HipHop,R&B,Soul,Funk,RareGroove,DanceClassics,Garage,House・・・など、私が気に入っているMixTape,MixCD,その他もろもろを紹介するブログです。
DJ Kiyo 「Substream」
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 え~、作品紹介においては、なるべく偏りがないように紹介しているつもりですが、どうも私自身の趣味が合わない作品だと、どうしても紹介が滞りますね・・・

 その代表格がDJ Kiyoさんで、重要な作品が多いのですが、全然紹介してないっすね・・・すみません(^^;)

 そんなわけで、一念発起でKiyoさんモノの紹介です~


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 今回は、Kiyoさんのテープ時代のシリーズテープの第6段にあたる作品を紹介します!

 この作品は2000年リリースで、KiyoさんのDJ遍歴においては「転換点」になった作品と言われており、Kiyoさんの「世界」を確立した作品とも言えます。

 先に内容的な話からいくと、いわゆるアングラ~Jazzy系のHipHopを軸にアブストラクトな方向性をもった内容なんですが、テクニカルなスクラッチと2枚使い等でKiyo色に彩り、Kiyoさんにしか出せない「世界(グルーブ)」を打ち出した傑作になります・・・
 私自身、このテープのリリース時にはスルーしていたので、明確な指摘が出来ないのですが、この作品を聴いて影響を受けた方は多く、Kiyoさんが魅せた選曲やDJの方向性は、日本でのアングラ~Jazzy系DJの流れに大いに影響を与えたかと思います・・・

 では、この作品の紹介です!

 まず、選曲面ですが、一聴するとアブストラクトな感じのHipHopが多く選曲されてて、大半の方が「どこで曲が変わったんだろう?」と思う感じの選曲~ミックスになっています・・・
 それこそ、DJミックスというよりもマスターミックスのような作り方をしてて、それに付随して似たような曲が多く選曲されています・・・イメージとしてはJay DeeとかSpinnaっぽい空間系のHipHopが鳴り続く感じですかね??

 ただ、詳しく選曲を掘り下げると、凄いドープでヤラれました!
 
 選曲的にはやっぱりJay DeeやSpinna関連曲を中心に組み立てているのですが、深い選曲をしているんですよね・・・それこそ、デトロイト・テクノの雄であるCarl GraigによるStylisticsのカバー「Innerzone Orchestra / People Make The World Go Round」のJay DeeによるRemixだったり、George Benson使いが有名な「ARTIFACTS / IT'S GETTING HOT」であれば、オリジナルではなくSpinna Remixだったり・・・いや~深いですね!
 その一方で、当時のメジャーヒットをしてたQ-Tipのソロ作からB面曲である「Q-Tip / Higher」を選曲したり、Jay Dee系の音の前身とも言えるMo'waxから「Attica Blues / Abstract Original」という少し古い曲を選曲したり・・・選曲の幅も広いです!

 選曲面については、Carl Graigが出た時点で「そこまでチェックしてるんだ!」と驚きましたが、それ以上に驚くのが「選曲の統一感」だと思います。

 先ほども「マスターミックスのような」と書きましたが、とにかく選んだ曲の方向性が統一されており、Kiyoさんが求める「世界(グルーブ)」を明確に提示しています・・・

  それは、上手く説明が出来ないのですが、浮遊感がありつつも、どことなく無機質で冷たい質感があり・・・ただ、それが流れで聴いていると「気持ちよさ」も伴う、何とも言えない世界です・・・
 その世界観を作るため、選曲の根幹はインスト中心になっており、先ほど選曲面で紹介した曲の大半が「インスト」を使用しています・・・その辺の見極めも流石ですが、これは中々作れない「世界」ですね・・・

 う~ん、それこそ「Kiyoさんの世界」としか形容がなく、広義の解釈であれば「アブストラクト」なのかな・・・ただ、たた、聴いてると「気持ちいい」んですね!

 私自身、ミックス作品を聴くときは「DJの選曲/ミックスに身をゆだねる」ことが好きなので、通勤の電車の中だったり、仕事帰りの夜道だったり、ヘッドフォンから聞こえてくる「DJの世界」に心を預けて、その作品を聴いていることが多いです・・・
 今回の作品も、最初は掴みどころが無くって困っていました(笑)が、段々と聴いてるとハマってきて、不思議な浮遊感が気持ちよく、気付いたら頭を真っ白にして聴いてました・・・


 また、そうやって心を委ねて聴いていると、要所要所で聞こえる、Kiyoさんの「DJミックスの技」が凄い光ってて、それが作品の良さを後押ししています・・・

 作品を聴いていると、これも今後のKiyoさんの代名詞になってくる「DJミックスの流れで流暢にハメてくるスクラッチ&2枚使い」が冴えわたり、作品の彩りやアクセントになってて上手いですね・・・
 まるで、プレイしているインスト曲の上に、Kiyoさんが奏でるスクラッチを彩るような意味合いで入れてきており・・・結果的にKiyoさんの世界を強く後押ししていますね・・・

 うん、結果的にマスターミックスというか、選曲とDJミックスを通して「DJ Kiyo」という音楽を演奏しているんですよね・・・

 特に、スクラッチなりミックスを聴いていると、「DJミックスをしている」のではなく「演奏」をしてるかのようです・・・この辺が、今後の「DJ Kiyo」を裏付けた点になるでしょうか・・・



 う~ん、今回の作品紹介は以上にしましょう・・・上手く説明が出来ませんでした(^^;)

 ただ、最後に整理しておくと、Kiyoさんの今後のDJスタイルである「DJ Kiyoという世界(グルーブ)」を顕在化した作品であることは間違えないです・・・

 つまり、マスターミックスのような方向性で、Kiyoさんにしか出来ないハズさない選曲と、その選曲を彩るDJミックスやスクラッチなどが重なることで、結果的に気持ち良さを伴う「DJ Kiyoという世界(グルーブ)」を作っている、と思います。
 特に、こういうったアブストラクト寄りで、マスターミックスのような作りにすると、どうしても全体像が「ぼんやり」した質感になりがちですが、選曲の構成やDJミックスの強弱で上手く全体をコントロールしているのは流石ですね!

 頭を捻って書きましたが、ここまでです・・・こういう作品の紹介も、上手く紹介出来るようにならないとな~(^^;)




<Release Date>
Artists / Title : DJ Kiyo 「Substream」
Genre : HipHop、Breakbeats、House、Techno・・・
Release : 2000年12月
Lebel : Royalty Royalty 006

Notice : ジャケットについて
 前作の「Give Me A Break」に引き続きTycoon Graphicsが担当しています・・・流石ですね!

Notice : CD再発について
 2010年に2枚組CDで再発があります。ただし、テープ版とはジャケが全く異なり、あのBrainfeder関係者(Teebsさん)に依頼をしたそうです。




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<独り言>

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 いきなりレコ写の登場ですね・・・分かる方は「おわっ!」、分からない方は「なんでしょう?」ですかね??

 ここ最近、レコード業界的にはGWに向けたセールが始まっており、週末はウィークエンド・ソルジャーとして出勤回数が増えています・・・
 今年は、12月のセール期間以降、1~3月はあまり大きな動きが無かったこともあり、私自身もウズウズとしていたところなので、こういったセールが入ってくるのが凄い嬉しいです・・・まるで冬眠から目覚めたクマが、大暴れを待ち望んでいるかのようです(^^;)

 そんな中、ユニオンに負けじと、色々なセールを繰り出しているHMV(渋谷店)で、Discoのセールがあったので、行ってきましたよ~

● HMV渋谷店 4/15(SAT) ULTIMATE DISCO/BOOGIE 12″ SALE!!


 当日は、残念ながら仕事で、仕事終わりの夕方に参戦でした・・・こればかりは仕方が無く、今回は「夕方行って、残ってたらラッキーかな?」といった具合での参戦です・・・

 んで、6時過ぎにお店についたら、ボチボチな方がセール箱を掘り掘りしてて、ちょっと焦ってしまいました・・・
 ここ最近のBoogie再熱があり、やっぱりDiscoに流れてくる人が増えたんでしょうね・・・嬉しい反面、目的のブツが残っているかが心配でした・・・

 そして、その予感は的中し、トップに狙ってたレコは全くなく、そして2番目に狙ってたのは先に来て掘ってた人がキープしてて、もう残念な結果です・・・この時点で「夕方から来たんだから仕方が無い」と諦めていました・・・

 ただ、レコードの神様は見捨ててなかったです・・・

 セール箱の最後の箱をめくり、最後にめくった「軽いレコード」に衝撃を受けます・・・おお、まだ残っていたのか!!

 そして、その軽いレコードを目視し、値段とコンディションを確認・・・その間、3秒で決断しました・・・うん、俺が買う!!

 その「軽いレコード(=高額盤で現物はレジ保管)」が、写真のレコになります・・・


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 そのレコードとは「Denise LaSalle / I'n So Hot」のアメリカ版オリジナル12inch(1980年)です!!

 Disco12inchの中では「ウルトラ」という階級がふさわしい、レア中のレア品で、今回のセールの目玉中の目玉だった12inchです・・・

 私としては、オープン時に売れちゃうだろうと思ってて、記憶の中から削除(笑)してたぐらいで、まさかコレが残っているとは思いませんでした・・・
 値段的には、かなりゴツい値段で、今までの最高金額を若干超えた感じですが、以前からの相場から考えればそれなりに安く、私の思ってたプライスラインからは低かったので即決です・・・きっと、これが欲しくって並んだ方もいるかもしれないですが、大半の方は値段を見てスルーだったのかもしれないですね?

 んで、なぜ購入したかというと・・・私、いや「私達」にとって、本当に「大切な曲」だからです!

 この曲は、言わずとしれた「DJ MURO」クラシックで、MUROさんのプレイを通してその良さが知れ渡り、多くの方が好きになった曲かと思います。

 それこそ、大名作である「DJ MURO / Super Disco Breaks 1-4」でパワープレイされた曲になり、Denise嬢の旦那さんが同曲をラップカバーした「Super Wolf / Super Wolf Can Do It」からの繋ぎが最高にカッコよく、みんな大好きな1曲だと思います。
 また、メジャー版としてリリースされた「DJ MURO / from my best crates - Super Disco Breaks」では、「Kool & The Gang / Ladies Night」からの驚愕のロングミックスが鬼カッコよく、これにもヤラれました・・・ 

 私個人としても、本当に大好きだし、影響を受けた曲で、この曲と出会ったからこそ「Disco12inchの旅」をしていると言っても過言でないです・・・

 私自身は、Super Disco Breaksを聴く前に、MUROさんがプレイをしていたラジオ番組「Da Cypher」のミックスでこの曲を知り、そのミックスを自己編集して作ったミックステープで死ぬほど聴いてヤラれてしまいました・・・

 それまで、Discoの曲は漠然と好きでいましたが、HipHopやR&B、そして日本語ラップしか知らない高校生にとっては、こういった「古い曲」が死ぬほどカッコイイとは思えませんでした・・・

 だけど、MUROさんのDJミックスを通して聴くと、これほどまで「曲がカッコよくなる」とは思わなかったぐらいカッコイイんです・・・

 そう、この曲で70年代~80年代の古い曲が、現在の曲と見劣りしない、いや、むしろ「カッコいい」ことを知り、積極的に古い曲(私の場合はDisco)を掘るようになったと言えるので、かなり思い入れがある曲になります。

 ただ、この曲に関しては、12inchはホントなく、大半の方が「LP」でプレイをしていたと思います・・・

 私自身も、高校生ぐらいだったと思いますが、少し高い値段でLPを買い、Super Wolfからの繋ぎに興奮を覚えたものです・・・蛇足ですが、ロングミックスすると、BPMが安定しないので、調整しながらミックスしないといけないのが懐かしいです(^0^)

 そして、12inchに関しては、私自身もかなり後になってあることを知り、日本ではMUROさんのパワープレイからの人気の高さも相まって、かなり相場が高く、かつ、市場に出ても真っ先に無くなる1枚でした。
 どうやら、この12inchに関しては、プロモ版であることに加え、そこまでヒットしなかった(後押しが無かった?)ので、元々のプレス数が相当少なく、それでウルトラ級にレアだったのだと思います・・・記憶だと、MUROさんもLPでプレイをされてたかと思います?


 そんなこんなで、いつかは手に入れたいと思っていたこの曲の12inchが目の前にあります・・・

 色々な思いが巡りつつ、決め手は、ここ最近の仕事の頑張りに対する「ご褒美」という王手(?)を繰り出し、即決3秒で購入させて頂きました!

 凄い恥ずかしい話ですが、コンディションチェックをかねて視聴をしていたら、まずはイントロブレイクの音の太さにヤラれてしまい、ちょっと泣いてしまいました・・・やっぱり12の音は最強ですね!

 ただ、この泣きには「俺も、ついにここまで来たか・・・」という意味での男泣きも含まれていました・・・ここまで約20年、人よりも遅い道のりでしたが、遂にここまで来たことが、素直に嬉しかったです・・・


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 長くなってしまったので、ちょっとブレイクを挟みましょう・・・

 視聴をし、無事に購入したところで、店員さんから「ちゃんと売れるかどうかを心配してて、無事に旅立ってくれて嬉しいです」のような声をかけてくれました・・・

 この要約した言葉だけ書くと、人によっては「売れ残らなくって良かった」と思うかもしれません・・・ただ、昨日の購入時に頂いた声は「素敵な音楽が、本当に音楽が好きな人に渡ってくれてよかったです」だと思います。
 
 うん、この12inchは一生大事にしますね・・・ありがとうございます!!


 そんなわけで、結果的にトップに欲しいのは朝一に無くなったことが分かりつつも、2番目に欲しかったのは握ってた人が棚に戻したので、そちらも購入・・・久しぶりにHMVで大爆発しました。
 また、その後のユニオンでも運の良さを引き連れ、探してたレコと遭遇し、即購入・・・気付いたら、日高屋で一人祝杯をあげていました(^^;)


 独り言の最初でも書きましたが、レコード掘り的には「GWセール」が間近になり、嬉しさを伴いながら戦略を練り始めています・・・

 ちょうど、昨日、ユニオンでGWセールの情報誌が出ててので、確認をすると、今年は割と出勤回数が多そうな予感です・・・

 とりあえず、5月4日は渋谷でテープセールは必ず参戦かな・・・ちょうど、昨日、渋谷のユニオンに行ったら、店員さんがセール用のテープを撮影してて、思わず「いつ出るの?」と尋ねてしまいました(^^;)
 告知の記事を見る限りだと、横綱級のクソヤバいのはまだなさそうですね・・・ただ、渋谷も凄く買い取りを頑張ってるので、クソヤバいのをお持ちなら、渋谷に相談してみてね~

 ではでは、本文より長い独り言でした・・・GWセールもがんばりましょう!!







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DJ Denka 「Stinky Flavor(黒色)」
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 え~、今週は花粉が飛び始めたみたいで、憂鬱な日々を送っておりました・・・嫌な時期ですね~
 
 ただ、花粉が始まると春も近づいている証拠なので、それはそれで楽しみかな・・・そろそろ寒いのも飽きてきた(?)ので、早く春になってほしいところです(^^;)

 そんなわけで、花粉や春とは関係なく、全然紹介していなかった作品を紹介です!


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 今回は、Lunch Time SpeaxのDJ/Producerである「DJ Denka」さんの作品を紹介します!

 Denkaさんの作品は、かなり前に「今回紹介する作品と同タイトル(青色)」を紹介しましたが、久しぶりに紹介をしますので、作品紹介をする前に少しDenkaさんの情報を入れておきましょう。

 DJ Denkaさんは、茨城県水戸市を中心に活動をしているDJ/Producerで、日本語ラップファンならご存知な「Lunch Time Speax」のメンバー(リーダー?)として有名かと思います。
 ランチ自体、Dev Largeさんが主宰していたレーベル「El Dorado」からデビューしたことから、Denkaさん自体もDev Large~Muroさんに通ずる「掘り」をモットーにした姿勢があり、DJやトラックメイクもその姿勢が反映された内容になっていたかと思います。

 特に、ミックステープという視点で「DJ Denka」さんを考えると、①良質なミックステープをリリースしていたこと、②水戸のシーンを束ねていたこと、の2点は大きいかな~と思います。

 まず①のリリースについては、凄い本数を出した訳ではないですが、El Doradoの流れから、あのCisco Recordsが積極的にバックアップする形で良作をリリースしてて、これにヤラれた方が大変多いかと思います!

 それこそ、今回のこの黒色や、以前紹介した青色は鉄板で、今で言えば「DJ Koco」さんの源流のような選曲/プレイが聞きどころです・・・この辺は影響を受けた方が多いですよね?
 うん、HipHopの軸をブレずに深い掘りを披露したり、ハッとする2枚使いやスクラッチなどの技術面が凄かったり、ある意味で「日本にしか出来ないHipHop DJ」の在り方をミックステープを通して披露した部分が大きかったと思います!

 また、②の点も重要で、地元である水戸のHipHopシーンを束ねた部分があり、その流れで、地元のDJのミックステープを積極的にリリースし、地元シーンへの貢献も大きかったと思います。
 リリースに関しては、やはりCiscoのバックアップを得ながら、DJ TanpeiやDJ Suuなどの作品をリリースしてて、仲間の作品も結構売れていた記憶があります・・・そのため、一時期は「水戸はヤバい」という印象が強かったと記憶しています。

 そんなわけで、作品の紹介です!


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 まず、Denkaさんに関しては、自身のキーワードにもなっている「Stinky(臭い)」がポイントになり、ある意味で「他のDJと違う視点がある」ことがポイントかと思います。

 それこそ、選曲面は正にそうで、かなりヤラれます・・・

 まず、この作品では、今となっては「直球な90's HipHop」をブチこんでくるのですが、ことごとく「マイナー曲」をプレイしているのに全くHipHopとしてブレないところが凄すぎですね!

 A面の一発目は、私の中ではDLさんのテーマ曲とも言える「Tragedy / Da Funk Mode」からプレイをしますが、方向性としてはこういうドープなHipHopが多いです・・・それこそ、当時からレア盤だった「Group Home / East New York Theory」なんかもサラッとプレイしていますね・・・

 ただ、この時点で「違う」んですよ・・・Group Homeであれば、メインがカッコよすぎなので全然プレイをしない「Remix」の方をプレイしてるんですね・・・
 最初は「あれ?」と思う選曲なのですが、Denkaさんのミックスを何度も聞いていると途端にカッコよく聞こえるのが不思議で・・・この辺の選球眼の高さは流石です!

 そして、その「選球眼の高さ」が、この作品で如実に出ているのが「LP Only曲」のプレイかと思います!

 資料写真は、私らしくテープアルバムで紹介しますが、それこそWu-TangMobb DeepShowbiz&AGなどのクラシックなアルバムから、隠れた名曲を多くプレイしてて、かなりヤラれます!
 また、そのLP攻めが、直球な名盤も攻めつつも、MC Eihtといった西系も攻めてて、いや~深いですね・・・この辺のLP攻めもヤラれた方が多いですよね!


 んで、こういった選曲面の「Stinkyさ=深さ」を出しつつも、それらの曲をミックスした時の「Stinkyという名のグルーブの統一感」が半端なく、結果的に「真っ黒なHipHop」が聞けるのが素敵すぎます!
 
 特に、選曲面の統一感に加え、その選曲を下支えしている「DJの技術」も素晴らしく、この点も聞きどころだと思います・・・

 個人的には、B面の最初に披露される「The Nortorious BIG / Unbelievable」のドープな2枚使いの嵐が凄すぎで、DJとしての技を見せつつも、しっかりとHipHopの黒いグルーブを維持、いや増強している感じが素晴らしすぎます!
 なんでしょう、まず曲が持つ黒さを光らすための2枚使いでありつつ、自身のDJミックスの流れの中で、それが効果的に働くような配慮もあり・・・結果的に「Stinkyなグルーブ」を増強させており、最高ですね!




 今回、作品を深く聴いてて、私としてはDJ Kocoさんの源流の一つはDenkaさんだったんだな~と痛感しました・・・独特なんだけど黒さは失わない掘りや、その黒さを増強させる2枚使いなどは、正に源流でした!
 
 Kocoさんがお好きな方であれば、絶対に反応する作品だと思いますので、是非、探して聞いてみてくださいね!




<Release Date>
Artists / Title : DJ Denka 「Stinky Flavor(黒色)」  
Genre : Hip Hop
Release : 1999年頃??
Lebel : Beat Town Production No Number


Notice : 作品タイトル、リリースの順番について

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 今回紹介した黒色、そして以前紹介した青色とも「Stinky Flavor」というタイトルが付けられておりますが、その違いを表す記載(例えばVol.2とか)がないため、私の判断で「青色」「黒色」とタイトル付けをしました。
 また、調べた限りだと、リリースの順番は青の方が先のリリースのようです??


Notice : インデックス 水戸系の作品リスト

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 紹介でも触れた、Denkaさんの仲間達の作品もボチボチとあります。整理の意味で、インデックスページを整理しました。よろしければご参照ください。

● DJ Denka / 水戸関係 作品リスト






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<独り言>
 今週は特になしです・・・最近、必要に応じて仕事帰りにレコ屋は行っていますが、休みの日に「さあ、掘りに行くぞ!」みたいな気がおきず、困っています(^^;)
 まあ、ここ数週間、土曜日も仕事で埋まっているのが問題か・・・ああ、早く春にならないかな~

 あと、買うことは一切ないけど、情報収集で覗いているヤフオクのテープで、鬼ゴツい日本語ラップ系アドバンスのまとめ売りがありましたね・・・素晴らしく根性がいる金額で落ちてくれたので、私としては凄い嬉しい光景でした!

 ではでは、また来週~





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追記 2017年2月12日 21:20

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 2年ほど前に書いたレコード袋に関する記事において、重大な誤りがあることが判明しました。

● 素晴らしき「レコード袋」の世界

 記事では、写真の「Manhattan Records」のロゴデザインを、有名イラストレーターである「永井博」さんが作成したと記載しましたが、正しくは「真舘嘉浩(まだち・よしひろ)」さんが作成されました。
 真舘さんからご指摘を頂き、誤りの事実が判明しましたので、記事を訂正させて頂きました。

 真舘さん、そして永井さんには大変ご迷惑をおかけしました。申し訳ございません。


 なお、真舘さんはMのロゴのほかに、Manhattan系の色々なデザインをされたそうで、それこそ、クリスマス仕様の袋とか、Hot WaxやSonusといった系列店、そして通販カタログの表紙デザインなどを担当されたそうです。

 そうなると、私を含め、多くの方が真舘さんのデザインにお世話になっていた訳ですね・・・もー、真舘さんには頭が上がりません、ほんと申し訳ございませんでした!
 ここで繰り返すのもアレですが、Manhattanのあのロゴがあったから、あの当時の「渋谷」が、そう、あの「レコードで熱かった渋谷」があったんです・・・改めて商業デザインの重要性を認識しました!






DJ Kazzmatazz 「Old To The New」
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 え~、今回は、明日から出張なので1日前倒しでの更新です・・・

 普段なら、出張の話を織り交ぜて更新をしたいところですが、今回は全くレコ屋に近寄れる気配が全くないので、出張のことはスルーしての更新です(^^;)
 でも、大好きな九州なので、美味しいモノは食べれるかな・・・仕事なんですが、心の1/5ぐらいは遊び心(?)を持って行ってきますね・・・

 では、久しぶりに仕事の愚痴から始まりましたが、今週の紹介です!


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 今週は、新潟出身で、現在は東京で活動をしている「DJ Kazzmatazz(カズマタズ)」さんの、2004年にリリースされたミックステープのご紹介です。

 まず、カズさんと言えば、もはやライフワークと言って差し支えない「Japanese Cutz」シリーズですよね!

 このシリーズは、日本語ラップの曲と元ネタ曲を上手く混ぜたミックス作品で、カズさんのレコード知識や掘りの深さもさることながら、流れのある展開とアイデアに富んだミックスが聴きどころでお好きな方は大変多いかと思います。
 なんと、今月には第9段(!)を発売するなど、未だにアイデアが尽きない所は素敵すぎます・・・ここ最近の作品は追えてないですが、個人的には1番はクラシックで、以前紹介もしたぐらい大好きな作品です(^0^)

● DJ Kazzmatazz 「Japanese Cutz」


 そんなカズさんですが、今回紹介するテープは、割と活動初期にリリースされた作品になります。

 リリースは2004年で、この頃は出身地である新潟県魚沼市で活動されていたはずなので、地元で自主リリースをした作品だと思われます。

 ただ、結構内容が良いので、東京の大手レコ屋さん(DMRなど)でもプッシュしており、当時、手にとって聴いてた方も多いかもしれないですね・・・
 私は後追いでしたが、おぼろげな記憶では、割と売れていたような記憶があり、実際に聴いてみたら非凡なセンスが伺える内容で、結構好きな作品です!


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 では、作品の紹介です!

 タイトルの「Old To The New」が示す通り、2004年時点で新旧のHipHopを上手くミックスした内容になり、結構ヤラれます!

 それこそ、我々世代だと、イントロのスクラッチソロを聴いた瞬間、指が一緒に動いちゃう「Common Sense / Resurrection」のような「旧」に入る曲や、当時、ヘッズの中では大ヒットだった「Jurassic 5 / A Day At The Races」のような「新」の曲などを、巧みに織り交ぜて選曲をしています。

 個人的な印象では、ド直球な曲はあまりないけど、「Nasty Nas / Halftime」のようなB直撃なHipHopもありつつ、盛り上がるところではスクラッチカットインで「Leaders of the New School / Case of the P.T.A.」を入れてくるなど、かなりバラエティー豊かな選曲になってて・・・聴けば聴くほどハマってくる感じがあります!
 特に、イメージとしてPete Rock~Large Professor的なカッコいいホーンネタがあって、ボトムとベースラインが黒くて美しい感じの曲を中心に選曲してるので、何度か聞くと自然とハマってくる選曲になっているかな~と思います。
 
 特に、今回聴いてて思ったのが「新曲ってカッコいいな~」です!

 前にも書いたかもしれないですが、この作品での「新曲」に属するような曲(00年以降の曲)は、私もオンタイムで近くにいましたが、あまりHipHopに興味が無くなってしまった時期なので、ほんと持ってなく、ある意味で「未開拓」です・・・
 ただ、ここ最近、聴いていると懐かしさもある半面、素直に聴いてると「カッコいいぞ!」と思う曲が多いんですよね・・・なんでしょう、干支も一周してバイアスがかからない耳で聴くのと、自分の耳の経験値が上がったことが影響してるんでしょうね~

 その限りにおいて、プレイする曲を「光らせる」つもりでDJミックスをしている「ミックス作品」で聴くと、こういった「新」の曲がメチャクチャカッコよく聞こえます・・・

 なんでしょう、旧の曲の良いところと、新の曲の良いところを上手く連動させながらプレイをしている感じで、旧の良さが分かれば、新の良さが分かるような選曲になっているのが上手いんですよね・・・
 うん、究極的には、新も旧も関係なく、いわゆる「ただカッコいい曲」を素直に並べただけなのかもしれないですが、時代が微妙にちがう曲同士で、上手い共通項を見いだして選曲を行っているのが素敵です!!


 そして、DJミックス面も、素敵です!

 バリバリに2枚使いみたいなのはなく、割と淡々と進んで行くのですが、細かい配慮がある感じがよく、結果として「プレイしている曲を引き立てる」ミックスになっているのが大変良いです。

 パッと気付いた範囲だと、「Common Sense / Resurrection」であれば、ビートありのインストから入っていき、頃合いの良いころにビートレスなイントロに戻して本編に入る・・・みたいなミックスがありました。
 この部分であれば、その前の曲のビート感/グルーブを引き継ぐためにビートミックスでResurrectionに繋いでいること、そしてこの曲のJazzのSwing感だったり、モノクロームな華やかさを出すために、インストからビートレスなイントロに戻しているんですよ・・・割と単純なミックスではありますが、聴いててかなりグッとくるミックスですね!

 また、レコなしで恐縮ですが、前の曲のメロディーなりリズムを読み切って次の曲へミックスしている部分もあり、連打ドラムの間と音階を読んでの「Pete Rock & CL Smooth / Go With The Frow」へのカットインは、最強にカッコいいですね!!



 そんなわけで、ざっくりとした紹介ですが、DJが上手い人の作品は、時代が変わっても「カッコいい」ことを裏付ける作品でした!

 テープに関しては、ボチボチ見つけられる作品だと思うので、気になる方は探してくださいね!!





<Release Date>
Artists / Title : DJ Kazzmatazz 「Old To The New」
Genre : HipHop、Breakbeats・・・
Release : 2004年3月
Lebel : Wild Hot No Number

Notice : ゲスト参加について
 スクラッチのゲスト参加でDJ Co-Maさんが2曲参加しています。また、GagleのHunger氏もシャウトアウトで登場します。

Notice : CD再発について
 ユニオンのお茶の水CMS(現在の下北CMS)で2010年3月にCD再発(50枚)があります・・・ただ、今となってはかなり入手困難です。





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<独り言>

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 え~、今回は独り言も愚痴になりそうです(^^;)

 今年もハーデストワーキンなリリースが続いているMUROさんですが、今月の初めには、大好きなシリーズである「Diggin' Heat」の2016年版がテープとCDで同時発売されました!
 今年は、Iceの2016、そしてElegant FunkまでもがメジャーベースでCDとテープが同時発売とあり、ファンにはたまらない御馳走ですね・・・Heatも、もちろん2枚買いです!

 ただ、ただ・・・今回は「発売されたのに気付かず」で、発売された翌週にやっと気付いて購入をしました・・・

 このCDとテープの同時リリースのは、基本的に「タワーレコード限定」で出されていることから、タワレコ界隈では情報が流れているのかもしれないですが、普段、ユニオンとかで中古を追っている立場とすると、あまり情報が流れてこない存在かもしれません。
 何よりも、MUROさん自身が恐らく情報をRTもしてなく、今回ばかりは「えっ、出てたの?」と後追いで気づいた方は多いぐらい、殆ど情報が出回らなかったように思えます・・・

 う~ん、こんなことになるのであれば、もうタワレコ限定でなくても良いんじゃないでしょうか・・・そう、素直に思います・・・

 なお、内容はやっぱり良くって、まさかのMazeプレイや、Changin'のレアカバーなど、流石の手腕で、聴いててホッコリです・・・やっぱり深いとこ掘ってますね~

 




DJ Masayuki 「Sunny - Minutes Remix」
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 え~、先週のKensawさんの追憶記事を書いてたら、耳が「Hip Hop」モードになってしまったようで、今週はHipHop系の作品を聴いてました・・・

 30半ばになりましたが、こういった音楽が好きになったきっかけは、少年時代に聴いてた「HipHop」なので、オッサンになっても反応しちゃうんですよね・・・
 特に、DJミックスが上手いのにはノセられてしまい、帰宅の夜道でつい首を振ってしまう訳で・・・今週の帰宅の夜道では、なぜかノリノリなサラリーマンになっていました(^^;)

 そんなわけで、今週、見事にハメられてしまった、この作品の紹介です!!


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 今週は、98年にリリースされた名作「Sunny」を紹介します!

 この作品は、京都のDJである「DJ Masayuki」さんが制作した作品で、当時の売れ具合などは分からないですが、中古市場では結構見かける点を踏まえると、結構売れていた作品のようです?

 Masayukiさん自体は、中々詳細がつかめないお方ではありますが、オフィシャルHP(!)の情報によると、95年より大阪/京都でDJを開始されたそうで・・・大阪/京都のレコード文化にガッツリと根ざしてた方なのかな~と思っています。
 京都であればUlticut Up!(=Vinyl 7)のお膝元だし、大阪は大阪で素晴らしレコード屋さんが多かったし・・・関西圏のレコード文化で育った(育てた?)部分があるかもしれないです。

 なお、リリースはDJ S@Sさんが主宰していた「Undaprop Wreckordz」で、確認できる範囲では3本のテープがリリースされています。
 アンダ自体、東京のレーベルではありましたが、京都のミックステープ業界を代表するDJである「DJ Gossy」さんが、割とアンダと繋がりが深かったので、その流れでアンダからリリースをしたのかな~と思います?

 なんか、今回は「?」が多くてすみません・・・

 ただ、作品は「怒涛のクイックミックス」でかなりヤラれます!

 きっと、当時、この作品を聴いたことある方なら影響を受けた方も相当いるのではないでしょうか・・・今聴いても、そう思うので、かなりレベルが高い作品です(^0^)

 では、作品紹介です~


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 この作品は、もはや「Masayukiスタイル」と言っても過言でないくらい、グッとくる「黄金期HipHopのクイックミックス」が聴きどころな作品で、HipHopが好きな方なら絶対に「首を振る」作品になっています!

 ある販売サイトの情報によると、A面+B面で122曲、1曲平均44秒のプレイ、そして、アナログのレコードで一発録りのようで・・・まさに「怒涛のクイックミックス」です!
 それも、ただ単にクイックをしているのではなく、HipHopらしい「ノリ」を選曲とミックスで上手くキープしながらのプレイになり、そんじょそこらの「クイックミックス」ではなく、聴いてて圧巻です!

 まず、選曲的な話を入れておくと、Bなら反応をせざるを得ない選曲です(^0^)

 A面は、割とNew School(90年代初期)を中心に、同アーティスト繋ぎやトラックメーカー繋ぎで選曲をしてて、それこそ写真上の「DJ Premier」であれば、出だしから「Group Home / Supa Star」「Gangstar / Mass Apeal」を選曲しててヤラれます!
 そして、B面は、New SchoolからMiddle School(80年代後半)まで選曲の幅を広げ、同アーティスト繋ぎなどもこなしつつ、全体的にノリを優先したミックスで、それこそ「Run DMC / Here We Go」からの「Biz Markie / Nobody Beats The Biz」にはグッときました!

 クイックミックスって、ミックス作品として作るのはかなり大変なので、あまり作る人がいなかったジャンルになりますが・・・クラブ等での現場では「絶対的な武器」になる技術になるかと思います。

 それは、色々な理由があるかと思いますが、クラブプレー中に、それぞれのお客さんが色々な方向を向いて楽しんでいるのを、クイックをすることでお客さんの意識を「DJ」に向かせ、そして、DJが作る「ノリ」で一体感を作り、フロアーを盛り上げる・・・そんな効果があるかと思います。

 この限りにおいて、重要なのは「クイックしていくことでノリを掛け算していくこと」「お客さんが知っている曲でボムらせること」になるかと思います・・・

 後者は、知っている曲=俗に言う「HipHopクラシック」になるので、それなりに知識、いやそのDJが「HipHopが好き」であれば外さない要点ですが、前者の「ノリを掛け算」することは、実はかなり技術がいるかと思います・・・


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 Masayukiさん自体も、結構現場でプレイをしてたようなので、その辺の「現場感」も踏まえたクイックになっているように聞こえますが・・・細かく聴くと、要所要所でその「ノリを掛け算」するプレイがあり、メチャクチャ上手いです・・・

 その観点で押したいのが、A面で披露されている「Pete Rockメドレー」です!!

 ざっと紹介すると、Pete Rockが外部プロデュース(またはリミックス)をした曲を選曲しており、「①Das EFX / Jussumen (Remix)」から始まり、「②A.D.O.R. / Let It All Hang Out」「③Run DMC / Down With The King」、そして大トリは「④Public Enemy / Shut Em Down (Remix)」という流れになります・・・

 それなりにHipHopがお好きな方であれば、この並びをみて「うほっ」とはなりますよね・・・ただ、Masayukiさんのプレイにおいては「攻め方」が上手く、PEでつい激しく首を振ってしまいます(^^;)
 
 どんな攻め方かというと、①~③はイントロのブレイクを2~4小節程度だけプレイして次の曲にカットインしていき、その過程で「期待感」を煽ってからの④でボムる展開なんですね・・・割とベタと言えばベタですが、ここを聴いただけでMasayukiさんのプレイの上手さが如実に分かります!
 
 まず、基本的なDJミックスはカットインなのですが、そのタイミングと、前後の曲の「メロディ」や「グルーブ」をしっかりと読み切ったカットインなので、ガッツリと次の曲がハマっています!
 これらの曲はPete Rockの全盛期の曲なので、独特なドラム感やソウルフルなホーン使い等が上手くかみ合った名曲なので、繋ぎやすいと言えば繋ぎやすいのですが、この辺の読み切りを含め、大胆にカットインしていくのが大変素敵です!

 その上で「ノリの掛け算」が上手すぎます!!

 私の感じた視点で紹介すると、①→②になった時点で「おっ、Pete Rock繋ぎだね!」と聴いてる側は反応する訳ですが、速い展開のイントロブレイクのクイックをすることで「Pete Rockのノリ」だけを抽出し、急速にグルーブを増加させている感じです・・・
 この「急速」の部分が、足し算ではないので「掛け算」という表現をしましたが・・・段々と「どんな展開をするか」という期待感も加わり、全体のグルーブが加速度的に早まります・・・

 その急速なグルーブの行きつく先が「④Public Enemy / Shut Em Down (Remix)」で、この曲だけは1曲をプレイするのですが、①~③の「掛け算」があったからこそ、メチャクチャ首振りなグルーブになってて、気付いたら、最初っから首を振り、ラップをしながら夜道を歩いている私がいました(^^;)



 なんか、技術的なところは、あまり上手く紹介ができませんでしたが、これぞ「DJマジック」と言いたくなるような技が随所に光った作品です!

 単純に「クイックミックスをしている作品」と言えばそれまでかもしれないですが、要所要所で現場で培われた「技」が光っており、かなり最高です!
 HipHopがお好きな方であれば、絶対にお勧めなので、探して聴いてみてくださいね~


 なお、今週も独り言がないので、独り言と蛇足をかねて話を追加しておくと、ここ数年、こまめにHipHopのオリ盤を買ってたので、こういった作品が何とか自分の力だけで紹介出来るようになって良かったな~と思います。

 この辺の12inchは、大昔は死ぬほど高かったので、当初はリベンジ買いだったのですが・・・やっぱりこれらの時代の曲は「カッコいい」ので、今は「カッコいい曲だから買う」みたいな方向性になっています・・・
 Pete Rockなんかが特にそうですが、サンプリングだけど「オリジナル」なんですよね・・・うん、やっぱり「Hip Hop」って素敵ですね(^0^)




 <Release Date>
Artists / Title : DJ Masayuki 「Sunny - Minutes Remix」
Genre : Hip Hop・・・
Release : 1998年
Lebel : Undaprop Wreckordz UWT-011






DJ Kensaw 「DJ Kensaw Hip Hop #10」
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 今週は、急遽、紹介予定だった作品を差し替えての紹介です・・・こういう紹介はあまりやりたくはないですが、故人を偲んでの紹介です・・・


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 既にご存知の方も多いかと思いますが、大阪HipHop界のレジェンドである「DJ Kensaw(ケンソウ)」さんがお亡くなりになられたそうです・・・

【訃報】DJ KENSAW (LOW DAMAGE/梟観光)が死去


 もともと、あまり情報が出ない方なので、正確な情報は分かりませんが、ここ最近はあまり体調が良くなかったそうです・・・謹んでご冥福を申し上げます。

 Kensawさんというと、どうしても大阪の方なので詳細が分からない部分が多いですが、大阪での影響力はホント大きいかと思います。

 80年代末より活動を開始し、盟友のDJ Tankoさんと共「Low Damage」を結成し、DJ活動や楽曲制作を通して「大阪でHipHopを根付かしたDJ」になります・・・

 この点は、なかなか実証しづらいところはありますが、聴いたお話だと、かなり早い時期からHipHopをプレイしてて、大阪のヘッズ達はKensawさんのプレイを通して「HipHopのカッコよさ」を学んだそうです・・・
 特に、95~97年ぐらいの日本語ラップ/DJブームの際はシーンの中心として活躍し、大阪版の「証言」と言っても過言ではないクラシック「Owl Nite」の制作を通して、大阪のHipHopシーンを盛り上げた点は非常に大きいかと思います。


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 そして、その「カッコよさ」を学ぶことにおいて、活用されていたのが「ミックステープ」だと思います!

 当然、現場でのプレイも大きいですが、Kensawさんのテープを聴いて「HipHop」なり「DJ」の魅力を教わった方は多いかと思います。

 Kensawさんのテープは、一般的には「そこまで出していない」と思われがちですが、実は結構出していて、特に今回紹介する「DJ Kensawシリーズ」は大阪の方であれば、思い入れがある方が多いでしょうか?


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 このシリーズは95年~96年ぐらいに集中的にリリースされていたテープで、分かりやすい表現であれば「新譜紹介テープ」になります・・・

 こういったテープは、色々なDJが作っているのであまり注目がされませんが、Kensawさんのテープは作っていた時期がHipHopがブームになり始めた頃なので、まだ「HipHop」を知らない子達がKensawさんのテープを聴いて「HipHopの魅力」を学んでいたようです・・・
 私自身、大阪のシーンのことは分からないのでアレですが、今年の大阪旅行で某レコード店の店主さんからこのシリーズの初期テープをお譲り頂いた際、お話を伺うと、やっぱり影響を受けた方は多かったようです・・・

 そして、テープ自体はいわゆる「手製(手刷り)」で作られ、どれも味のあるジャケットが印象的ですね・・・

 95~97年ぐらいだと、まだテープを業者さんに発注して作ることは慣例的ではなかったのと、シーン自体がかなりアンダーグラウンドだったので本数的に手刷りレベルでも対応できたので、結果的に手刷りのテープが多かったのですが・・・手刷りのテープはかなり重要な存在だったと思います。

 当時を思い返すと、東京では「DJ Nisimiyaさんのテープ」なんかが有名でしたが、シーンが黎明期が故に情報が無いので、その「情報のなさ」を上手く埋めてくれた存在になっていましたね・・・
 今の時代からしたら信じられないかもしれませんが、こういった情報を教えてくれる本や雑誌、TVやラジオは殆どなかったので、生の「HipHop」や「DJ」を知ろうと思ったら、レコード屋さんとか洋服屋さんに行って、こういったテープを買うことが身近だったんですね・・・

 実際に大阪でどのように販売していたかは分かりませんが、ヘッズ達がテープを購入し、擦り切れるぐらいに聴いて勉強をしていたのかもしれません・・・

 では、テープの紹介です!


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 今回紹介するのは「10作目」で、リリースは96年になります。

 この10作目は、今の中古市場でもよく見かけ、東京のユニオンでもよく見かけるので、大阪を飛び越え、全国で流通していたようです・・・それだけ内容が良く、人気があった証拠ですね!

 内容的には、当時の新譜HipHopミックスになり、私たち世代だと懐かしい「Group Home / Suspended In Time」「Tragedy / Da Funk Mode」など、あの時期特有のハーコー感やアングラ感が出たHipHopが多く、かなりヤラれます!

 今回、改めて聴いてみて思ったのが、Kensawさんの選曲って「実は独特」で、このミックスでも割と独特な方向性があるな~と思いました。

 トラックリストがついていないので全ての曲が捕捉できないですが、当時としてはあまりチョイスしなかった曲が多く選らばられている感じで・・・変な話、他のDJがプレイしない曲を多く選曲している感じがします。
 それこそ、「Tragedy / Da Funk Mode」なんかは今でこそクラシックですが、当時はそこまで珍重されてなかったし、他の曲も聴いてて全然知らない曲が多いんです・・・Kensawさん自体、かなり早い時期から西のHipHopを押してたりしてたので、ちょっと視点が違うんですよね・・・

 ただ、聴いてると「独特のファンクネス」というんでしょうか、HipHopらしい「武骨さ」が伝わる選曲で大変イイんですよ・・・

 その「武骨さ」は、シュアな2枚使いやスクラッチが更に盛り立て、この時期のHipHopの良さを分かりやすく表現しています・・・
 なんでしょう、2枚使いやスクラッチがうるさくならない程度に擦ってくるんですが、それがかえって「味」になり、楽曲を盛り立てます・・・同時期であればDJ Kenseiさんなんかの方向性と同じ擦りなのですが、ちょっと「大阪ノリ」がある点が「武骨さ」を醸し出しているかもしれません。

 そう、この作品・・・というか、Kensaw作品において一番重要なのが「大阪ノリ」だと思います!

 「大阪ノリ」と書いてしまうと、なんか吉本ライクなコテコテなイメージが出てしまいますが、東京のHipHopとはちょっと違う感じがあります・・・
 う~ん、なかなか表現が難しいのですが、東京だと無言で淡々と首を振っている感じなのに対して、大阪は「皆で盛り上がろう」的なフレイバーも含まれているのかな~と思います。

 そして、その「大阪ノリ」の顕著な部分は、DJミックスに「MCがマイクイン」している構成になっていることです!

 大半の作品では、盟友である「DJ Tanko」さんがマイクインし、現場感を盛り上げています・・・この作品だとロボ声にして登場していますが、この「おしゃべり感」は大阪ですかね?
 大阪の方には失礼かもしれませんが、大阪の方は「しゃべり」が「ノリ」を生み出していて、それが人間のコミュニケーションの根幹になっているかと思います・・・その辺の背景があってのマイクインかと思いますが、個人的には大変好きですよ!



 あまり上手く紹介ができませんでしたが、Kensawさんのテープは「大阪HipHop」の基礎を作ったかもしれませんね・・・

 Kensawさん、お疲れさまでした・・・こんな素敵なテープを残してくれてありがとうございます!!




<Release Date>
Artists / Title : DJ Kensaw 「DJ Kensaw Hip Hop #10」
Genre : Hip Hop・・・
Release : 1996年
Lebel : Owl Nite Muzik No Number


Notice : Kensawさんと日本語ラップ

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 今回の作品紹介では外しましたが、Kensawさんにおいては「日本語ラップ」も重要なので、別項として紹介しますね!

 まず、このテープの範囲だと、写真のように、テープのケースに後付けのシールで「MC Ichi aka 1Low / Ghetto Red Hot」の告知(?)が貼ってあり、テープにもボーナストラックのような形で同曲が収録されています。

 Kensawさん自体、もはや大阪クラシックなポッセカット「Owl Nite」を制作されたり、日本語ラップの普及に貢献をしてたお方なので、テープでも日本語ラップを取り入れることもありました。
 作品単位であれば、大阪~名古屋の日本語ラップをショーケース的に紹介(トコナも参加!)している「Between In The Beatz」(97年)なんかが有名ですが、テープ自体に大阪のMC達をフューチャーしてることもあり、この辺も聴きどころかもしれません。
 
 ただ、ミックステープ単位だと日本語ラップはメインではないのと、当時のことを考えると、聴いた人は、これらのテープに収録された「USのヒップホップ」の魅力を知った方が強かった(無論、日本語ラップの曲の良さも伝えていますが)と思うので、別項にしました・・・すみません・・・


Notice : 手刷りテープについて

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 今回は独り言がないので、補足事項を多めにしましょう!

 作品紹介でも触れましたが、このシリーズは、基本的には「手刷り」で制作されています。

 手刷りとは、専門業者に発注して作ったテープではなく、市販のカセットテープを、製作者側が一本一本ダビングして作ったテープのことで、手作りで作ったテープになります。

 業者に発注すると、それなりの金額がかかるのに対し、手刷りであれば、テープは1本100円ぐらいで買えたので、自分たちの労力を換算しなければ相当安上がりに作れたので、90年代はかなり手刷りで作ってた方が多いです・・・
 まあ、ミックステープが黎明期だったので、DJ側が「どこに発注してイイか分からなかった」のもあるし、都市伝説レベルの話ですが、ミックステープが著●権をアレしてるので業者側が受け付けなかったこともあったそうで・・・90年代は手刷りも主流でした。

 んで、今のコレクター市場から考えると、手刷りのテープは根本的な本数が少ないので、おのずと希少性があり、一部のタイトルは高くなってしまうのですが、業者発注のテープと違い、オリジナル品かどうかの区別がつきづらく、売る側としては敬遠されており・・・結果的にテープの優劣(?)としては「業者テープ > 手刷りテープ」になっているかと思います。

 ただ、手刷りは手刷りで凄いイイところもあります。

 それは「テープ質」がイイ点です!

 実は、当時、日本で市販されていたテープは結構品質が良く、テープ特有の悩みである「伸び」とかがあまりないんですね・・・相当マニアックな話ですが、80年代のはメチャクチャ質がよく、90年代になると色々な理由で値段が下がりして品質は少し落ちますが、品質の良さは変わりありません・・・
 むしろ、業者テープの方が質が悪いことが多く、特に海外発注系のだと、テープ自体が薄かったり、品質的に悪かったりするので、後々になり、テープが伸びたり、謎の再生不良がおきたり・・・最悪は切れたりするケースがあったりします。

 実は今回、Kensawさんのテープが正にそうでした・・・

 今回の作品紹介においては、真っ先に思い付いたのが、大阪~名古屋の日本語ラップの紹介とKensawさんらしいDJミックスがフューチャーされた「Between In The Beatz」だったのですが、こっちは業者プレスなのに、謎の再生エラーで満足に聴けませんでした・・・他のテープ(A to Zとか)でも同様のエラーがあり泣くに泣けませんでした(^^;)

 その半面、今回の手刷りのシリーズテープは全然普通に聴けました・・・結果的に、こっちのテープを聴いて「Kensawさんの紹介はシリーズテープの方が良い!」となったので、結果オーライではありますが、改めて手刷りテープの威力を痛感しました(^^;)


 なお、業者テープの再生不良は、今回のはテープ全体が微妙にヨレているのが原因で、それで音が悪かったり、デッキの方が再生出来ずに止まってしまう・・・そんなエラーです。

 んで、皆さん、そういったテープをどうやって聴けるようにするのか?が気になるかと思いますが・・・こういう場合は、諦めて別のテープを買う方が良いかと思います・・・
 ただ、全く同じタイミング・環境・内容でプレスしてるので、買い直しても同じケースの場合もあります・・・もう、運に任せるしかないんです(^^;)