HipHop,R&B,Soul,Funk,RareGroove,DanceClassics,Garage,House・・・など、私が気に入っているMixTape,MixCD,その他もろもろを紹介するブログです。
再編集記事の紹介
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 え~、今月は更新が少なかったですね・・・すみません(^^;)

 だけど、コッソリと過去に紹介した作品で、紹介文がド下手だったのを再編集しましたので、報告です~♪
 両方ともマニアックなタイトルですね(^^;)

 ・ Dry&Heavy 「Cassette Tape Maniacs!! Live in NZ 2003」
 ・ Fatboy Slim 「On the Floor at The Boutique」

 お暇だったらどうぞ~♪



<近況報告?>

 レコ屋で欲しかったレコードとかが安く買えると嬉しいですよね・・・昨日、横浜某所にある某レコ屋に行ったら、写真の12inchの「Hac / Special Treasure」が1780円で買えました!!



 さんぴん世代には忘れられない名曲(?)ですが、この値段はありえないっしょ・・・ちょうど、日本語モノのセールの初日だったようで、横浜系のレコ(オジロとか)は微妙に高かったですが、これに関しては、ユニオ●の買取値より安いんですから・・・引いた瞬間、目を疑い、ちょっと振るえました(^^;)
 その直前にも、その店の近くにあるユ●オンで、やや高額なミックス作品を三割引きで買い叩いたり・・・嬉しい一日で、帰宅してからは、ずーっと「♪ゆ~め、み~てる~♪」が頭の中でループしています(^0^)

 こういうことがあるから、レコ屋通いは辞められないっすね・・・12月はユニオンのセールがラッシュだし、昨日の横浜みたいに地方店回りもしないと行けないし・・・仕事以上に頑張りたいと思います(^^;)
 ただ、仕事も忙しそう・・・こっちの方こそ頑張らないとね!!

 では、自慢気味な報告でしたが、近況報告でした~♪


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DJ Kou-G 「grooveman spot」
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 今月は、出張が多く、更新が全然出来ないっすね・・・すみません(^^;)
 更新する気はあるのですが、なかなか前に進めない・・・そんな日々が繰り返しています・・・
 んなわけで、出張ネタとかぶせて、ミックステープ市場では定番の一本のご紹介です。


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 言わずと知れた「Grooveman Spot」こと「DJ Kou-G」さんの一作で、彼が得意とするJazzyでMellowなHipHopをミックスした人気作です。

 Kou-Gさんは、仙台出身のHipHop系プロデューサー/DJで、現在は東京を活動の拠点にし、同じ東北の仲間であるJazzy Spotに所属し、自身のグループである「Enbull」での活動に加え、ソロ活動も精力的にこなすお方です。
 今となっては、DJよりもプロデューサーのイメージが強く、今回のテープで紹介するようなJazzyなトラックを多く量産し、ソロアルバムをはじめ、リミックス作品など、多数の作品をリリースし、好きな方には堪らない方だと思います。

 ミックス作品に関しては、そんなに多作ではありませんが、良作をリリースしており、私自身はそんなには深追いしてはいませんが、市場では結構人気なタイトルも多いですね・・・
 特に今回紹介する「grooveman spot」は、彼の名前を広めた作品として有名ですし、JazzyなHipHopの良さを広めたり・・・と、結構重要な作品で、一時期よりは相場は落ちましたが、今でも人気な一本だと思います。


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 では、矢継ぎ早ですが、作品の紹介に移ります・・・

 あまり好きな言葉ではないですが、いわゆる「Jazzy Hip Hop」をメインに構築した作品で、90年代中ごろの懐かしい匂いのする作品だと思います。

 それこそ、PeteRockや、DJ PremierBuckwildJayDee・・・などが作り出した、メローなネタをループし、適度な緊張感がありながらも、気持ちよさも含まれている・・・みたいな曲が多く、収録された曲がリリースしたときに、個人的に好きで買っていた曲も多く、非常に懐かしいですね・・・
 その手のレコードは結構売ってしまって、写真が貼れないのですが、写真左のKool G Rapのアルバムに収録されたBuckwild作の隠れた名曲「Blowin' Up In The World」など、ド直球ではない「渋い」曲が多く、流石の選曲です・・・Kool Gの曲は私も当時から好きな曲だったので、普通にこのテープを聴いてて「ニヤリ」となってしまいました(^0^)
 
 これらの曲って、90年代中ごろ以降は市場では埋没してしまった印象があり、誰も注目していなかった様相があり・・・一時期はレコ屋の100円コーナーで見かける作品が多かったと思います。
 その流れがあるの中で、Kou-Gさんが、この作品がリリースされた2003年の時点で、しっかりと世界観を統一し、HipHopの美学みたいな点を提示した点は評価しないといけませんね!!


 また、この作品が有名なのは、写真右に上げた12inchにも収録され話題になった「Common Sense / Resurrection」のオリジナル・リミックスが収録している点も大きいです。

 言わずと知れた大名曲ですが、元ネタである「Ahmad Jamal / Dolphin Dance」のちょっと違う部分をループしたリミックスで、オリジナルと同じ空気感なんだけど、ちょっと切なさがプラスされたような好リミックスで、この作品でもA面の最初に、元ネタからミックスされ・・・作品の世界観を高めています。
 ちなみに、B面には、同12inchにも収録されている「George Benson / Face It Boy , It's Over」のオリジナル・リミックスからスタートし・・・こちらでは、この原曲をネタにしたPete Rockの曲に繋ぐ辺りは流石ですね・・・Artifactsでない所が逆に素敵ですね(^0^)

 この12inch自体、リリース時にかなり話題になり、このことがあってKou-Gさんの存在を知った方も多いかと思います・・・私自身もそうで、DMRで再入荷したときに運良く買え、面白い人がいるんだな~と思わされました!
 ちょうど、GagleやJazzy Spot勢が東北方面より狼煙を上げ始め、シーンで話題になり始めた頃とも合致し、既に東京で活動をしてましたが・・・東北のシーンって面白いな~と思ったりもしました・・・


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 え~、話を強引に持ってってしまいましたが、ここで私の「出張話」になります(^^;)

 実は、先日の3連休の後半で「杜の都・仙台」に出張に行き、色々と思うところがあり、帰宅をし、この作品を聴き直し、この記事を書いていたりします・・・

 仙台は初めて行ったこともあり、仕事の合間に観光したり、知り合いの業者さんから美味しい牛タンを御馳走になったり(思わず「旨い」と声が出てしまった!)・・・そして仕事も予想以上に成功したり・・・いい所だな~と思いました。
 そして、こんなブログをやってるので、当然レコ屋も周りますよね・・・ちょっと期待はしていたのですが、個人的に欲しいライン(DiscoとかMixtapeとか)は殆どなく・・・こちらは残念ながら撃沈でした・・・そして「夜の街」も、業者さんのミスで行けなかった・・・ああ、国分町の灯が見たかった(^^;)

 ただ、改めて痛感したのが「Jazzが似合う街だな~」ということです。


 レコ屋でもJazzは本当に強く、写真に上げた「Disknote」のような日本屈指の名店もあれば、街レコレベルの店までJazz系の品ぞろえが強く・・・レコード文化は残念ながら死滅しつつあるようですが、Jazzの持つ「底力」を感じました。
 実際に、定禅寺ストリートジャズフェスティバルなるものも毎年開催されているようで(アテンドしてくれた業者さんが教えてくれた)、街を通してJazzを応援してるようですね・・・

 私自身は、今まで仙台とかかわりがなく、具体像が分からなかったのですが、今回のテープがリリースされた頃より、GagleやJazzy Spotが活躍し始め・・・東北地方とJazzの関連性が気になっていました。
 歴史的なものを見ても、「ジョニーズ・レコード」のようなJazz系自主レーベルがあったり、良質なジャズ喫茶が顕在だったり(山形に行ったとき、普通の喫茶店と思って入ったら凄い店だった!)し・・・きっと「何か」があるのかな~と思っていたのです・・・


 んで、今回、初めて仙台に行き、レコード屋をまわってる過程で、あることに気づきました・・・東京とかと比べると「空気の緊張感」みたいなのがあるんですよね・・・

 まあ、北の方なので、当然、気温なども低いのですが・・・空気が澄みきり、乾いた風が吹いたりし・・・ちょっと外れの街を一人で歩いてると「緊張感」を感じる空気があるんですよね・・・私が住む関東でも、真冬の夜に街の外れを歩いてる感覚と似ています。
 また、人口が多い都市ではありますが、郊外となると道路は広いけど、歩いてる人はあんまりいない・・・みたいな所もあり、街の「孤独感」みたいのも感じました。

 このことと「Jazz」の関連性は明確には結ぶことは難しいですが、モダンジャズ・HipHopが花開いたNew Yorkの緯度(北緯40度)と、東北各都市の緯度が近い(仙台は北緯38度、盛岡は北緯39度)点は見逃すことが出来ず・・・結論として「気候の相違」が音楽を作るのかな~と思いました。
  
 つまり、緊張感のある空気や、都市の孤独さ見たいのが音作りに影響し、NYではモダンジャズが発展し、そのJazzに影響を受けたHipHopもNYで成長し・・・そのNYの気候が近い東北方面では「環境的」に受け入れやすかった・・・という結論になりました・・・
 明確な答えじゃないかもしれないですが、個人的には凄く納得し、Jazzが盛んだったり、GagleやJazzy Spot、そして今回のKou-Gさんが輩出されのも納得が出来ました。


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 話を、このテープに戻しましょう・・・

 今回、仙台に行き、その空気を感じ、Kou-Gさんのバックグラウンドが理解でき、改めて聞いてみると・・・作品の「味わい」が高まったような気がしました。
 緊張感がある雰囲気を出しながらも、その環境の中で強く生きる人たちの「ぬくもり」みたいのも感じられ・・・Kou-Gさんにしか出来ない世界観を創出してるな~と痛感しました。

 べた褒めも変なので、ちょっとマイナス面も指摘しておくと・・・ミックスの「流れ」に関しては曖昧で、印象的な選曲ラインは少なく、また技術的な面でも微妙なところがあり・・100点満点は出せないかな??
 個人的には、選曲に「決め球」みたいなのがなく、ミックス全体の統一感はあるものの、ミックスが「間延び」しちゃってる印象があり・・・この点が非常に残念です。


 ただ、彼でないと出来ない「選曲」が味わえる一本になっていることは間違えなく、名作であることは疑いの余地がありません!!
 冬の夜道で聴くのには最適な一本です♪

 ここ最近は、値下がってる1本なので、機会があれば是非聞いてみてくださいね~♪


 
<Release Date>
Artists / Title : DJ Kou-G 「grooveman spot」
Genre : HipHop、Jazz
Release : 2003年
Lebel : Oreo Jazz Adventure Black No Number
Notice : CD再発有り(2006年2月)


吉岡正晴 「ソウル・サーチン - R&Bの心を求めて」
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 気づいたら、本って全然紹介してなかったですね・・・Blastとか、サバービアとかの大物ばっかり攻めてて、普通な本は紹介出来てなかった・・・(^^;)
 そんなわけで、脈略がないですが・・・つい何度も読んでしまう本のご紹介です~♪
 あっ、Chanparaさんは絶対ヒットな本だと思います(^0^)


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 まず、作者の紹介ですね・・・

 吉岡正晴さんは、SoulやR&Bなどのブラックミュージックに強い音楽評論家・翻訳家で、日本のブラック業界ではかなりのベテランさんです。

 私自身は、近年まで知らないお方でしたが、日本版のWaxPoeticsを読んでると、吉岡さんが執筆・翻訳した記事が多く、そのクオリティーの高さに驚いてしまい、毎号楽しみに読みつつも、氏の文章のレベルの高さにヤラレています・・・ちょうど、最新号である第6号のMJ特集でも素晴らしい内容を寄稿されています!
 今まで知らなかったのが失礼ではあるのですが、氏のキャリアを調べてみると・・・凄い面白く、日本のDisco創世記である70年代初期より活動を開始し、レコード輸入業や、DJ、そして音源制作と・・・幅広い活動をされ、相対的にブラックミュージックを語ることが出来る頼もしい先輩だと考えています!!

 詳細は、下記のリンクなどでご参照ください・・・ちなみに、音源情報はYukiさんのサイトですが、試しに検索したら引っかかり、ビックリしました・・・Yukiさん、素敵すぎます!!

 ・ 吉岡正晴 - Wikipedia
 ・ Soul Searchin' Home Page ※吉岡さんの個人サイト
 ・ 吉岡正晴のソウル・サーチン ※吉岡さんのブログ
     ※ブログについて:何か所かでブログ的なことを行っていますが、
                どれも内容は同一のようです
 ・ 吉岡さん製作の楽曲(おそらく一部)
     ※上記リンクは、頼れるDiscoの45専門サイト
      『DISCO 45・・・7インチ・シングル 発掘の旅』より、
      「吉岡正晴」の単語を検索した結果です。



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 そんなわけで、この本の紹介です・・・

 内容の表層は「あるブラック系アーティストの一生」にスポットライトをあてた内容が、数アーティスト分・・・って感じなのですが、「ソウル・サーチン = Soul Searchin'」というキーワードの元、そのアーティストの奥深い所まで追求し、大変素晴らしい内容になっています。
 基本的な流れは、そのアーティストの出生から始まり・・・っといった感じで始まりますが、吉岡さんの持つ知識と、しっかりとした調査、対象者に対する濃密なインタビューが折り重なり、愛情のこもった素晴らしい文章に仕上がっていると思います。


 ソウル・サーチンって言葉は、聞いたことがあるようで、聞いたことがない言葉だと思います・・・この言葉の意味は、自分探しに近い意味で「心の旅」と本文では訳されています。
 筆者の吉岡さん自身も知らなかった言葉で、表記のAin't No Stoppin' Us NowでおなじみのMcFadden & WhiteheadのJohn Whiteheadへインタビューをした際に聴き、感銘を受けた言葉になり、その後、色んなアーティストへインタビューの機会があれば「あなたは、ソウル・サーチンをしたことがあるか?」と質問を重ね・・・色んなエピソードが集まり、出版化したようです。

 ちょっと言葉だけで説明するのは難しいので、本書に収録されている内容から抜粋しましょう・・・ちょうど、写真のMcFadden & WhiteheadのJohn Whiteheadのソウル・サーチンが分かりやすいと思います・・・

 詳しい詳細は本書に譲りますが、それまでシーンの裏方(ソングライター)をし、徐々に成功をつかみ始めていたJohn Whiteheadが、Ain't No Stoppin' Us Nowなどを自らがリリースし、シーンの表舞台に進み、忙しい日々を過ごすにつれ、収入が増えたのに・・・税金を払ってなかった(!)ことから国税庁に逮捕され、刑務所へ収監されてしまいます。
 それまでの人生も平たんな道ではなく、苦労をし続けた人生で、せっかく掴んだ「成功」でしたが、その成功に溺れ、浪費を繰り返す日々が原因で・・・簡単に離れて行ってしまい、その「成功」に内包されていた「責任」が重くのしかかり・・・刑務所の中で自問をする過程で・・・世俗を離れ、一人なったことで、自分の足元を見返し、自分は何なのか・・・と思い返す作業が「ソウル・サーチン」で、まさに「自分探し」になり・・・Whitehead自身は「魂の浄化」に近い意味でこの言葉を使いました。

 人間の人生って、私はまだ30年ぐらいしか経験してないですが、その人なりの「紆余曲折」があり・・・生き馬の目を抜く音楽業界にとっては、その紆余曲折の幅が広く、成功と挫折が隣り合わせになっていることが多いと思います。
 
 作者の吉岡さんは、取り上げたアーティストの「成功と挫折」を、そのアーティストが経験した「ソウル・サーチン」を通して、彼らの人生の歴史に「深み」を与え・・・単なる「アーティスト史」以上の価値を与え、彼らの「歴史」をドラマチックに紹介をし・・・そのアーティストの素晴らしさを表現することに成功していると思います。

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 また、そのアーティストに関する「エピソード」が詳細に書かれている点も重要で・・・内容に更なる深みを与えつつも、知らなかったことが勉強になったりもしました。

 写真に上げたChicにおいては、メンバーのNile RodgersとBernard Edwardsの二人のキャリアを追いながら紹介をしており、物語りとしては出来過ぎなぐらいな出会いや、彼らのヒット曲の創作話など・・・興味を引く内容が多かったです。
 例えば、写真左の「Le Freak」は、70年代後半にNYにあったクラブ「Studio54」にGrace Jonesのゲストで呼ばれた際、あの悪名高いドアマンに「Chicって誰だよ」と言われ、入れなかったことに頭が来て・・・そのまま自室に戻り、「Fuck(くそったれ!)」という言葉を連呼しつつジャムセッションを行った過程にできた曲だそうで、Studio54に対する「うっぷん晴らし」の曲だったそうです。
 また、Chicの代表曲である「Good Times」も創作話は面白く、アイデアに煮詰まっていたNileとドラマーのTony Thompson(Hi-Fiveのボーカルではないっす)が、遅れてスタジオに来たBernardが引いたベースライン(あのボン、ボン、ボンのやつ)をたまたま弾き、それにNileが反応し、瞬く間に曲が出来たそうです。
 
 他のアーティストについても、かなり詳細な情報が多く、勉強になります・・・こういった「エピソード」は、アーティストの人生を分かりやすくする効果があり、文章の流れをスムースにしつつ・・・文章の「質」を高めていると思います。

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 そして、吉岡さんの文章は、史実に基づいたエピソードを重ね方がホント上手く・・・彼らの「栄光と挫折」をドラマチックに書き綴り・・・読んでいて「泣いてしまう」ことも多いです・・・

 写真に上げたMarvin Gayeは、彼の師匠であるHarvey Fuquaへのインタビューを通して取り上げられ、Marvinの数奇な運命や浮き沈みのある人生を上手く書いており・・・Marvinが実父に射殺されたことに関してのHarveyの話では泣きました・・・
 また、写真右のMinnie Ripertonも・・・苦労をし、強い意志を持ちながら亡くなってしまった過程がしっかりと書かれ・・・読むたびに泣いてしまいます。

 先ほど例示したChicのBernard Edwardsの急死も涙を誘いますが、それもこれも、吉岡さんの文章が素晴らしいからとしか言いようがありません。
 もちろん、涙を誘うのは、そのアーティストの一生がドラマチックだから・・・という理由もありますが、吉岡さんの文章が、そのアーティストに対して「尊敬と愛情」が根底にあり、過度な脚色をしなくとも、その思いが文章を通して伝わる・・・からだと思います。
 吉岡さん自身は、あとがきで「泣かすつもりで書いてはいない」みたいなことを書いてはいますが、音楽に対する真摯な姿勢があってこそでしょうね!!



 そんなわけで、個人的には上手くまとまらなかったのですが、素晴らしい一冊のご紹介でした(^0^)

 数奇な運命や、ドラマチックな展開など・・・彼らの「栄光と挫折」を通して「音楽の素晴らしさ」を教えてくれると・・・思いますよ!!
 機会があれば、是非読んでみてくださいね~♪

 ちなみに、本著とは関係がないですが・・・私は明日からソウル・サーチンしに東北地方に行きます・・・訳すと「出張」と読みます・・・休日なのに・・・(--;) 


<Release Date>
Artists / Title : 吉岡正晴 「ソウル・サーチン - R&Bの心を求めて」
Genre : Soul、BlackMusic
Release : 2000年7月
Lebel : 音楽之友社 ISBN4-276-23302-X



< 立ち読み(?)情報 >

 この本の内容の一部は、吉岡さんのホームページで掲載されています。
 吉岡さん自身も、ホームページで文章を掲載していることは「本屋で立ち読み」みたいな説明をしており、内容が良かったら本屋さんで買ってね・・・みたいな意義があって掲載をしてるそうです。
 私の説明は、吉岡さんのように達筆ではないので、この本が気になる方は、下記リンクから内容を読んでみてくださいね♪
 Minnieの文章は絶対泣けますし、文章の構成が素晴らしすぎます!!

 ・ ソウル・サーチン R&Bの心を求めて その7人とは・・・


Daniel Wang 「Sessions Vol,3 Come On Let's Fly」
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 大好きなだけど書くのが難しかったMURO作品が終わり、サクッとかけそうな得意分野から一枚をご紹介・・・これも局地的に名作として名高いですね!
 日本でも人気な「Disco王子(プリンセス?)」ことDaniel WangによるDisco/Disco Dub/House周辺を独自の視点でマッドにミックスした作品です(^0^)
 作品は、旧譜のDisco率が高いのですが、雰囲気的にHouseっぽいので、Houseにカテゴリー設定をしました・・・


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 Houseが好きな方でも、あまり知らない方が多いので、まず最初にDanielの紹介をしましょう・・・

 Daniel Wang(ダニエル・ウォン)さんは、現在はドイツ・ベルリンに住むHouse系DJ/Producerで、Discoの質感をユーモアでマッドに取り入れたDJ/作風で有名なお方です。

 生まれはアメリカのノースカロライナで、いわゆる「チャイニーズ・アメリカン」な方で、幼少の頃は台湾(台北)にいたり、サンフランシスコにいたりしたそうで、大学への進学を期にNYに移住し、90年代初期より、自主レーベルから「一風変わったHouse」のレコードを出し始めたのが・・・彼のキャリアのスタートです。
 そのレコードは、いわゆる「Disco Dub」的なHouseで、当時としては(今もそうだけど)異質な存在ではありましたが、独特な質感がファンを生み、時代が進むに連れてファンを増やしていき、現在に繋がっています。

 また、Danielというと「DJ」の印象が強く、そのDJのプレイスタイルが特徴的なのもポイントです。
 私自身は、機会がなくってDanielのDJを聞いたことがないですが、情報によると、商業的なスターDJとは異なり、フロアーでみんなが楽しむってことを絶えず考え、House/Disco Dub/Discoを中心に選曲し、フロアーに「愛」をもたらすDJだと聞いています・・・
 プレイ中はかなりノリノリで、下記の動画のようにハイテンションのようで、踊ったり、MCしたり・・・最終的には自身が率先し裸になり、フロアーにいる観客(野郎中心?)達も裸になって輪になって踊り、歌い、叫び・・・朝方には素晴らしい光景を作り出すことが出来るDJだと思います。




 ただ、あまり書きにくい内容ですが、彼の芸風を理解するためには、次のことを理解しないといけません・・・
 
 彼は「ゲイ」であり、ゲイであることは隠さず、むしろエンジョイしており・・・この点が根底にあり、彼のDJ/作風(=みんなで楽しもうよ!みたいな感じかな?)に大いに影響があると思われます。
 

 今まで「ゲイ」に関することは書いたことがないので、個人的な見解を入れましょう・・・

 私自身は「ストレート」ですが、ゲイに関しては特に嫌悪もなく・・・むしろ「リスペクト」をしている部分があります。

 なぜかというと、クラブミュージックの発展においてゲイの方々の存在はホント大きく、Disco→Houseの流れにおいては、彼らがいなかったら発展しなかったと思うし、特に70年代~80年代のNYでのクラブシーンの誕生・発展(そして崩壊も)に関しては彼らの存在が大きかったと思います。
 つまり、私が好きなと「クラブ」と「音楽」を支え、応援し、発展したのが・・・ゲイの方々だと考えています。

 実際に私はゲイの方と接点がなく、イメージが先行する指摘になりますが、彼らに関しては「感情が豊か」「自己表現をすることを恐れない」印象が強く、クラブにおいて自分が好きな曲は歌い・踊り・叫び・・・みたいな自分に正直な印象があり、そういった姿勢がクラブ発展において重要だったでしょう・・・
 どうしても社会人になったりすると、社会の「ルール・規範」が先にあり、なかなか「自我」を出すことが出来ず、人と同じようなことをしようと・・・考えがちですが、自我を出すことは決して悪いことではなく・・・むしろ体の中にある「うみ」を出すみたいな気持ちよさがあると思います。
 そういった「自我を出す行為=オープンマインド?」をクラブで率先していたのがゲイの方々で、クラブにおける「遊び方」の流れを作った点は評価しないといけません。

 また、音楽においても、ヒットチャートや政治に関係なく、クラブで「自分たち」が聴いて、良いものだけを支持する姿勢・・・ってのもゲイの方々は尖鋭的で、特にDisoc→Houseの流れにおいては、彼らが率先してフロアーで踊り、好きな曲にレスポンスを出すことで、製作者とクラウドの間にフィードバック関係が起こり、更なる作品を生む原動力・アイデアを提供していた・・・と考えます。
 Houseという音楽自体、Discoの延長線上にあるあわけで、ビートが強化された流れには、ChicagoHouseの製作者達の実験精神があっての変化ですが・・・ゲイの人々がその「音」を真っ先に評価したっていう事実も重要だと思います。
 また、イイ曲はずーっと支持する姿勢も重要で、生まれてきた曲たちを「消費」するのではなく「愛し続ける」みたいな姿勢もあるのかな~と思います。

 あんまり論拠としてまとまらなかったり、妥当性がない根拠もありますが、こんな理由があってゲイの人々を支持しています・・・まとめると「クラブで音楽に合わせて踊る」という行為を高次に進めたのが彼らだと思います・・・
 何となく考えてたことですが、考えて書き出してみると難しいですね・・・


 そういうわけで、実は「彼」ではなくて「彼女」だったDanielのDJは、みんなが楽しむことを優先しつつ、オープンマインドな精神でプレイするのが印象的で、この作品にもDanielの素晴らしさが表現できていると思います。
 ゲイだからといって、ストレートや女性を差別することなく、Danielらしい「みんなで楽しもうよ!」みたいなフィーリングが上手く表現されつつも、Disco王子の異名があるだけに一癖も二癖もある「選曲の妙」と「ミックスの上手さ」が堪らない好内容に仕上がっています。

 では、以下でやっと作品の紹介をしますね~♪


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 全体的にはHouse/Disco Dub的なフィーリングで、Disco、Disco Dub、Houseを中心に選曲しており・・・Danielにしか作れない「Discoワールド」が展開されています。

 その、Danielにしか作れない世界の一つとして、上記の2曲が収録されていることでしょう・・・いわゆる「日本のディスコ歌謡曲」を入れている点です!!

 特に左の「鹿取洋子 / ゴーイング・バック・トゥ・チャイナ」はボムで、このミックスの実質1曲目で、出だしから最高ですね!!

 1980年にリリースされたシングルで、海外のロックバンド「Diesel」のカバーになのですが・・・大胆なDiscoアレンジをした鹿取さんのデビュー曲になります。
 いわゆる「アイドル」なディスコ歌謡で、ジャケは写真のやつ以外にも別のジャケの7inchがありますが・・・初めて聞いたときはビックリしました!!

 だって、普通は音が違い過ぎて入れないでしょう・・・でも流れで行くと、絶対外せない選曲になっていて、Danielのセンスに脱帽です!
 原曲をピッチ+3.5の鬼上げで、ミックスの開始の時点でスピード感を生み、DanielらしいDisco感を創出しており、最高です・・・探せば100円で買えそうですが、あまりにすぐ欲しくなったので、神保町の富士レコード社で1000円で買いました(^^;)
 
 また、写真右はUSでリリースされたPink Lady / Kiss In The Darkで、全編英語で歌われた曲で、ピンク色のジャケットのLPが有名かな~と思います・・・私はこのシングルだけで十分なのでLPは売っちゃいました・・・
 完全な日本のディスコ歌謡ではないですが(トラックはUS製作)、この曲も、序盤の選曲で、鹿取洋子の勢いを更に引っ張る選曲で、大変いいですね!!

 このCD自体、日本だけのリリースなので、日本へのリップサービス的な選曲かもしれないですが、こういうのを入れてくる時点でDanielの「サービス精神」や「ユーモアさ」を表していると思います。
 かつ、選曲においても「ぶれてない」選曲で、彼の「耳の確かさ」や、ミックスの作り方の上手さが分かりますよ・・・

 ちなみに、鹿取洋子のディグは・・・「日本の友達からもらった」説が濃厚で、ヨーロッパでも普通にプレイしていたそうですよ!!
 また、このCDがリリースした際の来日DJツアーの際、鹿取さんのライブ(何年ぶりだろう!)があったそうですよ・・・


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 序盤ではちょっと特殊なDiscoで、かつBPM早目な選曲で勢いをつけましたが、そのまま勢いを維持しつつDanielらしいDisco Worldを展開してミックスが進んでいきます・・・

 Pink Ladyの後は、Body&Soulクラシックでもある「Voyage / Souvenirs」を選曲し、その後にはTom Moltonが製作した「TJM / I Don't Need No Music」を選曲し・・・Discoらしいグルービーな雰囲気を引っ張ります。
 この2曲も象徴的ですが、一般的に有名でない曲を、的確にプレーするのは流石ですね・・・繋ぎもストレートなビートミックスに徹し、グルーブの維持・ミックスの流れが素晴らしいです。

 そう、Danielのこの作品は「グルーブの維持」「ミックスの流れ」が素晴らしく、的確な位置で繋いでいきつつもしっかりとグルーブを維持し、しっかりとミックスの流れを作ってる辺りは注目に値します。
 特に、ミックスの流れは秀逸で、序盤はアップテンポに攻めていきますが、後半に進むにつれ、Discoのドロドロとしたグルーブをくみ取り、Danielの曲やMetroAreaのようなDisco Dub系の曲に繋いでいき、マッドな方向に進みますが・・・段々と「Discoの深沼」にはめ込んでいくプレイは流石ですよ!!
 聴いてると、段々と「音にはまる」感じで、気づいたら顔は笑いながら、ずーとダンスし続けてる・・・そんな感じで、止まらない「Discoロケット」に乗船して宇宙のかなたに突き進んでるみたいですよ!!

 なお、この作品はベルリンにある「バーゲン」というクラブでライブ録音したそうで、繋ぎなんかはザクザクとした印象がありますが、あえてライブ感を出すためにそうしたのかな・・・と思います。
 きっと、Danielもノリノリでプレイしてたんでしょうね・・・


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 段々と進むマッドなDiscoの波は、最終地点に進むと「涅槃(=ねはん)」が待っておりました・・・
 
 実質的な最後はなんと「Van McCoy / The Hustle」ですよ!!
 これも初めて聞いたときは「こんなのかけるの!」と驚きました・・・Danielのナイスチョイスに感服です(^0^)

 一般的には親父ディスコだったり、CMで中村獅童が気持ち悪いダンスを披露してたり・・・ポピュラーソングになっていますが、Danielの選曲では、クラブプレーにおける「朝方」選曲的なチョイスで、朝の7時ごろとかに聴いたら、疲れた体を気持ちよく揺らしながら聴いてる・・・みたいな選曲をしています。
 また、トロットロに溶けたフロアーに残る観客を、更に一つにまとめるみたいな印象もあり、きっとみんなニコニコしながら、半裸になって踊ってるんでしょうね~素晴らしいです!

 個人的にもスルーしてた曲ですが、この作品で考えを改め、ソッコーで12inchを買いました・・・曲の良さもさることながら、音のヤバさ(メチャクチャ音圧がヤバい!)もあり・・・Van McCoyの才能が光った作品で、全盛期に亡くなってしまったのが残念ですね・・・
 なお、このCDでは、写真の12inchのDiscoMixではなく、通常のLPバージョンでプレイしてたようです・・・



 以上が作品の紹介になりますが・・・Disco的なアプローチを核としながらも、Houseを消化した姿勢が気持ちよく、エフェクトなどの仕掛けをせず、選曲とミックスだけでストーリーを作る様は流石の一言で、Danielの世界観を上手く表した作品だと思います。
 特に選曲に多様性がありながらも一貫性がある点は非凡な才能があると思うし、グルーブをしっかりと繋げながらもストーリー作りをしてしまうところには感服です!

 中古で普通に売ってて、値段も程よいぐらい(微妙なレア度数かな?)なので、興味のある方はぜひ買ってみてください(^0^)
 Discoが好きな方なら、ちょっと違う世界かもしれないですが、絶対ヤラレますよ!!



<Release Date>
Artists / Title : Daniel Wang 「Sessions Vol,3 Come On Let's Fly」
Genre : Disco、DanceClassics、Garage、House、DiscoDub、和物・・・
Release : 2005年4月
Lebel : Musicmine IDCH-1012


Notice : リリースについて

 一応、国内企画で、オルタナティブHouseのミックスシリーズである「Sessions」の第3段にあたります。
 ちゃんと版権をとったメジャー作品で、Danielの中ではオフィシャルなミックス作品の処女作になるそうです。
 
 なお、権利をクリアーした作品なので・・・インタビューによると「権利」をクリアーする作業が一番大変だったそうで、本当は入れたかった曲も沢山あったようですが、ライセンスの依頼を出して、許可が下りた曲(確立30%ぐらい)で作ったようです・・・Danielいわく、Van McCoyなどが下りるとは思わなかったそうです。


Notice : 参考資料

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 なんどか登場しましたが、優良House系フリーペーパー「Phone」でも、リリース時に企画記事が掲載されており、これがドープです!!
 2005年4月に発刊された「No,09」に掲載されてますが・・・Danielの人の良さが伺えたり、この作品の詳細が書いてあったり、今回の記事では参考にさせていただきました。 
 
 んで、Danielのインタビューもイイですが、この特集では、このCDの最大のボムである「鹿取洋子」さんにインタビューをしています!! 岡本俊浩さん、最高です!
 鹿取さんは、2005年の時点では歌手は辞め、一児の母になり、女優業を行いつつも、旦那さんとともに化粧品輸入業/販売業(リンク探しちゃった!)を営まれてるそうです・・・おそらく40代くらいだと思いますが、綺麗なお方ですね(^0^)

 なお、鹿取さんのレア情報として、チャイナは20万枚ぐらい売れ、ボチボチヒットしたそうですが、当時の駆け出しのアイドルとあって、あまりお金がもらえず(=給料制だったみたい)貧乏だったそうです・・・同じ事務所にピンクレディーも在籍されてたようですよ。

 また、未確認情報ですが、鹿取さんの作品の何枚かはYMOメンバー(坂本、高橋、細野も含む!)が参加されているようで・・・妄想聴きをすると、今回のチャイナのドラムも、高橋幸宏さんっぽいシャープな感じもするけど・・・どうなんでしょう?
 Wikiに掲載されていた唯一リリースしたLPだと、参加アーティストに確かに書いており、謎が深まります・・・



< 追記 > 2009年11月29日

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 本文でチラッと触れた「鹿取洋子 / ゴーイング・バック・トゥ・チャイナ」の別ジャケ(写真左)を入手しましたので追記します・・・出張で行った仙台で安く買いました(^^;)
 ジャケは全然違いますが、型盤は一緒で、曲の内容も全く一緒です・・・昔のアイドルってイメージ戦略が大切だったので、方向性を変えるためにジャケを変えたんでしょう・・・多分、顔面ドアップの方が後に出たっぽいっすね。


MURO 「Super Funk Breaks Lesson 5 - 8」
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 え~い、自信がないけど連チャンです!!
 MUROさんの人気シリーズの第2段です・・・第1段と同様に「Funk」と「HipHop」が融合したMUROさんにしか作れない世界に仕上がり、第1弾以上に更に濃くなった作品です。
 また、色々と小ネタを挟みながらご紹介します・・・


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 第一弾の「黒」が出た翌年である2002年11月にリリースした「白」版ですが、作品の紹介の前に一つだけ紹介したい流れがあります。

 この頃は、MUROさんが「現場」でのプレイにこだわり始めた時期といっても過言ではなく、特に象徴的なのは上に貼ったフライヤーの「Blow Your Head」というパーティーでしょう。
 黒がリリースされた2001年12月より代官山airにて開始したMUROさんの主催パーティーで、ジャケットがSuperシリーズを利用してるのから分かる通り、SuperシリーズのようなオールジャンルをHipHopの名の下でプレイをする・・・みたいなパーティーで、MC(この頃はJyo-Cho aka Chill Rob Jay!)を配置したロングセットを披露し、さながら「MURO流のブロックパーティー」のような感じだったようです。

 私自身は残念ながら参加したことがなく、今さらながら行かなかったことにかなり後悔をしておりますが、この頃はFunkが重要なキーワードだったようで、Keb Dargeをゲストに呼んだり、準レギュラーとしてBeamsの岩沢洋さん(日本屈指のコレクターですね!)がDJをしてたり、サブルーム(B1っすね)ではTus-OneとShimoneが担当したり・・・かなりFunk臭が強かったと思われます。
 私自身はBlow Your Headの後に不定期で開催されていた「Back to the Old School(渋谷Harlem)」でMUROさんの現場でのDJのヤバさを知りましたが、このBlow Your Headでのプレイも、Superシリーズで披露されていたDiscoやSamba、そしてFunkが披露されてたかと思うと・・・タイムトリップして行きたいパーティーだな~と妄想させてくれます(^^;)

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 考えてみれば、MUROさんのパーティーって、ゲストでは大きい所で回していましたが、自身の意向を主軸に置いたパーティーってそれまでは「小箱」でしか開催しておらず、ある程度大きい箱でやり始めたのはこのBlow Your Headが最初だと思います。
 この限りで重要なのは・・・MUROさんが「フロアー」を意識した選曲を、クラブで実践し、その気持ちよさが分かり、DJミックスにおいて「現場感」を重視していたと思われ、その現場感を作品化したのが・・・今回紹介している「Superシリーズ」だと私は考えています。

 「現場感」って書いてしまいましたが、分かるかな・・・いわゆる「打ってる」選曲だったり、「ノリを重視にした」選曲で、クラブにいる観客を盛り上げることを念頭にした選曲ですね。
 つまり、それまでのテープ作品だと、深い「掘り」を披露する方向が強く、実際のクラブプレー(ラジオも同じかな?)とは違う方向性で・・・ちょっと「趣味が強い」内容が多かったわけですが、Superシリーズでは、MUROさんのHipHopを土台にした幅広い選曲を出しつつも、現場感が示す「盛り上げる」ことが出来る内容にしたのが・・・Superシリーズです。

 DiscoやSambaの頃だと、明確なパーティーがなかったので、この説明を明確にしませんでしたが・・・きっとMUROさんの中で、MUROさんを期待して遊びに来た「観客」と、MUROさんの「選曲&DJ」が上手く噛み合い、DJの楽しさが明確になったのかな~と思い、Superシリーズをリリースしたのかな~とも思えます。
 特にBlowもそうですが、5時間近いロングセットでプレーすることで、選曲の方向性を作ることが出来、観客のレベルも上がり、HipHopに固執することなく好きな曲をかけられるようになったり、優秀なスタッフ(MCやレコード配給係!)が揃ったり・・・MUROさんが考える「DJ」を体現出来るようになり、DJをすることが楽しくって仕方がなかったのかな~とも思えます。
 実際、私が行っていたBack to the Old School(後半だけだけど)や、ageHaであった20周年記念パーティーでも、DJの開始の頃はクールなMUROさんが、段々とテンションが上がってるのが分かり、気合を入れた2枚使いや、アイソ使い、MC陣のナイスなマイクなどでブローアップし、最後の方になるとマイクで「ありがと~!」と言ったりしてて・・・DJすることを心の底から楽しんでいるようでした・・・

 私も、当時はHouseの気持ちよさを体感し、クラブで「踊ること」の楽しさを知り・・・もともと好きだったMUROさんのDJを、MUROさんが現場感にこだわってる最後の方(2005年ごろ)を体感し・・・現在の自分がいるぐらい影響を受けました!
 たまにこの話題も書きますが、いや~馬鹿見たく騒いでましたよ・・・SuperDiscoBreaksでの馴染みの曲や、HipHopのド定番を粋にプレーしたり、カッコいい2枚使いや、アイソ使い、パンチのある選曲などでフロアーに活気を与え、朝までノンストップで踊って(=歌って)ました。
 よいDJほど、DJをすることを楽しみ、それにつられて観客達がついてくるわけで・・・その好例があった時期かもしれないですね・・・

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 話をまとめると、MUROさんのDJミックスにおいて「現場」という存在の重要性が色濃く反映したシリーズが、実はこのテープ時代のSuperシリーズで、そのピークが・・・この「白」のFunkだと私は考えてます。
 つまり、この白以降のSuperシリーズでは現場感が念頭に置かなくなり、ある特定のジャンル(ReggaeとかHouseとか・・・)をミックスする時に使う「冠」になった為、実質的に「現場」にこだわった作品は・・・これが最後だと考えるからです。

 実際の現場でのプレー(当時ね)では、「Disco」の要素の方が若干強く、「Funk」の要素は微妙(HipHopは多かったが、DeepFunkは大箱では行かなかったかな?)だったとも記憶していますが、この白では2枚使いクイックミックスなどが披露され、現場でないと体験できなかった「熱さ」を収録されているのは聴きどころだと思います。
 また、前作の「黒」同様に、FunkとHipHopが融合した作品感は・・・更に濃くなり、とんでもない世界になっている点もポイントです。

 長ったらしい前ふりになりましたが・・・MUROさんの「現場感」が実際の作品でも爆発しています・・・以下で紹介しますね♪
 なお、下記に張り付ける写真は、何枚かは資料用にどこぞやで写真を借りました・・・レア過ぎて買えないっすよ(^^;)



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 まず、この作品は、前作の「Super Funk Breaks Lesson 1 - 4 」と同様に、MUROさん流にFunkとHipHopが融合した作品で、前作と同様なミックスの方向性(ネタミックスとか高度な掘りとか)で作られています。

 前作と同様なので、この作品でも高度な掘りが発揮され、Funk系もレアなのが多いのですが、分からない曲が多いので・・・HipHop関係で指摘をしましょう。
 象徴的なのを上に貼りましたが、StrongIslandのBlueMixの12inchだったり、KRS-ONEの変名12inchだったり・・・殆ど市場に出ず、万越えどころではない値段で、市場的にはニューディスカバーなレコードが多いです・・・この作品を聞いて、存在を知った方も多いかな~と思います。
 
 ただ、MUROさんに関しては、レア盤だからかけてるのではなく、しっかりとミックスの中で生きるような選曲をしており、前作同様「ネタ曲での数珠つなぎ」的なミックスをこのレア盤でも行っており、写真右のKRSの変名であるBig Joe Krash / Break The Chainだと、ドラムネタ(曲名不明)からミックスし、サンプルしたブレイク部分になると同ネタ使いの別曲(Shadowだっけ?)で2枚使いし、そこから別曲とBig Joe Krashでブレイク2枚使い・・・というマニアックなミックスを行ってます。

 前作もそうですが、比較的新作が選曲されてたり、その新作でネタミックスしたり・・・と思ったら超レアなレコードをかけたり(RoyPorterとかね)するわけで・・・値段に関係なくMUROさんの「おめがね」にかかった曲をプレイしてる姿は素晴らしいですね!

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 そしてこのシリーズの醍醐味である「ネタ繋ぎ」はもっと進化し、深い方向に進みつつも、破壊力のあるラインが多いような印象があります。

 一例をあげておくと、MUROさんのミックスの中では比較的ド定番なミックスで、ATCQ / Show Business(LPオンリーっすね)のSadat Xのバースの「♪Although I hit a pound of herbs I'm still nice with the verbs、So fuck what you heard♪」から、声ネタであるDiamond D / What U Heardへの「声ネタ」クイックミックスは、現場でもプレイしており、MC陣がニコニコしながらDiamondにミックスするタイミングを待っているのが印象的でした。

 これ以外にもカッコよくて、マニアックなネタ繋ぎが多く、近年になり再評価が進んだMCである「Percee P」繋ぎとか、テンポのよい「ネタの数珠つなぎ」とか・・・悶絶の連続です!
 個人的には、黒のFunkと比べると、インパクトの強いミックスが多くなった印象があり、かつ単純なネタ繋ぎで終わらないことも多いと思います。


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 しかし、ミックスの全体像においては、明確な流れがなく、要所要所ではパンチのあるミックスが入りますが・・・全体的なミックスのトータルバランスは、黒と同様に「ラフな作り」になっており、聞いてて「死んじゃう」ぐらいのヤバいミックスになってるか・・・というとそうではないと思います。

 結局のところ、このSuperシリーズにおいて言えるのは、現場では盛り上がる「曲」を多く選曲したり、現場で盛り上がる「カッコいいミックス」を入れてるのかもしれないですが、ミックス作品として「全体の流れ」までは気合を入れて作ってはいないことが多く、ミックス作品として重要な部分(=ミックスの流れ、ストーリー性)が弱いと感じます。

 例えば、写真に上げた「Ozomatri / Cut Chemist Suite」であれば、Lesson 5の序盤で飛び出す高度な数珠つなぎ(Cerrone / Rock in the Pocket → MC Lyte / Cha Cha Cha → Ozomatri / Cut Chemist Suite(Remix) → 同曲(Original) → Jurassic 5・・・)を披露しており、単体で聞くとメチャクチャカッコいいのですが、これを作品の流れで聞くと、必要性が微妙でパンチにかけます・・・
 また、このテープがリリースされた同時期に発表されたMUROさんの名物Remix「Funky Drummer」もLesson 7の頭で収録され、JBラインのFunkとHipHopで選曲の足がかりとして使用していますが、もっと効果的な使い方があったのかな・・・と思いました。

 ちょっと厳しく書きましたが、ミックスの流れの素晴らしさでいくと、Diggin'IceやDiggin'Heatの方が優れており・・・正直な話、ICEとかは胸を張って好きだ!という方が多いのに対して、Superシリーズが「大好きだ」という人が少ないのは・・・この「ミックスの流れ」がラフに作られてるのが理由かもしれないですね。

 考えてみると、なぜラフに作っているのか・・・という結論は、MUROさんにしか分からないことかもしれないですが、個人的には「現場感」を尊重する姿勢がポイントだと思います。

 つまり、現場でDJしてると、選曲の流れももちろん重要ですが、その瞬間ごとに観客を引き込むミックスの方が重要になり、作品の「流れ」で盛り上げることよりも、1曲1曲で勝負する方が重要になると思います。
 そう、現場感を尊重して作品を作るとミックスが「単発」的にならざるを得なく、今回の白のように、要所要所ではカッコいいミックスが単発的にあるものの、全体的な流れに統一感や方向性が見出せず、ミックス作品として「弱い」内容になってしまった・・・と私は思います。


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 「現場感」についてもうちょっと考えてみましょう・・・

 もっとこの作品に対して厳しい意見をいうと、実際の「現場」の内容なり雰囲気を作品化してるとは思いますが、MUROさんの実際の「現場」よりは弱い印象があります。

 今まで、いい意味で「現場感」と書きましたが・・・この言葉を裏を返すと、現場でないと「体感」できない場合が多く、その質感の一部を作品化したのはこの作品であるのですが、現場での「空気」を完全に表現してるわけでもなく、また先ほど指摘した「ミックス作品」としての弱さもあり・・・厳しい説明をすると作品としては「中途半端」な印象があったりします。


 かなり厳しい意見を「あえて」書きました・・・だって、MUROさんの「現場(=Club)」でのプレイと比べたらホント「大したことがない」んですもん!!

 最近のMUROさんのプレイは、ゲストプレイが多く、1時間程度だったり・・・日本盤の45に固執し、マニアックなプレイ(いつだか、ageHaのメインの4時ごろで45セットを披露してたら・・・私はついていけましたが、サーっと客が消えていった・・・ことがありました)が多かったり、Superシリーズ前期の「熱い」プレイがないですが、私が行っていた「Back to the Old School」の頃の12inchセットのヤバさと言ったら・・・もっと評価されるべきだと思います。
 なんて言ったらいいんだろう・・・うまく説明できないですが「選曲で圧倒するパーティー」と言えばいいんですかね・・・疲れてへばっていても、自分の好きな曲がかかったら、突然「シャキッ」となり、フロアーにダッシュし、絶叫してるみたいな・・・自分の場合はBeatnuts / Props Over HereのJapan部分のアカペラ使いから本編へのミックスとか、Phyllis Hyman / You Know How To Love MeなどのDisco系の死ぬほどカッコいいミックスで昇天したりとか・・・現場でないと味わえない死ぬほどカッコいいミックスがあったと思います(^0^)

 クラブに行ってると、DJが作る「雰囲気」ってホント大切で、観客が自我を忘れて騒いでしまう・・・みたいな雰囲気は簡単には作れず、その雰囲気作りがDJの仕事においてもっとも重要だったりします。
 MUROさんにおいては、この雰囲気作りがホント秀逸で、1曲1曲を大事にプレーしつつ、MUROさんにしか出来ない選曲とテクニックと・・・KODPクルーのMCなどが相まって、大変なレベルの高さになっており、フロアーには活気があふれ、普通のHipHopのパーティーにはない雰囲気作りになっており、大汗をかいて踊ったり、歌ってたりする・・・私みたいな輩が多かったです(^^;)
 考えてみると、けっこうHouse的な方法論(ミックスを進めることで雰囲気をビルドアップしていく感じ)もあり、これまた私が好きなDannyKrivit見たいな雰囲気作りもしてたな~とも思います。

 ただ、この「現場感」は・・・結局のところ、実際のクラブでないと体感が出来ないわけで、DJが奏でる「旋律」にしっかりとライドし、観客として心をDJに預け、心を開放しないと・・・・感じられないんだな~と思われます。
 つまり、DJと観客が、お互いが一つにならないと生まれない「瞬間的」的なものなので、これを「作品」として昇華するのは・・・物理上、難しいですね。


 そういうわけで、このシリーズに「現場感」を求めるの物理的な意味で難しく、現場感の完全な作品化は出来なかった・・・と結論づけられると思います。

 変な話、現場でのプレイを観客の声込みでそのまま録音しちゃった方がいいわけで・・・MUROさんの現場感を作品として表現する為には・・・現場での完全Live録音の「Super Live Breaks」を作らないとダメでしょう!!
 タイトル的には「Liveもの」をミックスした作品とも取れますが、個人的にはairとかHarlem程度の大きさで、かつ音の鳴りが良いクラブで・・・MCはカシさんかヒコさんがメインで、12inchを主体としたロングセット(特にSuperDiscoBreaksスタイル希望!)を・・・観客の声も入れて作品化すれば・・・MUROさんの「現場感」が完璧ではないものの、かなりの割合が記録できるのでは・・・と思います。

 MUROさん、もし録音するパーティーがあれば、私は絶対行くし、歌ったり、騒いだり、足を踏みならしたり・・・いい「がや」を入れますので、またBack to the Old Schoolみたいなロングセットをやってください(^0^)



 んなわけで、自信がない作品だったので、無駄に別話題で外堀を埋めてしまったり、評価を裏返すことも書いたりしましたが、MUROさんの現場感が完璧には作品化されてないものの、MUROさんにしか出来ない掘りの深さと、DJミックスの素晴らしさが体感できる1本です!
 前作の黒もそうですが、初心者にはキツイかもしれないですが、ミックステープの「道」を通ると、この作品は絶対外せないと思いますので、ご興味があれば聞いてくださいね~


<Release Date>
Artists / Title : MURO 「Super Funk Breaks Lesson 5 -8 」 
Genre : HipHop、Funk、DeepFunk、Soul、RareGroove・・・
Release : 2002年11月
Lebel : Savage/KODP No Number

Notice(1) : 2本組み作品
Notice(2) : CD再発もあります

Notice(3) : トラックリストについて
 テープ版には当然ついていませんが、リリース時に一部の店舗(Savageとか)ではトラックリストの配布、または店頭での貼りだしがあったようです。
 また、CD再発時も同様のようで、たまにトラックリスト付きのCDが中古で販売されていることがあります・・・トラックリストやっぱり欲しいな~(^^;)


ps 説明が本編とずれた説明が多くなり、作品自体の内容が説明できなかったのが残念ですね・・・正直言うと、ラフな作りなので、各ミックスに明確な差異が見いだせないんですよね・・・MUROさんごめんなさい(^^;)



MURO 「Super Funk Breaks Lesson 1 - 4 」
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 すみません・・・仕事が忙しかったのと、文章を書くのに予想以上に時間がかかったので、1週間ほど空けてしまいました(--;)
 今日は久しぶりの休みなので、朝から仕上げ作業をしてました・・・

 んで、紹介するのは・・・・ついにこの「」です・・・MURO作品の紹介だと、これを楽しみにしてた方も多いかな?
 
 言わずと知れたMUROさんの名作で、タイトルの通り「FUNK」をMUROさん流にこだわりぬきつつ、ネタ曲である「HipHop」の曲を高度にミックスし、FUNKとHipHopが融合したMUROさんにしか出来ない世界観・・・そんな内容に仕上がっており、時期的に見ても「MUROからFUNKシーンに対する返答」のような作品になっています!
 好きな方も多いでしょうし、MixTape市場ではかなり有名な作品なので気になる方も多いでしょう・・・いつ紹介しようか迷ってました・・・が、あんまり書くのに自信がなく、こんな時期になりました(^^;)


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 まず、作品の紹介をする前に、時代的な背景を考えましょう・・・

 DJシーンで「FUNK」と言えば、HipHopシーンでは「ネタ」として昔っから重宝されていましたが、一つのジャンルとして明確に名を連ねられるようになったのは、90年代後半より盛り上がり始めた「DeepFunk」「Funk45」の動きがあったからだと思います。
 それこそ80年代末よりFunkの推進を行っていたKeb Dargeの活躍があってこそのムーブメントで、クラブミュージックとしてFunkが機能する(=踊れる、楽しめる・・・)ことが世界に知れ渡り、またネタ師筋では、まだ掘られてないネタが沢山あることに気づき・・・世界各国でマニアたちを刺激し、発掘活動に拍車をかけたのがスタート地点だと思います・・・
 特に重要なのは、99年ごろにDJ ShadowとCut ChemistがリリースしたBrainfreezeで、この作品でDeepFunkのヤバさが一般リスナーにまで伝わり、ファンを増やし、レコード掘り達は競うようにレコードを掘り始めた・・・つまり2000年ごろから「Funk」の動きが活発になったと私は考えます。

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 私自身は、当時はレコードを当然買っていましたが、その時はDeepFunkには興味がそんなになく、中古屋でチラッと見た時の価格の高さにビビったこともありますが、今思い返してみると結構「加熱気味」で、日本においては「バブル」に近い印象もありました。
 資料になるかどうか分からないですが、2002年4月頃に発行された渋谷・FaceRecords」の通販リストですが、安い45もありますが、誰かがプレイした曲だと一気に値段が変わり、お店で見ていた限りだと(あまり買わなかったですが、必ず掘りに行ってました!)高いレコは結構売れていた記憶があります。
 特にBrainfreezeネタの45の高騰っぷりはすさまじく、万越えは当たり前だし、下手したら6ケタも多く・・・また、Keb Dargeなどがコンピに収録した曲なども同様で、黎明期特有の「名前先行」なバブルがあったと思います。

 冷静に考えてみると、レコード屋さん的には、何か「ブーム」があると売りやすいわけで、今までFreeSoulやRareGroove、HipHopの元ネタ、Brazilなど・・・色々なブームがあったわけですが、その流れの中で7inchのFunk45が次の1手になり、供給側でも対応が出来、全体的なシーンが急速に拡大したのが・・・バブルの一因だと思います。
 もちろん、購買層が高いお金を出しても買ってしまう流れも重要だし、Funk45においては、全世界的な広がりや、インターネットの普及による情報の広がり・・・など様々な要素があり、ブーム/バブルになったのだと思いますが、私が高校生ぐらいに体験していた日本語HipHopのレコードバブルを見ているような金額的なアンマッチがあり、金額面で見ると異常な値段・・・だったと思います。

 ただ、結果として45特有の音の良さとか、その時期にしか作れない音とか・・・新たな価値観が出来上がり、今に続いているのは結果的には良かったと思います。


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 そんな流れの中で、当然MUROさんもFunk45は盛り上がる前から「ネタ」として掘っていただろうし(例示したFaceでも45の棚を掘ってるMUROさんの背中に遭遇したことがあります!)、それらの出会った曲も、自身のプレイリストにも入っていただろうし・・・DeepFunkという動きがあっても、「MURO」というスタンスで対峙し・・・過熱気味なシーンに対してMUROさんなりに「DeepFunk」への回答をしたのがこの作品だと・・・私は考えています(妄想強し)。
 
 つまり、このテープでは、DeepFunkという「現場でのプレイ」に耐えうる楽曲を、MUROさんは「HipHop」の骨子(元ネタ)としてとらえつつ、それらの曲にダンス性・HipHop的なノリの良さを見出し、最終的に「HipHopとFunkをMUROさん流に融合」させた作品で・・・一辺倒なシーンに対してMUROさんの価値観を提示したのだと思います。
 Funk45と言えば、HipHopの元ネタになってる曲もあり、当然、カッコいい曲が多いわけですが、それらの曲をShadowとかKebと同じようにプレイしてたら「ものまね」なわけで・・・プレイするDJ達が自分たちの中で消化しないと意味がないんだよ・・・っとMUROさんがシーンに対してある種の注意をしてるのかな~と私は考えています。

 また、これまた妄想なのですが・・・この頃のHipHopってサンプリング離れが著しく、トラック自体に「魂」がこもってない作品が多く・・・私もそうですが、HipHopに魅力を感じられなくなった時期でもあるかと思います。
 その流れにおいて、HipHopと、そのネタ元に位置するFunkを同列でミックスすることで、HipHopが本来持つ「躍動感」を表現したかった・・・という点もプッシュしたかったのかな~とも思います。

 あと、HipHopを更に掘りこむ・・・という価値観も提示しており、HipHopをもっと楽しもうよ!みたいな気持ちもあるかな・・・とも思います。


 やや強引に作品に関する背景の紹介をしましたが、こんなことがあってこの作品が生まれたのかな~と思います。
 おそらく、現場先行で作品の核が生まれ、作品化したのだと思いますし、時期的には、上記のリストを見てると、Superシリーズに力を入れてる時期なので、Disco、Sambaに続き、Funkという名の下、MUROさんにしか出来ない世界を表現したのだと考えます。
 また、色んなジャンルをプレイしたり(SambaではHouseとか)とか、現場でのプレイを強化し始めてる時期だったので、DJミックス/技術の幅が更に広がっている時期でもあるかな・・・と思います。

 そんなわけで、やっと紹介に行きましょう・・・


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 え~、先に告白しちゃうと・・・この作品も殆ど収録曲のレコを持ってない・・・んですよ(^^;)
 なので、書くのに自信がなく、無駄に事前文章を長くしてボリュームを増やしました・・・そして上のレコ写はどこぞやでお借りました・・・レコ写はコレのみにしましょう。

 では、作品の紹介です(^0^)

 先ほどもちらっと触れましたが、内容的にはまさに「HipHopとFunkをMUROさん流に融合」させた作品で、MUROさんの持てる選曲術・ミックステクを用いて、現場感覚があふれた超特濃な作品に仕上がっています。

 内容的にはHipHop的なスタイルを中心に「壮大なネタ繋ぎ」の連続で、流石「King of Diggin'」といった掘りっぷり/アイデアが多く悶絶です・・・
 また、そのネタ繋ぎを核にしながらも、この作品ではHipHopらしい「DJミックス/2枚使い」が効果的に配置され、MUROさんにしか作れない世界に仕上がってます。


 例示を一つ入れておくと分かりやすいと思うので紹介しておくと、Lesson2の出だしでは、「Big Daddy Kane / Set it Off」を肴(?)にミックスをしており、Set it Offのドラムネタである「Grady Tate / Be Black Lady」をかけ、頃合いをみてBDKのSet it Offにミックスする・・・このシリーズでの定番的な流れがあります。
 まあ、いわゆる「元ネタ」ミックスで、普通に聞くとそれまでなのですが・・・深く聞くとMUROさんの凄さが分かる部分だと思います。


 まず、第一点目はミックスが「ただの元ネタミックス」で終わってない点です。

 この流れだと、最初にGrady Tateがかかるわけですが、King of Diggin'シリーズのようにしっかりと曲を聴かせつつ、サンプリングの面白さをアピールしてる点は注目で、サンプリングをした部分だけでなく、その他もしっかりと聞かせ、曲の良さ/Grooveをアピールしてる点は秀逸です。
 また、元ネタを上手く利用した方法で、元ネタのサンプルした部分と、サンプリングした曲を交互に2枚使いするところも面白く、Set it Offのサビ前の上ネタ(何ネタかは不明)を交互に2枚使いする辺りはカッコよく、そのままネタに流れる展開が秀逸です!
 
 元ネタ曲の良さを聞かせたり、細かいギミックを入れるのは、King of Diggin'シリーズからありましたが、この部分が更に尖鋭化した印象があり、特に「DJミックス」の上手さが格段に進化しており、根にしっかりと「HipHop」がないと出来ない気持ちいい2枚使いなどは最高です!!
 特に、この「ネタ繋ぎ」はメチャクチャ高度になっており、2枚使いなどを交えつつ、複雑な「ネタ繋ぎ」を披露しており、Set it Offであれば、ドラムネタで繋ぎつつ、さらに上ネタで繋ぐ・・・みたいな「数珠つなぎ」になり、ミックスの展開を良くしていますね(^0^)
 2枚使い関係だと、他にも紹介をしたいラインが沢山ありますし・・・それ以外にもアカペラブレンド(それもDope On Plastic!)とか、クイックミックスとか・・・MUROさんが技とセンスが光り、作品の良さを増大させています!!

 
 二点目は「高度な掘り」が発揮されている点です。

 当然、GradyTateもヤバいですが、個人的にはSet it Offが象徴的だと思います・・・
 この曲もMUROさんがプレイしたことで市場にインパクトを与え、使用したUK盤の12inch(この盤のみExtendedバージョン)が瞬く間に高騰した/注目が集まった印象があり・・・鬼ドープなDeepFunkに注目が集まりがちですが、HipHopにおいて「更なる掘り」を披露している点は面白いです。
 考えてみれば、MUROさんがプレイしたことで市場に知れ渡ったHipHopの曲ってホント多く、それこそHipHopBandとかDopeOnPlasticとか・・・沢山あるなかで、このテープでもMUROさん発なレコードがあり、例えば、殆ど市場に出ないですがBDPのライブ盤のアナログ(プロモオンリーっすね!)とかがそうですよね。

 また、定番曲でも、第一点目で指摘したドープなミックスで光る曲も多くKool G RapのTalk Like SexとかMen at Workなどの曲なんかは、ネタ曲との高度なミックスなもと、メチャクチャカッコよくかけてくれてます!!
 Koo G Rap / Poisonであれば、もともとカッコいい曲ですが、この曲の「♪You Slave My Sound Wave♪」というラインから、このラインを声ネタに使用したLord Finnese / Slave to My Sounwaveにクイックミックスするなど、カッコいいですね(^0^)

 そして・・・DeepFunk関係も最高で、ネタ曲として絡める部分もありますが、Funkな流れとしてかける部分も多く、聞いたことはあるけど曲名がいまいち分からないのが多いので・・・残念ながら詳しくかけないですが、流石の手腕です!!
 Brainfreezeなどでもチョイスされた曲や、MUROさんがCypherでかけてた曲など・・・メチャクチャカッコいい曲が多く、ノリノリです・・・SuperWomanとか、カッコいいな~(^0^)
 確信は持てませんが、安い皿ではない45も多いと思いますが、大本命盤(GetDownBrotherとか)はあえて外してる感じで、あくまでもMUROさんの主眼で選んでおり、分かる人が聞けばヤバさが分かるのかな・・・という選曲だと思います!



 以上の二点のポイントがこの作品の要点で、その要点があることでHipHopとFunkが融合し、メチャクチャ高度なミックス作品に仕上がっています!

 きっと知識があれば、もっと高度な説明が出来るかもしれないですが、要所要所で繰り返される元ネタがらみの二枚使いでHipHop/Funk指数を上げ、その合間でドープなDeepFunkを選曲することで、Funk的な質感がありながら、HipHopの本質を見事に見出した作品になっていると思います。
 DeepFunkってもともと好きなジャンルではありましたが、MUROさんのフィルターにかかると更に聞きやすくなり、是非クラブの爆音で聞いてみたい・・・と思いますよ!!
 う~ん、こんなミックスは・・・MUROさんじゃないと思い付かないし、MUROさんの「腕」がないと出来ないんだな~と痛感してしまいます!!

 ただ・・・正直な意見も書くと、要所要所でカッコいいミックスはありますが、全体的なミックスの流れは未熟で、パンチのある選曲とは言い切れない・・・と私は思います。
 この作品自体、結構ラフな作りをしており、MUROさん自身も、作品における「ミックスの流れ」はそこまで考えていない(後半にバンっともりあげるとか)ようで、ミックス感を統一して世界観をアピールする程度にとどまり、何度も聞きたいと思うミックスには仕上がってないと感じます。
 聞いてるものを殺せるミックスや、選曲をしてはいますが、テープが二本というボリュームの多さがあり、作品として「間延び」してしまってる所もあり・・・その点はちょっと残念ですかね・・・



 ンなわけで、私の知識がもっとあれば紹介出来るのかも知れないのですが、歴史的な名作のご紹介でした(^0^)
 値段はボチボチな値段ですが、中古屋とかヤフオクだと必ずでる作品なのでご興味がある方はどうぞ~です♪



<Release Date>
Artists / Title : MURO 「Super Funk Breaks Lesson 1 - 4 」 
Genre : HipHop、Funk、DeepFunk、Soul、RareGroove・・・
Release : 2001年8月
Lebel : Savage/KODP No Number

Notice(1) : 2本組み作品
Notice(2) : CD再発もあり2005年9月に1000枚限定でリリース済み

Notice(3) : トラックリストについて
 テープ版には当然ついていませんが、リリース時に一部の店舗(Savageとか)ではトラックリストの配布、または店頭での貼りだしがあったようです。
 また、CD再発時も同様のようで、たまにトラックリスト付きのCDが中古で販売されていることがあります・・・トラックリストやっぱり欲しいな~(^^;)


ps 次は当然「白」のFUNKですが・・・これも書く自信なし(--;) ここ最近で聞きこんでますが、聞けば聞くほどドープ過ぎて文章化出来るか不安になります(^^;) ただ、勢いがあるうちに書いちゃおうかな~っと  
 あと、気づいたら1万ヒット! 皆さんのご来訪、本当にありがとうございます!! これからもがんばります~