HipHop,R&B,Soul,Funk,RareGroove,DanceClassics,Garage,House・・・など、私が気に入っているMixTape,MixCD,その他もろもろを紹介するブログです。
DJ/Club専門誌「GROOVE」について
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 先週の記事の最後で「ボムを打ちますよ~」なんて書きましたが、早速の紹介になりました!

 このブログを読んで頂いている方であれば絶対にお世話になった雑誌の紹介です(^0^)

 毎度の長ったらしい内容ですが、最後にも「ボム」がありますので、ザラっとでも読んでみてくださいね~ 





(1) はじめに

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 今回は、長期にわたり日本のDJシーン/クラブミュージックシーンを支えた雑誌「GROOVE(グルーブ)」の紹介をします。

 この雑誌は、音楽関連の雑誌を多く発行している「リットーミュージック」より発行されていた雑誌で、今年の春(2015年4月)の発行をもって、残念ながら休刊になった雑誌になります。

 雑誌自体は、音楽クリエイター/エンジニア向けの専門誌「Sound & Recording Magazine(サウンド&レコーディング・マガジン)」の増刊(別冊)として発行され続け、94年の初発行から休刊や不定期発行の時期を含め、約20年間で114冊が発行されました。

 内容としては「クラブミュージックやDJ向けの音楽誌」になり、発行時期によって雑誌の内容や方向性が多少変わりますが、お世話になった方が大変多い雑誌かと思います。

 こういったDJ/クラブ向けの音楽誌の中では珍しく、ほぼ全てのジャンルをカバーしつつ、かなり深い内容までをフォローしていた点と、一貫してビジュアルを意識した誌面構成だった点が他の雑誌よりも秀でており、かなり影響力もあったと思います。
 また、母体がサンレコだけにDJ機材などの「機材」系の情報は強く、ちょうど10月に紹介した「素晴らしき「DJ機材カタログ」の世界」で紹介したDJ機材の発展を、雑誌として紹介し続けていた部分もあるかな~と思います。

 特に、近年は、雑誌や音楽誌自体が少なくなっていく中で、DJ/クラブ向けの専門誌としてシーンを牽引していた数少ない雑誌で・・・発行数は別として、こういった雑誌が多かった90年代~00年代初期よりも、00年代後期からの影響力は大変大きかったと思います。

 雑誌自体は、1994年の発行開始から一時休刊となった2001年春までの「前期」と、2004年秋から2015年春までの「後期」に大別ができ、個人的にも後期の雑誌は大変お世話になりました・・・

 私自身の変遷を照らし合わせると、「前期」はもろに学生時代で、その頃はHipHopが好きだったので「HipHop/R&B系専門誌 FRONT/Blast」を欠かさず購読し、GROOVEに関してはHipHop系の特集があれば購入してた感じでした・・・当時としては、ちょっと敷居が高かったイメージがあります??

 ただ、私自身も大人になった「後期」のころは、自分の音楽趣味や知識が広まったことと、GROOVE自体も「カルチャー誌」的な視点が加わったことから、広義の意味での「DJ/クラブ」を楽しむ為の唯一の雑誌として機能し、毎号毎号、楽しみに拝読をしていました・・・
 こういった音楽誌が軒並み休刊/廃刊になっていく時代の流れの中で、季刊誌という形態ながら、DJやクラブを愛する人たちの「心の支え」として機能していた点は非常に価値があり・・・今年の春の休刊で、最後の「柱」がなくなったことは大変残念です・・・


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 そんなGROOVEを称えるべく、今回の紹介に至りました・・・

 便宜上、先ほど紹介した「前期」と「後期」に分けて紹介をしますが、バックナンバーを今から読み返す・・・いや掘り返しても、大変面白い雑誌なので、その辺がフォローできるような紹介をしたいと思います。

 では、いってみましょう!

<注意点>
・一部の画像は、クリックすると参考程度に確認できるように画像を大きめに設定してあります
・号数に関する表記で、本来は「Winter 20xx」と誌面に書いてある号は、読みづらいので「20xx冬号」と表記しています






(2)前期 1994年~2001年春

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 まず、私の中では「前期」と呼んでいるGROOVEで、2001年春の一時休刊までのGROOVEを紹介します。

 この雑誌自体、初期は「Sound & Recording Magazine(サウンド&レコーディング・マガジン)」の増刊として刊行され、その後、人気を博していったことから、隔月化、月刊化と進んでいき、月刊だった1996年~2001年ごろまではかなり人気があったと思います。

 時期的にも、日本のDJ/クラブ文化の発展とリンクしている部分があり、世間での人気や需要にこたえる形で発行され、当時としてはなかなか情報が入手しづらかったDJ/クラブ関連の情報を全国の読者に届けていた点は、大変重要だったと思います。
 この人気があった時期は、なんと渋谷/宇田川町近辺に編集室があったそうで、渋谷で起こった情報をダイレクトに入手し、それを誌面化してた要素もあったようです・・・一見するとビジュアルが強い誌面ですが、かなりコアな情報も多かったのは、この「地の利」の部分があったからかもしれないです??

 では、実際の誌面から、この頃のGROOVEの特色を紹介していきたいと思います。



①雑誌の方向性 「特集型」について

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『1997年4月号』

 個人的には、この号が初めて購入したGROOVEで、私の中では「マスターピース(=神?)」な号として、今でも手放せない号になります!!
 表紙の通り、なんと「Buddha Brand」が表紙なHipHop特集号で、当時はホント熟読した号になります・・・うん、凄い読みました(^^;)


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<Buddha Brand インタビュー>

 当時のGROOVEは、時期によっても多少方向性が変わるのですが、当時は割と「音楽誌」的な誌面作りで、あるアーティストを大きく取り上げ、そのアーティストに関連する音楽ジャンルを「特集」として掘り下げていくような誌面構成でした。

 たとえば、このBuddhaの号であれば「HipHop特集号」とありますが、実質的に「日本語ラップ」が中心で、Buddhaのインタビューが大きく掲載されつつ、ECDやT.O.P.Rankaz(!)、Naked Artz、Sugar Soulなどのアーティストインタビューや様々な特集記事が組まれており、中々のボリュームになっています。
 他誌と比べると、判型自体が大きいこと(A4変形)と、カラーページが多かったことから、写真などのアートワークを中心にすることが多く、どちらかというとインタビューなどの文字部分は2番目にくる感じでした・・・

 当時の私は、熱心な日本語ラップファンだったので、GROOVEもその視点で読んでいた(買っていた)のですが・・・当時のGROOVEは、今思い返してみると「クラブミュージックの総合誌」を狙った部分があったと思います。

 当時の専門誌の状況をひも解くと、HipHopやR&Bといったブラックミュージック寄りなのは「FRONT(Blast)」と「Black Music Review(BMR)」、HouseやTechnoといったクラブミュージック寄りなのは「Loud」や「remix」などがあり、それぞれ「ある音楽ジャンルに特化」した雑誌が中心でした。

 これは、当時は残念ながら読者側で「壁」をもっていた部分があり、ある特定のジャンルしか興味を示さない状況だったので、各ジャンル別に雑誌があった(=ジャンル別でないと売れない)時期だった特徴かもしれません・・・
 この点は、書きぶりによっては縦割り的なイメージで悪く捉えられるかもしれないですが、むしろ、そのジャンルの中だけで熱く発展させる効果があったので、日本においては結果的に大成功な方式だったと思います。


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『左 1998年10月号』   『右 1998年8月号』

 ただ、GROOVEに関しては、スタンスとして「クラブミュージック」という視点の元、幅広い視点で様々なジャンルを取り扱う姿勢があったのですが・・・雑誌の売れ行きを考えると、どうしても総合誌としては売れずらい部分があったので、ここで取り上げたBuddhaのように、各号ごとにジャンルテーマを設ける方法論が根付いたのだと思います。

 気付いてみたら、HouseやTechnoの特集が組まれている号をまったく持っていないので、微妙に参考にならないですが、左のKrushさんが表紙の号では、Krushさんが代表となる日本人HipHop系クリエイターを紹介しており、DJ Kenseisさんのインタビューや、各クリエイターのホームスタジオ紹介&インタビューが特集として組まれています。
 また、右のMISIAであれば、人気を博し始めた「Japanese R&B」を特集として取り上げており、短いインタビューながらSugar SoulやACO、渋いところだとMasayo Queenなどを紹介しています・・・

 もちろん、誌面を深く読めば、総合的に各ジャンルを取り扱っており、毎号、必ず各ジャンルのニューリリース・アーティストに対するインタビューを掲載して、総合し的なスタンスをとってはいましたが、全体をみると、やはりワンテーマ推しな姿勢が強かったと思います。

 それこそ、悪い表現にはなってしまいますが、とにかく「表紙」でこの号の特集を前面に出し、その特集に興味を持った人に買ってもらう方向性が強かったと思います。

 実際に、私も先ほどのBuddhaは、本屋さんで見かけて、GROOVEという雑誌があることも知らずに買ったぐらいで・・・当時としては、毎号買ってた人は少なく、私のようにあるジャンルに特化した号を単発で買う方が多かったような気がします・・・
 また、掲載傾向としては、日本語ラップを含むHipHopはそんなに頻繁に特集はされず、むしろTechnoやHouseの方が強い雑誌だったという認識があります・・・みなさん、どうですか??



②マニアックな視点

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<求道者DEV LARGEが残した足跡> 1997年4月号

 そして、話を引き続き1997年4月号から展開しましょう・・・

 当時の印象としては、かなりビジュアルが強い雑誌だったイメージがありましたが・・・個人的にはそうは考えてなく、むしろ「マニアック」な雑誌だと思っていました。

 たとえば、Buddhaのインタビューであれば、ページ数は4ページで、割と写真を中心にしているので、文字数は多くはないです・・・これがFRONTだと、読むのが大変な量になっています(^^;)

 ただ、故Dev Largeさんの協力で、画像のようなDLさんが作成したアートワーク一覧のページがあり、こういったのを載せる姿勢がマニアックです・・・・
 記事を深く読むと、日本語ラップマニアなら感涙で、発電所が青と緑を抑えている他、販促用のシールも掲載しており、大変熱いです・・・ドマニアックな指摘を入れると、休日のジャケが本チャンと少し異なっている(背景が黒い)のが激熱です!

 この企画を考えると、DLさん自体がかなり協力的だったのは明白で、写真でも、自身の手にDLタグを書いている(別写真だと分かりやすいかな?)のにもグッとくるのですが・・・こういうマニアックなことを載せる姿勢がイイですね!

 なお、この号では、Rhymestarの宇多丸さん(当時はMC Shiro)を、あえてライター「佐々木志郎」としてインタビューをしてたり、ドマニアックな日本語ラップの歴史の変遷表やディスクガイドが掲載されてたり・・・日本語ラップにおいては、ある意味、FRONT以上のマニアックさを見せていました!


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<Ultimate Breaks & Beats All List> 1997年4月号

 そして、日本語ラップからは離れてしまいますが、この記事も相当マニアックですね・・・1997年4月号が「神」だったのは、むしろこの記事があったからかもしれません。

 これは、HipHopのDJなら知らない人はいないであろうアナログ盤「Ultimate Breaks & Beats」の曲名とアーティスト名を網羅したリストで、当時としては衝撃なリストでした!!
 作成者はHouse系DJで有名なDJ HiraguriさんとINDOPEPSYCHICSのNIKさんで、このリストページ以降は、実際の曲を収録したレコードを写真付きで紹介しています・・・今でも超参考になります!

 Ultimateを知らない方もいるので、少し紹介をすると、HipHopのサンプリング元となるドラムブレイクが入った曲(=Break Beats)を集めたコンピレーションで、ある意味「HipHopの元」となる曲を集めた内容になり、収録曲のドラムブレイクを2枚使いすることでHipHopが生まれたと言っても過言ではありません。

 そのため、HipHopのDJであれば、このレコを2枚買って常備しておくことは必須も必須なのですが、このシリーズは、ジャケには収録曲しか書いておらず、誰の曲なのかが一切分からない仕様になっています・・・
 なので、このリストではアーティスト名も掲載し、そして親切にその元レコまで載せているのは大変画期的で、聞いた話だと、このコピーが海外にも出回ったとも聞いています。

 私としては、このリストがあったから「HipHop」が、いや「DJ」が本当に好きになったと思っています!

 このリストを読んだことで、Ultimateの存在に興味をもち、速攻でUltimateを2枚買い、2枚使いをし始めDJの技術としての部分を学んだことに加え、HipHopがこういった曲を用いて、自分たち流にアレンジした音楽だということを体で覚えたのは大変価値がありました・・・
 また、やはり収録曲にも興味を持ちはじめ、オリジナルのレコードを「掘る」ことも、このリストに刺激された部分はあるかも知れません・・・実際にUltimateに収録されている曲のオリジナルを買い始めたのは近年ですが、HipHopなりDJの精神性である「掘る」という意味をこのリストから学んだことは疑いがありません!

 マニアックな点は、どちらかと言うと後で紹介する連載ページだったり、この前期の最後の方の号だったりするのですが、こういうリストを作っちゃう姿勢は大変重要ですね!!



③ 付録CDについて

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 そして、この時期のGROOVEといえば「付録CD」を思い出す方が多いかと思います!!

 GROOVEは、なぜか毎号、写真のような形でCDが同梱されており、他誌にはないセールスポイントとして機能をしていたかと思います。

 基本的には、その号の特集にリンクした内容に加え、インタビューがあったアーティストの音源が視聴用でついていたり、読者からのデモ曲投稿コーナーがあったので、そこに応募された曲で良かったのが入っていたり・・・割と「ごった煮」な感じだったと思います?

 正直、どちらかというと「資料」的な要素が強かったので、リスニングに耐える「おまけ」的な意味合いは少なく、私も当時から全然聞いていなかったです・・・むしろ、封さえ切ってない号もあります。
 ただ、他誌にはない試みなので、結構、GROOVEとしては推していた部分があり、このCDを活用して様々な企画が設けられていて、今考えてみると、かなり「面白い」企画もあったと思います!!


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<Hip Hop Track Making - Rock Tee> 1997年4月号

 そんなCDですが、一番活用されていたのが「トラックの作り方」などの機材系の記事での活用だと思います。

 引き続き1997年4月号(写真のCDもこの号です)からの紹介ですが、この号では「日本語ラップ」が特集だったこともあり、特集の後半では、なんとRock-Tee氏による、HipHopのトラックの作り方を紹介したページが設けてあります。

 誌面では、サンプラーであるMPC2000を用いて、サンプリング用CDから抜いた音をサンプリングし、ドラム・ベース・上ネタを作り、トラックとして組んでいく過程を紹介しており・・・文字と写真だけでは伝えきれない内容、つまり「音」をこのCDに入れて副読本のような活用をしています。
 例えば、サンプリングCDに入っているデモのドラムループを抜いたけど、そのまま使うのは面白くないので、エフェクトをかけた音を載せたり、そのドラムループにキックなどを足した過程を収録したり、最後に声ネタ(Kreva!)を入れる過程を紹介したり・・・誌面で文章化されているトラック制作で出来た「音」を紹介することを行っています。

 まあ、これだけ聞いても全然面白くないのですが、トラック作りに興味をもっている人にとっては大変興味がある内容ですね・・・それこそ、YouTubeも、トラックを作る教則ビデオもなかった時代なので、こういった内容を入れている点は、サンレコが母体である証拠かもしれないです。
 特に、次の機材の部分ともリンクをするのですが、他の号では、新しい機材を用いて、有名DJやプロデューサーが作ったデモ音源などが入っており、GROOVEらしい活用をしていたな~と思います。


 なお、この号では、DJ WataraiさんとDJ Okuboさん(今は弁護士さんですね!)によるスクラッチ実演音源が入ってたり、DJ Tatsutaさんによる特別デモ音源(Adjustment Sampler)が入っていたり・・・今となってはレアな音源が多いかもしれないです。

 このCDに関しては、私はあまり興味がなかったので、記憶が薄いのですが、特別な音源や未発表な音源が入っていたりすることもあり、掘り起こしをしてみるのも面白いかもしれないですね・・・
 他の号では、リップスライムのDJ Fumiya氏による未発表インストが入ってましたよ・・・さりげなく、日本語ラップマニアの心に油を注いでみました(^^;)




④機材の特集

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<沖野修也 meets Korg Electribe> 2000年8月号

 Rock-Teeさんのトラック実演にも近い話ですが、GROOVEの特色として「機材」を強くフューチャーしている点は見逃せません。

 最初の方でも紹介をしましたが、「Sound & Recording Magazine(サウンド&レコーディング・マガジン)」が母体の雑誌だけに、機材系の紹介は手厚く、これは他誌にはない強みになっていました。
 
 特に、新商品が出た時は、有名DJやプロデューサーに機材の使用感をインタビューしたり、先ほどのCDと連動して、その機材を使って作った音を載せたり・・・ある意味、この雑誌の「裏テーマ」だったりもしました。
 
 例えば、写真の2000年8月号では、新商品だったKorgのリズムマシーン/シーケンサーだった「Electribe」の紹介を、あの沖野修也さんが行っています・・・当時、Cosmic Villageとしてライブをしてた時、このElectribeを使用していたそうです。
 この時の特集では、福富幸宏さんがPioneerのエフェクターEFX-500を紹介していたり、ShakkazombieのDJ TsutchieがAKAIのサンプラーMPC-2000XLを紹介してたりし、沖野さんだけは音源はないですが、両者のはデモ音源がCDに収録されていました。

 読者としては、誌面では伝わりきらない内容、特に機材であれば「どういう音が出るか/鳴るか」が分かるし、その点を伝えたい機材メーカーとしても効果的に宣伝ができる方法なので、非常にwin-winな特集だったかもしれないですね。
 特に、有名DJやプロデューサーを起用することで、ある意味の「お墨付き」が出るわけですよ・・・これは雑誌だから出来ることかもしれないですね~


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<HipHopクリエイターの現場 - MURO> 1998年10月号

 また、機材系の話に近いのですが、母体であるサンレコでも名物記事な「クリエイターの現場紹介」も結構掲載されてて、1998年10月のKrushさんが表紙のHipHop特集号では、HipHopクリエイターのスタジオとインタビューが掲載されています。
 参考画像として、我らのMUROさんが自身のレーベル「Incredible Records」を始めた直後ぐらいで、ホームスタジオだった「Inside Out Studio」の内容が掲載されています・・・同号には、その他にD.O.Iさん、DJ Master Keyさん、Tsutchieさん、渋いところだとInovaderさん(!)などが人選されており、マニアックな所を攻めていますね(^^;)

 私も含め、クラブ系の音楽を「作る」ことを知らない方にとってはキツイ話題ですが、トラックとかを作っている人にとっては、あの有名プロデューサーがどうやって「あの音」を出してるのか?が気になるところだと思います。

 サンレコに関しては、ある意味で「音」という言葉では伝えにくいことを、雑誌として文章や写真で伝えていくことに熱意をもっており・・・この部分もその考えを引きついだ紹介記事だと思います。

 個人的には、GROOVEという雑誌を考えた時、この「あえて文章・写真で」という姿勢が強かったと思います・・・

 それが、どこまで本当だったかはアレですが、後期のGROOVEでの「DJの部屋」特集にしても、実はこういった姿勢があったからこそ、生まれた特集なのかな~と思う部分もあり、結構重要かもしれないです??



⑤連載記事

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<12inch Disc Review - 木村コウ>

 ①~④でGROOVEの方向性が分かってきたかと思います・・・見た目はヴィジュアル的で派手なイメージがありますが、実際は機材に強いマニアックな雑誌という感じでしょうか?(^^;)

 そんな、マニアックで、機材な部分が強く出てたのが、他にもなく「連載記事」だったと思います。

 まず、GROOVEの連載記事ついては、あまり一貫性がなく、補足しづらい存在でした・・・

 例えば、こういった音楽誌にありがちな「アルバム・シングルの紹介」であれば、かなり短い期間で掲載方法や掲載ポリシーが変わってて、先月と今月とで読み方が変わることもありました・・・
 なので、読者としては微妙に読みづらく、私自身は凄く真剣には読んではいませんでした・・・

 ただ、やっぱり記事はマニアックで、その一つが12inchの紹介かな~と思います。

 全ジャンルのレビューを、そのジャンルごとの有名なDJに寄稿してもらう形で掲載しており、Houseであれば参考画像のように木村コウさんが長く担当をされていました。
 その他であれば、HipHopはDJ Tatsutaさん、TechnoはQ'heyさんなどが担当し、今読んでみると、結構マニアックなことが書いてあり、流石ですね!!

 クラブ系の音楽を取り扱った音楽雑誌として、この「レコードの12inch(=シングル)」って結構厄介な存在なんですよね・・・

 なぜなら、無名なアーティストでも曲が良ければヒットするので、その音楽の知識がないと書きづらかったり、シングルが故に、発売時期と掲載時期がズレてしまい、作品紹介の鮮度が保てない(=発刊された時はシングルが廃盤になってるとか)部分があったり・・・意外と力が入れづらい部分だと思います。
 
 GROOVEも、すごい力は入れていなかったかもしれないですが、他誌と比べると、有名DJの協力や、実際のアナログ販売店の協力を得て、情報を「濃くする」という方法で、なんとか成立させており・・・そのあたりは、GROOVEが持つ「マニアックなスタンス」が生きた部分かな~と思います。


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<D.O.I.'s Work Shop>

 そして、一般的な連載記事も、名物連載みたいのはなく、割と短期間で終わってしまう(または鞍替えしちゃう)のが多かったですが、やっぱり「機材」系の連載は力を入れていたかな~と思います。

 例として、HipHop系有名エンジニアである「D.O.I.」さんによる連載を紹介しますが、この連載は結構おもしろかったですね!

 D.O.I.さんと親交のあるHipHop系有名プロデューサーとの対談がメインで、画像はTsuchieさんとSP-1200の話をしています・・・内容は相当濃く、機材のことが詳しくない方だとついていけません(^^;)
 これ系の連載だと、ColdfeetのWatsuiさんによる連載も濃かったし、他にも機材系の連載は濃い(マニアック?)なのが多かったと思います。

 ここで気づくのもアレですが、異様にTsuchie(つっちー)さんが登場しますね・・・日本語ラップグループ「Shakkazombie」のトラックメーカーで日本語ラップが詳しい方でないと知らないですよね?

 う~ん、Tsuchieさん自体は雑誌取材などに出ることが少ないお方なので、Tsuchieさんには大変失礼な話かもしれないですが、GROOVEという雑誌は、実は「裏方」にスポットライトを当てていたことが分かる実例かもしれないですね・・・
 流石に、この裏方を特集の中心にすることは行っていないですが、母体であるサンレコの意思をくみ取り、連載という地味なページでは裏方に焦点を当てていたのかもしれません・・・・



⑥前期 最後の爆発力

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 そんなわけで、前期のGROOVEは、上記の2001年5月号で休刊になり、前期の幕を下ろします・・・

 休刊の話は、かなり突然で、当時は「なんで?」と思った方が多いかと思います・・・
 
 時期的にもクラブミュージック/DJ市場が上り調子だった中で、音楽誌の売り上げも結構良かったはずなのですが、突然の休刊・・・私も当時、かなりビックリしました。
 明確な理由は分からないですが、今回、改めて考え直してみると、他誌がその音楽ジャンルに特化した「専門誌」だったのに対し、GROOVEの「総合誌」的なスタンスに限界が出てきた・・・そんなところなのかな~と思います。

 ただ、その「総合誌」的なスタンスは、最後まで胸を張って主張しており・・・むしろ、前期のGROOVEにおいては、最後の方がボム企画が多く、強烈な「最後っ屁」を残して休刊をしました!!


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<Rare Groove Disc Guide by 岩沢洋一、手与木隆平>

 その最後っ屁の象徴が、最終号の「レアグルーブ特集」で、これは本当に価値のある号でした!!

 GROOVEの特色として、各号で「特集」を組む方向性があったことを伝えましたが、従来は各音楽ジャンルに特化した特集(HipHopならHipHopみたいな感じ)を組んでいましたが、最後の1年ぐらいはより深い特化の仕方をしていました。

 例えば「FUNK」とか「サントラ」、そして示した「レアグルーブ」など、どちらかというと「サブジャンル」的な部分で特集を組んでいました・・・

 ただ、この中において、重要なのが「アナログ」という視点を強く推し進めた点があります。

 どの特集も、その特集に関係するアーティストへのインタビューが掲載されつつ、アナログを前提にしたディスクガイドが同時に掲載されているのですが・・・インタビューもガイドも超強力です!!

 例えば、このレアグルーブ特集だと、ただでさえ分かりづらいジャンルなのを考慮し、関係者へのインタビュー(小林径×荏開津広ん、小西康陽×須永辰緒、Norman Jay、Keb Darge・・・)を掲載することで、このジャンルの歴史と趣旨を明確に語っています。
 レアグルーブほど「アナログ」に特化したジャンルはなく、その精神性(掘るなど)も紹介している点は素晴らしですね・・・

 そして、その最も分かりやすいのが「ディスクガイド」で・・・これが強力すぎます!

 掲載したのは「虎の穴」としてスーパーレアな作品を紹介しているページなのですが・・・2001年の時点で、これだけ紹介していた(掘られていた)事実にビビります!!

 リストは、FUNKやModern Soulのコレクターとして有名なBEAMSの岩沢さんと、当時はまだ本名名義だったRyuhei the Manさんで、掲載したページだけでも、Soul ExpeditionやRicardo MarreroのTSG盤など、鬼レアなのが掲載されています・・・
 象徴的な一例では、今となってはレアグルーブの最も頼れるディスクガイドである「Rare Groove A to Z」の執筆陣が、この号を読んでさらに掘りを深めていった経過があったそうで・・・かなり濃く、影響力があった特集だったと思います!


 前期GROOVEの最後の方(背表紙が青か黄色)は、ほんと強力な記事が多く、今でも資料価値は大変高いと思います・・・

 考え直すと、総合誌的なスタンスがある「GROOVE」として出来ることを考えた時、その最終手段として「アナログに特化したドマニアックな特集」を出して、人気回復を狙ったのかもしれないですが・・・それが裏目に出て休刊になった部分もあるかも知れません。
 つまり、ドマニアックがゆえにマニアしか買わない構造があり、記事としては非常に優秀だけど、読者がついてこなかった・・・そんな理由で休刊になったのかもしれないですね??

 ただ、その「アナログに特化したドマニアックな特集」というスタンスは、約3年後の「後期GROOVE」で花開きます・・・





(3)後期 2004年秋~2015年春

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 次は、後期編です・・・こちらのGROOVEの方が思い入れが多い方が多いかも?

 私個人としても、この後期の方が愛読していた部分は強く、いつも発売日を楽しみにしていた記憶があります・・・
 なので、今年の春、突然の休刊宣言には涙を流しました・・・みなさんも、そうですよね!!

 今回、改めてGROOVEという雑誌を考えると、この後期は前期のGROOVEと断絶している存在なのかな~と思っていましたが、それは間違いで、実は前期から続いている「GROOVEイズム」をしっかりと引き継いでいました!

 それは、言うまでなく「マニアックなスタンス」「機材愛」「アナログ愛」などになりますが、これらを写真を中心に構成した「ヴィジュアル力」とうまく掛け合わせ、読者のライフスタイルや文化に訴えかける内容に「進化」させた点は素晴らしかったと思います!!

 では、以下でランダムに後期GROOVEの魅力を紹介したいと思います!



①突然の復活

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『左 2003年秋号』     『右 2004年夏号』

 まずは復活をした経緯から紹介します・・・タイトルで「突然」と書きましたが、一応、伏線があります・・・

 2001年4月に前期のGROOVEが休刊して以降、発行元のリットーミュージックとしては、DJ/クラブ系の本や雑誌から少し離れてしまった部分もありましたが、世間のDJ人気に連呼して、得意とする機材系のムックや教則本をチョコチョコと出していました。

 ただ、その世間からの需要を応えるとなると、単発のムックなどでは求心力が無いと感じたのか、2003年夏に前期GROOVEの流れをくんだ「GROOVE」という名のムックを単発で発売することになりました。
 
 このムックは、結果的に2003年夏から3カ月ごと(年間4回/季刊誌)に発行され、計5冊が発行されており、実質的にGROOVEが復刊した形になります。
 まあ、結果的にこのムックがあったことで、後期GROOVEが誕生したのですが、このムックについては前期GROOVEの内容を踏襲した誌面になっていました。

 内容としては機材関係を大幅にフューチャーしつつ、新しい機材の紹介や使い方に大きくページを割いており、当時としては「機材本」として認識をされていたかと思います。
 そのため、当時は「復活」と言われてはいましたが、私としてはピンとはこなく、まるで「GROOVE」というブランドを利用しただけの本だな~と思い、完全にスルーしていました・・・値段も2000円近くしてたのもありますが、正直、これが「復活」だとは思いませんでした。

 ただ、深く読むと、GROOVE的なマニアックなスタンスは健在で、2003年秋号では、Rolandの名ドラムマシーンである「TR-808」「TR-909」の特集があったり、テクニクスのタンテを改造してピッチ幅を広げる方法(!)を紹介したり・・・流石です!


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『2004年秋号 ターンテーブルがある生活』

 そして、2004年の秋、後期とされるGROOVEが登場します!

 表紙からして明らかにこれまでのGROOVE(前期)とは異なり、これまでの機材寄りの誌面や、CD付きの体制をやめて、大幅にリニューアルをした内容が後期になります。

 本の仕様なども含め、様々な部分で変更がなされ、もはや今までのGROOVEとは異なる雑誌です・・・なので、私の中では、2004年秋以降のGROOVEを「後期」としています。

 発行ペースは、ムックの発行ペースを引き継ぎ、年4回の季刊誌(春、夏、秋、冬)としての発行ペースでしたが、結果的に2015年春まで都合10年以上発行してて、合計43号のGROOVEを世に送り出しました。
 ただ、引き続きというのでしょうか、毎号毎号で異なる話題を「特集」する方向性は前期と変わらず、次の号が何を特集するのかを楽しみにしながら待っていた記憶があります!


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<DJの部屋 Toshiyuki Goto> 2004年秋号

 大幅なリニューアルをしたのは、当時としてはCDJやデータでのDJが普及し始め、DJをすること、そしてDJという存在自体が一般化したことを踏まえ、ライトな視点からDJ/クラブカルチャーの魅力を紹介するために変更を行ったそうです。

 実際にリニューアル後の第1号では「ターンテーブルがある生活」という特集の元、人気DJなどの自宅DJスペースを紹介する内容になり、文字ではなく写真を全体的にフューチャーした内容になっています。
 参考として、この号の表紙にもなっていたHouse系DJ/Producerである「Toshiyuki Goto」さんのお部屋を・・・この「DJの部屋」の特集は、後期GROOVEの代名詞とも呼べる特集で、好きだった方も多いですよね~

 そして、リニューアルをしたことで大きく変わったのはその掲載方法で、前途した通り、写真が大々的にフューチャーされ、どちらかというと「ビジュアル」で内容を訴える方向性になっています。

 この「ビジュアルで訴える」編集方法は、一貫して後期は貫かれており、私を含め、皆さんもこの路線が好きでGROOVEを購読されていた方が多かったかと思います・・・
 それこそ、この「DJの部屋」もそうですが、これ以外の「DJのバックの中身」や「DJのコレクション紹介」「DJの選曲紹介」などでこの路線が活用されており、前期のGROOVEと比べるとだいぶナンパな感じになったかもしれません??

 これは分からない話ですが、後期にリニューアルする直前までに発行していたムックでは、「DJ機材」という題材を、今までの流れをくんだ「実用的」な方向性で紹介をしていましたが、この方法に限界を感じたのか、それで路線を変えたのかもしれません・・・

 この路線変更、私もなんとなくですが頷ける部分があります・・・

 発行の時期を例に、GROOVEの読者層のことを考えると、90年代末から00年代初期の前期GROOVEの頃は学生や若者が中心で、ターゲットとして「真剣に音楽を追い求めている」層を中心にしていた部分があったと思います。
 しかし、それらの学生や若者は、次第に大人になっていき、就職などをして「DJ」の接し方が変わります・・・つまり「DJをする」というよりも「趣味としてDJという文化を楽しむ」という方向性に変遷していました。

 私自身がまさにそうかもしれません・・・
 
 私は、2002年春に大学を卒業し、晴れて社会人になったわけですが、社会人になった初期は「DJなりレコードをどう楽しむか」が分からなかった時期がありました。
 それは、社会に出て、時間がなくなってしまったことや、学生気分が抜けたことなどが大きく、それまで時間をかけて作ってた個人的なミックステープ作りや、頻繁にレコード屋に行くことができなくなり、結構悩んだ時期でした・・・

 結果として、私については「DJなりレコードをどう楽しむか」ということを「趣味」として位置づけ、うまく生活に刷り込まして行く方向で解決し、だいぶ紆余曲折をして今に至っていますが・・・GROOVEの方針転換もその「購読者の生活の変化」に合わせた部分があったのだと思います。

 その中で、凄い実用的な固い内容では響きづらい部分があり、それこそ「DJルーム」という読者の生活に馴染む内容を一発目にしたのは象徴的かもしれないですね・・・
 就職して社会人になり「DJ」になることは出来なかったけど、かっこいい「DJルーム」で生活をしたい・・・そんな需要を補完する狙いで特集されていたのかもしれません。

 つまり、まとめると、後期のGROOVEは、前期よりもライト視点というか、DJを生活の一部として楽しむ「ライフスタイル誌」としてのGROOVEにリニューアルをさせたのだと思います。

 ただ、以下で詳しく紹介しますが、そこにはGROOVEらしい「マニアックな視点」も多く含んでおり、むしろ、そのマニアックさをカジュアルに取り扱った点が非常に大きいです!!

 以下では、後期のGROOVEで企画された印象的な特集を紹介し、その魅力や特色を紹介します!!



②DJの部屋

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『2006年秋号 DJのレコ棚が見たい!』

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『GROOVE presents DJの部屋』(2012年9月)

 まず、先ほども触れましたが、この「DJの部屋」はGROOVEの代名詞な特集ではないでしょうか?

 この特集は、国内外の有名DJやプロデューサーの「部屋」を紹介する内容で、DJに興味のある方なら絶対に興味を引く内容だったと思います。

 以前にも「DJ・レコード関連本 部屋本特集」という記事で紹介したこともありますが、私自身もかなり好きな特集でした。

 なんでしょう、そのDJの「頭の中」を覗けるみたいな意味合いがあり、どんなレコードを持ってるかとか、どんな機材を使っているのかとか・・・そのDJの人柄や趣味を知る上で明快な特集で、読んでいる方としてもかなり楽しめる内容だったと思います。

 うん、GROOVEって、やはり力を入れていたのは「DJ」という存在を紹介することだったと思います。

 DJというと「単に曲と曲をつなぎ合わせて、聞いている人を楽しませる」存在なのかもしれないですが、その奥深い「面白さ」「多様さ」を力強く紹介していた点は非常に大きいです。
 それこそ、この部屋紹介もその一つだし、DJがクラブでプレイした曲の紹介(選曲解剖)や、現場にもっていくレコードバックの中身の紹介など・・・DJという存在の面白さを多角的に紹介しており、もはや、雑誌としての使命感を感じます。

 なお、この部屋特集は人気な特集だったことから、かなりの頻度で特集され、2012年には今までの特集をまとめた特別本(写真下)も発行され、GROOVEとしてはかなり力を入れていた特集になるかと思います!


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<MUROさんの部屋 2012年>

 そして、部屋特集については・・・我らのMUROさんが4番バッターとして最多出場されており、登場するたびに驚愕をさせられました!

 参考画像として2012年の特別編集版が刊行された時のお部屋(2012年)を掲載しますが・・・そのセンスの良いレコードと調度品、そして膨大な量のレコードなど、見ているだけでヤラれます!!

 MUROさん自体、レコードの所持量はもちろん、掘るという視点/姿勢から集められた様々なグッズが大量にあるわけですが・・・それらが雑多でありながら、センス良くまとめられているところは、ファンとしてはたまらないです!
 上記のお部屋であれば、1枚目では、MUROさんの横にあるレコ棚が「変な顔」のピクチャーディスクでまとめられていたり、2枚目の恐ろしい量のレコ棚(6畳の部屋に回廊式に組まれている)には圧倒されたり・・・とにかく「MUROさん、すげーよ!」となる内容が多かったです!

 なんでしょう、この部屋特集って、読んでいる人の「憧れ」を補う部分が強かったと思います・・・

 実は、この「憧れを補う」という点は、後期GROOVEにおいては重要なキーワードで、これが「ライフスタイル誌」と言える根幹になる部分だと思っています。

 部屋特集については、人よりもカッコいい部屋に住みたい/作りたいけど、収入や生活環境が原因で住むこと/作ることができない・・・だけど、いつかは「住みたい/作りたい」という憧れを補っている部分があり、他の特集でも、これに近い補完の仕方をしているかと思います。
 また、広い意味でDJを題材に「生活を楽しむ」部分を提案している内容でもあり、DJは実際にしなくても、DJに関わる「文化」を楽しんでいくという点を分かりやすく紹介しているかと思います。

 なお、かなりビジュアル的にも分かりやすい構成にしていますが、写された内容は相当マニアックなのも多く、マニアックな内容をカジュアルに見せていた点もポイントです!!



③レコード関連の特集

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『2009年夏号 レア盤を巡る物語』

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『2008年秋号 レコ屋の名店を求めて』

 そして、②のレコ部屋を発展(=クローズアップ)した話題になるのかもしれないですが、いわゆる「レコード(アナログ盤)」に関する特集も大変多く、こちらも楽しみにしておりました!

 大きく分けると「レコード盤」と「レコード屋さん」の紹介に大別されるのですが、アナログ馬鹿な私としてはタマらない内容で、これ系の特集も大変楽しみでした!!

 まず、先に背景を紹介しちゃいますが、このレコードに関する特集は「購読者のニーズ」に合わせた部分なんだと思います。

 この後期の紹介の最初で、購読者の状況が変わったことにより誌面の方向性を変えたのでは?と指摘しましたが、それは、読者が「大人」になり、レコードなりDJを「趣味」としてでしか取り扱うことができないことを意味します。

 私がまさにそうですが、実際にレコードは今でも買っていますが、それをDJプレイの為に買うことは一切ありません・・・もはや「好きだから買っている」でしかなく、それは「趣味」でしかありません・・・私と同世代だと絶対にそうですよね??
 つまり、そのレコードなりDJを「趣味として続けている人」が多く、そういった人でない限り、GROOVEのような専門的な雑誌は買わないので、雑誌を売るためにその「趣味」に連呼する部分(=購読者のニーズ)に響かせる特集が必要なので、こういったストレートな特集が必要だったのだと思います。


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<カット・ケミスト 入魂の掘り12選> 2007年秋号

 では、実際の特集を紹介したいと思います!

 内容的にはいろいろとありましたが、一番多かったのが「DJがチョイスしたレコードの紹介」で、レア盤の紹介や珍盤の紹介など、様々なレコが紹介されており、大変面白い内容でした!
 傾向的にはGROOVEの伝統(?)であるマニアックな姿勢を維持しつつ、ビジュアル面での意識が加わり、凄い分かりやすい内容になっていたのは流石です!!

 そして、この部分でも、我らのMUROさんが独走状態ともいえますが、MUROさんばかりもアレなので、参考としては上のカット・ケミスト大先生のチョイスを紹介します・・・

 このレコ紹介は、国内・国外を問わず、有名DJが多数登場し、参加した方は「手抜きなしの紹介」をすることが多かったと思います。
 カット・ケミストに関しては元Jurassic 5というよりも、世界屈指のレコードディガーとしての方が有名で、この12選でも韓国やエチオピアといったオルタナティブな国のレコを紹介しつつ、Beat Popのオリジナル盤(!)や、T-La RockのIt's Yoursのテストプレスでプロデュースしたリック・ルービンの学生寮の電話番号が入っているレコなど・・・強烈です(^0^)

 ただ、このクラスになると、その入手方法が素晴らしく、カット・ケミストがチョイスしたIt's Yoursは、このレコを持っていた友人が亡くなってしまい、その友人の彼女が貸倉庫の家賃を捻出するためにレコードの一部を手放すことにしたのを、こういった貴重なレコードは持つべきなのは本人かその友人しか持つべきではないと判断し、カット・ケミストが高いお金を出して手に入れたそうです・・・男を感じる素晴らしい話ですね!

 こういった特集は、参加するDJ達もかなり真剣に参加をしている部分に加え、その真剣さを理解し、ダイレクトに誌面に起こしている編集側の力量があっての特集だと思います!


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<レア盤を巡る物語 D.L×尾川雄介> 2009年夏号

 そして、その最たる例が、2009年夏号の故Dev Largesさんと尾川雄介さんの対談になるかと思います・・・

 この特集は、いわゆる「レア盤」に焦点を合わせた特集で、DLさんがもっているFunkの屈指のレア盤(画像で両者がもっているレコ/East of Underground)を、尾川さんが欲しかったので、DLさんが欲しかったレコード(Billy Wooten)と交換した話を対談形式で紹介しています。
 いわゆる「レコード・トレード」で、レコードの物々交換と言えばいいのでしょうか・・・背景としては、あるレベルのレア物になると、持っている人がお金を積んでも放出しないので、その持っている人が欲しいレコードを出すことで譲ってもらう方法を、このことを誌面で紹介した内容になります。
 
 詳しい詳細は誌面に譲りますが、「掘る」という行為を見事に描いた対談で、目から鱗な内容です・・・

 私も、このブログを通して「掘る」という行為の面白さや大切さを伝えていますが、ここまで愛に満ち溢れた経緯や内容は表現することができません!
 個人的には、DLさんの遺作となったミックスCD「Freedom Jazz Funk Mellow Storm」の最後で、ここでトレードされてDLさんの手元に渡ったBilly Wootenがプレイされたことにグッときます・・・レコードの輪廻転生を感じます・・・

 先ほどは「真剣さ」という言葉でまとめましたが、その真剣さの根幹には「掘る」があります。

 この文化を考えた時、掘るという行為はホント大切なことで、掘るということを理解、いや、掘ることを愛することが一番大切だと思います。

 GROOVEにおいては、ほんと、この「掘る」ということを理解していた点は凄い大きいと思います!
 それが誌面に生きていたのは明白で、楽しみながら読んでいましたが、気付いたら「掘る」ことを更に鍛えてくれた部分もあったかと思います!


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<レコ屋の名店を求めて 福島Little Bird、水戸Vinyl Machine> 2008年秋号

 そして、もう一つの方向性として「レコード屋さん」の紹介も頻繁に行っており、これも面白い特集が多かったです!!

 例えば、2008年秋号では、全国にあるレコ屋の名店を紹介しており、福島のLittle Birdさん、水戸のVinyl Machineさんなど、地方にある素晴らしいお店を紹介しており、凄い刺激を受けました!

 私は都内に住んでいるので、近くにユニオンなどの素晴らしいレコ屋さんがあるのですが・・・地方のレコ屋さんは、また違う魅力があり、私個人としては地方のレコ屋さんに行くのも大変好きです。
 個人的にも、GROOVEで紹介された地方のレコ屋さんに興味を持ち、ちょうど仕事で地方出張が増えた時期と重なり、イケるタイミングがあれば紹介されたお店に足を運んだ経緯があります・・・Little Birdさんも福島に出張の際に訪問させていただき、店主のMarcyさんの気さくな対応と、お店に並ぶ驚愕のレコの数々にヤラれた記憶があります!

 このレコ屋紹介も「掘る」という部分につながるのですが、やっぱり「足を運ぶ」ことの重要さを示しており、GROOVEが本当に「掘る」ことを理解していた雑誌だったんだな~と思いました。

 それこそ、ネットが一般化し、レコードも通販で買えちゃう時代なのに、お店に足を運ぶことは、目当てのレコードを買うこと以上に「喜び」を与えてくれると私は信じています。
 GROOVEに関しても、この点を理解していたのでしょう・・・それも、紙で刷られた「雑誌」というメディアを使って、このことを力説しているのだから・・・なんか、グッときますね(^0^)



④クラブに関する特集

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『2010年夏号 人気イベントの秘訣』

 後期GROOVEでは「DJ」という存在を核に、「レコード」や「掘ること」などを題材に挙げていましたが、この「クラブ」という題材も重要なパートになるかと思います。
 
 クラブという存在を考えると、DJを「おこなう場所」であり、DJがプレイする内容を「楽しむ場所」であり・・・DJとお客さんが一体化できる場所ですよね・・・
 なんか、卵と鶏な話じゃないですが、DJとクラブは表裏一体な部分があり、無くてはならない存在です・・・

 ちょっと話はズレますが、私自身の話をすると、不思議なもので、学生自体はそこまでクラブには思い入れがなく、社会人になってからの方がお世話になっており、日ごろの鬱憤をはらすべく、タイミングがあえば今でも踊りに行っています。

 特に、クラブに行くと、DJがDJミックスをしているわけで、それは今となってはネットでも同等に近いものが聞けたりする訳ですが・・・クラブで踊りながらでないと聞けない/体験できない「音楽」があり、それが好きで通っています・・・
 このことを、言葉にするのはなかなか難しく、なるべくその素晴らしさを伝えようと、私が踊りに行ったパーティーは「ここで報告」していますが・・・その魅力を語るのはなかなか難しいですね。

 GROOVEに話を戻すと、その「特別な何か」が分かっていて、その特別さを伝えたく、クラブ関係の特集があったように思えます・・・

 クラブ関係の特集については、そのDJの選曲方法だったり、そのイベントの様子だったり・・・かなり多角的に紹介をしていました。
 特に、個人的に好きな姿勢が、その記事を読んだ人を「クラブに行かせる」ような特集の組み方をしてて・・・ああ、GROOVEが「クラブ」という存在を信じて、そして愛しているんだな~と思いました!


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<ピークタイムの勝負5曲! Masters at Work> 2007年冬号

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<選曲解剖 MUROさんの7inchセット> 2006年春号

 では、実際の記事をとして、クラブ系の部分を紹介したいと思います!

 まず、日本のクラブシーンを考えた時、海外の有名DJが来日してパーティーを開くことが多いですが、有名どころの現場は足しげく取材をしており、2006年の年末に奇跡的に行われたLouie VegaとKenny DopeのDJユニット「Masters at Work」のパーティーを取材し、ファンとしてはグッときますね!

 内容的には、これもよくあった特集で、有名DJが「どういう曲をプレイしているか」で、MAWに関してはピークタイムの5曲を紹介するという特集でした。
 この特集、どちらかというとDJをしている人向けの内容で、ピークタイムの盛り上げ方の「裏側」を知るのには最適でしょうね・・・DJのプレイを聞いて踊る側としても、結構興味深い内容で、クラブでの踊りをより楽しくするための知識を蓄える部分があったかと思います。

 そして、更に突っ込んだ内容として「選曲解剖」という特集があり、これも力を入れていたかと思います!

 この選曲解剖では、実際にクラブプレイをした曲を、流れに沿って詳しく紹介しており、更にマニアックな紹介を行っています・・・
 資料画像として紹介するのは、MUROさんがDJ Premierが日本に来日した時のセットで、MUROさんの代名詞でもある45セットを紹介しています。
 資料が拡大しても見づらいのは申し訳ないですが、2006年の時点でHipHopの45を使ってたり、楽勝でネタつなぎをしてたり、なんとソノシートで2枚使いをしてたり・・・MUROさんのDJプレイの全貌が分かりやすく紹介されています。

 この選曲解剖も、どちらかというとDJをしている人向けの特集で、ある程度、DJプレイやレコードの知識がないと厳しい部分ですが、ある意味で「教育的」な意図があったのかな~と思っています。

 教育と書いてしまうと、非常に片っ苦しいですが、おそらく「もっとクラブやDJを楽しもう!」という意図があった上での特集だったと思います。

 クラブという「非日常な場所」において、そこで行われるDJのことやクラブのことを少しでも知っていると、より「クラブが楽しめる」効果があると私は信じています。
 それは、私自身も経験してきたことですが、そこでプレイされる曲を知ってれば、プレイされた瞬間、ビックリして喜んじゃうし、DJプレイの仕組みを知ってると、そのプレイのレベルの高さが判断でき、そのDJの力量にヤラれたりします・・・

 この点は、おそらく、クラブに酒を飲んで皆で騒ぐために行っている人には伝わりづらい話かもしれませんが、クラブで「音楽を楽しむ」ためには、実は知識をつけることは大切で、GROOVEにおいても、この観点を意識してたところがあるのかな~と思います。


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<名クラブはこう作られる(eleven Openning)> 2010年春号

 そして「クラブに対する知識」については・・・いい意味で「マニアック」な方向にも進んでおり、マニアには御馳走な内容も多かったです!

 例えば、2010年春号では、ちょうど西麻布Yellowの跡地に出来た名店「eleven」のオープンとリンクして、そのelevenがどうやって作られていったかを詳細に記事にしています!

 eleven自体、残念ながら2013年の5月に皆に惜しまれつつ閉店をしましたが、私も大好きなクラブで、ちょうど私のダンス人生を鍛えてくれたクラブだと思います・・・
 オープンの際も、Yellowの血を引き継いだ本格的なクラブとして注目され、私もオープンウィークのTimmyのプレイも行っていたぐらい、当時としては注目されていたクラブでした。

 んで、実際の記事は・・・ほんとマニアックで、どんな日程で作られたか、搬入したシステムはどういう内容かなど、クラブで踊ることが好きな人でも必要のない情報が満載で、これもGROOVEらしいな~と思います。

 うん、やっぱりGROOVEって「マニアック」なんですよ!

 なんでしょう、このクラブの設備なんかの記事を読んでいると、母体になっている「Sound & Recording Magazine」の得意とする特集の組み方になっており、さながら「サンレコ・イズム」が働いた部分かと思います。
 例えば、どういう経路でDJプレイの音がスピーカーに流れるかを詳細に説明してて・・・たぶん、当時、GROOVEを読んでいた方でも、この部分は読み飛ばしたかと思います(^^;)

 ただ、私は・・・凄い勉強になり、より「クラブ」のことが好きになりました!

 Bな輩にしか通じない格言で「知識はほぼ万人を制する(Knowledge Reigns Supreme Over Nearly Everyone)」とあります・・・まあ、KRS-ONEの名前の由来なんですが、知識をつけることはやっぱり大切です!
 
 こういった「裏方」的な話は現場に行っても実は分からない部分があり、私についてはGROOVEで知ったことを現場で生かすことを繰り返し、今の自分があると思います。
 そんな音の出し方とかを知ってても意味がないよ!と思う方もいるかもしれません・・・ただ、その踊りに行ったクラブが、どれほど「音」や「ライティング」に情熱をもっているかを知るためには知識は必要になり・・・その情熱が分かった瞬間、さらに楽しく踊っている自分がいました!

 こんなマニアックな部分に反応しているのもどうかと思いますが、ドマニアックなことをカッコ良く紹介していたGROOVEは最高ですね!!



⑤DJ機材関連

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『2012年春号 デジタルDJのための知恵袋』

 そして、これが最後になりますが、GROOVEなので、やっぱり「DJ機材」に関する情報が充実していました!

 GROOVE自体、DJという存在/行為が一般化してきて、もっと生活に密着していくことを見越して誌面が大幅リニューアルした経緯があるので、DJをアクティブに楽しんでいこう!という意図が大きく、その矛先として、DJ機材の紹介や、DJのやり方に関する情報はかなり手厚く掲載がされていました。
 
 特に、DJ機材の流れ的には、プレイするソースが、アナログからCD、そしてデータへと移行していった流れがあり、それに連呼するように新しいDJ機材やDJの方法に関する情報は詳しく掲載し、DJ業界の「進化」についてもしっかりとフォローしていた流れがあったかと思います。

 それこそ、セラートといったコントロールバイナルの導入方法や活用方法は詳しく紹介し、これらを読んでデータでのDJに踏み切った方が多いかと思います。
 私自身は、一切データでのDJのことが分からない(アナログオンリーの馬鹿野郎なので!)のでアレですが、かなり分かりやすく、かつ具体的な内容を紹介し、変な話、安心して「データでのDJ」に切り替えた方が多いかもしれないですね??

 では、機材系の特集を紹介しながら、GROOVEに関する魅力を紹介したいと思います!!


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<新商品チェック with DJ Komori> 2011年冬号

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<ヘッドフォン 注目モデルの視聴 DJ Watarai×高宮永徹> 2012年春号

 まずは、定番と言えば定番の企画ですが、有名DJが新商品を試してみたり、機材を比べてみたりする特集です。

 こういった有名DJ/プロデューサーが機材を試して論評する特集は、前期のGROOVE時代からも行っており、もはや「伝家の宝刀」レベルな特集ですが、後期のGROOVEでも、頻繁どころか、毎号、必ず掲載があった内容になります。

 例えば、上の資料画像では、あのDJ Komoriさんが、データでのDJ(セラート)に適したDJミキサーのモニターをしています・・・こういった企画は、毎号、必ずミニ特集みたいな形でページが割かれており、参考にしていた方は多いかもしれません。
 また、ヘッドフォンやDJ針のように、同業他社の商品をまとめてチェックする企画もたまにあり、音にこだわりをもっているDJやプロデューサーが起用されることが多く、資料画像として載せた記事ではDJ Wataraiさんと高宮永徹さんが、各社のヘッドフォンを視聴して、その特性を論評する特集がありました。

 なんでしょう、その業界で「有名なDJやプロデューサー」を起用して、機材を紹介する方法論は定番中の定番ではありますが、後期のGROOVEの特徴としては、大変マニアックなことを語っているのだけど、なるべくカジュアルに紹介している点がポイントだと思います。

 それこそ、こういった機材の紹介って、全てではないかもしれないですが、実は機材メーカーより広告料をいただいて誌面化している部分もあるので、その機材の「魅力」を語ることが大切なんですよね。
 そのため、魅力を分かりやすく語る方法論として、具体的に文章に書くよりも、有名なDJやプロデューサーが「認めた」という一点だけあれば、ダイレクトに説得ができる要素があったので、こういった方法論が珍重されてたのだと思います。

 ただ、そこはGROOVEですよ・・・やっぱり書いてあることはマニアックで、特に機材に関しては「真摯な姿勢」が伺える部分が強かったと思います。

 これらの機材レビューでも、純粋な「よいしょ」はあまりなく、しっかりと各DJたちが評価した上での論評を出しており、参加した
DJも、そして編集の方も大変「真面目に」対応していたんだな~というのが分かります。

 特に、私自身がちょっと疎いので、あまり大きく紹介出来ないのでアレですが、データ系の機材の紹介については、かなり真摯に取り組んでいた姿勢があり、こういったDJ機材が実は性能ではなく「使い方」が重要なことを理解したうえで、しっかりとした記事や特集を組んでいたと思います。
 これらは、いわゆる「新人さん向け」なHow To的な部分も含まれますが、DJ機材が持つ「魅力」を真摯に伝え、その上で「楽しくDJをやろうよ!」みたいな意図が感じられ、根は真面目なんだな~と思ったりします!


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<追憶 Technics SL-1200> 2011年春号

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<レコード針 樽屋カードリッジ> 2014年夏号

 んで、GROOVEらしい「マニアックな姿勢」を代表するのが、上記の特集かもしれないですね~

 上は、ターンテーブルの代名詞である「Technics SL-1200」の生産終了を受けて組まれた特集記事で、2002年のDMCチャンピオンであるDJ KentaroさんがSLの魅力について熱く語っています・・・

 ちょうど、この間、DJ機材の変遷を紹介したところだったので、アレですが、DJ機材というのは、新しい製品やDJ方法が生まれる中で、どうしてもその生存競争に残って行けず、去ってしまった機材も多くあります・・・
 そういった機材は、去ってしまった時点では過去の産物なのかもしれないですが、実は歴史をひも解くと、ものすごく重要な機材も多く、かつ実は新しい機材に負けない魅力もあったりもします・・・
 
 GROOVEにおいては、新しい機材を紹介しつつ、過去の機材にも敬意を払っていた部分も多く、その象徴がこの記事かもしれないです・・・

 また、古い要素を維持しつつ、新しい試みをしている機材の紹介も行っており、今となっては使用者が多いレコード針「樽屋」のドマニアックな紹介もGROOVEらしいですね!
 MUROさんや辰緒さんなど、このレコード針の出音の太さ/大きさを評価して使用しているDJが多く、ここ最近のヒット商品でもありますが、GROOVEでは、開発者の樽屋毅さん(82歳!)へのインタビューなど、大変深い特集をしています・・・

 DJ機材って、新しいものは新しいものなりにイイところが多いのですが、音で勝負するという意味では、新しい=良いとは言い切れず、古い機材や古い方法が良かったりすることもあります。
 GROOVEにおいては、そういった点を熟知し、機材の紹介を行い続けていた点は大変素晴らしいと思います!





(4) まとめ

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 今回はかなり駆け足で紹介してしまったので、あまりうまくまとまりませんでした・・・すみません。

 ただ、GROOVEという雑誌の魅力は、断片的ではあるかもしれないですが、なんとか伝えられたのかな~と思います。


 毎回、こういった記事を書くとき、肝に銘じていることがあります・・・

 それは、こういった紹介したモノが、決して「古びることがない存在」であることを証明することです。

 GROOVEについては、断片的にではありますが、ビジュアル面で優れつつ、非常にマニアックな内容を取り上げていた雑誌であることを伝えました・・・それは、裏を返せば、今でも資料価値が十分にあることを意味します。
 それこそレコードガイド的な側面であったり、クラブや機材の紹介のような資料的な側面だったり・・・今風にいえば「アーカイブ」としての価値は存分にあるかと思います。

 今回の紹介で興味をもたれた方は、ぜひ、古いバックナンバーなどを掘って頂き、その魅力にヤラれてください!!

 そして・・・我々の「DJ文化」のライフスタイルを支える部分して、GROOVEは絶対に必要な存在です・・・復活することを切に願っております(^0^)














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<本当のビックボム>

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 え~、読んで頂いた方によっては「なんでこのタイミングでGROOVEを?」と思う方も多いかもしれません・・・そして、ここで謎のMUROさんのお写真が・・・

 はい、今回の紹介には「ふか~い」理由があります・・・

 実はですが、今回、GROOVEの過去に書かれた記事を中心に、MUROさんのDJ活動30周年を記念する本が発行されることになり、その本に私が執筆者の一人として参加をさせて頂き、その報告も込めて、GROOVEの紹介をさせていただきました!!

 もう一回、大文字で書きますよ・・・

MUROさん本に執筆者として参加しました!


 もー、今年は2月にMUROさんとの歴史的な対談がありましたが、この1年を考えると「MUROさんに始まり、MUROさんに終わる1年」でした・・・
 その対談の際も、MUROさんから「今年はミックステープを作り出して30年目なので、いろいろと動くよ~」とおっしゃっており、その「動き」がまさか私にも回ってくるとは思いませんでした・・・むろん、お話をいただき、問答無用で受けさせて頂きましたよ!!

 内容に関しては、今回のGROOVEの紹介でも触れさせていただいた、後期GROOVEにおけるMUROさんの過去記事を再構成しつつ、様々な内容が掲載され、まさに「MURO」さんの全てを紹介した本になっております!!

 んで、ちょうど今日がこの本の情報解禁日だったので、どう考えても遠回りな方法(?)で告知をした次第です・・・まどろっこしくってすみません(^^;)
 
 とりあえず、以下がその本の紹介です~


『真ッ黒ニナル果テ』
著者 MURO
定価 2,484 円(本体2,300円+税)
仕様 A5判/264ページ
発売日 2015年12月25日

詳細 http://www.rittor-music.co.jp/books/15317112.html



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 そして、肝心な執筆ですが・・・私らしい「仕事」でした!

 その本の最後に、オマケ的に掲載をされるようですが、MUROさんが作った「ミックス作品の作品リスト」を作ることになり、頑張って作成をしました!!

 分かる方には分かることですが、MUROさんのミックス作品、今となっては膨大な作品数がリリースされており、かつノベルティーなどで詳細が分からず流通している作品も多く、一体どれだけの作品がリリースされたかが分からない状況ですよね・・・
 また、大半のミックス作品がアンダーグラウンドなリリースがゆえに、詳細な情報がつかめず、かなり捕捉するのが難しい状況です・・・

 私自身、MUROさんの作品は大好きなので、MUROさんが作る作品を毎回楽しみに追いかけているので、なんとかその全容がつかめていますが、新たにMUROさんの作品を追いかける方にとっては、その全容をつかむこと自体が厳しく、かなり険しい道を進むことになります・・・

 そんな状況があるので、以前よりこのブログにおいてMUROさんの作品リストを作って公開をしていましたが、詳細が分からずに掲載してた作品も多く、実は「これでいいのかな?」と思いながら、掲載をしていた経緯がありました・・・

 そんな中、今回の本を企画した編集者の方から、このリストを発展させる形で、MUROさんが作った「ミックス作品」のリストを作って欲しいと依頼があり、対応した次第です・・・


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 今回のリスト、内容は見てのお楽しみですが・・・結果として、とてつもないレベルの「リスト」を作ることができました。

 それは、今まで不明確だった作品の詳細を、編集さんを通してMUROさんから確認ができ、その内容が明確になったことに加え、グレーゾーンなアンダーグラウンド作品もリスト化をすることができ、結果的に「MUROさんのミックス作品」のほぼ全てを抑えることができたリストを作ることができたからです。

 どのくらい「深いレベル」のリストになったかというと・・・もはや都市伝説なミックス作品である「MUROさんの結婚式の引き出物」まで掲載することができました!!

 え~、この話は初めてしますかね・・・

 2014年5月、MUROさんが晴れて結婚式を行われた際に「2枚のミックスCD」と「1枚の7インチ」が引き出物として配布され、当時、大変話題になりました。
 ただ、内容が内容だけに、市場に流れることは皆無といっていいほど無く、今となっては「幻級」の作品になっているかと思います・・・

 ただ、私に関しては、割と早いタイミングでご縁があり、この「三種の神器」を購入という形で手に入れることができ、MUROコレクターとして、MUROさんの功績の一つを未来永劫に保管しようと心に近い・・・今日の日まで保管しておりました。

 今回、このレベルの作品を含め、相当マニアックなノベルティー作品などもリスト化し、12月に発売予定の作品を含めて合計「233作品」をリスト化し、MURO作品の全容を初めて明確化することができたと思います!
 
 リストは予定では文字だけなので、分かりやすさの観点から行くとアレかもしれないですが、オリジナルと再発も分かりやすく表示し、確定的な作品リストが作れたことは大変意義があるかと思います・・・

 だって、233作品ですよ・・・これだけオリジナルなミックス作品を作ってきたことが分かる資料になったのは、MUROさんの活動を評価する上でドストライクで、流石「King of Diggin'」と一発で分かる内容になったと思います・・・
 うん、胸を張って言いましょう・・・これは「ギネス級」な作品数です・・・その証拠となりそうなリストが作れたことは、メチャクチャ嬉しいことで、MUROコレクターとしてこの上ない幸せです(^0^)


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 ただ、今回の仕事、リスト作りというと簡単そうに聞こえますが・・・かなりの苦行でした(^^;)

 時期的にも仕事が凄い忙しかったり、あの無駄に長くなってしまった「素晴らしきDJ機材カタログの世界」の作成と少しクロスもしてたので、かなりヘビーな状況で、夜なべ作業を繰り返していた次第です・・・
 そのため、11月はあまりブログの更新ができませんでした・・・すみません。

 ただ、今回のリストづくり、私一人の力では作れるものではありませんでした。

 まず、MURO作品については、ホント謎な作品が多いのと、気付いたら233作品という膨大な量がリリースされていることから、その確認作業が大変でした。

 その点については、私と同じMUROコレクターの同士であり、私以上にMUROさんのことが詳しい「豆さん」にご協力をいただき、リストの細かい修正や確認を頂き、リストの精度を高めていただきました!!

 ほんと、今回に関しては、私が苦手とする細かい確認作業を豆さんにお願いした形になってしまい、大変恐縮です・・・
 ブログを読んでいる方なら分かるかと思いますが、私は根っからのO型人間なので、多少の文字の間違いはスルーしてしまう悪い癖がある(こら!)のですが、そういった点を詳細に指摘いただき、リストの精度を高めてくれたのは豆さんのおかげです・・・ホント、ありがとうございました!!

 また、不明作品の確認においては、編集の服部さん、そしてMUROさんやMUROさんのマネージャーさんにもご協力を頂き、大変恐縮です・・・

 その中で、一点、コレクターとして大変うれしい話がありました!

 これまで、市場で高値になってほしくない理由だけで、あまり触れなかった作品なのですが、MUROさんが監修した「FRONT Presents Diggin' From The Vaults - MURO’s Summer Vibes」という97年に作られたコンピレーションCDにおいて、プロモレベルでDJミックスが施されたテープがあります・・・
 これについては、私も実物を見たことがなく、当時のFRONTのプレゼント情報で掲載され、本当にDJミックスをされているか、またこのテープが存在するのかも含め、全く謎なテープでした・・・

 ただ、今回、編集さん経由で、当時を知っている某大物ライターさんに問い合わせをしていただき、このテープが本当に存在していて、CDとは別にDJミックスが施されていることが判明しました!

 いや~幻ではなかった・・・この点が確認できたのは超嬉しく、リストにもコンピとは別にノベルティー作品として掲載させていただきました!

 結果的に、まだ入手は出来ていないですが、このテープの尻尾だけはつかむことはできたかな??
 
 煽るわけではないですが、どう考えても「日本で一番レアなミックステープ」です・・・もしお持ちの方がおられましたら、たんすの肥やしにせず、市場に出してくださると嬉しいです!!


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 そんなわけで、今回の記事は終わりです~

 最後はMUROさんの話になりましたが、GROOVEもMUROさんも「最&高」です(^0^)

 本は12月25日の発売ですので、皆さん、お楽しみに・・・

 年末になり、いろいろと忙しくなりますが、ブログもなんとか頑張って更新していきますのでよろしくお願いいたします!!

 





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DJ/Club専門誌「GROOVE」 バックナンバーリスト
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 この記事は下記の記事で紹介した雑誌のバックナンバーリストになります。下記の記事と合わせてご参照ください。

DJ/Club専門誌「GROOVE」について





(1)前期 1994年~2001年春

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※注意
・リストの作成にあたっては、GROOVEの巻末などに記載があったバックナンバーの紹介を元に、重要と思われる項目のみを抽出して作成しました。そのため、大半は実際の該当号を確認していないため、記載内容と異なることがあるかもしれません。作っていはみましたが、結果的に凄い正確なリストにはならなかったので、参考程度にどうぞ・・・
・記載したのは、各号での特集記事を中心に、その号でピックアップされているアーティストを記載しました。
・特集の記載は、誌面に大きく掲載されている英語表記では分かりづらい内容もあったため、大半の内容は日本語表記の副題などを改変した内容でリストを作りました。
・「?月号」のような表記は、雑誌に記載された月を表記しました。そのため、実際に発売されたのはひとつ前の月になります(4月号=3月に発売)。



<1994年>
Vol.1 NewYork House 1994/Dub Master X /電気グルーブ
Vol.2 London Dance Music/サワサキヨシヒロ

<1995年>
Vol.3 (07月) ヒップホップ特集 - スチャダラパー/Tokyo No,1 Soul Set/トラック制作(DJ Honda)/バリK~ん
Vol.4 (10月-11月) Summer of Love '95(テクノ特集) - 石野卓球/砂原良徳/Richie Hawtin

<1996年>
Vol.5 (01月) ビギナーのためのサンプリング講座(HipHop)
03月 World Famous DJs of Dance Music/Rare Groove to Freesoul
04月 電気グルーブ
06月 Electoronic Rock 96 - Underworld
07月 ヒップホップの方法論が英国音楽界に与えたもの/Tricky
08月 改めて考えるNatice TanguesのNext Level - De La Soul
09月 クラブミュージックに受け継がれるジャズの精神性 - Jamiroquai/ジャングルについて
10月 ハウスミュージック誕生前夜/クラバーを魅了するブラジリアン・ミュージック
11月 手法としてのハウスミュージックの進化
12月 華麗なるジャパニーズクラブミュージックシーンの今 - UFO

<1997年>
01月 '96 Best Disc/Tiny Panx
02月 リスニングサウンド宣言!/Towa Tei
03月 裏名盤を探せ/DJのためのオーディオ考察/Chemical Brothers
04月 ヒップホップ特大号 - Buddha Brand、トラック制作(Rock Tee)、UBBガイド
05月 電子音楽の軌跡/電気グルーブ
06月 Club Lebel Guide '97/音楽の仕事がしたい/Primal Scream
07、08月(※なぜか合併号らしい) ミックス・カルチャー - 攻殻機動隊、石野卓球
09月 ドラムンベース新世紀 - Roni Size、Goldie、トラック制作方法/Prodigy
10月 進化しつづけるブレイクビーツの現在 - Cold Cut
11月 音楽シーンをにぎわすマッドネス/スピード・ガラージ&ビックビート研究/Goldie
12月 日常に融け込むBGMの手引き/Bjork

<1998年>
01月 テクノの先にあるもの - Ken Ishii
02月 97年度ベストディスク/Sugizo
03月 マスとコアの交差点に生まれた魅惑の音響/Koji-1200(今田耕司×テイトウワ)
04月  (ヒップホップ)アンダーグラウンドシーンの現在形 - Kemuri Productions
05月 エレクトリックミュージックの足跡/ドイツテクノ/ 石野卓球
06月 今日的ラウンジのいろいろ/砂原良徳
07月 カテゴリーを破壊し続ける越境者たち/Beastie Boys
08月 ミュージックシーンを魅了する新たな歌姫たち - MISIA
09月 魅惑のリスニング・テクノ/UNKLE
10月 ヒップホップクリエイターの現場 - DJ Krush、DJ Kensei
11月 Fatboy Slim
12月 Soul Beauty '98 - Sugar Soul & DJ Hasebe

<1999年>
01月 Ken Isii & Co-Fushion
02月 1998 Best!/石野卓球
03月 アンダーグラウンドからスタンダードへ(HipHop最新事情)/Underworld
04月 進化・拡散をしていくブラックミュージック/Roni Size
05月 ディスクカタログ・今のサウンドから導き出される過去の名盤・珍盤・裏名盤
06月 クラブプレイに使われるべきロック・ディスクガイド/小泉今日子
07月 マイルス・デイヴィスの大いなる遺産
08月 マッド&ストレンジ!世紀末リスニングミュージック大特集/Tei Towa
09月 WIRE 99 - 石野卓球
10月 アッパー&バウンシーなブレイクビーツサウンド - Jungle Brothers & Captain Funk
11月 ラテン&ブラジリアン・ミュージック・カタログ/Monday Michiru
12月 ディスクカタログ - リスニングサウンドミュージアム

<2000年> ※6月号以降は背表紙が「黄色」
01月 次世代へ向かうジャズ・エレクトロリック・ミュージック/Pizzicato Five
02月 ベストディスク1999/ミレニアム会談(DJ Krush、沖野修也、大沢伸一、矢部直、テイトウワ)
03月 2000年クラブシーンの現状を見る/電気グルーブ
04月 GROOVE的ジャムバンドシーン紹介/Buddha Brand
05月 タブ・ディスクカタログ/Company Flow
06月 12インチで切る90'sクラブミュージック
07月 黒いテクノ - Theo Parrish(25000字インタビュー!)
08月 Suburbia vs GROOVE - ディスクガイド対決
09月 Brazillian Music 2000 - Mondo Grosso
10月 ミックス・コンピ作品で味わう「20世紀のクラシックス」
11月 Funk! Funk! Funk! - Keb Darge、Funkディスクガイド
12月 O.S.T.2000 - ディスクガイド、ポスター特集

<2001年> ※背表紙は「青色」
01月 UKソウルの魅力/華麗なるストリングス・サウンド特集
02月 ベストディスク2000
03月 Talkin' about Club Jazz
04月 New Soul Spectrum - Maxwell
05月 レアグルーブ~その果てしない探究の道





(2)ムック期 2003年夏~2004年夏

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 (1)の前期の内容を復活させつつ、(3)の後期を発行するきっかけになった時期のGROOVE。発行ベースでいくと(3)の後期のGROOVEに該当するが、ムックという単発姿勢での刊行で、後期の(3)とはあまりにも内容が違うため、分けて紹介をします。

<2003年>
Summer-2003 石野卓球/DJテクニック完全ガイド/Roland MC-909でトラックメイキング
Autumn-2003 テイトウワ/田中知之/DJマストテクニック/Roland TR-808&909について

<2004年>
Winter-2004 Yoji Biomehanika/Tsuchie/DJ vs Tools
Spring-2004 All About 石野卓球/あなたのDJブース見せてください/エレクトロを取り巻く12のキーワード
Summer-2004 超ハウス主義/DJお悩み相談室/WIRE 04の遊び方





(3)後期 2004年秋~2015年春

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※注意
①季刊の発売時期については、以下の通りです。
Winter  1月末発売   Spring 4月末発売
Summer 7月末発売   Autumn 10月末発売
②リストについて
各号の背表紙に記載のある大きな特集を表記
※はその中で登場したDJやレコ屋さんにおいて、重要そうな内容を管理人の視点でピックアップしました。
③表紙画像
クリックすると大きい画像になります。テキスト情報で不明な点があれば、クリックして拡大してください。


<2004年>

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Autumn-2004 ターンテーブルがある生活/新世代ブラジリアン・ミュージックの行方
  ※DJ部屋 Toshiyuki Goto、DJ Quietstorm、DJ Kaori、DJ Celory・・・


<2005年>

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Winter-2005 さあ、クラブへ行こう!
  ※Club ageHa、Maniac Love、Nuts、The Room、Alife、Warehouse、Yellow、Womb、Unit、Loop・・・
Spring-2005 CDでDJしたっていいじゃん!/音楽都市デトロイトを歩く

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Summer-2005 DJがクラブで考えていること、かけている盤のことが知りたい!/VJスタートキット2005
Autumn-2005 DJやるならレコード買わなきゃね/ミックスCDを作ってみまんせんか?
  ※小西・須永・MUROのレコ鼎談、都内のレコード屋さんガイド


<2006年>

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Winter-2006 DJのためのタウンガイド・NY編/コンピューターでDJできるかっ!
Spring-2006 あなたはDJを何人知ってますか?/DJビギナーの基礎メニュー

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Summer-2006 DJと行く日本全国レコ屋巡りの旅/パーティー・オーガナイズの秘訣教えます。
 ※レコ屋ガイド 渋谷、神保町、下北沢、札幌、千代、名古屋、大阪、福岡
Autumn-2006 DJのレコ棚が見たい!/DJの基本=つなぎをマスター
 ※DJ部屋 MURO、小川充、クボタタケシ、小林径、田中知之、岩沢洋


<2007年>

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Winter-2007 トップDJがプレイ!ピークタイムの勝負5曲!/CDターンテーブル活用法/追悼JB(MURO×DJ JIN緊急対談)
Spring-2007 DJとは何なのか?/DJ Mixerの選び方

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Summer-2007 レコバックの中身が見たい!/海外優良レーベルカタログ
 ※クボタタケシ、Nicola Conte、J Rocc、Egon、井上薫、Kid Kapri、DJ Kawasaki・・・
Autumn-2007 Are You Diggin'? 音楽を掘る!/渋谷を掘り尽くせ!レコ屋マップ
 ※Cut Chemist、Theo Parrish、小西・須永・MUROのレコ鼎談


<2008年>

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Winter-2008 DJセットのある部屋/DJヘッドフォン大全
 ※DJ部屋 DJ Hasebe、鈴木雅尭、DJ Hazime、Rock-Tee、池田正典、DJ Jin・・・
Spring-2008 アナログ愛!/ミックスのコツ教えます

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Summer-2008 ジャンルの壁を超えろ/Mix CDから学ぶDJ術/西麻布Yellow閉店記事
Autumn-2008 レコ屋の名店を求めて/レコードをデータ化しよう
 ※国内&国外の名物レコ屋 Little Bird、Pink Dolphin・・・


<2009年>

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Winter-2009 レコバックの常連/DJに効くエフェクター活用術
 ※DJ Emma、DJ Mitsu the Beats、Jazzman Gerald・・・
Spring-2009 これからDJを始める人のために/ターンテーブリストという生き方

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Summer-2009 レア盤を巡る物語/DJのための沖縄ガイド
 ※DL×尾川雄介、須永辰緒×鈴木雅尭、Champ、小西康陽×川西卓×馬場正道・・・
Autumn-2009 DJ白書2009/デジタルDJの基礎知識


<2010年>

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Winter-2010 DJのプライベートルーム/DJヘッドフォンが欲しい!
 ※DJ部屋 MURO、田中知之、大貫憲章、DJ Kentaro、DJ Yas、川辺ヒロシ・・・
Spring-2010 選曲解剖スペシャル/名クラブはこう作られる
 ※名クラブ eleven(開店の詳細取材)、air、Koara、Ball

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Summer-2010 人気イベントの秘訣/DJのためのUstream講座
Autumn-2010 レコードの秋/DJコントローラー導入ガイド
 ※DJ Emma×須永辰緒、黒田大介、小西康陽×常盤響×前園直樹×馬場正道


<2011年>

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Winter-2011 新発掘トラックの見つけ方/DJのためのエディット講座
Spring-2011 レコード博士/若手DJのプライベートルーム

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Summer-2011 人気ディスクガイド外伝/DJイベントの作り方
 ※「ドーナッツ盤ジャケット美術館」「Rare Groove A to Z」などを深く紹介!
Autumn-2011 人気レーベルのすべて/DJ目線のライブセットが知りたい


<2012年>

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Winter-2012 デジタルDJのための知恵袋/2010年代のクラブ新定番
Spring-2012 今、DJ達が考えていること/ダンスミュージックに適切なヘッドフォンを探せ
 ※渋谷Vision開店の詳細記事あり

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Summer-2012 選曲の達人/サウンドシステム探訪
Autumn-2012 魅惑のレコジャケ/来日DJの買い物に密着
 ※石野卓球、須永辰緒、DL、MURO、吉沢dynamite.jp・・・


<2013年>

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Winter-2013 DJに役立つQ&A×100/今、ベルリンで起きていること
Spring-2013 DJが注目する新サウンド/One Song, One Soul 徹底レポート

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Summer-2013 人気DJ自慢のコレクション/自宅で使うDJ用スピーカー導入ガイド
Autumn-2013 アナログの今/モバイルDJセットの薦め
 ※DJ Nori×MURO、小西康陽、DJ Spinna、DJ Cosmo・・・


<2014年>

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Winter-2014 DJのプライベートルーム/現代によみがえるディスコサウンド
 ※DJ部屋 DJ Emma、DJ Yas、DJ Seiji・・・
Spring-2014 7インチという奥深い世界/DJ目線で選ぶ、普段使いのヘッドフォン・イヤホン
 ※MURO、小西康陽、DL、黒田大介、Katchin'・・・

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Summer-2014 身近なDJスペース探訪/新たなシーンを提示する音楽集団
Autumn-2014 レコ屋入門/DJユニットというスタイル
 ※レコ屋 HMV渋谷オープン、都内のレコ屋


<2015年>

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Winter-2015 世代を超えて伝わるスピリット/今聴くべきベースミュージック
 ※MURO×Koco、小西康陽×クボタタケシ、沖野修也×DJ Kawasaki・・・
Spring-2015 DJカルチャーの歴史/ハウス・テクノの最新型 
 ※DJ Emma、須永辰緒、木村コウ、MURO


<増刊>

 通常号に加え、以下のような増刊も発行されていました。内容は過去の記事の再編集版が多いですが、なかなか面白い増刊が多かったと思います。
 なお、DJ入門編的な増刊もありましたが、それは持っていないのです・・・なので、管理人が持っている増刊だけ紹介します。

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左 「DJの部屋」2012年9月
 ※通常号の再編集が中心。ただ、MUROさんのお部屋は3度目の登場で、この増刊のみで紹介していました。
右 「秋葉系DJガイド」2013年12月
 ※完全書きおろしの増刊。秋葉系といわれるDJを詳しく紹介した内容で、かなり面白いです!!




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おまけ

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 GROOVEの最終号「Spring-2015」では、一番最初の号から最後までの表紙一覧と、雑誌の変遷が紹介されています。一応、資料程度に掲載をしておきます・・・詳細は「Spring-2015」をご参照ください。










「日本語ラップ」に関する本の紹介
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 Dev Largeさんがお亡くなりになられ、それで考えるところがありまして・・・今回の特集を企画してみました!

 考えてみれば、超久しぶりな「本」の特集です~





『はじめに』

 今回は、タイトルの通り「日本語ラップ」に関する本の紹介をしたいと思います。

 先日、日本語ラップの象徴とも言えるアーティストである「Dev Large」さんが亡くなられ、私の中で「日本語ラップ」という存在を少し考え直した中で、こういう紹介も大切かな?と思い、今回の記事を企画した次第です・・・

 私としては、日本語ラップは青春時代の思い出みたいな部分があり、すべてではないですが、日本語ラップが熱かった時代(90年代中頃~00年代初期ぐらい)はオンタイムで楽しんでいました・・・
 ある時期まではリリースされた曲などは全てチェックしてたし、Front/Blastを代表する専門誌を読みあさったり、ラジオなどで日本語ラップが特集されていれば真剣に聞いたり・・・まあ、熱心なファン(=ヘッズ)でしたね?

 そのため、結構な知識や情報を持ち合わせていると思っています・・・前回のDev Largeさんへの追憶記事もその一端になるのかもしれません。

 ただ、こういうった「日本語ラップに関する知識や情報」って、今となっては実は「集約されていない」状況なのかな~とも思いました・・・
 それこそ、日本語ラップの歴史をしっかりと捕捉している本やディスクガイドがなかったり・・・ネット上では断片的に情報がありますが、それらを分かりやすい形で集約できていない状況と感じました。

 特に、今回の記事を思いついた大きな理由は、Dev Largeさんが亡くなられたことで、Dev Largeさんの「功績」を誰も明確化することが出来ていないことに気づいたのがスタートでした・・・

 Dev Largeさんを日本語ラップという枠のみに当てはめるのには限界がありますが、考えると「日本語ラップ」という文化が実は未整理な部分が多く、特にその「歴史」や「精神」を学ぶ機会が少ないので、Dev Largeさんの功績を、当時からいた人も、そして当時は知らなかった人も、誰も明確に語れていないと思いました。

 そして、私自身も、今まで私が影響を受けた「熱かった日本語ラップの時代」を明確に語れていない状況があり、その点は苦慮をしていました・・・
 言葉にできないぐらい熱かったとすればそれまでですが、そういった事を伝え、日本語ラップを含む我々の文化を進ませていきたい・・・私自身、そういった気持ちはあるけど、上手く語れない状況でした。

 音楽なり文化が、分かりやすい形でアクセスできる状況が絶対に必要かといったら難しいですが、これからその音楽や文化に触れあおうという人には必要だし・・・何よりも、その音楽や文化を風化させない、いや進化させるためには、理解の促進というのは非常に重要かと思います。


 そんな訳で、日本語ラップについて、現状では決定打となる媒体がない状況を踏まえ、過去に発刊された書籍の中で、日本語ラップを知る上で有益な情報を教えてくれる本などをザックリと紹介をしたいと思います!

 特に、私としては「歴史」と「精神」という点を念頭において、本の選定と紹介を行い、ゴールとして私が受けた「熱い日本語ラップ文化」を伝えることを目標にしました。
 
 まあ、この点を理解しようと思ったら、一番有益なのは「HipHop/R&B専門誌 Front/Blast」になるのですが、今回紹介するようなあまり知られていない本にもナイスな情報が掲載されています・・・
 たまたま私が持っていた本などが中心に紹介をしているので、在庫一掃セール的な紹介(aka心の減価償却?)も多分にあったり、内容によっては強引な部分もありますが、どれもそれなりに有用だと思いますのでご参考にしてください。

 では、これらの本を通して、日本語ラップの歴史的な背景や精神・・・つまり「Bボーイ・イズム」を知ってもらえれば幸いです!!





『日本語ラップ - 歴史本』

 まず、最初のカテゴリーは「歴史本」というジャンルでいきましょう。

 ここでは、日本語ラップが「どうやって発展したか?」「どうやって動いていたか?」を教えてくれる内容で、過去を知る上では頼りになる本を紹介したいと思います。

 こういった歴史本は、色々な音楽を知る上で大変参考になり、もはや定番な存在かと思います・・・ただ、日本語ラップにおいては、他の音楽ジャンルに比べて、明らかにその歴史(流れ)を語った本が少ない状況かと思います・・・

 記憶だと、Blastの増刊で出た日本語ラップのディスクガイドぐらいかな~と思いますが、、日本語ラップの全てを明確に追えてなく・・・特に、その音楽・文化が「どのように発展(進化)したのか?」と、その発展の過程で骨子となっていた「スピリット(=こころざし)」が分かりづらいと感じます。
 それは、その音楽が発展するにあたっての理由を知ることや、その音楽を発展させてきた人たちの熱意を知ることで・・・その音楽や文化の根底を知り、更に理解を深める点になり・・・その音楽を理解する上で大変重要だと思います。

 この限りにおいて、私の独断的な紹介にはなりますが、日本語ラップの「歴史」を知る上で、適切と思われる本を以下で紹介したいと思います。

 なお、以下で紹介する各々の本は、日本語ラップなりの「一部分」のみを紹介した内容になりますが、これらを上手く組み合わせると、日本語ラップの歴史がある程度は「一本」で示すことができ、その進化の過程が繋がるかと思います・・・
 特に、割と情報が抜け落ちている「80年代~90年代~さんぴん前後」までを理解する上で適切と思われる本が中心になりますかね・・・結構、強引な部分もありますが・・・(^^;)

 では、毎度の私視点のチョイスなので、それが歴史本かよ!と突っ込まれるのもありますが・・・日本語ラップの歴史を時系列に追う形で紹介をしますね・・・



「Jラップ以前 - ヒップホップ・カルチャーはこうして生まれた」
編者 後藤明夫 1997年8月 Tokyo FM 出版

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 一発目は「80年代末」ぐらいまでの日本語ラップを掘り下げた本で、さながら日本語ラップにおける「オールドスクール期」の情報を取り上げた本になります。

 内容的には、本の表紙にも名前が列挙されていますが、いとうせいこうさんや高木完さんなどの当時の関係者からインタビューを行い、それをまとめた感じの内容で・・・日本語ラップ(Jラップ)と呼称される前の状況が詳細に書かれております。

 この時代の特徴としては、日本の「クラブ黎明期」としてクロスする時期になり、海外の最先端の音楽や文化を取り入れていくみたいな「輸入文化」があり、その中で「HipHop」に興味をもった方々に焦点を合わせたのが、この本になります・・・

 当時の事情が知らない方に説明をすると、HipHopという音楽が「最先端な文化・音楽」として捉えられ・・・それこそ、既存の音楽にはない「サブカルチャー感」を、一部の流行に敏感な文化人やアーティストが取り入れ始め・・・次第に本格的になっていった流れが80年代にはありました。
 流れ的には、パンクやニューウェーブ系の人たちが、既存の音楽にはない「新しさ」や「派手さ」なんかを評価し、借り物的に進んでいった「ものまね文化」な部分もありましたが・・・尖鋭的にHipHopを見抜いた人たちが「音楽」として成立していく試行錯誤がこの本から読みとれます。

 結局、80年代中期以降のサンプリング文化というのが進む前だったり、90年代以降の歌詞の重要性が広まる前の時代だし・・・何よりも、HipHop本来の精神性まで掘り下げられず、表面のみを借りていた感は多少あり・・・今の日本語ラップの歴史からは若干見落とされている時代になると思います。
 分かりやすい表現としては「アンダーグラウンドな精神」がなく、HipHopの「黒さ」を理解していない(表現していない)部分が強いのですが・・・こういった尖鋭的な人がいたから、海外の最新の音楽が輸入されていた点は忘れてはなりませんね。

 ちなみに、文章の最初に「クラブ黎明期」と書きましたが、こういった音楽は黎明期が故に、様々なジャンルが入り混じっており、今となっては「クラブミュージック」という名の元、レゲエとかHouseとかの様々な関係者が入り混じっていた時期になります。
 そのため、この本でもランキンタクシーさんや、児玉和文さんなどのインタビューも掲載されています・・・またファンキーキングとして活動してた中村有志さんや、横山和幸(パンプ横山)さんなど、意外な人選もあり、マニアには堪りません??



「Japanese HipHop History」
1998年7月 千早書房

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 この本は大昔に一回紹介したことがあるようですが、改めて紹介しましょう・・・

 先ほどの「Jラップ以前」が80年代初期から80年代末までの状況としたら、この本は80年代中頃から90年代初期までといった感じですが・・・かなりスタンスが違うのがポイントです。

 この本も、当時の関係者を集め、座談会形式で話をしていくのですが、Jラップが「サブカル」側としたら、こちらは「ストリート」側で、さんぴん前後の日本語ラップに繋がっていく流れが読みとれ、結構貴重な本になります・・・

 座談会の司会を佐々木士郎さん(宇多丸さん!)が行い、DJ Krushさん、Crazy-Aさん、B Fresh(Cake-Kさん、MC Bellさん)が参加をしており、原宿のホコ天で始まったブレイクダンスから発展していった様子を詳しく語っています。
 Crazy-Aさんを始めとするダンサーが集まり、そこにKrushさんが機材を持ち出してDJをしだし、MCも入り・・・80年代中頃から後期にかけてですが、日本でもブロックパーティーからHipHopが発展したことなど・・・かなり貴重な話が多いです。

 特に、先ほどの「Jラップ以前」と比べないといけない事実ですが、HipHopという音楽・文化を考えた時、割と「文化系」な部分もあれば「体育会系」の部分もあり、その両者はそれぞれが魅力ではあるのですが、こちらの本では「体育会系」な側面が読みとれ、かなり面白いです・・・
 それは、黒人文化特有の「マッチョイズム(=黒さ、ストリート感)」をいかに表現するかな部分で、日本でHipHopを成立させる上での苦労話などが上手く掲載されているかと思います。

 この部分や流れがあったからこそ、日本語ラップが現地のHipHopに近付けた部分があり・・・司会をしている士郎さん自体が強く影響を受けている世代の話とあって、士郎さんの活躍が光り、かなり盛り上がったインタビューになり、超貴重な話題が多いかと思います!

 内容の詳細は細かく書けませんが、当時のB-Boyバトルの話や、ホコ天で踊っている時にキース・へリングがやってきて自然発生的にセッションをした(!)話・・・そして、高木完さん達がラップを聴いて、おれたちの方が上手くできると思ってラップをし始める話(B Fresh 結成秘話?)など・・・マニアには感涙な話が多いですね!

 やっぱり、HipHopという音楽は「DIY精神」「俺が一番という精神」が大切で、そういった精神を大切にしてた世代がいて、後輩達が育っていったのかな・・・
 間接的な影響かもしれないですが、さんぴん以降の日本語ラップの影響において、こういったストリート側の影響はかなり大きいので、歴史として知っておく価値は十分あると思います。



「東京ヒップホップガイド」
著者 藤田正 他 1996年1月 太田出版

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 ひたすらドマイナーな本を紹介し続けて申し訳ない・・・ただ、ブックオフの100円コーナーには結構な頻度(少なくても数年前までは・・・)であるので、耐えてください(^^;)

 今度の本は「90年代初期から90年代中頃」を紹介しており、さんぴん直前の空気感を紹介しており・・・一番、皆さんが欲しい「空気」が分かる本かと思います??

 この本は、太田出版から「\800円本」シリーズの一つとして発行された本で、この時代らしいっちゃらしい内容の本ですね・・・

 私が高校生ぐらいの時期ですが、アニメだったり、漫画だったり、音楽だったり、アダルトだったり・・・世間一般から外れている文化(=サブカルチャー)を特集・企画した本や雑誌が沢山あり、様々な出版社が色々な内容の本や雑誌を出していました。

 まあ、今となってはネットで簡単に知れる時代ですが、当時はそういったサブカルチャーの情報が簡単に手に入らないので結構色々な本や雑誌が作られていたんですね・・・
 単発の単行本や書籍もありましたが、ひたすらサブカルっぽい内容でシリーズ化し、カラー刷りのムックや、今回の800円本のように単行本にしたのがボチボチあり、私もたまに買ってました・・・特に、高校生~大学生時代は、その時代に発行されてたのをよく掘ってましたね~

 そんな中で、奇跡的に「さんぴん前」に日本語ラップの動きをフォローしているのが、この本になるかと思います。

 まず、本の前半は、ECDさんとEastendのGakuさん、そして荏開津広さん等による座談会になり、80年代中頃から90年代初期ぐらいの回想を行っています。
 先ほどの「Japanese HipHop History」が既にプロ側の視点で語られていたのであれば、こちらは「ファン側」の視点が中心になっており、同じ時期を取り扱った本でも、ちょっと視点が異なっていますかね・・・

 特に、この座談会での90年代の部分に関してはレアな話が多くヤラれます・・・この頃は日本語ラップの「暗黒時代」とも評され、黎明期かつ氷河期(=売れない)ので、情報が少ないんですよね・・・
 一例をあげておくと、日本語ラップマニアならご存知な「Yellow Rap Culture In Your House」は、この盤にも参加しているグッチGさんが、土建会社を騙して(笑)レコを作らせたそうですよ・・・その他、当時のクラブ事情など、かなり貴重な話が多いかな~と思います。
 この点は、最後の方のディスクガイドにも反映されてて、GasboysやZingiなどの今となってはレアどころの解説が異様に細かく、結構参考になります・・・Frontの小林明彦さんや萩谷雄一さんなんかが書いており、間違えないですね!

 そして、ここが最もグッとくるところですが、中盤に代表著者である藤田正さんが当時の関係者をしっかりと取材したルポが掲載されているのですが・・・これが96年ごろの本当に「さんぴん前」を取材していてボムです!

 実際に、さんぴんの広告もあるのですが、先に出たアルバムの広告で、まだライブもビデオも出す前提での広告になっており・・・まさに「さんぴん前」です・・・
 もの凄く記事の量が多い訳ではないのですが、Soul Screamが結成されるきっかけとなった錦糸町のクラブ「Nude」でYouさんのライブを取材してたり、あの鬼だまりを取材してたり・・・日本語ラップ爆発前の感じをリアルに取材されていると思います。

 私も若干は体験しているのかもしれないですが、日本語ラップって、さんぴんでのライブのような「爆発力」があった時期があり・・・恐らく95年ぐらいから97年ぐらいが一番強かったかな?と思います。

 それは、売上的な話ではなく、ラッパーやDJ達が胸を張って飛び跳ね、ファンもそれに連呼して熱狂していた時期で・・・地下でグツグツと煮えたぎってたマグマが爆発した時期です・・・
 ただ、それは、音楽が一般化や人気が出ると、演者側の熱が冷めていくという事実もあり・・・非常に短かった時期だと思います。

 そういった爆発的な熱い「空気」の一部を感じられる部分が藤田さんのルポを含み、この本には多く含まれており・・・日本語ラップの歴史を知る上で、結構参考になると思います!!



「Life At Slits - ライフ・アット・スリッツ」
監修 山下直樹 P-Vine Books 2007年12月 

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 次の本は、知ってる方なら「えっ、コレを日本語ラップ文脈で紹介するの?」と思う本でしょう・・・でも、日本語ラップの当時の状況を知る上では、凄い貴重な情報が入った本だと思います!

 この本は、1988年ごろから1995年ごろまでに下北沢で営業をしていたクラブ「Zoo」「Slits」に関する本で、同店の店長として長期にわたりお店を切り盛りしていた山下直樹さんの監修の元、同店に出入りしてたDJ・MC・ミュージシャンなど130名の回想インタビューを元に、そのお店の歴史を語った本になります。

 このクラブ「Zoo」「Slits」は、日本のクラブ界では結構重要なクラブで、いわゆる小箱なんですが、その後のクラブ系音楽を牽引する人たちが出入りしてたクラブで・・・それこそ、Organ Barのように様々な音楽愛好家が集い、自分たちの音楽を自由に発展させた場所だと思います。
 特に面白いのが、店長の山下直樹さんの存在で、いわゆる「クラブ系ミュージック(=DJ)」と「ミュージシャン(=非DJ)」を境目無しに受け入れ、クラブという枠の中で、DJもバンドマンも、そして様々な音楽の壁を取り除き、みんなを集わした点は大きく・・・以後の渋谷系音楽や、DJ系音楽の発展に寄与したクラブだと思います。

 その中で、日本語ラップですよね・・・かなり重要な「場所」だったと思います。

 この歴史本の流れで行くと、先ほどの「東京ヒップホップガイド」と同じく「90年代初期~中期」のさんぴん前位までの情報が掲載されているのですが・・・日本語ラップも「クラブ」という場所で磨かれたことがわかり、大変貴重な情報が掲載されています。

 特に、日本語ラップ的には2つの重要なイベントがあり、両者ともグッときます!

 一つ目は「スラム・ダンク・ディスコ」というイベントで、あのMUROさんが初めて人前でDJをしたイベントで、結果的にオープンマイクなDJイベントになり、その後の日本語ラップ関係者が集まり、お互いの腕を切磋琢磨したイベントですね・・・
 時期的には90年代初期で、当時としては単発のラップイベントが多少はあったようですが、日本語でラップすることに標準を合わせたイベントはコレが初期で・・・ライムスターや雷勢などが参加してて、お互いのラップスキルを向上させていた・・・と言われております。
 
 そして二つ目は「LBまつり」で、当時から人気だったスチャダラパー関連のラッパー・DJが参加したイベントで、このクラブの看板パーティーの一つといわれています。
 時代的には、やはり同時期で、それこそ世間では「Jラップ」として持て囃され、スチャ以外の参加者としては「かせきさいだー」や「ナオヒロック&スズキスムース」など、LB系の面子が中心で・・・当時、アイドル的な人気だったスチャを象徴するイベントになります。

 ちょっと強引かつ歴史認識に反する可能性があるかも知れませんが、ECDの名曲「マス対コア」の構図が実はこのクラブにはあり、提示した二つのイベントがその構図を代表してているかと思います・・・

 歴史的な話を入れておくと、スチャダラパーの登場で、日本語でラップすることが世間に受け入れられ、それこそ「Jラップ」として人気を博した半面・・・それがリアルなHipHopを体現してなく、セルアウトをしていると思って反対のスタンスをとっていた人達がいたのが90年代の初期になります。
 つまり、スチャのLBは「マス」で、スラムダンクは「コア」として機能をしており、更に強引に持っていくと、マスは「Japanese HipHop History」で提示した「文化系」の流れで、コアは「体育会系」の流れをくんでいるかと思います。
 そして、このコアの流れは、そういったマスへの反発から自分たちの腕と意識を向上させ・・・さんぴん頃の大爆発に繋がっており、日本語ラップを語る上では重要な流れであり、HipHopという反骨心を内包する音楽の良心ともなる部分かと思います。

 ただ、興味深いのは、多少の敵対意識はあったかもしれないですが・・・このクラブの良いところは、両者は実は融合してて、結果的に日本語ラップの推進をしていた点は大変興味深いかと思います。
 
 まあ、実際に「マス対コア」な動きがあったのは、このイベントがやってた頃よりも少し先(95年ごろ)だったのもありますが、クラブの紹介をした時点で「壁がない」点がポイントで・・・多少のスタイルの違いでの相違はあったかもしれないですが、融合はしていたようですね。
 そのため、この潮流の中間的な方々もおり、それこそ四街道ネイチャーやShakazombieあたりはそうなんですよね・・・シャカはLB系の曲を多くリリースしていた「ナチュラル」というレーベルから最初期の曲をリリースしていたので、実は融合をしてた部分もあったと思います・・・

 話を本に戻すと、その対比の部分は書かれていませんが、両者の内容は詳細に書かれており、かなり参考になる情報が多いです。

 日本語ラップのマス対コア問題(?)については、私からの投石であって、この本の意図とは異なるかと思いますが・・・そういった視点をもつと、歴史書としてしっかりと機能をするかと思います。
 また、日本語ラップも、やはり「クラブ」という場で進化していた点が分かる資料として・・・この点も見落とせないです!!



「Legend オブ 日本語ラップ伝説」
著者 サイプレス上野・東京ブロンクス 2011年12月 リットーミュージック

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 歴史本としては、これを最後にしておきましょう・・・これも、知っている方だと「えっ、これって歴史本なの?」と突っ込んでくれるでしょう・・・私にとっては、最高の「歴史の証言」を語ってくれた本です!!

 この本は、いまや日本語ラップ界において一番「日本語ラップ」を体現していえるラッパー「サイプレス上野」さんと、Blastなどでグラフティー関連の記事を執筆していたライター「東京ブロンクス」さんが、タワーレコードのWebマガジンで不定期連載していた内容を一冊にまとめた本になります。
 Webで連載してた時も読んでて、これが本にまとまると知った時は、つい喜んでしまい・・・当時、これの発刊を記念して行われた「トークイベント」にも行きました・・・そしてサインも頂きましたよ(^^;)

 んで、内容的には、日本語ラップの名作アルバムを二人(またはゲストを交えて)で対談をし、その作品の良さを語る・・・みたいな、一般的には「ディスクガイド」的な本になっていますが・・・いや~、素晴らしい内容です!!

 まず、何が素晴らしいかというと、この本で繰り広げられる対談が、そのアルバムの直接的な内容の良さを語っていること以上に、そのアルバムと「どうやって知りあったか?」とか「当時、どう楽しんだか?」などの、対談者が当時に感じたことを多く語っており・・・それが大変貴重な情報になっています!

 つまるところ、対談者達の与太話になるのかもしれないのですが・・・今回の歴史本という観点からすると「ファンサイド側の歴史」を明確に語っており・・・当時の事情を知らない方にとっては格好の材料になると思います!!
 それも、日本語ラップが大変盛り上がっていた90年代中盤~後半の情報は濃密に書いてあり・・・私たちが受けた「あの熱さ」をしっかりと語っている点は、ほんと素晴らしすぎます!!

 繰り返しになっちゃいますが、さんぴんキャンプが行われた1996年以降、日本語ラップの人気と進化は爆発的に進み、そこからの数年間は「ホント熱かった」時期で・・・この時代を生きてきたからこそ、今の自分たちがいると言ってもいいぐらい、大切な時期でした!

 それこそ、UKのHouseムーブメントを象徴する「Second Summer of Love」のように、うまく言葉には出来ないのですが、世間とは関係なく、ストリートでアーティスト側とリスナー側が爆発的に盛り上がっている状況で・・・昭和な表現ですが「熱中時代」といった感じです・・・
 私としては、その時代を体験して、様々なことに刺激と影響を受けましたが・・・アーティスト側もリスナー側も活発に動くことで、自分たちで生み出したモノを自分たちで進歩させている興奮みたいのがあり・・・新しい事を創造していく喜びと気持ち良さが一体になった時期だったな~と思います。

 話をこの本に戻すと、上野さんも、ブロンクスさんも1980年前後の生まれで、私とほぼ同世代で・・・中高生ぐらいの時に「さんぴん~日本語ラップ」の洗礼を受けており・・・私以上に濃い「日本語ラップの道」を進んでおり、あの時代の「熱さ」を私以上に上手く語っているのが大変素晴らしいです。

 実は、今回の特集のテーマの一つにもなるのですが、日本語ラップを「知る」という点においては、それは「アーティスト側」の動きを知るという点が中心にならざるを得ない(そういう本しか発行されてないので)のですが、私としては「ファン側」の心理や動きも凄く大切だと考えていて・・・そういった点も強く伝えたいと思ったので、今回の特集を組んだ経緯もあります。

 日本語ラップは特にそうだったのですが、正直に大手のレコード会社やマスコミのバックアップがない状況で、これだけ日本語ラップが盛り上がった根底として、アーティスト側の熱のある動きを、ファンたちが受け取って、更に熱を込めてサポートしていた・・・という相互影響があって日本語ラップが盛り上がったと思うので、他の一般的な音楽以上に「ファン側の状況」を知ることが凄い大事なんですね・・・
 最初は、私たちが受けた「あの熱病」を知る材料として、この本を捉えていましたが、それを知ることができることに加え、ファンたちがシーンを「どうやって盛り上げたか?」が知れる点はほんと価値があります。

 んで、ここまで、割と固く書いてしまったので、角度を変えて柔らかい視点でも指摘をします・・・

 そういった、ファン側が体験してた「熱」を知る上で凄い大切な対談になっているのですが・・・話自体は爆笑話やレア逸話の連続で・・・やっぱり、この人たちは分かってるな!という感じも素敵です!!

 なんでしょう、これも私たち世代が受けた「佐々木士郎イズム(=Bボーイ・イズム)」かもしれないですが、真面目なことも笑い話も同視点で語っていくことや、多少の苦労をしてるけど、笑いながら前に進んでいく感じがあり・・・私たちが影響を受けた「Bボーイ・イズム」を自然に語っている点も大変イイですね!
 特に、上野さんもブロンクスさんも、当時の「現場」に足繁く通っており、そこからのレア情報とレア物品の数々にヤラれます・・・個人的には鬼だまりのライブに、年上の悪い女からバックパスを買って潜入した話等・・・グッときます!!





『日本語ラップ - クローズアップ本』

 次のカテゴリーは「日本語ラップをクローズアップ」という観点で、日本語ラップに関する本を紹介します。

 先ほどの歴史本が「時代の流れをマクロの視点で見る」ことに対して、ここで紹介するのは「ミクロの視点」で日本語ラップを語っている本を紹介したいと思います。
 つまり、先ほどの歴史本では、様々な角度から「歴史の流れ」を読みとれる本を紹介してて、こちらでは、その流れを「作っていた人たち」や「作った方法」、そして日本語ラップの「根底や精神論」を語っている本の紹介になります。

 こちらも、私視点の強引紹介(?)もありますので、ご容赦ください・・・



「Zeebra自伝 - Hip Hop Love」
著者 Zeebra 2008年11月 ピア株式会社

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 一発目は、一番分かりやすい本ですが、いわゆる「自伝本」で、我らのジブさんの自伝を紹介したいと思います!

 どの音楽でも、自分の生きてきた道のりを語る本は多く、それこそ矢沢栄吉さんの「成り上がり」から始まり、どんなジャンルの音楽にも「自伝本」はあるかと思います。
 それは、音楽という存在が「自己表現」の賜物であり、自分が生きてきた道があるからその音楽を作ることが出来るという意味において、その人のバックグラウンドを知ることは重要な訳で・・・自伝本がその人の音楽を「更に深く知ることが出来るツール」として活用されている側面があるかと思います。

 そして、HipHopも割と自伝が多いジャンルの一つで、海外のアーティストも多いですが、日本語ラップもボチボチあり、ここで紹介するジブさんの他にも、K Dub ShineやAnarchyなどが自伝を出してて、ちょうど来月には漢さんの自伝も出るみたいですね・・・

 なんでしょう、日本語ラップを含む「Hip Hop」は、音楽の根底として「這い上がりの精神」があったり「アウトローの精神」があったり・・・何よりも「生活の中から生まれる音楽」なので、音楽感以上に「生き様」や「生活」を知ることが大切なので、自伝が珍重されていると思います。
 まあ、他の音楽に比べて、生きてきた道がストレンジな方々が多く、題材にしやすい(話として盛り上がりやすい)もあるのかもしれないですが・・・ストレンジな道を歩んで来ているからこそ、こういった本でしっかりと語り、自分の生き様や考えを周りに理解してもらう意味では・・・適切なフォーマットだと思います。

 その中で、たまたま持っていたのがジブラさんの本ですが・・・これを読むと、ほんとジブさんのことが信頼できてしまい、自伝としては、かなり内容の良い本だと思います。

 内容としては、ラッパー活動20周年を記念して企画された本のようで、ジブラさんの子供の頃から活動中のことまで、ジブラさんの口調を残しながら真剣に書かれています。
 
 ご存知な方も多いかと思いますが、ジブラさんは昭和の大実業家である横井英樹氏の孫になり、けっこう複雑な家庭環境の中、育ってきたのですが、今の活動にも通ずる「負の要素と立ち向かい、ポジティブな方向に進ませる」生き方が全編で語られており、一人のラッパーであり、一人の人間である「Zeebra」を上手く語った本だと思います。

 なんか、説教じみた話になりますが、私自身、USのHipHopにしろ、日本語ラップにしろ、一番影響を受けた考え方として「自分が良いと思ったことを胸を張ってヤレ!」という考えがあると思います。
 それがあって、このブログをやってたりする訳ですが、ジブさんのこの自伝を読むと、様々な苦労や苦難もありますが、自分の生きる道を楽しみながら、胸を張って「自分」を進ませ続けている姿が描かれており・・・そういった考えを思い返させるとともに、読むことによって励まされたりもします・・・

 この本は、自伝本でもありますが、この文化の根底にある「Bボーイ・イズム」を含む「精神論」を教えてくれる部分もあり、大変素敵な本です!



「ヤングトラウマ - ひろ子、ドカベン、バンバータ」
著者 スチャダラパー 2009年4月 Tokyo FM 出版

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 これも、系統的には「自伝本」になるのでしょうか・・・ただ、自伝本を超えて80年代~90年代の「日本のサブカルチャー」を知る上で、参考になる情報が多く、ヤバいですよ!

 この本は、あのスチャダラパーの面々が、自分たちが影響を受けたテレビ・ラジオ・雑誌・漫画・音楽・ゲームなど・・・80年代~90年代の様々な「文化」を語りあった内容で、スチャダラの「バックボーン」が分かる本になります。

 もう、表紙からワニブックス的な80年代フレイバー満載でヤラれます・・・スチャダラの面々が影響(トラウマ)を受けた80~90年代の様々な文化を、雑談形式で語っているのですが、内容も濃すぎで素晴らしいですね!
 先ほどのジブさんの自伝は、ジブさんの歩いてきた道を語っていたのに対し、スチャの面々は、影響を受けた「文化」を語ることで結果的に「スチャダラパー」になった道を語っており、スチャダラパーを知るのには最適な本かもしれません。

 また、こういった80年代~90年代の文化を「スチャダラパー」というフィルターを通して分かりやすく解説をしている要素もあり、自伝という内容以上に、80年代~90年代の文化を知るための参考書のような役割も含まれているかと思います。
 
 そして、今回、日本語ラップの本として紹介したいのは、スチャダラパーというラップグループを知るための資料として紹介するのではなく・・・これもジブさんの本と同じで「Bボーイ・イズム」を知ることが出来る本として紹介をしたいからになります。

 それは「どんな文化でも壁を作らずに吸収し、自分のモノにしていく」になるかと思います。

 私自身の話で恐縮ですが、この点を高校生ぐらいにFrontで佐々木士郎さんが連載してたコラム「Bボーイ・イズム」で叩き込まれ、今に至っています・・・

 士郎さんの連載でも、士郎さんが「これはBだ!」と思ったモノや事柄を紹介してて、もはやHipHopやラップと全然関係ない事と中心に語られており・・・私自身はメチャクチャ影響を受けました!
 その影響を言葉に表すと「どんな文化でも壁を作らずに吸収し、自分のモノにしていく」になる訳ですが、これってHipHopの原点なんですよね・・・つまり、ジャンルに関係なくドラムブレイクが入っている曲を2枚使いしてビートを作るということで、HipHopの雑食性や自由さの根底を、士郎さんの連載を通して叩き込まれたのだと思います。

 これって凄い大切なことだと思います・・・今でも多少はあるかと思いますが、ある文化に属すると、その文化以外のことは触れてはイケないみたいな不文律があったりしますよね?

 まあ、若い世代に多いのですが、ある音楽のファンになったら、その音楽以外の音楽は聴かないみたいなことで、私が高校生だった90年代中頃においては、HipHop/日本語ラップが好きだった子たちが正にそうで・・・HipHopが好きなのに、HipHopの「根っこ」が理解されていない状況がありました。
 士郎さんの連載においては、その「根っこ」を教える為に、HipHopと関係のない漫画や映画を紹介し、私たちに「HipHopだけに凝り固まるじゃない!」という点を伝え、自分の視点で様々な文化を吸収していきなさい・・・そして掘りなさい・・・ということを教えてくれました・・・

 話をスチャの本に戻すと、正にこういった「文化を自分たちの視点で掘って、自分たちの自己表現に繋げている」のが分かる内容で、ジブさんとは別角度な「Bボーイ・イズム」の精神論を教えてくれる内容だと思います。
 直接的に日本語ラップのことや、日本語ラップに繋がる話は、ほとんどありません(笑)が、HipHopなり日本語ラップが、雑食性に帯びた音楽(文化)であることを教えてくれる内容で・・・日本語ラップの「根底」を理解する上では、是非読んで頂きたい本です!!



「ラップのことば」
2010年4月 P-Vine Books

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 これは、日本語ラップファンなら、読んだことがある方が多いでしょうか? 続編も発刊されており、人気な本ですね!

 この本は、日本語ラップにおける「ラッパー」に焦点を当てた本で、そのラッパー達が吐き出す「リリック(歌詞)」についてをまとめた本で、かなり参考になる本です!
 
 内容的には、ライムスターの宇多丸さんやZeebraさんのようなベテランから、サイプレス上野さんやSeedaさんのような後発勢まで網羅しつつ、各々のラップを始めた経緯等のバイオ的な話から、リリックの書き方等・・・どうやって「日本語ラップが作られるか」が理解できる本だと思います。
 どのアーティストも、笑い話を交えつつも、かなり真剣に話しており、そのアーティストが吐き出す「ことば」の裏が分かる内容で、日本語ラップが好きな方なら一読する価値は十分にあります。

 なんか、先ほどのジブさんやスチャの本は、本来は「自伝」として紹介をしないとイケないのに別視点で紹介をしていましたが・・・ある意味、この本の方が「自伝」的かもしれません。

 それは、自伝という形式が、その人の「中身」を知るための方法であれば、こちらの本は、その中身において「ラップをすること」を第一前提にインタビューが行われているからです。

 この本の中ではZeebraさんも登場をしていますが、先ほどの自伝が「生き様」を紹介するのであれば、こちらでは「ラップをすること」を中心に語られており、両者ともそのアーティストの中身ではありますが、音楽という観点でいくと、やはり「ラップをすること」が重要で、その点を上手くまとめられていると思います。
 自伝的なバックグラウンドの話も多いですが、ラップの歌詞を作る方法、そしてその歌詞を作る心ゆきなど・・・そのアーティストの「中身」を上手く聞き出しており、そのラッパーが吐き出した「ことば」だけでは理解できない部分を分かりやすく書かれていると思います。

 まとめると、日本語ラップの曲やアーティストを理解する上で、かなり参考になる本だと思います・・・また、各アーティストのインタビューからは、それぞれの「Bボーイ・イズム」を知る事もでき、精神論を知る上でも十分機能しています!!



「ヒップホップ・ジャパン」
著者 陣野俊史 2003年10月 河出書房新社
 
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 次は、先ほどの「ラップのことば」の流れで、そのアーティストの「中身」を知るためのインタビューを行った本を紹介しましょう・・・ただ、これは知られていない本だと思います?

 この本は、フランス文学の学者・大学講師である陣野俊史さんという方が、特定のラッパーが吐き出す「ラップ」に関心を持ち、その言葉がなぜ生まれたか等をインタビューをし、1冊にまとめた本で・・・日本語ラップの本というよりも、文化論や学術論としての「ことば」の観点で書かれた本になります。

 知られていないのは、まさにコレが理由で、本屋さんでの並びでいけば、音楽コーナーではなく、学術関係のコーナーにおかれてそうな内容なので、発刊当時のあまり話題になった記憶がありません・・・
 ただ、学術書と書くと「固い」イメージもありますが、著者の陣野さん自体、フランス文学の他にサッカーや音楽に造詣が深く、ラップであればフランスでのラップ文化についての本を出したり、もはや伝説のロックバンド「じゃがたら」の自伝を書くなどの活動をしており・・・割とソフトな内容で書かれていると思います。

 この本では、陣野さん自身が歌やラップで表現される「ことば」に学識的見地から興味をもち、誰にも比類しない歌詞を書くラッパー4名に対してロングインタビューを行っています。

 正直、言葉が悪いですが、学者さん視点なので人選と聴きどころがずれている部分もあり、ECDさんとShigo2さんの他に、ロックバンドのナンバーガール・Zazen Boysのボーカルである向井秀徳さんにもインタビューをしています・・・個人的には向井さん自体をチョイスしてる時点で「分かってるな~」と思いましたが・・・

 ただ、この本をお勧めする理由があります・・・なんと、インタビュー対象者の一人にByddha Brandの「Nipps」さんが入っています!!
 この事実だけで、日本語ラップファンは反応するでしょう・・・よくNippsをインタビューに引き込みましたね!

 陣野さんとしてはNippsが吐き出す特異的な歌詞が、どうやって生まれたのかを知りたかったようで・・・この本の骨子になる、ラップというリズム感を伴う歌詞において、一部の特異的で強烈な印象を伴う歌詞が「なぜ生まれるのか」を解析することが主眼点にするのであれば・・・Nippsの言葉は気になりますよね。
 我々の言葉でいえばイルマティックなライムを書かせたら最高峰なNippsですよ・・・川俣軍●がラップの歌詞になる人ですから・・・やっぱり学識見地としても気になる存在になのには、ちょっと笑ってしまいました(^^;)

 そして、Nippsとのインタビュー自体は、予想通りにあまり成功していない感じ(笑)で、陣野さんもNippsの謎を解き明かすことが出来なかったようです・・・というか、Nipps自身が、あまり考えずにラップをしていると思われるので、Nippsの中身を引き出すに引き出せなかったのかな??

 ただ、先ほどの「ラップのことば」と比べると、ラップの歌詞を「ポエトリー」と考え、その言葉を聞いた人に影響を与える行為と捉えている点は、興味深いかと思います・・・
 なんでしょう、他の世界の方が書いたからこそ、気づかなかった部分の指摘や、違った考え方が提示できるので、その意味では斬新かな~と思いました。

 ちなみに、素敵な話として、Nippsの人間発電所のバースは、本著によると15分ぐらいで書いたそうです・・・やっぱりスゲーな!!



「日本のヒップホップ - 文化グローバリゼーションの<現場>」
著者 イアン・コンドリー 2009年4月 NTT出版

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 このセクションの最後は、学術書つながりで紹介をしたいと思います。

 この本は、イアン・コンドリーさんというアメリカ人の学者さんが書いた本で、元々は博士号申請論文として書かれたものを、増強して出版化されたもので・・・いわゆる「学術書」になると思います。

 イアンさん自体、専門は日本文化のようで、特にポップカルチャー、メディア、言語、グローバリゼーション等に焦点を当てているそうで・・・こういった単語を聞くと、学問の匂いがして敬遠しちゃいますよね・・・

 ただ、イアンさん自体、80年代半ばにNYでHipHopにハマり、研究の過程で日本に長く滞在し、日本語ラップのシーンも1994年ごろから追っているようで・・・先ほどの陣野さん以上に「HipHop」をしっかりと理解している側面があるので、こちらとしては入りやすい部分があると思います。
 実際に、この本が出た際、以前から親交があり、この本でも多大な協力をしたライムスターの宇多丸さんから「もっとも信頼に足る日本語ラップ研究が、ようやく日本語になった!」と謝辞が送られるぐらい、日本語ラップシーンに精通した上で書かれているので、内容的にも凄い濃い内容になっています。

 実際の内容としては、文化論のスタンスとして、HipHopという音楽がアメリカを離れ日本に辿りつき、それが独自の文化として開花していく流れを追いつつ、文化という存在のグローバリゼーション(国際化)を考える内容になっていると思います。

 正直、書かれている内容は、日本のHipHopを「学者さん視点の考察」で書いているので、結構難しい書き方をしており、読むのには結構苦労をすると思います。

 ただ、素晴らしいのは、しっかりと日本のHipHopシーンの現場に出向いたり、アーティストにしっかりと取材をしたり・・・90年代中頃から00年代初期ぐらいの日本のHipHopシーンを明確に捉えている点は素晴らしいと思います。
 この点は、歴史書の意義と重なる部分もあるのですが、当時のシーンを確実に捉えつつ、イイ意味での学者視点が働き、当時のシーンを詳細に分析しているのが素晴らしく・・・士郎さんが贈った謝辞は間違えがないな~と思いました。

 取材対象でいけば、ライムスターやDaboといったアーティスト勢から始まり、裏方的な人も捉えており、日本のHipHopシーンで女性として成功した例として「Rikoさん」をするなど、かなり詳細な取材をしており・・・当時を知る上での資料としてかなり価値があります。
 Rikoさんを例にとるのは失礼かもしれないですが、場合によってはかなりパーソナルな話まで聴いており・・・文化というモノが、参加している人たちのバックグラウンドまでも理解をしないと、明確に分析できないことを踏まえて書かれている点が、この本の詳細さの裏付けになるかと思います。

 日本語ラップ(日本のHipHop)を知る上では、端的な資料として役立つ他に、その優れた考察が、この文化の構造を理解する上で役立ち、大変参考になる本だと思います・・・





『最後に』

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 いや~、今回に関しては「日本語ラップ」というカテゴリーで本を紹介をすることはスグに思いつき、在庫の中から本を探し、準備は割と早く出来ましたが・・・肝心な内容は文章を書きながら紹介の方向性を考えていったので、自転車操業的な作業をしていました・・・(^^;)
 でも、なんとか無事にまとめることが出来たかな?

 最後になりますが、今回の本の紹介とは異なることですが、書いておきたいことがあります。

 Dev Largeさんからは色々な影響を受けた中で、個人的には「掘る」というHipHop文化の基礎となる部分を教えてくれた存在だと思います。
 無論、掘ると言う行為は、Dev Largeさん以外の人からも間接的に教わってきたことですが、Dev Largeさんに関しては、かなり早い時期から掘ることの重要性を説いていた一人だと思います。

 私の中では「掘る」という行為は大きく分けると二つに分かれると考えています。

 一つはお目当てのモノを探し当てることで、言葉としては「掘り当てる」になると思います。
 
 そしてもう一つは、その文化の中で、誰もやっていないことを独自の視点と発想で作り上げていくことで、言葉としては「掘り進める」が近いかと思います。

 掘るという言葉は、一般的には一つ目の「掘り当てる」が中心で、私自身、そのことを楽しみながら日々を過ごしています。
 ただ、Dev Largeさん達のようなオリジナルの世代からは、ただ掘るのではなく、しっかりと目的意識を持って、誰もやってないことをクリエイトすることも大事である・・・そんな「掘りの精神」を同時に頂いていたと思います。

 二つ目の掘りについては、一番ピンポイントなのがサンプリングをしてトラックメイクをする人に対してのメッセージとしてDev Largeさんが結構言ってたことで、かなり早い時期から和物ネタを使ってた点など、人とは違うこと、そしてそれを具体化することの大切さを説いてたと思います。
 それは、実は「HipHop」の創造性や雑食性、そして自由さの中では「当たり前」のことで・・・自分が良いと思ったモノは、胸を張って作っていけばイイ・・・そんな意味かもしれません。

 今回、記事を書いてる途中で、この二つ目の掘りのことが頭に浮かび、今回の記事だったり、このブログ自体が正にそうなのかな~と思いました。

 特に、今回の記事、あまり注目されていない本が多く、下手したらブックオフの100円コーナーで簡単に抜ける本も多いと思います・・・それだけ、注目されていない本が中心になるかと思います。
 私としては、それらの本に書かれている「日本語ラップとして重要な点」を抜き出して紹介をしただけではありますが・・・Dev Largeさんが伝えたかった「本当の掘り」を実践出来たのかな?と思うと、なんか、やっと恩返しが出来たかな~とも思いました・・・

 掘りは掘りで返す・・・掘り師として最大級のお返しが出来たかな? Dev Largeさん、本当にありがとうございます!!


 

 ではでは、久しぶりのネタ企画でしたが、これで終わりです~
 昔みたく、割と短いスパンでネタ企画を出すことが出来なくなってしまいましたが、これからもタイミングをみて投下していきますね・・・決して、ネタが尽きてきた訳ではないので、気長にお待ちくださいね(^0^)






DJ関連書籍 「ダンスカルチャー 歴史・紹介本」
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 え~、今年は私が持っている「本」も紹介をしたいと以前書きましたが、今回は「クラブでダンスする」ことを扱った本を紹介したいと思います。
 このブログを読んでいる方だと、興味を持っている方は少ないかも知れないですが、頑張って読んでください(^^;)






< はじめに >

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 ブログを長く読んておられる方だとご存知かと思いますが、私は「クラブで踊る」ことが大好きで、このブログにおいては、DJミックスの面白さ・良さの延長線の話として、私がクラブに踊りに行った時の話を書いています。

 まあ、かなり視点が偏ってたり、無駄に文章が長かったり、ドマニアックなことしか書いてなかったり、MixtapeのブログなのにHouseのパーティーが中心だったり・・・自分でも「どうしてこんなことを書いてるのだろう・・・」と首をかしげることもあるのですが、結構、面白がって読んでくれている方もいるので励みになります。


 なぜ、踊ることが好きなのかを言葉に書きだすのは難しいのですが、私としては「大好きな音楽をDJの選曲とミックスを通して、音の良いクラブで自由に楽しむ」ために「踊っている」ようで、それが気付いた以降、日々の生活を送る中で、無くてはならない大切な行為の一つになりました。

 無論、このブログのポリシーの一つでもある「DJのプレイによって音楽が輝く」を楽しむ・体感するためにクラブに踊りに行ってたりするのですが、クラブの音の良い音響や、素敵なライティングと雰囲気も重要ですし・・・何よりも気持ちを開放して「踊ること」で、日常的に聴く音楽を更に楽しんているかと思います。
 不思議なもので、クラブの爆音や美しいライティングを通して、その魅力に気付いた曲は多いし、踊りながら聴いた曲は、体に音が染みつきやすいというんでしょうか、不思議と体に馴染むことが多いし、大好きな曲がプレイされれば、日常で聴くよりも嬉しさが倍増するので、心と体が鼓舞しちゃったり・・・う~ん、よく分かりません(^^;)

 まあ、ダンスミュージックが多いので、自然と体が動いてしまうのもあるのかも知れないですが、リズムやメロディーやビートに合わせて体を動かすのは何よりも気持ちいいし、そこに大好きな歌がプレイされたら、踊りながら喜んで歌ってたり・・・結局は「好き」だから踊ってるんでしょうね(^^;)

 どういう訳か、クラブの暗い闇の中で、音に任せて踊っていると、汗をかきながら踊るだけでも気持ち良く、時としては我を忘れて踊り狂い、大声で歌ったり、心の中から湧きあがることを叫んだりする時もあり、それが日常のストレス発散につながっている・・・その辺が好きな理由かもしれません。
 また、これはHouse的なのかも知れないですが、体が疲れるまで踊り続け、その先で大好きな曲がご褒美プレイされたら凄い嬉しいですよね・・・マゾ気質(?)な感覚かも知れないですが、ご褒美を美味しく頂く為に、限界まで踊って自分の体に鞭を打っている・・・そんな部分もあったりします(^^;)

 ちなみに、私自身の踊り方は、ビートに合わせてステップを踏みつつ、リズムやメロディーに合わせて全身を動かす感じ(?)で、基本的にはHouseの踊り方なんですが、気付いたら「体がダンスを求めている」レベルになってて、汗をかきつつ、音に身を任せて踊ってる・・・そんな感じの踊り方をしています。
 自分の踊っている姿を見たことがないのでアレですが、結構激しく踊ってるけど、決して下手ではないようで、フロアーの華にはなっているようです・・・う~ん、どんなバカ顔をして踊ってるんでしょうね~(^^;)


 そんなわけで、今となっては踊るということが無くてはならない存在なんですが、最初から踊ってた訳ではなく、私自身は徐々に成長していった所があります・・・

 その過程では、現場で実践練習(?)を重ねたり、プレイされる音楽を自分なりに掘り進め、日常でもよく音楽を聴いたりしてましたが・・・私の中では、今回の記事の中心にもなる「ダンスカルチャーの本」を読んで、頭で理解した部分も大変大きいです!!

 ここで紹介するダンスカルチャーは「DJがクラブで観客を踊らす」「お客さんがDJの音で踊る」ことを指し、内容的には「クラブ本」でもあり「DJ本」だったりもするのですが、ダンスをすることを前提にある音楽文化のことになります。

 ジャンル的にはDisco~Garage~Houseラインが分かりやすいかと思いますが、そこには文化としての発見と発達、そして進化と変化があり・・・「踊る」という行為を中心に一つの音楽ジャンル以上の価値が見出されたと思います。

 私自身は、最初は好きだったDisco~Garage系の音楽の知識を増やす為に読んでいた訳ですが、読んでいく過程で「クラブでDJのプレイを聴いて踊る」という行為が、この文化が始まったころから既に火がついていて、今も同じことをしていることに刺激を受け、かなりの影響を受けました。
 音楽は特にそうなのですが、ある日、突然にその音楽が出来たのではなく、長い年月をかけて成長をする訳ですが、私が好きなDisco~Garageの曲にも過程があり、その中において「クラブ」「DJ」そして「ダンス」があったことを、これらの本は分かりやすく伝えてくれ、その音楽・文化を構造面から理解できたのは大変価値があります。


 そんな訳で、一人でも多くの方を「クラブで踊らす」為に、Disco~Garage~Houseラインを中心に「ダンスカルチャー」を紹介している色々な本を紹介をしますね~(^0^)








『そして、みんなクレイジーになっていく - Last Night A DJ Saved My Life』
著者:Bill Brewster, Frank Broughton
日本版:2003年1月(海外版:1999年)

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 では、最初は一番平均的な本からご紹介しましょう。

 クラブやDJ関連の本らしくない装丁と、本の分厚さ・値段から、読んだことがある方が意外と少ないかも知れないですが、我々が好きな「DJ」の歴史を明確に教えてくれる本で、ジャンルを問わず、DJという音楽が好きな方なら絶対にお勧めな本です。

 この本は、共にDJ・クラブ系の雑誌で編集やライターをしていた著者達が、ダンスミュージックやDJの歴史を正しく伝えることを目的に書いた本で、DJを中心に発達した様々なダンスミュージックを、時系列・ジャンルごとにまとめ、当事者からの証言などを交え、文章として大変わかりやすい内容になっています。

 本の序文では「ダンスミュージックに対し、いまだに大人の見方としてまかり通っている無知と偏見を打ち倒すため、本書が少しでも役立ってくれたらいと思う」と書いており、筆者たちがDJやクラブを通して影響を受けたダンスミュージックの素晴らしさを正しく伝えたい・・・そんな思いがこの本を実現したのだと思います。
 実際に、この手のダンスミュージックを伝える本は色々とあったかと思いますが、それこそ表層的なモノが多く、根幹まで捉えた本が少なかった中で、本当に「正しいダンスミュージックの歴史」を伝えたく書いたと思われ、信頼のおける一冊であることは間違えないです。

 内容的には、DJ以前の話から始まりつつ、60年代中頃にイギリスで巻き起こった「Nothern Soul」や、70年代初期からNYで発達した「Disco」とその先にある「Garage」「House」、または「HipHop」「Techno」など、DJを中心に発達した音楽を、分かりやすく紹介をし、DJという存在を分かりやすく伝えています。
 このジャンルは詳しいけど、他のジャンルは詳しく分からないんだよね~って方には凄いお勧めで、その音楽を知る上での「基礎(=歴史)」を分かりやすく伝えているのは秀逸ですよ!!

 個人的な話だと、それまでHipHopしか詳しく知らないけど、Discoなんかが好きになった時期に読み、どの音楽もDJを中心に進化の過程があり、それが大変面白く、こういう根底を知らないと、その音楽は理解が出来ないな~と思いました。
 それこそ、Houseだったら、普通は80年代中期にChicagoで生まれた・・・みたくなりますが、源流をたどると60年代末にNYまでさかのぼれ、DJが音楽をプレイして観客を踊らす行為は、細い線ではあるけど、それぞれが繋がっていた事実が分かり、音楽に壁なんて無いんだ~と思いました。


 恐らく、今回の紹介の中で、この本が一番分かりやすい入門書になるかと思います。

 DJという存在を中心に、その音楽の発達を伝えていますが、著者達の視点の中に「踊る」という行為を根底に考えており、大変心強いかと思います。
 著者達の言葉を借りれば「音楽の発展という点からすれば、いつの時代も印刷された文字よりダンスフロアのほうがよっぽど影響をおよぼしてきたのだから」という視点が生きており、興味のある方はぜひ読んでみてくださいね!!








『Love Saves the Day』
著者:Tim Lawrence
日本版:2008年6月(海外版:2003年)

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 これも、この手の本では鉄板の本ですね!!

 著者のTimさんは、ロンドンに住む学者さんで、詳細は分からないのですが、クラブ関連のアルバムのライナーノーツを多数執筆している方です。
 この本が出版された時に「ついに日本語版が出た!」と騒がれた本で、読んで影響を受けた方も多いかと思います・・・私もその一人でした。

 この本も、先ほどのLast Nightと同様に、クラブミュージックを正しく語る本が無かった中において、この本では「70年代を通してNYで巻き起こったDJ/クラブ/ダンスカルチャー」を詳しく紹介をしています。
 それも、膨大な数のインタビューや調査を行い、作者の並々ならぬ努力と、その内容の正確さから、かのFrancois Kより「やっとのことで、ダンスミュージックが最も影響力を有した時代の、包み隠しのない、詳細かつ信頼ができる回想録ができた」と賛辞を貰ったほどで・・・これも歴史的な著作ですね!!

 内容的には、いわゆるDisco・・・いや「ダンスをする為の音楽(ダンスミュージック)」が70年代のNYでどのように動いて行ったのかを時系列ごとに紹介しており、学術書的な文章量になりますが、かなり参考になります。
 それも、御大が賛辞で述べた「包み隠しのない」部分が多く、私が書くのには書きづらいドラッグやゲイの事など、極めてアンダーグラウンドな話もしっかりと書いており、現代のダンスカルチャーの根底が分かります。


 まず、分からない方も多いと思うので、当時のNYの流れをざっと紹介しましょう。

 現在にも通じる「クラブでDJが音楽をプレイして、それで観客が踊る」という文化は、60年代のUKでのNothern Soulや、Jamaicaでのレゲエの発展などもありますが、私としては60年代末のNYがスタート地点としては妥当かな~と思います。
 それこそ、「Loft」でお馴染みのDavid Mancusoがプライベートパーティーを始めたり、SanctuaryというクラブでFrancis Grossoがターンテーブルを2台使用してミックスをし始めたり・・・DJがレコードで音楽をプレイし、それで観客が踊るという行為が始まりました。

 この中では、ゲイの人たちが日常の嫌なことを忘れ、クラブで踊って盛り上がろう・・・みたいな流れが初期としては大きく、ゲイの人を含むマイノリティーな人たちが、DJがプレイする音楽を(時としてドラックを活用しながら)愛し、そして踊り続けたことで、このダンス文化が進んで行きます。
 そして、極めてアンダーグラウンドなレベルですが、この流れの中で、効果的なDJミックス・選曲をすることで観客が盛り上がるとか、クラブの音響やライティングを効果的にすると観客が盛り上がる、そしてクラブとDJと観客が一体になることで最高潮になる・・・など、現代のクラブにおいても基礎的になることをDJも観客も体験的に発見し・・・徐々に発展していきました。


 この本では、こういった流れを、当時のDJなどの声を集め、時系列に様々な内容を紹介する中で、NYのダンスカルチャーがどうやって発達をしたのかを紹介しています。

 それこそ、クラブの発達や、DJ機材・音響機材の発達、レコードの12inch化、DJプレイの進化、観客の成長など・・・70年代のNYを通してダンスカルチャーが成熟していく過程が手にとって分かります。
 結果として、この発達は、踊る為の音楽(Disco)と、それをプレイするDJの存在を全世界に知らしめ、それこそ「Saturday Night Fever」のような社会現象を巻き起こしつつ・・・最後には崩壊をし、その死の灰から新たな芽が伸びていく訳ですが、こういった流れを詳細に記載されており、大変重要です。

 他のジャンルが好きな方には飛びつきにくい内容かも知れないですが、クラブやDJの基礎を作って行った過程が分かるので、是非ご一読を・・・


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 なお、おまけとして、この2冊もNYの70年代ダンスカルチャー関連ではお勧めな本です。

 共に洋書なので読みづらいですが、左は「Vince Aletti / The Disco Files 1973-78」で、当時、VinceさんがRecord World誌で連載をしていたNYのDisco関連のコラムを集めた資料集で、今回の本の内容を更に細かくした内容です。
 当時の記事なので、これまた包み隠して無い話題が多く、ヒットしているクラブやDJ、注目の新曲など、マニアには大変堪らない内容で、個人的にはDJチャートがグッときます・・・ラリーが何を当時プレイしてたかが分かり、これもマストですね~
 ただ、文字数が多く、全部英語なので、読むのが大変です・・・だれか翻訳版を出してくれないですかね~

 そして、右は「Disco Patrick / The Bootleg Guide to Disco Acetates・・・」で、オランダのコレクターが書いた(今でいう)リエディットなレコードの紹介本で、こちらも鬼のようにマニアックです。
 これらのダンスカルチャー本だと、DJがクラブを飛び出して、スタジオで音楽を作り始める・・・そんな話も多いのですが、そのマニアックな一例として、既存の曲をDJがプレイしやすいようにブートでリエディットする文化がありました。
 そういったレコードの紹介がメインなのですが、それ以外にもレアな写真が多く、Salsoulのケツ出しネーちゃんのオリジナルの写真(と別カット写真)があったりし・・・小ネタ資料集としては最高ですね!!








『UKジャズ・ダンス・ヒストリー』
著者:Mark "Snowboy" Cotgrove
日本語版:2009年6月(海外版2009年)

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 んで、次は「音楽で踊る」という行為が、70年代のNYだけではなく、別の場所でも自然発生的に起こったことを明確に伝える本で、コレもダンスミュージック本においては重要でしょう!!

 著者は、DJやProducerとして著名なSnowboyさんで、今まで紹介した本と同じように、彼が70年代末から80年代のイギリスで体験した「ジャズ・ダンス」の存在を明確に伝えるべく書いた力作で、詳細な記述と、膨大な量のインタビューが秀逸な本です。

 
 まず、DJが音楽をプレイして、それを聞いたお客さんが踊るという行為は、先ほどの「Love Saves the Days」では60年代末のNYが、以後のダンスミュージックとの繋がりを考えると最初と書きましたが、それは必ずしも正しくはありません。

 その理由の一つになるのが、60年代中頃のUKで起きた「Northern Soul」ムーブメントがあるからです。

 このNorthern Soulは、アメリカで発売されたSoulなどの曲で、テンポが速く、高揚感のある曲を指し、それらの曲を多くリリースしていたアメリカの北部(デトロイトやシカゴ)、またはこれらの曲が好まれたイギリス北部を指してNorthern Soulと名付けられています。
 今となっては、それらの曲ばかりが注目されていますが、娯楽に飢えた若者を中心に栄えたダンス文化で、UK国内の一部の地域のみで盛り上がっており・・・限定的、かつ特殊なダンスカルチャーだったと思います。

 この文化が面白いのは、ダンスに関しては大変動きの速いスタイルが主体だったようですが、誰も持ってない曲をプレイするDJが偉いみたいな独特の制度があったり、音楽の対象が60年代の彼らが好むSoulに限定されてたり・・・ある種の「閉鎖性」があった点です。
 つまり、「自分たちが好む音楽(踊れる音楽)以外はいらない」みたいな方向性があり、外に出ないが故に自己発展をした音楽(音楽嗜好)になります・・・日本におけるオタク文化と同様に、イギリスも島国なので、こういった独自発展の文化が生み出されたんでしょうね・・・


 今回の記事の範囲だと、現在的なダンスカルチャーには直線では直結していないと思われるので、あえてNYの話をしてしまいましたが、Northernなり、UKの動きも実は大切で・・・そのUKでのダンスの流れを紹介したのがこの本になります。

 イギリスでは、Northernがそうだったように、伝統的に「DJがプレイする音楽に合わせて踊る」という行為が生きており、ルーツをたどるとパブ文化とかにつながるんでしょうが、Northernの人気が落ちてきた70年代中頃以降、Northernと同様に「独自の音楽視点」で踊る文化が現れました・・・それが「ジャズダンス」です。

 ジャズという音楽を考えると、ダンスミュージックとしてスタートしてるので、ジャズで踊ることに問題は無いのですが、一般的なイメージでいくと、ジャズで踊るというのは連想しずらいかと思います。

 ただ、時代的に70年代中頃になるとSoulやFunkやDiscoなんかに影響を受けた「Jazz Funk」や「Fushion」のようなダンサンブルな曲が、アメリカのJazz系アーティストによって作られ、それに連呼したのが海の向こうのUKの若者だった・・・のがスタートですかね??
 Discoなどの12inchを買ってる方なら分かりますが、アメリカで出来た曲なのに、Jazz Funkっぽい曲に関しては、やけにUK盤の12inchが多いのは、これが理由で、独自の審美眼で盛り上がってたからでしょう・・・

 私自身も、これに関しては凄い詳しい訳ではないのでアレですが、Jazzだけに拘らず、踊れるグットミュージックを探す姿勢は、Northernの伝統を引き継ぎつつ、ジャンルレスな姿勢に進化させた点もポイントかと思います。
 このジャズダンス初期の時点で、日本産のジャズを輸入してたり、BrazilやBossaなど他ジャンルも手を出してたり・・・Jazzという「姿勢」で音楽を楽しんで踊っていた点は重要ですね。

 ただ、クラブミュージック史においては、NYからの流れは、時代が進む過程で、それに合わせて「新しい音楽を作る」流れに対して、UKのジャズダンスの流れは、時代が進む過程で、それに合う「音楽を探す」になっていた点は、面白いですね。
 無論、そのジャズダンスから生まれた音楽も大変多い(それこそAcid Jazzなど)ですが、選曲重視の観点などは独自路線ですね・・・


 私の紹介では、局地的に盛り上がった音楽スタイルみたいな書き方になりましたが、このジャズダンス(とNorthern)の流れが、イギリスのクラブ文化の基礎になったことは明白で、いわゆる「レイブ」カルチャーが出来る素養を作ったと言っても過言ではないです。
 また、その独自色は色々な面に引き継がれており、音楽に合わせて踊るということが、UKでもアンダーグラウンドに独自発展をしていたことを伝えてくれる本になっています!!


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 なお、Northern Soulのことを知りたいのであれば、長年にわたって良質なサブカルチャーを紹介し続けた雑誌「Studio Voice」の1998年2月号(Vol.266)がお勧めです。
 
 Keb Darge(もともとはNorthernのDJでした)など、当時の関係者に取材をし、レアな写真やレコードなどが多く掲載され、読み応えばっちりです。
 Studio Voiceはブックオフの雑誌コーナーに転がっていることが多いので、興味がある方は頑張って「背取り」でゲットしてくださいね(^0^) 








『パラダイスガラージの時代(上下巻)』
著者:Mel Cheren
日本語版:2006年9月(海外版:2000年)

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 いや~、ここに到達するまでに随分書きましたね・・・すみません(^^;)

 今度の本も、ダンスカルチャー本においては鉄板で、こんな素晴らしい本を残してくれたメルに最大級の感謝をささげたい・・・そんな本になります。


 タイトルから行くと、70年代末から87年まで、NYのクラブ文化の頂点と真髄であった「Paradise Garage」の本かと思いますが、このクラブの影のオーナーともいえるMel Cherenさんの半生を書いた自伝本になります。

 Melさんは、60年代から音楽業界に携わり、Disco系レーベルでは超有名な「West End Records」のオーナーだった方で、亡くなるまで、ダンスミュージックを盛り上げるべく精力的に活動をされてて、業界では「The Godfather of Disco」と呼ばれております。
 また、Melさんにおいて大切なのは、彼がゲイだったことで、70年代に華開いたNYのクラブ文化を、ゲイとして楽しみ、そしてレーベルオーナーとしてその文化を盛り上げ、そしてゲイとしての様々な苦しみを受けながら・・・亡くなるまでゲイとしてクラブ文化を愛し続けました。
 
 そんなMelさんの半生を、綴ったのがこの本になり、貴重な情報も多く、この文化を知る上で大切なことが多く書かれています。

 史実的には、これまで紹介した本(Last NightやLove Savesなど)と被る部分が多いのですが、当時を体験した当事者からの情報とあって、大変貴重です・・・特に、私には説明できないゲイやドラックの話など、メルさんにしか書けない内容が多く、大変参考になります。


 そして、特に注目なのが、タイトルにもある「Paradise Garage」の詳細で、他の本でも、その素晴らしさが書かれていますが、結果として自分の子供のように愛でている話が多く、グッときます。

 実は、今回は「Paradise Garage」のことを本気で書きたいと思ったので、今回の本紹介をしているぐらいですが・・・私も相当影響を受けています。
 
 ご存じではない方にチラッと書くと、1977年にオープンし、87年に閉店したNYの伝説的なクラブで、DJを担当したLarry LevanによるマジカルなDJプレイと、最強のサウンドシステムを武器に、NYのゲイを踊らさせ続けたクラブになります。
 時期的には、全世界的なDiscoブームが過ぎ去った70年代末から本格始動をし、一般的に死滅してたDiscoをアンダーグラウンドに生かし続け、クラブで踊ることの素晴らしさを伝え続けた存在で・・・現在のクラブカルチャーの橋渡しになった存在かと思います。
 それこそ、DJにおいて選曲の重要性でダンサーを喜ばすことはLarryが伝えたことだし、それを実行するためには効果的な音響とライティング、そして優秀なスタッフがいることなど・・・今のクラブやDJの在り方を示した存在で、Garageが無かったら、今のDJ文化がちゃんとあるのかが分からないほど大切な存在です。

 GarageやLarryの事は、一番最後でバレちゃいますが、別の機会に書きますが・・・そのGarageの素晴らしさを伝えてくれる少ない書籍として、この本の価値観はあります。

 Melに関しては、Paradise Garageの影のオーナーと書きましたが、Paradise Garageの本当のオーナー(Michael Brody)とは元恋人(元よりも永遠のかな?)で、Garageが完成するとき、Michaelに資金提供をしたり、色々な協力をしたりしてたことから影のオーナーと言われていました。
 また、Larryに対しては父のような立場で接し、立場としては「内部関係者」としての話が多く、Garageの喧騒や騒動、明るい部分も暗い部分も詳細に書いており、大変素晴らしいです。


 また、この本において大切なのが、やはり「ゲイ」という点だと思います。

 私はストレートなので、ゲイの方の気持ちが理解できない部分もあったり、逆に尊敬できる部分もあったりするのですが、この本においては、ゲイとして生きてきた過程を包み隠さず書いている点には共感を超えた涙を覚えます。
 特に、結果としてこのカルチャーが引き起こした弊害である「エイズ」が、このカルチャーを壊していく様を克明に書きつつ、そこから立ち向かっていく姿は、人間として尊敬を覚えます。

 ゲイの方を指すとき、当然、男性同士のカップルなので、子供を作ることは(実質的には)出来ない訳ですが、メルも語っている通り、神様は彼らには子供を創造することは与えなかったけど、代わりに芸術を創造する権利を与えた・・・みたいな表現があります。

 この本を読んでいると、正にこの表現が当てはまり、ゲイとして生きる楽しさや辛さを味わいつつも、人の心に残る「ダンス」という芸術を創造し続けたメルさんの功績が理解できます。

 また、上手く書けないのですが、今までの本が「史実」を伝えることが多かったのに対し、史実では表現できない「ダンス・スピリット」みたいのも表現してて、心に火が灯ります。
 メルさんが残してくれた「火」は決して消しませんよ・・・Keep On Dancin'!!








『DJバカ一代』
著者:高橋透
発行:2007年3月

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 今回のダンスカルチャー本、最後は透さんの本です!!

 MelがDiscoのGodfatherなら、日本のHouseのGodfatherである「高橋透」さんの自伝本がコレにあたり、Melと違って、DJ視点とダンサー視点、そして日本人視点でダンスカルチャーを体験的に語っており、DJという音楽が好きな方なら必読な一冊です。


 まず、透さんの説明からすると、70年代に日本のDiscoでプレイを開始したDJで、90年代に一世を風靡した伝説のクラブ「芝浦・Gold」のサウンドプロデュースをされてた御大で、日本にHouseやダンスミュージックを植付けた一人として有名です。
 日本のディスコ・カルチャーを通過しつつ、80年代のNYクラブカルチャーの最先端であった「Saint」と「Paradise Garage」の2つを経験した数少ない日本人DJで、Larryなりが奏でていた本当の「ダンスミュージック」を理解し、それを日本に広めた功績は偉大で、もっと評価されないといけない人だと思います。


 この本は、透さんのDJとしての半生を書いており、DJを始めた70年代の話から、渡米をしてNYのクラブシーンを体感してた80年代、そしてそのNYのクラブシーンの良さを日本にも伝えようとした90年代・・・と時系列ごとに話が進んでいますが、今回の紹介的には80年代のNYのクラブシーンを体感してた辺りがポイントかと思います。

 これまでの本でいくと、メルさんの本は運営側の話であったり、それ以外はDJ視点が多かったり・・・いわゆる「踊ってる側」の視点が少なく、本を読む側である踊ってる側が共感できる話が少なかったと思います。
 その限りにおいて、透さんのこの本は、DJ的な音楽知識も加味しつつ、ダンサー視点でParadise GarageなりSaintのことが書いてあり、大変参考になります。

 実際に、本書では、80年代初期に渡米した際は「Saint」(Garageがブラック・ゲイ向けだったら、Saintはホワイト・ゲイ向けだった)を紹介し、80年代中頃に長期で渡米した際は「Paradise Garage」に通った話をしていますが、目から鱗な話が多いです。
 
 特に、もともとSoulが好きだった透さんからすると、LarryがプレイしてたGarageの方が性に合ったようで、85年ごろに初めて足を踏み入れてからは、クローズの日まで毎週通ってたそうで、話の中でLarryのDJの素晴らしさ、サウンドシステムの素晴らしさをダンサー視点で語っており、これが秀逸です。

 先ほども書きましたが、LarryのDJは技術もさることながら、選曲の素晴らしさがあり、階下で踊っているダンサーをコントロールし、果てしないサウンドジャーニーを繰り広げた・・・と言われています。
 Larryの当時の音源は、様々な所に音源がアップされていますが、それらはダンスをしない状態で聴いてても何も響かないです・・・その限りにおいて、LarryのDJを生で聴いて、実際に体験した話の方がリアリティーがあり、透さんの体験談は非常に参考になります。


 私としては、一流のDJこそ、一流のダンサーだと思っている部分があります・・・

 つまり、踊る側が「どこが気持ちいい」のかが理解できないと、DJとして人を踊らすことが出来ない訳で、DJであっても、その音に合わせて踊れないと一流ではないと考えています。
 透さんの本を読んでいると、ダンサーの気持ちや行動を理解した上で書いている部分が大きく、そこがこの本の魅力かと思います。

 DJ視点を加味したダンサー視点というのが貴重な一冊で、是非読んで頂きたい一冊です!!


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 んで、この本には追加で紹介したい書籍があります。

 これまたマニアックなサブカルチャー誌として有名だった「Spector」誌の2003年冬号(通巻9号)では、透さんが参加してたパーティー「Godfather」の面子による座談会が収録されていて・・・さながら、この本の「裏」ネタ的な話が多数収録されています!
 今となってはDommuneの宇川さんと、Moodman氏が参加した座談会なんですが、宇川さんらしいド変態話も炸裂しつつ、透さんのNY時代の話(薬は全部やったよ~とか)がフレッシュで、これも是非探して読んでくださいね・・・
 また、この号にはLoftの体験記などや、大人のおもちゃ屋さんの特集が組まれており・・・色んな意味でお得です(^^;)

 あと、以前も紹介しましたが、『AM Books - DJ 100 Vol.1』という本には、この本のプロトタイプ的な記事が載っています。








< 最後に >

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 数週間前から企画をしてて、色々と考えてはいましたが、書くのを始めることが出来ず・・・今日になって勢いで1日作業で書いてみました・・・どうでしょうか??

 今回、この記事を書くにあたっては「動機」がありました。

 まず、先月の記事の大半だった「eleven」の閉店話ですね。

 紆余曲折を経て、私自身が「踊ること」に目覚めた直後に、東京で一番踊りやすかったクラブが閉店してしまったことはショックでした・・・

 ただ、先日のTimmyもJoeもそうですが、クラブで踊ることの素晴らしさを痛感し・・・この思いを伝えたく、今回の本の紹介に繋がりました。
 あの時、私が感じた気持ちを表現するのは凄い難しいですが、その背景には、ダンスカルチャーの歴史が詰まっていることは事実で、その点を整理したく、今回の記事になった・・・部分は大きいです。


 また、elevenが閉店し、日本の「ダンスカルチャー」が危うい状況を考えると・・・ついに「あの作品」を紹介しないといけない日が来たな~と思い、その準備として、周辺情報だけでも伝えたく、今回の紹介になったともいえます。

 あの作品とは・・・「Larry Levan / Live at the Paradise Garage」で、今回の記事でも取り上げたLarryの当時のプレイを収録したミックス作品になります。
 
 お好きな方も当然多いかと思いますが、私自身も相当影響を受けた作品で、あまりにも影響を受けすぎてたり、その歴史的価値や作品の重要性から、自分にミックス作品としての紹介が出来るかが自身が無く・・・あえて紹介を避けていた作品になります。
 あの作品、ほんと考えれば考えるほど大切な作品で、Larry LevanというDJの素晴らしさの一部を凝縮した内容になっており・・・私の言葉で語れるのかが自信がありません。

 ただ、こんなご時世だからこそ、私が紹介しないといけないな~と思いました。

 elevenの閉店がきっかけの一つではありましたが、日本でミックス作品の素晴らしさを語れるのは私だけ(もう豪語しちゃいますよ!)だと思うので、一念発起して挑みたいと思います。

 そのため、後には引けないようにするため、今回の記事を書いた部分もあります・・・上手く紹介する自信がまだありませんが、Larryの誕生日である7月20日に向けて、用意をしていきたいと思います。
 場合によっては、もう一発、関連記事を上げるかも知れないですが、お手柔らかにお待ちいただければ幸いです・・・



 では、久しぶりに休日を1日潰して書きましたが、こんなもんで・・・

 来週末は、休みなしで休日出張に行ったり、仕事的にはハードな日々が続きますが、精進をしたいと思います・・・ではでは(^0^)








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追記 2013年7月21日

 文中で触れました7月20日にLarryの作品を紹介しました。
 詳しくは下記のリンクをご参照ください。

 ・ Larry Levan 「Live at the Paradise Garage」







 
DJ・レコード関連本 「部屋本」特集
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 え~、今年は、さり気ない目標の一つとしてミックステープやミックスCDの紹介以外に、自宅に溜まってる本や雑誌の紹介をしたいと考えております・・・

 以前から考えていたのですが、段々とレコードやCD&テープが増殖し、本棚を浸食しつつあり・・・ついに本棚が無くなり、本たちは段ボール行きになったことで、これも「頭の整理」をしないと追いつかないな~と思っていました・・・
 また、買ったて読んだけど、そのまま放置・・・というのも多く、いわゆる「心の減価償却」をしたい(しないと勿体ない?)な~と思い、今年は本関連の紹介も頑張りたいと考えています。

 そんな訳で、年始に「DJ本」を3回に分けて紹介しましたが、今回はその発展で「部屋本」を特集したいと思います!!





<はじめに>

 DJの音楽は「ベッドルーム・ミュージック」といわれるように、大規模なスタジオがなくても、自宅の一室で作れちゃう音楽かと思います。

 それこそ、何人ものミュージシャンが大きなスタジオに集まって録音するのではなく、4畳半の狭い部屋で小規模な機材を使って作った音楽が、聴いた人を動かすことが出来る・・・そんな点が魅力かと思います。
 素晴らしい曲も、原点までたどると、自宅の小さな一室から生まれた曲もあり・・・その部屋は、その持ち主の「個性」が詰まった部屋であることが多いでしょう・・・

 また、レコードを生業とするDJ、そして音楽ファンなどは、その部屋にプレイする為のレコードや、愛聴するレコードが集まります。
 それにも「個性」が生まれ、きっとその部屋は、その方の音楽歴史が詰まった「自分だけのリスニングルーム」だったりもします・・・同じレコードを買ったとしても、その人の歴史や個性によって全く違う部屋になるでしょう・・・


 自分で書いても意味不明な前文になってしまいましたが、今回はDJや音楽家、レコードコレクター、オーディオコレクターなどの「部屋」を扱った本を紹介したいと思います!!

 部屋本とザクっと書いてしまいましたが、これらの特集、よく雑誌などで多いかと思います・・・前文でまとめたつもりですが、結果として、その人の「音楽史」や「音楽感」がその部屋に詰っており、大変面白い内容になることが多く、好きな方も多いかと思います。
 特にDJ以降の音楽は、色々な側面から考えても「自宅発の音楽」といっても過言ではないので、その人の「部屋」に強く個性が感じられるので・・・部屋を覗くことは、その人の音楽を理解する上でも大切じゃないかと思います。

 私自身も、今回紹介をする部屋本は昔っから好きで、子供のころは憧れで眺めたり、勉強のために見てたりしましたが、大人になると視点が増えたみたいで、こういった本を色々な角度から見るようになり、今でもあれば好んで買っています。
 まあ、今回の紹介で分かるように、だいぶ「曲がっている」角度なんですが、そういった本と遭遇すると、つい買ってしまい・・・気づいたら増えていました(^^;)


 そんな訳で、個人的にお勧めできる「部屋本」を、私の視点と共に紹介をしてみたいと思います。

 なお、一部の本や雑誌は以前の記事で紹介したのもあり、今回の紹介に際して、以前の記事も大幅編集をし直しました。
 下記の紹介で、本のタイトルの下に【詳細は「こちら」】という部分にリンクを貼ってあるので、重ねて読んで頂ければ幸いです・・・

 では、行ってみよう!!







『Groove presents DJの部屋』
   リットーミュージック 2012年9月

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 いきなり「大本命」の本で、最近出たヤツなので買った方も記憶にある方も多いかな??

 DJ/レコード関連の数少ない情報誌において、確かな信頼のある「Groove」の特別編集版で、Grooveで過去に取材した「DJの部屋」をまとめた本(ムック)になります。

 このブログを読んでいる方なら、Grooveも読んでる方が多いかと思いますが、定期的にDJの部屋特集を組んでいて、人気を博しています。
 私も大好きな企画で、毎回楽しませて頂いており、今回の「部屋本」においては、一番標準的な本で、かつ素晴らしい内容です!!


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 内容的には、有名DJ達のレコード部屋・製作現場を取り扱っており、流石の人選でヤラれます・・・

 それこそ、我らのMUROさんを筆頭に、クボタタケシさん、DJ Hasebeさん、DJ Jinさん、田中知之さん、小林径さん、海外勢だとKenny Dopeなど・・・有名どころが満載です。
 数年前の記事や新録記事もあったり、掲載をされている部屋写真は取材の時期によって異なりますが、個性的な部屋や、素晴らしいレコード、機材の山など・・・見る所は大変多いです。

 今回の「部屋本」においては、私自身は以下の2点の視点で楽しんでいます。

 ・ 全体的な部屋の雰囲気
 ・ 機材やレコード、その他の内容

 まず、全体的な部屋の雰囲気は、全体を写す写真なんかで楽しむのですが、部屋の全体像だけでその人の個性が楽しめるんですよね・・・
 凄い整理されている部屋や、家具や調度品、部屋の色合いなんかが統一されてる方もいれば、雑多な部屋で、雑然とレコードが置かれてたり・・・ホントいろいろな部屋がありますよね。

 また、その写真を深く見ると、DJの部屋なので、タンテやミキサー、サンプラーやその他諸々の機材類、レコードやCD、その他色々なグッズなどが覗けます。
 その写真を見て、この人はこんな機材を使ってるのか~とか、うわ~レアなレコード持ってるな~とか・・・細かい視点で更に楽しみます。

 ざっと書くとこんな感じなのですが、Grooveのこの本は、流石に「DJの為の雑誌」だけあって、確かな視点で構成されていて、上の2点をしっかりと楽しませてくれます。

 なんでしょう、取材する側がDJのことや、機材やレコードのことをちゃんと分かってるので、注視する所がしっかりと押さえられ、何よりも取材する側と取材される側との信頼関係があって、深いところまで押さえてるのが素晴らしいです。
 また、日本的だな~と思うのが、そういった「しっかりとした視点」を元に記事を作ってる点で、後で紹介する海外勢が写真を中心にアート的な構成を組んでるのに対して、かなり細かい(マニアックな?)視点で記事を構成している部分もあり・・・深いところまで読めてイイですね!

 例えば、我らもMUROさんであれば、ここ数年で3回ほど引越しをされているそうですが、その全てを掲載しており、時系列での変化が楽しめつつ、色々なレコードや調度品の写真、そして珠玉のMUROコレクションの紹介や、面白い取材文章など・・・大変素晴らしいです。
 MUROさんもかなり献身的で、ある意味「お手本」を見せるが如く、色々なモノを紹介してくれて最高ですね・・・もう、全てが圧巻で、流石キングです・・・


 中身の写真はネタバレになってしまうので、詳細は避けますが、Groove誌の長年の取材と実績が生んだ一冊で、大変価値のある本だと思います・・・今後の通常号でも特集があると思うので、今後も楽しみです!!
 なお、過去の通常号に掲載された部屋で、この編集版に掲載されてない部屋も多くあります・・・気になる方は過去のGrooveを掘ってみてね!!







『Raph / Behind The Beat - Hip Hop Home Studios』
   Gingko Press(US) 2005年 詳細は「こちら」

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 これも、知っている方が多いかな?

 数年前より中古価格が高騰し、一番高い時期は万近な感じで、結構話題に上がってる本なのでご存知の方も多いはず・・・私はリリースされた後、値段が落ちた時に買ったので定価以下のお手頃価格でした(^0^)

 この本は、オーストラリア在住の「Rafael"Raph"Rashid」さんが製作した本で、アメリカとオーストラリアのHipHop系プロデューサーのホームスタジオを撮影した写真集になります。
 Raphさん自身は、細かい詳細を不明なんですが、MCをしてたり、レーベルを持ってたりしてて、割と音楽業界に明るい方だったようなので、こういった本を企画したのかと思いますが、先ほどのGrooveと同様に「ちゃんと分かってる」視点が働いてて、大変素晴らしい本になっております!!


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 内容的にはDJというよりも「トラックメーカー」の部屋なので、機材が中心になるのですが、先ほどのGrooveと同様に楽しめる箇所が大変多いです。

 人選的には、アメリカ勢は西海岸のアーティストが多く、DJ Shadowをはじめ、Cut Chemist、Madlib、DJ Premier、Da Beatminerz、DJ Spinna・・・など、そうそうたる面々が取材されています。
 
 写真中心に記事は構成されており、それこそ写真集に近い感じの内容なのですが、取材する側がしっかりと分かった上で撮影された写真が多く、それこそ、そのアーティストの「手垢」を感じられる写真が多く、大変素晴らしいです。
 使い込んだ機材の山や、レコードの山、様々な調度品など・・・それぞれのDJの個性が分かりつつ、プロの仕事場の匂いが収められている感じが秀逸で・・・英語が分からなくても、写真だけで楽しめるのが素敵です。

 個人的なツボは沢山あるのですが、一番引きつけられるのが「故Jay-Dee」氏のページで・・・比較的に解放感のある広い部屋の真ん中に、ぽつんと置かれた機材の中でJayが作業している姿が印象的で・・・静かなんだけど芯の熱いビートを作り続けたJayの姿に・・・心を奪われます。
 当然、亡くなる前の写真ですが、見方によっては「死を悟った姿」のようにも見え、運命を背負いつつビートを作り続けた姿を収めた点は・・・大変重要かと思います。


 今でも、ちょっと値段がついて売っていますが、興味のある方は是非手に取ってみてくださいね!!







『Christopher Woodcock / Bedroom Rockers - Where DJs Call Home』
   XLR8R Magazine(US) 2005年

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 これは比較的最近に発掘した本(写真集)で、あんまり知られてない本ですかね??

 先ほど紹介をしたBehind the Beatと同年に発表されたらしい写真集で、詳細は不明ですが、Christopher WoodcockさんというNYの女性カメラマンが、USで発行されていた「XLR8R Magazine」の元で製作された写真集です。
 表記を見ると、あのスポーツブランド「アディダス」が絡んでいるようで・・・どういう経緯で作られたんですかね??
 
 内容的には、アメリカのBoston、NY、Miamiなどの都市に在住する有名・無名のDJの部屋(97名分)を撮影した内容で、部屋全体の写真が中心になりますが、なかなかの内容になっています。

 Christopherさんは凄くDJに詳しいという訳ではなさそうで、インテリアの観点でアーティスティックに撮影した・・・そんな感じの構成になっており、DJや機材、レコードのことは深くは追求していません。
 ただ、特段マニアックな視点が無い分、イーブンな状態での写真が多く、変に写真が加工されていない点は良く、結構面白い内容かな~と思います。


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 人選的には有名な方は少なく、NYではDJ Spinna(上の写真と表紙)、MiamiだとDJ Crzae、BostonだとEDANやKonなどで、大半が無名のDJになります。
 
 ただ、無名の方が中心でも、結構楽しめます・・・

 まず、アメリカだと基本的に「部屋が広い」ので、写真を撮った時に「DJの部屋」感が出やすいし、何よりも感覚的にラージな感覚(豪快な感覚?)や、普通に生活してでも出ちゃうお洒落感など・・・日本人には出ない感じが収められてて大変イイですね。

 この辺が、作者のインテリア/アーティスト志向を感じる部分ですが、DJの部屋という「生活感」を上手く撮影してて、それが日本にはない感じなので新鮮ですね・・・ぱっと見たときのインパクトや、実際の部屋が豪快なのもあれば、凄いお洒落なのもあり・・・普通に楽しめます。
 豪快な部屋は、絶対的に日本人には出来ない豪快さが素敵だし、お洒落な部屋はきっと何もしてないんだろうけど、日本人にはないお洒落さがあるし・・・アメリカの空気をダイレクトに吸える感じがイイですね。

 あと、見てて思ったのが、アメリカってライフスタイルにDJやクラブが溶け込んでいる訳ですよ・・・
 なので、DJというのが得意的な人種ではなく、普通にアメリカの生活に溶け込んでいる感じがして、大変素敵ですね・・・雑然と置かれたレコードや機材と、その部屋のDJとの距離が、日本人とは違う距離の近さがあってイイな~と思いました。


 そんな訳で、細かい視点で見ても楽しめる(DJセットのビックリする置き方は注目か?)のですが、写真集的に全体を味わう感じが適してますかね??
 個人的には東海岸が中心なので、この方向性であれば、西海岸のDJの部屋の方が当ったような気がします・・・もっと開放的な空気感が出せるので、イイんじゃないですかね??







『白夜ムック43 / DJ'S ROOM』
   白夜書房 1999年 詳細は「こちら」

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 この本もマイナーですが、個人的には大ヒットな本です(^0^)

 1999年に発行された本で、恐らくDJブームに乗っかろうと思って作った本ですかね・・・個人的には問答無用で買っている「山師根性で作っちゃった」系のDJ本だと思います(^^;)

 白夜書房自体は、パチンコの雑誌とかカウンターカルチャーな雑誌を出してたりとかしてて、DJ分野だと後に「dazzlin'」という季刊HipHop雑誌を作ってたりしてて、DJ業界的には縁がない訳ではないですが、この本自体は・・・ブームに乗ろうとしたんでしょうね?

 なので、内容的にはDJやレコードに凄い詳しい視点はなく、微妙な部分も多いのですが・・・これも角度を買えると大変楽しめる内容になっていると思います。


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 まず、人選的な話からいくと、時期的な話もあるのですが、有名DJや無名DJは少なく、大半が「素人DJ」が選ばれています。

 有名どころでいくと、House/Garage系が多く、DJ Ichiroさん、DJ Aisaさん、長谷川賢司さん、その他には大貫憲章さん、藤井悟さん、ちょっと変わった方面だと、アパレルブランドMackdaddyの日下部司さんなどがラインナップされています。
 有名系は少ないのでアレですが、写真に上げたIchiroさんのレコ棚がレーベル別に仕切りを入れててグッときました・・・レコ棚があることは男の夢ですが、その次の夢は仕切りを作り、レコードを整理する・・・だと思います(^^;)

 ただ、この本の美味しい所は「素人DJ」の方です!!

 DJブームに乗っかり、DJを始めちゃったらしき方が多く、色々と豪快な写真や、それはどうだろう?な写真が美味しいです(^^;)

 全ての素人さんがそうではなく、中にはセンスがイイな~と思う方も多いのですが、明らかに「高校生DJ上がり」な方のDJ部屋は、素敵な写真が多くってグッときます・・・
 大半が実家の部屋なんですが、勉強机にDJセットが置かれてたり、部屋に貼られたフライヤーやレコードのセンスがアレだったり・・・もっと豪快なのは部屋の壁にタグや絵が書いてあったり・・・高校時代の空気を引き継いでいる感じが大変良いです!!

 これは、馬鹿にしてるのではなく、私も同じことをしてたので、凄いグッとくるんですよね・・・

 何でしょう、畳の4畳半にDJセットみたいな匂いっていうんですかね・・・DJブームがあった時期ではありますが、みんなが知識がなかったり、まだ生活に馴染んで無かったりで、日本の生活に強引にDJをねじ込んでいる感じがグッとくるんですよね・・・
 また、高校生DJブームの時の勢いっていうんですかね、何も考えずにやってしまえ!みたいな改造が部屋に施されているのも見受けられ、グッときます・・・あの頃は若かったな~的な味わいですかね??

 私も昔の実家は畳の4畳半だったし、学習机DJは早めに卒業し、自分で棚を組んでDJブースを作りましたが・・・畳DJこそ、日本のDJの基礎じゃないかと思ったりします(^^;)


 そんな訳で、そんな古き良き「日本の素人DJの姿」が拝められる貴重な本になってるかな~と思います。

 ちなみに、DJブームだったので、女性の方も多いのですが、女性の方が部屋自体はセンスがイイですね・・・不思議なものです(^^;)







『BOSE / 明日に向かって捨てろ!!』
   双葉社 2008年 詳細は「こちら」

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 私の本紹介では、後半に向かうにつれて変化球やオチが出ますので、そろそろ変化球を・・・(^^;)

 これは少し前の本なので、知らない方も多いかも知れないですが、あのスチャダラパーの「Bose」さんの本で、Boseさんの家にある様々なモノを捨てていく・・・そんなドキュメンタリー本(?)です。
 この本自体は、有名サイト「ほぼ日刊イトイ新聞」で連載をされていた不定期連載を編集・加筆した本になり、ライター・編集者の「永田泰太」さんが聴き手(指導役?)になり、Boseさんの部屋にある様々なモノを断捨離していく過程を書いた本になります。

 今まで紹介をした「部屋本」とは異なり、部屋の写真は殆ど無いので、今までのように写真で楽しむ視点ではないのですが、とにかくモノが多いBoseさんの部屋を「対談形式の文章」を読むだけで、Boseさんの部屋が楽しめる・・・部屋本という視点からだと、こんな感じの楽しみ方ができます。

 ただ、それ以上に「捨てる」という行為を念頭に置いているので、そのやり取りが面白かったり、更には捨てることや整理することの意義を考えさせられる内容になっており・・・DJ部屋を抱えている方には是非読んで頂きたい内容です!!


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 まず、Boseさんの家ですが、全体像が分からないのですが、とにかく「モノ」が多いです・・・

 CDやレコード、ゲーム機器やソフト、服やバック、フィギュアやマンガ・・・ありとあらゆるモノがあり、読んでるだけでも圧巻です!!
 読んでて笑えるモノも多く、半端フィギュアや行かない映画の招待状、役目を終えたCD-Rなど・・・なんでそんなのを取っておくの?と思うモノが多いです。

 それらを、対談者の永田さんと話していく過程で、色々な笑い話や悪あがきを経て捨てていくのですが・・・数ヵ月後に行ったらなぜか増えてたり・・・一向に進まないのが面白いです(^^;)

 本の詳細は、以前書いた文章を書きなおししたので、そちらで確認して頂きたいのですが、今回の「部屋本」としての紹介においては、部屋という「存在」を考えさせられる点で推したいと思います。

 私もそうですが、DJやレコードを買ってる人にとって「モノが増える・溜まる」ことは避けられないことです・・・

 読んでる方の全てがそうではないかと思いますが、私自身はそうで、レコードをはじめ、テープやCD、そして本などが多く、収納と整理が大変です・・・
 笑い話じゃないですが、収納は限界に近いので、自然と棚を上に伸ばすようになるわけで・・・地震があったら大変なことになるだろうな~と思ったり、整理が出来てない部分もあるので、同じものを買ってしまったり(テープが多い・・・)し、悲しい思いをしています(^^;)

 結局のところ、なぜモノが増えるのかというと、興味のあるものを買い続けるが、処分・整理をしないから溜まって行く・・・という悪循環になっている訳で、この本では、Boseさんが体を張って(?)そのことを実証しています。

 この本においては、そういった「モノを貯めてしまう体質」を改めて考えさせられる点が、笑い話と共に伝えてくれるのが秀逸で、部屋という存在を改めて考えさせてくれる点が素晴らしいです。

 今まで紹介した部屋本とはかなりズレますが、部屋本を好む方は、その方も近い部屋を持っており、モノが多いが故の悩みがあると思います・・・
 捨てる系の本って、今は色々とありますが、この本こそが「私たちに一番合致する悩み」を扱っていて、部屋を整理することを深く考えさせる快著で、個人的にはコレも部屋本としてクラシックです!!


 ちなみに、本を読んで、色々なことを思うと思いますが、私としては「溜めてもいいからブログでネタになれば問題なし!」「ダブり買いをしない為に整理は徹底」という結論に至りました(^^;)







『ONTOMO Mook / 音の書斎 Ⅰ・Ⅱ』
   音楽之友社 1996年、1997年

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 さて、Boseさんの変化球を投げたので、これからはイルな方面(?)を攻めたいと思います・・・

 部屋本ですが、DJという範囲だと、本単位でまとまっている本は少なく、後は雑誌でのミニ特集ぐらいしかありません・・・

 ただ、視点を広げて、音楽ファンやレコードコレクターという範囲で探せば結構あり、最近になってコッチ方面も掘り始め、色々とヤラれています(^^;)
 それこそ、ロックやJazz、クラシックや邦楽など・・・今まで紹介したのがDJ系の音楽としたら、売り場も趣味感も若干異なり、なんとなく馴染みがない世界にはなりますが、レコードを買ってる・集めてるという点では同じなので・・・読んでみたら結構楽しめます。

 この辺は、チョコチョコ買ってるので、まだまだ探している途中で、他にも色々とあるとは思いますが、今回は割と買いやすい書籍を紹介したいと思います。


 この本は、割とクラシックやオーディオ系の固い本(?)を出している「音楽之友社」より発行されたモノで、96年と97年に2冊発行され、色々なジャンルの音楽マニア・コレクターの部屋を紹介した本になります。

 ジャンル的には、RockやJazzに始まり、ClassicやBluesなど・・・あまり馴染みのないジャンルで、私たち世代からすると「オジサンが買ってるジャンル」の方が多いのです。
 なんでしょう、ユニオンのRockとかJazzのセールに並んで、血気盛んに掘りまくってるオジサンっていうんでしょうか・・・なんか接点も相性もない感じで、ちょっと縁遠く、どちらかというとDJ側の人間としたら敬遠してしまう感じですかね・・・

 ただ、内容を見てみると、90年代中頃という時点で、超ハードなコレクターが多くヤラれます・・・それも今までの部屋本で紹介した部屋よりもハードでヤラれます・・・

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 詳細は、実際に本を読んで驚いて頂きたいのですが、読んでいて「大丈夫なのか?」と思う方の連続です!!

 登場する方が、年齢でいくと50代ぐらいが多く、それこそ資本がある方が多い印象ですが、それなりに資本もキャリアもあるので、レコードなりの蓄積度や部屋のレベルの高さが違うんですよ・・・

 なんか、買ってるレコードの桁が違う感じで、5ケタスタートな感じなんですよね・・・私も5ケタは頑張れば買えますが、まだ4ケタでも青息吐息です(^^;)
 また、レコードなりを集める執着心が異常な方も多く、ビートルズコレクターのような特定のジャンルを収集してる方がヤバくって・・・そんなの集めてるのかよ!って方も多くヤラれます!!

 紹介できる範囲だと、有名な方なので知ってる方も多いと思いますが、大阪の世界的なJohn Coltraneコレクター・研究家である藤岡靖洋さんであれば、コレクション保管と来客用に、部屋ではなく「ゲストハウス」(上写真)を持ってるんですよね・・・コレクション用の家は究極ですよね!
 ただ、藤岡さん自体は凄いイイ方で、Jazz系の雑誌や書籍でお姿を拝見しますが、コレクターとしての志(こころざし)の高さや、恰幅の良さが大変素敵で・・・気づいたら憧れてしまいます・・・


 桁違いとかキチ●イと言ってしまえばそれまでですが・・・こんな気合いの入ったオジサンたちの部屋が紹介されています。

 私の紹介だと「お金持ちの道楽」みたいに捉えかねないですが、登場する方々は、皆さん志(こころざし)があり、個性的だけど人間味のある方が多く・・・私もこういう大人になりたいな~と思ったりしました。
 何十年後かに「カセットテープの鬼」と評されるように精進していきたいと思います(^^;)







『田中伊佐資 / ぼくのオーディオ ジコマン開陳』
   P-Vine Books 2010年

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 先ほどの「音の書斎」では、オジサンコレクターはヤバい!ということを伝えたく、紹介をしましたが・・・更に上をいく方々もいます。

 それは「オーディオ・マニア」です。

 私にとっては、DJ機材や、安いですがアンプとスピーカーは持っているので、少しは知識があるつもりですが・・・この世界は深く、この本を読んで上には上がいることを知りました(^^;)

 この本は、先ほど紹介した本の出版元「音楽之友社」から発行されている「月刊ステレオ」というオーディオマニア向けの月刊誌に連載されていたコラムをまとめた本で、たまたま買ってみたら大ヒットだった本です。
 著者の田中伊佐資さんが、全国のオーディオマニアの自宅を訪問し、自慢のシステムを堪能しつつ、同時進行で田中さんのシステムが変化していく様子を書いた本で、読むには専門知識が多少はいるかもしれません?

 ただ、先ほどの音の書斎でも尺度にされた「大丈夫かよ?」視点で見ると・・・とんでもない部屋が多く、ヤラれます・・・

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 詳細は、これまた実際の本を読んで頂きたいので、ここではあまり書きませんが、気合の入った方が多すぎます!!

 写真は、田中さんが回った部屋で、スピーカーの知識がない方でも、その量と大きさでビビるでしょう・・・チラッと書くと、右上はビクター製の同じスピーカーに拘った方で、30本の同じスピーカーで出す音の拘り方・音の出し方(考え方)が半端ないっすね・・・
 また、凄い方だと、電柱の上の方にあるバケツみたいなモノ(変圧器・柱上トランスと言うそうです)を、裏技(?)を駆使して自分だけのを作り、それをオーディオ用に使用するそうです・・・通常は色々な家庭に分配されるので、それがあるがゆえにノイズが伝わってくるそうで、これをすると劇的に音が変わるそうです・・・

 よく、Grooveとかでスピーカーやヘッドフォン、そしてレコード針のことなんかを特集し、機材を変えると音が変わる・・・みたいな記事がありますが、その「究極」を目指している方々の部屋が紹介されてて、ホント圧倒されます・・・
 内容的には、写真よりも田中さんによる文章が多いのですが、スピーカーやアンプを変えて実際に音が変わった驚きを、文章で上手く表現しており、文章を読むだけでも、その部屋や、その部屋の持ち主さんの熱意が伝わる文章で素晴らしいです。

 読み方によっては、これも桁違いとかキチ●イなオジサンたちが大集合になりかねないのですが、登場する方々の音への拘りや情熱、そして人徳の高さなどは見習う所があります。

 目標に目指して進んでいく人の姿は、種類が違えど見習わないと行けません・・・私もテープ道を究めるべく、精進をしていきたいと思います・・・
 あと、オーディオの世界・・・深くって、お金もかかりそうですが、面白そう・・・ただ、ここで入ってしまったら大変なこと(?)になりそうなので、自粛します(^^;)







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<最後に>

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 後半は、趣旨が変わって「オジサンはヤバい」という話になってしまいましたが、隣の芝生を覗くのは面白いですね(^0^)

 最後の写真は、あんまり他人の部屋ばっかり紹介してると、自分の部屋はどうなんだ?と突っ込まれそうなので、久しぶりに私の家のレコ棚周りで〆ましょう・・・あえて、整理してない普段の状態で撮影しましたが、汚いっすね~(^^;)
 ちなみに、左側がテープ収納棚、真ん中がDJ機材関連で、右がレコ棚、更に奥にCD棚・・・なんですが、どれも収納が限界で、テープに至っては、棚の前にも収納ケース(私は無印の折りたたみボックスを使用しています)を無造作に積み上げており・・・今後、どうなるんでしょうか??

 連休の暇つぶしで、軽く書くはずでしたが、過去の記事を書き直したり、今回の文章も気合が入ってたり・・・毎度の長文になってしまいました(^^;)
 ただ、これで心の減価償却が出来たのであれば一安心・・・本は処分しないけど、これで心おきなく段ボールへ仕舞えます(^^;) 


 本関連のネタは、まだ書きたいのがあり、Boseさんの本のおかげで、簡単な年間計画(?)を考えましたので、近いうちにまた公開をする予定です。
 ただ、本ネタは、それをやるにあたって、ある程度「読まない」といけないので、それが大変です・・・テープを聴く以上に時間がかかるんですよね・・・次回はどうしましょう(^^;)








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<おまけの独り言>

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 え~、連休後半、私も暦通りの休みなのですが、ユニオンのセールが個人的には狙いの出品が少なく、自宅でノンビリな感じです・・・なので、こんな長い文章が書けたりしました(^^;)
 
 ただ、先週末に久しぶりに行った川口の某店で写真のブツをゲットしましたよ!!

 あの山下達郎さんのRCA/Air時代の作品のテープ6本組みセットで、未開封品をゲットしました・・・このテープセットの存在は知らなかったですが、いや~、これは嬉しいです(^0^)
 ここ最近、テープアルバムも集めてて、いわゆる「和物」も対象になり、色々と掘ってるのですが、達郎さんのは中々巡り合わなかったり、代々木の某店で単品のテープアルバムが出品された時はタッチの差で買えなかったり・・・無事に目標達成です!!

 一応、内容的には再発のボックスセットになるのですが、テープで聴く達郎さんは格別ですね・・・コレを聴きながら今回の記事を書いてましたが、今回のGWはお天気がいいから、達郎さんの音も輝いて聞こえますね(^0^)
 昔的な表現になりますが、このテープアルバムをカーステにセットして、初夏の海でもドライブしたいものです・・・


 ちなみに、川口の某店がらみの話で、どうしても書きたいことがあります。

 実は、レジの後ろに超レアなミックステープ数十本が無造作に突っ込まれていて、前から気になっており、凄い欲しいな~と思っていたので、今回、初めて店員さんにアタックしてみましたが・・・玉砕しました(--;)
 まあ、今回はやんわりと断られたのですが、アレは欲しいな・・・その内、放出してくれないかな・・・意地の汚い魂胆がバレバレですが、願いを込めて(?)書いてみました(^^;)