HipHop,R&B,Soul,Funk,RareGroove,DanceClassics,Garage,House・・・など、私が気に入っているMixTape,MixCD,その他もろもろを紹介するブログです。
DJ Daddykay 「R&B Mix Vol.3 - Essential 90's Cuts」
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 え~、季節は春に向かいつつあり、だいぶ暖かい日も増えてきましたね・・・

 そうなると、私は花粉症なので、鼻も目もムズムズし、ちょっとだけ憂鬱になってきます・・・

 ただ、今日なんかは、天気が良く、お日様が気持ちいいんですね・・・うん、やっぱり春はいいな~(^0^)

 そんなわけで、気分的にも春に向かいたいので、久しぶりに歌物を紹介です~


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 今回は、歌物では大好きなDJであるDaddykayさんのシリーズ第3弾を紹介したいと思います。

 まあ、先に結論(?)を書くと、今週は仕事が忙しいことを踏まえて、サクッと聞けて、サクッと書けそうな、これを選びましたが、やっぱり内容が深く、作品紹介がそこまで追いつかない状況です・・・すみません(^^;)

 では、まずは選曲から紹介すると、副題、というかDaddykayさんのテーマとも言える「essential 90's cuts」が示す通り、良質の90年代歌物を中心に選曲してて、やっぱり上手いですね!
 方向性としては、90年代でも、みんなが大好きな90年代前半ではなく、意外と珍重されていない90年代後半の曲、それもマイナーな曲を多く選曲し、結構ヤラれてしまいました!

 それこそ、SADEのバンド隊の別プロジェクトに、Groove TheoryのAmelさんをボーカルに迎えた良曲「Sweetback feat Amel Larriux / You Will Rise」といったグルービーな曲や、ヒットしたLPの中から、見逃されがちな非シングル曲である「Zhane / Just Like That」など・・・う~ん、選曲が渋いですね!

 もう、選曲が深くって、こういったマイナー曲やLP曲なんかをサラッとプレイしたり、B面後半では、有名ネタを使ったRemix曲メドレーをやってたり、やっぱり凄いっすね!

 個人的には、90年代後半の歌物は、探すと結構いい曲が多いんですよね・・・

 私自身の話をすると、ある程度はオンタイムで聞いてて、それこそ、写真を上げたSweetbackやZhaneは、当時から有名な曲ではなかったけど、好んで聴いてたので、今回のDaddykayさんの選曲は直撃でした(^0^)
 特に、90年代前半の跳ねた感じの曲よりも、グルービーな曲はこの時期に良い曲が多く、かつ、色々なアーティストが活動してたことがあり・・・探せばイイ曲が多い時期なのかな~と思います。


 そして、DJミックスにおいては、これらのグルービーな曲を、素直にミックスしてて、聞いてて大変気持ちいい内容でした!

 これは結果的に正解な攻め方だと思いましたが、選曲面ではそれこそ作品としてのピークになりそうな有名な曲はあえて入れず、あまり知られていないグルービーな曲のみで、その気持ちいいグルーブを維持するために、DJミックスも「あえて盛り上げないミックス」になっており、上手いです・・・

 いわゆる「ラウンジーなDJミックス」ではあるのですが、聴いてて「ちょっと暖かくなる」感じに仕上げてて、それはDJとしての腕でしょうね・・・
 こういうグルーブを維持するDJって、意外と難しいので、結果的にDaddykayさんの腕の良さが光った結果だと思います。



 ほんと、サクッとした紹介になりましたが、こういう作品ほど実は創造性があるミックステープなんだよな~と思う作品でした!




<Release Date>
Artists / Title : DJ Daddykay 「R&B Mix Vol.3 - Essential 90's Cuts」
Genre : R&B、UK Soul・・・
Release : 1999年~2000年ごろ
Lebel : Sugarbitz ST-022




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<独り言>

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 あれ、タクシーの領収書・・・いったい何でしょう?

 答えは、テープセールの釣果報告です・・・はい、いつもの整理券の代わりに掲載してみました(^^;)

 今回は、かなり緊急放出な形で、大好きなお店の一つである「Coconuts Disc 代々木店」でテープセールが土曜日に開催されたので、参戦してきました・・・

 この日は、夜に脱線のロボ宙さんのインストアがある関係なのか、突然テープセールを行うことになり、断片的に出ていた情報を見る限り「ヤバい匂い」が満載・・・もう、観た瞬間「行きます」と即決しました(^^;)

 ただ、この日は仕事で、直前すぎて仕事を回避することができませんでした・・・

 そのため、この「タクシーの領収書」になるのですが、昼休みを前倒しにして「中抜け」して参戦してきました(^^;)

 もう、これは病●なので仕方がないのです・・・

 当日、会社には「歯医者に行くので、ちょっと早めに昼に出るね」と進言し、11時30分ごろ、会社を出て、会社からかなり離れた所(笑)からタクシーに乗り、現場に駆けつけました・・・
 電車移動も考えましたが、もう朝から被害妄想が重なり「とにかく早く行かないと抜かれる!」となっていたので、問答無用でタクシー移動・・・運転手さんも、私のオーラを感じてか、少しアクセルを深く踏んでくれました(^^;)


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 そんなわけで、15分ぐらいでお店に到着・・・うん、こういった時、レコ屋の近くに職場があると助かるな~と思いました(^^;)

 んで、到着したのは開店の10分前ぐらい・・・とりあえず、待っている人はおらず、どうやら私のみの参戦になりそうです・・・

 まあ、考えてみれば、事前情報が少なく、かつ、キラーなテープが出るわけではないので、誰も狙わないよね・・・

 ただ、私としては「とりあえずお店に一番乗りして、欲しいものはとにかく抜く」が最善策だと思っていたので、誰も来ない前提でもこの方法で良かったのだと思っています・・・
 それこそ、仕事終わりに行って抜かれてた日には、30後半でも本気で泣いちゃう(笑)ので、心の衛生を保つ上でも、この方針は大切です・・・うん、そのためだったら、今回のタクシー代は痛くはないです(^^;)

 そんなわけで、代々木らしく12時になってもお店は開かず、バイト君が5分遅れで到着・・・バイト君も、私のイルなオーラを感じてか、すぐお店を空けてくれ、いざ参戦・・・

 さっそく、餌箱に飛びかかると・・・おおっ、ヤバいぞ・・・

 もう、一気にアドレナリンが放出され、一人鉄火場モード・・・バシバシ抜いていきます・・・

 後で気が付きましたが、店員君も、そしてレコード目的で来店したお客さんも、私のオーラに引いているのが分かります・・・相当な殺気でしたね(^^;)

 そして、仕事に戻らないといけないのもあり、テープだけチェックして、お会計・・・んで、お店を出て、電車に乗り、大量のテープを会社には持っていけないので、駅のコインロッカーに入れて、仕事に戻りました・・・

 では、結果です・・・・


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 じゃん、合計46本の大漁でした!!

 今回は約100本の放出だったので、ほぼ半分は抜いたんですね・・・久しぶりに「ペンペン草も生えてない」掘り方をしてしまいました(^0^)

 また、夜には、木曜にテープ放出があった渋谷にも行き、ちょこっと抜いたので、昨日だけで約50本の釣果で、ニンマリです!!

 まず、今回の出物ですが、夜に脱線のロボ宙さんがインストアをやられ、かつ、私物を放出する情報があったので、もしかしたらロボ宙さんのテープが出るのかな、と思っていました。

 ただ、蓋を開けたらそうでもなかったようで、これまでストックしていたテープを出したそうです・・・でも、名物店長のYOKOさん(Mousou Pagerのボスですね!)の店だけあり、その時点で「濃い」のがストックされているわけですね~
 まして、事前情報から伝わる「イルなバイブス」は、テープ馬鹿が見ればヤバいのは一目瞭然で、実際に掘ったら予想以上の濃さだった・・・という感じでしたかね?

 そんなわけで、今回は紹介記事が少なかったのと、相当「濃い」、いや「テープ馬鹿でないと反応しない」テープが多いので、釣果物を紹介しておきますね~


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 まず、今回のセールで目玉だったのが「自主制作ミックステープ」で、目ぼしいのは全て頂戴しました!

 これらのテープは、素人レベルのDJが手刷りで作ったテープを指し、そもそも作っている本数が少なく、かつ、製品でないので残っている確率が極めて少ない・・・だけど、独特の「味」があり、私としては絶対に欲しいテープでした。
 それこそ、私の「All Time Best 50」にも選出をさせていただいた、千葉の「DJ Gameboy」さんのテープなど、ヒットした時の破壊力は凄く、結構探しています・・・

 事前告知では「誰のテープか分かった方はかなりのミックステープマニア」とコメントされていた左下の青いテープが紹介されていて、流石に「わかんねーよ(笑)」と一人ツッコミをしましたが、こういったレベルのが多数出る匂いは強く感じており、結果としては大正解でしたね!

 クイズがあったテープの答えは、関西のMURA-Tさんのテープ(!)でしたが、他にも「なんだそりゃ」な自主テープが多く、最高です・・・これから聴くのが楽しみです(^0^)


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 んで、自主以外は、正直、蓋をあけてみたら「こんなのも出てたの!」といったブツが放出されてて、もう、嬉しいサプライズです!

 例えば、写真上は、相当マニアックな日本のテープレーベルで「Opuesto」のテープが固まって出てて、持っていなかったタイトルは抜かせていただきました。

 これは、鵺(NUE)とか左近といったアブストラクト系DJの作品を出してたレーベルで、完全ハンドメイドのテープを作ってた所ですね・・・00年代初期だと、Hot Waxとかがプッシュしてて、ご記憶にある方もいますかね?
 ただ、ハンドメイドが故に、本数は100~300位しか作ってなく、買ってた人も通な人だけだったので、あまり出ないテープです・・・初期のが殆どでないので、この辺も出れば嬉しかったな~

 そして、下のはもっとマニアックで、日本国内で作られた「海外ラジオ番組のブートテープ」です。

 どういうテープかというと、NYやUKなどのラジオ番組で、有名DJがプレイした放送を録音したもので、世界各国であるものですね・・・以前の紹介だと「この記事」が参考になるかな?
 特に、日本おいては、日本人らしく、手刷りでありながらしっかりとした体裁やシリーズ化をしてて、集める観点でも面白いテープなので、あれば必ず買っています。

 今回のは、私の研究範囲だと、1996年~97年に作られていたシリーズで、私の中では、コピってるテープの名称から「通称 Denonテープ」と呼んでいるシリーズです。
 今回は、Funkmaster Flex、Tony Humphries、Coldcutで、いや~、熱いっすね・・・特にCiscoの値札が貼ってあるのが熱いっす(^0^)

 なお、今回の掘りでは、時間が無い中での掘りなので、ラジオ系の右2本は、全く同じテープで、同じテープを2本買っていたようです・・・家に帰って、ちょっとだけ凹みました(^^;)


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 んで、もっとビビったのが「海外物」で、それも「えっ、そこなの」という国のが多く、ビビりました・・・

 まず、上のは、掘った際は「UKあたりで作成のDrum'n'Bassのテープ」だと思い、これはこれで大喜びで買ったブツで・・・家で開封したら驚愕したテープです。
 なんと、ドラムンのテープではあるのですが、全て「ロシア」製のテープで、日曜の朝から卒倒してしまいました(^^;)

 掘った時には気づきませんでしたが、ジャケを細かくみると、なんて読むか分からない文字があったり、レーベルのURLが「.ru」だったり・・・もう、最高すぎます!
 なぜ、ロシアでドラムンなのかは分からないですが、国の歴史的な流れや時期的にも、CDよりもテープの方が流通してたんでしょうね・・・

 んで、下は下で、ちょいちょい集めている「韓国」プレスのテープですね!

 真ん中は、なぜ、これをテープで作ったのかが謎なパフィーのアルバムで、ハングル語のハイプステッカーが最高です・・・普通にUSのテープだったら買いませんが、こんなグッとくるシールが付いてたら買わない訳がないですね!
 また、現地制作のテープも出てて、右のはDJ Tequilaという韓国のHouse系DJ(?)のミックステープのようで、レーベルが「LG(あの電機メーカーの系列会社か?)」なのに卒倒しました!!


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 釣果はこんな感じでした・・・普通のミックステープが1本も出ないのが「病んでいる」証拠ですね(^^;)

 なお、お支払いは・・・周りも、店員君も引く金額でした(笑)

 おかげ様で、ココナッツのポイントカードが2枚半は溜まりましたよ・・・まあ、真似をしてはいけない買い物です(^^;)

 ただ、ただ、これはあえて書くね・・・

 ココナッツの代々木自体、結構テープは評価してて、ちょっと高めの金額をつける傾向があるんですね・・・今回も、その方向性を踏まえ、割と高めな金額設定だったと思います。
 うん、欲しい人は「仕方がないから買う」けど、普通な人はちょっと出が出ない金額ですね・・・

 そして、今回については、私自身はテープコレクターとして「欲しい」と思ったので買ったわけですが、それに加え「これからも仕入れて売ってほしい」という意味を込めて買いました

 やっぱり、ユニオンもそれなりに出してきますが、今回出てきたような「イル」な類はなかなか出ず、むしろココナッツさんの方が得意とするところなので、今後に期待する意味で買った部分もあります。

 うふふ、ヨコさん、大きな「貸し」を作ったからね・・・今後とも、よろしくお願いします!!







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DJ Gossy 「Gossy's Choice #01 MAR. 1998」
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 え~、今回は、意外と紹介しない系統のテープの紹介です・・・

 ただ、自分でもビックリしていますが、調べれば調べるほど発見があり、もはや紹介ではなく「調査報告」ですね・・・


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 今回は、私としては「日本で最初のマンスリーテープを具体化したDJ」だと認識している「DJ Gossy(ごっしー)」さんのテープを紹介したいと思います!

 まず、Gossyさんですが、テープを掘っている方なら多少は馴染みがあるでしょうが、今となってはあまり情報が無いお方なので、少しバイオ等を紹介しておきましょう。

 Gossyさんは、京都で活動をしていたDJで、90年代中ごろから活動をしていたお方になります。

 活動の初期は、京都のHipHop業界のドンとも言えるRyozoさんが属していたラップグループ「Magma MC's」のバックDJを勤めていたお方で、京都~関西圏では、90年代中期~後期は有名だったお方になります。

 特に、Gossyさんについては「ミックステープ」の存在が重要で、Gossyさんが作ったミックステープでHipHopの魅力を知った方は多いかと思います。

 それこそ、今回のテープもそうだし、今回のテープよりも前に作っていた「地熱」等を通して、HipHopや日本語ラップの魅力に気づかされた方は多いでしょう・・・

 地熱に関しては、リリースをしていた96~97年ごろに京都で行っていた同名イベントとも連動するように、当時の「日本語ラップ」の熱さを上手く伝えたテープで、関西圏の日本語ラップ好きにはタマラン御馳走だったようです。

 テープでは、当時らしくUSのHipHopの選曲を軸にしながら、前述したRyozoさんのMagumaや、熊本の餓鬼レンジャーなどがサイドMCやフリースタイルで参加してて、当時の日本語ラップシーンを盛り上げていたようです・・・

 イメージとしては、東京だとDJ CeloryさんのHigher Levelと近いイメージで、ある意味で日本語ラップを含む「HipHopへの入り口」をテープで作ったお方かもしれないですね。
 実際に、GossyさんがHipHop系洋服店のWalkin' StoreやESPなんかとは近い存在だったこともあり、それらのお店で地熱などが売られていたそうで、当時の「とりあえずカッコから」というシーンの流れにおいて、その主役だった中高生~若者に対して、HipHopをテープを通して分かりやすく教えてたことは、大変価値があるかな~と思います!

 この辺の話は、当時を知っている方でないとリアリティーをもって実感が出来ないかもしれないですが、96年とか97年ごろだと、HipHopなり日本語ラップを知ろうにも、ネットが無い時代だったので、現場に行くしか情報が得られなかった時代なんですね・・・

 そうなると、レコード屋さんとかクラブに行くしか術がないのですが、HipHopらしいマチョニズム(?)というんでしょうか、そこにいる人の大半が「怖い」イメージがあり、なかなか素人(=新人?)が入りづらい印象がありました・・・
 私自身も、高校1年生だった1996年ごろ、渋谷のManhattan RecordsやCiscoなんかに行き始めましたが、最初は店の前でたむろっているBな輩が怖くって、なかなか店に行けなかったんですよね・・・うん、遠巻きからみても「絶対にカツ●ゲされる」と思ってしまい、二の足を踏んでいました(^^;)

 その意味で、HipHop系の洋服店は、実は結構入りやすい存在だったんですね・・・

 逆説的には「カッコから文化」の象徴というのでしょうか、その文化に入れない子たちを「文化」に馴染ませるために「服を売っていた」こともあるのでしょうが、誰でもウエルカムな場所だったので、これらの「洋服店」を通してHipHopなり日本語ラップを知った方は大変多かったと思います。


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 そして、その「教育的価値」の先として、まわりのDJに先がけて「マンスリーテープ」を作っていたのがGossyさんで、当時、これにお世話になった方は多いかと思います!

 まず、マンスリーテープとは、実は日本独自のテープで、月1回、決まったタイミングで「その時に出た新譜の曲」を選曲したテープで、このブログでは「新譜テープ」とも呼んでいるテープになります。
 有名どころだと、DJ Komoriさんの「Monthly Fruit」なんかが有名ですが、とにかく「その時に出た新譜」を「紹介」という意味で選曲したテープで、当時は結構人気なテープでした。

 実際に2005年ぐらいまでは新譜テープ(新譜CD)は需要があり、当時はネットも無い時代なので、簡単にその新譜曲を聞けないし、それ以前に海外の曲なので情報が少ないこともあり・・・その情報の隙間をこれらのテープが埋めていたので、人気があったのだと思います。

 つまり、リスナーや素人レベルのDJにとっては「結局、何がカッコいいのか分からない」状態があり、それらをDJミックスにカッコよく落とし込むことで、そのテープを聞いた人が「この曲を買えばいいんだ」と思いこませる効果があったのだと思います。
 実際に、テープの値段も、だいたい12inchのレコードを1枚買う値段に近い値段に安く設定(Gossyさんのは1200円ぐらい)され、レコ屋に行った人が、とりあえずこのテープを買って、次に何を買おうかを把握するために売れていた部分が強いかと思います。

 これこそ、日本独自のテープになる由縁なのですが、新曲のHipHopが聴ける環境(それこそラジオとか)がなく、それを補完したのが「テープ」だったわけですね・・・そう、曲を知るための「教科書」として、これらのテープが役立っていたわけですね。
 なお、話は少しずれますが、こういった「情報を埋める作業」は、日本のHipHop、いやクラブミュージックを売る立場からすると、結構大変な作業で、レコ屋側では、独自の販売カタログ(Manhattan)(DMR)を作るなど、それぞれがお客さんに「買ってもらう」ことを意識して努力をしたいたのは、日本らしい動きです・・・

 そして、Gossyさんの素晴らしいところは、これを「毎月、しっかりとした形でリリース」した点だと思います。

 正直、こういった新譜を紹介するテープは、昔からあったのですが、ある意味で日本人らしく「しっかりとパッケージ化した」のはGossyさんが最初期だったと思います。

 つまり、当時のテープ業界でありがちだった手刷りなテープではなく、しっかりとプレスしたテープで、かつ毎月、同じタイミングで出していたことが大きく・・・買う側として「信頼」して買えるようにリリースしてた点は、評価したいと思います!
 日本人って、妙なところで「信頼」を信じる部分があり、ある意味で「老舗志向」というのがあるんだと思います・・・そういった背景がある中で、しっかりと「形」を作ってリリースしていたGossyさんの功績は非常に大きいと思います。

 マンスリーテープなり、新譜系のテープって、探せば探すほど作品あるのですが、1998年からリリースしたGossyさんの行動は比較的に早く、ある意味で、そのマンスリーテープ市場が隆起していく「今後の流れを作った」部分あり、実はその後のDJ達の「教科書」にもなっていた点は非常に大きいかと思います!


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 では、このテープシリーズの第1段を通して、Gossyさんのマンスリーテープを紹介したいと思います!

 まず、Gossyさんのマンスリーは、1998年3月が第1段になり、結果的に2001年3月までリリース、実質的には約3年の間、マンスリーテープを作っておられました。
 約3年というと、DJ Komoriさん(1999年~2007年)、DJ Yoshioさん(2001年~2006年)達から比べると少ない年数にはなりますが、黎明期だった1998年よりリリースしている点、それもしっかりとパッケージ化した状態でリリースしていた点は評価すべきでしょう。

 そして、肝心の内容は・・・まず、私としては「懐かしい!」の一言です(^^;)

 1998年3月というと、私は高校3年生になろうとしていたタイミングで、やっとUSからリリースされる新曲を、知識や行動的にもタイムリーに追えるようになった時期で、少ないお金で、そういった魅力的な新譜を買っていた時期になります・・・収録されている曲を聞くと、ちょっとセンチになったりしますね(^^;)

 今回、たまたま収録曲のレコがなく、収録曲の「テープ」(Big Up 新宿ユニオン!)で紹介をしますが・・・いや~、懐かしいっすね!

 それこそ、A面の一発目は大ヒットした「Lord Tariq & Peter Gunz / Deja Vu (Uptown Baby)」からプレイ・・・当時、普通にレコードを買って、好んでプレイしてたのでグッときます!

 この曲、USでは大ヒットしたので、USでは普通に知り得た曲でしょうが、日本だとクラブや数少ないHipHop系のラジオ番組でしかプレイされないので、実は中々知り得ない曲なんですよね・・・
 私自身は、当時、真剣に毎週聞いていた「Da Cypher」で聴いて、すぐにレコ屋に買いに行った記憶がありますが・・・やっぱり、普通に日本で生活をしていたら知り得ないですよね・・・

 そういった背景がある中で、こういったマンスリーテープ(新譜テープ)の至上命題である「新しい曲のカッコ良さ」を素直に伝えることが出来た点が、このGossyさんのテープにはあったのだと思います・・・

 それは、まずは「カッコいい新曲を選ぶ」点が秀逸で、かつ、その選んだ曲をDJミックスでタイトに収めることで「DJミックスの中で、その選んだ曲が光る」ことを実現していた・・・ことだと思います。

 それこそ、12inch的にはプロモ止まり、たけどアンダーグラウンド・ヒットをしてた「Gangstar feat K-Ci & JoJo / Royalty」をしっかりとプレイしてて、かつ、渋いプレイをしています・・・

 プレイ的には、最後の方のK-Ci & JoJoの歌シャウトが光る部分を先にプレイして、そこから最初に戻して本編をプレイしてて、その時点で上手いです・・・
 それ以上に、当時はこの12inch、プロモ止まりだったことから、中々買えない1枚なのに、それを2枚使いです・・・これこそ「DJミックスでないと、光らすことができないこと」なのだと思います!

 そう、このGossyさんのテープは、新譜を紹介することも重要でしたが、その新譜を「いかにカッコよくプレイするか」を教える部分もあったから、人気があったのだと思います!



 なんか、作品自体は、あまり深く紹介出来ませんでしたが、選曲も、そしてその選んだ曲をカッコ良くプレイすることも、Gossyさんにはあり、3年間ではありますが、毎月新譜を紹介することが出来たのだと思います。

 市場では、このテープ、そこまで重要視されていないですが、私としては非常に価値のあるシリーズだと思っています。

 こういうテープがあったから、日本でHipHopなりクラブが育ったんですね・・・

 まあ、正直言うと、こういったマンスリーテープは、作品性だったり芸術性があまりないので、今となっては聴くのはアレですが、Gossyさんのは格別だと思います!
 気になる方は、テープを探して揃えてみてくださいね~





<Release Date>
Artists / Title : DJ Gossy 「Gossy's Choice #01 MAR. 1998」
Genre : HipHop・・・
Release : 1998年3月
Lebel : No Lebel No Number


Notice : 作品/シリーズに関する補足

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 今回、題材となる「マンスリー(新譜)テープ」は、ある意味で、新曲の良さを伝える「教育的な価値」があるので、作る側は色々と趣向を凝らしていた側面があります。
 どのDJのマンスリーだったかは忘れましたが、その収録曲の12inchの写真を載せたりしてたのもあり、ある意味で「曲の良さ+情報」が重要だったのかもしれません。

 その意味で、Gossyさんのテープは「キメが細かいな~」と思いました!
 
 それこそ、今回紹介した第1作目では、ジャケがトラックリストになりつつ、本来、トラックリストがありそうな部分に、その収録曲に対するコメント(写真上)を掲載してて、結構グッときました!
 ちなみに、ジャケにトラックリストを掲載する方式は、レコ屋等で「気になるあの曲が収録されているから、このテープを買おう」という購買側の心理を読み取った上でのレイアウトなのかな~、と思いました??

 んで、その後の作品では、普通なジャケ+中にトラックリストの構成(写真下)になるのですが、よく読むと、収録曲のところに「P / ???」と掲載があります・・・これは、トラックを作ったプロデューサーの情報ですね!
 今も昔も、HipHopにおけるトラック制作者は重要なので、こういった細かさはDJらしいっす・・・この事実を発見し、結構小躍りしてしまいました(^^;)

 なお、写真下のは、たまたま抜いた1998年12月の#10ですが、A面には「feat Dobinski」の記載が・・・神戸出身のMCで、調べたら某大学に一芸一能試験をラップで合格(!)された方が、サイドMCで入っています・・・
 Gossyさんの「地熱」だと、バリバリに日本語ラップ勢がサイドMCやフリースタイルで入っていますが、このマンスリーだとチョイチョイ入っている感じですかね・・・全部は調べて無いのでアレですが、割とこのテープだと日本語ラップと線を引いていたのかもしれないです??


Notice : DJ Gossy作品について

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 今回のマンスリーや、地熱を含む他の作品を、以下のページに「作品リスト」として紹介しました。

 まあ、地味に大変な作業でしたが、色々と分かったことがあり、重要な作業でした・・・
 一番嬉しかったのは、調べてて「洋服屋さんとの繋がり」が明確に分かったことで、関西だと「Walkin' Store」との繋がり、そして、東京の「ESP」との繋がりも分かり、ああ、やっぱり当時のHipHopなり日本語ラップは「洋服」が重要な接点だったんだな~と痛感しました・・・

 ● DJ Gossy 「作品リスト」







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<独り言>

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 ん、なんでしょうねこの写真・・・嬉しさが先行した写真になります(^^;)

 まず、先週はECDさんの追憶を込めて、ECDさんのミックステープを紹介したところ、Twitterで大きな反応があり、ビックリしました!




 それぞれ、かなりの「いいね」と「RT」があり、あらためてSNSの力って凄いんだな~と思いました・・・こういった反応があり、記事を通してECDさんの功績が称えられたのは良いことですね!

 そして、今回の反応を通して、凄い嬉しかったことがありました!

 なんと、先週紹介をしたテープの企画者さんから反応があり、テープのリリースに関する貴重な情報を頂けたことです!

 反応を頂いたのは、下北沢のビレッジ・バンガードに所属している名物バイヤーである「金田謙太郎」さんで、このテープが下北沢のビレバン限定のノベルティーだったことが分かりました!
 それも、作る際にECDさん側に「下北をイメージした内容で」とリクエストしたところ、ECDさんらしさを出しながら、下北にあった名物クラブ「SLITS」の雰囲気が出た内容になっていたそうで・・・もう、嬉しすぎる情報に感涙しました(^0^)

 そんなことがあり、独り言の出だし写真になります・・・はい、週末のレコ掘り行脚の途中、下北のビレバン前で、ECDさんのテープを片手に、下北ビレバンを撮影しました(^^;)

 まったくもって必要が無いことは承知していますが、これはある意味で「感謝」なんです・・・

 うん、ECDさんにも、そして情報を教えて下さった金田さんへの、不器用な感謝です・・・

 なお、下北のビレバン、人気なお店なので、人の出入りが激しく、テープを持って撮影するのが大変でした(^^;)
 周りから見たら「奇妙」でしかないので、もー、一瞬を見計らっての撮影で、気づいたらテープを逆さまに撮影していたぐらい、大変でした・・・

 う~ん、こうしてみると、インスタ映えを真っ向からグーで殴ってる姿勢ですね・・・うん、こういったアナーキーさは、天国にいるECDさんなら喜んで頂けそうな気がします??









ECD 「Fuck You !! We Are From Shimokitazawa」
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 え~、2週間ぶりの更新です・・・すみませんでした(^^;)

 まあ、仕事が割と忙しく、どんなに考えても夏まで暇にならない状況です・・・

 ただ、何とかレコ屋にはちょいちょいと行ってますので、ご安心を・・・レコ屋に行って、空気を吸わないと、どうやら生きていけないようです(^^;)

 では、今週は、故人を忍び、この作品を紹介します・・・


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 今週は、先日、57歳の若さでお亡くなりになられた「ECD」さんの功績を称えるために、ECDさんが作成したミックステープを紹介したいと思います。

 ● ECDさん死去 57歳 日本語ラップの先駆者


 まず、ECDさんですが、日本語ラップが好きな方ならお世話にならなかった方はいないでしょう・・・

 私自身、高校生だった1996年ごろ、初めて買った日本語ラップが「ECD feat K-Dub Shine / ロンリーガール」の12inchで、日本語ラップが好きになったきっかけを作ってくださった方だと思っています。

 ECDさんにおいては、日本語ラップの功績だったり、このHipHop~クラブカルチャーにおける功績は、色々な方が指摘し、ほんと重要なお方だと思っています・・・
 何が重要だったかは、私よりもっと好きな方々が、愛を持って追悼記事や追悼ミックスを掲げられており、このことだけでも十分に分かるかと思います・・・ほんと、重要なお方でした・・・
 
 きっと、ECDさんの人生は、失礼かもしれないですが、順風満帆な人生では無かったかと思います・・・

 ただ、ただ、、、紆余曲折はありながらも、音楽や文化、そして人に支えられ、ECDという世界を描きながら、短い人生を駆け抜けられたんだと思います・・・

 近年は、闘病をしながらの活動で、心も体もお疲れだったでしょう・・・今は安らかにお休みください・・・


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 そして、私として、ECDを追悼するべく、ECDさんの音楽感を表す「ミックステープ=DJ作品」を通して、ECDさんの素晴らしさを紹介したいと思い、今回の作品紹介に至りました。

 まず、ECDさんについては、一般的には「ラッパー」のイメージが強いかと思いますが、いい意味でイルな音楽センスの元で「DJ」の活動もされていて、結構、影響を受けた方が多いかと思います。

 特に「和物」はECDさんの代名詞ではないでしょうか?

 ECDさんのことを、僭越ながらDJ的な視点でカテゴライズすると、やっぱり「異端」な人で・・・結果的に音楽シーンの本流ではない部分を突き進み、結果的に周りから観ると「異端」な存在だったかと思います。

 その意味で象徴的なのが「和物」で、相当早い時期から傾倒しており、名誉のために説明すると、今となっては異端ではなく、むしろ先見の明があり、やっぱりセンスがあったと言わざるを得ないかと思います。

 それこそ、前述したロンリーガールは和物ネタ(佐東由梨ですね)で、周りが全く和物に理解を示さなかった90年代中ごろから選んでいる時点で最強ですよね・・・
 まあ、世代的に80年代のアウトサイダーな文化感(和物であれば「よい子の歌謡曲」とか?)を受け継いでいるとは思いますが、こういうのをチョイス出来る時点で「異端」だけど「早かった」と思います。

 そして、その和物や、自身の原点でもあるロック~パンク、更に他のイルな音楽を武器に、一時期はDJ活動も積極的に行っていました。

 その功績が分かるモノとして、数は少ないですが、いわゆる「ミックステープ」を残されていて、これが好き者にはタマらない内容になっています。

 一番有名な作品であれば、手刷りCDでリリースをしていた「Private Lessonシリーズ」が有名でしょうか・・・割と打ってないフォーク~ロック~歌謡曲を中心に選曲した内容で、若かりし頃に聴いて「この人は大丈夫だろうか?」と思ったほど、恐ろしい和物選曲ですね(^^;)
 ただ、聴いていると、どこか緩く、気持ちいいグルーブがあるのが不思議で、独特なラウンジー感が、最高です・・・後には、メジャー作品でも出していることから、やっぱり「和物」の切り口は上手かったと思います。

 なお、写真では、おまけでレアなアドバンステープも・・・ECDモノのアドバンスはちょくちょく買ってたので、こういう時に披露をしないと・・・
 ただ、あのDJミックス入りのは、まだ持ってないんですよね・・・当時から高かったけど、買っておけばよかった・・・


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 そんな背景がある中、今回紹介するテープは・・・まったくもって謎な作品になります。

 制作時期は、収録曲から判断するに、2003年~04年ごろで、副題から勘案すると、活動の拠点の一つだった下北沢で行われた、何らかのイベントで配布されたテープなのかな~と思います。
 テープも、完全手刷りな仕様で、テープ世代には懐かしい64分テープを使用するなど、やっぱり「異端」ですね・・・

   ※追記 2018/02/07 00:30
   このテープは、2003年にECDさんが自主でリリースした
   CD「失点 In The Park」という作品、または、
   2005年に発刊した自伝「失点・イン・ザ・パーク」という本において、
   下北沢ヴィレッジ・ヴァンガード限定のノベルティーとして配布された
   ものになるそうです。


 ただ、私の中ではこの作品が一番「ECDさんの音楽感を表したミックステープ」だと思っています。

 ECDさんにおいて「ミックステープ」として認知されている作品は、どれも「和物」メインな作品になり、残念ながら「ECDさんの一部」だけを切り取った作品になっていると思います。
 その意味で、以下で詳細説明を行いますが、この作品では「幅広いイルな選曲」が最高で、私としては「これこそECD!」と思える選曲になっています。

 では、簡単にですが、紹介をしたいと思います。


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 まず、ある程度、音楽に詳しい方なら、この写真を見て「これが一本のテープに収まっているの?」と思う内容かと思います(^^;)

 この作品は、DJミックスはせず、選曲だけをしているテープになるのですが、とにかく「イルで幅広い選曲」が最強で、これらが同居しているのが最高です!
 それも、英語の曲もあるけど、実は大半を「日本の曲」で構成した「和物テープ」になっており・・・何層にもヒネリ倒している所にヤラれてしまいます!

 選曲を深く紹介すると、まずはECDさんが熱心に追いかけていたロック~パンク~ニューウェーブ~ハードコアの選曲が白眉で、80年代ロックのカルト盤である「ガセネタ / 宇宙人の春」をチョイス・・・和物のセールでたまに見かけるノイズ系の曲(?)で、DJ文化の我々の耳には刺激的なノイズ・グルーブです(^^;)
 その一方で、これが平均的に見えてしまうソウル歌謡な「クック・ニック&チャッキー / 可愛いひとよ」のような70~80年代の和物、「キミドリ / 自己嫌悪」のような日本語ラップ、そしてナイスなロックステディーである「The Ska Flames / 星に願おう」等、もうわけの分からない選曲が炸裂しています!

 ただ、ただ・・・何度も聴いてると、しっかりと「一つの音楽」になっており、それが「ECDという音楽」になっており・・・大変、不思議な気持ちよさがあります!

 今回、下にトラックリストも掲載しますが、選曲は本当にイルですね・・・

 それこそ、前述したロック~ハードコアの選曲は、全く馴染みがないし、これ以外の曲とは異質も異質なんですよ・・・ほんと、星井七瀬や今田耕司(豆腐氏より早い!)の選曲が可愛く霞んでしまうぐらい、イルすぎます!

 ただ、ECDさん自体、これらのロック~ハードコアといった「バンド音楽」に理解と愛があり、聴いていると「その愛」が分かるんですよね・・・

 実際に、ECDさんはハードコアのギグに観客として出向き、モッシュも決めている位、こういった音楽が好きだった・・・いや、音楽に壁を作らず、気にいった音楽をひたむきに追い続け、更に作り続けた「姿勢」が、結果的に「音楽愛」として、このテープに表れているのだと思います。
 うん、クラブ系の曲と、こういったバンド系の曲は、なかなか混じり合わない中で、ECDという「音楽」の中で不思議と混ざっているのが最高で、気づいたら首をオイオイと言いながら振っていました(^0^)


 また、深く聞いてる気づくのですが、一見して荒い選曲に見えますが、要所要所で「ミックステープ」を意識した選曲、つまり「音楽が繋がることで生まれる音楽」があり、ECDさんのDJとしての腕の良さが分かります。

 個人的には、明らかにロック~ハードコアの「ヤサグレ感(?)」を踏まえての「キミドリ / 自己嫌悪」がパーフェクトで、この曲のもつ「魅力=ダウナーな部分」を上手く出しているな~と思いました・・・
 実際にはKrush Posseの後にオールドスクール日本語ラップ繋ぎでのプレイですが、こんなに上手く「自己嫌悪」がプレイ出来る人はいないですよ!

 また、その後も最高で、自己嫌悪のトラックにおいて、エンド間際で登場するロックステディー的なネタを見逃さず、日本のスカ~ロックステディーの大御所である「The Ska Flames / 星に願おう」に繋いでいくのには、ほんとヤラれました!
 全然知らない曲でしたが、ほんと好きになっちゃった・・・うん、ミックステープって、選曲やプレイした曲を「光らせる」ことが重要な中、この繋ぎは最高ですね・・・クラブで聴いてたら、事情によっては泣いちゃう(?)ぐらい、最高です!


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 う~ん、あまり上手く紹介が出来ませんでしたね・・・

 ただ、今回、このテープを聞いたことで、私の中で改めて「ECDが伝えたかった音楽」が理解できましたし、その音楽が大変好きになりました。

 だけど、その音楽は、残念ながら言葉では説明できません・・・

 不器用で異端、シャイだけど過激、だけどなぜか温かい・・・なかなか上手くまとまりません・・・

 でも、これで「イイ」のかもしれません・・・

 音楽や文化は、全てを言葉で定義する必要はないんですよ・・・もう「ECDの音楽」で十分ですね(^0^)


 改めて、天国におられる故人に伝えたいです・・・素敵な音楽と文化を残してくれ、ありがとうございました!!



 
<Release Date>
Artists / Title : ECD 「Fuck You !! We Are From Shimokitazawa」
Genre : Rock、Hardcore、Soul、日本語ラップ、和物、Breakbeats・・・
Release : 2003年~04年ごろ?
Lebel : No Lebel No Number

Notice : トラックリストについて
 ECDさんの世界観を分かりやすくするため、下記に記載します。
 なお、書くところが無いので、ここで書きますが、このテープ、ドマイナーすぎて市場に殆ど出ないです・・・手刷りなので、本数も30とか50とか、そんなレベルだと思います。

A面
BREAKfAST / Violent Grind
The SS / 恋のダイヤル6700
ガセネタ / 宇宙人の春
シーナ&ロケッツ / You May Dream
クック・ニック&チャッキー / 可愛いひとよ
Krush Posse / Chain Gang
キミドリ / 自己嫌悪
The Ska Flames / 星に願おう
U.G. Man / Punk Rocker Still Standing
Mark / Five Yerars

B面
星井七瀬 / 恋愛15シミュレーション
小川みき / マイ・ロスト・ラブ
MC Joe / ジョーの日常
スチャダラパー / サマージャム'95 (Remix)
KZA / La Previsione del Tempo
koji-1200 / 宇宙人


Notice : この作品が出来た理由
(2018/02/07 01:00追記→02/11 21:25写真変更)

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 なんと、このノベルティーを企画した張本人である「金田謙太郎」さんからTwitterでコメントを頂き、このテープが出来た理由を教えて頂きました!

 まず、このテープは、文中に追記をしたとおり、2003年にECDさんが自主でリリースしたCD「失点 In The Park」という作品、または、2005年に発刊した自伝「失点・イン・ザ・パーク」という本において、下北沢ヴィレッジ・ヴァンガード限定のノベルティーとして配布されたものになるそうです。
 そして、金田さんは、この下北沢ヴィレッジ・ヴァンガードのバイヤーとして、ECDさん側にオファーしたことで、このテープが生まれたそうです。

 金田さんは、下北沢にあるヴィレッジ・バンガードの名物バイヤーさんとして有名で、独自の視点でCDを仕入れ、かつ、魅力的な企画でCDを売りまくり、金田さんの後押しで有名になったアーティストが多くいることで、業界では有名なバイヤーさんです(参考記事は「こちら」)。
 また、ECDさんとの出会いは明確には分かりませんが、金田さん自体、もともとele-kingの編集者もやってたり、ユニオンに勤めてたり、割とクラブ~DJ的なスタンスがあったそうなので、それで出会ったんでしょうね・・・きっと下北沢が引き寄せたんだと思います?

 んで、教えていただいた情報で衝撃的だったのが、このノベルティーテープを企画する際に、ECDさんには「下北沢をテーマにしてください」とリクエストしたそうで、完成した内容が、下北沢にあった名物クラブ「SLITS」を意識した内容になっていたそうです!

 もう、この話を聞いて、今回のテープの内容に合点しました・・・だって、SLITSといったら、Ska Flamesも、キミドリも、Krush Posseもいた、ジャンルに関係なくグッドミュージックが同居していたクラブなわけですよ・・・
 そして、ECDさんもホームベースにしてたクラブでもあるので、このテーマからこういった内容になったことは、当然なことだと思います・・・きっと、ECDさんのパーソナルな部分も含みながら、ECDさんがSLITSに通い、SLITSで愛した曲たちを、素直に選曲したんだろうな~と思うと、愛おしくてたまりません!

 もう、このテープは、ECDさんを表すテープでありながら、下北沢の奇跡を表したテープなのかもしれません!!

 金田さんには改めて御礼を申し上げます!!
 
 




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<オマケ>


【You The RockのNitgh Flight 1997/04 ゲスト:ECD】

 久しぶりに蔵出し音源ですが、ECDさんが1997年にアルバム「Big Youth」を出されるタイミングで、YouさんのNight Flightにゲスト出演をされた回がありましたので、音源をアップしてみました。

 この番組自体、YouさんとECDさんが所属していたCutting Edgeがスポンサーとも言えるので、こういったゲストは当然なのですが、ECDさんが元気にしゃべられている姿は貴重かな~と思い、アップしました。
 ただ、この時点でECDさんは37歳で、20代前半のYouさんたちから比べたら世界が違く、ちょっと浮いているんですよね・・・この点が日本語ラップにおける異端だったりするのですが、逆に、世代が違うからこそ、Youさんたちの若い世代を影から引っ張っていた事実は忘れてはいけません。

 なお、やっぱり、大人としてYouさんたちを引っ張っていた中尊寺ゆつこさん(この番組の本当のスポンサー)も出られてて、凄い考え深いです・・・

 こうして若くして亡くなられた方が並んだ音源であることは、色々と考えさせられます・・・

 ただ、ここでは「文化を引っ張ることの重要性」だけ指摘します・・・こういった方々の活躍があって、文化が引き継がれていることは忘れてはいけないし、自分たちも実践すべきですね(^0^)









Dimitri From Paris 「My Salsoul」
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 え~、今日はちょっと体調が良くないです・・・

 昨日、普通に仕事をしてたら、ちょっとずつ寒気がしてきて、これはヤバいかな~と思い、すぐ帰って寝込んでしまった・・・

 ただ、インフルエンザではないみたいなので一安心・・・今は仕事で穴を空けられないので、今日でしっかり直さないと・・・

 だけど、ブログの執筆作業は、実は体力を消耗する一因でもあるんですよね・・・日曜に3~4時間、集中して執筆してると、眼精疲労がヤバいのです(^^;)

 そんなわけで、今週の紹介です~


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 今週は、我らのDimi先生による「Salsoul」ミックスを紹介します!

 この作品、2001年のリリースのメジャー作品とあって、今となっては500円以内ぐらいでも買えるモノで、結構な方がスルーしているかと思います・・・
 ただ、やっぱりDimi先生の作品だけあって、かなり素敵な作品で、いつかは紹介しようと思っていました。

 そして、今回は、先日のDimiさんのパーティーに行ったことと、先日から読み進めている「JAM / Chasin' The 80s Classics」で感化されたことで、この作品の登場になりました!
 特に、JAMさんの本がヤバくって、一人のProducerを掘り下げた内容ですが、その掘り下げ方がヤバくって、凄い勉強になります・・・SalsoulだとSkyyのRandy Mullerなんかが紹介され、その情報力と考察が素晴らしく、つい、これ系の音を聞きたくなり、自然とDimiさんの作品に手が伸びてました(^^;)

 そして、今回の主役であるDimiさんについても、改めて紹介をしておきましょう!

 Dimiさんは、トルコ出身、フランスを拠点に活動するDJ/Producerで、ジャンルとしてはDance Music~House~Disco系の方になります。
 特に、Dimiさんは、得意とする「70~80年代のDisco」を重要視してて、これらのDiscoを独自のEditを施し、現代のダンスフロアーでプレイしている姿はカッコよく、まさに「Disco紳士」といったお方です!

 また、見た目のオシャレさとは裏腹に、DJプレイ中はハートフルで、ソウルフルなプレイが印象的で・・・ああ、この人は「DJ」なり「ダンス」が本当に好きなんだな~と思わせます。
 最近は、割と時間通りのDJになりましたが、観客が求めたら何時間でもDJをやってくれる印象があり、踊っている立場からすると「安心して体を委ねられる」DJをしてくれ、ほんと信頼が出来ますね(^0^)

 なお、ドマニアックな話ですが、Dimiさん自身は大のレコードコレクターでもあり、今も多分そうですが日本の玩具である超合金ロボットのコレクター(!)としても知られています・・・

 他の情報は、以下のリンクからご参照ください!

● Dimitri from Paris 作品リスト


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 では、作品の紹介です!

 まず、この作品は、日本企画でリリース(その後、海外版もリリース)された作品で、Disco系本命レーベルである「Salsoul(サルソウル)」の音源で選曲/ミックスをした作品になります。
 Salsoulについては過去にも多くのミックス作品で紹介しているので割愛しますが・・・私の「血と肉」とも言ってもいいぐらい、大好きなレーベルで、嫌いな曲は一つもないです(^0^)

 そんな、SalsoulをDimiさんがミックスです・・・やっぱり最高です!

 まず、出だしでは「The Salsoul Orchestra feat Loleatta Holloway / Seconds」からスタートします・・・私としては意外な選曲、だけど全体を見回すと「上手いな~」と思う選曲ですね!

 この曲自体、割と哀愁感がある曲なので、ミックス作品だと最後の方で選曲されることが多いのですね・・・同系統だと「Skyy / Here To You」も前半で選曲されてて、聞いてて「そこで?」と思う部分もあるかと思います。
 
 しかし、この作品ではSalsoulの「前期」と「後期」を意識した部分があり、 それでコレを一発目に持ってきたのかな~と思います。

 つまり、前期=70年代後半のDisco色が強い時期、後期=80年代前半のBoogie色が強い時期を上手く混ぜて、選曲の流れを作るために前半で後期の曲のイメージ、後半で前期の曲のイメージを出すために、こういう選曲にしたのだと思います・・・
 うん、意外性の出し方もさることながら、こういった全体的な選曲のイメージも考えているところが上手いっすね!


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 そして、3曲目では大クラシックな「Loleatta Holloway / Love Sensation」をプレイ・・・これにはアガります!

 まず、面白いのが、先ほど紹介をしたSalsoul後期のBoogieっぽいラインの中でコレをプレイしているのですが、そのBoogieっぽいラインの中で、あえてソウルフルな楽曲を入れることで、凄い選曲が際立ち、聞いている人のギアを加速させる効果があるな~と思いました。
 深く読み解くと、この前半はBoogieっぽいラインを意識しつつ、Salsoulの2大ディーバであるLoleatta HollowayとJocelyn Brownがボーカルをした曲を固めている(=歌物タイム)部分もあるのですが、やっぱり、そこまで目立たないBoogieっぽい曲の中で、1曲でもボムを入れてくると、ミックスの流れに躍動感が生まれ、その後の流れが生きてきますね!

 なお、聞いてると分かりづらいのですが、このLoveでは、さっそくDimiさんのエディットがプレイされています!

 前述したとおり、Dimiさんは、これらのDisco系の曲を、自分がプレイしやすく、かつ、その曲の良さを現代でも通じるように、自身でエディットをした曲でプレイをしています・・・
 もう、最近は、クラブだと全て自身のエディットを施した曲しかプレイをしない(!)ぐらいの勢いですが、元の楽曲を愛しているからこそのエディットは最高で、ほんと信頼ができます・・・

 このLoveでは、前半がShep PettiboneによるRough Mix、後半は自身のエディットを披露していて、正直、聞いてて「エディット曲なのかどうか」が分からない部分もあります。

 ただ、それがイイんでしょうね・・・これがDimiらしいエディットなのですが、大胆なのもあれば、楽曲の良さを引き出すためのエディットも多いので、聞いてて「エディット」と気づかない方が勝ちなのかもしれないです。
 Dimiさんとしては、あくまでもDJプレイをしやすく、そしてその楽曲を光らすことがポイントになっているので、こうやってミックスの中で上手く光っている姿をみると、やっぱり上手いな~と思ってしまいます。

 なお、この辺がDimiさんが、なんらかんら言ってレコードコレクターな部分なのですが、Rough Mixは、オランダRams Hornからレイタープレスでリリースされたミックスですね・・・


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 そして、中盤では割とBoogieラインのマニアックな選曲を続ける中で、後半に向けて「The Salsoul Orchestra / Salsoul Rainbow」をプレイ・・・また、ここでギアが一段上がります!

 まず、選曲的な話ですが、当時としては、この曲こそ「意外な選曲」かもしれません・・・

 なぜなら、これが「LPのみの曲」、いや「現場で愛し続けられた曲」だからです。

 どうしてもDJをしてるとシングルになった曲を中心にプレイする中で、優秀なDJほど、シングルカットされていないLPの曲でも、イイ曲だったら絶対にプレイするものだと思います。

 そして、Salsoulに関しては、結構LPのみの良曲が多く、 かつ、それらの曲が現場レベルで受け継がれ、曲が「熟成」していった部分が非常に強いかと思います。
 つまり、そのLP曲の良さを信じ、DJ達がプレイし続けたことで、曲が共有され、みんなが好きな「Salsoulの曲」になった部分があり・・・歴史の積み重ねによって作られた曲だと思います。

 そして、この「Salsoul Rainbow」ですが、やっぱり昔から現場ではプレイされて、今となってはクラシックですが、2001年ごろだと、まだ「現場に行っている人しか知らない曲」だったのでは、と思います。
 曲自体は、Salsoulらしいストリングスと、疾走感のあるトラックが最高で、まさに「Salsoul」な曲で、写真のDannyエディットが有名ですね・・・ただ、やっぱり、現場に行ってないと聞かない曲なので、LPのみという点を含め、ホームユースなこのミックスCDに現場直球な曲を入れてくるのは、良い意味で「意外」ですね!

 そして、Dimiさんは、このRainbowを割と前曲からブっこみ気味に入れてきて、急にグルーブを加速させています・・・つまり、最後の後期Salsoulに繋いでいくために、用意した部分があり、戦略的にも上手いです!
 この曲もDimiエディットでプレイしていますが、選曲の流れとしては、Salsoulっぽいソウルフルで躍動感のある曲を、割と急に入れてきており、フロアー的にはピークに向かっていく期待感を煽り、気づいたらマッドに踊らさせている点は上手く、起承転結の「転」として上手く機能をしています!


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 んで、最後の方は、Salsoulらしいストリングスを重視した華麗なDisco曲を選曲し、「Double Exposure / Ten Percent」、そして「First Choice/ Let No Man Put Asunder」の鬼クラシックの連続選曲でエンド・・・いや~、最高ですね!

 まず、この作品の全体的なストーリーを整理すると、前半のBoogieっぽいラインでミッド程度のBPMで揺らして、前述したRainbowで一気に加速し、そしてこのBPM早目なこの2曲で大爆発といった感じで・・・も~、作品のストーリーが秀逸ですね!
 これを聞いてて思うのが、聞いてると「自然と踊り始めるストーリー」になっていて、この辺は選曲の勝利です!

 私自身、DJのミックス作品で一番重要視をしているのが「選曲のストーリー」で、これがあるからこそ「ミックス作品」を聞き続けているのだと思います。

 それこそ、そのミックス作品の中で、意外性のある選曲や、グルーブ感の統一による気持ちよさも大切ですが、ストーリーがあることは、一つの映画を観るように「そのミックスの世界観」に入れ、最高の気持ちよさを与えてくれるモノだと思っています。
 そう、これこそ「DJミックス」にしか出来ない世界で、プレイした曲の更なる魅力を引き出すモノだと思っています・・・

 その中で、Dimiさんに関しては、最後のオーラスとして、誰でも愛せる鬼クラシックを連続プレイし、最後で「Salsoulの華」を咲かせるストーリーをとっており、上手いっすね・・・
 ただ、その半面で、最後の最後にFirst Choiceを持ってくるのも上手く、凶暴なベースラインが最高で、最後の最後でマッドに踊らせるイメージもあり、流石です!


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 今回は、体調があまり良くないので、作品紹介が上手く紹介がまとまりませんでしたね・・・すみません・・・

 ただ、Salsoulの「虹」を見る、いや聞くたびに元気をもらってしまうのは事実で、今回のDimiさんのを聞いてると、体調不良の体には良いビタミン剤になったようです(^0^)

 今でも聞けるクラシック・ミックスであることは間違えなく、Salsoulが好きな方、また初心者の方にも買いやすいかと思いますので、気になった方は探してみてね~





<Release Date>
Artists / Title : Dimitri From Paris 「My Salsoul」
Genre : Disco、Boogie
Release : 2001年6月
Lebel : 東芝EMI TOCP-64113


Notice : Dimiさんの別Salsoulミックスについて

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 Dimiさんが作ったSalsoul作品としては、上記の「Mastermix」(2015年)もあります。
 この作品も日本企画で、選曲はかなりマニアックなのですが、現在のBoogieアプローチが気持ちいい好作品ですね!
 なお、大変素晴らしい逸話として、この作品は、Dimiさん自らがレコード会社に志願して作った作品(!)で、もう、Dimiさんの「Salsoul愛」が分かる作品になっております(^0^)






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<独り言>

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 今週は、仕事ばっかりしてたので、特に大きいことはないのですが、読み進めているJAMさんの本でヤラれた部分があり、紹介をしたいと思います・・・

 JAMさんの本は、Black Music Review誌での連載をまとめた本になり、同誌が月刊誌だったこともあり、その時の話題などを取り込んでいたり、その時に思ったことも少し書いてたりします。
 その部分は、この本からすると本筋ではない部分になるのですが、2001年9月号で掲載された「Steve Washington(Slave~Aurraの人)」の書き出しでは、以下の思いがありました・・・無断転載になりすみません・・・

そして、どんなレコードも新譜としてリアル・タイムで興奮したものに勝てないなあ、と改めて実感しました。若い人達の中には目の前に入荷ホヤホヤの新譜があるにもかかわらず、70年代や80年代のレコードばかり追いかけている人たちが少なくないみたいだけど、これ、凄くもったいないですよ。それぞれの趣味趣向にまで口をはさもうなどとは思っていませんが、せっかく今の空気を吸っているのだから、今の空気が凝縮された新譜で青春を謳歌した方がいいに決まっているんです。新譜を楽しめるというのは、今を生きているからこその恩恵、これを享受しないと、音楽での衝撃的な思い出なんて残っていきませんよ。旧譜はいつ聴いたって旧譜、新譜は今聴くからこそ新譜、それをリアルタイムで聴けるという特権。将来、いい時代を楽しめたと回願出来るようになるためにも、旧譜ばかりに偏重している人は新譜の意味合いというものを考え直してみてほしい。

 このブログを読んでいる方なら、何か響く「思い」ですよね・・・

 JAMさんが、なぜ、この思いを書かれたかは分かりませんが、音楽を愛する大先輩からの金言であり、絶対に忘れてはいけない思い=姿勢だと思います。

 考えてみると、私自身は90年代末に日本語ラップの新譜を真剣に追っていた時期があったので、この思いは痛いほどわかりますし、これが経験として生きていると思います・・・
 そのことがあったからかもしれないですが、ミックステープを掘ることや紹介することは、私よりも前に掘った人がいないことを踏まえると、私自身が周りのバイアスなく、真新しい面白さを発見していることであり、これに近いことなのかな~とも思いました。

 うん、この思いだけは忘れてはイケないですね・・・



Shazam X 「The Best of KRS-ONE & BDP」
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 え~、1月になり、ほんと寒い日が増えてきましたね・・・暖房を入れても寒いので、毛布にくるまりながらブログ作業をしています(^^;)

 前にもお話しましたが、私は結構な冷え性なようで、寒さに弱いんですね・・・今年の冬は、特に寒さが応えるようで、辛いっすね~

 そんなわけで、寒さとはあまり関係ない、この作品の紹介です~


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 今回は、NYのDJである「Shazam X(シャーザム・エックス)」さんが1997年ごろに制作した「KRS-ONE」楽曲のみをミックスした作品を紹介します!

 まず、Shazamさんですが・・・テープを相当深く掘っている人しか知らないと思うので、分かる情報だけ紹介しましょう。

 Shazamさんは、どうやらNYのブロンクス出身のDJ/Producerで、唯一情報が分かるDiscogsからの情報によると、割とプロデューサー寄りの活動をされていた方のようです。
 もう、全然情報がなく、検索をすると、もれなく楽曲検索アプリの大先生の方にヒットする(笑)など、詳細が分からない方なのですが、90's Underground的なシングルを数枚残すなど、それなりに活動をしていた方かと思います。

 ただ、テープ馬鹿としては、上記の「Best Of」系のテープを出してて、結構有名なお方だったかな~と思っています。

 Shazamさんが作ったBest of系は、今回紹介をするKRSの他にもEPMD、Mary J Blidge、渋いところでBoot Campなど、割と渋いラインを突いており、個人的には結構ツボなお方になります。
 また、最後で紹介しますが、日本製のブートもあるなど、当時は結構人気があり、NYでもそれなりに売れていたのではないかと思います・・・ただ、そこまでメジャーかというと、決してそうではなく、部類的には「B~C級」になるかも??

 んで、この「Best Of」系のテープですが、ミックステープの中では結構人気の高いジャンルかと思います。

 それこそ、USであれば、Tape KingzからリリースしてたMister Ceeのベストは有名だし、日本でも割と出しやすいジャンルなので、かなりの作品が作られています。
 また、聞く側としても、そのアーティストの「美味しい」ところを簡単に聞けるので、手が出しやすいジャンルですよね・・・これは今も昔も変わらないかと思います。
 
 なお、私としては、ミックステープにおける「Best of」系においては、以下の二点が重要だと思っています。

 一点目は、このBest系は、いわゆる「教科書」的な役割を果たし、売れやすいジャンルでありながら、聞いた人が「そのアーティストのことを勉強できた」意味が非常に大きいことです。
 この点は、日本ではその価値が大きく、90年代中ごろぐらいだと、急にHipHopがブームになり、過去の名曲を知ろうにも、簡単には触れることが出来なかったので、こういったテープは非常に役立っていたと思います。
 特に、こういった「一人のアーティストを深堀すること」は、Frontとかの専門誌では特集されていたものの、それを「音」で聞くのは結構大変だったので、その辺の需要を上手く取り込んでいたかと思います。

 そして、二点目は、こういった「Best of」が、アーティスト側のプロモーションとして価値があることが認められたことで、アーティスト側の協力が生まれ、その後のUSの「Mix Tape」文化を作っていった点です。
 実は、今回のShazamさんを含め、ある程度プロが作ったBest ofは、そのアーティストに許可は得て作られており、更にシャウトアウトや未発表曲の提供など、その対象アーティストが結構協力している部分が強く・・・それは、結果的に「そのアーティストのプロモーション」に繋がることを踏まえて作られた部分があります。
 時期的には90年代中期位からだと思いますが、NYにおいては、ストリートで売れる「ミックステープ」の影響度はほんと大きく、アーティスト側もその価値を知っていて、協力をしていたんでしょう・・・
 その後、00年代位になると、DJ DramaとかのMix Tapeのように、完全にアーティストのストリートプロモーション用の作品としてリリースされるようになり、この文化を作る上では、スタートはこの「Best Of」だったのかな~と思っています。

 まあ、Best Of系は、選曲に縛りがある以上、実はアーティスティックなミックス作品が作れないことの方が多いので、私の評価としては下がるのですが、こういった価値はあるので、馬鹿には出来ない作品かと思います・・・


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 んで、作品の紹介をする前に、今回のテープのお題である「KRS-ONE(ケアレス・ワン)」さんにも触れておいた方がよいでしょう・・・

 まず、私は、KRSを通してHipHopを学びました・・・うん、KRSこそ「HipHop」だと思います!!

 今となっては、なかなかKRSから影響を受けたという人は少ないかと思いますが、90年代にHipHopを聞き始めた人にとって、KRSからHipHopを学んだ方は大変多いかと思います。
 
 それこそ、ZeebraさんやYou The Rockさんなどは、KRSから相当影響を受けていて、私も、ジブさんやユーさん達が語る「KRSの熱さ」を通して、相当影響を受けました・・・
 ユーさんに至っては、自分のアルバムでKRSの名曲「Outta Here」の自分訳な日本語での語りかけ曲(!)を入れるなど、相当KRSから影響を受けてましたね・・・


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 そして、なぜ「KRS」かです・・・私としては、HipHopというか、人間としての「熱さ」や「ラージさ」に勇気づけられ、相当な影響を受けたかと思います。

 KRSの歴史的な部分は、それなりに調べればあると思うので割愛しますが、私もYouさんと同じく、KRSの名曲「Outta Here」には相当影響を受けました・・・

 ● 「KRS ONE / OUTTA HERE」 You Tubeへリンク

 まず、大前提として、私たち世代だと、ZeebraさんがFront誌において、HipHopの名曲を対訳した連載(Word is Bond)があり、それで初めてこの曲の「意味」を知ったと思います。

 この曲は、いわゆる「Back in the Dayz」もので、自分の昔を振り返る内容なんですが・・・もう、KRSの懐(ふところ)の深さが分かるリリックで、こういうマインドこそ「Hip Hopだ!」と思わせる内容です。

 それは、彼自身が凄い辛い人生を送りつつ、サビで「♪No doubt BDP is old school, but we ain't goin' out ! (BDPはオールドスクールだけど、俺たちはどこにも行かないぜ!)」とブラストさせる部分に集約されていると思います!

 KRS自身、自分を救ってくれた恩人であるDJのScott La Rockを、BDPがメジャーに上がる前に不必要な暴力の弾丸により彼を失い、その後、非暴力やコンシャスな道を進み、世間に影響を与えるも、HipHopが段々と金満主義や暴力至上主義の方向性になっていき、この影響も含め、Scottの良心だったBDPが解体する結果になった後で・・・リリースされたソロ曲として、こんなことを胸を張って言えるのが熱すぎます!
 また、少しズレる話ですが、このソロ作の時点で、KRSも一世代前のラッパーになっていたことを含めると、実はこの曲のトラックはJames BrownのFunky Presidentをドラムネタにしてて、このネタ自体も、この曲がリリースされた1993年の時点では古くなったネタだけど、ProduceをしたDJ Premierの使い方がフレッシュで、それこそ「古くても、アイデアやセンスが良ければOutta Here(どこにも行かない)しないんだ!」みたいなことも暗喩(思い込み?)してて、最強ですね!

 もう、KRSって、本当に「熱い」んです!

 名言やパンチラインも熱いですが・・・人間が忘れてはならない「熱さ」、そして「ラージさ」があるんですよ・・・

 それが、このラインにも表れているし、それ以上に、自分が作った作品には必ず、無くなったScottをリスペクトして「Overseen By Scott La Rock (スコットが見守ってくれている)」とクレジットしてて、それも熱いです・・・
 また、MCネームであるKRS-ONEは「Knowledge Reigns Supreme Over Nearly Everyone(=知識はほぼ万人を制する)」の略になり、こういったインテリジェンスがある一方で、非常に人間臭い一面も強く、その辺のラージさもヤバいっすね・・・

 私自身、HipHopは、90年代の中ごろ、周りのHipHopブームに乗って気づいたら好きになっていましたが、ファッション的な部分よりも、こういった「文化としての熱い考え方/姿勢」に影響を受けた部分が多かったです・・・


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 では、作品の紹介をしましょう!

 まず、この作品は選曲を見る限りだと、1997年ごろ、ちょうどKRSのソロ3作目「I Got Next」がリリースされる直前ぐらいにリリースされたようで、憶測ですが、このアルバムのストリート向け宣伝という要素も含めて企画されたのかな~と思います。
 理由は、B面の後半でその3作目の楽曲が選曲され、トラックリストにおいては、その曲には「New」と注釈があったり、3作目の名曲「Step Into The World」は、この曲の副題である「Rapures Delight」と記載されているところを見ると、3作目が世に出る前に作られたのかな?

 んで、選曲から紹介すると、KRSを知る上で重要な曲たちを、なるべく制作順にまとめており、なかなかの出来です。

 それこそ、A面はKRSがソロになる前のグループである「BDP(Boogie Down Productions)」の曲が中心になり、A面の頭では、本人登場でKRS御大のありがたいイントロの後、大名曲な「Boogie Down Productions / South Bronx」から選曲し、聞いてて熱くなります!
 また、South Bronxの後は、B-Boy Records時代の曲をメドレーしたり、コンシャスなKRS、つまりEdutainment(教育と娯楽の造語)な先生スタイルが全面にでた「Boogie Down Productions / You Must Learn」を選曲したり、流れに沿った選曲は分かりやすいです。
 なお、You Must Learnは、オリジナルから、Get Up And Dance使いのRemixに流れる展開で、こういった小ネタも要所要所であり、グッときます。

 また、ソロ時代の曲も、A面後半からB面の中盤にかけて選曲され、当時はみんな選曲した「KRS-ONE / MC's Act Like They Don't Know」や、自身のレーベルFront Pageからアンダーグラウンド向けリリースされた「KRS-ONE / Rappaz R N Danja」などの渋い曲も多く選曲されています。
 ソロ時代も、BDPも含め、割と渋い部分は攻めてて、それこそLPのみの曲も多く選曲してて、まるで「シングルの曲だけがKRSじゃないんだよ」と言わんばかりで良いですね・・・全体的には、割と大雑把でありながら、KRSの魅力をしっかりと伝える選曲にはなっています。

 ただ、ただ・・・説明は「これだけ」になっちゃうんですよね(^^;)

 残念ながらDJミックスには独創的な部分はあまりなく、割と淡々とDJしてて、まるで「コンピレーション」みたいな感じを覚えます。

 また、私たちが思っている「KRSの熱さ」をそこまでは代弁してなく、大好きな「Outta Here」はワンバースのみ、それもサクっと選曲してるんですよね・・・
 やっぱり、ミックステープであれば、創造的な部分は欲しく、KRSの魅力をバシっとだせるキメ曲を作るべく、選曲の流れがグルーブの作り方があっても良かったのかな~と思います。

 でも、USらしいラフな作りが、KRSの持つストリート的な質感を生んでるのも事実で、この空気感は真似できないかも・・・
 たぶん、日本人が作ると、変に生真面目になってしまい、そういったラフさが出せないんですよね・・・これは不思議です?


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 そんなわけで、今週はKRS週間になり、大名作の1stのテープ版も聞きこんでしまいました(^0^)

 個人的には・・・このミックスよりも、1stのテープの方がヒットだったかも?
 アルバムを通して聞ける点も大きいですが、寒い冬の夜道でBoom Bapさせながら聞く「Outta Here」は最強ですね・・・もー、PremierとKRSのタッグが改めて最強だと感じました(^0^)

 なお、毎度のごとく、仕事帰りに夜道で聞いているわけですが・・・白い息を出しながら、30半ばのスーツ姿のオッサンが、このテープを聞きつつ、歌詞に合わせてラップしている姿こそ、私は「Hip Hop」だと信じています(^^;)

 では、Shazamさんのテープ、そんなには遭遇しないですが、B~C級が好きな方は探してみてくださいね~
 
 



<Release Date>
Artists / Title : Shazam X 「The Best of KRS-ONE & BDP」
Genre : HipHop
Release : 1997年ごろ
Lebel : Shazam X No Number


Notice : プレスレーベルについて

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 上記のRelease Dateでは、Labelを「Shazam X」としましたが、ジャケには写真の「P:Type Grapics」のマークが記載されています。

 このP:Typeですが、90年代中期から中ごろのNYのミックステープには頻繁に確認ができるマークで、名前だけを信じれば、その作品の「ジャケット」を制作した集団を表している、と思われます。
 それこそ、DJ Spinbadの初期作やX-Men等のコスリ系DJの作品には全てこのマークが付いていて、NYの中ではTape Kingzとは違う方向性のDJ達の作品には、このマークが付いています。

 そのため、ある意味で、Tape Kingzと同じように「テープレーベル」と見なすことも出来ますかね・・・

 実際に、このマークの付いているテープは、だいたい作りが同じ(マクセルのテープを手刷り→テープ本体に紙のラベルを張り付け)なので、テープ自体もP:Typeの人が作っていた可能性が高そうです。

 なお、Tape Kingzの白黒ジャケに対して、USらしい原色感バリバリで、かなり雑なカラー印刷のジャケは、マニアになると愛らしくなるのには困ったものです(^^;)
 ただ、P:Typeモノは、割としっかりとデザインしてて、今回のKRSのように雑誌風のデザインは悪くはなく、Tape Kingzよりは凝っていたように思えます?


Notice : 日本版のブートについて

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 左:USプレス(オリジナル)  右:日本コピー(ブート)

 今回のShazam氏のBestテープは、前述した教科書的な理由も含めて、日本でも流通してたようですが、NYのオリジナルプレスの他に、日本でコピーされたブートテープも流通していました。

 今回のKRSにおいては、上記のように日本コピーのブートがあり、日本コピーの方は、ソニー製の国産テープを用いた裸テープで作られています・・・
 私が確認した限りだと、EPMDでも日本ブートがあり、時代的に需要があったからコピって売ってたんだろうな~と思いました。

 なお、このKRSでは、堂々と「90分」と日本語が書かれていて、直球で「日本でコピりました」と言わんばかりですが、EPMDのテープでは、その日本語部分をカッターで削ってあるという、涙ぐましい努力の痕跡が・・・こういうのは大好きです(^0^)
 また、関連で蛇足っておくと、当時の日本コピーについて、詳しい方の話だと、こういった「日本でコピってるのがバレる」ことを嫌がる本格派は、アメリカから格安な空テープを持ち帰り、それでコピって売ってたそうです・・・こういう地味な努力も大好きです(^0^)