HipHop,R&B,Soul,Funk,RareGroove,DanceClassics,Garage,House・・・など、私が気に入っているMixTape,MixCD,その他もろもろを紹介するブログです。
DJ Spinbad 「Needle to the Groove」
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 週末あたりは、歴史本を読み返していて、すっかりミックス作品の更新をしてなかったですね(^^;)
 んなわけで、写真は撮ったけど、ずーっと紹介するのを忘れてた大名作のご紹介です!! 今回も写真が多めですよ・・・


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 好きな方にはたまらない、DJ Spinbadの2000本限定シリーズの第2弾のご紹介です。
 結構前に第1段の「That's my Shit」第3弾の「The Classics」という、鉄板でヤバい作品をご紹介しましたが、この作品はその間にリリースされた第2弾で99年7月頃にリリースされた作品です。
 作品の体裁的には、第1段の流れでシリアルが打ってあり、日本ではManhattanが激プッシュしてた・・・というか、Mの独占企画みたいな感じでリリースされたので、一応USリリースの形はしてますが、大半は日本で売れた作品だと思います。
 当時はしっかりとSpinbad中毒だったので、発売日に当然購入し、当然ヤラレた一本です(^^;)
 ちなみに、前回の紹介の間に、いろいろとフライヤーを発掘してたので、Spinbadの来日フライヤーを何となく貼っておきますww


 まず、この作品ではいわゆる「R&B」を取り扱っているのですが、個人的にはSpinbadの「ぶっ飛んだ発想力」が発揮された一本だと考えています。

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 第1段の「That's my Shit」であれば鉄板のHipHopクラシックス第3弾の「The Classics」ではこれまた鉄板なDanceClassicsを・・・と選曲面で見ると、定番は外さない選曲で、超ドープなスキルと構成力で聴く者を逃さない・・・DJミックスの醍醐味を存分に発揮していました。

 しかし、Spinbadの魅力として、その内紹介はしますが、上記の「80's Megamix」のような「ぶっ飛んでる発想力&選曲力」も魅力だと思います・・・
 誰も思いつかないようなミックスだったり、誰もチョイスしない曲を選んできたり・・・Spinbadに関してはそういう点が実は結構イルで、80'sであれば、今では一回りして80'sモノは再確認がされましたが、誰もが無視をしてた90年代中頃に、全編にわたってフューチャーし、それをビックリするぐらいイルなアイデアでコスリ倒し、ミックスしちゃう・・・ってのは中々思いつかないです。
 んで、この作品・・・予備情報がない状態で買いましたが、聞いて一発でSpinbadのそんなイルなセンスにぶっ飛ばされました・・・



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 導入部であるA面の最初では、James Brown / The Payback、Marvin Gaye / Inner City Blues などのブレイクビーツ・クラシックを比較的落ち着いた印象で選曲し、印象的な2枚使いなどを披露していきます。
 技に関しては、流石のポテンシャルの高さで、ビビります・・・

 んで、この旧譜の流れから、徐々にCaron Wheeler / Livin' in the Lightのロウなビートに移動していき、それを受けてThe Brand New Heavies / Sometimes などの比較的ロウな感じの歌ものにシフトをしていったと思ったら・・・ビックボムの投入です。

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 なんと「Moomin / Windy Lady」ですよ!!
 曲については、言わずと知れた達郎さんのカバーで、リリースした当時は、HipHop勢のフックアップがあり、私も流れで購入し、今でもクラシックな一枚です。
 ただ、このテープ聞いてて突然Moominが聞こえてきた時はカルチャーショックでした・・・外人の人が作ったテープで普通に日本語が出てくるわけですから・・・
 まあ、今になって思い返してみれば、日本でホボ売れちゃうテープなので一種の「サービス」をしたのかな~とか、日本に来た時に貰って気に入ったとか・・・そんな理由だと思いますが、NYにいる人が普通に日本語の曲を使ってるのにビックリさせられました。
 なお、結構お気に入りのようで、B面でもRemixを使用しています・・・(^^;) そして、そのB面では、MUROさんの曲を連続ミックスです!!
 
 そして、この辺からSpinbadのイルな魅力が発揮してきます。

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 Moominの後には、なんと「Maxwell」をチョイス! それも超ドープな2枚使いをMaxwellで披露です!!
 
 やっとこのテープの本旨の説明になりましたが、今回のテープはR&Bがメインなんだけど、Maxwellのような90年代中頃以降の「NewSoul以降」の曲を中心に使用し、およそコスリとは縁遠い曲を2枚使いしちゃうん・・・ですよ。
 
 他のアーティスとのことは順を追って説明しますが、まさかMaxwellで2枚使いをしようとは一般人では思いつかない・・・と思います・・・それも99年の時点でやってるわけですから、スゲーです!
 聴いたことがない方は、視聴してみると分かると思いますが、2枚使いができそうな跳ねたR&B(New Jackとかね)とは違う、オーガニックな質感で、耽美な世界観がある曲を作るお方ですが・・・それをスゲーカッコよく調理しちゃいます。
 特に、LPオンリーの「The Urban Theme」での2枚使いは、使い方の上手さもさることながら、選曲のチョイスにも高い選眼力が伺えます。

 このMaxwellが象徴的なので書きましたが、Spinbadって「誰も使わない曲」を使い、2枚使い&スクラッチでカッコよく仕上げちゃう・・・ってことが出来るDJで、技ばっかりに目が移りますが、楽曲をチョイスする「選曲眼」の高さも忘れてはいけないと思います。
 Spinbadの場合は、MUROさんみたいに「高度な掘り」ではなく「意外性」を含んだチョイスに長けていて、80'sとか今回のとか、誰もチョイスしないところを抜いてくる・・・みたいなところがあり、それが魅力の一つだと思います。
 んで、意外な曲を1曲とか入れるとかは誰でも出来ますが、それを作品として「1本の作品」として成立させちゃう・・・わけで、それもカプリが2枚使いするような跳ねたR&Bでなく、落ち着いたR&Bですから・・・う~ん「イル」としか言いようがないですね!!

 ちなみに、私もこのテープを聞いて、Maxwellが好きになり、いろいろと掘りましたが、1st辺りを聞いてみると、都会的な質感とオーガニック感が上手くマッチしつつも、ボトムが結構太いことに気づき、結構好きな作風です。
 中古屋では「捨て値」で登場することが多いので、お財布に余裕があったら買ってみてね♪

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 そんなわけで、コスリとは無縁なR&Bを使うわけですが、Maxwell以外にも90年代に成立したNewSoul以降な曲を使っています。
 特に「Epic」関係の曲が多く、個人的にも好きなレーベルなのでボチボチ持ってましたので、貼りましたが、Groove Theoryとか、源流であるSADEとか、そのSADEのバックバンドの別プロジェクトSweetback等をチョイスしてますね。
 2枚使いもスクラッチも、そして細かいブレンド作業(後で説明します)なんかをしつつ、ミックスしてますが、個人的には、結構深い曲まで使っててヤラレました(^^;)
 一般的にはアルバムオンリーなGroove Theory / 10 minute high (探せばプロモで12inchはアリ)とか、Slave使いが印象的なGroove Theory / Baby Lov (Remix) とか、けっこう渋い曲を使ってて、選曲眼の高さが伺えます。

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 また、同じ流れで他のアーティストの曲も当然入れており、いわゆる「スロー」も平気で2枚使いをしてて、ドープです。
 上記のErykahでも、Chicoでも・・・スローな曲で違和感なく2枚使いを成立させちゃうのは・・・技術があって始めて可能にするとは思いますが、一般人には思いもつかない考えですね(^^;)

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 そして、選曲面での最大のボムはココでしょう・・・B面の最後でお出迎えです・・・
 先ほどご紹介したMoominからMUROさんに行き、次に紹介しますが、MUROさんのビートでRootsをブレンドして、断ち切るようなカットインでJamiroquai / Cosmic Girlにミックス・・・完全に流れを無視してるんだけど、すげーカッコイイ流れですよ!!
 んで、そこからは、まさかのChemical Brothers / Block Rockin' Beatsですよ!! それも、中盤では鬼カッコイイ2枚使いです・・・
 大ヒット曲ではありますが、こんなのをチョイスしてくるなんて・・・当時聞いてて「ああ、音楽には壁がないんだな~」と思ったりしました(^^;) 
 ちなみに、この後はSound of Blacknessに繋いでいきます・・・イルな感性が爆発ですね!! 



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 んで、このテープのもう一つの醍醐味は「メガミックス」と「ブレンド」ですね。
 Spinbadのメガミックスといえば、上記のような12inchもあるように(80'sは家庭内紛失をしてるので、写真は借りました・・・)、結構有名なのでご存知の方も多いかと思います。
 今回の作品であれば、左の80'sに収録されてるMichael Jackson / Bad が初出という形で収録されており、ヤラレます。
 最高峰は、右のHipHop vs Rap になりますが、BadではBDK / Raw ネタで有名なBobby Byrd使いで盛り上がらない訳がなく、SpinbadのMegaMixに外れはないですね!!

 そして、メガミックスとは同ラインになるのですが、今回の作品については「ブレンド」が細かく展開され、リスナーには気づかれないステルスっぷりをマニアックに発揮してます!
 恐らく、エディットを作ってミックスしてる曲や、オンタイムでブレンド(インスト+アカペラ)してるのもあるようですが、流れを断ち切らないブレンドをしており面白いですね。
 例えば、Moominのところでチラッと書いた「MURO / Dig on Summer」では、本編をかけて、ワンバースが終わったら、トラックはMUROさんのまま、Roots / Don't See Us(写真は借りました・・・) をブレンドでカットイン・・・・みたいな使い方をしてて、流れを全く断ち切ってないのがスゲーです。
 ただ、ホント細かすぎて、聞いてて気づかないのも多く、どちらかというと「選曲の流れ」を重視したブレンドをしてて、分かる人にはグッとくるミックスをかましてます!!


 最後に、全体的なミックスについての話と、技術面の話を・・・
 ミックスの流れについては、今回のはそんなに考えてない感じですが、要所要所で盛り上げポイントを作っており、何度も聞いても、そのポイントが待ち遠しくなり、ミックス作品としては成立してると思います。
 しかし、選曲される曲が「ド定番」とはかけ離れているので、好きじゃない人には辛いかも・・・って感じです。

 また、スクラッチ等の技術はレベルが高く、地を這うようなスクラッチが堪らないですが、他の作品でスクラッチの話なんかをしてるので、今回はちょっと違った側面の話をしましょう。
 
 Spinbadに関しては、「言葉」を意外と重視したスクラッチ&2枚使い&ミックスをしてて、普通に技を炸裂してるんだけど、細かい仕掛け(遊び)をしてるのが個人的には好きです。
 私も英語が全て理解できないのでアレですが、その仕掛けに気付くと、アハ体験じゃないですが、結構嬉しくなったりします(^^;)
 今回のテープであれば、・・・よくあるフレーズで♪Hold the Beats、Stop the Beats、Drop the Beats~♪ってあると思いますが(Caron Wheeler / Livin' in the Lightsとかね)、これの♪Stop the Beats♪のところで音を止め(=Stop the Beats)、次の曲にミックスするとか・・・結構細かいですね(^^;)
 でも、この点は気付くと嬉しいですよww


 また、長ったらしい文章になりましたが、かなり大好きな1本のご紹介でした。
 Spinbadのどの作品でも共通なのですが、選曲ができ、スクラッチもできるのであれば・・・やっぱり最強でしょう!
 けっこう安い値段で売られてますので、興味のある方はどうぞ~です。


<Release Date>
Artists / Title : DJ Spinbad 「Needle to the Groove」
Genre : R&B
Release : 1999年7月
Lebel : Cold Cutz Crew


ps この作品も好きなので、何本もストックしてます(^^;) ブートのシール無しも持ってたりして・・・
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S. Craig Watkins 「ヒップホップはアメリカを変えたか?」
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 HipHop歴史本シリーズの最後のご紹介です~♪
 これは最近出たやつで、宣伝もほとんどしてないようなので、あまり知られてない・・・ですが、結構面白い1冊ですよ(^0^)

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 作者のS. Craig Watkins氏はいわゆる学者さんで、アメリカ・テキサス大学のラジオ-TV-フィルム学部で准教授をされているそうです。
 専門は、社会学、アフリカン・アメリカン文化を対象にしてるそうで、まあ、HipHopもこの範疇に入る・・・と思われます。
 大学のホームページなどにヒットはしますが、詳細がほとんど分からない・・・です(^^;)

 んで、この本は、2005年にUSで刊行された書物で、原題は「Hip Hop Matters」です。
 日本語版では、おそらくこの本の主旨などを受け「ヒップホップはアメリカを変えたか?」にしたと思います・・・この点は、このまま私が書いた文章を読んでいくと何となく分かると思います。


 では、この本のご紹介です~♪
 
 まず、この本を執筆するにあたって筆者はHipHopを好む者・共感する者にとって「なぜHipHopは重要なのか?」「その者たちにとってのHipHopとは何か?」を疑問点として掲げ、この点から出発し、研究を進め、この本の出版に行きついたようです。
 確かに、この本が出版された2005年ごろまでには、HipHopがPopカルチャーの一つとして定着し、社会に完全に溶け込み、人種を問わずCDが売れ、産業として十分に成り立ち・・・いわゆる「一文化」として成立し、社会学的な見地からは注目に値するでしょう。
 しかし、文化として考えた時、HipHopは文化的にも経済的にも成功はしたが、社会的・政治的な実証は確立しておらず、この書籍では、その社会的・政治的な実証を行い、HipHopというものが、どういう効果があるのかを考えてみよう・・・ってのが出発点だと思います。

 頭をひねって書きましたが・・・なんか小難しそうですね(^^;)
 しかし、この本が面白いのが、2部構成をとっていて、前半はHipHopが知らない方でもわかるように、しっかりと歴史などを紹介し、文化的・経済的な成功を確認し、後半では、そのHipHopが社会的・政治的にはどういうものなのかを、実例を交え検証を重ね・・・みたいな感じになっており、意外と読みやすい所はいいですね。
 きっと、HipHopを知らない方にでも理解ができるように、綺麗にまとめ、学術書として誰でも分かるようにしたのかな~と思います。


 では、まず前半の「歴史書」的な部分をご紹介します。
 この本では「現代におけるHipHop」を研究にしているので、HipHopの歴史における細かい部分までの紹介はないのですが、逆に初心者にとっては分かりやすい内容になってると思います。
 イントロとしてザクっとOldSchoolな話をまとめ、話がいきなり現代的な内容に飛ぶのですが、主眼点が「ポップカルチャーにおけるHipHop」にフォーカスされており、現在進行形のHipHopを聞いてる・体感してる者には分かりやすいのかな~と思います。
 細かく紹介すると、エミネムのこととか、Jay-Zのこととか、現在のHipHopに繋がるところが多く、流れとしては「コア」だったHipHopが、90年代初頭より大衆に受け入れられ、「マス・カルチャー=ポップ・カルチャー」に変化していく過程を紹介しています。
 それに付随して、90年代の事象に関しては、割と突っ込んで書いており、歴史書としても十分成り立つ内容になっていますね・・・前回紹介した「Hip Hop Beats」が90年代初期までの歴史書としたら、こっちはそれ以降の歴史書として考えてもいいかも知れないですね。


 んで、本題は後半ですね・・・
 後半では「政治運動におけるヒップホップの闘い」とし、私達が考えてる音楽・ファッションなどの文化レベルのHipHopが、実生活である「社会」において、どのように作用・機能してるのかを考えます。
 なんか、難しそうな紹介ですが、読んでみると大変読みやすく、アメリカでの実情を知らない私たちにとっては大変参考になるところが多いです。

 実例の一つとして、カリフォルニア州での「刑務所新設問題」を上げています。
 実際は青少年更生施設のようなんですが、噛み砕いて説明すると、実際には若者の更生の助けになってない施設を、お上が作った悪法(提案21)のせいで、もっと施設が必要になる・・・という理由で新設する計画に、市民の反対運動の中に「HipHop」が生かされた・・・という流れを紹介しています。
 この件に関しては、細かい背景・詳細までしっかりと分析し、アメリカにおける人種・世代・クラスの格差問題として提示し、かなり分かりやすく紹介しています。
 んで、結論としては、普段は政治的な主張をしない(出来ない)HipHop世代の若者たちが立ち上がり「HipHopらしい主張」を行ったことで、この新設問題に一定の改善策を盛り込ませたそうです・・・

 上記はこの本での一例ですが、他にもラッセル・シモンズと政治とか、男社会であるHipHopにおける女の子の存在とか、トピックとしては興味を引き、かつ分かりやすい内容を筆者は提示しています。
 最終的には、社会的・政治的な見地として、HipHopがもたらす効果は、結論づけることは避けていますが、効果があると筆者は考えているようです。

 筆者の主張をまとめると、HipHopというものは「固定観念にはまらず、何者と違う存在であり続け(=オリジナリティーがある)、若者の想像力や活動の源であったり、希望やインスピレーションを与える存在」と考えてるようで、若者にとっての「自己主張」や「柔軟な発想」、「団結力」なんかの発信元と考えているようです。
 確かに、私もこの本から上記の内容を抽出し、書き出してみると、膝を打つ点が多く、自分の生活の中で考え方や行動に関して合致するところもあるな・・・と思いました。

 そして、筆者は、こういった行動形態が、実社会には生かされていなく、もっと活用していかなくては・・・と考えているようです。
 その点があったので、後半で事例を交えて紹介を繰り返し、考察をしたと思われます。
 おそらく、ユースカルチャーの可能性を考えた上で、HipHopが当然その機能を担い、保守的・非行動的な大人社会を変えていこう・・・みたいな意識が見受けられ、その可能性を感じていたので、HipHopを紹介したのだと思います。

 著者の主張は、私がまとめた(感じた)限りだとこんな感じで、個人的には肯定できる部分も多いですが、主張としては実証が少ないので、まとめきれなかった・・・と思います。
 ただ、問題提起という意味では価値があるし、既にHipHopに属している者にとっては存在確認みたいな効果が得られると思います。


 んな感じで、まとめてみましたが、興味がない人には辛い文章になっちゃったな~(^^;)
 まあ、その人にとっての「HipHop」って色々とあると思いますが、その価値を真剣に考えた時に、参考になる良い著作だと思いますので、読んでみる価値はあると思いますよ。
 当然、答え(=その人にとってのHipHop)は違うかも知れないですが、私も柔軟な考え方や発想をHIpHopから学び、楽しみの存在、精神的な拠り所としてHipHopを愛していますので、筆者の考え方(もっと社会に使っていこう)は賛成ですね!

 また、私はこの本の主張的な部分にフォーカスをしましたが、単純な歴史書としての役割もありますし、アメリカ社会の構造を知る役割としても分かりやすく書かれているので、お勧めが出来ます。
 初心者でも読めると思いますし、中級者以上の方には、歴史や考え方を見返すという意味で、大変価値があると思います。


 今回は文章ばっかりになりましたが、歴史書シリーズはこれで終わり・・・また面白い本があったら紹介しますね~♪


<Release Date>
Artists / Title : S. Craig Watkins 「ヒップホップはアメリカを変えたか?」
            訳者 菊池 淳子
            原題 : Hip Hop Matters
Genre : HipHop歴史本+文化論
Release : 2008年12月(オリジナルのUS盤は2005年)
Lebel : フィルムアート社 ISBN978-4-8459-0824-0


Nelson George 「Hip Hop America」
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 また、HipHop歴史本になりますが・・・そんなには読まれてないかな~と思われる1冊です。
 ただ、これも個人的には好きな本で、内容もかなり濃いっす!!


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 筆者のNelson George氏(上記写真の左、右はクインシーです!)は、名前を聞いてパッと思いつく方は少ないかと思いますが、結構有名人で、いろいろな活動をされています。
 ブラックミュージック関係の音楽ライター/ジャーナリストであり、80年代の初期より「ヴィレッジ・ヴォイス」「ビルボード」などで執筆活動をし、1987年に「リズム&ブルースの死」を刊行するなど、未翻訳の書籍は多いですが、結構な数の本をリリースされています。
 また、執筆活動以外にも、映画・TVのプロデュース・脚本執筆なども行い、私も今回調べてみて分かりましたが、「Strictly Business」や「CB4」などの90年代以降のHipHop映画の製作に関わっていたり、Chris RockのTVショーにも参加してたり、後で書きますが、某レコードの企画をしたり、実はHipHop世代もお世話になってるお方です。
 もっと、Nelson氏のことを知りたい方は、ぜひNelson氏の個人サイトへ行ってみてください。 上記の写真などはそこからお借りしましたが、結構ドープな内容ですよ(^0^)
 
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 そんな氏が98年にUSで刊行(上記写真・こっちは新版らしい)したのがこの本で、日本では2002年7月に翻訳されたのがこの本です。
 出版元は渋谷陽一でおなじみの「ロッキング・オン」からで、ロック以外の本も出すんだ・・・と当時は思いました(^^;) 本隊の「ロッキング・オン」でも、この頃ってなぜかEminemを特集してたりしてて・・・Rock誌でもHipHopを取り上げるんだな~とか思ってました。


 んで、中身のご紹介です~♪

 この本では、筆者の変遷とともに成長・変化をした「HipHop」を、筆者の体験や当事者のインタビューなどを交えつつ紹介し、読みやすくするためトピック別に章分けをしています。
 大枠的なところは、他の本とそんなに大差がないのですが、中身の内容の「濃さ」はピカイチです。


 まず、この本で面白いのが、内容が「突っ込んでいる」ところです。
 HipHop業界にライターという立場でいたからこそ書ける内容が多く、読んでて「スゲーよ、あんた!」と驚いてしまうところがたくさんあります。

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 分かりやすいところで「OldSchool期」の記述なんかは他の書籍とは違うスタンスで、この点は他の書籍より興味深い点が多いです。
 他の本では、当時活動していた人物への取材などで記事を構成するものが多いですが、この本に関してはNelson氏自らが当時体験したことを中心に構成しており、ある時期からは「ライター」としてシーンを取材しているので、かなり「突っ込んだ」内容が記載されてます。
 残念ながら70年代初期のブロンクスで産声を上げたHipHopは体験しておらず、70年代末ごろより体験(取材を開始)した形になりますが、Kool Harcの野外JAMを取材し、その時書いた記事(デビュー作の一つらしい)も掲載されてます・・・
 また、よくHipHop歴史本だと「初めてリリースされたレコードがRapper's Delight・・・」みたいな流れがありますが、Nelson氏の記述はホントドープで、当然そのことも触れてますが、Rapper's Delightに触発されて「Kurtis Blow / Christmas Rappin'」を企画したり(!!)、業界の旗役だったSugarhillの本社に取材しに行き、すったもんだがあったり・・・当時のエピソードを交えながら、Nelson氏でないと書けない内容が大変多く、興味を引きます。

 他の章でも、こんな感じで、ファッションの章であれば、Eric B & Rakimの偽グッチジャケットを作ってた店の話とか、90年代初期にQ-Tipがラルフローレンに自身のストリートデザインをラルフローレンにリクエストして断られたとか・・・まあ「小ネタ」が多いといえばそれまでなのですが、事実に即した内容の記載が多く、大変参考になります。
 

 そして、この本が優秀なのが、ある事象に対しての「考察」が大変優れており、各箇所でジャーナリスト的なスタンスが発揮されているところです。
 分かりやすく言うと、ある事柄が起こったことに対しての「理由説明」だったりするのですが、鋭い指摘が多いですよ。

 例示でいくと、個人的には音楽業界の悪しき習慣「パーネント・ビジネス」のくだりは大変勉強になり、鋭い指摘がさく裂しています。
 よく、アーティストがメジャーと契約をし、最初は良かったが、後になって契約面(お金とか権利とか)でこじれて、「レコード会社がムカつく・・・」みたいな話があると思います。
 これって、つまるところは「最初に結んだ契約・関係」だったりが問題で、何も業界を知らないアーティスト(=新人)が業界側の人間に、業界側が有利になるような契約をされていることに気付かず、後になって問題になった・・・ってのが定説だと思います。
 これについて、筆者はその業界側の人間がある種の「中間搾取」に近い内容を盛り込み、固定(=パーマネント)された人物たちが必ず儲かる・・・構造を寓話という形(=恐らく実例でしょう)で紹介しています。
 つまり、業界にいる裏方(レコード会社幹部、会計士、弁護士など)が、売れるアーティストを拾いとり、使うだけ使って、売れなくなったら新しいアーティストを探し同じことを繰り返し、表舞台の人は違えど、裏方はずーっと同じ(=固定)状態のことを指し、問題視しています。
 
 こういった「構造」の話は、ホント分かりやすい例示を交えて紹介をし、勉強になることが多いです。
 特に「業界」に関することは、筆者がその業界内部に精通し、一種の暴露に近い形なのかも知れないですが、問題提起としてだったり、読者側に知恵を授けてくれたり・・・色々と価値がある行為だと思います。

 また、アメリカ社会の「構造」に関しても鋭く、ドラッグのこととか、人種のこと、性別のこと・・・など要所要所で分かりやすい説明がされており、取材や原体験がしっかりと生きた内容になっていると思います。
 ただ、文化論的な見地は、次に紹介する「ヒップホップはアメリカを変えたか?」の方が更に突っ込んだ分析をしていて、社会学的なレベルまで達してないとも思います・・・まあ、逆に社会学的な読み方が必要ない方(私もそうです)にとっては読みやすくなってるのかな~?


 あと・・・この本を「歴史書」と見ると、初心者の方にはちと厳しいかな~とも思います。
 確かに、HipHopの歴史において重要なことは記載されていますが、初心者の方がいきなり読んで理解できる構造・文章には仕上がってなく、初心者の方には注釈が必要な内容・言葉もそのまま進んでいったりします。
 読んでいると、HipHopの歴史を知っている者が更に理解度を深めるため・・・って感じがするので、前回紹介した「Hip Hop Beats」なんかの方を読んで理解した上で、これを読んでいただければいいかな~と思ったりします。


 結論として、ある程度HipHopを理解している方であれば、Nelson氏でないと書けない多様なトピックに反応できるでしょうし、ある事象の構造的な理解もできると思いますので、読んだ方のHipHopに対する更なる理解度を高めるのには最適な本だと思います。
 読んでると・・・唸っちゃうところとか多いと思いますので、未読な方はぜひBoofOffとかで探して読んでみてくださいね~♪

 こういった歴史書って、書いた人のスタンスによって内容が異なり、量を読んだりすると対比できたりして面白いっすよ(^0^)


<Release Date>
Artists / Title : Nelson George 「Hip Hop America」
            訳者 高見 展
Genre : HipHop歴史本
Release : 2002年7月(オリジナルのUS盤は98年)
Lebel : ロッキング・オン ISBN4-86052-006-8

S.H.Fernando Jr. 「Hip-Hop Beats」
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 え~、最近、コレクション対象である「本」のご紹介をあんまりしてないことに気づき・・・急遽「HipHop歴史書」を連続紹介・・・しようかな~と思いました(^^;)
 今回のご紹介では、その書籍は当然読んでいますが、記事を書くにあたっては読んでないので、内容が深く突っ込めない・・・点があると思われますので、ご了承を・・・


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 んでは、第一弾のご紹介・・・
 日本における「HipHop歴史本」の中ではトップで上がると思われる本で、日本では96年4月刊行(オリジナルのUS版は1994年8月・写真)された一冊です。
 日本における本格的なHipHop歴史本の中では、最初に発行された書籍だと思われ、オリジナルが発行されたUSでも、本格的な歴史本としては初期の発行物だと思われます
 日本では、HipHopブームが巻き起こった時期に発行され、これを読んで「HipHopの歴史」を学んだ・・・って方は多いんじゃないかと思います
 私自身は、Frontなどで知識を蓄えた上で、成人した後に読みましたが、かなり読み応えがあり、当時読んでたらきっと役に立ってただろうな~と思った一冊です。

 なお、原題は「The New Beats」で、「Hip-Hop Beats」は日本独自のタイトルです・・・日本人向けに分かりやすくした結果だそうです・・・

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 作者の「S.H.Fernando Jr.」氏については、細かい所は不明なのですが、有名HipHop雑誌「Source」での執筆活動を行い、検索をした限りだと、現在もSpinMagazine(US)などで執筆を行う・・・音楽ライターのようです。 写真を見る限りだと、ブラック系の方かな(上記写真の一番右)??
 この本は、80年代にニューヨーク出身ではない作者が、ティーン時代にラジオから流れてくるHipHopを耳にして反応をし、RunDMCで完全にヤラれ、次第にHipHopが好きになり、ハーバード大学在学中(90年代前後?)に、HipHopに関する文献が少ない中、「Reggae International」なるReggaeの歴史書を読み(筆者はReggaeも好きだったようです)、自分とともに成長した「HipHop」においても、同様の試み=歴史解説をしようとしたのがきっかけのようです。

 90年代の初期といえば、PublicEnemyなどが出現し、意識ある主張を代弁する側面もありましたが、メインストリームとしての認識などは、「単なる娯楽」としての音楽であったり、NWAを代表するような「無意味な暴力」といった認識の方が強く、筆者は具体例をあげていますが、タイムなどの有名誌などにも明らかに感情論を忍ばせている形態のHipHop批判記事等があり、HipHopに対しての正確な認識が少なかったと思われます。
 しかし、筆者のように、HipHopの発展とともに自身も成長し、大人になったものとしては、HipHopという文化・考え方が決して悪いものではなく、文化的には多数の階層・人種を超えた若者を取り込み、かつ彼らに多数の影響を与えた点や、ストリートから派生したクリエイティブなアート形態として認識してるようで、以下の点は明確に記載はないのですが、批判的な考え方を是正するべく・・・書いたのかな?と思います。
 まあ、在学中ということなので、修士論文とかで書こうと思ったのかも知れないですが、1年半もの取材期間を設け、本文でもその取材がしっかりと生きた記事になっており、私が読んだ限りだとかなり優秀な内容に仕上がってると思います。


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 今となっては、HipHopの歴史書なんかは結構あり、BronxでKool Hercがブロックパーティーを初めて・・・みたいな感じの書き出しになることが多く、この本もそうなのですが・・・この本が他の書籍と違い優秀な点は、筆者自身がHipHopの歴史・構造をしっかりと理解したうえで、その当事者たちにしっかりと取材をし、その当事者たちの生の声をうけ、うまく要点を振り分け、本書を構成している点に尽きると思います。
 例えば、「HipHopの始まり」というタームであれば、当然の如く「第1章」で扱いますが、「Return of the Boogie Down - ブギ・ダウン・ブロンクスの逆襲」というタイトルをつけ、KoolHercなどのパイオニアの話を紹介しつつ、DJ・MC・Dancer・Graffの4大エレメントもしっかりとホローし、その後の流れとしてKRS、そして末裔に当るDITCなどのBronxの生き証人たちにもしっかりとしたインタビューをしています。

 個人的には、以前紹介した「Won't Stop,Can't Stop」の方が突っ込んだ内容を提示しているのですが、こちらの本では「入門書」レベルな話はしっかりとホローしており、HipHopにおける重要項目(HipHopの源流であるBlackMusicのこと、NWAとかの暴力的なラップ、PEとかの意識の高いラップ・・・など)を分かりやすく分類し、初心者にとってはかなり良質な内容だと思います。
 文章を読んでると、当事者たちのリアルな声を、解説を交えて上手く構成し、内容によっては、重要曲の歌詞を載せたりし、読者への理解を分かりやすくしており、かなり読みやすい内容になっています。
 筆者が意図的に行ったのかは分からないですが、こういった「歴史」を扱う場合、事実なりが先行し、下手したら箇条書きのようになり、事実以外の事柄が分からない場合が多くなりますが、事実の流れを即しつつも、読者に対して読みやすい「流れ」を作った書き方をしているので、HipHopを知らない初心者にはかなりお勧めです。


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 んで、この読みやすい・・・ってのにはもう一つ理由があります。
 実際、この本は洋書なわけで、対訳者(石山淳さん)がおられるわけですが、対訳者はバリバリのヒップホッパーではないので、スラングやHipHop的な解釈が判断できなかったようで・・・その点を補完したのがなんと「K-Dub Shine」です!!
 本書では本名の「各務貢太」として参加をしていますが、奥付などを見ると、対訳者が誤った翻訳や言葉の使い方をしっかりと指摘・修正し、文化的背景のレクチャーなどをし、本書の完成度を高めた尽力があったようです。
 シャインに関しては、記憶だと90年代初期頃よりオークランド(西海岸ね)に留学(?)し、どっぷりとHipHopカルチャーにつかり、影響を受け、帰国して旧知の仲だったZeebraとギドラを結成・・・みたいなキャリアがあり、間違えない人選だと思います。

 本書において、どこまでシャインの影響度があったのかは分からないですが、ラップの歌詞の対訳なんかは、HipHopを理解してない対訳者が書いたものとは次元が違い、スラングや時代背景をしっかりと理解した上での対訳・意訳を行っており、シャインの功績があると思います。
 また、実際の本編でも、かなり指摘はあったんじゃないかと思われるので、文章自体の精巧度を上げてる・・・点などがあって文章を読みやすくしてると思います。
 まあ、対訳者の方が、原書の流れるような文章をくみ取った上で、リズミカルに構成してる点も大きいと思いますが、マニアとしてシャインの功績は見逃せませんよ(^^;)
 ちなみに、初心者対策(?)として、ディスクガイドもシャインのセレクトで、各章ごとに掲載されていますよ~♪
 また、この書籍の発行元は「ブルース・インターアクションズ」で、BlackMusicReviewなどの発行や、各種再発CDのリリースなどブラック系では影響度の多い会社よりリリースされてますが、言わずと知れた「King Giddra」のデビュー元であることも忘れてはいけませんよ・・・


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 そして、この本は、初心者以外の・・・いわゆる「HipHopバカ」にもお勧めが出来るところも大変多いです。
 先ほどもご紹介をしましたが、作者の綿密な取材が生きており、ほとんどのページでは対象者へのインタビューを織り交ぜた文章を交えており、中にはレアなインタビューも多いです。
 ほんと、時代も、地域も、世代も・・・例示をするのが大変なぐらい様々なアーティスト、関係者への取材を行い、丁寧に彼らの言葉をつなぎ合わせているのですが、細かく見ると、マニアも納得なラインも多いっす。
 列挙するのは避けますが、ナイスな人選とか、筆者が撮影したと思われる写真など、上級者でも楽しめるところが多く、個人的には写真にはノックアウトの連続です!
 ほぼ、筆者が撮影したオリジナルの写真なので、初めて見る写真も多く、ヤラレますよ!!
 
 また、特にお薦めしたいページもあり、全盛期のEPMD&Hit Squad(Redman,K-Solo,DasEFX)のツアーに同行取材をし、一章を使い、EPMD&Hit Squadの姿を通して、「HipHop」の姿をフォーカスしたページがヤバいです。
 ちょうど、EPMDの4thが出た頃のツアー(92年)を核として、デビュー直前のDasEFXが先輩に注意されてるところや、DJ Scratchの超Defな幕間ショーのこと、ショーの後のグルービーのこと(本当にあるんですね!)など、ほんとレアな話題が多くヤラレますよ!
 個人的には、Scratchがヤバいっすね・・・噂のミキサーの上に乗っかって2枚使いとか、ワードを駆使してのターンテーブルアクションは、文面を読みだけでヤラレますよ・・・
 そして・・・最大のオチとして、EPMDの解散も書いているのですが、献身的な同行取材が功を奏した内容になっており、絶対に読んだ方がいいです!!

 
 最後にこの本の総括をご紹介いたします。
 この本が出版された時期が94年とあって、HipHopの黄金期の時期にしっかりと取材ができ、かつHipHopのレジェンドにもしっかりと取材を行っているので、今となってはかなり貴重な1冊だと思います。 特に、歴史的な事象に関しての分析が丁寧に織り込まれており、初心者の方には是非読んで頂きたい一冊です。
 また、筆者の丁寧な取材が文章に昇華されており、上級者でも満足できる内容になっており、名著と言っても差支えがないです。
 しかし、94年の刊行なので、その後のメインストリーム的位置になったHipHopが巻き起こした弊害などは記述はなかったり、「Won't Stop,Can't Stop>」「ヒップホップはアメリカを変えたか?」のような文化論・人種論まで話題が突っ込めなかった点など・・・もあったりします。

 だけど・・・やっぱり名著なのには変わりはないかな? 飛ばし読みをしましたが、いい内容が多いですね!!


 んなわけで、初心者でも、上級者でもお勧め出来る一冊のご紹介でした。
 BookOffなどで安く買える場合が多いと思いますので、探してみてね~♪


<Release Date>
Artists / Title : S.H.Fernando Jr. 「Hip-Hop Beats」
            訳者 石山 淳、 訳者協力 各務貢太(K-Dub Shine)
原題 The New Beats
Genre : HipHop歴史本
Release : 1996年4月(オリジナルのUS盤は94年8月)
Lebel : ブルース・インターアクションズ ISBN4-938339-23-4

DJ Maki the Magic 「Love Supreme」
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 毎度のMaki作品で、90年代にリリースされた作品を引き続きご紹介です・・・特徴を見出すのが難しいな~っと(^^;)


 現在でもリリースペースを落とさない、多作なMakiさんの作品で、99年にリリースされた1本です。
 前回紹介した「Smoothe Butter」と同様にR&Bに拘った一本で、タイトルから連想するに「愛」に関する曲をミックス・・・してるのかどうかは分からないですが、定番のR&Bが多数収録された一本です。

 選曲された内容的には、跳ねたR&Bもあれば、スローな歌ものがあったり、USがあれば、UKもあり・・・となかなか主眼点が見つからない選曲・ミックスになっています。
 ただ、ド定番なR&B(Yasmin / Wanna Dance、Gabrielle / I Wish、Tevin Campbell / Can We Talk・・・など)が多く、聞いていてつい歌っちゃったりするのが多く、パブロフの犬状態です(^^;)
 今となっては、知られずぎちゃって「ありがたみ」がない感じもしますが、当時の中古価格なんかを考えると、万越えをするものも多く、このテープもきっと珍重されてたのかな・・・と思います。
 きっと、99年の当時、まだまだ少なかったR&Bのミックステープの中で、収録曲の良さから、教科書的な意味合いで需要はあったかもしれないですね・・・

 また、Makiさんらしく、渋い曲も選曲されており、Lorraine Cato / How Can You Tell Me It's over ? のようなマダマダ値下がらない曲も若干選曲されています。
 個人的には、久しぶりに聞いてたら、Deniesce Williams / Free のナイスカバーにヤラレました・・・誰のカバーかは伏せておきますが、こういう曲をサラッと選曲する選曲眼の高さは流石です。
 ちなみに、そのカバーは、そんなに高くなさそうだから探して買お~っと♪

 ただ、実際のミックスの部分は・・・ちょっと微妙な感じです。
 今回のテープに関しては、全体的なミックスの流れに統一感がなく、ザクザクしたHipHopミックスなので、ミックスのストーリー性がないのが・・・ちともったいないですね。
 選曲の順番は考えているようにも思えますが・・・う~ん、どうなんでしょう(^^;) ミックスの流れとしてはそんなに良いとは言い切れないですね・・・
 この作品に関しては、HipHop的にミックスをしたことで、跳ねた感じなんかを出したかったのかも知れないですが、無理してスローな曲を入れたりしてて、バランスがちょっと悪い印象もあり、テープの出来としては・・・まあまあだと思います・・・Makiさんすみません・・・


 んなわけで、Makiさんの作品を集めてる方には、お勧め出来ますが、他の方が今からコレを聞くのは・・・正直あまり意味がないかな・・・っと思う作品のご紹介でした。
 う~ん、全然褒めてないですが、たまには正直な意見も書かないと・・・いけないかな~っと思う今日この頃でした(^^;)


<Release Date>
Artists / Title : DJ Maki the Magic 「Love Supreme」
Genre : R&B(90's US&UK Classics・・・)
Release : 1999年
Lebel : Groove Serchers

業務報告 いろいろ
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①Da Cypherについて
 インフルエンザの時に書いたCypherの放送日リストのことで、Ruluさんという方の書き込みで、放送をしていたJ-Waveでトラックリストの検索サービスがあることが判明したので、書き込みを追加しました。
 また、日付の表記に誤解を引き起こす恐れがあったので、注意点も書き加えました・・・恥ずかしい(^^;)

 気になる方は下記リンクより飛んでくださいな~♪ 結構面白いっす!
  ● Da Cypher 付録 「放送日リスト」

 なお、Cypherの検索でココに辿り着き、記事を読んでくれてる方がおられるようで、嬉しい限りです(^0^)
 次は、YouさんのNightFlightか、TBSでやってたClubEdgeっすかね~♪

②記事の追記・変更について
 なるべく記事を公開するときは事実に即した情報や、画像を出したいですが、その時は分からなかったり、画像がなかったり・・・ということで、記事に文章を追加・訂正をしたり、写真を変更・追加したり・・・をさりげなく行ってる記事がボチボチあります。
 今回のCypherのは、大きい変更だったので、告知しましたが、細かいのはすみません・・・告知せずに変更を今後も行っていきます。
 読み返すと、内容がガラっと変わってることはないと思いますが、レアな写真(特にフライヤーとか)が追加されてる場合がありますので、暇な時は読み返してみても・・・いいかもです m(_ _)m

 あと、初期の頃に書いた記事は、私の文章もまだ稚拙で、その作品の魅力を表現出来てない記事もあるのかな~とも思ったりします。
 その内、リプライズで記事を書きなおすかもしれない・・・です。 でも、まだまだ紹介してないブツが多いので先になりそうです~(^^;)

③ご意見について
 私も記事を書いて、後になって間違っていたことに気付くことがあり、急いで訂正することがあります。
 ただ、今後、掲載数が増えると、すべてのことを把握できないと思いますので、何か間違えとか情報があれば是非コメントなどに書きこんでください。
 精査の上で記事の訂正などを行いたいと思います。
 また、その他の意見などもあればドシドシ書いてくださいな~♪

④広告について
 最近になり、気づいたのですが、記事の下の方に「リンクつきの広告」が出現するようになりましたね。
 これは、私が付けたのではなく、気づいたら・・・ついてました(^^;)
 まあ、私も縁あって「FC2」でブログを開始し、タダでやらせてもらってるから・・・ホスト側にこのくらいのインセンティブがあってもいいでしょう・・・と思ってます。
 ただ、広告先は・・・残念ながら当ブログとは無関係になりますので、ご了解ください・・・って書き込みでいいのかな(^^;)
 こんなことを書いたらFC2さんに怒られるかもww


んでは、今日はCypherで選曲された曲が10年越しで判明したりしたので、気持ちよく寝れそうです・・・
今週も、ゆっくりとですが、更新をしていきますので、これからも宜しくお願い致します m(_ _)m
では、おやすみなさい・・・zzz
 
DJ MURO 「Super Disco Breaks Lesson 5 - 8」
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 先週に引き続き、MURO作品の金字塔「Superシリーズ」Discoシリーズ第2弾「金色」をご紹介致します・・・気合いを入れて書くぞ!


 言わずと知れたMUROさんの名作「Super Disco Breaks」の第2弾、2000年4月にリリースされた作品(2本組)のご紹介です。
 前作である「Super Disco Breaks Lesson 1 - 4 」より約2年後の作品になりますが・・・びっくりするぐらいミックスが上手くなり、かつ掘りの深さも堪能でき、個人的には大好きな1本です。


 この作品では、前作同様に作者であるMUROさんが現場でプレイする曲にフォーカスをあわした作品で、ミックスの流れに若干ラフさがありますが、しっかりと考えられた選曲でプレイをし、かつMUROさんらしい味のあるスクラッチ&2枚使い、高揚感のあるミックス展開が発揮されており、現場でのDJプレイに近い作品に仕上がってると思います。
 選曲された楽曲も、基本ラインは前作の銀と同じで、DiscoやDanceClassics、Old School HipHop、Middle HipHop、Funkなんかを使用していますが、これから紹介をする「南国テイスト」が上手くブレンドしつつ、武骨なんだけど口当たりが優しい・・・そんな感じのMURO流Disco(=B-Boy Disco)を展開しています!

 また、実はこの頃の作品がリリースされた2000年前後って、個人的に考えている範囲だと、MUROさんのミックスが上手くなった時期・・・と考えています。
 後ほど紹介する「南国テイスト」にも関係をしてくるのですが、HipHopらしいカットインに加えて「ビートミックス/ロングミックス」を多用するようになってて、この作品でも効果的に使用されていると思います。

 今回も、作品の紹介の前に、その「変化」の部分を先に紹介し、その後に作品の紹介をしたいと思います~(^0^)





<MUROさんのミックスの変化について>
 
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 まず、ちょっと見づらいかも知れないですが、MUROさんのミックス作品&その他もろもろの変遷を一覧にした表を作成してみました・・・クリックすると大きくなるので、以下の内容を読む前にご確認ください・・・
 ただ、かなりアバウトなつくりなので、間違えもあるかも知れないです・・・ご了承ください。


 このブログでは、意識的にMUROさんの初期作品からご紹介して、今までKing of Diggin'シリーズDiggin' IceシリーズDiggin' Heatシリーズなどをご紹介しました。
 バックナンバーは「こちら」からどうぞ・・・

 今回の作品は、順番でいくと「Diggin' Heat 2000」の次の作品あたりで、このDiggin Heat' 2000では、RareGrooove関係の選曲にまぎれてLatin等の「南国テイストの曲」をミックスしていましたね。
 この南国系の流れは、今回の作品の直後にリリースされた「Pan Rhythm」「super samba breaks」なんかで爆発しています。

 また、「Diggin' Ice 99」で少しだけ説明しましたが、それまでの作品ではHipHopライクなカットインなどでミックスすることの多かったMUROさんが、「ロングミックス」などのミックス方法を効果的に使うようになり、DJの幅が広がったの意味で上手くなった・・・と思います。
 これに関しては、なかなか実証がしづらいのですが、初期のテープシリーズ(特にIceとHeat)を順を追って聞くと分かると思うし、個人的には97年4月より放送開始した「Da Cypher」でのMUROさんのプレイが、段々上手くなっている(2枚使いとか)のを実感してたので、この時期はMUROさんのDJ技術における「発展期」だったと考えています。


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 「南国テイスト」「ロングミックス」・・・この2点は個人的には結構重要だと思います。


 まず、南国テイストと書きましたが、これは私が思った言葉なので、一般的には他の言葉でもイイわけですが・・・今までプレイしなかったLatinとかBrazilなどの「南」っぽい曲で・・・範疇は当然広いですよね。
 また、雰囲気が南国っぽい楽曲もこれに入り、その流れで行くとDiscoとか、Garage、House・・・なんかも含まれ、それこそ今まで散々プレイしてたHipHopやFUNKのようなドロッとした質感ではない、開放感のあるドラムとベースラインのコンビネーションが織りなす「4つ打ち」構成の楽曲が多いと思います。
 この作品であれば、写真左の「John Gibbs and U.S. Steel Orchestra / Trinidad」とか、写真右の「Gary Griss / Amazon Queen」なんかが南国テイストがマッチした曲で、聞いてると4つ打ち感が気持ちいい曲ですよね~
 
 そう、この「4つ打ち」構成ってのが重要で、つまり「House/Garage」のようなグルーブでミックスするような楽曲南国テイストという言葉の肝だと思うんですよ!

 そして、その4つ打ちのグルーブをミックスするのには・・・やっぱりBPMを合わせてのビートミックス/ロングミックスが気持ちいいぐらいハマるので、MUROさんも実際のプレイで多用するようになったのかな~と思います。

 この点が個人的に考えている「MUROさんのミックスの進化」なわけですが、今までHipHopライクにカットインなどで繋いでいった選曲が、ロングミックスなどで選曲のグルーブ性を高めることも・・・するようになったと思います。


 なぜ、この2点を強調して書いたかというと・・・ミックス方法なり選曲方法の中で「House/Garageライン」の4つ打ちの曲やビートミックス/ロングミックスって、やっぱりHipHopの文脈とは異なる文化形態/フィーリングな訳で・・・意外と混じらない存在で、それをHipHopDJであるMUROさんが吸収し、独自進化をした点は非常に大きいと思うからです!!
 

 私も、House/Garage関係のレコードを買ったり、Houseの現場なんかに行って分かったのですが、ビートなりグルーブに対する姿勢がHipHopと「やっぱり違う」んですよね・・・
 BPMの違いや音の構造の違いもちろんありますが、ダンスミュージックとしての「考え方」の違いが結構あると思います。

 特に「考え方」が違うと思うのが「踊ること」で、HipHopだと踊るというよりも「盛り上げる」ための音楽という部分が大きく、聞いてる者を踊らすって意思はそんなにないと思います・・・むしろ「ノリ」を大切にしますよね・・・
 それに対してHouseラインだと、聞いてる者を「踊らすため」の音楽とはっきりしているかな~と思います。
 例えば、HipHopではカットインとかショートミックスが主体で、曲単位ごとに盛り上げさせる・・・感じで、Houseだとビートを合わせてのロングミックスを用いて、各々の楽曲が持つ良さを引き伸ばし、グルーブを持続させ聞いてる者を踊りやすくする・・・みたいな流れがあります。

 また、この考えを選曲方法に当てはめると、HipHopは単発で盛り上げるのに対し、Houseでは選曲を重ねて盛り上げる・・・みたいなニュアンスも入り、Houseの方が「グルーブ」を大事にしてると思います・・・


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 MUROさんの話に戻しましょう・・・

 何がきっかけでMUROさんがHouse的な選曲/ミックスをし始めたかは分かりませんが、こういった「House」的な選曲/ミックスが出来るようになったのは・・・きっと、自分の興味のままいろんなジャンルのレコードを掘ってる過程で、70年代のDiscoモノとかBrazilとかの南国モノにぶち当たり、HipHopの姿勢で選曲をしてたが、気づいたらHouse的なフィーリングでミックスしても悪くない・・・と気づき、こうなったのかな~と思います(私の想像の域での考えです)。
 また、MUROさん自身、DJ活動をしてて、色んなジャンルのDJと交流が出来(特にOrgan系かな?)、その辺も影響はあるかもしれないですね~
 
 ホントのところはMUROさんじゃないと分かりませんが、事実、その後のミックス作品ではHouseっぽい作品もリリースしており、この次にリリースされた「Super Samba Breaks」「Heatin' System」「Tropicoool Boogie」などは顕著で、Houseな曲が効果的に使用されており、ミックスもHouse的にミックスされることがあります。
 また、自身の楽曲でもHouse的な曲も多くなり、上に写真右で上げたTrinidadをネタにした「Boo / Caravan」とか、Dance and Shake Your Tambourineネタの「Tonny Touch / I Wonder Why(Remix)」などはそうだし、外注としてフランスのTom & Joyce にリミックスしてもらったり・・・いろんな形でHouse方面にクロスオーバーしています。

 あと、後年の現場のDJでは、時折、ミキサーのトリムを回し、重低音のみカットして、楽曲にメリハリを持たせたり・・・まさにHouse的なことをしてる時もありましたね。
 House界であれば、Joe Claussellのようなアイソレーター捌きのようにはいかないですが、カットをする時は、気持ちをこめて、体を仰け反らせながら切ってましたね(^0^)


 
 結論的な話を入れておくと、今までHipHop的な手法で様々なジャンルをプレイ/ミックスをしていたMUROさんが、水と油の存在と思われていたHouse的な選曲/ミックスを手に入れ、今まであったHipHop的なスキルが更に進化した・・・ということになると思います!!

 こうなってくると、ホントMUROさんだけの世界観になってくるのですが、MUROさんにしか出来ないボーダーレスな選曲が更に広がりつつ、ミックスなどもHipHopをベースとしつつも、グルービーな展開が更に増し・・・誰にも作れない世界に変化していったと思います・・・
 特にグルービーな展開は、今までもかなり上手かった(特にIceとかHeat)ですが、更に進化し、聞いてて殺してくれるラインが増えたような気がします(^0^) 


 そんな変化がこの作品では良い方向に機能し、素晴らしいミックスを披露しています!!

 前作の銀では、プレイとしてはHipHop的な範囲でのプレイが目立ち、それはそれで悪くは無いですが、この金になるとHouse的なプレイも加味され、個人的にはこっちも大好きです(^0^)

 では、作品の紹介に行ってみましょうね!!





<テープのご紹介>

 基本的な選曲ラインは、前作の「Super Disco Breaks Lesson 1 - 4」と変わらないのですが、一般的なDiscoテイストを煮詰めた楽曲が増え、個人的にはかなり聞きやすい一本です。

 分かりやすく説明するために、選曲ジャンル別に紹介しつつ、この作品の技や魅力を紹介していきます・・・


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 まず、HipHopですね・・・

 どのミックスでも前半に集中する傾向にありますが、やっぱりDeepなのが多くヤラれます!!

 プレイした曲でいけば、左上の「Choco the New Harlem Sound / My Little Donkey」とか右上の「G Force / ABC」は有名でしょう・・・今回の作品でも、MUROさんが発掘したと思われる曲が多数で、上記の2枚はもちろんですが、レアな輩が多数ですよ!
 Donkeyのオリジナルはまだ万越え(写真はブートです・・・)だし、あのRick Rubinがリミックスをした「Queen / We Will Rock You (Remix)」などのようなレアなOld SchoolやMiddle Schoolの曲が多数収録されています。

 タイトル的には、聞いたことはあるけど、タイトルが分からないな~ってのが多いのでヤキモキしちゃいますが、MUROさんらしいボルテージの高いHipHopが多いっすね。

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 しかし、個人的に押したいのは、それらのHipHopの曲の「使い方」が上手くなったことです。

 特に象徴的なのは、写真左上「Disco 3 / Human Beat Box」から、定番の「Funky 4 + 1 / That's the Joint」の繋ぎで、Disco 3の中盤で「♪~~~ one for me !! ♪」とライムしてるところから、Funky 4に繋ぎカットインしつつ、Funky 4のブレイクの上で♪one for me♪で擦ってるところですかね~
 このコスリは、正直Ulticut Upsなんかを聞いちゃうと、そんなには上手くないのですが、今となってはなかなか味があるコスリだし、こういった定番ネタの使い方は上手いすよね!!

 また、左下の定番ビートである「Funkadelic / You'll Like It Too」は、先ほど紹介をした同ネタであるMy Little Donkeyから、Danny Krivit(Mr,K)製作の定番エディットに繋ぎ、声ネタ(1,2,3,4!)のところでクイックで別曲につなぎ、速い展開のHipHopミックスの好例を表してます!

 MUROさんって、今までも定番曲とか定番曲過ぎて見捨てられちゃった曲の使い方が上手く、Diggin' Ice辺りではそのセンスの良さが発揮されていましたが、個人的にはそのセンスが、DJミックスにも生きてきてるな~と感じました。
 まあ、ベタな展開なのかもしれないですが、こういうのは嫌いにはなれません・・・


 ちなみに、FunkaDelicの元曲は、現場では結構プレイをしてて、イントロのドラムブレイクを2枚使いなどしつつ、選曲することが多く、個人的には元曲の方がMUROクラシックだと思ってます(^0^) 
 イントロのドラムブレイクが終わり、熱い本編に進む辺りはカッコよく、現場で聴くとKODPクルーの煽りが加わり、大変なことになりますよ!



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 んで、HipHop以外でもナイスな「掘り」の利いた楽曲が多く、ミックスの世界観を崩さずに色んなジャンルの曲をプレイしてる辺りには・・・レベルの高さが伺えます!! 

 まず、分かりやすいところだと「ネタ系」の曲だと、個人的には写真左上の「Dave Cortez / Happy Soul With A Hook」っすね・・・言わずと知れた「Christina Aguilera / Ain’t no other man」ネタですが、プレミアが使う数年前にMUROさんが使ってたわけですから・・・流石King of Diggin'です!!
 その他にもBDKネタとか、楽曲自体がカッコいい旧譜も多くプレイされててヤラレます・・・皆さんもそうだと思いますが「Tom Jones」使いはズルイですよね!!

 また、発売直後の楽曲もしっかりと押さえており、こういう引き出しの多さも魅力ですよね・・・
 収録曲だと、今ではほとんど見かけることができなくなったホワイトオンリーな「DJ Spinna / Rock」使いの「The Brand New Heavys / Aparently Nothing (remix)」をミックスしてます!!
 これは結構探すのが時間がかかりましたよ・・・つぶれちゃった渋谷某S店で買えましたが、今回調べてみると500枚オンリーなようですよ!!


 あと、後ほど詳しく紹介するDisco/Garage系の曲も渋い曲が多くメチャクチャ影響を受けました・・・王道なのは間違えないですが、そんなのプレイするの!って曲が多いかと思います。
 例えば、写真左下のBrazil産の謎のDiscoである「Erasmo Carlos Convid / Se Voce Pensa」なんかは、Discoが好きな方でも掘れない(プレイしない)でしょう・・・よくこういう曲を探してくるな~

 また、そういったマイナーな曲でも、MUROさんがプレイしたことで人気になった曲もあり、ミッキーのいなたいジャケでお馴染みの「Mickey Mouse Disco / It's A Small World」なんかはそうだと思います。
 ミッキーちゃんは、プレイではErasmo Carlos Convidの次にプレイしてますが、この繋ぎは思い付かないよ・・・違和感の無い「異ジャンル繋ぎ」にはグッときます!!



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 そして、私が大好きなDisco/Garageラインの選曲・・・これがどのミックスでもヤバいですよ!!

 個人的には「Lesson6」の流れが一番好きで、後半のDisco/Garageラインの選曲が素敵なのでそれを例に紹介したいと思います!!
 ここのミックスは、序盤はHipHopっぽく攻めますが、段々と南国っぽいグルーブに仕立て、HipHopの中にHouse的な流れをうまく乗せ、畳み掛けるように攻める辺りは流石なミックスです(^0^)


 まず、指摘したいのが「定番曲の使い方」の上手さです!!

 個人的に好きなのは中盤でプレイされる「Mcfadden & Whitehead / Ain't No Stoppin' Us Now」のブレイクを使用したクイックミックスが好きです!!

 手拍子だけのブレイクの上でアカペラで♪No Stoppin'~♪と繰り返してるところ(上記のシングルだと一番最後の方)の4小節を使用したクイックミックスなのですが・・・その4小節の後は、ネタとして有名な「Unlimited Touch / I Hear Music in the Street」のイントロ4小節にクイックし、またAin't Noの同じブレイクに戻します・・・
 そしてAin't Noの同じ4小節を繰り返したと思ったら、De la のSaturdayネタで有名な「Instant Funk / I Got My Mind Made Up」の印象的なイントロにクイック・・・
 んで、また4小節プレイしたらAin't Noに戻し、4小節をかけ、これまた定番な「Al Hudson & The Parters / You Can Do it」に繋ぎ、そのまま流していく・・・という、メチャクチャカッコいい展開です。

 この「A→B→A→C→A→D・・・」みたいな展開は、個人的にはHipHopDJの「華」に該当するところで、それをネタが絡んでるとは言え、Disco/Garageでやってみるって言うのは流石ですね!! 


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 そして、Al Hudson以降のミックスもカッコよく、ナイスなロングミックスでの繋ぎの連続でたまりません!!

 それまでクイックミックスでHipHop的な雰囲気を出しつつも、Al Hudsonを長めにプレイすることでDisco的なグルーブに変化していく感じなのですが、そこで繋いでくるのが親父Discoクラシックでもある「Kool & the Gang / Lady's Night」ですよ!!

 いや~この辺の曲はカタカナの「ディスコ」ではプレイするでしょうが、大ネタ過ぎちゃって対象外な曲かな~と思ってましたが、ロングミックスで繋いでいくと凄くグルーブがあってイイんですよね!!
 数年後にリリースしたオフィシャル盤の「Super Disco Breaks」でも同様な使い方をしてますが、この辺を聞くとMUROさんのロングミックスの上手さが分かり・・・一番最初で触れた「ミックスの進化」が一番感じられると思います(^0^)
 ちなみに、Koolのこの12inchはメチャクチャ音圧が良く、ドラムのノリとかがハンパなくイイですよ!!

 そして、Koolで南国的でグルービーな雰囲気を出しつつ、MUROクラシックで有名な「Forrest / Rock the Boat」にミックスし、更に南国的なグルーブなり、最後はこれまたMUROクラシックな「Shirley Bassey / Copacabana」に気持ちよくロングミックス・・・この流れも最高ですね!!
 曲が持つ南国テイストな雰囲気をうまく利用したミックスで、ロングミックスで繋いでいくことで徐々にグルーブを展開させていく感じが気持ちよく、最高な流れで終わりに向かいます(^0^)
 

 テープの紹介の前にも書きましたが、ロングミックスと南国テイストが上手く機能したミックスで、このミックスこそ「Super Disco Breaks」の「結論」を表している部分かな~と思います。

 ミックスにおいてはLesson 1-4の時はまだHipHop色が強かったのですが、この作品になりロングミックスの導入や選曲の南国化が加わったことでDiscoの良さが更に加わり・・・HipHopでも無い、Discoでも無い・・・MUROさんにしか作れない「B-Boy Disco」に完全になったのかな~と思います(^0^)
 なんか、うまく説明できないですが、HipHopベースの選曲でミックスを構築しつつも、House的なグルーブを維持するミックスを用いて、選曲も南国テイストのある曲を選び・・・Discoが本来持つ「開放感=気持ちよさ」みたいのを完全にプレイ出来るようになったと感じます!!


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 また、Lesson 6以外のミックスでも、MUROさんにしか出来ないミックス/選曲が多く、集約すれば「B-Boy Disco」的な感じが爆発しているのですが・・・深く聞くと「技の幅も広さ」にも注目点が多く、更にこの作品を良くしてる・・・と思います!!

 例えば、Dimitriも取り上げたナイスな80's Boogieである「Fresh Band / Come Back Lover」はLesson5の最後でプレイしますが、それまでかなりHipHop感が強い流れの最後にコレを入れてくるセンスが素敵で・・・こういう所は真似出来ないっすね!!
 多分、トラックリストを見ただけでは脈略が無い選曲になるのですが、違和感が全くなく、なぜかグルーブが続いてるんですよ・・・気持ちよくって最高です!!

 あと、Lesson 7では、昔よりGarageクラシックで、MUROさんがチョイスしたことでHipHop界隈でも知れ渡った「John Gibbs and U.S. Steel Orchestra / Trinidad」であれば、あえてBPMを落としてプレイしており・・・そうすると雰囲気がReggaeノリなDiscoミックスになり、不思議な気持ち良さが体感できます!!
 Trinidadって、個人的なイメージだとドラムやベースの疾走感のあるグルーブが聴きどころで、BPM的には「上げる」方向の曲を・・・あえて「下げて」プレイしてる辺りにセンスの良さが出てますよ!!
 ちなみに、Trinidadの後は、MUROさんのミックスでは結構な頻度で登場するRisco Connectionもので、ミックスの主題に合う鬼レアなI'm Caught upのカバーをプレイしてます・・・00年の時点でそれを掘ってんのかよ!!

 最後にLesson8だと、オーラスでSwing感のあるDiscoテイストに持ち込んで、綺麗に終わらす感じが上手いんですよね!!
 これもMUROさんプレイで知れ渡った「The Charlie Calello Orchestra / Sing,Sing,Sing」をプレイし・・・El Cocoのようなビックバンド時代のゴージャスな感じ空気になったところでド定番の「Elbow Bones And The Raketters / Night in New York」をロングミックス!!
 個人的にはこの繋ぎは涙腺に来るんですよね・・・終わってしまう寂しさがあるんだけど、ポジティブなグルーブもあり・・・「ぐすん、明日も頑張ろう!!」みたいな感じがするんですよね・・・憎い演出です!!


 こんな感じで、細かいミックス/選曲も光ってて・・・相対的に作品の良さを向上させてると思います!!




<最後に> 

 また、ダラダラと書いたので、上手くまとまらないのですが、銀ジャケだった前作の98年ごろと比べると、House/Disco的な4つ打ち系の曲に対する扱いを完全に習得し、MUROさんらしいDisco感が更に発揮できるようになったのが印象的ですね!!
 特に、Disco的な曲などを通して、House的なミックスを方法を手にし、以後の作品に発展していく過程では、この作品は通過点として見逃せないと思います。

 ただ、繰り返しますが、MUROさんの場合、HipHopをしっかりと基礎にしつつ、MUROさんらしい掘り精神の元、手腕の一つとしてHouse的な方法を取っており、この点がMUROさんの「良さ」だと思います。
 私もそうですが、母体としてHipHopがあることで、音楽に対して柔軟にいられる・・・そんなところでしょうか・・・
 そんなスタンスがあるから、あまたのジャンルのDJ達よりリスペクトがあるんでしょうね・・・MUROさん、やっぱりスゲーな!!


 んで、最後の最後で、作品の総括をします。

 個人的には、前作同様に現場でのプレイを反映させた作品にはなっていますが、前作よりもミックスの質が向上、ミックスの方向が定まったことでかなり聞きやすい内容に仕上がっていると思います。

 もし、初めてSuper Disco Breaksを聞くのであれば、このから入っていただく方が・・・イイかな~と思います!!
 また、中級者以上の方も、聞いていただくと、Ulticut的なハイパーなミックスはないですが、HipHopの持つ跳ねたビートを起点に、地に足付いた鉄壁のグルーブミックスに進行するミックスと、掘りの深さが体感でき、勉強になるはずです!! 
 相変わらず、トラックリストはついてないですが、検索時代の今、気合いを入れて歌詞の一部を検索すれば分かったりするわけで、MUROさんにリスペクトしつつ、掘りましょう!!


 この作品は今となっては古いテープになるかもしれないですが、永遠にその輝きが薄れない作品だと信じています・・・MUROさん、素晴らしい作品を作ってくれてありがとうございます!!





<Release Date>
Artists / Title : DJ MURO 「Super Disco Breaks Lesson 5 - 8 」
Genre : HipHop(OldSchool,Middle)、Disco、DanceClassics、Garage、Funk、R&B・・・・
Release : 2000年4月
Lebel : KODP / Saveage
Notice : No Track List 2本組
       
Notice : CD再発について
2005年頃に4枚組CDで再発もありますが、極小プレス(1000枚?)なので、今となっては結構値段が高いです。




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<編集情報> 2009年6月15日、6月20日
 収録曲の記載に誤りがあり、訂正を行いました。

  × Central Line / (You Know )You Can Do It
        ↓
  ○ Al Hudson & The Partners / You Can Do It



<編集情報> 2010年10月3日
「色々」とあって、大規模工事を行いました・・・かなり読みやすくなったかな??
   ↓
<編集情報> 2010年10月9日
「色々」とは・・・この作品のトラックリストの公開をするためでした~♪ 興味のある方は下記リンクからどうぞ!!

「MURO / Super Disco Breaks 1-4 & 5-8」トラックリスト公開



DJ Koco a.k.a Shimokita 「A to Z」
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 たまにはレアものをご紹介しましょう~ これは持ってる方は少ないかな?

 言わずと知れた「DJ Koco」さんの作品で、2004年12月にDiscUnion新宿ClubMusic店で購入特典して配られたノベルティー300枚オンリーの1作です。
 当時の購入記録を見ると・・・多分1万円以上で配布で、私は鬼のようにミックステープを買いこんでゲットしたようです(^^;)


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 まず、Kocoさんの説明の前に、Unionの新宿クラブ店について、このテープが配布された経緯について説明しておきましょう。

 首都圏を中心に店舗を展開するCD・レコードショップであるDiscUnionは、顧客のマニアックな要望にこたえ続け、あまたの音楽ジャンルをDeepに取り扱うチェーン店です。 調べてみると、前身の会社組織は戦前からあり、レコードなどの音楽ソフトを扱い始めては・・・40年近くになるそうです!!
 首都圏にお住まいなら、お世話にならない方がいないくらい、ナイスな品揃えで、私もお世話になりっぱなしです。 今までUnionへ投資した金額を考えると・・・車とか買えちゃうんだろうな・・・(--;)

 そんな、Unionの新宿は、お茶の水と同様に、中心となる店舗が多数集まり、近年は、私も利用することが多い地区になり、Soul&Blues館新宿クラブ店中古センターなどはかなりの頻度で利用してると思います。
 そして、今回の作品に関連のある新宿クラブ店は、もともと本館の4階にあったDJ関連の内容を移動し、1店舗にまとめたお店で、2002年に開業をしてるようです。 本館の4階の時も行ってましたが、狭かったですね・・・でもいろいろと掘った記憶がございます~(^0^)
 
 んで、このCDに関しては、クラブ店が開業2周年を記念した2004年12月にノベルティーとして新宿店限定で300枚限定でプレスされ、1万円以上購入した人にプレゼントされてました。
 なぜ、Kocoさんなのかは不明ですが、新宿店については、昔っからUndergroundもののHipHopを扱っており、渋谷なんかよりも「濃い」のが多い・・・印象があり、その流れでKocoさんに打診があったのかな・・・と思います。
 ただ、面白いのが、Kocoさんのミックステープデビュー2003年8月(Koco's Jazzy Groove)であり、名作Mixtapteのリリース(Shimokita House、Who Got The Flavor、Nothin' But The Emotion Mix)等をリリースしていた流れでこの作品を作っていると思われるので、個人的には勢いがある時期(今でも勢いがあるので、初期衝動の意味かな?)の貴重な作品だと考えています。

 しかし、この作品は新宿店限定ということで、渋谷やお茶の水などでは配布されず、新宿店を利用してない人には知られず、ひっそりと終わった印象があり、中古で出るとボチボチレアな値段で出ますね。


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 んで、Kocoさんのご紹介・・・は必要かな?
 考えてみれば、このブログでは初登場になるDJですが、もうホント好きな方にはたまらないDJでしょう!!
 残念ですが、私がUndergroundなHipHopがそんなには好きではないので、真剣にはKocoさんの作品は追ってはいないのですが、バトルDJ顔負けの超絶スキル鬼Deepな掘り師っぷりを発揮した選曲で、HipHopジャンキーを完全にロックしちゃうDJですね。
 特にKocoさんに関しては、近年のDeepなMiddle School、New School、Underground HipHop等のレアなHipHopの掘り起こし作業の先駆者として重要で、沢山のDeepな曲を紹介し、後続勢(Shigeさんとかね)を排出する土壌の創出、リスナーの育成・・・等を引き起こしたと思います。
 
 ただ、個人的には作品はそんなに深追いはしてないですが、大好きなDJの一人で、何よりも現場でも超絶スキルでロックしてるのがいいんですよ!!
 一度、現場でDJを見たことがありますが、スクラッチのスキルにおぼれることなく、ショーマンシップ(ココ重要)にあふれたDJで、現場にいると野郎の心を鷲掴みな選曲とボディーアクション&スクラッチ&2枚使いにヤラれます!
 ご興味のある方は、Youtubeで検索すると絶対出てきますので、探してみてくださいね~♪


 んなわけで、このCDのご紹介~♪
 無料のノベルティーモノと言えど、流石の「Koco印」でDopeな作品に仕上がっています。

 まず、面白いのが、このCDでは、タイトルの「A to Z」が表すとおり、アーティストネームの頭文字がAの人の曲からミックスを開始し、A・B・C・D・・・とその該当するアルファベットが頭文字のアーティストの曲をミックスし、Zの頭文字の人の曲でで終わる・・・という、ミックス方式になっている点です!
 私も、ミックス作品をかなり聞いてきていますが、こういった発想の元でミックスしてる人はいないので、アイデアで負けました・・・流石っす!

 んで、実際に選曲してる曲も、AtoZで進んでいくのですが・・・Dopeです。
 内容的にはHipHopになのですが、Kocoさんの得意とするレアなMiddle/NewSchool/Undergroundで攻め・・・知らないアーティスの連続で個人的にはたじろいでしまいました(^^;)
 殆ど知らないアーティストが多いのですが、FであればFat JoeではなくFrozen ExplosionLであればLarge ProfessorではなくLateeみたいに、基準を説明するのは難しいですが、我が道を行くチョイスには完敗です!
 まあ、収録曲で知ってるアーティストが上記のぐらいだったので書きましたが、後は聞いたことがあるのかも知れないですが、知らない方の連続です・・・でも、知ってる方であれば、渋いな~と声をあげちゃうかも知れないですね。
 今回、この記事を書くにあたって、収録曲を調べてみると・・・ヤフオクとかで大変な値段なのもあるようですね・・・皆さん買ってるな~(^^;)

  そして肝心のミックスは、AtoZで進めるので、全体的なミックスの流れはラフなつくりになってますが、要所要所で飛び出すKoco印のスクラッチ&2枚使いが最高で、氏のミックスレベルの高さが発揮されている内容だと思います。
 個人的にはLatee/this cut's got flavorでのイントロ2枚使いがDeepで、バトルDJにも引け劣らない音の出し方がヤバいっすね!


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 あと、内容的にな部分が少なめだったので、小ネタを入れますね(^^;)
 この新宿ユニオン限定作品は、実はコレだけではなく、2006年の大晦日にもKoco作品が配布されています・・・それも1日限定で100本オンリーのミックステープです。
 当時の新宿店のブログを見ると、5000円以上で1日だけ配布のようです。
 当日の私を記憶と購入記録で判断すると、大晦日なので当然の如くレコード屋をハシゴしていて、渋谷の後に新宿にも行っており、新宿クラブ店も行きましたが、食指が動かなかったようです(^^;) なお、地下のSoul館ではしっかりと12inchを買ってますww
 まあ、今となっては勿体無いことをしたかな~とも思いますが、店内を見回す限り、そんなにこのテープ目当ての人はいなかったような記憶があります。
 2006年であれば、完全にミックス作品はテープからCDに移し、ユーザーもテープを求めるものが少ないので・・・そんなには盛り上がらないっすよね(^^;)

 なお、このことは、先月、渋谷のユニオンでこのテープが売りに出てたので思い出しました(^^;) 上記の写真は渋谷店のブログよりお借りしましたが、鬼な値段で出てたので、手にとって10秒ほど迷いましたが、買いませんでしたww 気になる値段は「こちら」からどうぞ~♪ 


 んでは、Kocoマニアにはたまらない一枚のご紹介でした~
 他の作品も、機会があったら紹介しますね~(^0^)


<Release Date>
Artists / Title : DJ Koco a.k.a Shimokita 「A to Z」
Genre : HipHop(Middle、NewSchool、Underground・・・)
Release : 2004年12月
Lebel : Donuts Record No Number
Notice : 新宿Union/Club Music Shop ノベルティー 300枚オンリー


<追記>2009年4月19日
新宿のUnionクラブ店の写真を撮影してきたので、追加アップ。

DJ Leah 「Moments」
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 詳細はまったくもって不明なのですが、沖縄に在住している女性DJ「Leah(リア)」さんによる、DanceClassics / Garage / Loft 関係のナイスミックスです。
 ユニオンの店内でBGMとしてかかってて、レコード掘りながら聴いてたら、いいミックスだったので、発売時(2007年11月)にインフォなしで買った1枚で、内容の良さから、結構繰り返し聞いてる作品です。

 残念ながら、ググってみても、全然ヒットしない方で、詳細は不明なのですが、ユニオン等のリリースインフォ・CDの帯を見ると、沖縄に住んでる女性DJ・・・とまでは分かりましたが、その他は一切不明です・・・地方の壁は厚いですね~(^^;)
 以前紹介した静岡の小雪さんとか、地方のDJの中には、ホントDOPEなミックスが出来る方が多く、まだまだ紹介してない人(新潟のYoshiiさん、大阪のPaulさん・・・など)も多いのですが、今回のLeahさんについては、個人的にはこの作品しか聞いたことがないですが、間違えないDJだと思っています。
 

 まず、一般的な扱いでいくと「ダンクラ」の範疇に入るミックスになりますが、選曲・ミックススタイルが「Loftスタイル」を踏襲し、普通にダンクラのミックスCDを聞いてる人には、難解な選曲で、かつ地味なDJミックスのように感じると思います。

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 皆さん、「Loftスタイル」って分かるかな? ちょっと補足しておきましょう。

 70年代の初頭、NYでDavid Mancusoが始めたパーティーが「Loft」で、大雑把にいうと、現在の「クラブ」の原型ともいえるパーティー・クラブです。
 左上のデザインは見たことがある方が多いと思いますが、実は影響度がホント大きいパーティー&人物だと思います。
 詳細は避けますが、主催者であるDavidが理想とした「最高の音響システム」で演出するダンスパーティー・・・と言った感じで、それこそ「音響・PA・スピーカー」の重要性だとか、「ジャンルレスな選曲」、「選曲でDJとお客さんがコミュニケーション」、「物語のあるDJミックス」などを創出し、この影響を受けLarry Levanが更に進化して現代のクラブへ発展する・・・みたいな流れがあります。
 もっと詳しく知りたい方は、名著である「Love Save the Days」を読んでみましょう!

 んで、私が「Loftスタイル」と使う時は、DJミックスにおけるミックス方法の技術の一つを指し、Davidが今でも行ってるDJ方法=曲を頭から最後までかけて、次の曲へはフェードアウト・フェードイン・・・つまり「ノーミックス」の方法を指します。
 BPMでのミックスは、70年代初期から中盤には登場しますが、Davidは、自身の音響追及の果てに1本辺り?十万円の日本産レコード針「光悦」を使うようになり、この針はプレイ中のバックスピンが出来ないので、ノーミックスの方法になった・・・と言われています。

 今であれば、DJ技術も進化し、スクラッチをしながらミックスしたり、BPMを合わせてミックスしたり、曲をつなぐ際は何らかのアクションをしないとDJミックスではない・・・と思われがちだと思います。
 しかし、そういったミックスの技術を使うことで「選曲」なり「音楽の良さ」「音の良さ」を誤魔化すことが実は可能になり、「選曲=Music Journey」という意味でのDJミックスの素晴らしさを消してしまう・・・恐れがあります。
 その限りにおいて、Davidのノーミックスの方法は、ミックスで誤魔化すことができず、選曲のみで勝負することになり、それこそチョイスする曲や、曲順などに自信がないと出来ないミックスだと思います。
 そう、ノーミックスって、簡単そうに見えるけど、すげー難しいミックスだと・・・私は考えます。

 この間、DJ NORIさんの30周年記念パーティーの時、朝方にNORIさんがノーミックスに近い形で曲をかけてましたが・・・NORIさんの場合は、選曲ももちろんですが、気持ちの込め方、そして私を含むクラウドがその気持ちを受けることで成立していたと思います。
 実際、Davidのミックスもお客さんとの相互関係があって成立し、Davidがミックスにストーリ作りをし、お客さんがその流れに身を任せ、「音楽旅行」の旅に連れていくかのようなミックスを一晩かけて行うスタイルをとっており、最強の音響設備と、Davidが好んだ「良質の音楽=Loft Classics」で夜を彩ったと聞きます。
 この「Loft Classics」って言葉もよく聞くんじゃないかと思いますが、意味合いとしてはLarryが好んでかけてた音楽=Garageと形容されるように、Davidがかけてた曲のことを指し、具体的には・・・Garageと同様にジャンルではないので、種類が幅広く、形容が出来ないですが、JazzFunk的な楽器が躍動する音楽とか、プログレとか、ダブのような音響性に優れた音楽を指すことが多いかな~と思います。
 
 サクッと説明できなかったですが、私の中では、以上のような流れがあって、「選曲性の高いノーミックス」のDJ方法を「Loftスタイル」と呼んでます。


 そんなわけで、話をこのCDに戻します。
 前記したとおり、全体のミックスを「Loft」スタイルでミックスをし、Loftライクな渋い選曲でミックスを進め、しっかりとストーリ作りをしてる点で大変好感が持てるミックスに仕上がっております。

 ミックスに関しては、場合によってはパンチイン気味にミックスしたり、途中で切ったり・・・と完全なLoftスタイルではないのかも知れないですが、凄い良いミックスになっています。

 それもこれも、Loft魂がさく裂な「ナイスな選曲」があってだと思います。

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 また、ブートも再発も込みですが、私が持ってるレコ以上に渋いけど、いい曲が満載です!
 このCDの帯には「すべてオリジナルのアナログ盤を使用し、音質にこだわり抜いた・・・」とあり、上記の酷いブートなRiscoもオリジナルだろうし、まだ万越えなSylvesterとか、Candidoのスーパーレアな12inch曲とか・・・気合いがないと揃えることが出来ないレアなレコード満載で、大変なことになってますよ・・・
 また、レアだから曲がいいわけがない場合もあるわけで、私でも買えるJacksonsのLPオンリーのメロー曲だとか、Pam Toddだとか、定番のCentral Lineなど・・・穴な曲や、定番も交えており、選曲のバランスは悪くないです。
 全体的には、ダンクラでもない、Garageでもない・・・しいて言うと「Loft」的な曲が多く、いいスピーカーで聴くと、レコードから瑞々しいリズムが流れてきそうな楽曲をチョイスしており、一般的には取っ付きづらいかも知れないけど、好きになれば一生もの・・・な曲が多いっす。

 んで、何よりも「曲順」つまり「選曲」が大変良く、しっかりとストーリー性をキープしてる辺りは大変いいですよ!
 どれも「渋い」の範疇が多い楽曲を、しっかりとコントロールして、ミックスの山谷や、右左を作り、ミックスに流れを作り、上下の揺れがある緩やかな上昇カーブで最後のSylvester / Over and Over に持っていくあたりはいいですよ!
 ダンサンブルな曲も有れば、メローな曲も、歌もあればインストも・・・選曲の妙をご紹介するのには私の知識(レコ在庫)が足りないので、これ以上は説明できませんが、下手にスクラッチとかで誤魔化してるDJのミックスなんか聞けなくなっちゃうぐらいの「選曲」の良さに感服です!!

 私はDavid師のプレイを未体験なのですが、各種体験談なり、私の音楽旅行体験(MUROさんと、Dannyと、Joeはいいところに連れてってくれました)を照らし合わせると、Leahさんのプレイは、David師にも引けを取らない好内容になっています。
 Loftスタイルとは言い切れない所もあるかもしれないですが、真摯に1曲ずつプレイする姿は、CDを聞いているだけで想像でき、David師も納得しちゃうような・・・出来になっていると思います。


 んなわけで、説明の後半は、やや抽象的になりましたが、初心者の方でも聞いてみると一曲づつは馴染めないかも知れないですが、気づいたら選曲の流れに引きづり込まれ、気持ちよく流されちゃう・・・1枚のご紹介でした。
 次回作とか、他の作品とか・・・有るんでしょうかね(^^;) あったら、スゲー欲しいです!


<Release Date>
Artists / Title : DJ Leah 「Moments」
Genre : Music Like 「The Loft NYC (DanceClassics、Soul、Funk、JazzFunk、Latin、Garage・・・)」
Release : 2007年11月
Lebel : Pimpin' Productions PP-01

※同名のDJとか、近い名前のDJがUSにいるようですが、恐らく別人です。 また、検索をすると「ポイしないで!」でおなじみのリア・ディゾンに引っかかることもありますww
DJ MURO 「Super Disco Breaks Lesson 1 - 4 」
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 つっ、ついに・・・コレを紹介する順番になりました!

 MixTapeKingである「MURO」さんの代名詞「Super」シリーズの第一作目のご紹介です(^0^) 頑張って、書くぞ~


 聞いたことはなくっても、このジャケットは見たことある方が多いかと思います・・・2本組み仕様の作品で、インパクトも絶大で、中古市場では、なかなか値下がらない一本ですね。
 98年にリリースされた作品で、MUROさんの「現場」でのDJプレイ・選曲に焦点を当て、MUROさんにしか出来ないセレクションを、圧倒的な質量で攻め立てる・・・「MUROクラシック」満載な作品です。
 
 私は完全に後追いで購入し、若い頃は理解出来なかった部分もありますが、MUROさんの現場でのDJプレイなどを体験・理解し、自分の経験値が上がったことで更に理解が深まったことで、好きになった作品・・・というか、MUROさんの「凄さ」を教えてもらった作品だと思います。

 思い入れが強いので、色々と小ネタを挟みつつ紹介をしたいと思います・・・





<Superシリーズ&現場のMUROさんについて>

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 まず、Superシリーズについてのご紹介ですね・・・

 このシリーズは、現在では「ある特定のジャンル」や「サブジャンル」をミックスするときに使われるシリーズで、写真右のように、近年の作品(CD作品)ではReggaeとかHouseとか、B面曲とか・・・MUROさんにしかできない「ワンテーマ」でミックスをしているシリーズになります。

 しかし、テープ時代の第1作目のこれは、タイトルの通り「Disco」モノをテーマに・・・という訳ではなく、DiscoやDanceClassics、Old School HipHop、Middle HipHop、Funk・・・などの様々な旧譜曲を使用して、それこそ現場で盛り上げてるような・・・MUROさんなりの「Disco」=「B-Boy Disco」を表現した作品だと思われ、かなり多岐にわたるジャンルをミックスをしており、MUROさんにしか出来ない「世界」をミックスしています!

 このシリーズの初期作(テープ時代)に関しては、MUROさんのミックスの特徴である「オールジャンル・ミックス」を主軸にしつつ、そのお題に沿ったテイストを披露する・・・みたいな趣向が強く、私もそうですが、これらの作品を聞いて、MUROさんの「深さ」を知ったって方が多いと思います。
 特に、MUROさんを代表する曲が多く選曲されていることから初期シリーズの人気は高く、ここ最近は再発されたCD盤のレア価格が凄いことになり・・・人気が衰えない証拠だと思います。


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 ただ、それまでのMUROさんのミックス作品と比べると、この作品って、実は異質な存在でもあります。

 この作品がリリースされた98年頃までというと、代名詞である「King Of Diggin'」シリーズや、「Diggin Ice」「Diggin' Heat」シリーズがリリースされ、市場やリスナーからの評価はかなり上々だったと思いますが、これらのテープシリーズは「ネタもの」や「Chill Out作品」としての側面が強く、どちらかというと「打ってない」感じですよね・・・
 とは言うものの、MUROさんが実際にクラブとかラジオでプレイすると、ミックス作品のような「打ってない」選曲ではなく、お客さんなりリスナーを「盛り上げる」選曲をしてるわけで・・・現場では結構「上げた」プレイをしているわけです・・・

 そう、私が言いたいのは、今回紹介するSuperシリーズの初期作は、MUROさんの「現場」でのプレイを色濃く反映させたシリーズであるということです!!

 現場・・・つまり「クラブ」だとか、MUROさんであれば「ラジオ」とか、お客さんを盛り上げることは至上命題なわけで、その至上命題を達成するべく・・・プレイしていたのが「このテープで選曲された曲」だと思います。

 この作品がリリースされた頃は、クラブでのMUROさんのプレイは聞いたことがなく、サイファーを聞いて楽しんでいた程度でしたが・・・ラジオを聞いてるだけでもMUROさんのファンキーなプレイは堪らなかったし、後追いでMUROさんのプレイをクラブで聞いたら・・・メチャクチャカッコ良く、かなり影響を受けました!!
 私自身は、MUROさんのパーティーに行くようになったのは、数年前ぐらいからで、ちょうどHarlemで「Back to the Old School」というパーティー(写真左)を開催してた頃で、このパーティーでのMUROさんのロングセットプレイを聞いて、ヤラレました!!

 数名のクルー(KODPクルー)を従え、サイドMC(当時はヒコがメインだったかな?)を導入し、Old Schoolなフィーリングを出しつつも、MUROさんらしい幅の広い選曲、2枚使いなどを多用したDJプレイ等が、ホント上手くかみ合い、騒がずにいられないパーティーでした。
 HipHopのド定番曲の連続ミックスや、今回のテープに収録されてるようなMUROクラシックな旧譜(Disco、DanceClassics、Funk、R&B・・・)なども選曲し、調子がいいとHouseだったり、朝方はカプリもびっくりなスローなR&Bを選曲し、ホントたまらんパーティーでした(^0^)

 MUROさんのDJも結構アグレッシブに攻めていて、2枚使いの切れも良く、終始テンションが高めで、観客側も上がりっぱなしで、曲によってはMCたちの絡みが混ざり、曲が更に良く聞こえました。
 Zeebraじゃないですが「選曲で盛り上がるパーティー」をまさに表現しており、私を含めたお客さんの盛り上がり方も、HipHopのパーティーには珍しい位盛り上がり、個人的にはDanny Krivitとかのパーティーと同じような盛り上がり方をしており、気持ちよく騒げた&踊れました。
 
 私が体験したMUROさんのパーティーは、このテープのタイトルじゃないですが、B-Boy達の進化した「Disco」・・・まさに「Super Disco Breaks」だったと思います。
 MUROさんって、かなり「嗜好性」の強いDJをしてるイメージが強い・・・と思われがちですが(特に最近のDJはそうかも)、かなり「上げ」なDJも出来ますよ・・・また復活してほしいな~12inchでのロングセット・・・


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 話をテープの内容に戻しましょう・・・

 今回のテープは、現場のMUROさんの志向性が強く反映された選曲になり、今となっては「MUROクラシック」として広く流通、または「MUROさん発」としてDJ業界に広まった曲などが多数収録されています。

 現場で使ってる曲・・・なわけですから、「盛り上げること」を念頭にしており、いろんな現場でトライ&ゴーで選曲した曲の中で、お客さんの評価という「ふるい」にかけられ、残っていった「珠玉の1枚」たち・・・つまり「一軍」な曲が多いです。
 現場ではド定番なHipHopなんかもかけますが、今回のテープにおいてはMUROさんの「掘り師」としての腕を生かして、誰も知らなかった良曲だったり、見逃されてた曲だったり・・・別のテープと同様にMUROさんらしいセレクションで、当時も今も現場をガンガン湧かせてる曲が多いですね。

 トラックリストがない作品なので、ネタばらしになってしまいますが、収録曲のレコ写を使いながら説明し、MUROさんのプレイの素晴らしさを説明したいと思います・・・
 なお、レコ写については、ブート&再発込みです・・・ご了承ください・・・





<作品について>

 まず、選曲系の話から行きましょう・・・

 HipHop、DiscoやDanceClassics、SoulやFunk、その他にも色々とありますが、このテープの中心になるのは「掘らないと巡り会えない旧譜のレコード」で、MUROさんが現場でプレイしてフロアーを盛り上げていた曲が大変多いです。
 特に、タイトルの「Super Disco Breaks」の通り、MUROさんが考えるDiscoを想定したような選曲で、大変「跳ねた」印象のある選曲になっており、聞いてるだけでテンションが上がってくる・・・そんな感じのプレイになっています。

 以下の説明では、大きく分けて「OldSchool&Middle HipHop」「Disco」が白眉だと思うので、その二つに分けてご紹介します。


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 今回のテープではOldSchool期、Middle期のDeepなHipHopが多数収録されており、代表的なのを上げてみました・・・ほぼ、再発盤で申し訳ないのですが、今でも値段が高いレアな作品が多いですね・・・

 上記のRising' to the Top使いの「Super 3 / When You're Standing On the Top」だったり、Resucu Me使いの「Nice & Nasty 3 / The Ultimate Rap」などのレアOld Schoolは、今となっては知られてはいますが、このテープで聞いて存在を知った方が多いんじゃないかと思います。
 時期的な話は分からないですが、MUROさんが発掘し、使い始め、皆に知られるようになった・・・類の曲で、「MUROディスカバー」と言っても過言ではないでしょうし、MUROさんの美学である「堀り」が生んだ曲だと思います。

 その限りにおいて、下段の「Kev-E-Kev & AK-B / Listen to the man」は象徴的でしょう・・・
 DopeなFunky Drummer使いで今となっては有名ですが、これもMUROさんのパワープレイで有名になり、今でも万越えな1枚ですよね。
 現場でも、サイファーでもパワープレイされ、この曲の虜になった方も多数だと思うし・・・MUROさん自身も大好きすぎて、JBもののRemix企画の時に、真っ先にFunky Drummerをリクエストし、Listen to the manへのオマージュも込めた名Remix(下段右)を作っています。
 この曲は・・・最強ですね!! あの小西康陽さんも、辰緒さんが編集した「Double Standard」でこのRemixを上げており、小西さんの言葉をお借りすると「並のコレクターでは絶対に作れない、並の愛情でははここまで到達できない」作品です。
 
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 あと、そのレアHipHopの流れの中で、その後MURO作品のネタになった「Don Baron / Action」(写真左)が収録されたり、そのネタ曲(Chain Reaction)が収録されてる「Vinyl Drifter」の元ネタFunk45もミックスされたり・・・曲として好きだったからネタにした・・・みたいな曲も少ないですが収録されています。

 その他にも、Soho使いの「REM / Radio Song (KRS Remix)」とか、今でもウルトラレアなNice & Smoothのデビュー作である「Dope on a Rope」とか、「Divine Force / My Uptown Beat」など、レアどころが多数収録されており、MUROさんが発信して市場で知られるようになった・・・曲が多いかな~と思います。
 今となっては、他のDJのミックスに使われることも多くなりましたが、思い返してみてもMUROさんがきっかけで市場に知れ渡ったことは明白で、何よりも後ほど紹介するプレーのカッコよさがポイントだったのかな~とも思います。



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 そして、この作品の肝となるのが「Disco」などの旧譜群で、この辺りは影響を受けた方が多いかと思います・・・私はかなり影響を受けました! 
 結構、選曲的にはDeepな印象が強かったのですが、改めて聞き直してみると、定番を絡ませつつ、MUROさんらしい掘りの聞いたチョイスが生かされており、こちらも素晴らしです。

 まず、指摘点として、ドラムブレイクがカッコいい曲がチョイスされている印象があり、後ほど詳しく書きますが、HipHop的な感覚で選曲をしている点が感じられます。
 それこそ、ド定番な「Freedom / Get Up And Dance」のようなアルティメット収録曲や、今となってはMUROクラシックとして有名な「Edwin Star / I Just Wanna Do My Thing」なんかをプレイしています・・・Edwinの2枚使いはカッコよすぎですね!


 また、流石MUROさんみたいな「掘り」が生かされてるみたいな曲も多く、写真左下の「Cerrone / Hooked On You」は、今となっては定番ですが、当時は鬼高でしたね・・・
 最近は安くなりましたが、ほぼLPオンリーな曲(カナダ盤のみ12inchあり!)も見逃さない辺りは素敵ですね!!

 あと、写真右下の「Aleem / Release Yourself」であれば、Disoco/Garage/House系の映像作品として重要な作品だった映画「Maestro」の発表以降に盛り上がった1枚ですよね・・・その発表のさらに前である98年の段階で、しっかりと入れてる辺りは・・・流石です・・・
 ただ、この収録してるバージョンが、84年頃に作られたマスターミックスもののブート12inchに収録された一節からプレイしてるんですよね・・・流石にKing of Diggin'です!


 その他にも、Risco Connectionのレゲエ調カバーとか、Terri Gonzalez版のI'm Caught Upとか・・・98年の時点で掘ってるのかよ!って感じのレア盤が多く収録され、ヤラれますよ・・・


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 あと、個人的には、このテープに収録はされていたけど、実際の「現場」に行って理解が出来た・・・って曲もありました・・・

 例えば、写真左の「T.S Monk / Bon Bon Vie」は、そんなにメジャーでないレコードですが、クラブでは、KODPクルーのMC陣がカッコよく煽りながらミックスしていて、好きになった1枚です。
 また、右の「Denroy Morgan / I'll Do Anything For You」は、ミックステープでは定番ですが、クラブに行って、クラブの爆音で聴くと、その音のヤバさにハメられた1枚です・・・よく「いいスピーカーで聴くと、その音の魅力が更に発見できる・・・」なんていいますが、私の中ではこれが代表作です。

 ちょっとまとめると、Discoやダンクラなどの旧譜群は、昔から使われている定番も多いですが、知られていない曲が圧倒的に多く、この作品を聞いて曲を知ったという方が、HipHop方面の選曲と同様に多いんじゃないかと思います。
 私自身は、何年も聞き倒し、曲名は知らないけど体が覚えてる・・・ってことが多く、後追いでオリジナルのレコードを買ったりしましたが、そんなに高くないのもあります・・・
 玉石混交の昔のレコードの中で、これほどまでカッコいい曲だけ抜いてくるって時点でKingの耳の確かさが分かりますが、値段に関係なく、イイ曲をプレイするって姿勢も素敵ですね(^0^)



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 そして、次からの話がこの作品の「肝」になってくると思います・・・

 この作品に関しては、先に触れました通り、MUROさんが解釈する「Disco」=「B-Boy Disco」を表現した作品だと私は考えています。
 そう、この作品は、先ほど紹介した「HipHop」と「Disco」が融合した作品で、MUROさんにしか作れない世界(もうSuper Disco Breaksとしか言いようがない!)に仕上がっていることで、その世界観を作る上で大切なのが、選曲面で紹介した「HipHop」と「Disco」がメチャクチャカッコよく「ミックス」されている点です!
 分かりやすい言葉だと、70年代のブロンクスなどであった「ブロックパーティー」って言葉がしっくりくるのだと思いますが、そのエッセンスを更に昇華し、何とも言えない「躍動感」に満ちた世界に仕上がっていると思います。


 象徴的な例だと、写真上段の「Super Wolf / Super Wolf Can Do it」「Denise Lasalle / I'm So Hot」の繋ぎですね・・・嫁のヒット曲「I'm So Hot」を、旦那のWolfがカバーしたわけですが、MUROさんはWolfのインストから嫁に繋ぎ、今となってはMUROさんを代表する黄金ミックスというか・・・このセットで1曲ですね!!
 また、下段の「Mel Brooks / It's Good to be the King」→「Sylvia / It's Good to be the Queen」繋ぎもそうですかね・・・MUROさんはkingのインスト部分で煽りながら、Queenに繋いでいくことが多いですね・・・

 この二つのミックスは、実は「Lesson 3の後半のミックス」ですが、ここのラインは好きな方が多いんじゃないですか?

 まあ、元ネタ繋ぎみたいなもんなので、思い付かないわけはないと思いますが、聞いててホント違和感がなく、かつ躍動的なミックスで・・・私も好きなラインなんですが、考えてみると、それまで組み合わさることが決してなかったパズルのピースが、MUROさんの手によって豪快に組み合わさり、何とも言えない「グルーブ」に仕上がっているんですよね!!
 このミックスラインが面白いのが、Disco系の曲を、上手くOldSchoolのHipHopと混ぜ、HipHop的なミックスで繋ぎ合わせている点で、この作品の象徴的なラインでもあると思います。


 この作品は、後でも書きますがトラックリストがない作品で、自分で聞き続けながら曲を探していった経緯があります・・・
 んで、自分が掘った限りだと、収録曲はレコード屋さんでは確実に売り場が違うことが多く、その限りだと「掘る」という作業も凄いのですが・・・その異ジャンルの曲達を、MUROさんの号令の元、同じグルーブの下にいることに驚きを隠せません!!
 上記のレコードは比較的分かりやすい例ですが、聞き込んでいくともっとドープで・・・考えれば考えるほど頭が痛くなる位ビックリさせられます。

 MUROさんの凄いところって「異ジャンルまたぎ」を平気でやってしまうところだと思いますが、この作品を聞いて痛感するのが、それが更に押し進み、MUROさんにしか出来ない「グルーブ」にまで昇華されている点だと私は思います。
 きっと、現場という環境で研ぎ澄まされ、残った曲とミックスが収録され・・・結果として誰にも作れない「グルーブ」になったのだと思います。
 もう、まさに「Super Disco Breaks」としか言いようがない内容です!!


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 んで、Lesson 3の後半のミックスの話をさせてください・・・MUROさんの「DJとしての技」がしっかりと光っているからです!
 
Loftクラシックとしても有名な「Joyous / Pleasure」から始まるラインで、おそらく以下のように選曲されています(間違ってたらごめんなさい)

・ Joyous / Pleasure
・ Super Wolf / Super Wolf Can Do it
・ Denise Lasalle / I'm So Hot
・ Sugarhill Gang / This is for the Lover in You
・ Kurtis Blow / The Breaks
・ Terri Gonzalez / I'm Caught Up
・ Mel Brooks / It's Good to be the King
・ Sylvia / It's Good to be the Queen
・ Universal Robot Band / Dance and Shake Your Tambourine
・ General Johnson / Can't Nobody Love Me Like You Do
・ Silvetti / Spring Rain

 かなり「上げ上げ」な選曲で、MUROさんのキラーチューンが満載で堪らないですね・・・先ほど提示したようなHipHopじゃない曲を、HipHopの感性でミックスしており、非常に躍動感のあるラインになっています。
 んで、このラインでのポイントが・・・大半の曲を「カットイン」でミックスしており、曲を入れた瞬間の「破壊力」が尋常じゃないんです!!
 よく、私の書く文章で「殺しのミックス」なんて書いていますが、ここのラインに関しては、その「殺し」が連続で・・・大変なことになっています!

 例えば、写真左の「Universal Robot Band / Dance and Shake Your Tambourine」は、メチャクチャカッコいいスクラッチカットインで繋げていき、一気に空気を引き込むし(ボリューム調整は失敗?)、同じような類だと「Silvetti / Spring Rain」も、Grandmaster Flashのバージョンで一気にカットインし、空気を持っていき・・・何度も殺されます(^0^)
 無論、このラインはどの曲もメチャクチャカッコいいカットインをしてて、悶絶の連続です・・・連続なのに、グルーブが全く切れず、高いテンション維持したままグルーブを引っ張り続けるっていう点もヤバいっすね!


 MUROさんって、あんまりDJとしてのテクニックが上手いとは世間では認識されてないと思いますが・・・そんなことは絶対ないと思います!!
 
 見た目は控えめなミックスで、派手な技がなく、どちらかというと「シンプル」なミックスであるのは確かなのですが、その「シンプル」さに「切れ」があるんですよ・・・
 上手くは説明出来ないんですが、ここぞという時の選曲に「パンチ」のあるミックスをし、その曲を光らせ・・・場合によっては聞く者を一発でノックアウトさせるミックスみたいのが上手いと思います。
 上記に上げた例なんか、もうホント「国宝級のミックス」で、これ以外に聞き方がないってぐらい素晴らしいミックスだと私は思います・・・

 特に現場で、この作品と同様の「Super Disco Breaks」スタイルでDJをするときは、そのミックスが冴えまくり、ガンガン打ってくるんですよね・・・こっちも音に入っている状態でプレイしてくるので一瞬で「殺され」ます!
 HouseのDJがタメにタメて盛り上がり曲をプレイするような感覚を、HipHopのスタイルで実践してるようで、曲の良さは無論ですが、MUROさんの選曲手腕とミックス技術の良さがあってだと思います・・・
 ちなみに、自作の金色では、House的なグルーブミックスが冴えており、こっちもイイですね!!


 今回の作品紹介では、この作品が「現場」でプレイしていた楽曲・・・という点を指摘しましたが、選曲としてはかなり現場で多用していた曲であることは間違えないと思います。
 ただ、それに付け加えたいのが、ミックスにおいても「現場で培われたテクニック」が生かされている点で、MUROさんが作り上げた鉄板ミックスは「一夜にして成らず」ということをご理解いただければ・・・と思います。



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 最後に、ちょっと大切なことを書きたいと思います。

 この作品って、MUROさんのプレイを通して有名になった曲が多いと思うんですよ・・・レコード屋さんの曲紹介でも未だに「Super Disco Breaks」収録みたいな説明がつくことが多いですからね・・・
 この作品に収録されている曲は、今となっては有名な曲が多いですが、ほとんどの曲がMUROさんが掘り起こし、発信したと言っても過言ではなく、このテープや現場で聞いて、その曲の良さを教わってきた・・・っという流れが絶対にあると思います。

 ただ、個人的には、それらの曲は、表現としては「MUROさんから教わった」曲と感じることが多く、私と同様に同じ思いを抱いている方が多いと思います・・・そう、これが大事なんですよ!!

 それこそ「Forget me nots」とか、「Over Like a Fat Rat」などのようなド定番のDanceClassicsとかは、他のDJ達も選曲してましたので、自然と好きになっていきましたがが、これらの「MUROさんから教わった」曲って、普通に暮らしてたら知り合えないであろう・・・そんな曲が多いかと思います。

 当時としてはマイナーな曲ですが、MUROさん独自の審美眼によって掘り起こされ・・・華やかな曲だったり、踊りやすかったり、首を振りやすかったり、歌詞を歌ったり・・・その人によってとらえる部分は違うかも知れないですが、曲としては長く付き合える「良曲」が多いと思います。
 また、選曲の文脈としてHipHopの流れとしてかけているので、HipHopしか知らない未熟なリスナーにも聴きやすい形で提供してくれ、かつMUROさんの人柄が現れたようなポジティブな曲が多く、誰でも好きになれる曲が多いと思います。

 そう、MUROさんから教わった曲って、玉石混交なレコード箱からMUROさんが掘り出し、その曲が光るような方法で教えてくれたのだと思います!!
 他の作品(Diggin' Iceとかね)もそうですが、この作品に関しては「盛り上げ曲」を披露をしたという意味では、大変意味のある作品だと思います。

 
 また、もう一つ重要なことを付け加えておくと、この作品がリリースされた頃(98年ぐらい)って、未熟な少年・少女がリスナーの大半であったので、この作品に収録されているような「過去の曲」でも良い曲がいっぱいあるんだ・・・と気付かさせ、過去を掘ることの大切さを教えてもらった点も大変価値があると思います。

 私もそうでしたが、過去に目を向けさせ、レコード屋で掘ることの大切さを知り、時に真剣だけど、楽しみながら音楽と共にする・・・みたいな態度を教えて貰ったような気がします。
 MUROさんが、どういう気持ちでこれらの曲を選曲してたかは分からないですが、リスナーが楽しんでくれるように・・・という点と、自身が持つ「掘る」という遊び心が昇華し、これらの曲をミックスするようになったのかな~と思います。
 そういった先輩であるMUROさんの背中を見て、私達が育っていったのかな~とも思います。


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 そんなMUROさんの背中を見て育った私は、この作品に収録されている曲はMUROさんから教わった曲が多く、頭が上がりません・・・なので、感謝の意をこめて「教わった」という言葉になります!!

 今回の作品紹介で写真を貼ったレコードは、殆どがMUROさんからその曲の良さを教わり、レコードを探して購入したのが多いです。
 なお、このテープがリリースされた際は、このテープは購入してなかったので、私の場合はどちらかというと「Da Cypher」でのプレイで曲を教えてもらった・・・という表現の方が正しいかもしれません。

 まず、SugarhillモノはMUROさんから教わって買ったのが多いですね・・・結果としてこの作品のキーポイントであり、HipHopとDiscoを結果として橋渡しをしていることが多いので、MUROさん自身も結構好きだったんじゃないかと思います・・・・私も影響を受けて、色々と買いました!
 まだ紹介してない範囲だと「Sugarhill Gang / The Lover in You」とか「Positive Force / We Got The Funk」なんかもMUROさんから曲の良さを教わりました(^0^)
 特に「The Lover in You」は、ピッチ早目のプレイを聞き、そのカッコよさにヤラれました・・・初めて聞いたとき、普通のダンクラかDiscoかって思ってて(曲名を知らなかった)、調べていって、行きついた先がSugarhillだったので、かなりビックリした記憶があり、MUROさんって凄いな~と思った記憶があります。
 なお、このテープだと音の調整がちょっと失敗して、グルーブが一度落ちているのはご愛嬌ですね(笑)

 また、「Denise Lasalle / I'm So Hot」は、自分をDisco方面に興味を持たせてくれた曲で、高いレコードが買えなかった学生時代に奮発して買いましたっけ・・・そのうち、アメ盤のプロモ12inchも欲しいですね・・・
 このテープを象徴する曲でもあるし、当時のCypherでもよくプレイしてたことから、MUROさんを象徴する曲で・・・まさに「MUROクラシック」な曲の一つだと思います・・・皆さんもMUROさんからこの曲を教わり、このLPをちょっと高い値段で買ったって方、多いんじゃないでしょうか?
 ちなみに、今の私の「音楽趣味」はかなり雑多なのですが、Discoやダンクラ方面の影響は、MUROさんから頂いたものが多く、MUROさんを通して更に深いところまで進み、その後もHouse的な趣味に繋がっていったのもMUROさんのおかげだとだと考えています・・・

 あと、「Silvetti / Spring Rain」は、今となっては定番になりましたが、当時は「MCの煽り」入りのレコが何なのか全く分からず、調べていった結果、Grandmaster FlashのミックスCDのレコード盤からプレイしていることが判明し、その「掘りの深さ」にヤラれ、高くならないうちに買った記憶があります。
 私の記憶だと、Flashのミックスしたレコードは、当時は全然高くなく、市場で全く評価されてなかったのですが、MUROさんのプレイで一気に火が付き、マックスで5000円ぐらいまでいったと思います。
 これに関しては、MUROさんの「耳の良さ」の勝利でしょう!! 過去ばっかり掘るのではなく、現行のレコも掘らなきゃダメっていう「掘りの柔軟さ」を教えてくれた曲でもあります。


 曲単位で行くと、まだまだ言いたいこと(?)が多いのですが、長くなるのでここまでにしましょう・・・

 最初はCypherでのプレイで影響を受け、それからこの作品を聞いて影響を受け、その後にクラブでのプレイで影響を受け・・・長い年月をかけ教えてもらったような気がします。
 昔は分からなくっても、後になってその曲の良さが分かったり、ずーっとイイ曲だな~と曲名を知らずに思っていて、レコ屋の店内でかかってて、速攻でその中古盤を買ったり・・・色々ありましたが、結局はMUROさんに教わった・・・その一言に尽きると思います。

 そう、この作品ってトラックリストがないんですよね・・・そこもポイントですね・・・
 なぜ、トラックがついてないのかは明確な理由は分かりませんが、私としてはついてなくって逆に良かったと考えています・・・
 自分の人生の中で、MUROさんのこれらの曲をタイトルを知らずに体で覚え、頑張って探した「経験」は何事にも変えられないですから・・・これからも頑張って探したいと思います(^^;)

 そして、教わった曲はこれからも大切にしていきたいと思います・・・まだまだタイトルが分からない曲が多く、捜索の旅は続きます・・・(^^;)





<最後に>

 いや~、長くなりましたね・・・だけどこの作品の魅力を100%は表現できなかったです・・・残念です(^^;)
 私も結果としてメチャクチャ影響を受けたし、これを読んでいる方でも頷いてくれる方も多いかと思ったので、頑張って書いてみました。


 ただ、べた褒めばかりも変なので、マイナス面も書いておきましょう・・・

 ミックステープでは肝心な「ミックスの流れ」は、割とアバウトに作られ、聞き方によっては「ダレちゃってる」ところも結構あり、かなり聞く側が分かってないと辛い内容だと・・・思います。

 2本組みなので4トラック、合計180分のロングジャーニーなテープですが、それぞれのトラックのミックスに、物語りとしての「流れ」があまりなく、印象として「ラフ」な印象があり、ミックス作品としての「掴みどころ」がちょっと少ないっすかね?
 また、要所要所で「殺してくれる」ミックスが満載なのは確かなのですが、聞いてる人がある程度その曲を知ってないと辛いと思うし、万人向けな流れではないところも多く、聞く方が経験値がないと理解が出来ない・・・ってところもポイントだと思います。

 なので、話題性で買ってしまい、聞いていて「なんか聞きづらいな~」と思った方も多いかと思います・・・私も実はそうでした・・・


 でも、今回聞き直してみて分かったのですが、掘るという行為や選曲のセンスなど、レコード知識やDJミックスの知識が理解し、聴く側の「経験値」が高くなると急に楽しく聞けるようになり、やっとこの作品の凄さが理解できた・・・とも思いました。

 私もある程度は知識がある方だとは思いますが、未だに分からない曲も多く、この作品を聞き返すた度に「もっと勉強しないとダメだな~」と思い、聞き返しとレコード捜索を交互に繰り返し・・・気づいたら10年近く経ちます。
 持ってないレコードがまだまだあるし、調べても分からない曲も多く・・・まだまだ修行の旅は続きますが、この作品には「DJ・レコード掘りの真髄」が詰まっている・・・と改めて痛感しました。


 最後に、作品の価値を考えると、メチャクチャ重要な作品だと思います!
 
 時期的なことを考えると、「98年の時点でそれを掘ってたの!」って言うのもありますし、何よりも未熟だった頃のシーンに「パーティーミックスでも掘る姿勢を忘れない」っていう精神性を伝えてくれた(MUROさんが言ってるわけじゃないけどね)のは大切でしょう!
 この作品が出たことで、様々な良質なレコードが紹介された点も大きいし、DJミックスの方法でも影響を与えた点も大きいと思います・・・変な話、MUROさんのこの作品なり、MUROさんのこういった姿勢がないと、Ulticut UpsやKocoさんなんかの「掘り師ライクでDeepなミックス作品」は誕生しなかった・・・とも思います。


 市場では、ジャケットのインパクト、内容の良さから、なかなか価格が下がらない作品になっていますね・・・最近はCDの再発盤の方が高くなってますが、この「無骨なグルーブ」を体感するためには、是非テープで聞いてみてください!!
 初めて聞く方は「試される」と思います・・・だけど、一度好きになったら逃げられない世界が待ってますよ!!
 また、暫く聞いてないって方も、是非聞き直してみてください・・・気づいたら自分の経験値が上がってて、急に理解出来たりすることもありますよ・・・

 
 そんなわけで、長い紹介文でしたが、これで終わり・・・この作品の魅力がちゃんと紹介出来たか不安です・・・
 ただ、何よりもMUROさんの「現場感」が色濃く出つつ、MUROさんだから出来る「掘りの濃さ」や「カッコいいDJミックス」が体感できる・・・そんな素晴らしいミックスであることには間違いがありませんよ!!






<Release Date>
Artists / Title : DJ MURO 「Super Disco Breaks Lesson 1 - 4 」
Genre : HipHop、Disco、DanceClassics、Garage、Funk、Soul、R&B・・・・
Release : 1998年
Lebel : KODP / Saveage






Notice : トラックリストについて
 作品自体にはトラックリストは付いていませんが、中古市場を見ていると、トラックリスト付きの商品もありますね・・・
 恐らくですが、トラックリストの配布があった可能性があり、もしあったのであれば、MUROさんのお店である「Savege」とかだとトラックリスト付きで販売されていた可能性があります。
 また、Ciscoなどの重要販売店では、他の作品のリリース時には確認したことがありますが、トラックリストを店頭に貼り付け、気合を入れてメモしてる輩もいましたので、この作品もその可能性があるかも知れません・・・
 いずれにせよ、トラックリストは出回っておりません・・・悪しからず・・・


Notice : CD再発について  ※2012/11/10 修正

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 2005年7月に4枚組でCD再発(写真の左)がされていますが、かなり小プレス(1000枚ぐらい?)だったと思われ、今ではテープよりCD盤の方がレアになっています。
 ただ、細かい指摘ですが、CD再発では、テープの「Lesson 3」が「4」になっており、テープの「Lesson 4」が「3」に入れ替わっております・・・どうしてなんでしょう??

 また、2012年10月/11月には、CD再発の再発が行われ、Lesson1/2とLesson3/4の2種類が発売されました。



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<編集情報> 2010年3月7日
 悪い癖で、文章を大幅に修正しました・・・いつになったらこういうことをしなくなるんでしょう(^^;)



<編集情報> 2010年10月3日
ある「たくらみ」があり、ちょっとだけ更新・・・収録曲も半年の間に結構買いましたが、説明を入れる余地がなく、文章だけの変更でした~(^^;)
  ↓
<編集情報> 2010年10月9日
その「たくらみ」を無事に実行しました・・・この作品のトラックリストの公開です~♪
下記のリンクよりどうぞ~(^0^)

「MURO / Super Disco Breaks 1-4 & 5-8」トラックリスト公開





DJ Celory 「One Nation Under A Funk Groove」
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 久しぶりに聞き直してみたら結構良かった作品で、なんか長く聞けそうな・・・1枚になりそうです(^0^)
 う~ん、タイトルの示すとおり、Funk Grooveの名のもとに・・・人種も国境も超えたボーダーレスな地球規模な作品(?)です。


 ここ最近は新作をリリースしてないですが、近年はミックス作品を多数リリースしてるDJ Celoryさんの一枚で、いわゆる「Funk」に拘った一枚です。


 Funkって言葉は、様々な音楽、スタイルに該当するとあって、今となっては捕捉しづらい「音楽」かな・・・とは思いますが、この作品は「ド直球」なFunkを攻め抜いて、かつDeepで幅の広い選曲と、効果的なスクラッチ&2枚使いを用いて、Funkの持つ「腰に来るGroove」を最大限に表現しています。

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 HipHop以降だと、FunkっていうとJBとかDeepFunkを指すことが多いと思いますが、Funkって言葉・音楽はコレだけではありません。
 今回、Celoryさんがミックスしてるのは、上記のParlamentやZappのような・・・ブリブリなベースラインが醸し出すグルーブで攻める「The Funk」な旧譜Funkを使用しています。
 
 それこそ、Parlament/Funkadelic、Zapp、Cameo、B.T.Express、Zapp&Roger、Rick James・・・など、一言で「Funk」と言い切れちゃう曲を用いております。
 今となっては「ネタ曲」として捉えられることが多いと思いますが、昔っから人々に愛され続け、日本でも昔っから好きな方が多い・・・と思い楽曲で、まあ・・・「親父Funk」って言うと語弊がありそうですが、右の「USブラック・ディスク・ガイド」に掲載されてそうな曲が多いです・・・

 ただ、この手の曲って、HipHop以降としては「ネタ感覚」で聞くことは多いが、しっかりと前を向いて聞くことって少ないと思うんですよ・・・
 この作品でも、元ネタな曲はボチボチあるのですが、ネタ感覚の耳で聞いてしまうと「美味しいフレーズ」にばっかり耳が行ってしまい、Funk特有の「腰に来るGroove」を感じられなくなる・・・ように思えます。

 う~ん、上手く説明できないですが、腰に来るGrooveって、クラブのヘビーなスピーカーの前で、低音が醸し出すグルーブに「ヤラれ」て踊り続けちゃう・・・みたいな感じなのかな~(^^;)
 まあ、つい体が動いちゃう類の音楽で、ネタ感覚で聞いてしまうと、本旨である体を動かすことを忘れてしまう・・・可能性があるので注意して書きましたが、結論として体を動かすことに本旨がある音楽だと思います。
 私は、House/Garageで、踊ることの気持ちよさに開眼したので、聞き直して選曲してる曲の良さに反応出来ましたが、HipHopだけ聞いてる方には、腰なり体を動かす気持ちよさが・・・分かりづらいのかも知れないですね・・・


 その限りにおいて、この作品では、HipHop以降のネタ感覚を維持しつつも、Funkの持つ「Groove=体を動かすこと(?)」を維持してミックスしている点が秀でていると思います。


 選曲においては、ホント親父Funkファンが聴いたら狂喜しそうなナイスなセレクションにヤラれます・・・
 系統で言うと、上記したParliament/Funkadelicの「P Funk」路線の系譜を踏襲してる曲が多く、西海岸なFunkが多いですね。
 西海岸のFunkといえば、JBライクな武骨なFunkというよりも、どろ~っとした質感だけど、しっかりと腰があり、脂ぎってはいないFunk・・・って言えばいいのかな?
 そんなに詳しくないので、上手い説明出来ませんが、それらの「Funk」楽曲の魅力をしっかりと押さえた選曲で、全体をトータルコントロールしてる辺りは流石で、定番も渋い曲も、サラッとミックスしてるCelory氏の指の黒さに敬服です。
 個人的には、知らない曲を検索すると、実はGarageライクな曲だったり、もろFunkな系譜意外な曲もミックスしてる辺りにヤラレました(^^;)


 んで、実際のミックスにおいては、HipHop以降のミックスセオリーをナイスにからめているので、HipHopから入ったリスナーとしては大変聴きやすい内容だと思います。
 ミックスは、カットインなどでサクサクと繋いでいきますが、要所要所で2枚使いなどをして、その楽曲の持つ「グルーブ」をさらに高めつつ、選曲をダレることなく繋ぎ続ける辺りは流石ですね。
 
 また、各種アイデアアクセントとして機能し、選曲&DJの内容をさらに深めてる・・・辺りもヤラれます。
 たとえば、2Pac / Califolnia Love ネタとして有名なWest Coast Poplockであれば、その曲の元ネタであるRoger / So Ruff , So Tuff に繋いだり、Vernon Burch / Get Up の次に Deee-Liteを繋いだりしてネタ関係を印象付けるミックスをしたり、インスト曲にブレンドをしたり、オリジナルエディットをしたり、各種アイデアが満載です。
 特に・・・ネタは明かしませんが、あの「休日」なブレンドはヤラレましたよ・・・サラっとミックスしてますが、なかなか思いつかないアイデア&違和感なし・・・に負けました!!

 このアイデア的なラインは、ホント流れの一部としてミックスするので、聞き流しちゃったりもしますが、マニアが聞くと、絶対「おっ・・・上手いミックスするな・・・」っと痛感させられますよ!!


 なんか、抽象的な説明が多くなりましたが、特濃なFunkに酔いしれたい方にはお勧めな1枚です。
 聞いていて、以前紹介した「Melo D / Aqua Boogie」と同様な「Ocean Funk = West Coast Funk」が満載なことに気づき、休日の晴れた昼間に、車を運転しながら聴くのには最適だな~とも思いました。
 その時は、ローライダーのように・・・低速で気持ちよくクルージングする感じが一番いいんだろうな・・・乗ったことがないので分からないですが(^^;)


<Release Date>
Artists / Title : DJ Celory 「One Nation Under A Funk Groove」
Genre : Funk(P Funk、West Coast Funk、80's Funk、Garage・・・)
Release : 2006年3月
Lebel : originate.inc CL010
業務報告
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 え~、あんまりブログの知識がないまま、いろいろと作品を紹介し続け、結構な作品数をご紹介することが出来ましたが、ゴチャゴチャしてきました・・・(--;)
 特に「アーティスト別」に作品を読むのが、日付が飛んでたりして、探しづらいだろうな・・・と思いつつ、新しい記事を書くことばっかりに集中してました・・・
 タグとか打っておけば良かったのかもしれないですが・・・今更やるのもメンドくさい(^^;)

 そんなわけで、ブログ内での「まとめページ」的な要素として新カテゴリー「index」を作りました。

 まだ、概要は固まってないですが、アーティスト別で一覧が分かるようにして、かつ実際の紹介ページに飛べるように・・・したいと思います。

 んで、今のところMUROさんの作品が一番多く紹介してるので、実験としてMUROさんの作品一覧(今まで紹介した作品限定)を作ってみました(^0^)

 ・ 「MURO」 作品リスト

 実験的に作ってみましたので、何か意見があれば教えてくださいね・・・と思ってた矢先、ガッポリ儲かった方からご意見がww(リンク先、コメント参照)
 こっちがビックリです・・・・まあ、なんでしょうね~(^^;)

 ゆくゆくは、他のアーティスト・レーベル別にもindexを作り、分かりやすくしていきたいと思います~♪
DJ Maki the Magic 「Smooth Butter」
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 昨日は土曜出勤で仕事をし、その後にレコ屋に出勤(?)したり、レコの収穫を祝って(?)酒場に行ったり、・・・今日はなんらかんらで疲れが残った日曜です(^^;)
 んなわけで、先ほど昼寝しながら聴いた1本のご紹介です~


 大好きなMakiさんの作品で、王道なR&Bでミックスしてる作品です。
 いつリリースされたかは分からないのですが(おそらく90年代末?)、Makiさんのリリース量からいくと、割と初期の作品に当たると思います。
 この辺も調査とか裏付けのデータが欲しいのですが、分からないことが多いな~(^^;) すみません・・・

 初期作品では、Garage/DanceClassics等の旧譜にスポットを当てることが多いですが、NewJackや90's R&Bなど、いわゆる「R&B」もMakiさんの得意分野であり、近年の作品でも良作が多いですね。
 Makiさんの場合、ミックスのコンセプト(=作品性)がしっかりと作られており、今回の作品であれば、王道なR&Bが持つ、ポジティブで跳ねた感じの曲が多数選曲されています。

 
 選曲された楽曲は・・・もう「ド定番」中心で、手持ちのレコを貼り付けたら大変な量になるので、貼らないですが・・・R&Bってやっぱりいいですね!!
 漠然と「王道R&B」なんて書きましたが、それこそTroop / Spread My Wings とか、After 7 / One Night とか、En Vouge / Give It Up , Turn It Loose とか、Babyface / Give U My Heart など、クラシックなR&Bといえば・・・的な曲が中心に選曲されています。

 この辺は私もそうですが、嫌いな人は少ない・・・と思います。 
 同調しやすいメロディーと歌詞・・・それらが織りなすポジティブなグルーブ・・・言葉で表現するのは難しいですが、何年たっても聞ける曲なわけで・・・まさに「クラシック」ですね(^0^)
 聞いていて、つい「♪すぷれ~っど、まい、うい~んぐ♪」とか、「♪ぎびだぁっぷ、たあんいとる~ず♪」とか、つい口ずさんじゃうことが多く、これらの曲がしっかりと肉体の一部になってる・・・感じですね!!

 ちなみに、このテープがリリースされた90年代末だと、まだまだ高かったレコードが中心で、レコ屋の「壁アイテム」が多いですが、近年は値段が落ち着いたこともあり、安いとつい買っちゃうことが多いですね・・・いわゆる「大人買い aka 青春リベンジ」です(^^;)
 考えてみると、これがリリースされた頃(90年代末)って、Bな輩にもR&Bが普及し始め、軌道に乗り始めたころだと思いますので、このテープがリリースされた当時、心から楽しんだ方もいると思いますし、勉強にした方もおられると思います。
 今でこそ、王道R&Bなミックス作品はたくさんありますが、私の記憶だと、90年代末頃までは、この手のクラシックR&Bなミックス作品のリリースがなかったので、当時としては重宝した作品かもしれないですね・・・

 なお、実際には、クラシック系のR&Bが選曲の中心で、その流れの中で、Makiさんらしい渋いセレクションが入ってる・・・感じです。
 たとえば、Womack & Womack / MPB などや、当時の新曲っぽい曲(Next / Too Closeとか)や、R&BライクなHipHop(Nice&Smoothとか)などの、クラシック外(?)の曲なんかも選曲のスパイスとして入れてたりしてて、大変良いですね。


 そして、実際のミックスは、MakiさんらしいHipHopライクなミックスで、サクサク&ザクザク進んでいく感じです。
 結構、強引に繋いじゃってるところもありますが、定番のTake 6 / Spread Love (45king mix) → En Vouge / Give It Up , Turn It Loose でのスクラッチカットインなど、カッコいい繋ぎも多く、私は結構好きなミックスです。 
 特に、En Vougeのつなぎは、単純ではあるのですが、いつ聴いても「いいな~」と思ってしまうラインです(^0^)
 ただ、強引に繋いで、ミックスの流れが乖離してる部分とか、ボリューム量の差が出来ちゃった部分などがボチボチありますが・・・カプリ的な聴き方をすれは無問題です(^^;)

 また、全体のミックスを考えると、結構「流れ」を考えてる・・・感じもします。
 他の作品だと、進行するにつれての「ミックスの流れ」がそんなにない場合もあるのですが、この作品だと、両面とも、序盤はゆっくりと始まりつつも、早い段階で上げて、うまく上下をしながら、終盤に向けて「しっとり」とした流れに持っていく・・・感じに仕上がってます。
 特に、B面の後半の「しっとり」選曲では、定番であるMonica / Before You Walk Out Of My Life で締めるような・・・夢のある終わり方(?)にしてるのはいいですね~♪


 んなわけで、今回は写真なしでのご紹介ですが、Makiさんらしいラフな感じなミックスだけど、深く掘り下げると好ミックスに仕上がってる1本のご紹介でした~
 この手の曲のミックスは、鬼のようにリリースされてるので、無理してこれを買う必要はないですが、もしお手に取る機会があればどうぞ~です♪

 Makiモノの初期作品はマダマダあるので、引き続きご紹介しますね~


<Release Date>
Artists / Title : DJ Maki the Magic 「Smooth Butter」
Genre : R&B(New Jack Swing、90's R&B、HipHop、80's R&B・・・・)
Release : 1999年ぐらい???
Lebel : Groove Serchers
Ulticut Ups! 「Bang Bong Disco Baby」
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 気づいたら1000ヒット!! 何にも告知とかしてないのに、嬉しい限りです・・・これからも頑張りますです(^0^)
 そんなわけで、大好きなUlicutモノで、好きな1枚をご紹介です~♪

 

 日本が誇るミックスマスターデュオこと「Ulticut Ups!」の通算4作目の作品です・・・この作品はUlticut Upsを聞いたことがない人でもかなり聞きやすく、かつ聴いたらその「虜」になってしまうかも知れない作品です・・・

 タイトルの通り「Disco」にこだわった作品・・・ではなく、彼らの感性から発せられる「Disco」をFunkyに表現している一枚になっており、あまたの音楽ジャンルを駆使し、全編を通してDisco的な「Groove」を表現している一枚になります。

 彼らに関しては、他の作品から分かるように、HipHopを基礎としながら、関連ジャンル+α以上のジャンルを必要以上に鬼掘りしてるスタンス・・・に加えて、ビックリするぐらいシェアなコンビ技、スクラッチ&2枚使いで攻めまくり、異常に完成度の高いミックスの構築&流れの創出が出来、それらが融合し、気づいたら「とんでもない所」にまで昇華しちゃうスキルがあり、今回の作品も、大変素晴らしいです!!
 特に、今回の作品は、DeepなHipHopは少なめで、Disco、Garageなどの聴きやすく、かつノリやすい過去曲をうまく挟みこんでいるので、初心者の方には取っ付きやすいと思いますし、玄人でも末長く聞ける一枚だと思います。

 今回の紹介では、選曲の流れとともに「使用曲」を紹介しつつ、選曲とミックスのアイデアが織りなす彼らの「ミックスの上手さ」を中心に紹介をしたいと思います・・・



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 まず、今回の作品では、出だしからヤラれます・・・

 ライブでも、作品でも大活躍な「That's the Joint」のコスリですが、本作では、同ネタである「Nice & Nasty 3」の上でFunky4の「♪That's the Joint♪」という声をコスリ倒してます・・・もう、この展開&コスリにヤラレない方はいない思います!!
 ライブで見ると分かりやすいのですが、メンバーであるYuuさんとTaharaさんが交互に「That's the Joint」をコスリ、一人では出せないスピード感を演出しており、首振り必死な展開ですね(^0^)

 ターンテーブリストが見せるスクラッチと違い、ノリとFunkyさを最重要視してるコスリ方は、ホントタマランですね!!
 処女作である「Lesson」なんかでも同系統のコスリを披露していますが、今回のコスリは彼らの良さを集約してるコスリだと思いますので、ぜひ聞いてみてください・・・

 なお、今回の作品では、2枚使い、スクラッチ、コンビ技などは他の作品に比べると、若干は少ないのですが、要所要所で大爆発していますよ(^0^)


DSC02062.jpg stetasonic
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 んで、このノリノリなオープニングの後、カットイン気味にミックスするのが、左の「KC & The Sunshine Band / That's the Way ( I Like It)」ですよ!! いや~、この展開は思いつかない&ヤバイですね~
 
 That's the Wayに関しては、オリジナル曲ではなく、80年代末に多発していた「過去曲を再発ついでにリミックス」な曲(写真左上)なのですが、ドラムが太く、しっかりと流れをキープできており、ナイスチョイスです・・・
 そして、この辺も掘ってるのか~と痛感させられました・・・だって、そんなに高くないし、結構「穴」なレコードですから・・・素敵です(^0^)
 
 毎回、Ulticutの「掘り」に関してはDeepなものが多数で、ネットで検索するとヒットしないのも多いのですが、こういった意外なのを使うのも上手いです!

 また、あまり知られてない曲を使うのもポイントですが、後半ではド定番の「Stetsasonic / Takin all that Jazz」のDimitri Remixを使います・・・
 ただ、使用してるのが本編ではない、途中のドラムブレイクに変わる部分をサラッとミックスしており、定番曲でもネタ使いの上手さが証明されてます。

 なお、私はレコードを持ってないので、未確認ですが「Janet / Go Deep」も上記のStetsasonicと同様に、全然本編じゃない所を抜いて、かなりナイスにミックスしていますね・・・
 単純にレアなレコードを並べるのではなく、気づかない所をサラッとミックスされちゃうと、聞き逃したりすることも多いので、気づいた時には・・・素直に完敗です!!


 そして、選曲的な話もしておくと、一応「Disco感」にこだわった選曲ではあるのですが、今回も幅広いジャンルをホローしており、知らない曲なんかを検索してると、知らないHipHopとか、初期のHouseレーベルより出てるBreakbeatsとか、マイナーなメガミックス・・・なんかを入れていて、ホントDopeな品揃えです!!
 Disco系は以下で書きますが、中古ではかなり安い穴レコである「A Skillz and Krafty Cuts / Tricka Technology」のようなカッコいいBreakbeatsや、自分たちの曲である「Abnormal Yellow Band / Berval Summit」などのような「非Discoな曲」を多数使用してる点も彼ららしさを表してるな~と思います(^0^)



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 そして何よりも「Disco」です・・・この作品の核は、Discoを始めとする「旧譜の曲」を上手く使用している点で、どの曲も「突っ込み方」や「使い方」がホント上手く、今作品のキーポイントになってる部分が多いです!!

 まず、一例としてあげるのは、序盤の選曲で、HipHop的な流れとして「Manzel / Midnight Theme (Remix)」を選曲し、そこから「Mighty Riders / Evil Vibrations」へミックスを行っており、HipHop的なブレイク感を維持しつつ、グルービーな印象があるミックスしており・・・展開のつけ方がメチャクチャカッコいいです!

 また、これまた序盤の選曲ですが、カッコいいな~と感じたのは「The Temptations / Treat Her Like a Lady」の使い方で、前の曲(HipHop)からイントロをロングミックスしつつ、流れをガラっと華やかに変えちゃう「突っ込み方」がタマランです!!
 そして、テンプスの後は、あまり知られてない「Atlantic star / Armed and Dangerous」にノリを完全にキープしつつミックスするのですが、こういったマイナーな曲とかを入れてくるのも上手いっすよね・・・ちなみに、Atlantic Starは、東京では中々発見できず、大阪出張時に彼らのお店「Vinyl 7」で買わせてもらいました(^0^)

 序盤から中盤にかけては、HipHopやBreakbeatsなどの非Discoの曲と、Disco外の旧譜を上手く混ぜ、非常に展開のあるミックスを構築しており、選曲と使い方が巧み過ぎてノックアウトです・・・


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 そして、この旧譜関係を上手く使ったミックスは、中盤以降も爆発し、後半になるほどヒートアップし、直球のDisco系の曲を選曲/ミックスし、彼らの「Disco観」が大爆発します!!

 一例でいくと、HipHop/Breakbeats的な流れが暫く続いた後、サラッと「Cerrone / Hooked On You」をピッチ早めでロングミックスし、グルービーな方向に進ませつつ、テンションが上がり切ったところで「Logg / I Know You Will」にカットイン! これがメチャクチャカッコいいです!!
 すこしHipHopなどで地味な展開だったミックスを、一気にDiscoラインに変更してるわけで・・・その手腕のレベルの高さもさることながら、まるで、HouseのDJが焦らした後にビックボムな曲を選曲するみたいな効果もあって、大変イイですね・・・

 また、この選曲で、一気にDisco路線に違和感なくチェンジしており、選曲の組み立て方においても、秀逸だと思いました(^0^)
 前半は、割とブロックパーティー的な感じだったのが、この選曲を期に、4つ打ち感のある流れに変更しており、尻上がりにテンションが上がっていく方向が素敵で・・・その後もサラッと「A Touch of Class」なんかの鬼レア盤を使ってる辺りもポイント高しです!


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 そして、ミックスの上手い点は、まだまだ続きます・・・Discoっぽい4つ打ち選曲が続き、Salsoulラインな選曲になるのですが、彼らの「アイデア」が爆発してますよ!!

 まず「First Choice / Love Thang」の印象的なイントロを鬼カッコいい2枚使いで攻め、テンション&グルーブを高めてるのですが、使用してる曲がGrandmaster Flash大先生の「Salsoul Mix」に収録されている「Love Thang」で・・・観客の声入りのヤツです。
 そこから、クイックで、イントロ2枚使いの雰囲気を利用して、Love Thangのイントロが出だしで被っているFlash版の「Silvetti / Spring Rain」にカットイン! ちょうど「あのMC」が入っているところで、ここもミックスの流れを一気にSilvettiにもって行くグルーブの引っ張り方が秀逸です。

 ただ、ここでは終わりません・・・そのままSilvettiでグルーブを引っ張りますが、ブレイク部分で、HouseリミックスのSpring Rainにスイッチします!!
 もう、全然違和感がなく、4つ打ちの流れに変更をしちゃっており・・・ここもメチャクチャカッコいいです!!

 わずか、2分程度の中に、超高濃度のミックスが収まっており、それに加え、グルーブの維持や、路線の変更など・・・ホント「彼らの技」が生きたミックスで、考えれば考えるほど上手すぎです!!

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 特に、このDisco→Houseへのミックスは、2007年にリリースされた「Cut up Salsoul」でも多様してる技で、この作品で布石を掴んだ・・・と言ってもいいかも知れないですね~ この作品もヤバいっすね!!
 んで、流れを4つ打ちに変えた後は、最後までHouseの流れをキープし、ハウスクラシックな「Blaze / Breathe」でフィニッシュ・・・最後まで気の抜けないミックスです(^0^)



 流れとしては、大雑把に説明すると、前半・中盤まではHipHopやBreakbeats中心の選曲の中で、ポンっと印象的な旧譜をミックスしたりして「押したり・引いたりのミックス」をして、後半に向けて徐々にテンションを上げていき、中盤のある時点から一気にDiscoラインに持ち込み、更にテンションを上げ、最後はHouseでBPM早めに終わるみたいな・・・感じで、作品のストーリー性も大変素晴らしいと思います。
 月並みな表現になりますが、車を運転しているときに聞いてると、気づいたらアクセルを多めに踏み込みつつ、首は振りまくりでリズムを刻む・・・みたいな、快楽的なスピード感を内包したミックスになっていると思います。
 

 今回の紹介では、彼らの「ミックスの上手さ」を中心に進めましたが、最後に一言加えておくと、これらの上手さは全てミックスの流れの中で生きているので、意識せずに聴いてるとサラッと流れます・・・なので、普通に聞いても気持ち良く聞けるミックスになっています。

 しかし、彼らの素晴らしさの「一つ」であり、ここだけはしっかりとしたいと思い、読みづらいかもしれないですが書きなぐりました(^^;)
 もちろん「選曲の深さ」や「全体的な作品感」も大変優れており、それをメインに聞いてもイイわけですが、Ulticutに関しては「テクニカル」な部分を考えながら聴くと、更に彼らの「イルな感性」にヤラれるはずですよ!!


 結論として、ミックステクニック+掘りっぷり+ミックスセンスが加算と乗算を繰り返すと、ここまで高度なミックスになってしまう・・・みたいな好例だと思います。 
 なんか、作品の紹介としては難しく書いちゃいましたが、かなり聞きやすく、かつノリノリなミックスなので、全ての方にお勧めしますよ~ん♪
 特に、MUROさんの「Super Disco Breaks」なんかが好きな方ならお勧めで、まだまだ安く変えるので、ぜひ買ってみてくださいね~(^0^)



<Release Date>
Artists / Title : Ulticut Ups! 「Bang Bong Disco Baby」
Genre : Disco、Garage、DanceClassics、HipHop、House、BreakBeats・・・
Release : 2003年12月
Lebel : Flat Rock FRCD0002 ※Bull Jun氏のレーベルよりリリース


<Notice> 
①CDのトラック番号
 CDのトラック番号とトラックリストにズレが生じる部分があります・・・Track7辺りでズレ、トラック番号が一つ多いまま進行し、36辺りで帳尻が合うようになります

②テープについて

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 今回の作品は、上記のテープが同時にリリースされていますが、ミックスは両方同じで、CDをメインに考えた作り方(ワントラック)をしてるので、CD版をご紹介しました。

③ジャケットについて
 言わずと知れてますが・・・CurtisのOSTジャケの丸使い!!



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<追記> 2009年4月3日
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 適当にお借りしちゃった「Love Thang」を、帰宅時に新宿・ユ●オン・ソ●ル館でお手頃価格でゲットしてきましたので、写真と文章を差し替えしました。
 写真の通り、正規とプロモの2枚ゲットでき、コンディションはボチボチ(私はラベル書き込みは全然気にしないです)ですが、これからUlticutバリに2枚使い大会をしますね(^0^)
 それにしても、帰宅時に思いつきで買いに行って、普通にあって、値段も嬉しい・・・って、私の今日の運勢が良かったのかも知れないですが、東京のレコード屋はなんらかんら言ってスゲーですよ!!



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<編集情報> 2010年1月11日
 記載内容に一部誤りがあり、それを直すついでに、悪い癖で文章を少し手直ししました・・・でも、まだ読みづらいな~(^^;)

<編集情報> 2010年1月24日
 収録曲のレコード(Blaze)で買えたのがあったので、追加しておきました。