、両者の優しい声が忙しい朝を和ませてくれ、毎日、毅郎さんと泰子さんの声が一日の活力剤になっています(^0^)

 特に、泰子さんの優しいお声を聞くことは重要で、前述をした「歌のない歌謡曲」は必ず聞いています・・・

 そして、気づいたらBGMとしてプレイされている「歌のない歌謡曲=インスト・カバー」が最高に気持ちよく、これも目当てに聞くようになっています!

 この「歌のない歌謡曲」については、正確に説明するとJRN系列局などで平日の朝に放送されているパナソニック提供のラジオ番組になり、各地域で放送している内容が若干異なるようですが、共通なのは「①日々の生活に役立つ情報をアナウンサーさんが紹介」「②そのBGMに歌謡曲のインストが流れる」になっています。

 特に②の歌謡曲のインストについては、この番組の肝ともなるので、かなり拘っており、新旧の歌謡曲やポップスのインストなんだけど、そのインストにしっかりと魂が入っている曲を多く選んでいるかと思います。
 実際には、一般的には出回ってない業務用のBGMや、さり気なく作られたインスト・カバーを探してきているようで、かなりクオリティーが高い曲が選ばれています。

 その中で、結構な確率で流れるのが「山下達郎」さんの曲で、普通にSparkleのインストが流れてくるなど、朝から悶絶をしています・・・


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 長くなったの一端ブレイクを挟む意味で、今回紹介するテープの裏面を・・・

 話を戻すと、私の研究では、歌のない歌謡曲でプレイされている達郎さんの曲は、このテープが元ではないか・・・となりました。

 断定は出来ないのですが、当時はこのテープと同じ内容のCDも同時発売をしていたこと、リリース元のビクター音楽産業がこの手の和物BGMを何作も作っていること、そして、番組内でOAされた達郎さんの曲が収録されていることを考えると、この作品が元ネタになるのかな~と思います。

 まず、発売元のビクターは、なぜかこういった「和物BGM集」を作ってて、それなりに作品数があるようです・・・

 名義は「ビクター・ファンタスティック・オーケストラ」としてリリースされており、ユーミン、長渕剛、小室哲哉など、かなり有名なアーティストの楽曲をインストカバーした作品を作っており、おそらく、おもに業務用に近い形のBGM作品としてリリースをしていたようです。
 つまり、DJ業界でいう「ライブラリー」になり、おそらく制作をするディレクターの判断でスタジオミュージシャンを寄せ集めたバンドによる作品になるようです・・・

 こういったライブラリーもの、レコードを買っている方だと分かるかと思いますが、ネタ的な要素は含まずに考えると、音楽として「Good」か「Bad」かは凄い分かれるところで、あくまでも「BGM=主張してはいけない音楽」なので、単独で聞こうとすると厳しい内容が多いかな~と思います。
 ただ、こういったBGMとして使用する立場の人・・・例えば、TVやラジオ番組のBGMとして利用したい人や、有線などを通してお店のBGMとして利用したい人としては、目立っては困る内容なので、逆に音楽的になっては困る部分があるかと思います・・・

 日本産のライブラリーって、あまり無いイメージがありますが、探してみるとボチボチとあるようですね・・・


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 そして、やっと作品の紹介です・・・奇跡なぐらい、最高な作品になっています!!

 まず、楽曲的には、達郎さんの名作アルバムである「For You」や「Ride On Time」を中心に選曲されており、そのどれもが「インストなのに魂がある」曲が多く、かなり良い作品になっています。

 どういった方が演奏しているかは分からないのですが、1987年の作品とあって、まだ腕のあるスタジオ・ミュージシャンがゴロゴロいた時期なので、ほんと演奏が良く、曲として聴いているだけでもヤラれます!
 特に、歌の部分はサックス等の主旋律として出せる楽器を、ちょうどいい塩梅で歌メロを奏でてるのが良いし、楽曲全体でドラムが立っているので、今でも使えるグルーブがあるのもかなり良いです・・・

 そう、私が「歌のない歌謡曲」で聞いてた「良さ」がここにはありました・・・

 それは、BGMなので「歌はない」けど、しっかりと曲に「グルーブ」があり、聞いてると癒されたり、元気になったりする・・・そんな力が宿っていました!

 特に、達郎楽曲で大切な「夏」という季節を、優しく彩ってくれる心地よさもあり、達郎楽曲の良さを、別の形で引き出しており、最高です・・・


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 作品紹介としては以上です・・・前振りが長い割には、説明は短かったですね(^^;)

 最後は、後述するテープセールを待っている間、下北の少し雲がある、青い空を見つめながら、この作品を聞いてたら・・・おもむろに「高気圧ガール」が聞こえてきて、もうヤラれちゃったよ・・・
 
 今回の作品は、ミックステープではないですが、私としては「ミックステープ」だと思い、紹介をしました・・・

 それは、インスト・カバーした達郎楽曲を、作る側が「こうしたら映えるだろう」として曲を並べてる(=選曲)している節があり、それが最高なんですね・・・
 例えば、「Sparkle」の後に「Love Land, Island」がきたり、「あまく危険な香り」の後に「Ride On Time」を入れてくるなど、分かってらっしゃる選曲があり、これも最高でした・・・



 テープ自体はかなり入手困難で、あるとされているCD版も探すのは難しいでしょう・・・
 私自身も、先日、新宿昭和館のテープ放出において、アイドルテープに混じってて出品されてて、それでテープがあることが初めて知ったぐらいです・・・渾身のニューディスカバーですね(^0^)

 和物については、今回のような最高のインストを始めとした「お宝」がテープに隠れており、まだまだ掘れる要素があるかと思います・・・
 そして、その中では、凄い素晴らしい内容の音楽も含まれており・・・テープは馬鹿に出来ない存在だと思います。

 是非、興味がある方は、テープの和物も掘ってみてね~

 なお、この作品、なんと「Invitation」レーベルとしてリリースされています・・・うふふ、MUROさんなら再発が出来そうですね!!



<Release Date>
Artists / Title : ビクター・ファンタスティック・オーケストラ 「山下達郎 作品集」
Genre : J-Pop、歌謡曲
Release : 1987年
Lebel : ビクター音楽産業株式会社 VCF-522




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<オマケ>2018年 夏の和物テープセレクション(インスト編)

 かねてから和物テープを掘ってて、その釣果報告などで「インストがヤバいっす」ということを報告していますが、今回、その考えが間違えてはなかったことを証明したく、達郎さんのテープで、その良さを紹介してみました。

 ただ、ただ・・・良い作品と出合えるのは一握りだけです(^^;)

 まあ、私としては「掘ることの楽しみ」の一つになっているので、内容は関係無い状況になっていますが、やっぱり微妙なのも多いです(笑)
 ただ、失敗も含めて、誰も知らない世界に、私だけが踏み込める喜びと言ったらプライスレスですよ・・・うふふ、これからも掘りますよ~


 んで、以下では、今回の本編に入れなったテープを紹介するのですが・・・本編に入る前に、この「和物インスト・テープ」について、簡単に整理しておきたいと思います。

 ます、日本における「インスト」は、大きく分けると「①カラオケ」「②BGM」に分かれると思います。

 今回の達郎さんは②として作られたものですが、日本においては①のカラオケ向けに作られたインストが圧倒的に多く、結果的に「テープのみでリリース」された作品が多い状況です。

 そう、日本では、ダンスミュージックが作ったインスト(Dub Version)という概念から逸脱した形で、「カラオケ」というインスト文化が根付き、その受け皿の一つが「テープ」だったことは大変興味深いです・・・
 
 なぜテープだったかになると、テープなら手軽に持ち運びができることや、ダブルラジカセがあればカラオケ録音(=片方のテープでインストを流しつつ、自分の歌声を入れた内容を、もう片方のテープで録音をする)が出来ること等の事情があり、テープで「カラオケ=インスト」を利用したいたことが多いようですね・・・
 また、当時のシングルであるEP盤(7inch)では、例えばA面にメインの曲を収録したら、B面にカラオケを入れず、他の曲をいれていた流れもあり、結果的にEPにカラオケが収録できない事情もあり、その補完先としてテープがあったようにも思えます・・・

 まあ、もっと深く攻めると、8トラの普及も考えないといけない(私の祖母も8トラセットは持っていましたよ!)のですが、結果的に「テープにはカラオケが入っている」という流れが生まれていたのだと思います・・・

 では、無駄に集めた和物インストを適当に紹介しますね~



(1)シングルテープ

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 まずは、私が和物で「インスト」を意識したきっかけになったテープである「シングルテープ」から紹介しましょう!

 これは、写真のようなEP版(7inch)で出されたシングル曲において、テープでリリースされたモノになり、EPではインストが未収録だけど、テープだとカラオケとしてインスト収録されていることが多く、ここ最近、意識的に掘っているテープになります!

 写真は、あの「Wink(ウインク)」の代表曲である「愛が止まらない」と「淋しい熱帯魚」のEP版で、これらには横に置いたテープ版がリリースされています・・・
 このジャケを見て「懐かしいな~」と思うかもしれないですが、現在の和物フリークとしては「最強に使える曲」になり、今となってはオリジナルは結構レアなEPになっていますね~

 そして、テープ版ですが、EPには収録されていないカラオケが収録されており、これはキラーです!

 当時としては、Winkなり、アイドルを夢見た少女たちが、そのアイドルの歌を歌いたく、カラオケが入っているテープを買っていた傾向があると思われ・・・アイドル系のシングルは、割とテープ版だけカラオケが入っています。

 そもそも、EP版では、収録できる時間が限られているので、実質的にカラオケを入れることが不可能だった中で、テープは収録時間数が長く、シングルでも収録出来る大前提があったのが大きいかと思います。

 まあ、87年ぐらいになると、EPやテープの他にシングルCD(短冊CD)もリリースされており、そちらでも収録幅が大きかったことから、普通にカラオケは入っていますが・・・EPでは時間の都合から収録できないけど、世間からの需要があった「カラオケ」を収録できるメディアとして「テープ」があったのだと思います・・・


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 もういっちょ、DJ的に熱いEPも入れておくと、上は「中山美穂 / Catch Me」、下は「南野陽子 / 吐息でネット」ですね・・・中山さんは角松作品で、Hi-NRGバリバリなトラックがカッコイイですね!
 なお、両作品のEPとテープを見比べると、なんとジャケが別テイクです・・・こういうコレクター心をくすぐるのもイイですね~

 そして、なぜ「今、インストを求めるか?」を考えてみましょう・・・

 今の時代、正直、これらの曲を「カラオケ用」には必要としないですが、DJでプレイするとなると「インストが必要」になるのだと思います。

 正確に書くと、必要ではなく「あると嬉しい」になりますかね・・・

 それは、DJ的な発想かもしれないですが、日本の歌謡曲は3~4分のものが多く、House的なDJプレイをするとなると短いんですよ・・・
 ただ、そこでインストがあると、自分でセルフリミックスをして曲を長くできたり、エディットが作れたりするわけです・・・そうなると、やっぱりインストは欲しいと思います!

 凄い裏話になりますが、数年前にリリースされた、竹内さんのプラスティックラブのオリジナルインストを、Sucker MC'sのビートを加えて強引にカバーしたピンクのEPってありますよね。
 あれは、某Mチンさんが、竹内さんのベストアルバムに入ってたボーナスCDのインストを流用したと言われており・・・そのインスト自体は、当時、カラオケ用に用意したものと言われています。


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 残念ながら、プラスティックラブのテープ・インストは見つかっていない(たぶん無いかな?)のですが、竹内さんは割とカラオケをテープで出してて、写真上の通り、左のシングルテープもあれば、右のカラオケしか入ってないテープオンリーの作品も出してたり・・・意外とカラオケ熱心でした?

 ただ、実際の制作者になる達郎さんの楽曲は殆どインストがなく、テープのみのカラオケも、そこまで出てない状況です・・・つまるところ、アーティスト側の判断でインストを入れるかどうかが決まるのかもしれません?

 実は、シングルテープを掘ってて気づきましたが、カラオケが入っていないシングルテープも結構あることが分かりました。

 例えば、写真下のプリンセス・プリンセスであれば、代表曲の「ダイアモンド」「世界でいちばん熱い夏」とも、シングルテープはあるのですが、テープにはカラオケが入っていません・・・
 まだ、深堀りが出来ていないのでアレですが、割とロック系、つまり「俺たちの歌を聴け」系はカラオケを入れなかったみたいですね・・・ただ、短冊CDが一般的になり、カラオケが収録されることが一般的になると、そうでもないようです・・・

 シングルテープの研究は以上です・・・凄い深いでしょ(^0^)

 今後も掘っていきますので、面白いことが分かったら報告しますね~



(2)カラオケテープ

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 そして、こちらはもっとドープな「カラオケ」ですよ~

 カラオケのテープを色々と深堀りしていくと、とにかく「カラオケだけを集めたテープ」というのもリリースされており、シングル・テープ以上に深い世界が広がっています・・・

 私としては、これらを「カラオケ・テープ」と呼んでおり、今回の作品紹介の趣旨である「インスト・カバー」に近い世界があり・・・こちらも頑張って探しているテープになります。

 例えば、写真の「Omoikkiri ! (おもいっきり)」シリーズは、今でも演歌のテープを量産している「テイチク」がリリースしていた作品で、写真のようなサザン・オールスターズや井上陽水などの特定のアーティストのカラオケを集めたものになります・・・

 考え見ると、そのアーティストが好きで「カラオケをマスターしたい!」という方にとっては、(1)のシングルテープを揃えるのは大変だし、いちいちテープを変えるのは大変なので、ワンアーティストのカラオケだけを集めたテープは大変重宝ですよね・・・

 そのため、こういったワンアーティストだけを集めたカラオケテープがある訳ですが・・・ここで大きな「ポイント」があります・・・

 それは、これらの曲に収められた曲が「オリジナルのインスト」ではなく、あるバンドが引き直した「カバー曲」になっていることです!!

 (1)との違いは、この点が大きく、オリジナルではないが故に「インスト・カバー」として成立しており・・・とてつもなくドープな世界になっております!!

 まず、なぜ「オリジナルの曲ではないのか」から説明すると、オリジナルの曲を収録すると、様々な権利的な許諾が必要になるのですが、インスト・カバーになると権利的な許諾が少なくなることから、割と昔から利用されている手法になります。
 つまり、後者の手法の方が、発生する経費が少なくて済むので、歴史的に「違う演奏者がインストを演奏する」スタイルが一般的になり・・・80年代末から90年代初期までは量産されていた方法論になっていました。

 それこそ、その曲の「カラオケ」だけ必要とする方からすると、カラオケ屋さんで使われる曲自体がオリジナルではなく、その曲が歌いやすい最低限のインストになっていることから、そこまでインストに拘っていないんですよね・・・
 そう、カラオケ屋さんで流れる「原曲とはかけ離れた曲」こそが、これらの「カラオケ・テープ」の曲になり・・・私とするとニューディスカバーな「インスト・カバー」になっているのです・・・


 んで、やっとこのシリーズの紹介になりますが、このシリーズでは「テイチク・オーケストラ」という覆面バンドが演奏しており・・・あえて褒めた表現をすると「バレアリックな和物インスト」になっています・・・

 まあ、正確に書くと「微妙なインスト」なんですよね・・・(^^;)


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 だいぶ説明が長くなったので、ブレイクの意味で他のテープを・・・ほんと、このカラオケテープは、掘れば掘るほど「イルマティック」なのが多いです!!

 ここで紹介する4本は、カラオケテープでも、色々なアーティストが入ったコンピ形式のもので、これらのカラオケテープのイルマティックさが如実に分かる作品かと思います・・・

 つまり、どのテープも「インスト・カバー」ではあるのですが、微妙というか「魂の無さ」が最高で・・・私としては、結果的に「和バレアリックなインスト」になっています!

 例えば、写真上だと、左は前述した「Omoikkiri」シリーズの1991年版コンピで、当時のヒット曲(キョンキョンのあなたに会えてよかった、など)が入っているのですが・・・まあ、最高な魂の抜けたインストで、逆に使える感じがします・・・(^^;)
 それ以外も、謎の箱バンドが演奏する、必要最低限のインストが満載で・・・写真上の左だと、(1)で紹介をしたミポリンのCatch Meが入っていますが、どうしたら「そんなに魂が抜けるのか」という、全くもってダンスしてない感じがキラーで、主旋律となるシンセと微妙なコーラスが最高です・・・

 まあ、これらのテープ、どれも絶対的に制作費をかけられないので、必要最低限なバンド隊しか用意できず、80年代後半になると、なんでも多様が出来るシンセが出来たことから重宝されはじめ・・・結果的に「魂の抜けたバレアリック」になっているのかな~と思います(^^;)
 また、製作費については、これらのテープの値段の「定価」にも反映されていて、それぞれ10曲程度が収録されているのに「1000円」程度のものが多く、需要側(カラオケをしたいから買いたいと思う側)からすると、質よりも量になっていたので、こういった流れが生まれたのかな~とも思います。

 なお、下のテープも紹介しておくと、下の左はアイドル楽曲集で、ポニーキャニオン制作・・・ちゃんとコーラスも入っていて、これはそこまで悪くは無いっすかね?
 ただ、下の右は、和物テープ界の巨人である「アポロン音楽工業」の一本で、魂の抜けた方が半端ないです・・・Kuwata Bandのスキップ・ビートのバレアリック感は半端なかったです(^^;)


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 そして、このカラオケテープの最北端は「ガイドありカラオケ」のテープになります・・・

 これらのテープは、単純にインストだけではなく、見本となる「歌」が何らかの形で入っており、結果的にインスト・カバーを超えて「カバー曲」になっており・・・私としては「地獄のRare Groove」として珍重をしているテープになります(^^;)

 それこそ、カラオケをしたい人は、元曲を参考にするわけですが、元曲のテープなりEPを用意するのは大変なので、これらのカラオケテープと一緒に「どういう風に歌っているか」が分かるだけでも便利ですよね・・・
 そのため、こういった「ガイドありカラオケ」も作られていたようで、割とインディーなメーカーを中心に作られていました・・・

 例えば、左のドリカムだと、B面はカラオケなんですが、A面はそのカラオケを元にした歌入りの曲が入っているのですが、製作費がかけられないから、全く謎の女性歌手が歌っており・・・結果としてはカバー曲になっています・・・
 そして、右のテープだと、Winkの曲がA面、工藤静香の曲がB面になるのですが、ステレオのLRを活用し、Lはカラオケのみ、Rは歌も入っている内容にしており・・・普通にステレオで聴くと、Rだけが歌っているカバー曲になっています・・・

 ただ、ただ・・・この歌がアレすぎてアレで、最強ですよ!!

 歌ってる方は、たぶん、それなりに歌の心得がある方なんでしょうけど、どことなく演歌くさかったり、魂がこもってなかったり・・・もう、グレイトとしか言えません(^^;)
 あんなにダンサンブルなWinkの曲が、全く踊ってないけど、コーラスのハーモニーだけ、Wink本人よりも上手い(笑)部分があるなど・・・ある意味で素晴らしいです・・・

 ただ、そんなアレさがありながらも、ドリカムの方は、A面でプレイしている歌入りの曲を、オートリバースでB面に変えると同じ曲のインストになるという・・・おおっ、Tatsutaさんのテープよりも早くこのアイデアを気づいてたとは!




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 そんなわけで、最後は記事に出来なかったアウトテイクで、ラムーと恭平さんです・・・
 恭平さんの曲にインストがあるですよ・・・何人かはビビってくれるかな?

 なんか、今回の紹介は、ミックステープという範疇を超えて、日本の音楽のアウトサイドを掘った形になりますね・・・うふふ、ドープでしょ・・・

 ではでは、皆さん、テープも掘りましょうね!!





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<独り言>

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 えっ、ここまで書いて、まだ独り言があるの・・・今週は頑張りますよ~

 まず、今週末は我らのN村さんがおられる下北ユニオンで久しぶりなテープセールがあるとのことで、しっかりと日程を開けて参加をしてきましたよ~

 7/14(土)HIPHOP USED TAPE SALE!!


 N村さんからは「今回は、割とヤンバイです」との連絡を事前に頂き、ちゃんと日程調整をして参加です・・・最近、こうでもしないとなかなか土日も動けないんですよね~

 んで、当日ですが、毎度の遠足前の小学生スタイルaka無駄に早く到着スタイルで、気づいたら8時30分前には到着・・・10時ごろまで誰も来ず、今回の達郎さんのテープを聞きながら、これからの人生を考えて待っていました(^^;)
 ただ、流石に7月なので、日陰で待っていても熱いし、日に焼けるし、なんでこんなに「荒行」をして待つんだろう、と少しだけ思いました・・・うん、結構辛かったです(^^;)
 
 そんなわけで、開店時は私ともう一人が整理券、整理券無しが2名という状況で、整理券ありは先入店で、結果的に一人鉄火場モードに・・・狙ってたのはピンポイントでガッツリと回収し、後はリスト外を掘り掘り・・・
 今回、リスト外も結構良く、喜びながら掘りました・・・やっぱり、N村さん、流石ですね~


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 そして、下北掘りの後は、新宿→渋谷と流れ、今回の二つ目の目的である「浅草」へ・・・はい、毎年恒例の「レコード祭り」に参加してきました!

 全日本レコード&CDサマーカーニバル 浅草


 気づいたら毎年参加している浅草ですが、私としては「浅草で掘れる」というのが大きいようです・・・

 つまり、普段、掘っている渋谷とか新宿ではない、ちょっとレイドバックした街である「浅草」で掘るのが凄い新鮮で、毎年、なぜか行ってしまうんですよね・・・

 正直、凄い大きな出物があるとは言い難いのですが、なんとなく、気分に任せてフラフラと掘るだけでも気持ちが和らぎ・・・ああ、レコード掘りの「オアシス」なんだな~と思って、つい、足が向かってしまいます。
 結果的に、後述する「とんねるず」のプロモ12inchをゲットしただけでしたが、満足でした・・・

 そして、もっと満足なのが、その後の「飲み歩き」ですね(^^;)

 なぜか分からないのですが、浅草の開放感に負けてか、レコ祭り後の飲み歩きは定番で、今年も大虎になってしまいました・・・

 もはや鉄板コースである「じゅらく」→「アサヒビール本社のスカイラウンジ」→「神谷バー」を堪能し、へべれけになりながら、自宅に帰りました・・・
 うん、自分のために飲むのは大切ですね・・・最高でしたよ!!


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 そんなわけで、釣果報告です・・・

 下北ではテープだけで30本オーバーの大豊漁で、久しぶりの重たい荷物にニンマリでした!

 まあ、いつもそうですが、これだけ思い荷物を持ちながら、よくベロベロで帰ってこれるな~と思います・・・帰りの電車で寝落ちしても、レコとテープだけは忘れない習性があり、これだけは助かっています(^^;)

 んなわけで、釣果の内容も、以下で報告しますね~


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 まず、今回、割とボムだったのが「アドバンステープ」で、日本語ラップと日本語R&Bが多く、欲しいのはガッツリと抜かせて頂きました!

 これ系だと、トップは「Rhymestar / B-Boyイズム」のアドバンスで、あれば欲しかったテープだったので嬉しい限りです・・・また、リップの白日など、渋いのも多くて嬉しい限りです・・・
 ただ、MTT的に一番のボムは、下の日本語R&Bにおける「嶋野百恵」さんのアドバンスで、なんと片面にS@SさんのDJミックスが入っているボムが・・・これは、事前告知の写真でロックオンしてたので、無事にゲットできて嬉しいです!


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 そして、下北では「アルバムテープ」も豊漁で、特にR&Bの渋いのが激安で出てて、思わず全て買ってしまいました(^0^)

 その「渋い」というのは、R&Bクラシックなんだけど、シングルヒットをしただけで、アルバムはあまり知られていないテープで、例えばDaydreamingのカバーでおなじみのPenny Fordとか、FreeのカバーでおなじみなDebelahとか・・・シングルのジャケは知ってるけど、アルバムのジャケが知らないのが、恐ろしく激安で出ていました!
 更に、ボムなのは「Classic Example / It's Alright」のシングルテープ(!)が出るなど、濃い内容でしたね・・・

 んで、HipHopのアルバムテープも濃くって、ボムは私の「人生の挽歌」である「KRS-ONE / Outta Here」のシングルテープですね・・・これも絶対に買うと誓っていました!
 

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 そして、これは浅草での買い物ですが・・・むしろ、浅草での出会いかもしれないですね・・・

 今回、浅草では、たまたま掘ってたら「とんねるず / 炎のエスカルゴ」のプロモ12inchがあり、喜んで購入し、その後、自分のために飲みに出かけました・・・

 そして、3件目となる「神谷バー」では、1Fのフリースペースに入ったら、たまたま隣に座ったオジサンがミラクルな方(?)で、色々と話が盛り上がりました。
 オジサンは、見た目は中居さんがコスプレってるアイドル姿を受け継いだホットパンツを履いているイルマティックなお方(笑)で、普通なら近づけないタイプですね・・・私も気づかずに座ってしまいました・・・(^^;)

 ただ、私がレコードを目的に浅草に来て、DJが好きだと話をしていると、そのオジサンが80年代~90年代のディスコ~クラブに出入りをしてたようで、普通に芝浦Gold、MZA有明、六本木トゥーリアとかのお店の名前が出てきます・・・おおっ、スゲえ・・・

 そこで、伝家の宝刀として、写真のボムを店内で披露・・・

 先ほど、浅草で購入した「とんねるず / 炎のエスカルゴ」と、なかなか買えなかった90年代の東京のクラブシーンの写真集である「藤代冥砂 / 90Nights」を取り出し、オジサンと談話・・・とんねるずの12inchはビビってくれて嬉しかったな~

 まあ、そのあと、電気ブランの1杯でもおごってくれるのかな~とも思ったら、そうでもなく、私もオジサンの中身のない話(笑)に飽きてしまい、オジサンを残してお店を出ました・・・
 ほんと、私は一人で飲んでいると、こういったイルマティックなオジサンを呼び寄せるんですよね・・・そして、それを嫌がらず、遊べるようになったので、私も進歩したな~と思いました(^0^)



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 では、独り言のラストは、今年のアイスで〆ましょう・・・

 今年のアイスも最高ですね・・・やっぱりMUROさんは凄いっすね~

 今週も、割と忙しい日々が続き、3連休なはずでしたが、月曜は仕事です・・・

 でも、しっかりと週末、元気をもらったので頑張れそうです・・・今週も頑張ろう!!






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DJ Kaya 「Backin'a Days 80's Mix Ⅴ」
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 え~、先週の「4000本記念」「Diggin' Ice 96」には、沢山の反応を頂き、ありがとうございました!!

 こういう記事は書いた記事にどんな反応があるかが不安になることが多く、無事に多くの方に喜んでいただけたので、一安心しましたよ・・・長い記事ですが、読んで頂きありがとうございます!

 そして、MUROさんからも喜びの言葉を頂けたのも嬉しいです・・・
 MUROさんへの最大級のリスペクトをこめて書いてたので、月曜の朝から感涙してしまいました(^0^)

 とりあえず、しばらくは通常営業に戻りますが、何かボムが書けそうだったら、また紹介をしますね~

 そんなわけで、気づいたら夏なので、つい手が伸びた一本を紹介です!!


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 今回は、私の中では「夏と言えば・・・Kayaさん!」なので、Kayaさんの大好きなシリーズ「Backin'a Days 80's Mix」の第5段を紹介しますね~

 まず、このシリーズは、タイトルの通り「80年代もの」を取り扱ったシリーズで、制作者である「DJ Kaya(かや)」さんの良さが詰まった好作品になります。

 このシリーズやKayaさんの詳細は以前の記事(Backin'a Days 80's Mix 1)で紹介したので、ここでは割愛しますが、Kayaさんが得意とする「80年代のブラックミュージック」を軸に選曲し、この時代の音楽に含まれる爽やかさや爽快さを上手く表現しており、私自身、本当に大好きなシリーズになります。

 特に、Kayaさん自身が沖縄に在住していることからか、夏の時期に聞くと最高な選曲/ミックスもポイントで、この作品でも「夏を楽しむ」のに適した内容になっています。
 なんでしょう、夏っぽくアッパーに攻めるのだけではなく、木陰の安らかさというのでしょうか、少しレイドバックした部分もあり・・・既に20年近く前の作品かもしれませんが、今でもKayaさんのグルーブには敵いません!

 なお、この「Backin'a Days 80's Mix」シリーズは、この第5段で終わりますが、Kaya作品はどれも良いので、気になる方は探してくださいね~


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 では、作品の紹介です・・・

 この作品は、A面が「Live & Smooth Side」、B面が「80's Garage Side」と設定されており、それぞれ素晴らしい選曲/DJミックスを聞かせてくれます!

 まず、A面の紹介ですが、こちらは少しだけ「変った構成」になっています。
 
 それは、A面の前半はKayaさんの沖縄でのライブミックスになり、後半がその流れを受けつつも、おそらくスタジオミックスになっています。
 つまり、最初に紹介したサブ・タイトルからすると、最初が「Live」で、後半が「Smooth」なんですね・・・ただ、内容は最高です!
 
 選曲については、前半がダンクラ中心で、写真の「Denise LaSalle / I'm So Hot」「Change / Grow Of Love」などのソウルフルでつい踊ってしまう曲を中心に選曲し、後半は「Bobby Brown / Every Little Step」「Soul II Soul / Keep On Movin' 」などのスムースでダンサンブルなNew Jack Swing~Grandbeatを中心に選曲しています。
 
 もう、この辺の選曲の塩梅は最高で、80’sという枠ではなく、最高の「ブラックミュージック」を披露されてて、やっぱり素敵です(^0^)

 また、この選曲を盛りたてるDJミックスも素晴らしく、Kayaさんのセンスとアイデアが光っています!

 例えば、「Denise LaSalle / I'm So Hot」であれば、最初の最初でKayaさんらしいメガミックス風なクイックミックス(これを紹介したかった!)からタイトに始まりつつも、そこからおもむろにI'm So Hotのイントロブレイクをロングミックスします・・・
 最初のクイックミックスが、聴く側からすればサーカスみたいな華やかな展開なので、そこで聴く側の興味を引き付ける効果があり、そこからI'm So Hotの気持ちいいブレイクが入ると、もうそのブレイクに乗せられてしまい、まんまと踊らされてしまいます・・・この構成やDJミックスは上手すぎですね!

 また、後半のNJS~Grandbeat選曲では、意識的に「Smoothなグルーブ」を出しており、プレイする曲のグルーブを上手く読み取ってDJミックスしているのが上手いです・・・
 それこそ、「Bobby Brown / Every Little Step」の後は「Soul II Soul / Keep On Movin' 」をプレイするのですが、両方の曲のイメージが少し合わないかなと思いつつも、両曲のベースラインに着目したDJミックスで上手くグルーブを繋いでおり、最高です!


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 そして、次はB面ですが、サブ・タイトルの「80's Garage」から分かる通り、Paradise Garage~Larry Levanを意識した選曲とDJミックスになり、こちらも最高です!

 まず、選曲ですが、きっと「クラブで踊ること」を意識した選曲になり、80年代のダンスクラシックなどが多く選曲されています。

 それこそ、Garageクラシックな「Sharon Redd / Beat The Street」のようなダンサンブルな曲や、気持ちいいグルーブが聴きどころな「I Level / Give Me」などが選曲され、この手の曲が大好きな私にとってはドストライクです(^0^)
 その一方で、Larry Levanがミックスを担当した渋い曲も多く選曲しており、これは勉強になりました・・・いやいや、Kayaさんの掘りの深さ、プレイした曲の光らせ方も間違えないですね!

 そして、DJミックスについては、Garageを意識していることもあり、DJミックスの「ストーリー作り」が上手いな~と思いました。

 それこそ、GarageよりもBボーイクラシックな「Maze / Before I Let Go」であれば、最後にこの曲が盛り上がるように、これまでの曲のグルーブを調整してて、Garageらしく「フロアーで踊っている人を一つにする」ストーリーがあり、結構グッときました!
 また、Mazeの気持ち良い切ないグルーブを、ベースラインで上手く「Fonda Rae / Over Like A Fat Rat」に繋ぎ、最後の最後で更に気持ちいい展開にしており、これも上手い・・・もう、ずるいよ(^0^)



 総括すると、結構マニアックな選曲ですが、的確な選曲と、比類をしないDJミックスが功を奏し、ほんと素敵なミックス作品に仕上がっています!
 特に、夏っぽい快活さを備えつつも、人を癒す心地よさも入っており・・・聞いてると元気になりながら、しっかりと癒される部分もあるかと思います!

 この第5弾は、意外と出てこない作品で、ちょっとだけ探すのが難しいかもしれないですが、気になる方は探してみてくださいね!!




<Release Date>
Artists / Title : DJ Kaya 「Backin'a Days 80's Mix Ⅴ」
Genre : 80'sR&B、NewJackSwing、DanceClassics、Garage・・・
Release : 2001年ごろ
Lebel : Freee-K Productions / Oh! Tape Joint  OTJ-14(?)





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<独り言>

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 え~、先週はかなり真面目な更新だったので、独り言を控えていました・・・そんなわけで2週間分の独り言です~

 まず、今週ですが、週中で大阪へ出張してきましたよ・・・

 週の初めから天気が悪い予報で、まさかこんなに酷い雨になるとは思いませんでしたが、私が大阪に行った火曜~水曜は、あまり雨に当たらず、仕事も円滑にこなすことが出来ました。
 もう、一日ズレたら全く仕事が出来なかったことを考えると、絶妙なタイミングでしたね・・・ただ、今回の雨は、大阪方面でも電車が止まったり、全国的には被害の甚大さが凄く、今となると少し心苦しさもあります・・・

 そして、私の出張といえば、仕事の合間での「掘り」ですが・・・今回は奇跡がおき、少しだけ回ることができました!

 火曜日の夜ですが、火曜の仕事が早く終わったことと、打ち上げがお好み焼き屋さんだったので、意外にも皆さんのお腹の満腹になるのが早かった(これは読めなかった!)ことから、奇跡的に19時30分にはフリーに・・・今回の大阪もレコ屋には行けないと覚悟してたので、これは嬉しい奇跡でした!
 
 そんなわけで、ダッシュでホテルに荷物を置き、地下鉄を乗り継いで心斎橋に・・・テープが掘れそうな「キングコング本店」に閉店前にギリギリで入店しました!
 まあ、釣果的には3本だったので、もう少し欲しかったな~と思いますが、チャゲアスの中国プレスなベストテープが発掘出来たことはプライスレスです(^0^)

 その後は、テープ狙いだったの、梅田のユニオンに行ってはみたものの、殆ど在庫がなく撃沈し、中途半端な気持ちになったので梅田の「よねや」さんで一杯飲み、明日の仕事に備えて帰りました・・・

 まあ、突然のレコ屋訪問なので仕方がないですが、もう少し釣果が欲しかったし、他のお店も回りたかったですね・・・

 ただ、この程度のテープ釣果だと、8月の掘り旅行は無しかな~とも思いました・・・まあ、今回の出張にも関係しますが、8月の同時期に仕事でまた大阪に行くので、今年は旅行は無しでもいいかな??
 でも、心の気分転換としての旅行は行きたいな・・・どうしましょう??


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 そして、最後は意味不明な写真ですね・・・私としては悲しいお別れでした・・・

 これまで、このブログでも私が「お風呂が好き」ということは必要以上に報告していましたが、今回、私が通っていた地元のスーパー銭湯が閉店になりました・・・もう、悲しいの一言です・・・

 このお店は、私の風呂人生において「風呂の素晴らしさ」を教えてくれたお店です・・・

 今の家に引っ越して、何となく大きなお風呂に入りたいなと思い、たまたま近くにこのお店があったので入ってみたら凄く良く、気づいたら今の生活に欠かせない存在になっていました。

 それは、仕事の疲れやブログ作業の疲れを癒し、明日も頑張ろうとリセットをするための場所だったので、無くてはならない存在だからです。

 嫌なことも、疲れも、お風呂に入ると汗とともにサッパリと流れ、次の日の「元気」をもらっていました・・・

 このお店の最終日である6月の最後の土曜日、お店に対して御礼を言いたく、最後の風呂に行きました・・・ちょうどDiggin' Iceの記事を書いてた時になります・・・

 ほんと、普通も普通なスーパー銭湯で、むしろ他のお店からしたら何も気取った所が何も無いお店でしたが、お風呂もお店の雰囲気も、そして店員さんの親切さも大変良く・・・最後の風呂も癒されました!
 実は、土曜の時点ではIceの記事が暗礁に乗り上げてて、なかなか作業が進まない状況でした・・・ただ、風呂に入ったことで、頭がリセットされ、翌日の日曜は神が降りたように書けましたよ・・・やっぱり風呂は偉大です!!


 
 まあ、最後はまとめが無い話で恐縮ですが、書きたかったので書きました・・・このブログがあるのは、このお風呂屋さんのおかげですからね!!

 なお、次の風呂をどうするかも検討中・・・やや遠い所に別のお店があるのですが、今の私としては浮気(?)になるので、どうしようかな~と悩んでいます(^^;)
 あと、そろそろ、今の家が狭くなってしまったので、引っ越してもイイのかな・・・まあ、暇がなさすぎて引っ越しは逆立ちしても無理ですが、ユニオンに通いやすく、良い風呂が近くにある条件を探すのは結構難しそうですね(^^;)

 そんなわけで、今週は以上です~

 来週はマイメンN村大先生の下北テープ決戦がありますので、お楽しみに~





祝・ミックステープ4000本突破記念 「ミックステープを深堀りする」
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 気づいたら3週間ぶりの登場です・・・すみませんね~

 そして、突然の記念記事・・・いやいや、雑な写真で申し訳ないですが、公式記録を出せるタイミングになったので、記念記事をアップしました・・・

 もう、私も、皆さんも驚きませんね・・・前人未到の報告です(^0^)



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 え~、ちょいちょい報告はしていましたが、私が所持しているミックステープが4000本を突破しました。

 はい、大きく、もう一度・・・

 私が持っているミックステープが4000本を突破しました!


 もう、流石に4000本を超えてくると、改めて数え直すのが不可能(笑)なので、毎度の購入台帳の記録によると、2018年6月末の時点で「4429本」です・・・
 ストック用で重複しているテープもあるし、そもそもミックステープじゃないよ!というテープも多い状況ですが、400本も「のりしろ」を作っておけば、誰からも文句を言われないでしょう・・・はい、4000本超えですね!

 ただ、4000本を超えても、まだまだ持っていないテープも多いし、新発見も多い状況です・・・

 今後も、テープの道を邁進していく所存ですので、よろしくお願いいたします・・・



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 そして、せっかくの4000本を超えた記念なので、何か特別な記事を書こうと思っていた中で、用意したのが以下の記事です・・・

 DJ MURO 「diggin' ice - summer of 96」(完全版)


 私自身、死ぬほど好きな作品で、夏に近づくとなぜか聞いてしまう作品です・・・

 当然ながら、このブログを開始した10年前にも紹介をした作品ではありますが、当時は、私の紹介力も未熟だったので、かねてから書き直しをしたいな~と思っていた作品です。

 一方で、このブログを運営し続ける中で、なかなか上手く整理出来なかったことがあります・・・

 それは、「ミックステープの評価基準とは何か」になります。

 このブログでは、私がイイなと思ったミックステープを紹介することを主軸に更新をしていますが、正直に書くと、その作品を紹介する時の「評価基準」が曖昧で、結構悩んでいました・・・
 まあ、そんなにシリアスにならなくても良いのですが、何らかの文化を評価する時は、誰でもわかる「評価基準」というものがあることが実は大切で、私としては「ミックステープ」という文化を推進するためにも、この点を整理しないといけないな~と思っていました。

 また、日本のミックステープ文化を考えた時、海外の文化と比べると、明らかに「作品性」や「芸術性」が含まれており、その背景も整理したいと思っていました。
 日本のDJ文化なりミックステープ文化については、断片的に紹介をしてたつもりですが、「なぜ、こんな高品質なミックステープが作られたのか」は深くは紹介出来なかったので、これも上手く紹介したいな~と思っていました。


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 このような思いがある中で、考えていたのが、この「Diggin Ice 96」が、ミックステープを作る上での選曲や技術面でも優れていることが多いことで、このテープの紹介を通して、ミックステープの評価基準を整理し、日本のミックステープが芸術的であることを示したいと思い・・・壮大なプロジェクトは開始しました(^^;)

 まあ、この話は後付けの話ではありますが、1年半前から収録曲を集め始め、今年の春、最後の1枚であるCerroneのLPが見つかったことで、記事の作成を急加速させました・・・
 もう、テープ自体も相当聞き込み、最終的にはシャドウDJ(=テープと同じDJをする)をしたり、BPMを計測して比較をしたり、毎度のイルマティック姿勢で、相当な研究をしてみました!


 そして、私としては、ミックステープの評価基準は以下の内容に固まりました。

A 目標
 ・作品ごとにテーマやコンセプトを設定して、全体の世界観を作る

B 選曲
 ・自身の「掘り」という持ち味を生かしてプレイする曲を選び、的確な曲順設定を行う

C DJミックス
 ・細かいBPM設定やミックス処理を施し、全体のグルーブやストーリー作りを固めていく


 この点は、Diggin' Iceの記事でも触れましたが、Aという目標を作るためにBとCが具体的に動く方法論で、計算式に表すと「(A→)B×C=A」という感じになり、こういった過程でミックステープが作られるのであれば、それが評価基準になるだろうと仮定しました。

 この評価基準に照らしてDiggin' Iceを分析すると、本当に選曲もDJミックスもヤバく、いかにしてAにあたる「聴くだけで涼しくなる作品」になっているかが一応は示すことができたかな~と思っております。


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 そんなわけで、Diggin' Ice 96を題材に「ミックステープを深堀り」したのが今回の特別企画になります。

 無駄に長い記事ではありますが、新発見も多数掲載(幻のデモテープなど!)したので、お暇な時に読んでくださいね~


 そして、最後は「私の掘り」を踏まえた1枚で・・・

 Iceの96が好きすぎて、Jeffrey Osborneのテープアルバムまでゲットするとは思いませんでした(^^;)

 とにかく、4000本という数字が出たら、次は5000本ですね・・・

 まあ、このままで行けば、絶対に到達する数字だと思います・・・

 まだまだ欲しいテープもいっぱいあるし、ニューディスカバーも多いし、何よりも私のテープに対する意欲は広がり続けています・・・

 無駄にマニアックなことしか紹介しないブログですが、これからもお付き合いいただければ幸いです・・・

 では、今後ともよろしくお願いいたします!!



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<追記>2018年7月2日

おはようございます〜 昨日7月1日は、ウォークマンの日だったんですね〜♪🎧 今朝方、mixtapetroopers君のツイートで『DIGGIN’ ICE 96’』を解説してくれていた記事を読んで、思わず感動して泣いてしまいマスタ、、 彼の解説は、いつも何かに気づかされ、励まされ、勇気づけられマス!!本当に毎年毎年感謝感謝! 以前『DIGOT』でMT君にお譲りしたラジカセも、この度 福岡のalcoholicで再びゲットしなおす事ができマスター!! まだまだ、カセットテープの音も楽しんで生きたい 。。 @mixtapetroopers @alcoholic_jpn #20180701 #ウォークマンの日 #sonywalkman #mixtape #mixtapetroopers #alcoholic_jpn

DJ MUROさん(@dj_muro)がシェアした投稿 -



 なんと、Twitter経由でMUROさんに記事の報告をしましたら、感動のコメントが・・・朝からブチ上がりました!!

 ホント、MUROファンとして、MUROさんに喜んで頂けるのは至極の喜びです(^0^)

 MUROさん、ありがとうございました!!







DJ MURO 「Diggin' Ice - summer of 96」(完全版)
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 約1年半ぐらいかかってしまいましたが、ついに「この作品」を再び紹介する時がきましたよ・・・

 日本のミックステープ界において、これほ重要で「誇れるミックステープ」はありません・・・

 うん、MUROさんへ、そして掘と音楽を愛する皆様へお届けをする根性の紹介です!!





1 はじめに

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 今回は、傑作中の傑作ミックステープである「DJ MURO / Diggin' Ice 96」を紹介したいと思います。

 この作品は、このブログを始めた2008年において真っ先に紹介した作品(※1)で、私の中では「これを超えるミックステープはなし」としているぐらい、大好きな作品です・・・

 もう、有名も有名な作品だし、何よりも誰でも楽しめる作品だし、そしてMUROさんのセンスと掘りが光った好内容であることは皆さんもご存じですよね・・・
 うん、それこそ「説明不要」な作品で、くだらない説明をするよりも、とにかく聴いてもらえばその良さが分かるでしょう・・・

 一方で、私の話に戻すと、おかげ様でこのブログを10年近く継続させていただき、様々な作品を紹介させていただきました・・・

 下手な紹介かもしれないですが、その作品なり、その制作者の「魅力」や「良さ」を紹介するべく、日々奮闘し、気づいたら私自身の「かけがえのないライフワーク」になっています・・・うんうん、これも皆様のお支えがあっての話で、読んで頂いている皆さまには感謝の言葉しかありません!

 ただ、10年もやらさせて頂いた中で、実は「この作品」は当時の紹介では上手く紹介が出来なかったなと思い、喉に小骨が引っ掛かった状態でブログを運営していました・・・

 それは、この作品に含まれる掘りの深さ、ジャンルを超えた選曲で魅せる世界観、選曲を光らせるDJミックスなど、MUROさんの魅力、そして「Diggin' Ice」という世界を明確に紹介出来なかったからです・・・

 不思議なもので、この作品は、どんなに忙しくても夏前にぐらいには1回、いやハマると初夏から夏にかけては愛聴してて・・・聴くたびに、その良さに更に気づき、いつかは完全な紹介をしたいと思っていました。

 そこで、昨年の冬ぐらいから、まずは「プレイした曲をすべて集める」ことから開始し、1年数か月かかり、今年の春に最後の1枚が手に入り、今回の紹介に至りました。
 また、その過程で、何度も聴き込み、以下の記事でも紹介する様々な研究を行い、この作品の良さを伝えるべく、着々と準備を進めていました。

 以下では、久しぶりに「全曲紹介」スタイルで、私が思う「この作品の良さ」を紹介したいと思います。

 相当、長い紹介になりますので、お時間のある時にお読みくださいね~

 なお、最後の1枚はCerroneのLPだったことが、MUROさんの掘りの深さかなと思いました・・・縦も深いけど、横が異様に広いですね(^0^)


(※1)2008年10月に紹介した記事は以下になります。この記事については、今回の紹介をもって旧記事になりますが、このまま残しておきます。

MURO 「diggin' ice - summer of 96」 (旧記事)

  




2 MUROさんについて

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 では、はじめに、この作品の制作者であるMUROさんだったり、Diggin' Iceのことから紹介をしたいと思います。

 これこそ説明不要かと思いますが、MUROさんやDiggin' Iceを知らない方にも興味を持って頂きたい思っているので、僭越ながら紹介させていただきます・・・

 まず、制作者である「DJ MURO(ムロ)」さんは、東京をベースに活躍するDJ/Producerになり、もはや「MURO」というジャンルでClubシーンを引っ張るお方になります。
 
 経歴については、MUROさん自身が10代だった80年代後半から活動をし始め、創世記だった日本語ラップ~HipHopシーンをラッパーとして牽引し、90年代中ごろよりDJ/Producer活動を本格化した流れがあり、ある意味で日本のクラブシーンやレコード文化を作ってきて中心人物とも言えるかと思います。

 特に、私としては、MUROさんは「掘り」「ミックステープ」の2つが重要だと思っていて、この二つが折り重なり「MURO」というジャンルが出来ているのではないか、と思っています。

 以下で、この2つについて深く紹介をします。


(1)MUROさんと「掘り」

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 まず、「掘り」については、MUROさんの代名詞である「King of Diggin'」から分かる通り、もう「掘りの王様」と呼ばれるぐらいの存在で、日本を飛び越え世界から尊敬されれるぐらい、この「音楽」、いや「文化」を育んだお方になります。

 MUROさん自身、HipHopが出身だったことから、いわゆる「サンプリング」に興味を持ち、そのサンプリングされたSoulやFunk、Rare Grooveといった「ネタ曲」にあたる「古い音楽を掘り起こす」ことから始まり、MUROさんにしかないセンスと発想の元、その「掘り」をDJプレイやミックステープ等において明確に披露し、世間一般に広めた経過があります。
 
 MUROさん自身も、手を汚し、膝を地面に突きながら、様々な音楽等を掘り起こし、それらを素敵な形で紹介し、私を含むDJ文化/レコード文化を愛する者を、結果的に育てた流れがあり、ほんと頭が上がりません。

 そう、みんな、MUROさんから「掘り」を教わり、育っていったと思います!

 イメージ写真として、MUROさんのTwitterから「いつの時代も、この姿に心をうたれる。。」とコメントづいた写真をお借りしましたが、大の大人が膝をついて餌箱を掘っている姿、そして、この写真を見て「グッ」とくることは、この「掘り」が日本で根付いた証拠に他ならないですね・・・

 なお、蛇足ですが、これは2014年の夏、MUROさんのお店(Digot)で、MUROさんの私物を放出された時の写真で、筆者である私も参加し、膝をついて掘っている姿が確認できます・・
 そして、この掘りでは、貴重なレコードだけでなく、今でも使っているソニー製のラジカセを譲って頂いたこともあり、私としてはMUROさんから「掘り」を正式に伝承を受けた瞬間だと思っています(^0^)


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 なかなか、この「掘り」という言葉を定義するのは難しいのですが、私としてはこの言葉は「音楽」と「文化」に分けられると思っています。

 まず、「音楽」としての掘りですが、過去に作られた素晴らしい曲を探し、それを現代に甦らせることがポイントで、まさに「DJの音楽」だと思います。

 音楽って、今はそうでもないですが、昔は「常に新しくリリースされる曲が良い」という風潮があった中で、本当に良い曲達が埋もれてしまう構造がありますよね・・・
 その構造を救うのが「掘り」になり、そういった風潮を無視し、自分が「カッコいい」と思う曲をDJプレイを通して光らせるのが「音楽としての掘り」になるかと思います。
 その意味では、古い曲だけではなく、新しい曲も含まれており、つまるところ「世間の評価」ではなく、「自分がカッコいいと思う音楽」こそ「掘りという音楽」なのかな、と思います。

 そして、「文化」としての掘りについては、文化というよりも「姿勢」になるかもしれまんせん。

 つまり、自分がカッコいいと思う「何か」を、自分を信じて「探し」、そして自身をもって「発表」することになります・・・
 これも、世間一般との比較になりますが、どうしても世間一般で良いと評価されているものを、そのまま享受してしまう流れがある中で、あくまでも「自分がカッコいいと思う」ことを重要視し、自分の視点で「カッコいい何かを探し」、そして胸を張って「カッコいい」ということになります。

 う~ん、分かりやすくまとめるのは難しいですが、掘りというのは「俺イズムを突き通して、カッコいい何かを探して、それを表現すること」になりますでしょうか?

 それこそ、写真のMUROさんが作ったスリップマットに記載された以下の言葉に象徴されるでしょう・・・

「Keep On Diggin' 365 Days」 (365日、掘り続ける)

「No Diggin', No Life」 (掘りなくして、人生はなし)

 まとめると、MUROさんは「掘り」を、こういった形で「カッコよく」紹介して下さった点が大きいです!!


(2)MUROさんと「ミックステープ」

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 そして、次は2点目に重要な「ミックステープ」について紹介したいと思います。

 まず、MUROさんに関しては「日本のミックステープ/CD」シーンを作った第一人者であり、MUROさんがいたからこそ、日本において、これほどまでに「DJミックス」が普及したのだと思います。

 歴史的な流れを先に紹介すると、先ほど紹介した「掘り」とも連動をするのですが、サンプリングのネタ曲を追い求める中で「これらの曲をミックステープにまとめたら面白いのではないか」との考えのもと、1995年に発表した「King of Diggin'」がMUROさんが制作した最初のミックステープになります。
 その後、このKing of Diggin'が好評だったことと、MUROさん自身の中でも、このミックステープが「自分のDJを表現する格好の場所」と判断し、様々な意欲的な作品をリリースし、テープだけで50タイトル以上、ミックスCDにおいては300タイトル近くを発表(※2)し、今も昔もリスナーを喜ばせ、そして同業のDJ達に対して刺激を与えています。

 この1995年という時期を考えると、日本においては高校生~大学生ぐらいの若者を中心にDJブームがあり、皆がHipHopやDJに興味を持ち始めた中で、ミックステープはプロDJの技を学べる格好の教材になり、私としては日本のDJ文化を陰で後押しした存在が「ミックステープ」だと思っています。
 また、MUROさんや、同時期だと須永辰緒さん、DJ Kenseiさん、海外だとDJ Spinbadなど、ミックステープがただ、DJミックスを収録したものではなく、そのDJの「作品」として作られたミックステープが多かったことから、様々なDJが意欲的な作品を出していった経緯もあります。(※3)

 つまり、時代的にもミックステープが受け入れられ、DJ側が意欲的な作品を作れる流れがあり・・・結果的に多くの作品が作られ、日本のDJ文化を後押ししていたと思います。

 特に、MUROさんが素晴らしかったのは、やはり、内容とレベルの高い「作品」を出し続けながら、それが「誰にでも楽しめる作品になっていた」ことが大きかったと思います。


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 この「誰にでも楽しめる作品」という観点において、一番分かりやすく、誰でも納得できるのが、今回、作品紹介として紹介したい「Diggin' Ice (ディギンアイス)」になります!

 まず、Diggin' Iceの説明からすると、イメージとしては「聴いているだけで夏が涼しくなるミックステープ」という内容で、DJ業界的には「Chill Out (チル・アウト)」や「Cool Out (クール・アウト)」と呼ばれている内容になります。

 オリジナルのDiggin' Iceと呼ばれるテープ時代の作品(96年~99年)については、上記写真の4本がその年の夏にリリースされ、当時のHipHopファンやDJファンを楽しませたのは言うまでもなく、その後もCD時代になっても、このDiggin' Iceの看板の元、素敵な作品が何作もリリースされています。
 また、どの作品も作品を通して「涼しくなるアートワーク」も秀逸で、オリジナル時代の「ミネラル・ウォーター~炭酸水」のサンプリング・ジャケットは、観てるだけでも涼しくなり、MUROさんの作品意図が良く表れているかと思います。(*コラム参照)

 そして、肝心な内容も、様々なジャンルの音楽を選曲し、夏の熱い時期や、湿気でムシムシとした時期に聴いてると、聴いてるだけで「すっ、涼しい・・・」となる内容で、収録された曲の知識があまり無くても、聴けば誰にでも楽しめる作品になっているかと思います。

 少し話は脱線しますが、季節に合わせた選曲というのは、その季節の良さを盛り上げたり、また、その季節の持つ辛さを和らげたりする効果があり、ミックステープを聞かない方でも、ごく日常的に体感していることかと思います。

 それこそ、夏であれば「風鈴の音」を聴くと、何となく涼しい気分になりますよね・・・一方で、冬であれば「淹れたてのコーヒーの湯気や匂い」を見たり嗅いだりすると、何となくホッとしますよね・・・
 つまり、こういった「人間の五感に訴える」というか、「生理的な欲求を満たす」ことを、音楽の選曲やDJミックスを通して実現しているのが「季節に合わせた選曲」と言えます。

 こういった背景がある中で、MUROさんは前述した「聴いているだけで夏が涼しくなる」をイメージして作られたのがDiggin' Iceになり、気づいたらMUROさんのライフワークになっている作品(シリーズ)になっています。

 一方で、こういった「聴いているだけで夏が涼しくなる」という内容は、音楽業界的にはそこまで珍しくはなく、DJ業界でも定番とも言える内容ではありました。
 
 それこそ、80年代ぐらいからは、大手のレコード会社も夏に見合った既存曲を集めたコンピーレションやワンアーティストの夏っぽい曲だけを集めたミックス作品を発表したり、ラジオ番組でも夏の曲を集めた特集は定番ともいえるかと思います。

 また、DJ業界に目を向けると、DJの本場であるNYでは、80年代のラジオ番組でも定番だったし、DJの現場でも定番で、こういった夏選曲は、ある意味で「懐メロ=定番」として、子供からお年寄りまで親しまれていた経過があったと言われています。
 そのためか、ミックステープが「作品レベル」としてリリースされ始めたた80年代末~90年代初頭においては、こういった夏選曲の作品はすぐにリリースされており、有名な作品だと「DJ Doo Wop / Cool Out」などがあり、Kid CapriやBiz MarkieといったDJの作品が人気だったと言われています。(*コラム参照)

 以前、MUROさんと対談をさせていただいた際にお伺いできたのが、このDiggin' Iceを作られた「きっかけ」は、NYで人気だった夏選曲のミックステープを聞いたことに影響を受け、それで日本版、いや「MURO版」のミックステープを作ろうと思ったのがきっかけだったそうです。

 そう、こういった背景があり、「Diggin' Ice」が作られたんですね・・・


(*コラム参照)このページの最後に記載してあります。

(※2)MURO作品リストは以下を参照ください。
・ DJ MURO Mix Tape
・ DJ MURO Mix CD

(※3)日本におけるミックステープの変遷については、以下を参照ください。
・ ミックステープを考える




(3)MUROさんのDJミックスについて

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 前振りは以上にして、以下ではこの作品の選曲やDJミックスを紹介するのですが、MUROさんのミックステープ作りにおいては、以下の3点が重要だと思っています・・・これは「ミックステープを作るための絶対条件」ともいえる原則になります。

A 目標
 ・作品ごとにテーマやコンセプトを設定して、全体の世界観を作る

B 選曲
 ・自身の「掘り」という持ち味を生かしてプレイする曲を選び、的確な曲順設定を行う

C DJミックス
 ・細かいBPM設定やミックス処理を施し、全体のグルーブやストーリー作りを固めていく


 イメージとしては「(A→)B×C=A」という感じで、Aの目標を作り上げるために、Bの選曲とCのDJミックスを折り重ねていく作業になります・・・
 これまで、あまり上手く説明が出来なかったので、あまり明確に紹介していませんが、私のミックス作品の紹介はこの原則に従って紹介していました・・・まあ、この通りに作られるわけではないし、何とも説明しづらい内容ですね~

 そして、話を「Diggin' Ice」に戻すと、私としては、このAを設定した上でBの「選曲」とCの「DJミックス」が大変上手いと思っており、これがあるからこそAの「目標=「聴いているだけで夏が涼しくなる」内容になっており、結果的は「誰にでも楽しめる作品」にもなっています。
 また、「選曲」「DJミックス」自体も深く追求すればするほど「凄い!」の一言で、今回、この作品を研究してて悶絶したところが大変多かったです。

 では、以下の作品紹介では、A面とB面を、それぞれ選曲順に紹介することを中心に、その流れの中で「選曲」と「DJミックス」の2視点で分析を行いながら、どのようにして「目標」となる「聴いているだけで夏が涼しくなる」内容になっているのかを、詳しく紹介したいと思います。
 選曲の流れで紹介することから、「選曲」と「DJミックス」の視点が混雑してしまい、分かりづらい部分もあるかと思いますが、御理解の上、お読みください。





3 作品紹介

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<注意事項>
・本来、このようなアンダーグラウンド作品は諸般の事情から全ての曲を紹介すべきではないのですが、この作品の全てを紹介する観点から、一部の曲を除き、全曲を紹介し、トラックリストも掲載します。
・この作品については、何度もプレスされていて、プレスにおいてはA面とB面が逆になっている場合があります。詳細を説明すると、最初がArethaから始まるミックス(①)と、最初がMTUMEから始まるミックス(②)がある中で、あるプレスでは①=A面、②=B面と設定されている一方、あるプレスでは②=A面、①=B面と設定されていることがあります。そのため、この記事での紹介は、私自身が一番聴きなれている「①=A面、②=B面」として紹介をしたいと思います。
・紹介においては、この作品の「ストーリー性」を明確に示すために、私がミックス作品の紹介で多用する「起承転結」の4分割方式に分けて紹介をします。



3-0 作品の全体像について

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 まず先に、この作品の「選曲の全体像」を紹介しておきたいと思います。

 Diggin' Iceについては、基本的には「ノンジャンル」な選曲、つまり、MUROさんが「涼しくなるかな?」と感じた曲を集めており、音楽の「ジャンル分け」をするのが結構難しい作品になっています。

 この作品では、大雑把には「過去のBlack Music」を中心とした選曲で、それこそ70年代のSoulやJazz Funk、70~80年代のDisco、80年代のR&B等を中心としつつ、このジャンルでは収まりきらない内容が選曲されています。
 96年に作られた作品ですので、全てが過去にリリースされたアナログ盤でDJプレイをしており、全てがMUROさんの手によって掘られ、その良さを見抜かれた上で選曲された内容になっています。

 以後、選曲面でのポイントとなる内容はその度に紹介しますが、選曲を紐解く上で重要にしたいことがあります・・・

 それは、選曲された曲が「レコード屋さんやCD屋さんにおいて売られている場所が違う」ことで、つまり「それぞれのジャンルに壁が明確に分かれている曲」をジャンルレスに選んでいるということが大きなポイントになります。
 それこそ、MUROさん自身がジャンルに関係なく良い曲を掘っているからこその選曲であるのですが、実はMUROさんが先駆的にジャンルの壁を壊して選曲をしていた点は大きいです。

 また、選曲のもう一点のポイントは、総括すると「意外性のある選曲が多い」ことになります。
 MUROさんというと「ハードな掘り」のイメージが強く、選曲が定番よりも誰も知らない曲を選曲しているイメージがありますが、その中で、「えっ、そんなところから掘ってくるの?」という曲も多く、結構驚かされます。
 一方で、これも意外性があるのが、実は「定番曲」の使い方が上手く、これもヤラれます・・・DJ業界にいると、べたな定番曲はあえて敬遠する傾向があるのですが、MUROさんは「良い曲は良い曲」として選んでいる節があり、これも意外ですね・・・ 

 つまり、「①ジャンルを跨いだ選曲」「②誰も選ばなかった曲を多く選曲」をしていることです。

 この2点は、最終的には「MUROさんのHipHop性」があっての選曲になるとおもいますが、以下の選曲部分の説明においては、これらの観点が含まれていることを踏まえて、紹介を読んで頂けると嬉しいです。


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 そして、選曲の話もしたのであれば、DJミックスに関する全体像も紹介しておきましょう。

 MUROさんのDJスタイルは、大雑把にカテゴライズすると「HipHop スタイル」になります。

 HipHopスタイルと書くと、人によっては「ゴシゴシとレコードを擦ってるんでしょ」と思うかもしれないですが、MUROさんの場合はHipHopらしいサクサクと曲をプレイし、それに合わせてDJミックスを行う感じで、次の曲に移る際にスクラッチでカットインをするぐらいになっています。

 ただ、この「HipHopらしいサクサクと曲をプレイ」は肝になります。

 私の中ではDJミックスにおける「スタイル」というものは、大雑把に「HipHop」と「House」に分かれており、前者はサクサクと、後者は時間をかけて、というイメージなのですが、MUROさんのサクサクとしたプレイは、他のDJとは大きな特徴があり、その特徴には結構影響を受けた方が多いかと思います。

 その特徴とは、サクサクと次の曲に繋いで行くんだけど、なぜか全体の雰囲気は合っており、まるで、パズルのピースをパチパチとハメているけど、全部を見るとしっかりと一枚の絵になっている感じなんですね・・・
 こういった全体で一枚の絵にしようとするDJミックスは、Houseスタイルのような、時間をかけて曲の良さを引き出し、組み立てていくミックスの仕方の方がクリエイトしやすいのですが、そういったことを、HipHopスタイルでクリエイトしていた点は大きいかと思います。

 なお、今となっては時代に合わない話ではありますが、このテープで選曲されているような昔の曲を、HipHop的にDJミックスしていることには衝撃を受けた方が多いかと思います。

 それは、このテープがリリースされた当時(1996年)、まだシーンが未熟だったため、HipHopスタイルのDJは「HipHopの曲しか擦ってはダメ」という変な暗黙の了解があり、そういった中で、HipHopスタイルで古い曲をDJミックスしていることに衝撃を受けた方が多いと思います。
 まあ、HipHopの歴史をさかのぼると、ジャンルに関係なく良いと思った曲を俺流にアレンジしてカッコよくするという大前提があるので、MUROさんは伝統に忠実にDJしてたことに他ならないのですが、頭でっかちだった後輩たちに、正しい「HipHopの在り方」を示してくれた点は、凄い重要ですね!





3-1 作品紹介 A面

<Track List>
01 Aretha Franklin / Day Dreaming
02 Roy Ayers / And Don't You Say No
03 Enchantment / It's You That I Need
04 Jeffrey Osborne / Only Human
05 Isley Jasper Isley / Insatiable Woman
06 Ray Parker Jr. And Raydio / Tonight's The Night
07 Herbie Hancock feat Vicki Randle / Tonight's The Night
08 Nicole with Timmy Thomas / New York Eyes
09 Pleasure / Thoughts Of Old Flames
10 Shalamar / I Don't Wanna Be the Last to Know
11 Zapp / Be Alright
12 Collage / Get In Touch With Me
13 Sister Sledge / Easier To Love
14 Patrice Rushen / Remind me
15 La Toya Jackson / Camp Kuchi Kaiai
16 Debra Laws / Meant For You
17 Cerrone / Strollin' On Sunday
18 The Jets / You Got It All
19 Four Tops / Ain't No Woman (Like The One I've Got)



(1) 起 

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01 Aretha Franklin / Day Dreaming

 まず、作品としての入り口も入り口な「A面の1曲目」ですが、Soulクラシックである01「Aretha Franklin / Day Dreaming」から穏やかに開始します。
 曲名だけだとピンとこないかもしれないですが、このジャケットだったり、歌のメロディーだったりを聴けば、反応する方も多いのではないでしょうか・・・カバー曲も多いし、いや、そもそもな曲と歌が良すぎて、曲を知らなくっても「うっとり」しちゃう名曲ですね~

 MUROさんは、ビートレスながらアカペラで優しく始まり、段々と力がこもってくる構成を上手く利用し、まるで飛行機が徐々に滑走し、空にゆったりと飛び立っていくイメージを込めて、この曲を選曲したんでしょうね。
 まるで、暑苦しい夜を、クーラーの利いた小粋な飛行機で飛び立っていくイメージが、この1曲目から表れていて、大変良いですね。


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02 Roy Ayers / And Don't You Say No

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03 Enchantment / It's You That I Need

 そして、01のArethaを最後までプレイをして、最後のビートレスでアカペラになる部分を上手く利用し、02「Roy Ayers / And Don't You Say No」にカットインし、01で生み出した優しく、メロウなグルーブを引き継いだ選曲/DJミックスをしています。
 更に、03「Enchantment / It's You That I Need」も、02の頃合いの良いところでフェードアウトからのフェードインで流れていき、引き続きメロウなグルーブを引き継いでいきます。

 ただ、01~03にかけては、メロウさもポイントですが、ボーカルの熱さが要所要所で熱く光る曲を選曲しており、スローな出だしでありながら、躍動感もあり、聴いている人の心を上手く掴んでいるな、と思います。

 まず、今後のことにも紹介にも係るので、ここでDJミックスにおける「グルーブ」という意味を整理しておきたいと思います。

 この「グルーブ」という言葉は、私としてもかなり曖昧で、明確に説明が出来ないのですが、イメージとしては「雰囲気」という言葉になります。

 つまり、この作品だと「ちょっと涼しくて、気持ちいいな」という「雰囲気」がグルーブになり、02から03にかけては、その「ちょっと涼しくて、気持ちいいなというグルーブ」を上手く繋いでいます・・・これは通称で「グルーブ繋ぎ」ですね。

 このグルーブ、極端な例を説明した方が分かりやすいと思うので、例を入れると、メロウな雰囲気の曲が流れた後、突然ハードロックが流れたら、その前の曲の良さは分断されてしまいますよね。
 ただ、同じようなメロウな雰囲気の曲が続けて流れたら、そのメロウな雰囲気は持続されます・・・そして、ここがDJの腕なのですが、DJミックスの仕方によってはその「メロウな雰囲気」を倍増させることができます。

 私としては、その倍増させるための手法が「グルーブ繋ぎ」であり、その良い雰囲気が続いた状態を「グルーブ」だと思っています。

 この作品だと、DJミックスにおける「グルーブ」を活用した部分は沢山ありますので、以下の説明でも登場しますので、お見知りおき下さい・・・


 なお、選曲面の話も入れておくと、02は有名なRoy Ayersの曲ですが、あまりピックアップされない70年代後期のアルバムより、アルバムのみの曲を選曲、そして03は、グループ自体がそこまで有名でないボーカルグループのLP曲(シングルではB面)を選曲しています。

 つまり、2曲とも「あまり知られていない曲」になります。

 MUROさんを評する時、よく「凄い」と言われるのが、このようなアルバム曲にひっそりと隠れてて、周りから殆ど評価されていない曲を選曲し、途端にその曲の魅力を輝かせる手腕があります。
 まあ、その一方で、凄いメジャーな曲の光らせ方も上手いのですが、掘りという観点からすると、レコード相場的に安いレコードからも、しっかりとそのアルバムを聞き込み、イイ曲を選曲してくる点は最強だと思います!
 この2曲だと、Roy Ayersがそうで、当時としては最高のネタ曲として70年代前半のアルバム(Roy Ayers Ubiquity時代か?)は評価されていた中で、Disoco要素が強くなってしまった70年代後半のアルバムから抜いてくる辺りは、流石だな~と思っています。


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04 Jeffrey Osborne / Only Human

 そして、次は、80年代R&Bを代表とする男性ボーカリストの90年にリリースされたアルバムからの隠れた1曲である04「Jeffrey Osborne / Only Human」を選曲します。
 引き続き、メロウなグルーブを引き受けつつも、音数も増え、段々と雰囲気が膨らみ、まるでグルーブが少しだけ加速させて変化をもたらした選曲かな~と思います。

 まず、この部分で指摘したいのが「変化」というDJミックスの上手さですね。

 実は、この前曲が布石として仕込まれていた「DJミックスの技」になるのですが、この03~04では、メロウなグルーブを引っ張りながらも、裏では大胆な「BPM操作」を行っており、変化に向けた準備を行っていました。

 具体的に紹介すると、02から03にDJミックスをする際、ビートレスな部分でフェードアウト・フェードインをしていたのですが、02と03とではBPMが元々違っていて、02は71BPM、03は83BPMになり、実は10近くアップしていました。

 BPMとは、その楽曲の速さ(テンポ)を表す指数で、1 分間あたりの拍数を示したものになります・・・一般的には10は結構なスピードアップになるでしょうか?
 ただ、02と03のDJミックスをする部分では、ビートが被らない部分でDJミックスをしていたことと、完全にグルーブで繋いでいたことで、BPMの変化を気づかせないDJミックスになっており、見事なBPM操作だな~と思ってしまいます。
 
 そして、03で行ったBPM操作は、実はこの04に繋げるための布石であったことに気づかされます。

 選曲面の紹介とも被りますが、この04は、この作品で唯一90年代のリリース曲ではありますが、選曲のイメージ的は80年代のR&Bとして選曲をしており、70年代の曲にはない「華やかさ/現代さ」を持たせた選曲になっています。
 特に、ベースラインなどが現代的だし、メロディーも歌詞もはっきりと輪郭がある感じなので、01~03の70年代的なメロウなグルーブを、そのままDJミックスするのには違和感があり、ある意味で「接着剤」が必要になります。

 つまり、03が「04を盛り立てるための接着剤」だったんですね・・・

 03の曲自体も若干ソウルフルな歌声が際立っていたし、03と04は実はBPMがほぼ同じで、グルーブも同系統なことから、カットイン気味のフェードインで違和感なく繋げることができ、04に変わった瞬間、急に音数が増えて華やかな展開になっていました。

 グルーブを繋げつつ、軽やかに変化を仕込んでいくDJミックスの上手さが含まれており、個人的には好きなラインです!


 なお、選曲的にも、よくもこんな「ドマイナーなアルバム」からイイ曲を見つけてくるな~、と思っています。
 この曲は、90年リリース=CDが全盛になってしまった中で、そこまでヒットしなかったアルバムといえ、おそらくアナログ盤もそこまで作られていないはずで、私自身も、このレコード盤を探すのに結構苦労をしました。

 やはり、MUROさんの素晴らしいところは、こういった意外なレコードで、カッコいい曲を見つけてきて、DJミックスを通して更にカッコいい曲に仕上げていく点になりますね!



(2) 承 

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05 Isley Jasper Isley / Insatiable Woman

 ここまでで4曲、約10分程度なのですが、この紹介量・・・この後も、しつこい説明が続きますよ!

 05曲目は、シングルヒットもした80年代のR&B曲である05「Isley Jasper Isley / Insatiable Woman」をショートミックスで繋いでいきます。
 前曲の04も80年代の流れがあり、かつベースラインの輪郭も似ている曲なので、違和感なくグルーブが続き、気持ちいい「Diggin' Ice」らしいグルーブを引き伸ばします。

 この曲が凄い有名とは言いづらいですが、アルバムだけに隠れた1曲を選曲する一方で、こういったシングルヒットも選んでくる辺りは流石なのです・・・ただ、結局はどの曲も「昔の曲」なので、それを探してくる「掘りの力」は、やっぱりMUROさんの凄さですね。

 その中で、いかにして「カッコよくプレイするか」という部分も重要かと思います。

 例えば、この曲においては、実は原曲からピッチを「+4」程度にスピードアップしてプレイしており、前後のグルーブの相性、そして全体にハメた時の整合性を考えても、このピッチアップによってInsatiable Womanが「カッコよい曲」になっているのに驚かされました。
 通常のスピードでは、割とメロウな空気感の方が前に出てしまう曲なのですが、ピッチアップすることで躍動感みたいのが生まれ、この曲の肝となっているベースラインが更に前に出てきて、個人的には、ピッチアップした状態の方が好きかな~と思ったりもします。

 このピッチアップは、MUROさんの「HipHop性」を代表するDJミックスで、ピッチアップをすることで突然カッコよくなる曲が多く、MUROさんのピッチアップされた曲を通して、突然「うわっ、カッコいい!」と思わされた方は多いでしょう。
 それは、普通の状態では「昔の曲」なのを、MUROさんの手を通してHipHop以降の「今の曲」、いや「誰もが好む曲」にしていることに他ならず、これこそ「DJのマジック」なのかもしれません。

 なお、この作品では、全体的にプレイする曲をピッチアップしてプレイしており、ああ、MUROさんはやっぱり「HipHop」なんだな~、ということが垣間見れたりします・・・


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06 Ray Parker Jr. And Raydio / Tonight's The Night

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07 Herbie Hancock feat Vicki Randle / Tonight's The Night

 そして、引き続きメロウな空気感を引っ張り、アルバムに隠れた良曲を選曲・・・気持ちよさにウットリしながら聴いてると、思わず見逃してしまう「DJミックス」の技が光っており、ここもMUROさんらしいですね。

 まず、先にネタばらしをしておくと、06と07は曲名が同じですよね・・・
 これは、06の「Ray Parker Jr. And Raydio / Tonight's The Night」オリジナル曲で、07の「Herbie Hancock feat Vicki Randle / Tonight's The Night」カバー曲になり、MUROさんは聴いている人が気づかない位のレベルで、06から07にスクラッチカットインし、あたかも同じ曲のようにDJプレイをしていました。

 まあ、07のカバー曲が、原曲に忠実に演奏(Ray Parker Jr.本人も参加)しているので、曲は全く一緒なので、繋ぐのはそんなには難しくないですよね・・・

 ただ、ここで重要なのが、これらの曲を「掘り」、そして、このようにリレープレイをした「アイデア」を思いついたことになります。

 前述したとおり、両方の曲ともアルバムに収録された曲で、前者は大ヒットした名曲「It's Time To Party Now」が収録の大ヒットアルバム、後者はそこまでシングルヒットは無いが、JazzFunkラインからクロスオーバー化していく中で発表された隠れた名アルバムになり、まずは、この2枚をよく掘ったな~と思います。

 それこそ、レコードを掘るという視点だと、前者はメジャーアルバムすぎて、レコード屋さんでも敬遠されるぐらい在庫があふれているアルバム、そして、後者は、Herbie Hancockというアーティストを考えると、大ヒットしたRock Itよりも前とあり、Jazzでもない、Popsでもないという中途半端な時期のアルバムなので、やはりレコード屋さんから敬遠されちゃうアルバムだと思います・・・

 つまり、私として、これらの曲は「100円レコード」の中から掘り当てたお宝であり、この辺がMUROさんの掘りの素晴らしさの一端だと思っています!

 まず、100円レコードについて説明をしておくと、イメージとしては、そのレコード屋さんでは売れないので、100円にして投げ売りをしているレコードを指し、ある意味で「全く注目されていないレコード」になります。
 これらの曲が100円で売っていたかどうかの確証は避けますが、MUROさんに関しては、こういった注目されていないレコードを手に取り、しっかりとアルバムの中まで聴きこんだ上で「この曲は良い」と判断しており、レコード掘りとしては見習わないと行けない姿勢があります。

 そして、ただ掘っただけではなく、先ほどのピッチアップにもつながる「使い方=カッコ良くする方法」として、この2曲を一つの曲に聞こえるようにDJミックスをする「アイデア」を思いついた点も評価せざるを得ません!
 
 DJのミックス作品って、選曲も大切ですが、その選曲した曲を「どう面白く提示するか」も大切で、こういった遊び心もある「アイデア」を入れ込むことも大切だと思っています。
 まあ、なかなか気づかない部分も多いですが、気づいた時には、このアイデアが作品の良いスパイスになっていることが多く、流石ですね・・・


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08 Nicole with Timmy Thomas / New York Eyes

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09 Pleasure / Thoughts Of Old Flames

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10 Shalamar / I Don't Wanna Be the Last to Know

 そして、07まで行くと、どちらかというとクールな意味でのメロウさが際立っていた前半から、徐々に華やかさも加わったクール感のあるグルーブに変わり、段々と躍動感のようなものが生まれてきています。

 その流れで、シングルヒットもした08「Nicole with Timmy Thomas / New York Eyes」、ネタ曲として有名になったJazzFunkである09「Pleasure / Thoughts Of Old Flames」、シングルのB面曲にあたる10「Shalamar / I Don't Wanna Be the Last to Know」をサクサクと選曲/プレイし、今度は、どちらかというと「クール感のあるグルーブ」を引っ張り、Diggin' Iceらしい「涼しさ」を上手く演出しています。
 どの曲も、05で指摘したようなピッチアップでプレイしており、よりHipHopらしいクール感も演出してて、やっぱり上手いですね~
 
 まず、この部分においては、選曲面から紐解いてみると、有名曲も無名曲も選曲してて、このへんの選曲は「まさにDiggin' Ice」な感じで、大変良いですね・・・
 個人的には、その曲のトラックの涼しさもさることながら、各曲の「歌の良さ/メロディーの良さ」も踏まえた選曲になり、気づいたらその歌やメロディーに引っ張られ、気持ちよく鼻歌を歌ってたりします。

 ただ、ここで指摘しておきたいのが、DJミックスと選曲における「次の動きを見据えた戦略」がある点です。

 まず、このあたりの選曲は、割と他の曲よりもグルーブをリラックスさせた選曲で、ある意味で「ストーリーの谷」にしています。
 
 つまり、他の選曲よりも「落とした」選曲になり、光と影であれば「影」に当たる部分かもしれません・・・

 細かいですが、DJミックスにおいても、絶妙な荒さもあるスクラッチカットインで次の曲に繋ぎ、それも結構、曲のグルーブを断ち切るような入れ方になっており、これまでの「グルーブ繋ぎ」とは対照的なDJミックスになっていますね・・・

 少し脱線をして、DJミックスにおける「ストーリー」について触れておきましょう。

 DJミックスにおいては、私としては「ストーリーの山と谷」が大切だと考えていて、同じ感じの曲が続くと飽きてしまうので、流れの中で、あえて違う方向性の曲を選曲することで、ある意味でDJミックスの中に「起伏(きふく)」が生まれ、全体を見た時に「動きのあるストーリー」が生まれると考えています。

 それこそ、映画であれば、最後まで日常的なことが、同じ調子で続づいたら面白くないですよね・・・途中で何らかのイベント的な内容が入ることで、観る人は飽きることなく観ることができるかな、と思います。
 また、サクセスストーリーを描いた映画であれば、ずーっと成功をしている内容だけが続くよりも、どこかで大失敗をして、そこから這い上がって成功したストーリーの方が、その成功に対して深い共感が得られるかと思います。

 これらは、一般的には「演出」と呼ばれておりますが、DJのミックステープにおいても、DJが作りだした物語(ストーリー)があるのであれば、同じような方法論は十分に活用でき、最終的に作品全体に奥行きを与える効果があると思っています。

 その意味では、これ以降の「転」「結」に向かっていくための布石であり、「転」「結」を効果的に盛り上げるために戦略的に設定された「演出」だと考えられます。



(3) 転 

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11 Zapp / Be Alright

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12 Collage / Get In Touch With Me

 A面のミックスも折り返し地点、ここからの流れは素晴らしく、MUROさんの素晴らしさが爆発しております!

 ここからは、先ほどの「(2)承」の最後で紹介した「次の動きを見据えた戦略」を踏まえての選曲になります。

 11では、大ヒットアルバムの隠れた1曲である「Zapp / Be Alright」をショートミックスで繋ぎ、08~10で見せていた「ストーリーの谷」から抜け、ベースラインが利いた、割と上向きなグルーブも取り入れた方向にシフトします。
 そのあと、12では、ベースラインがカッコいい「Collage / Get In Touch With Me」に繋ぎ、サビのクールだけど熱い感じを上手く取り入れ、更にグルーブを高めていきます。

 まず、11からは「転」として区切りましたが、この選曲面の説明だけでもグルーブを上げてきていることがわかります。

 ただ、それ以外でも憎い演出が光っており、このグルーブの高めていく効果が見受けられます。

 例えば、実は「承」の最初にあたる05「Isley Jasper Isley / Insatiable Woman」から徐々にBPMを上げており、05の時点では81BPMだったのが、11「Zapp / Be Alright」の時点で86BPMまで上がっていました。
 つまり、11までの6曲の間に、聴いている人を気づかせないように徐々にBPMを上げてきており、段々とストーリーの後半に向けてテンションを上げていたことが分かります。
 それも、凄いのが、先ほど紹介をした「谷」の部分でも、実はBPMは上向き設定をしてて、しっかりと戦略を立ててBPMをコントロールしていたのかが分かり、結構ビックリしました。

 そう、この11までは、まるでジェットコースターが、一番高い所に向かって、徐々に上り始めた感じを演出してたんですね・・・

 また、このBPMコントロールを更に上手く使っているのが、11から12へミックスする時の「絶妙なタイミング」です。

 まず、11を良く聴くと、歌主体のミッドテンポのファンクチューンで、段々と曲が深まってくると歌も盛り上がり、サビのの♪All Light~♪の部分あたりで爆発する構成になっています。
 MUROさんは、このような構成の中、最後の最後でサビが盛り上がった後、余韻がのこったブレイクに、12のイントロブレイクを上手くショートミックスして繋いでくるのですが、このタイミングが絶妙で、ショートミックス後のベースラインの疾走感といったら、最強ですね!

 テクニカルな面を話しておくと、11の時点で86BPMだったのが、12になると90BPMに一気に上げています・・・・普通だったら、ちょっと違和感が出ちゃうBPM設定になりそうですね。
 ただ、11のBPMとグルーブが上がってきている部分を上手く見つけたことで、違和感なく12をショートミックスすることができ、かつ、上り調子のグルーブに対して、一つギアを加速させた印象も持たせることもでき、上手く「加速」させています。

 そう、ミックスのストーリー的には、その奥のピークタイムに向けて「更なる加速」を出したいので、この「転」を設定していました・・・



(4) 結 

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13 Sister Sledge / Easier To Love

 12は、ベースラインとサビのカッコ良さに引っ張られ、グルーブはピークに向けて確実に盛り上がって行きます。

 ただ、12は1バース(曲の1番)のみで次の13「Sister Sledge / Easier To Love」にカットインします・・・

 言葉で書くと「あれっ、盛り上がった感じを切っちゃうの?」と思うかもしれませんが、ここでMUROさんのDJミックスの伝家の宝刀が飛び出しくれ、更にピークに向けて盛り上げていきます!

 その伝家の宝刀とは「1バース・ミックス」です!

 HipHop的には「クイックミックス」とも呼ばれ、曲の一部や、長くても曲の1番だけをプレイし、次々と新しい曲にかけていく手法で、ミックステープでも多用されている技になります。
 この技の大きな特徴は、プレイした曲の良いところを切り取るような形なので、選曲した曲にスピード感や躍動感が生まれることがあるかと思います。

 ただし、ここでの「1バース・ミックス」は、もう一つ別の戦略もあってのミックスになっています。
 
 まず、これまでの選曲では、割とHipHopらしくサクサクと進む展開でありながら、メロウなグルーブを大切にしていた向きがあったため、ここでの1バース・ミックスと比べると、少し長めに曲をプレイしていたと思います。
 一方、12は、流れ的には説明した少し長めにプレイしても良いところを、聴く側の裏をかいて1バースで終わらせます・・・なんでしょう、聞いている側としては、意外なタイミングで曲が変るのでビックリしますよね。

 つまり、この「裏」をかいたことで、聞いてる者にある種の「期待感」を植え付けたのだと思います。

 そして、その戦略からの13「Sister Sledge / Easier To Love」ですが、これこそ「戦略的な選曲」です!
 
 12よりも、少しレイドバックしたグルーブがありつつも、BPMは上向きで、ボーカルの可憐な力強さから、つい心が引っ張られ更に加速していきます・・・

 そして、このEasier To Loveも必殺の連続1バース・ミックスで次の曲へスイッチします・・・

 ジェットコースターは、暗いトンネルの中を頂点を目指して上り、急に早くなりつつも、突然横に曲がり、その先にはかすかな光が見えています・・・


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14 Patrice Rushen / Remind me

 そして、その光が見えた瞬間、最高に素敵な瞬間が待っていました・・・

 名曲中の名曲である14「Patrice Rushen / Remind me」をカットイン・・・も~、最高すぎるDJミックスです!!

 繰り返します・・・世界で一番「Remind Me」を光らせたDJミックスだと断言します!!

 まず、DJミックスの流れから紹介をしておくと、12よりも落としたグルーブの13をあえてチョイスしたことで、ピーク曲して設定していた14が、対比という意味で更に光る構成にした前提もありつつ、奇跡的にサビ後のブレイクダウンした一瞬のを見抜き、優しく14をカットイン・・・
 もう、この展開、そしてカットインの絶妙さと言ったら最高です、これは神がかっています!

 この「神がかり」は、私の中では「殺しのミックス」と呼んでいます・・・

 それは、そのDJミックスだけで、聞いている者を引きつけ、聞いた者に最高の喜びを与えるミックスになります・・・

 私は、なぜ「DJの作るミックス作品」を好むのかというと、DJが「選曲」と「DJミックス」を施すことで、そのプレイした曲が、普通に聞く以上に「光ってくれる」ことが好きだから、何十年もDJミックスを聞いているのだと思います。

 話を14に戻すと、13と14の間にある一瞬の「間(ま)」を見抜いたこともさることながら、この14にストーリーを繋げていく展開と、その展開を支えるための細かいミックス処理が折り重なり、ほんと素晴らしい曲としてプレイをします。


 それも、ド定番な「Remind me」ですよ!

 ここもMUROさんの真骨頂なところですが、ド定番な曲で「殺しの選曲」ができる点は、誰にも負けないところで、ほんと凄いですね!

 ド定番の曲って、プレイの仕方が間違わなければ、誰でも盛り上がる曲だと思いますが、プレイの仕方が間違っていたら、聞いている者が曲を知っている分、無反応になりかねない曲だと私は思っています。
 また、昔は、掘ることをメインにしているDJほど、周りにナメられてはいけないと思うのか、誰でも買えるド定番を避ける傾向もあったりもし、結果的に頭でっかちな選曲になったりもします。

 こういった背景がある中で、King of Diggin'の「Remind Me」は、きっと「良い曲は良い」ということを信じて、戦略的に練り込んだ上での選曲なんだと思います。 

 この部分を聞いただけでも「ミックステープに神が宿った瞬間」を聞けるかと思います・・・



(5) 転→結 

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15 La Toya Jackson / Camp Kuchi Kaiai

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16 Debra Laws / Meant For You

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17 Cerrone / Strollin' On Sunday

 Aサイドに関しては、14のRemind Meの良さを伝えたく、ここまで長々と書きましたが、この後もMUROさんらしい最高のエンディングが待っています!!

 14は、これまた必殺の1バース・ミックスで終わらし、カットイン気味に15「La Toya Jackson / Camp Kuchi Kaiai」を選曲します。
 14でピークタイムを作ったので、少しクールダウンをしつつも、MUROさんらしいトロピカルな雰囲気を出してて、大変上手い選曲ですね。

 その後も、16「Debra Laws / Meant For You」17「Cerrone / Strollin' On Sunday」と、アルバムに隠れた1曲を連続プレイし、空気感を優しくクールダウンし、Diggin' Iceの本来持つ「クール」な質感を引き伸ばします・・・
 特に、作品のストーリー的には、14で最高にドリーミーな展開を与えた直後なので、その空気感を上手く使ったグルーブ作りをしてて、クールなんだけど、夢心地な気持ち良さもあり、選曲と、その選曲を光らせるためのグルーブ設定が上手いですね!

 なお、繰り返しにはなりますが、MUROさんは、有名・無名を問わず、本当に「アルバムの中に隠れた1曲」を探すのが本当に上手いですね!!

 それこそ、16「Debra Laws / Meant For You」であれば、ジャケを見た瞬間、名作スローな「Very Special」を思い浮かべますが、その裏をかいて、こんな良い曲を探してくるとは・・・プロモのでシングルカットはあるものの、ほんとアルバムの隅から隅まで「掘っている」ことが分かり、音楽への貪欲さが伺えます!!


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18 The Jets / You Got It All

 そして、しっかりと夢心地になり、ピーク的なストーリーのことを忘れていたら、クールなグルーブの延長で18「The Jets / You Got It All」をスクラッチカットイン・・・そして、段々と歌詞とグルーブに引っ張られ、気づいたらサビで絶唱です!!

 う~ん、この選曲とストーリーの作り方も上手いですね・・・実は第2のピークと設定をしてたのですね!!

 まず、MUROさんは14でピークを作ったわけですが、そのままピークを引っ張らず、15~17でブレイク(=休憩)を挟み、クールなグルーブを上手く演出していました。

 この18も、そのクールな流れで選曲をしているので、違和感なく入っていくのですが、上手いな~と思うのが、この曲の歌が徐々に盛り上がっていく構成になっており、この点を踏まえてピーク設定をしていたことです。
 つまり、18の「曲の中」だけでピークまでの道筋が描けるので、フラットな状態になるように17までの選曲とDJミックスをしていたんですね・・・こういう「あえて盛り下げる」ストーリーを入れてた点は、やっぱり上手いですね。

 そして、その盛り上げた曲がJetsですよ・・・やっぱり、MUROさんの選曲力は半端ないです!

 このJetsですが、80年代にヒットした兄弟グループで、ジャンル的にはポップスになり、昔の曲ではあるものの、どちらかというと「恥ずかしポップス」になるかと思います。

 「恥ずかしポップス」は、私が勝手に作った言葉ですが、その当時は大ヒットして人気だったけど、数年経つと聞くこと自体が恥ずかしいみたいな曲のことを指します・・・皆さんもありますよね?
 特に、社会全体で共有された「恥ずかしポップス」ほど扱いはひどく、当時売れに売れたレコードは、中古レコード屋さんの100円コーナーに投げ売れるなど、音楽の価値観自体も否定的になってしまいます。

 そんな背景がある中、MUROさんはJetsを選曲したわけですが、こういった姿勢を見るたびに、掘るという行為には「壁を作ってはいけない」ということを、強く戒めてくれます。
 まあ、MUROさんがこの作品を作るにあたって参考にしていたNYのDJのミックステープでは、こういった「恥ずかしポップス」を含む曲を、イイものはイイとしてプレイしていたので、そういった点も参考にしていたのかと思いますが、ポップスでも胸を張ってピーク時に使うは、忘れてはならない精神だと思います。


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19 Four Tops / Ain't No Woman (Like The One I've Got)
 
 そして、最後は19「Four Tops / Ain't No Woman (Like The One I've Got)」で、クラシックなソウルで優しく終わっていきます。

 ここも個人的には「ニヤっ」とする部分で、A面の最初(Aretha Franklin)もクラシックなソウルだったので、最初と最後を同系統の曲にしているんですね・・・全体のストーリーを考えると、なぜかグッと締まるので、上手い選曲です。
 なんでしょう、01のArethaの説明では、飛行機が離陸する話を書きましたが、気持ちいい飛行を終え、目的地の空港に飛行機が降り立ったイメージが19にはあり、粋な選曲ですね~

 これでA面の45分間の紹介は終わりです・・・テープはB面に切り替わります・・・




 
3-2 作品紹介 B面

<Track List>
01 Mtume / C.O.D. (I'll Deliver)
02 Natalie Cole / I Wanna Be That Women
03 The World's Famous Supreme Team / Hey DJ
04 Rick James / Mary Jane
05 New Edition / Mr. Telephone Man
06 Bee Gees / Love You Inside Out
07 Daryl Hall & John Oates / One On One
08 Heatwave / Mind Blowing Decisions
09 Gene Dunlap featuring The Ridgeways / Before You Break My Heart
10 DeBarge / Stay With Me
11 Chocolate Milk / Girl Callin'
12 Curtis Mayfield / You're So Good To Me
13 The Futures / Ain't No Time Fa Nothing
14 Hubert Laws feat Debra Laws / Family
15 Rufus feat Chaka Khan / Stop On By
16 T.Y / Windy Lady
17 J.R. Bailey / That's Love
18 Dazz Band / Everyday Love



(1) 起 

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01 Mtume / C.O.D. (I'll Deliver)

 では、次はB面の紹介です・・・こちらも大好きなミックスなので、詳しく紹介をしたいと思います。

 B面の1曲目は、80年代のR&Bになる01「Mtume / C.O.D. (I'll Deliver)」から涼しくスタートします。

 まず、選曲面から紹介をすると、B面もA面と同様にSoulやR&Bなどを中心に選曲していますが、A面に比べるとちょっとアップ感が足された選曲になっているかな、と思います。
 A面の方は、どちらかというと「チル感」が強く、B面は、そのチル感があるものの、もう少し「躍動感」がある感じに選曲をし、その選曲に従ってDJミックスがされており、なかなかの内容です。

 これは、BPMの動き方を見てもそうで、A面はスタート時が70前半のBPMで、徐々に80後半から90前半にピーク上げをしていたのに対して、B面ではスタートの01の時点で93BPMになり、その後は上げていくものの90後半から100を維持しており、これだけでも躍動感があることが分かるかと思います。

 ただ、BPMの動きだけでは説明ができない「グルーブの変化」「ストーリー作り」がB面でも冴えており、素晴らしい内容になっているので、以下で詳しく紹介をしましょう。

 なお、蛇足的な話ですが、B面最初の最初に入る女性ボーカル「♪C'mon~、M、U、R、O・・・」は、MUROさんが当時作った12inichである「Delivery」からの一節を使用していますね~


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02 Natalie Cole / I Wanna Be That Women

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03 The World's Famous Supreme Team / Hey DJ

 01からユックリとスタートした後、スクラッチカットインで02「Natalie Cole / I Wanna Be That Women」に繋ぎ、少し華やかでありながら、爽やかな展開になります。

 まず、選曲面の話ですが、この02は、88年にリリースされた女性シンガーのシングルB面曲で、やっぱりいいところを掘ってきますね・・・聞いているだけで、爽やかさがあり、まるで、真夏のNYのストリートで、消火栓を抜いて、みんなでシャワーを浴びているみたいな、そんな爽快感があります。

 その一方で、この辺の曲が「Diggin' Ice」の象徴的な曲なのかな~とも思います。

 それは、私としては、このDiggin' Iceが、実は「80年代R&B」の良さを表現するためのミックス作品であると考えているので、こういった爽やかな曲を、上手く紹介している点は見逃せないからです。

 その意味で、次の曲にあたる03「The World's Famous Supreme Team / Hey DJ」も鉄板で、この曲に関しては「光らせ方」が最高です!

 その光らせ方とは、両方の曲とも「爽やかさ」がキーワードになる曲で、MUROさんは、その爽やかさというグルーブを生ませるために、02から03へは「ロングミックス」で繋いでおり、これが超絶的に気持ちいいですね!

 まず、ロングミックスとは、次の曲に変えていく際、あえて前の曲と次の曲が同時に鳴らしながら、段々と次の曲に移行していくDJミックスで、基本中の基本のDJ技ではありますが、結構難しいDJミックスになります。
 なぜなら、同時に音を鳴らすので、両方の曲のBPMを揃える必要があるし、更に、同時になった時のメロディーが調和するかどうかも大切で、そのDJの基本的なDJ技術とセンスがないと完成しないことから結構難しいのですが、ドンピシャで合った時は、うまくグルーブが続き、それどころかグルーブが更に光るので、利用方法によっては大きくプラスに働きます。

 そして、今回の作品では、実はこの部分だけロングミックスをしており、02のグルーブを上手く伝えつつ、03の爽やかさを更に開花させており、素晴らしいDJミックスになっています。

 実際には、02のサビ終わりで、アカペラブレイクっぽくビートダウンした箇所を狙い、そこに03をロングミックスで被してきており、これは絶妙すぎて最高です。
 特に、なかなか気づきづらい話ですが、この部分のロングミックスを行うために、両方のBPM設定を絶妙に行っており、02は+2.3程度、03は-2.0程度の設定で、両局とも絶妙に原曲を壊さない程度のピッチアップ・ピッチダウンをしており、この辺のDJミックスの技も上手いですね!



(2) 承 

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04 Rick James / Mary Jane

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05 New Edition / Mr. Telephone Man

 B面は、軽快に01→02→03と続き、序盤から爽やかさを軸としたアップなグルーブで進んでいきますが、ここからがMUROさんの「HipHopらしさ」が出た流れになり、最高な展開を聞かせてくれます!

 まず、03で爽やかで、アップ感もあるグルーブを作った後、そのアップな感じを引き受け04「Rick James / Mary Jane」に豪快にカットイン・・・だけど、全然グルーブは繋がってて、Rick Jamesの躍動感を上手く引き立てています。
 そして、その次が、これこそBest of Diggin' Ice Songな05「New Edition / Mr. Telephone Man」にスクラッチを交えながら絶妙にカットイン・・・この入り方は絶妙で、スクラッチが05のメロディーになったかのような入り方で、上手すぎです!

 個人的にも、そして皆さんも、このDiggin' Ice 96を象徴する名ラインなので、選曲の素晴らしさも推したいところですが、ここではMUROさんの「HipHopらしさ」を紹介しましょう。

 この作品のDJミックスを見たとき、カットインやショートミックスを多用しており、その点でもHipHopらしいDJミックスになっているのですが、個人的にはこの2曲が一番「HipHopらしい」と考えています。

 その大きな理由は、実は方向性が大きく違う曲を、HipHopらしい感性で一つのグルーブにまとめていることになります。

 それこそ、04のRick Jamesは、メロウさや爽やかさもありますが、どちらかというとファンキーな曲、そして、05のNew Editionは、とにかくレイドバックした質感で爽やかでクールな曲になり、ある意味で「水と油」な曲になります。

 そして、これらを「一つのグルーブ=爽やかさ」でまとめる中で、MUROさんは、これらの曲に、実は「躍動感」を持たせてDJプレイをしており、その躍動感の持たせ方がHipHopだな、と思います。
 例えば、両曲とも、実はBPMが90前半の曲なのですが、+3以上のピッチアップをして、98BPMに調整をしてDJミックスをしていたり、躍動感という「ノリ」を上手く利用し、スクラッチカットインなどで押し通しちゃったり・・・まさに「HipHop」です。


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06 Bee Gees / Love You Inside Out

 そして、05のNew Editionをプレイしたことで更に爽やかになった状況で、スクラッチカットインで次の曲である06「Bee Gees / Love You Inside Out」をプレイ・・・これもHipHopらしい入れ方ですし、選曲もHipHopですね!

 まず、選曲ですが、私としては「流石MUROさん!」と言わざるを得ない選曲です。

 この曲自体は、あのBee Geesの1979年リリースのアルバム曲で、Saturday Night Feverでの大ヒット以降のディスコ路線で作られたアルバムなので、前述した「恥ずかしポップス」になります・・・記憶だと、当時100円で必ず買えたレコードですね。

 ただ、面白いもので、このテープがリリースされた1996年においては、このBee Geesの曲をカバー(サンプリング)した「Total / When Boy Meets」がヒットし、こういった元曲もイイねと突然に評価された経過がありました。
 ちょっと前後関係の裏がとれてないので明確な指摘ではないですが、Totalが1996年2月リリース、Diggin' Iceが同年の夏に出たことを考えると、MUROさんとしては「ネタ曲」という意味も込めて選曲していた部分があるのかな~とも思います。
 1996年当時に、このテープを普通に聞いてたら「あっ、Totalのネタだ」となるわけで、そういったHipHopらしい遊び心も入れてあるのは粋ですね!



(3) 転 

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07 Daryl Hall & John Oates / One On One

 そして、07以降はピークに向けての戦略も含めた選曲とDJミックスがあり、流れ的には「転」に移ります。

 06のBee Geesの後は、同じBlue Eyed Soul繋がりなのか、07「Daryl Hall & John Oates / One On One」を選曲し、グルーブを落ち着かせる方向に進ませます。
 ここも、スクラッチカットインで入れてくるのですが、タイミングもグルーブも絶妙に合ってて、素晴らしいですね・・・Hall & Oatesの持つクールで哀愁的ななんだけど、どこか暖かいグルーブが際立っていますね。

 少し選曲について思うところがあり、07までの選曲を整理しましょう。

  01 Mtume / C.O.D. (I'll Deliver)
  02 Natalie Cole / I Wanna Be That Women
  03 The World's Famous Supreme Team / Hey DJ
  04 Rick James / Mary Jane
  05 New Edition / Mr. Telephone Man
  06 Bee Gees / Love You Inside Out
  07 Daryl Hall & John Oates / One On One
 
 あえて、ここまでの選曲を並べ、青と赤の色を付けてみました。青は比較的にクールな曲、赤は比較的ファンキーさがある曲になり、面白いことに青と赤が交互になっています。

 色づけすると恣意的になるかもしれないですが、私としては、起から承までは、こういった交互選曲を、あえて「幅を持たしながらの選曲/DJミックス」をしており、それが「爽やかさ」というグルーブにまとめられていたんだなと、思っています。
  
 普通、こういったコンセプトのあるミックス作品だと、似ている曲を並べる方法が定説で、それこそ青のは青のでまとめる、赤のは赤のでまとめることが多いと思います。
 このまとめ方も間違えではないのですが、今回のB面の選曲を見比べ、実際に聞いてみると、各曲は違う方向性なんだけど、不思議と「爽やかさ」という観点でまとまっており、凄い聞きやすいですし、印象にも残ります。

 そう、印象に残ることが大切だったんですね・・・

 これもHipHopらしい発想ですが、人とは違うことをすることで、聞いている者を引きつける効果があるわけで、それを実は実践していたのが、このラインだったのかもしれないです。
 
 このような経緯があったため、06までのストーリーが幅広になり、グルーブにも多様性が生まれていて、07にこれまでの爽やかなグルーブはしっかりと繋がり、07のHall & Oatesの曲の良さが光ったのだと思います。


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08 Heatwave / Mind Blowing Decisons

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09 Gene Dunlap featuring The Ridgeways / Before You Break My Heart

 そして、07で出したちょっと暖かいグルーブを引っ張り08「Heatwave / Mind Blowing Decisions」にカットイン・・・当時としても、この曲が「ネタ曲」的な意味もありますが、聞いていると素直にホンワカするイイ曲ですね。
 更に、交互選曲の流れも含め、09「Gene Dunlap featuring The Ridgeways / Before You Break My Heart」にカットイン・・・今度は少しレイドバックし、聞いているとリラックスします。

 ただ、この流れでは、08までは「上げ」の流れで、09は次を見越しての「下げ」の流れになります。

 09の下げについては、10の所で触れますが、08までは、交互選曲をしながら、実はBPMをながらかに上げており、93がスタートBPMで、この08では100BPMになっていました。
 意味合いとしては、徐々にグルーブを高めていることの表れだと思いますが、交互選曲をしながら、さりげなくBPMを上げていたのにはビビりますね。

 また、選曲的には、B面前半までは80年代ポップスやR&Bが中心だった中で、そこまで渋い曲はなかった流れで、この2枚の選曲は渋いところを押さえてますね!
 08のHeatwaveは定番ですが、09のGene Dunlapは、記憶だとFree Soul周辺で評価されてた曲ですよね・・・今でも、ちょっと高額なレコードですが、こういう深い曲もさりげなく選曲している点も素敵です!!



(4) 結 

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10 DeBarge / Stay With Me

 そして、09で気持ちいいグルーブを堪能し、リラックスした耳に、突然、聞き覚えのあるスネア2連が優しくカットインし、10「DeBarge / Stay With Me」を選曲・・・もう、ここは最高の一言で、いつ聴いてもグッときます!!

 まず、選曲的には、A面の18「The Jets / You Got It All」と同じ方向性で、曲自体も「恥ずかしポップス」でありながら、歌とメロディーが素晴らしい曲なので、気づいたら歌とグルーブに乗せられ、涙を流しながら「♪Stay With Me~」と歌っている自分がいます・・・ほんと、素晴らしい選曲だし、この曲を光らせる演出も素晴らしいですね・・・

 この素晴らしさを考えると、やはり、これまでの「ストーリー」が、この曲に向けてピーク設定されていたことが大きいでしょう・・・

 まず、BPMから見る流れを考えると、01から徐々に上げてグルーブを高めていた一方で、この10の直前の09では、BPMを少し落としています。また、ストーリーについても、前述した交互選曲をしながら爽やかな方向性でストーリーメイクをしつつ、段々と聞いている人の心を開放するストーリーになっています。
 そして、一番の肝は09で、ここでBPMもストーリーもあえて「下げて」いて、10のDeBargeを盛り上げるための「タメ」を作っており、ピークを華開かせるために、あえて盛り下げていたようです。

 この手法、実はA面の14「Patrice Rushen / Remind me」と同じような手法で、Remind Meと同じようなジェットコースター・メソッドを活用していたんですね。

 ただ、どんなに御託を並べても、この曲の「良さ」を光らせたMUROさんのセンスには敵いません・・・

 なんで、こんなに素晴らしい曲になるんでしょうね・・・DJの「マジック」が凝縮された部分であることは間違えありません!!



(5) 承→転 

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11 Chocolate Milk / Girl Callin'

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12 Curtis Mayfield / You're So Good To Me

 10のDeBargeで、ひとしきり泣いた後は、これまたナイスなスクラッチカットインで11「Chocolate Milk / Girl Callin'」を選曲し、若干の躍動感を残しながらメロウな方向にストーリーは展開していきます。
 そして、そのメロウな方向からの12「Curtis Mayfield / You're So Good To Me」へ・・・いやいや、ここでのCurtisの光らせ方も素晴らしいですね!

 まず、この後の展開を説明しておくと、最後の最後にあるピークに向けてストーリーを作り直していく展開で、これまでのストーリーやグルーブを上手く活用しながら進んでいきます。

 その中で面白いのが、小刻みに「下げた曲」→「グッとくる曲」を交互に選曲しており、聞いている者の興味を逃がさない方法で選曲/DJミックスをしてて、大変上手いです。

 ここだけを例にとっても、11は下げた曲、12はグッとくる曲に設定してて、こういった「対比」があることで、グッとくる曲が光っていることが手を取って分かります。


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13 The Futures / Ain't No Time Fa Nothing

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14 Hubert Laws feat Debra Laws / Family

 そして、その流れは、12のCurtis以降も続き、13「The Futures / Ain't No Time Fa Nothing」では落とし、14「Hubert Laws feat Debra Laws / Family」ではグッと上げてきて、徐々にエンディングに向けてグルーブを高めていきます。

 ただ、ここでは13の「Family」の選曲について、指摘しないといけません!

 もー、この曲こそ「MUROクラシック」で、MUROさんからこの曲の良さを教わった方は私だけではないかと思います!

 まず、MUROさんの選曲については、独自の審美眼で見抜き、その曲を光らせるために最良のDJミックスを施すことで、その曲を普通に聞いただけでは分からない「カッコ良さ」がプラスになった状態で、曲が披露されています。

 つまり、MUROさんのDJを通すことで、曲が格段にカッコよくなる訳です・・・

 そして、そういった曲を「MUROクラシック」と呼び、それらの曲を聞いた者は、その曲の真の素晴らしさを知ったのです・・・

 私自身は、この曲を、このテープではなく、MUROさんがメインDJを務めていたラジオ番組「Hip Hop Journey - Da Cypher - 」で知り、すぐに好きになりました・・・
 MUROさん自身は、割とピッチアップしながらプレイし、若干の躍動感を足した感じがフレッシュで、子供心にイイ曲だな~と思い、MUROさんのお店である「Savage」でレコードを買わせていただきました・・・写真のレコの左上には緑色のシールが貼られていますが、これはSavageの値札で、緑は3000円だったと思います? 

 そして、家に帰ってレコードを聴いて思いました・・・ああっ、掘るって「こういう」ことなのか・・・

 もう、これは当時の私が思ったことなので、皆さんに該当しないかもしれないですが、このアルバムの1曲目が「Ravel's Bolero」になり、これはクラシックやバレエで使われている曲のカバーで・・・ガチガチなクラシックだったので、MUROさんはクラシックまで掘っているのか、と勘違いをしていました(笑)

 ただ、ただ、誰もが知らない曲を掘り当てて、カッコよく披露する姿がを目の当たりにして、これこそ「掘る」なんだと知りました・・・そう、レコードを買うのではなく、どうやったら「カッコよくなる」かも掘らないといけないんですね・・・

 なお、完全に蛇足ですが、Familyは、こんなに好きな曲なので、昨年、念願のプロモ12inchと巡り会えました・・・20年間、好きで好きでたまらない曲だったので、嬉しさはプライスレスでした!



(6) 転→結 

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15 Rufus feat Chaka Khan / Stop On By

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16 T.Y / Windy Lady

 そして、「下げた曲」→「グッとくる曲」の交互選曲は、最終段階に向かい、最高のストーリーを描きます・・・
 
 14の後は、15「Rufus feat Chaka Khan / Stop On By」を優しくプレイし、流れ的には「下げ」としてプレイをします・・・この曲もアルバムの隠れた1曲で、イイ曲をほんと出してきますね~

 そして、14がサビ終わりでブレイクダウンしたところを狙い、驚愕の一曲をプレイ・・・16「T.Y / Windy Lady」です!!

 まず、このテープを1996年、遅くても00年代前半までに聞いた方なら、絶対に「ビビる」選曲ですよね・・・私自身も、就職をする直前である、2002年ごろにこのテープを中古で購入し、この選曲には大いにビビりました・・・

 だって、日本語の曲ですよ・・・

 諸般の事情があり、アーティスト名は隠しましたが、当時、DJをしてたら、日本の曲は一方的に「カッコ悪い」と思う風潮があり、新しい曲でも、古い曲でも、日本語だったらアウトと思う風潮がありました・・・
 これは、DJという文化が海外から来た文化なので、無意識に「海外のが良い」と考えていたことが大きく影響してて、今となっては黒歴史以外の何物でもない考え方ですね・・・

 そんな背景がある中、達●さんの曲をプレイ・・・もー、他の曲とも引けを取らない黒さがカッコよく、一発でノックアウトされましたね!

 先ほどの14のFamilyにも通じますが、この選曲も「MUROさんの掘りの深さ」を表す最強の1枚かもしれません・・・それは、「誰の評価も関係ない、自分を信じて掘るんだ」ということに他なりません。


 そして、DJミックスや、ストーリーの流れでも、この達●さんの曲は非常に重要でした・・・

 それは、この作品で多く用いられている「ピーク前にあえて落とす選曲/DJミックス」になるからです・・・

 ただし、この場合、グルーブを落とすのではなく、日本語という「意外性」を出したことで、ストーリーに起伏が作られ、ピーク前の「落とし」になっていました・・・


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17 J.R. Bailey / That's Love

 そして、16の達●さんのサビ終わりの絶妙なタイミングで17「J.R. Bailey / That's Love」をカットイン・・・イントロフォーンで大爆発、そしてドリーミーな曲にうっとりで、最高のピークを迎えます!!

 まず、選曲的には、どちらかというとマイナーなソウルのアルバムから、アルバムに隠れた1曲をチョイスしてて、これも「MUROクラシック」な1枚ですね。
 歴史的な経過では、どうやらFreeSoul周辺では既に発掘されたようで、MUROさんもその流れで知ったのかと思いますが、MUROさんらしいピッチアップ(BPMだと95→104)で更にカッコいい曲になっています。

 ほんと、MUROさんの「ここぞという時にカットイン」は最高で、ここのカットインも強力ですね!

 もちろん、このカットインに行くまでにも、選曲を積み重ねて、この曲が盛り上がるようなストーリーを作ったり、ここぞというタイミングを見つけ、確実にDJミックスの中で落とし込むことなど、地道な努力があっての「カットイン」なのですが、ほんとこのカットインは最高です!
 実は、構造的には、A面の14のRemind Meと同じ構造なのですが・・・これを作り上げたことは、MUROさんのセンスがあってのことですし、無名な曲でもピークを作ってくるあたりは、MUROさんの選曲とDJミックスが誰にも負けないことを示しています!!

 また、この17のイントロカットインですが、他の曲などで同じことをやっても、MUROさんのこの作品のように、カッコよくプレイが出来ません・・・
 私自身も何度も試してみましたが、やっぱり、選曲の積み重ねによるストーリーと、直前のタメが重要なんでしょうね・・・


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18 Dazz Band / Everyday Love

 そして、オーラスは18「Dazz Band / Everyday Love」で、17のドリーミーなグルーブを引っ張り、作品としてオーラスを意識した華やかで、かつ、爽やかな曲になり、大変素敵なエンディングですね・・・

 最後まで、あえて言及しなかったですが、最後は「言葉繋ぎ」ですよね・・・そう、「Love」で繋いでいますよね・・・

 正直、日本人であるMUROさんが、どこまでプレイした曲の歌詞や意味を理解して選曲やDJプレイをしていたかは分かりません・・・
 ただ、要所要所で「あっ、きっとこの意味で繋げているな」と感じる部分はありました・・・その分かりやすい所がここになります。

 少し話が脱線しますが、なぜ、英語が分からない日本人が、どうしてここまで英語の曲に熱心になっているのでしょうか・・・

 私としては、日本人は「雰囲気を読むのが上手い」ことと、「海外文化を自分流にアレンジして楽しむ」ことに長けていることが背景として大きいと思っています。

 つまり、「雰囲気を読むのが上手い」=「グルーブを読み、上手くコントロールできる」ことであり、「海外文化を自分流にアレンジして楽しむ」=「DJミックスにストーリー性や掘りを持ちこみ、日本にしかないミックステープを作った」ことになります。

 そう、この答えは「Diggin' Ice」であり、日本の「ミックステープ文化」に他なりません・・・





4 さいごに

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 いやいや、書きましたね・・・簡潔にまとめられず、すみません・・・

 一応、最後なので「まとめ」としましたが、今回の紹介で、まずは「DJ MURO」という世界が「掘り」と「ミックステープ」という大きなテーマで作られており、そのテーマがMUROさん独自の「選曲」と「DJミックス」で作られていることが示されたと思います。
 そして、この作品においては、様々な「選曲」と「DJミックス」を組み合わせて、誰にも作れないグルーブとストーリーをベースに、「誰が聞いても涼しい世界」をクリエイトしており、素晴らしいの一言ですね!
 
 そして、ここで更にまとめをするのもアレですが、今回の紹介を通してDiggin' Iceが「最強のミックステープ」であり、20年を経って今でも、その輝きが失われないことが分かったかと思います。
 この作品を分析すればするほど、実はミックステープを作るための「基礎」が上手く活用されているので、ミックステープを作る方には、是非、参考にしてほしい作品になります。
 
 そして、このテープこそが「日本のミックステープ」を象徴する作品であり、その創造性と作品性に溢れた作品があったからこそ、日本のミックステープ文化は発展したのだと思います。
 この作品を通してミックステープという存在を考えると、音楽を詰め込んだコンピレーションではなく、DJが作った「素晴らしい音楽作品」であることが分かるかと思います・・・

 是非、興味を持たれた方は、作品を手にとって、素直に聞いてくださいね・・・きっと、貴方の心を優しく冷やしてくれますよ!




<Release Date>
Artists / Title : DJ MURO 「Diggin' Ice - summer of 96」
Genre : Soul、JazzFunk、Disco、R&B、Pops、City Pop・・・
Release : 1996年夏
Lebel : KODP No Number




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5 コラム(小ネタ集)

 以下では、本文では紹介出来なかった内容をコラムとして掲載します。


(1)作品のプレスについて

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①テープ版 セカンドプレス(丸型ケース)

 まず、この作品は1996年に作られた作品ですが、大変人気だったことから、テープ時代でも何度かプレスされたようで、2回目以降は、写真の丸型ケースで流通していました。テープ時代のDiggin' Ice自体、97年以降は丸型ケースを使っているので、それに合わせた形になるようです。
 なお、私が持っている丸型がそうなのか、本文の注意で触れた「A面とB面が逆」が、この丸型で発生しており、結局どっちがA面なのかが分かりません・・・


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②CD版

 そして、CD時代以降も人気だったことから、2011年に待望のCD再発があり、それ以降も何度かプレスをしています。
 なお、CDではないですが、2016年にはLP版での再発もありましたね・・・


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●デモテープ版

 そして、これはマニアなら驚愕なテープではないでしょうか?

 よく、当時の方のお話で「Diggin' Iceのデモテープを聞いて・・・」みたいなことを聞いてて、本当にあるのかな~と思っていたら、こんな資料が見つかりました。
 これは、タワーレコード渋谷店で絶賛展開中のMUROさんのPop Up Shop内において、MUROさんの私物資料集の中で発見をした資料で、おそらく90年代中ごろのファッション誌「Woofin'」のMUROさんの連載ページの切り抜きだと思われるものです。
 ジャケがプレス版と違うことを考えると、これがデモテープになると考えるのが自然で、資料を読むと「King of Diggin'」の増刊号との記述があったり、ジャケが微妙に違って手刷り感があったり・・・マニアには刺激が強すぎます(^^;)
 もし、これが通常版の内容違いだったら、お祭りですね・・・どうなんでしょうね??



(2)作品のアートワークについて

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 シリーズを通して、夏らしい爽やかなジャケットが印象的で、目で見ても涼しくなるのがDiggin' Iceの特徴かと思います・・・

 ただ、凄い重要な情報としては、初期作にあたる、今回の1996年版のアートワークを担当されたのは、2010年に残念ながら他界された「Nujabes」さんだったことになります。

 Nujabesさん自身は、MUROさんの初期テープである「King of Diggin'」のデザインを担当(クレジットあり)してたことから、MUROさんの初期テープも担当されていたようで、以前、雑誌の企画でMUROさんと対談をさせていただいた際に、このことを質問したら、Ice96もNujabesさんが担当したことをMUROさんから教えて頂きました。
 97年以降がNujabesさんが担当したかどうか分からないのですが、才能のある方に支えられた点も忘れてはいけませんね・・・



(3)作品のアイデアの源泉

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 文中でも触れましたが、MUROさん自身、NYのDJが作った夏物=Cool Outを聞いたことが、Diggin' Iceを作る上で大きかったようです。前述した対談では、「DJ Doo Wop / Cool Out」を聞いて影響を受けた話をされてて、この辺の大御所である「Kid Kapri」「Biz Markie」にも影響を受けたようです。
 なお、全く違う話ですが、確か、対談の際、達●さんの曲を使ったことについてお伺いしたところ、当然ながら本人の耳にも届いたけど、MUROさんも達●さんも同じレコード掘りだったことから、達●さんの「君もレコード掘ってるんだって?」の一言で御咎めが無かったそうです・・・間違ってたら、すみませんですが、イイ話ですね~



(4)今回の記事の制作資料

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①作品のBPMや選曲に関するメモ (※クリックすると大きくなります)

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②A面のBPMの動き

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③B面のBPMの動き

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④選曲の傾向

 今回、この作品を「深く」紹介したいと思い、出来ることはなんでもやろうと思い、これらの資料を作り、作品紹介に生かしました。
 特に、BPMについては、プレイしたBPMとオリジナル盤のBPMの比較(=ピッチアップ~ピッチダウン)、BPMの変化を研究し、上手く紹介に落とし込みました。
 また、選曲の傾向も①なり④で調べており、こちらは、数字の繁栄は出来ませんでしたが、それなりに記事に落とし込みました。
 どちらも、大変、地味な作業だったので、私の努力が報われた作品紹介になったでしょうか・・・まあ、まさかBPMを手計測で計るとは思いませんでした(^^;)





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<備考>
 この記事は、以下の記事の派生記事として作成しました。よろしければ、以下の記事もご参照ください。

 祝・ミックステープ4000本突破記念 「ミックステープを深堀りする」










御無沙汰しております(独り言のみ)
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 御無沙汰しております・・・3週間ぶりの登場です(^^;)

 まあ、この間の3月の無更新と同じように馬車馬のごとく働いています・・・

 も~、アレなぐらい働いているので、ブログ作業をする時間が一切なく、更新が出来ませんでした・・・すみませんね~

 んで、あんまり更新を飛ばすのもアレなので、独り言だけ報告しますね~


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 まずは先週、実は初めてな「札幌」に出張に行ってきました!

 来年、札幌で大きなイベントをやることになり、その下見を兼ねての出張でした・・・

 今月の前半は、都内での特大イベントがあり、これを何とか突破し、その疲れが取れないままの出張でしたが、仕事は無事に終えました・・・
 
 札幌に関しては、今までも行こうと思えば行けたのかもしれないですが、なぜか縁が無かった地区で・・・個人的には是非とも行きたかった街になります。

 それは、観光とか、飲食もありますが、やっぱり「レコード屋」さんですよね・・・なかなか良いレコード屋さんが市内に固まっていることもあり、是非とも行きたかった街にまります。

 特に、私の主要捕獲物となる「ミックステープ」は、90年代初期から、DJ SeijiさんをはじめとしたDJ達が先駆的にリリースしていたことから、かなり期待できる地区だったので、是非行きたかったんですよね・・・

 ただ、今回は、予定を組んだ時点で、偉い方のアテンド役でもあったので、どう考えてもレコ屋に行くのは無理でした・・・

 恥を忍んで報告すると、姑息な手段として、一番行きたかった「キングコング札幌店」に近いと思われる所に宿をとり、前乗りの夜の懇親会の前にチェックインさせ、1時間後に懇親会に行きましょうね→その間にキングコングへ、という腹案を仕組んでいましたが、偉い方の自由さに時間が押され、ホテルに入ったのは懇親会の30分前でした(^^;)
 ホテル到着後、走ってキングコング方面に向かってみましたが、予想以上に到着までに無理な距離で、なくなく諦めました・・・平日の明るい夕方に、真剣に走り、公園通りのテレビ塔の横で挫折したアラフォーは、何とも切なかったです・・・

 ただ、次で紹介する夜の札幌を堪能した後も、キングコングに行きたかったことは頭に残り・・・おっさんなので早起きしてしまい、リベンジで店の前だけは視察しました(^^;)

 う~ん、来年、札幌に行く時は、必ずレコ屋に行くぞ!!


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 んで、公園通りで挫折した後、素直にホテルに戻り、地元の方のアテンドで札幌の夜の街へ・・・もう、最高でした♡

 札幌に行った人はみんな、食も、酒も、そして人も素晴らしいという話を聞いていたので、こちらも楽しみにしてましたが、ほんと素晴らしいところですね~
 
 札幌に着いた夜の懇親会は、わーおな「カニ」で舌鼓・・・そのあと、ススキノに流れ、気づいたら夜中にラーメン横丁らしき所で〆の味噌ラーメン・・・
 〆のラーメン、絶対に入らないのに、なんで美味しいんでしょうね・・・うん、美味しかった・・・

 そして、翌日も、地元の方のナイスなアテンドで、美味しいお寿司を頂いたり、帰る間際にはジンギスカンを頂いたり・・・とにかく食べて飲んだ出張でした(^0^)

 おかげ様で、太る前に、日ごろの不摂生な生活がたたり、今週の後半は体調不良・・・週末もちょっと体調が辛かったです(^^;)

 ただ、札幌はいい所ですね・・・人が優しい方が多く、来年行う仕事も頑張らないとな~と思いました!


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 そして、その体調不良を引きずりながら週末へ・・・土曜もしんどい中、なんとか仕事をこなし、失意のまま、ユニオンへ・・・

 本当は、この土曜で、やっと仕事地獄を抜けそうだったので、FK御大が西麻布Yellow閉店後10年目の記念ギグを渋谷Contactでやるとのことで、これに準備をしていましたが、どう考えても体調がついていけなさそうなので、泣く泣くのキャンセルです・・・

 ただ、本当は体調が悪いんだから、家に帰って静養すればイイのに、週末のセールがあったことで、足は自然とユニオンへ・・・持論ですが、風邪はユニオンで直すものと思っている(?)ので、普通に行ってしまいました(^^;)

 特に、今週末は新宿でDisco12inchのセールがあったので、開店並びは出来ないものの、売れ残ってたらゲットしたいなと思うブツがあり、結構、気になっていました。

 んで、夕方過ぎに伺ったら、目的のブツはまだ壁におられる・・・値段はちょい高めだけど、試聴をしたらコンディションは問題なし・・・
 結構、ゴツい値段でしたが、これまでの仕事の御褒美で即決購入です!

 購入したのは「Risco Connection / It's My House」のアメ盤です・・・いやいや、意外と出会うまで時間がかかりました!!

 MUROさんがDoggin' Heat 99でプレイをしたレゲエ・ディスコ・カバーで、なかなか出ない1枚です・・・再発のブートはたくさんありますが、オリジナルはなかなか出なかったです!
 特に、個人的には、今年の新春、Dimitri大先生のパーティーのエンドに、この曲の原曲である「Diana Ross / It's My House」をプレイしたことで、やっぱりイイ曲だな~と思い直し、俄然とRiscoのカバーが欲しくなったところだったので、結構嬉しいゲットでした。

 この、Risco Connectionの12inchは、他のDisco系のレコードと比べ、レゲエに近いプレス工場で作ったレコードだからか、異様にキズが付きやすく、不純物が多いレコが多く、ほんとコンディションが良いレコードが探すのが大変なんですよね・・・
 今回のレコは、かなりコンディションは良く、その状態ならこの値段もあり得るかな~と思い、即決購入・・・ここで買わないで、その後で後悔するよりも、ちょっと高い値段で買った方が精神的には良いようです(^^;)

 おかげ様で、この嬉しい出会いで、体調は少しは良くなったのかな・・・実際は、そんなに良くないですが、仕事から解放されての喜びは、やっぱりプライスレスですね~


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 そんなわけで、最後は意味不明な写真で・・・

 今月、私の誕生日だったことから、上司&後輩たちが、私の仕事っぷりを不憫に思ってくれたようで、ケーキで祝って頂きました・・・これは素直に嬉しかったです(^0^)

 私も気づいたら、年齢的にはアラフォーに近づいてきています・・・仕事の底力はあるのでしょうが、根本的な体力は落ちてきたな~と思っています。

 そのためか、週末が疲れてしまったり、野暮用があったりで、なかなかブログが更新出来ず、すみません・・・

 ただ・・・現在、大物を仕込んでいますよ(^0^)

 チョコチョコと記事を用意をしてたら、予想以上に大物になりそうで、何とかして6月中には公開をしたいと思います・・・内容が上手く膨らませることが出来たら、私の所持テープ4000本突破記念として公開してもいいかも?


 そんなわけで、雑な独り言になりましたが、以上です~

 とりあえず、今週も頑張りましょう!!



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追伸


マサキオンザマイクのアンダーグラウンドヒップホップ天国
第4回  90sHIPHOP MIX TAPE特集


 以前、報告をしましたマサキオンザマイクさんの番組が公開されました!
 
 かなり面白い番組になり、ここまでミックステープを取り扱ってくれたことには嬉しいです!

 お時間があれば、是非、上記のアーカイブをご覧くださいね~