HipHop,R&B,Soul,Funk,RareGroove,DanceClassics,Garage,House・・・など、私が気に入っているMixTape,MixCD,その他もろもろを紹介するブログです。
DJ Gossy 「Gossy's Choice #01 MAR. 1998」
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 え~、今回は、意外と紹介しない系統のテープの紹介です・・・

 ただ、自分でもビックリしていますが、調べれば調べるほど発見があり、もはや紹介ではなく「調査報告」ですね・・・


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 今回は、私としては「日本で最初のマンスリーテープを具体化したDJ」だと認識している「DJ Gossy(ごっしー)」さんのテープを紹介したいと思います!

 まず、Gossyさんですが、テープを掘っている方なら多少は馴染みがあるでしょうが、今となってはあまり情報が無いお方なので、少しバイオ等を紹介しておきましょう。

 Gossyさんは、京都で活動をしていたDJで、90年代中ごろから活動をしていたお方になります。

 活動の初期は、京都のHipHop業界のドンとも言えるRyozoさんが属していたラップグループ「Magma MC's」のバックDJを勤めていたお方で、京都~関西圏では、90年代中期~後期は有名だったお方になります。

 特に、Gossyさんについては「ミックステープ」の存在が重要で、Gossyさんが作ったミックステープでHipHopの魅力を知った方は多いかと思います。

 それこそ、今回のテープもそうだし、今回のテープよりも前に作っていた「地熱」等を通して、HipHopや日本語ラップの魅力に気づかされた方は多いでしょう・・・

 地熱に関しては、リリースをしていた96~97年ごろに京都で行っていた同名イベントとも連動するように、当時の「日本語ラップ」の熱さを上手く伝えたテープで、関西圏の日本語ラップ好きにはタマラン御馳走だったようです。

 テープでは、当時らしくUSのHipHopの選曲を軸にしながら、前述したRyozoさんのMagumaや、熊本の餓鬼レンジャーなどがサイドMCやフリースタイルで参加してて、当時の日本語ラップシーンを盛り上げていたようです・・・

 イメージとしては、東京だとDJ CeloryさんのHigher Levelと近いイメージで、ある意味で日本語ラップを含む「HipHopへの入り口」をテープで作ったお方かもしれないですね。
 実際に、GossyさんがHipHop系洋服店のWalkin' StoreやESPなんかとは近い存在だったこともあり、それらのお店で地熱などが売られていたそうで、当時の「とりあえずカッコから」というシーンの流れにおいて、その主役だった中高生~若者に対して、HipHopをテープを通して分かりやすく教えてたことは、大変価値があるかな~と思います!

 この辺の話は、当時を知っている方でないとリアリティーをもって実感が出来ないかもしれないですが、96年とか97年ごろだと、HipHopなり日本語ラップを知ろうにも、ネットが無い時代だったので、現場に行くしか情報が得られなかった時代なんですね・・・

 そうなると、レコード屋さんとかクラブに行くしか術がないのですが、HipHopらしいマチョニズム(?)というんでしょうか、そこにいる人の大半が「怖い」イメージがあり、なかなか素人(=新人?)が入りづらい印象がありました・・・
 私自身も、高校1年生だった1996年ごろ、渋谷のManhattan RecordsやCiscoなんかに行き始めましたが、最初は店の前でたむろっているBな輩が怖くって、なかなか店に行けなかったんですよね・・・うん、遠巻きからみても「絶対にカツ●ゲされる」と思ってしまい、二の足を踏んでいました(^^;)

 その意味で、HipHop系の洋服店は、実は結構入りやすい存在だったんですね・・・

 逆説的には「カッコから文化」の象徴というのでしょうか、その文化に入れない子たちを「文化」に馴染ませるために「服を売っていた」こともあるのでしょうが、誰でもウエルカムな場所だったので、これらの「洋服店」を通してHipHopなり日本語ラップを知った方は大変多かったと思います。


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 そして、その「教育的価値」の先として、まわりのDJに先がけて「マンスリーテープ」を作っていたのがGossyさんで、当時、これにお世話になった方は多いかと思います!

 まず、マンスリーテープとは、実は日本独自のテープで、月1回、決まったタイミングで「その時に出た新譜の曲」を選曲したテープで、このブログでは「新譜テープ」とも呼んでいるテープになります。
 有名どころだと、DJ Komoriさんの「Monthly Fruit」なんかが有名ですが、とにかく「その時に出た新譜」を「紹介」という意味で選曲したテープで、当時は結構人気なテープでした。

 実際に2005年ぐらいまでは新譜テープ(新譜CD)は需要があり、当時はネットも無い時代なので、簡単にその新譜曲を聞けないし、それ以前に海外の曲なので情報が少ないこともあり・・・その情報の隙間をこれらのテープが埋めていたので、人気があったのだと思います。

 つまり、リスナーや素人レベルのDJにとっては「結局、何がカッコいいのか分からない」状態があり、それらをDJミックスにカッコよく落とし込むことで、そのテープを聞いた人が「この曲を買えばいいんだ」と思いこませる効果があったのだと思います。
 実際に、テープの値段も、だいたい12inchのレコードを1枚買う値段に近い値段に安く設定(Gossyさんのは1200円ぐらい)され、レコ屋に行った人が、とりあえずこのテープを買って、次に何を買おうかを把握するために売れていた部分が強いかと思います。

 これこそ、日本独自のテープになる由縁なのですが、新曲のHipHopが聴ける環境(それこそラジオとか)がなく、それを補完したのが「テープ」だったわけですね・・・そう、曲を知るための「教科書」として、これらのテープが役立っていたわけですね。
 なお、話は少しずれますが、こういった「情報を埋める作業」は、日本のHipHop、いやクラブミュージックを売る立場からすると、結構大変な作業で、レコ屋側では、独自の販売カタログ(Manhattan)(DMR)を作るなど、それぞれがお客さんに「買ってもらう」ことを意識して努力をしたいたのは、日本らしい動きです・・・

 そして、Gossyさんの素晴らしいところは、これを「毎月、しっかりとした形でリリース」した点だと思います。

 正直、こういった新譜を紹介するテープは、昔からあったのですが、ある意味で日本人らしく「しっかりとパッケージ化した」のはGossyさんが最初期だったと思います。

 つまり、当時のテープ業界でありがちだった手刷りなテープではなく、しっかりとプレスしたテープで、かつ毎月、同じタイミングで出していたことが大きく・・・買う側として「信頼」して買えるようにリリースしてた点は、評価したいと思います!
 日本人って、妙なところで「信頼」を信じる部分があり、ある意味で「老舗志向」というのがあるんだと思います・・・そういった背景がある中で、しっかりと「形」を作ってリリースしていたGossyさんの功績は非常に大きいと思います。

 マンスリーテープなり、新譜系のテープって、探せば探すほど作品あるのですが、1998年からリリースしたGossyさんの行動は比較的に早く、ある意味で、そのマンスリーテープ市場が隆起していく「今後の流れを作った」部分あり、実はその後のDJ達の「教科書」にもなっていた点は非常に大きいかと思います!


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 では、このテープシリーズの第1段を通して、Gossyさんのマンスリーテープを紹介したいと思います!

 まず、Gossyさんのマンスリーは、1998年3月が第1段になり、結果的に2001年3月までリリース、実質的には約3年の間、マンスリーテープを作っておられました。
 約3年というと、DJ Komoriさん(1999年~2007年)、DJ Yoshioさん(2001年~2006年)達から比べると少ない年数にはなりますが、黎明期だった1998年よりリリースしている点、それもしっかりとパッケージ化した状態でリリースしていた点は評価すべきでしょう。

 そして、肝心の内容は・・・まず、私としては「懐かしい!」の一言です(^^;)

 1998年3月というと、私は高校3年生になろうとしていたタイミングで、やっとUSからリリースされる新曲を、知識や行動的にもタイムリーに追えるようになった時期で、少ないお金で、そういった魅力的な新譜を買っていた時期になります・・・収録されている曲を聞くと、ちょっとセンチになったりしますね(^^;)

 今回、たまたま収録曲のレコがなく、収録曲の「テープ」(Big Up 新宿ユニオン!)で紹介をしますが・・・いや~、懐かしいっすね!

 それこそ、A面の一発目は大ヒットした「Lord Tariq & Peter Gunz / Deja Vu (Uptown Baby)」からプレイ・・・当時、普通にレコードを買って、好んでプレイしてたのでグッときます!

 この曲、USでは大ヒットしたので、USでは普通に知り得た曲でしょうが、日本だとクラブや数少ないHipHop系のラジオ番組でしかプレイされないので、実は中々知り得ない曲なんですよね・・・
 私自身は、当時、真剣に毎週聞いていた「Da Cypher」で聴いて、すぐにレコ屋に買いに行った記憶がありますが・・・やっぱり、普通に日本で生活をしていたら知り得ないですよね・・・

 そういった背景がある中で、こういったマンスリーテープ(新譜テープ)の至上命題である「新しい曲のカッコ良さ」を素直に伝えることが出来た点が、このGossyさんのテープにはあったのだと思います・・・

 それは、まずは「カッコいい新曲を選ぶ」点が秀逸で、かつ、その選んだ曲をDJミックスでタイトに収めることで「DJミックスの中で、その選んだ曲が光る」ことを実現していた・・・ことだと思います。

 それこそ、12inch的にはプロモ止まり、たけどアンダーグラウンド・ヒットをしてた「Gangstar feat K-Ci & JoJo / Royalty」をしっかりとプレイしてて、かつ、渋いプレイをしています・・・

 プレイ的には、最後の方のK-Ci & JoJoの歌シャウトが光る部分を先にプレイして、そこから最初に戻して本編をプレイしてて、その時点で上手いです・・・
 それ以上に、当時はこの12inch、プロモ止まりだったことから、中々買えない1枚なのに、それを2枚使いです・・・これこそ「DJミックスでないと、光らすことができないこと」なのだと思います!

 そう、このGossyさんのテープは、新譜を紹介することも重要でしたが、その新譜を「いかにカッコよくプレイするか」を教える部分もあったから、人気があったのだと思います!



 なんか、作品自体は、あまり深く紹介出来ませんでしたが、選曲も、そしてその選んだ曲をカッコ良くプレイすることも、Gossyさんにはあり、3年間ではありますが、毎月新譜を紹介することが出来たのだと思います。

 市場では、このテープ、そこまで重要視されていないですが、私としては非常に価値のあるシリーズだと思っています。

 こういうテープがあったから、日本でHipHopなりクラブが育ったんですね・・・

 まあ、正直言うと、こういったマンスリーテープは、作品性だったり芸術性があまりないので、今となっては聴くのはアレですが、Gossyさんのは格別だと思います!
 気になる方は、テープを探して揃えてみてくださいね~





<Release Date>
Artists / Title : DJ Gossy 「Gossy's Choice #01 MAR. 1998」
Genre : HipHop・・・
Release : 1998年3月
Lebel : No Lebel No Number


Notice : 作品/シリーズに関する補足

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 今回、題材となる「マンスリー(新譜)テープ」は、ある意味で、新曲の良さを伝える「教育的な価値」があるので、作る側は色々と趣向を凝らしていた側面があります。
 どのDJのマンスリーだったかは忘れましたが、その収録曲の12inchの写真を載せたりしてたのもあり、ある意味で「曲の良さ+情報」が重要だったのかもしれません。

 その意味で、Gossyさんのテープは「キメが細かいな~」と思いました!
 
 それこそ、今回紹介した第1作目では、ジャケがトラックリストになりつつ、本来、トラックリストがありそうな部分に、その収録曲に対するコメント(写真上)を掲載してて、結構グッときました!
 ちなみに、ジャケにトラックリストを掲載する方式は、レコ屋等で「気になるあの曲が収録されているから、このテープを買おう」という購買側の心理を読み取った上でのレイアウトなのかな~、と思いました??

 んで、その後の作品では、普通なジャケ+中にトラックリストの構成(写真下)になるのですが、よく読むと、収録曲のところに「P / ???」と掲載があります・・・これは、トラックを作ったプロデューサーの情報ですね!
 今も昔も、HipHopにおけるトラック制作者は重要なので、こういった細かさはDJらしいっす・・・この事実を発見し、結構小躍りしてしまいました(^^;)

 なお、写真下のは、たまたま抜いた1998年12月の#10ですが、A面には「feat Dobinski」の記載が・・・神戸出身のMCで、調べたら某大学に一芸一能試験をラップで合格(!)された方が、サイドMCで入っています・・・
 Gossyさんの「地熱」だと、バリバリに日本語ラップ勢がサイドMCやフリースタイルで入っていますが、このマンスリーだとチョイチョイ入っている感じですかね・・・全部は調べて無いのでアレですが、割とこのテープだと日本語ラップと線を引いていたのかもしれないです??


Notice : DJ Gossy作品について

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 今回のマンスリーや、地熱を含む他の作品を、以下のページに「作品リスト」として紹介しました。

 まあ、地味に大変な作業でしたが、色々と分かったことがあり、重要な作業でした・・・
 一番嬉しかったのは、調べてて「洋服屋さんとの繋がり」が明確に分かったことで、関西だと「Walkin' Store」との繋がり、そして、東京の「ESP」との繋がりも分かり、ああ、やっぱり当時のHipHopなり日本語ラップは「洋服」が重要な接点だったんだな~と痛感しました・・・

 ● DJ Gossy 「作品リスト」







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<独り言>

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 ん、なんでしょうねこの写真・・・嬉しさが先行した写真になります(^^;)

 まず、先週はECDさんの追憶を込めて、ECDさんのミックステープを紹介したところ、Twitterで大きな反応があり、ビックリしました!




 それぞれ、かなりの「いいね」と「RT」があり、あらためてSNSの力って凄いんだな~と思いました・・・こういった反応があり、記事を通してECDさんの功績が称えられたのは良いことですね!

 そして、今回の反応を通して、凄い嬉しかったことがありました!

 なんと、先週紹介をしたテープの企画者さんから反応があり、テープのリリースに関する貴重な情報を頂けたことです!

 反応を頂いたのは、下北沢のビレッジ・バンガードに所属している名物バイヤーである「金田謙太郎」さんで、このテープが下北沢のビレバン限定のノベルティーだったことが分かりました!
 それも、作る際にECDさん側に「下北をイメージした内容で」とリクエストしたところ、ECDさんらしさを出しながら、下北にあった名物クラブ「SLITS」の雰囲気が出た内容になっていたそうで・・・もう、嬉しすぎる情報に感涙しました(^0^)

 そんなことがあり、独り言の出だし写真になります・・・はい、週末のレコ掘り行脚の途中、下北のビレバン前で、ECDさんのテープを片手に、下北ビレバンを撮影しました(^^;)

 まったくもって必要が無いことは承知していますが、これはある意味で「感謝」なんです・・・

 うん、ECDさんにも、そして情報を教えて下さった金田さんへの、不器用な感謝です・・・

 なお、下北のビレバン、人気なお店なので、人の出入りが激しく、テープを持って撮影するのが大変でした(^^;)
 周りから見たら「奇妙」でしかないので、もー、一瞬を見計らっての撮影で、気づいたらテープを逆さまに撮影していたぐらい、大変でした・・・

 う~ん、こうしてみると、インスタ映えを真っ向からグーで殴ってる姿勢ですね・・・うん、こういったアナーキーさは、天国にいるECDさんなら喜んで頂けそうな気がします??









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Shazam X 「The Best of KRS-ONE & BDP」
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 え~、1月になり、ほんと寒い日が増えてきましたね・・・暖房を入れても寒いので、毛布にくるまりながらブログ作業をしています(^^;)

 前にもお話しましたが、私は結構な冷え性なようで、寒さに弱いんですね・・・今年の冬は、特に寒さが応えるようで、辛いっすね~

 そんなわけで、寒さとはあまり関係ない、この作品の紹介です~


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 今回は、NYのDJである「Shazam X(シャーザム・エックス)」さんが1997年ごろに制作した「KRS-ONE」楽曲のみをミックスした作品を紹介します!

 まず、Shazamさんですが・・・テープを相当深く掘っている人しか知らないと思うので、分かる情報だけ紹介しましょう。

 Shazamさんは、どうやらNYのブロンクス出身のDJ/Producerで、唯一情報が分かるDiscogsからの情報によると、割とプロデューサー寄りの活動をされていた方のようです。
 もう、全然情報がなく、検索をすると、もれなく楽曲検索アプリの大先生の方にヒットする(笑)など、詳細が分からない方なのですが、90's Underground的なシングルを数枚残すなど、それなりに活動をしていた方かと思います。

 ただ、テープ馬鹿としては、上記の「Best Of」系のテープを出してて、結構有名なお方だったかな~と思っています。

 Shazamさんが作ったBest of系は、今回紹介をするKRSの他にもEPMD、Mary J Blidge、渋いところでBoot Campなど、割と渋いラインを突いており、個人的には結構ツボなお方になります。
 また、最後で紹介しますが、日本製のブートもあるなど、当時は結構人気があり、NYでもそれなりに売れていたのではないかと思います・・・ただ、そこまでメジャーかというと、決してそうではなく、部類的には「B~C級」になるかも??

 んで、この「Best Of」系のテープですが、ミックステープの中では結構人気の高いジャンルかと思います。

 それこそ、USであれば、Tape KingzからリリースしてたMister Ceeのベストは有名だし、日本でも割と出しやすいジャンルなので、かなりの作品が作られています。
 また、聞く側としても、そのアーティストの「美味しい」ところを簡単に聞けるので、手が出しやすいジャンルですよね・・・これは今も昔も変わらないかと思います。
 
 なお、私としては、ミックステープにおける「Best of」系においては、以下の二点が重要だと思っています。

 一点目は、このBest系は、いわゆる「教科書」的な役割を果たし、売れやすいジャンルでありながら、聞いた人が「そのアーティストのことを勉強できた」意味が非常に大きいことです。
 この点は、日本ではその価値が大きく、90年代中ごろぐらいだと、急にHipHopがブームになり、過去の名曲を知ろうにも、簡単には触れることが出来なかったので、こういったテープは非常に役立っていたと思います。
 特に、こういった「一人のアーティストを深堀すること」は、Frontとかの専門誌では特集されていたものの、それを「音」で聞くのは結構大変だったので、その辺の需要を上手く取り込んでいたかと思います。

 そして、二点目は、こういった「Best of」が、アーティスト側のプロモーションとして価値があることが認められたことで、アーティスト側の協力が生まれ、その後のUSの「Mix Tape」文化を作っていった点です。
 実は、今回のShazamさんを含め、ある程度プロが作ったBest ofは、そのアーティストに許可は得て作られており、更にシャウトアウトや未発表曲の提供など、その対象アーティストが結構協力している部分が強く・・・それは、結果的に「そのアーティストのプロモーション」に繋がることを踏まえて作られた部分があります。
 時期的には90年代中期位からだと思いますが、NYにおいては、ストリートで売れる「ミックステープ」の影響度はほんと大きく、アーティスト側もその価値を知っていて、協力をしていたんでしょう・・・
 その後、00年代位になると、DJ DramaとかのMix Tapeのように、完全にアーティストのストリートプロモーション用の作品としてリリースされるようになり、この文化を作る上では、スタートはこの「Best Of」だったのかな~と思っています。

 まあ、Best Of系は、選曲に縛りがある以上、実はアーティスティックなミックス作品が作れないことの方が多いので、私の評価としては下がるのですが、こういった価値はあるので、馬鹿には出来ない作品かと思います・・・


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 んで、作品の紹介をする前に、今回のテープのお題である「KRS-ONE(ケアレス・ワン)」さんにも触れておいた方がよいでしょう・・・

 まず、私は、KRSを通してHipHopを学びました・・・うん、KRSこそ「HipHop」だと思います!!

 今となっては、なかなかKRSから影響を受けたという人は少ないかと思いますが、90年代にHipHopを聞き始めた人にとって、KRSからHipHopを学んだ方は大変多いかと思います。
 
 それこそ、ZeebraさんやYou The Rockさんなどは、KRSから相当影響を受けていて、私も、ジブさんやユーさん達が語る「KRSの熱さ」を通して、相当影響を受けました・・・
 ユーさんに至っては、自分のアルバムでKRSの名曲「Outta Here」の自分訳な日本語での語りかけ曲(!)を入れるなど、相当KRSから影響を受けてましたね・・・


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 そして、なぜ「KRS」かです・・・私としては、HipHopというか、人間としての「熱さ」や「ラージさ」に勇気づけられ、相当な影響を受けたかと思います。

 KRSの歴史的な部分は、それなりに調べればあると思うので割愛しますが、私もYouさんと同じく、KRSの名曲「Outta Here」には相当影響を受けました・・・

 ● 「KRS ONE / OUTTA HERE」 You Tubeへリンク

 まず、大前提として、私たち世代だと、ZeebraさんがFront誌において、HipHopの名曲を対訳した連載(Word is Bond)があり、それで初めてこの曲の「意味」を知ったと思います。

 この曲は、いわゆる「Back in the Dayz」もので、自分の昔を振り返る内容なんですが・・・もう、KRSの懐(ふところ)の深さが分かるリリックで、こういうマインドこそ「Hip Hopだ!」と思わせる内容です。

 それは、彼自身が凄い辛い人生を送りつつ、サビで「♪No doubt BDP is old school, but we ain't goin' out ! (BDPはオールドスクールだけど、俺たちはどこにも行かないぜ!)」とブラストさせる部分に集約されていると思います!

 KRS自身、自分を救ってくれた恩人であるDJのScott La Rockを、BDPがメジャーに上がる前に不必要な暴力の弾丸により彼を失い、その後、非暴力やコンシャスな道を進み、世間に影響を与えるも、HipHopが段々と金満主義や暴力至上主義の方向性になっていき、この影響も含め、Scottの良心だったBDPが解体する結果になった後で・・・リリースされたソロ曲として、こんなことを胸を張って言えるのが熱すぎます!
 また、少しズレる話ですが、このソロ作の時点で、KRSも一世代前のラッパーになっていたことを含めると、実はこの曲のトラックはJames BrownのFunky Presidentをドラムネタにしてて、このネタ自体も、この曲がリリースされた1993年の時点では古くなったネタだけど、ProduceをしたDJ Premierの使い方がフレッシュで、それこそ「古くても、アイデアやセンスが良ければOutta Here(どこにも行かない)しないんだ!」みたいなことも暗喩(思い込み?)してて、最強ですね!

 もう、KRSって、本当に「熱い」んです!

 名言やパンチラインも熱いですが・・・人間が忘れてはならない「熱さ」、そして「ラージさ」があるんですよ・・・

 それが、このラインにも表れているし、それ以上に、自分が作った作品には必ず、無くなったScottをリスペクトして「Overseen By Scott La Rock (スコットが見守ってくれている)」とクレジットしてて、それも熱いです・・・
 また、MCネームであるKRS-ONEは「Knowledge Reigns Supreme Over Nearly Everyone(=知識はほぼ万人を制する)」の略になり、こういったインテリジェンスがある一方で、非常に人間臭い一面も強く、その辺のラージさもヤバいっすね・・・

 私自身、HipHopは、90年代の中ごろ、周りのHipHopブームに乗って気づいたら好きになっていましたが、ファッション的な部分よりも、こういった「文化としての熱い考え方/姿勢」に影響を受けた部分が多かったです・・・


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 では、作品の紹介をしましょう!

 まず、この作品は選曲を見る限りだと、1997年ごろ、ちょうどKRSのソロ3作目「I Got Next」がリリースされる直前ぐらいにリリースされたようで、憶測ですが、このアルバムのストリート向け宣伝という要素も含めて企画されたのかな~と思います。
 理由は、B面の後半でその3作目の楽曲が選曲され、トラックリストにおいては、その曲には「New」と注釈があったり、3作目の名曲「Step Into The World」は、この曲の副題である「Rapures Delight」と記載されているところを見ると、3作目が世に出る前に作られたのかな?

 んで、選曲から紹介すると、KRSを知る上で重要な曲たちを、なるべく制作順にまとめており、なかなかの出来です。

 それこそ、A面はKRSがソロになる前のグループである「BDP(Boogie Down Productions)」の曲が中心になり、A面の頭では、本人登場でKRS御大のありがたいイントロの後、大名曲な「Boogie Down Productions / South Bronx」から選曲し、聞いてて熱くなります!
 また、South Bronxの後は、B-Boy Records時代の曲をメドレーしたり、コンシャスなKRS、つまりEdutainment(教育と娯楽の造語)な先生スタイルが全面にでた「Boogie Down Productions / You Must Learn」を選曲したり、流れに沿った選曲は分かりやすいです。
 なお、You Must Learnは、オリジナルから、Get Up And Dance使いのRemixに流れる展開で、こういった小ネタも要所要所であり、グッときます。

 また、ソロ時代の曲も、A面後半からB面の中盤にかけて選曲され、当時はみんな選曲した「KRS-ONE / MC's Act Like They Don't Know」や、自身のレーベルFront Pageからアンダーグラウンド向けリリースされた「KRS-ONE / Rappaz R N Danja」などの渋い曲も多く選曲されています。
 ソロ時代も、BDPも含め、割と渋い部分は攻めてて、それこそLPのみの曲も多く選曲してて、まるで「シングルの曲だけがKRSじゃないんだよ」と言わんばかりで良いですね・・・全体的には、割と大雑把でありながら、KRSの魅力をしっかりと伝える選曲にはなっています。

 ただ、ただ・・・説明は「これだけ」になっちゃうんですよね(^^;)

 残念ながらDJミックスには独創的な部分はあまりなく、割と淡々とDJしてて、まるで「コンピレーション」みたいな感じを覚えます。

 また、私たちが思っている「KRSの熱さ」をそこまでは代弁してなく、大好きな「Outta Here」はワンバースのみ、それもサクっと選曲してるんですよね・・・
 やっぱり、ミックステープであれば、創造的な部分は欲しく、KRSの魅力をバシっとだせるキメ曲を作るべく、選曲の流れがグルーブの作り方があっても良かったのかな~と思います。

 でも、USらしいラフな作りが、KRSの持つストリート的な質感を生んでるのも事実で、この空気感は真似できないかも・・・
 たぶん、日本人が作ると、変に生真面目になってしまい、そういったラフさが出せないんですよね・・・これは不思議です?


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 そんなわけで、今週はKRS週間になり、大名作の1stのテープ版も聞きこんでしまいました(^0^)

 個人的には・・・このミックスよりも、1stのテープの方がヒットだったかも?
 アルバムを通して聞ける点も大きいですが、寒い冬の夜道でBoom Bapさせながら聞く「Outta Here」は最強ですね・・・もー、PremierとKRSのタッグが改めて最強だと感じました(^0^)

 なお、毎度のごとく、仕事帰りに夜道で聞いているわけですが・・・白い息を出しながら、30半ばのスーツ姿のオッサンが、このテープを聞きつつ、歌詞に合わせてラップしている姿こそ、私は「Hip Hop」だと信じています(^^;)

 では、Shazamさんのテープ、そんなには遭遇しないですが、B~C級が好きな方は探してみてくださいね~
 
 



<Release Date>
Artists / Title : Shazam X 「The Best of KRS-ONE & BDP」
Genre : HipHop
Release : 1997年ごろ
Lebel : Shazam X No Number


Notice : プレスレーベルについて

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 上記のRelease Dateでは、Labelを「Shazam X」としましたが、ジャケには写真の「P:Type Grapics」のマークが記載されています。

 このP:Typeですが、90年代中期から中ごろのNYのミックステープには頻繁に確認ができるマークで、名前だけを信じれば、その作品の「ジャケット」を制作した集団を表している、と思われます。
 それこそ、DJ Spinbadの初期作やX-Men等のコスリ系DJの作品には全てこのマークが付いていて、NYの中ではTape Kingzとは違う方向性のDJ達の作品には、このマークが付いています。

 そのため、ある意味で、Tape Kingzと同じように「テープレーベル」と見なすことも出来ますかね・・・

 実際に、このマークの付いているテープは、だいたい作りが同じ(マクセルのテープを手刷り→テープ本体に紙のラベルを張り付け)なので、テープ自体もP:Typeの人が作っていた可能性が高そうです。

 なお、Tape Kingzの白黒ジャケに対して、USらしい原色感バリバリで、かなり雑なカラー印刷のジャケは、マニアになると愛らしくなるのには困ったものです(^^;)
 ただ、P:Typeモノは、割としっかりとデザインしてて、今回のKRSのように雑誌風のデザインは悪くはなく、Tape Kingzよりは凝っていたように思えます?


Notice : 日本版のブートについて

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 左:USプレス(オリジナル)  右:日本コピー(ブート)

 今回のShazam氏のBestテープは、前述した教科書的な理由も含めて、日本でも流通してたようですが、NYのオリジナルプレスの他に、日本でコピーされたブートテープも流通していました。

 今回のKRSにおいては、上記のように日本コピーのブートがあり、日本コピーの方は、ソニー製の国産テープを用いた裸テープで作られています・・・
 私が確認した限りだと、EPMDでも日本ブートがあり、時代的に需要があったからコピって売ってたんだろうな~と思いました。

 なお、このKRSでは、堂々と「90分」と日本語が書かれていて、直球で「日本でコピりました」と言わんばかりですが、EPMDのテープでは、その日本語部分をカッターで削ってあるという、涙ぐましい努力の痕跡が・・・こういうのは大好きです(^0^)
 また、関連で蛇足っておくと、当時の日本コピーについて、詳しい方の話だと、こういった「日本でコピってるのがバレる」ことを嫌がる本格派は、アメリカから格安な空テープを持ち帰り、それでコピって売ってたそうです・・・こういう地味な努力も大好きです(^0^)







DJ Krutch 「N-Unstoppable」
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 え~、早いもので2017年も終わり、新しい年を迎えようとしています・・・

 う~ん、今年もブログ的には、仕事の方に時間を取られ、大きなことは出来ず、ちょっと反省な1年でした・・・
 来年も同じような感じなんでしょうが、ブログでは何か実になることはやりたいな・・・今年の反省を生かして、課題にしておきましょう(^^;)

 そんな訳で、毎年恒例の「Mixtape Troopers大賞」の発表です!!


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 まず、ブログを最近読まれた方もいると思いますので、この「Mixtape Troopers大賞」を紹介すると、私がその年に購入したミックス作品の中で「これは良かった!」と思った作品に贈られる一方的な賞になります。

 以下に歴代の受賞作を紹介しますが、まあ、個人的な感想が先行なので、賞が無い年もあったり、作品選定のポリシーが適当だったり・・・うん、私からの一方的な「ありがとう賞」なんでしょうね(^^;)
 ただ、こうやって並べると、私のブログも凄い長期にわたって運営しているんだな~と思います・・・そうなると、ちょっと威厳のある賞なのかもしれないですね??

●MTT大賞 歴代の受賞作品
2009年 DJ 吉沢dynamite.jp 「ニュースクール 歌謡ダンスクラシックス!」
2010年 該当作品なし(大賞ノミネートのみ発表)
2011年 該当作品なし(大賞ノミネートのみ発表)
2012年 関口紘嗣 「Le Temps des Cerises - さくらんぼの実る頃」
2013年 Ultimate 4th 「Rubber Funk」
2014年 Grooveman Spot 「Historical Taboo」
2015年 Danny Krivit 「Mr.K Salsoul」
2016年 該当作品なし(大賞ノミネートのみ発表)


 んで、今年の大賞の発表です・・・

 大 賞 なし
 奨励賞 「DJ Krutch / N-Unstoppable」


 また、勝手にイレギュラーな選出方法を書いちゃいましたが、上記の通り、今年は大賞は無しになりました・・・まあ、私自身、あんまり新作のミックス作品を買って無かったですからね~
 ただ、そのアイデアと意欲を評価し、Krutchさんの作品に「奨励賞(=期待しているよ!)」を贈りたいと思います・・・

 では、以下で作品紹介を行いますね~


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 まず、この作品は、今年の10月にリリースされた作品で、あのDJ Kiyoさんの大名作「Unstoppable」というミックス作品を「完全カバー」した内容になっています!

 もー、ジャケからして完全なるカバーで、オリジナルのDJ Kiyoさんからもお墨付きを頂いた上で、リリースされた作品になり、リリース時はかなり話題になった作品になります。
 私自身は、まずテープ馬鹿として、その前代未聞な「ミックス作品のカバー」という点にヤラれ、そして、そのディティールの細かさにヤラれた経緯があります・・・

●リリース情報 DJ Krutch 「N-Unstoppable」

●カバー元の作品 DJ Kiyo 「Unstoppable」


 歴史をひも解くと、カバー元となるKiyoさんの作品は1997年頃にミックステープ(写真右)としてリリースされた作品で、当時、この作品に影響を受けた方は本当に多く、数少ない「ミックステープ・クラシックス」の一つだと思います。
 残念ながら、私自身は当時はスルーしていたのですが、独特の選曲なんだけどHipHopとして全然ブレておらず、日本人らしいキメの細かいスクラッチや構成が冴え、ある意味で「日本人のHipHopミックス」の軌道を作った作品とも言え、今聞いても最高な一本です!

 そんな歴史的大作を「カバー」ですから・・・これは相当な自信がないと作れないですね!

 過去、あるDJミックスから影響を受け、インスパイアとして同系統の作品が作られることは多々ありますが、そのDJミックスをカバーとなると、やっぱり「自信」がないと作れないと思いました。
 それは、今回の場合は、Kiyoさんの名作をカバーするわけで、Kiyoさんや、Kiyoさんの作品を聞いて影響を受けた人を「納得」させるだけのクオリティーが求められます・・・そう、結果的に「自信」が必要になるのだと思います。

 そして、このKrutchさんの作品は、普及点はしっかりと超え、Kiyoさんの名作を現代に甦らせています・・・


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 では、作品の紹介に移る前に、制作者のバイオに触れておきましょう!

 この作品は「DJ Krutch (くらっち)」さんという、都内を中心に活動をしているDJ/Producerの作品になります。

 私自身、あまり馴染みの無い方(すみません・・・)でしたが、2008年ごろからミックス作品のリリースが確認でき、現在は自身のプロダクション「Y-Vine Production」よりオリジナル作品をリリースするなど、かなり精力的に活動をされております。

 DJについては、Organ Barなど、都内のクラブを中心に何本もDJを行い、クラブプレー以外にも日本語ラップMCのバックDJを多く務める等、実は「現場の人」になるのかな・・・
 また、どうやら1984年(?)生まれとのことで、世代的には私が体験していたようなDJにおける「アナログ時代」を知っているお方だと思われます・・・きっとKiyoさんの作品は後追いなのでしょうが、あの時代の「大切な部分」は、元々理解をされているのだと思います・・・


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 では、作品の紹介に行きましょう!

 まず、この作品は前述したとおり、Kiyoさんが作った「Unstoppable」を完全カバーした作品なので、この作品での「選曲」は全く同じになります。
 
 つまり、プレイされる曲の順番は全く同じで、かつ、ミックスするタイミング等もオリジナルを尊重したミックスになっており、まさに「カバー」になっております!

 そのため、私の作品紹介における「選曲」は、Krutchさんのアイデアではなく、Kiyoさんのアイデアになりますが、やっぱり「最高」ですね!

 当時としてもそうですが、直球のHipHop曲は投げず、結構ズレたHipHop、つまり「誰もプレイしなかった曲」をプレイするのですが、それがHipHopとして全然ズレてなく、むしろ「カッコいい」のがKiyoマジックで・・・そのマジックを忠実に再現していますね。

 例えば、Gangstarrであれば、UKのみ12inchがある「Gangstarr / 2 Deep」を選曲してきたり、写真右上のレコを見ればHow I Could Just Kill a Manと思うけど、A面の「Cypress Hill / The Phuncky Feel」をプレイするなど、やっぱり「意外」な選曲ですね。
 また、当時は知られてなかったけど、Kiyoさんのプレイで知れ渡ったマイナー曲も多く、それこそ「Common Sence / Take It EZ (Jazz Inst)」だったり、「The Troubleneck Brothers / Back to the Hip-Hop (Classics Mix)」など、今となっては鉄板クラシックも多いです。
 これ以外にも、LPからの曲や、NWAや、もはや「イレギュラー」な曲が多いんだけど、聞いてると不思議と首を振っている感じがあります・・・これが「Kiyoマジック」ですね!

 そして、そんなKiyoマジックで彩られた楽曲を、忠実に選曲しつつ、Krutchさんの色を出しながら選曲をしていて、私としては好印象でした!

 まあ、残念ながらKrutchさん自身の選曲のアイデアではないので、選曲でKrutchさん自身の個性を表現することは出来ていないのですが、Kiyoさんの選曲を模倣しつつも、その「Kiyoマジック」をKrutch流に解釈してる部分もあり、中々ですね・・・

 それこそ、イントロから凝ってて、オリジナルのテープを尊重し、テープをデッキに入れる音から、オリジナルでもあったイントロを忠実にカバーしてたり・・・当時、Kiyoさんのテープを聞きこんでた方なら「おわっ」となる部分が多いかと思います。
 また、割とシャウトアウトなどの「仕掛け」は凝ってて、関係のあるラッパーのシャウトアウト、そして前述した「Gangstarr / 2 Deep」では、カットインの前に「Rest In Peace」の声スクラッチを入れるなど・・・う~ん、凝ってますね!


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 んで、そのKiyoマジックが特に光っているのが「黄金の繋ぎ」になり、この部分も忠実かつ、マッシブにプレイをしています!

 例えば、B面最初のラインである、「The Troubleneck Brothers / Back to the Hip-Hop (Classics Mix)」からの「The Notorious BIG / Dreams」「Jeru The Damaja / Da Bitchez」は、もっともkiyoマジックが輝いているところではないでしょうか?

 オリジナルでは、Classics MixでDreamsと同ネタ(JBのBlues and Pants)の部分からDreamsにスイッチし、そこから歌詞繋ぎとしてJeruに繋いでいくのですが、KiyoさんのDJにおける「グルーブ」の良さが光った部分かと思います。
 この部分、実はあまり関連性の無い曲を、自身のセンスだけでつなぎ合わせ、かつ、Jeruに繋いだ時のスピード感といったら最高で・・・Kiyoマジックの最も素晴らしい「選曲を繋ぎ合わせたことで生まれるグルーブ」が光った部分だと思います。

 今思うと、これらのレアかつドマイナーな曲だけでガツっとくるラインを作ってくるのにはKiyoさんのセンスに白旗を上げざるを得ない中で、Krutchさんは、そのオリジナルにリスペクトしつつ、更にスピード感がある展開(グルーブ)を作っており、中々ですね・・・

 そのポイントとなるのが「2枚使い」と「スクラッチ」になるかと思います。

 Krutchさん自身、バトルDJ上がりではなさそうですが、かなり擦れる方で、Kiyoさん以上に2枚使い等を入れることで、スピード感を増させ、オリジナルのKiyoさんの選曲を光らせています。
 それこそ、Dreamsではおいしい部分は必ず2枚を行うことでグルーブは加速し、そのグルーブを良いところまで引っ張ってからのJeruへのブっこみは破壊力満載・・・そこからの2枚使いは首振り必死で、いい意味でKiyoさんを超しているかと思います。

 また、これもKiyoマジックの一つだと思いますが、「次の曲に繋ぐタイミング」もKiyoさん譲りで最高ですね!

 例えば、ラージ教授作のクラシック「Akinyele / Ak Ha Ha! Ak Hoo Hoo?」や、若かりし頃のJay-Zが参加している「Original Flavor / Can I Get Open」などのNew Schoolっぽい曲は、巧みに2枚使いを入れて曲の中でもしっかりと光らせていますが、Kiyoさんが見つけた「絶妙のタイミング」をしっかりと受けつぎ、スピード感がある展開にしています。

 これらの曲は入れるタイミングも重要ですが、それまでの選曲の並べ方も重要です・・・

 つまり、それまでの選曲の流れ=グルーブをしっかりと作れるかが重要になる中、Kiyoさんは、同じ程度のBPMを維持しつつも、直前でその曲のメロディーやグルーブで「コントラスト(対比)」を作る選曲の組み立てが上手かったと思います。
 また、ノリの乗算というのでしょうか、ノリが良い部分では連続して選曲を繋いでいく部分もKiyoさんの凄いところで、Akinyeleの後のIntelligent Hoodlum→ATCQの繋ぎは最高ですね・・・

 んで、Krutchさんは、こういった「Kiyoさんの技」をしっかりと理解し、それをKrutch流に噛み砕きながらDJミックスを披露しており、なかなかです・・・
 結局は、Kiyoさんの後ろを追っているようにも思えますが、その部分をしっかりと理解して、スピード感を出しているのは上手いです・・・特にAkinyele以降のラインは最強ですね!


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 そんなわけで、作品の紹介は以上です。

 う~ん、お気づきの方も多いかと思いますが・・・説明をすればするほど「Kiyoさんの素晴らしさ」を語っていますね(^^;)

 今回、大賞ではなく奨励賞な理由は、まさにこの点で、結果的にKiyoさんが作ったグルーブに対してリスペクトをするあまり、自身のオリジナルを出せなかったことが大きいかな、と思っています。
 これは判断するに難しいところですが、地味に自分の色を出しすぎて、かえって「Kiyoさんの良さ」を持ちあげる内容になっている・・・そんな印象もありました。

 なんか、大変申し訳ないのですが、このKrutchさんの作品を聞き、逆にKiyoさんのオリジナルを聞き込んでしまいました・・・

 う~ん、やっぱり「ゼロから作った作品」の凄さと、そのゼロから作り上げた作品を「利用した作品」の違いになっちゃうんですよね・・・なんか、この観点で行くと、もっと弾けても良かったのかな~と思いました。

 ただ、KiyoさんのDJの技だったりグルーブまで「カバー」しているところは、KrutchさんのDJのレベルが高い証拠です。

 是非、カバーに埋没せず、オリジナルを出してくださいね・・・期待しております!


 でも、このカバーラインも楽しみな自分もいます・・・根っからのミックステープ馬鹿なので(^^;)

 なので、個人的には、このKiyoさんカバーを深く聞けば聞くほど、これまた大名作な「DJ Spinbad / That's My Sh??!!」をカバーして欲しいな~、と思います!
 こっちの方が、もっと難しいっすよ・・・DJ技術もそうですが、選曲でストーリーを作る部分はセンスも問われるので結構大変・・・是非、挑戦してね!!





<Release Date>
Artists / Title : DJ Krutch 「N-Unstoppable」
Genre : HipHop
Release : 2017年10月
Lebel : Y-Vine Entertainment No Number


Notice : テープ版について

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 この作品自体、相当なリミテッドプレス(CDは200枚/ほぼユニオン限定)ですが、なんと、上記のテープ版もあります。

 このテープ版は、ユニオンの下北沢クラブ店限定で作られた逸品で、CDとの限定セットでごく少数が作られました・・・制作本数は不明です・・・
 きっと、この作品の影の首謀者の一人であり、下北店の店長であるDJ Kimさんがおられることから企画されたんでしょう・・・う~ん、分かってらっしゃる!

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 んで、このテープ版、もー、テープ馬鹿には感涙の出来ですね!

 オリジナルのKiyoさんのテープ版と比べると、そのカバーッぷりは最強で、もはや見分けがつかないです(笑)
 写真でいくと、上がKiyoさん、下がKrutchさんで、細部まで拘ってて最高です・・・下北でサンプルを見せてもらった瞬間「予約します」と言ってしまったぐらい、最強です!!

 なお、テープ版は、若干収録時間が長く(?)、ミックスも微妙に違うようです・・・
 そして、ジャケはKiyo作品のジャケを手掛けているPITTAさんが手がけています。





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 いやいや、今年は1年を通して忙しい日々が多く、かつ、週末の作品紹介に向けて、その紹介する作品を聞き込むのが精一杯で、あまり新作に力を費やすことができませんでした・・・

 つまり、買ったけど、全然聞いてない作品が多いです(^^;)

 ただ、割と今年は「豊作」な年だったと思います・・・

 市場的には売れている枚数は全盛期とは比べ物にならないかもしれないですが、印象としては内容の良い作品が多くリリースされ、好きな方はしっかりと買っていたかな~と思っています。
 私自身は、残念ながらスルーした作品は多いものの、買った作品の中では、とりあえずラジカセに入れてあり、朝、出かける前に何となく聞いて楽しんでいた作品が多く・・・それだけでも「イイ作品だな~」と思うことが多かったです。

 では、今回は、それらの作品を、今年のMTT大賞ノミネート作品として紹介をしたいと思います!!



① DJ 吉澤 dynamite.jp 「ノンストップ80年代歌謡・ポップス」

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 一発目から入手困難な作品で恐縮ですが、和物の第一人者である吉澤大先生によるダンサンブルな和物ミックスは、今年はよく聞かせてもらいました(^0^)

 まず、この作品、一般流通はなく、吉澤さんが「現場で手売り」するのみという形でリリースされた作品(一時期だけ、直接の通販では販売)になります・・・

 そして、私が相当影響を受けたクラシック「ニュースクール 歌謡ダンスクラシックス!」の続編とも言える内容になるので・・・速攻で現場に行って、吉澤さんから直接譲って頂いた逸品になります(^0^)

 内容的には、結構危険な和物をプレイしてて、全然紹介が出来ない(笑)のですが・・・やっぱり、吉澤さんは最強ですね!!

 とにかく「DJ」が上手いんですよ・・・

 それこそ、メロディーで繋いできたり、選曲でコントラストをつけて盛り上げたり、そしてグッとくる2枚使い(ひろしは犯罪級!)等、ほんとDJが上手くって、聞いてて気持ちいいんですね!
 なんでしょう、ここ最近、和物の作品が多いけど、どちらかというとネタ~ラウンジっぽい作品が多い中、こういった「DJ」でないと作れない作品を発表されていることは、ほんと大切で、これからの作品も凄い楽しみです(^0^)

 なお、購入時に吉澤さんとも色々とお話が出来たことも嬉しかったです・・・
 貴重な情報を頂いたり、私のブログや活動について褒めてくれたり、嬉しい時間でした・・・また、お会いしましょうね!!



② やる夫(ビート会議) 「Postscript」

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 んで、また和物を・・・これは「つい買ってしまった」作品ですね(^^;)

 作品の紹介をする前に、私の状況を紹介しておくと、実は「和物のミックス作品」はあまり買わないようにしています・・・

 理由は、買うと「収録曲が欲しくなる」からです(^^;)

 う~ん、どうしょうもない理由ですが、どんなミックス作品でも、和物は日本語が故に耳に入りやすく、かつ、掘れば掘るほど色々な曲があり、掘ることに疲れてしまう(?)ので控えているんですね・・・
 まして、昨今の和物ブームは、ちょっとプライスライン的にも静観をしといた方が安全かなと思い、それで手を出していないんですね・・・タイトルによっては4~5年前の3倍ぐらいの値段がついていますからね~

 ただ、このやる夫さんの作品は、店頭で聞いてノックアウト・・・気づいたら買ってました(^^;)

 この作品は、ユニオン随一の頼れるバイヤーであるN村さんがおられる「ユニオン・下北沢クラブ店」で限定100枚で出された作品で、割と夏の終わりから秋口にかけて重宝しそうなメローな和物ミックスになっています。
 も~、まさに「珠玉の選曲」で、店頭で聞いていた15分ぐらいでも、しっかりと癒されてしまい、即購入・・・家でも、夜のコーヒータイム等で大変重宝をしましたよ(^0^)

 やる夫さんに関しては、ちょうど新作も出たし、割とフィジカルで作品を出すことに熱意を注ぎ始めてますので、来年は期待ですね・・・
 以前、出したかもしれないですが、今後は和物以外の作品も期待していますよ~



③ 山下達郎 「Come Along 3」

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 んで、こちらも和物ですね・・・ただ、こっちはやや期待外れだったかな?

 あの山下達郎さんの作品で、達郎楽曲をラジオDJ風にDJミックスをしたシリーズの第3段が約33年(!)ぶりに出るとあり、発売が待ち遠しかった作品です。
 もー、あまりにも嬉しかったので、この作品の第2弾を紹介するなど、かなり期待して待っていました。

 ただ、聞いた感じで行くと、悪くは無いんですけど「若々しさがなく」って、ちょっと残念でしたかね・・・

 実は、期待の中には、昨今の和物ブームを含めると、色々な人に「達郎楽曲の良さ」を分かりやすく伝える意義もあるだろうと思っていて、割と直球を投げてほしかった部分が入っていました・・・

 しかし、フタをあけると、達郎ファンなら納得するけど、割と渋い曲が多かったので、まずは物足りなさがあり、選曲にも若々しさが感じられず、ちょっと勿体ない内容だったな~と思いました。
 う~ん、凄い書きづらい話ですが、達郎ファンが高齢化していることを踏まえ、それに連動した感じというんでしょうか・・・決して悪くはないことですが、椅子のあるコンサートホールで聞いているイメージですね・・・

 やっぱり、何年も前から懇願していますが、そろそろ本気で「MUROさんによる達郎ミックス」が必要ではないでしょうか?

 これを実現させるためには、こうなると、みんなで声を上げないと実現しないかも・・・是非、実現させましょう!

 なお、この作品、クラウドファイティングでテープ版が出ましたが、私のポリシーに合わなかったので購入しませんでした・・・すみません・・・



④ DJ Spinna 「De-Lite - Dance Delights」

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 次は、大好きなDiscoモノで、ここ数年、こういったDisco系のレーベルミックスを頑張っている「Ultra-Vybe / Octave-Lab」さんからの新作で、Spinnaによる「De-Lite」のミックスはヒットしました!

 ほんと、Octave-Labさんの作品は外れがなく、2年前のMTT大賞だったDanny Krivit 「Mr.K Salsoul」等、ほんと「信頼買い」が出来るレーベルで、いつも新作を楽しみにしています。

 その中で、夏にでたSpinnaの作品は、当然ながら即購入し、やっぱり凄い聞きました・・・もー、Spinnaらしい「黒さ」が最高ですね!

 De-LiteというとKool & The Gangのイメージが強いかと思いますが、SpinnaはCrown Heights Affair等、割と渋いラインを駆使し、とにかく「黒い」感じに仕上げてきて、De-Liteの魅力を存分に発揮させています。
 それは、チョコレートのような甘さと香りがある黒さで、聞いてて「えっ、こんなにカッコよかったっけ?」と思わせる曲が多く、これこそDJのマジックですね・・・選曲とDJプレイだけで更なる魅力が出せるのは凄いです!

 なお、De-Liteって、あんまり12inchを買ってなかったのですが、すっかり影響を受け、De-Liteモノを捜索しています(^^;)

 あと、来年はDanny先生の新作も聞きたいな・・・こうなってくると、ワンレーベルミックスではなく、Octaveさんが持っているカタログでミックスとかはどうですかね??



⑤ Dazzle Drums 「Music Of Many Colours」

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 この作品も「信頼買い」で購入した作品で、やっぱり間違えがなかったです!

 世界的にも珍しい夫婦DJデュオであるDazzle Drumsによる初のオフィシャルミックスCDで、現行のHouse関連の楽曲をDJミックスした作品になります。
 内容的には、データのみのリリース、それもDJ向けにしかリリースされていない楽曲を、フロアーの雰囲気を出しながら分かりやすくまとめており、聞いたら思わず踊りたくなる内容で、さすがDazzleさんだな~と思います。

 うん、やっぱり彼らが「フロアー」にいるからこそ作れる内容だな、と思いました!

 自分たちのプレイが終われば、フロアーに降りて、お客さんと一緒に踊る姿は、10年以上前から変わらず、本当に「フロアーを愛している」姿は、信頼に値し、もっと評価されるべきDJだと思っています。

 そして、この作品では、その「フロアー」の感じを上手く出していて最高ですね・・・

 上手く言えないですが、聞いてると、どこからかダンサーが踊っている足音が聞こえるような感じなんです・・・ピークのための音楽ではなく、淡々と、だけど徐々に上げながらミックスをしている感じが素敵です。
 また、最後の最後で、みんなが一つになれる歌物をガツっと入れてくる辺りも最高ですね・・・このへんの塩梅が出せるのが信頼の証ですね(^0^)

 私自身、あまりクラブに行けない立場なので、大手を振って応援は出来ないですが、これからもDazzleさんの活動には期待しています!

 来年は、是非、クラシックなDisco、特にSalsoulでミックス作品を作ってくださいね・・・そろそろDannyに恩返しをした方がイイんじゃないでしょうか(^0^)



⑥ 今年のMUROさん

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 いやいや、毎年恒例の集合写真ですが、今年もMUROマラソンは続行しました(^0^)

 今年のMUROさん、やっぱり多作で、かつ内容がイイのが多く、やっぱり凄いな~と思う作品が多かったです。

 特に、新機軸というんでしょうか、Diggin' Nightのように、ちょっと視点が変わり「時間」や「季節」を意識したセレクトミックスが印象的で、聞いててリラックスできる内容の作品が多く、結構ヤラれました・・・
 その中では、メジャーリリース系の作品が印象的で、ICEもHeatも良かったし、チョコも良かったし・・・選曲が限られてても、これほどまで良い内容を作れるのは流石の一言です!

 また、今年はノベルティー物が多く、Diggin' Massiveも良かったし、なによりもUprise Marketのテープも良かったですね!
 これらは、それなりの金額を出して買っているのは事実ですが、内容が良いのでつい顔がほころんでしまいます・・・

 あと、今年は、MUROさんとは直接は関係が無いですが、そのUprise Marketのオーナー:ツグさんと繋がったのが大きいです!
 お互い、大のMUROさんファンだけに、MUROさんトークで大盛り上がり・・・また、大阪に行った折には立ち寄りますね~

 なお、まだ買ってない作品もあるので、それはユニオンの大晦日セールで購入し、それで揃えた状態で、年明けの暇なタイミングにMURO作品リストを更新しておきますね~



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 いやいや、大晦日までに書けた・・・これで心おきなく、ユニオンの大晦日セールに出陣ができます(^^;)

 最後のショットは、今季の12月セールでの釣果物から、Eazy-Eのテープアルバムと共に・・・写真では分かりづらいですが、なんと3Dホログラム仕様のジャケという、なんとも攻めているジャケで感涙しています(^0^)

 今年を振り返ると、仕事の都合で更新をお休みした週もあり、ブログ的には元気が出せなかった1年間だと思っています。

 ただ、遅れた周年企画として紹介した「俺の履歴書」、夏の「日本語ラップ展」への対応、そして毎年の「夏旅行」など、それなりには頑張ったかな・・・うん、頑張ったよね?

 なお、来年は、実はブログを開設して10周年になるようです・・・
 また、もっているテープが、帳簿ベースでは4000本を超えてしまいました・・・

 う~ん、こういったボムがある以上、来年は何か大きいことをヤラないと・・・どうしましょう(^^;)


 
 そんなわけで、今年も1年間、ご愛顧をいただき、ありがとうございました。

 来年も、マイペースながら、頑張ってブログを更新していきますので、引き続きのご愛顧をお願いいたします。

 では、良いお年を!









DJ Kiyo 「Blend Source Vol.1 - 2 Turn Tables Only」
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 ある程度、ミックステープにお詳しい方なら反応するでしょうし、私と同世代で、90年代中ごろからHipHopに入った方だと「懐かしい!」と思う作品ですよね・・・

 かなり重要作ですが、すっかり紹介をするのを忘れてて・・・一念発起で紹介です(^0^)

 やっぱりKiyoさんは上手いです!!


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 今回は、DJ Kiyoさんの初期作であり、日本のミックステープ黎明期にシーンを盛り上げたシリーズ「Blend Source」シリーズからの1本を紹介したいと思います。

 まず、このシリーズは、実質的に2本しか出てなく、上記の黒のKiyoさんと、第2段としてリリースしたDJ Wataraiさんの2作目だけになります・・・
 リリース元は「Artical Effects Productions」という謎のレーベルで、私的には、KiyoさんやWataraiさんがリリースしていることと、2作目で「RE-ALITY」という表記があることから、おそらく比較的Manhattanに近い人たち(というか、後のニトロに集合する人たち)で作ってたレーベルなのかな~と思っています。

 なお、Wataraiさんのテープは、私の高校生クラシックでもあり、このブログの最初期に紹介をしましたが・・・あまりにも恥ずかしい記事だったので、今回、書き直しました・・・

● DJ Watarai 「Blend Source Vol.2 - Mix Tape '97」


 んで、Kiyoさんの第1段のこの作品ですが、先日紹介をしたBeatmasterさんのテープで紹介をした「Higher Level」と同じ時期ぐらい(1996年)ぐらいにリリースをしたテープになるかと思います。

 Higher Levelも謎のレーベルで、こちらは比較的Celoryさんに近かった人たちが(結果的に)作ってたレーベルでしょうが、この時期は、HipHopが好きで活動をしてたら、必ずどこかで合流しそうなシーンの大きさ/土壌があったので、その辺はシームレスにリリースをしていたのだと思います。
 ちなみに、Higherからは、Kiyoさんは第1段(Celoryさんと共作)と第4段(傑作R&Bミックス!)を担当しており、これらも初期のミックステープシーンを盛り上げた作品になります!


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 なお、今回、なぜこのテープを紹介するか・・・も触れておきましょう。

 今週、Twitterをめくってたら、国内でHipHop系の最強コレクターであられる「plumskinz」さん(ブログHIP HOP JUNKIEEEEEEEEEES!!!の主宰者さん)が、90年代中期にHipHopファン向けのフリーペーパーである「Rugged」を紹介してて、それにテープ大特集があることが分かり、Plumさんからその記事を教えていただき、激上がりしたからです(^0^)

●Plumskinzさん aka FUCKIN' ASS HOLE!! さんの紹介Twiiter
 ・Ruggedについて
 ・Fat Jam Pressについて (Ruggedの後継フリーペーパー)
 ・Rugged - Best of Mixtape 96
 ・Rugged - Best of Mixtape 96 + MUROさんインタビュー
 
 Ruggedって、知らない方が多いですよね・・・

 記憶だと1995年~1997年ごろに、大手レコード会社「SONY」が、当時所有していた海外HipHopレーベルのカタログ(レーベルで行くとColumbia、Relativityなど)を盛り上げるべく、自社が独自に発行していたフリーペーパーで、私も当時、よく頂いていました。
 さすがにPlumさん程は所持していないですが、SONYとして「CD作品」を売るためのフリーパーパーだったので、割と簡単に入手でき、記憶だと新星堂レベルのCD屋さんでも置いてあったかと思います。

 んで、このRuggedが偉大なのが、自社の商品の宣伝に偏らず、広い意味での「HipHop文化」をフォローしようと、色々な特集や紹介があったことですね!
 手持ちの写真資料(現物は実家に保管してある)によると、例えばキングギドラの1stに合わせて紹介記事があったり、今回のPlumさんに教えていただいたようなミックステープ紹介があったり・・・更に、東京を中心に活動をしているドープなDJやMCの紹介があったりしました!

 そして、今回、Plumさんから教えて頂いたテープ記事では、今回紹介するKiyoさんのテープが紹介されており・・・ああ、やっぱり当時から評価されていたんだな~と思い、今回の紹介に辿り着きました・・・

 Ruggedというか、こういった「フリーペーパー」の存在も、日本のHipHopなり、Clubシーンを影で支えていた部分が非常に強く、そのうち特集をしたいっすね・・・
 ただ、実家から持ち出すのが面倒なので、それ次第なのがアレですね・・・(^^;)


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 では、だいぶ脱線をしてしまいましたが、話を作品紹介に戻しましょう・・・なお、今回はレコが集まらなかったので借り写真です・・・

 まず、この作品は、系統的には「新譜ミックス」になるのですが、さすが「Kiyoさん」な選曲とミックスで、当時、これを聞いてヤラれた方が大変多かったかと思います!
 私自身は、当時、後追いで知り合いから「あの黒いテープはヤバいぞ」みたいなことを聞いており、当時から影響度が高かったことは記憶レベルでも残っております・・・

 選曲的には、1996年ぐらいのHipHopが中心なのですが・・・Kiyoさんらしい「渋い選曲」がこの時期から目立ち、グッときました!

 例えば、ヒットしたCamp-LoのLuchiniのB面に入っている「Camp Lo / Swing」を選曲してますね・・・いやいや、こういった「そっ、そんな曲あるの!」みたいな選曲はやっぱりKiyoさんらしいですね~

 また、当時、私も普通に買ったヒット曲「Bush Babees / The Love Song」であれば、タイトな2枚使いを絡ませつつ、この曲のグルービーな部分を押し上げたプレーがイイですね~
 
 Kiyoさんって、今と同じく「ド直球」はそんなには投げないけど、独特のクールなDJや選曲感で「カッコいい曲」をプレイしてきますよね・・・

 上手く説明が出来ないのですが、当時としては、USの大柄なブラザーみたいなラフでファンキーなDJは、体格的に似合わない日本人には真似が出来なかった中で、Kiyosさんはある意味で「日本人にしかできなDJ~HipHop」の在り方の一つを提示したんだと思います。
 それこそ、Kenseiさんも同じですが、独自の選曲感とグルーブを持ちつつ、クールにDJをしていくことで生まれる「グルーブ」が、英語の歌詞が分からない日本人にも理解され、馴染んだのだと思います・・・


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 そして、このテープの白眉は「ブレンド」にあるかと思います!

 タイトルにもなっていますが、B面では「Kiyo's Original Blend」が炸裂しており、当時、この「技」にヤラれた方は多いかと思います!!

 例えば、B面のラスでは、そこまでメジャーじゃないR&Bグループ「Shades / Love Means More」のアカペラに対して、「ATCQ / Once Again」のインストをタイトにブレンドしてきてて・・・凄くカッコいいです!

 あっ、もしかしたらDJに詳しくなかったら「ブレンド」って技は知らないか・・・

 ブレンドとは、ターンテーブル2台とミキサーを駆使する「DJの技」で、上記の図のように、片方では「アカペラ」、片方では「インスト」を鳴らし、ミキサーで混ぜることで「一つの曲」になる技になります・・・

 まさか、自作で図を作るとは思いませんでしたが(笑)、音楽って、基本的に「歌=アカペラ」と「バックトラック=インスト」に分かれているので・・・これを混ぜれば簡単にリミックスが作れるわけです。
 まあ、割と古典的な技ではあり、古くは90年代初期にUSのRon-Gがブレンドのみのテープをリリースし、シーンにその技の価値観を知らしめたという経過があり、DJ向けのレコードにおいて「インスト」と「アカペラ」が収録されるようになってから、DJ側のアイデアで生まれた技とも言えます。

 実際には、違う曲を掛け合わせるので、そのBPMがピッタリにならないと上手くハマらないので「事前準備」が結構必要で、地味に大変な技ですよね・・・

 オンタイムでBPM調整もできなくはないですが、アカペラでBPMを調整するのは大変だし、本当に上手くアカペラとインストが合わないとカッコ悪いので、結果的に事前に「アカペラはBPM+2.1で、インストはBPM-1.3」みたいなレシピ(?)を作っておかないと、ミックステープでも、現場でのDJでも、出来ない技になりますね・・・
 私自身も、結構好きな技で、高校生~大学生時代に自分用のミックステープを必死に作っていた頃(笑)は、よくやってて、フェイバリットは「インスト:DJ Krush / Kemuri」に「アカペラ:K-Dub Shine / 機能停止」をスクラッチでカットしながら入れてましたね~

 んで、Kiyoさんに話を戻すと・・・ほんと完成度が高すぎです!
 
 とにかく、混ぜた時のハマり具合も最高なんですが、オンタイムのDJプレイで「まるで普通の曲をプレイしているように」ブレンドを仕掛けてくるのが凄すぎです・・・
 今回、そこまで精査してないのですが、テープには「2 Turn Tables Only」と記載があることから、MTRによる後乗せや、タンテを3台入れてのミックスではないようで・・・2タンテだけで、こんなにスピーディーに、かつ切れ目なくミックスしてくるのにはヤラれます!!

 ほんと、DJプレイでのブレンドって、事前準備をしつつも、プレイするインストなりアカペラを準備しないといけないので、結構時間がかかり、それで「ダレて」しまう場合があるんです・・・
 それは、無駄にインストやアカペラが流れるだけになり、聞いている人を困惑させてしまうんですね・・・なので、DJプレイにおいては、そういった「空白時間」も考慮したブレンドの「手順」も考えておかないといけません。

 その限りで、Kiyoさんのタイトさといったら・・・最高ですね!

 下準備もかなりしているのだとは思いますが、それを正確無比にプレイし、かつ「Kiyoさんの色」をしっかりと出しながらのプレイは最強です・・・
 うん、当時、DJを目指してた人なら「これは学ばないと!」と思うのも頷けます・・・今聞いても「上手い」です!!
 




 そんなわけで、今回は脱線の多い記事になりましたが、やっぱり「DJ Kiyo」が非凡な存在であることを示した作品であることは間違えありません!!

 このテープ、残念ながら未CD化で、未だに中古市場では高値なテープになります。
 全ての人に聞いてほしいとは思わないですが、ミックステープが好きで、特に「ミックステープ時代の手垢がついたDJミックス」が好きな方なら、かなり反応が出来ると思います・・・

 気になる方は、是非探してみてね~




<Release Date>
Artists / Title : DJ Kiyo 「Blend Source Vol.1 - 2 Turn Tables Only」
Genre : HipHop、R&B・・・
Release : 1996年
Lebel : Artical Effects Productions No Number






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<独り言>

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 こちらの作品も、ある意味で「ブレンド」でしょうか?

 え~、今週末はお休みでしたが、今週は風邪をひきながら仕事をしてたので、珍しく土曜日は自宅待機で静養してました・・・とりあえず、静養を兼ねて風呂屋→ビールの酔いが悪く、ああ、体調が悪いんだな~と思いました(^^;)

 ただ、根っからのレコード&テープ馬鹿なので、家にいるのも体に悪い・・・日曜日は自然とレコ屋に足が向いていました(^^;)

 まあ、今年のユニオンの年末セールは、私には相性が悪く、今のところ死ぬ気で並ぶセールも無い状況ですが、やっぱり出物が多いので、関係のないセールでもチェックはしておきたいものです・・・
 そのため、朝から渋谷→下北→新宿→池袋と、サクサクと行脚を・・・おかげで、ちょっと体調がキツイっす(--;)

 でも、上記の写真の「アート」には元気をもらいましたよ!!

 これは、マイメンN村さんがおられる下北クラブ店で期間限定で展示している作品で、藤原和磨(ふじわら・かずま)さんというアーティストが、傷ついたり反ってしまったレコードを使い、有名な作品やアーティスト等を、それらのレコードでアート化した作品になります!

 『藤原 和磨 』× 『diskunion shimokitazawa』EXHIBITION開催決定!!

 詳しくは、上のリンクを参照ですが・・・凄いですね(^0^)

 分かりやすく説明すると、廃材になったレコードを掘ったり切ったりして、上記のMUROさんや映画「Juice」、そしてDe Laのような「絵」を作っています!
 
 それも、使われたレコードを見ると、そのアーティストに関係したレコードを使ってて、グッときます・・・Juiceであれば、JuiceのLPを使い、De LaもDe Laのレコを使っていますね・・・
 N村さんにお伺いしたところ、作者の藤原さんも、結構なレコードコレクターだそうで、ツボが分かっておられますね・・・Biggieであれば、BiggieとFaith Evansのレコを中心にして、Lil'Kimのレコは端にある(それも×マークが!)辺りにはグッときました!!

 なんか、レコードをアート化って、色々とありますよね・・・

 真ん中のラベル部分を切り取ってコースターにしたり、熱で曲げてお皿にしたり、時計にしたり・・・

 ただ、今まで、これらは「う~ん、そこまで愛が無いよな・・・」と思っていました・・・

 そこにきて、この藤原さんの作品は100点満点ですね(^0^)

 きっと「レコードを掘っている」方だからこそ、こうやって「レコードを掘って、切って、アートにする」が出来るんでしょうね~

 うん、もし「ミックステープ」が題材な作品だったら買ってもいいかも・・・これでいくと「カプリ」しかないかな??






 
DJ Beatmaster 「On The Wheels of Steel Vol.01」
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 2週間ぶりの登場です・・・いや~頑張ったな~

 先週末は、連泊で「京都」に行って、休み無しで頑張って仕事をしていました・・・割とキツい日程の中、無事に仕事が終わって良かったな~と思っています。
 ただ、先週初めから、久しぶりにギックリ腰になり、なかなか治らず、腰を気にしながらの仕事なのでちょっと辛かったっす・・・12月に入れば、ユニオンのセールもあるし、クラブにも踊りに行きたいし、ちゃんと直さないとな~

 んなわけで、やっと最後の1本が買えたので、ついに紹介ができる作品です!


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 今回は、ある程度、ミックステープを買われている方なら「やっと紹介なの!」と思う方も多い、だけど、一般的には意外と知られてない「DJ Beatmaster (ビートマスター)」さんの作品を紹介します!

 まず、Beatmasterさんですが、今となっては「謎」な方です・・・

 ある時期までは浜松の同名ラップグループの方かな~と思い込んでいましたが、BeatmasterさんはDJ CeloryさんやDJ Sakuraiさん周辺で活動をされていた方になります。
 時期的には90年代中ごろ~00年代中期ぐらいまで活動をされてて、今は活動をしていないようです・・・当時は割とCeloryさんラインでDJをされてて、FamilyとかVuenosなんかでDJをされてたそうです。

 ただ、Beatmasterさんが有名なのは「ミックステープ」の存在が大きいのではないでしょうか!

 Beatmasterさんは、写真のように「On The Wheels of Steel」というテープシリーズを90年代末~00年代初期にかけて集中的にリリースしてて、これで名前を知った方が多いかと思います。
 このシリーズは、私が確認した範囲ではvol.13までリリースされていて、HipHopをベースにしながら様々なジャンルをプレイしてて、かなりお勧めなシリーズです。

 リリースはDJ Celoryさん~DJ Kiyoさんがリリースしていた「Higher Level」からで、このレーベルの前身であるDrop Out RecordsからもBeat作品がリリースされていることから、Celoryさん達と共にHigher Levelを支えていたのだと思います。
 Higher Level自体、謎な部分も多いですが、一貫してレコード屋さんや洋服店という「ストリート」で売られてたミックステープということは間違えなく、ミックステープが黎明期だった90年代後半を盛り上げてくれた存在だと思います!


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 では、作品の紹介です!

 今回は、便宜上、Beatさんのお姿も拝められる、このシリーズの第1段で紹介をしたいと思います~
 
 まず、前述したとおり、HipHopがベースとなるシリーズなのですが、Beatさんは「Old School~Middle School~New School」辺りのHipHopが得意で、この第1段では大得意な「Old School」が中心の選曲になっています。
 つまり、HipHopにおける「旧譜」を中心とした選曲が得意だったわけですが・・・これは時期的に凄く重要です!

 まず、この作品をリリースしたと思われる97~98年ぐらいは、HipHopやDJに興味を持って新しくシーンに参加してきた若者が多く、その大半が「色々な曲を知りたがっていた」流れがありました。

 私も、当時は高校生で、まさにそうでした・・・この時期であれば、新譜としてリリースされたHipHopもカッコ良かったですが、それ以上にBeatさんが得意としていた昔のHipHopは更にカッコよく感じ、それらの曲を勉強したかったんですね・・・

 当時は、YouTubeもないし、これらの昔の曲が再発されることもなく、ほんと「知る機会」が無かった中で、Beatさんのような「旧譜を題材にしたミックステープ」は本当に重宝しました。
 個人的にはWataraiさんのテープ(記事がひどいので書き直したい・・・)でNew Schoolのカッコ良さを勉強し、それらの曲が軒並み高額盤だったことから、時間をかけて揃えていったのがイイ思い出です・・・

 そんな背景がある中、Beatさん自身も「昔の曲を知ってもらう(=先生選曲?)」ことを意識して、このテープなり、このシリーズを作ってたのかな~と思います。

 選曲的には、もろOld Schoolな感じで、それこそ、このシリーズのタイトル元ともいえる「DJ Grandmaster Flash / The Adventure of Grandmaster Flash On The Weels of Steel」から始まり、永遠の定番である「Funky 4 + 1 / That's The Joint」といったSugarhillモノを中心に選曲がされています。
 この辺は、今でも大好き、いや、MUROさんを始めとした先輩方からカッコ良さを教えられたので、今回のBeatさんのテープを聞いて「ああっ、こうやって聞いてカッコ良さを教わったんだよな~」と思い返しました(^^;)

 また、定番だけではなく、結構マニアックな曲もプレイしてて、それこそ「Disco Dave and The Force of the Five MCs / High Power Rap」や、BOOさんネタでおなじみの「Jimmy Spicer / Adventures of Super Rhyme」なども選曲してて、渋いっすね・・・
 Old Schoolって、値段も含めて当時は入手困難でしたね・・・今でこそ、Disco Daveは普通に買える値段になりましたが、昔は幻プライス(笑)で、オリジナルを中古屋さんで見かけた時、卒倒しかけたのがイイ思い出です(^^;)


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 そして、先生的な選曲において、最大の肝は「トラックリストの外」に当たる部分かもしれません・・・

 トラックリストでは「Beatmaster Cuts The Old Beats」と記載している箇所が数か所あります・・・ここでは、いわゆるHipHopの基礎たる「ブレイクビーツ・クラシック」を選曲し、時に熱く2枚使いをカマしている所になります!

 それこそ、A面の一発目は「Rhythm Heritage / Theme From SWAT」から熱く始まり、Bボーイの国家でもある「Incredible Bongo Band / Apache」であればくそ熱い2枚使いをしてきたり・・・最高です!
 その他にも、これらのブレイク系の曲をコンパイルした古典であるUltimate Breaks & Beatsに収録された曲を中心に選曲してて熱いっす・・・きっと、トラックリストにこれらの曲を載せなかったのは、きっと昔のオールドスクール・マナー(=簡単に曲名を教えない)を理解してたからでしょうね!

 そして、全体的な視点で考えると、どちらかというと「Old Schoolを生かすためのブレイクビーツ」といった感じで選曲しており、この発想なり選曲は作品の良さを更に深めています!

 つまり、 HipHopという音楽/文化が「DJが既存のファンキーな曲のブレイクを2枚使いして生まれた」ことを意識し、その「もっとも原型に近い曲=Old School」という曲を、ブレイクビーツを入れることで更に強調するような意味合いで選曲していたと思われます・・・

 そう、このような選曲を通して「ブロックパーティー感」というのでしょうか、「原型のHipHop」を魅せたかったように思えます・・・

 また、Old Schoolの曲が、時代的にサンプリングではなく、完全にバックバンドの引き直しだったことを踏まえると、これらのブレイクビーツ選曲は親和性が非常に高く、むしろOld Schoolが「生の音楽」であることも引き出し、なかなかですね・・・

 聞いててOld Schoolの曲が「生き生きとしてる」感じが生まれていて、大変いいですね・・・
 Old School系って、それだけ選曲をしてると、割とノッペリした選曲・グルーブになるところを、ブレイクビーツを挟むことで躍動感が生まれており、この辺は選曲の勝利ですね!




 今回、そんなには深く聞けませんでしたが、やっぱりここまでテープを出されている方だけあって「実力」が違うことを感じました・・・やっぱり90年代からテープを作っている人の底力は違いますね!

 Beatmasterさんのテープは、割と買いやすいですが、全部の番号を揃えようと思うと、結構大変です・・・私は、気づいたら10年近くかかってのコンプです(^^;)
 でも、番号を気にしなくっても楽しめると思いますので、気になる方は探してみてね!!




<Release Date>
Artists / Title : DJ Beatmaster 「On The Wheels of Steel Vol.01」
Genre : HipHop(Old School)、Funk、Soul、JazzFunk・・・
Release : 1997年~1998年ごろ?
Lebel : Higher Level No Number



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Notice : Higher Level 作品の全容について(研究発表)

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 普段なら独り言な場所ですが、久しぶりに研究発表をしたいと思います!

 これを書いて、誰が得をするかは分かりませんが、お付き合いください・・・

 まず、以前も「Higher Levelは謎が多く良く分からない」と書きましたが、ほんとHigher Levelは困る存在で、型番やシリーズ作品の発番に一貫性がない部分があり、コレクター泣かせな存在です(^^;)

 特に、KiyoさんやCeloryさんが出していた「Higher Level」においては、5番が何なのかが分からず、マニアは悶々としています・・・だって、穴があると埋めたいのはマニアの性分ですから(^^;)
 また、DJ Celoryさんの「@Hip Hopシリーズ」についても、Vol.4から始まっており、1~3が何なのかが分からず、こちらも悶々としています・・・

 ただ、私なりにテープを収集した結果、少し分かってきたことがあり、報告しておきます・・・でも、未確定の情報なので、あまり信じないでね(^^;)

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 まず、Higher Levelは、以下のように時期を2つに分けることが出来ます。

 (1)シリーズ名としてのHigher Level =前期 =型番なし
 (2)レーベル名としてのHigher Level =中期~後期 =型番あり


 そして、この時期分けに従うと、以下のような作品リリースになります。

(1)シリーズ名としてのHigher Level 
Higher Level vol.1 DJ Celory & DJ Kiyo
Higher Level vol.2 DJ Celory
Higher Level vol.3 DJ Kiyo
Higher Level vol.4 DJ Kiyo - Day and Night
Higher Level vol.5        ★1
Higher Level vol.6 DJ Celroy

(2)レーベル名としてのHigher Level
HLCT-01       ★2
HLCT-02 Celory 4
HLCT-03 Celory 5
HLCT-04 DJ Tanaken
HLCT-05 Beatmaster 3
HLCT-06 Celory 6
HLCT-07 Sakurai 1
HLCT-08 Celory 7
HLCT-09 Beatmaster 4
HLCT-10 Celory 8
HLCT-11 Sakurai 2
HLCT-12 Beatmaster 5
HLCT-13 Celory 9
HLCT-14 Beatmaster 6
HLCT-15 Celory 10
HLCT-16 Beatmaster 7
HLCT-17 Celory 11
HLCT-18 Sakurai 3
HLCT-19 Celory 12
HLCT-20 Beatmaster 8
HLCT-21 Celory 13
HLCT-22 Beatmaster 9
HLCT-23 Beatmaster 10
HLCT-24 Celory 14
HLCT-25 Sakurai 4
HLCT-26
HLCT-27
HLCT-28 Celory 15
HLCT-29 Beatmaster 11
HLCT-30 Beatmaster 12
HLCT-31 Celory 16
HLCT-32 Beatmaster 13

※Celory = @HipHopシリーズ
※Beatmaster = On The Wheels of Steelシリーズ
※Sakurai = Spiral Staircaceシリーズ

 以上は、私がそれぞれのシリーズテープを集めた結果の一覧になります。

 これで行くと、前述した★1は不明なのに加え、★2も不明なんですね・・・もう、こういうのは体に良くないので、ヤメて欲しいですね(^^;)

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 ただ、Beatmasterさんのシリーズテープを注目すると、ちょっと明りが見えました・・・
 まして、今回、Beatさんのテープがコンプ出来たので、自信を持って並べると・・・これが「答えか?」と思わせる、並びが分かってきました。

 まず、Beatmasterさんの「On The Wheels of Steelシリーズ」は以下のような並びになります。

No Number Beatmaster 1
HLBT-02 Beatmaster 2
HLCT-05 Beatmaster 3
HLCT-09 Beatmaster 4
HLCT-12 Beatmaster 5
HLCT-14 Beatmaster 6
HLCT-16 Beatmaster 7
HLCT-20 Beatmaster 8
HLCT-22 Beatmaster 9
HLCT-23 Beatmaster 10
HLCT-29 Beatmaster 11
HLCT-30 Beatmaster 12
HLCT-32 Beatmaster 13

 これを見ただけでも、やっぱりHigher Levelは一筋縄にいかないのが分かるかと思います・・・集めてて、頭が痛くなります(^^;)

 ただ、2作目の「HLBT-02」は、BT(=Beatmaster Tape)という意味で、02は2作目を表すのだと思います。
 1作目はNo Numberですが、2作目だったので、この発番にしたんでしょう・・・

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 んで、ここからが結論になります。

 まず、★2のHLCT-01は「Beatmaster 2」になるのだと思います。

 前後にリリースされたテープの質感やデザインを見ても違和感がなく、「(2)発番をつけ始めた」という考え方が生まれたことを踏まえると、HLBT-02とつけたけど、その後のCeloryさんを出す段階で「レーベルを通して同じ型番でいこう」と方針転換があったのか、遡行してBeatさんの2を01にし、Celoryさんの4を02にしたのだと思います。

 そして、★1のHigher Level vol.5は「Beatmaster 1」になると思います。

 これは「(1)発番をしてない時期」として考えると、Beatさんの1が該当し、これ以外の他のテープが見当たらないことを考えると・・・Beatさんの1がHigher Level Vol.5になるのだろうと思います。
 やっぱり、前後にリリースされたテープの質感も同じだし、また、Beatさんの1自体が「Vol」がついていないことは、最初は単発で作った意図であり、(1)時代のCeloryさんとKiyoさんのテープがシリーズを通して内容面で一貫性が無いことを踏まえると、Beatさんの1が該当するのだと思います。

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 んで、これが分かると、スライドで分かるのが「Celoryさんの@HipHopにおける1~3」です。

 Beatさんのテープが(1)と(2)に跨っていたことを考えると、Celoryさんのテープも跨っていても問題はありません。
 そして、(1)のHigher LevelのVol.5がBeatさんだとすると、上手く穴が埋まり、以下のような番号分けができます。

Higher Level vol.1 DJ Celory & DJ Kiyo →@Hip Hop 01
Higher Level vol.2 DJ Celory →@Hip Hop 02
Higher Level vol.3 DJ Kiyo
Higher Level vol.4 DJ Kiyo - Day and Night
Higher Level vol.5 DJ Beatmaster
Higher Level vol.6 DJ Celroy →@HipHop 03

 (1)時代のCeloryさんの3作は、どれもHipHopメインな作品だと考えると「@HipHop」として後付けで発番してても問題はなさそうです・・・

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 以上が私の研究発表です・・・一体、誰向けの発表なんでしょうか(^^;)

 もし、これが「違うよ!」ということであればご一報ください・・・というか、確定を知りたいです(^^;)

 また、お分かりの通り「HLCT-026と027」は、未だ何なのかが不明です・・・こちらも存在がご存じの方はご一報ください・・・