HipHop,R&B,Soul,Funk,RareGroove,DanceClassics,Garage,House・・・など、私が気に入っているMixTape,MixCD,その他もろもろを紹介するブログです。
DJ Oshow 「What's Hip Hop ? Vol,01」
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 すみません・・・いろいろとあって更新が遅れました(^^;)
 そんなわけで、ミックステープ業界では名の知れたOshowさんの作品をご紹介です~♪


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 DJ Oshow(オショウ)さんは、気づいたら初めて紹介するんですよね・・・さっくりとバイオを紹介しましょう。

 90年代後期より活動を開始したHipHop系DJ/Producerで、ダースレイダーと真田人のラップグループ「Micadelic(マイカデリック)」のバックDJとして業界デビューをし、グループ解散後は、自身での音源作成やDJ活動を通して、全国をロックしているDJです。
 プレイスタイルはHipHopが主軸であるものの、HipHopのみに固執せず、様々なジャンルをプレイしており、個人的にはオールラウンダーなDJだと思っています。

 この方が面白いのが、写真左のように「和服」を日常服として着こなしていることで、直球でB系の経歴をお持ちだったのに、ある時期より和服に傾倒されたそうで・・・一見すると「静かな人」なのかな?と思われがちですが、現場では「鬼パーティーロッカー」として有名です。
 それこそ、今回紹介するテープで披露されているようなカッコいい2枚使い&スクラッチドープな選曲、そしてマイク使い・・・挙句の果てには「全裸」など・・・現場を盛り上げることに関しては敬意を払いたくなるほど献身的なDJだそうで、好きな方も多いんじゃないかと思います。

 そんなOshowさんですが、ミックス業界的にはメジャーなお方で、写真右のようにテープだけでも結構リリースしています。
 特に有名なのが、ミックステープ業界では最大手であるSugar Bitzからリリースをしていた「What's Hip Hop」シリーズで、これを聞いてOshowさんのことが好きになったって方も多いと思います。
 シリーズは2002年頃よりリリースし始め、当時はかなり人気なシリーズで、計7作リリースされ、私は全て後で買いましたが、個人的にも好きなシリーズです。

 人気だった理由にもなるかも知れないですが、このシリーズは、タイトルの「What's Hip Hop ? (=HipHopってなに?)」の問いかけに答えるかの如く、Oshowさんが考える「HipHop」を大胆にミックスしたオールジャンルミックスで、HipHopが本来持つ「自由」や「Funk」という感性を前面に押し出した選曲&ミックス・・・なんだけど、根底にある「B魂」は揺るがないみたいな作風になっており、結果としてOshowワールド炸裂な作品になっています(^0^)
 なので、普通にHipHopだと思って聴くと、ついていけない方もいるかもしれないですが、分かる人には分かる・・・そんな感じの作品だと思います。

 ンなわけで、今回はこのシリーズの第1段をご紹介したいと思います~♪



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 まずこの作品を聞いて、印象的なのは写真左の「Coke Escovedo / I Wouldn't Change A Thing」の2枚使いでしょう!!
 イントロのブレイクだったり、サビ前のところだったり・・・美味しいところは必ず2枚使いしており、これはヤラれますね(^0^)
 かなり作りこんだミックスだと思いますが、ターンテーブリストのような技としての2枚使いではなく、Funkを注入するかのような2枚使いで、曲自体を更に良くしているのが印象的で、凄く真似したくなります!

 今回の作品の方向性の一つとして「オリジナル・ブレイクビーツ」の選曲/ミックスが少しポイントになっており、それこそUltimate Breaks & Beatsに収録されている曲をミックスしており、Ultimate馬鹿には堪らないです(^^;)
 Cokeの前は「Ester Williams / Last Night Changed it All」でドープな2枚使いをしつつ、カッコよくCokeに繋いだり、これまたクラシックな「Pleaseure / Joyous」なんかをプレイしたり・・・渋いのが多いですが、ナイスなチョイスです。
 
 HipHopの根底を考えた時、Ultimateに収録されているようなブレイクビーツ・クラシックな曲に行きつきのは当たり前だし、むしろ忘れてはいけないことでしょう・・・
 それこそKool Harcだったり、Flashだったり、Bamだったり・・・先人達が発見した「ブレイクビーツ」に対して敬意が感じられつつも、Oshowさんらしいアイデアが発揮され・・・個人的にはこの部分を聞いて、Oshowさんが好きになったとも言えます。
 う~ん、Ultimateが好きな人に悪い人はいないですね!!


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 んで、選曲的には、先ほどご紹介したブレイクビーツとして認知されるFunkやSoulなどの旧譜モノに交じり、普通のHipHopをサラッとミックスしており、それこそ「Jungle Brothers / On The Run」「BDP / You Mast Learn」なんかがチョイスされています。
 また、B面の後半では、Jurassic 5からオールドスクール回帰なミックスを行っており、「Funky 4 plus 1 / That's the Joint」とか「Grandmaster melle mel / Freedom」なんかをプレーして、HipHopの原点を探す・・・みたいな選曲で大変イイですね(^0^)

 ただ、全体的なトータルバランスをみると、選曲がバラバラになってしまい、聞いていて「気持ちイイ流れ」が感じられないのが残念です。

 ミックスの作り方として、部分ごとに「ブロック」的に選曲をし、ここではブレイクビーツ、あそこではネタモノ、最後はオールドスクール・・・みたいな各ジャンル別にミックスパートを作り、それを最終的にまとめた・・・みたいな感じがあり、そのブロックからブロックへ繋ぐ時には方向性を感じるミックスもありましたが、全体を見てしまうと、ちょっとバランスが悪いですかね?
 なんか、そのブロックごとの選曲が際立ってしまい、一つのミックスにした際には、まるでコンピレーション的なミックスになってしまった点は個人的には残念ですかね・・・もうちょっと各ブロックごとの選曲に統一性があった方がイイのかな~とも思います。



 ンなわけで、軽く書いてみましたが、Cokeの2枚使いを聞くだけでも価値がある作品のご紹介です(^0^)
 かなり中古で見かける作品で、値段も高くないので、是非聞いてみてくださいね~♪


 
<Release Date>
Artists / Title : DJ Oshow 「What's Hip Hop ? Vol,01」 
Genre : HipHop,Soul,Funk・・・
Release : 2002年?月
Lebel : Sugar Bitz ST-054


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DJ Maki the Magic 「Tears」
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 久しぶりのMaki作品のご紹介~♪
 いや~、この作品に関しては、流石の掘りっぷりです(^0^)


 多作なMakiさんですが、この作品は80年代のGarage/DanceClassicsを中心に選曲し、Maki作品の中では、かなり深い選曲をしています。
 タイトルの「Tears(=涙)」が何を意味するのかは分からないですが、選曲してる曲が「こみあげ系」の良曲が多く、感情移入をして聞くと・・・場合によっては「ほろっ」ときちゃうかもしれない・・・そんな感じの作品です。


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 とりあえず、収録曲で分かりやすい曲を貼っておきましたが、曲単位でも「グッとくる系」の曲が多いかな~と思います。
 左上の「Billy Griffin / Hold Me Tighter in the Rain」とか、右上の「Rah Band / Perfume Garden」なんかは分かりやすく、今回の記事を書くにあたって、何度か聞き返しましたが、聞くたびに「グッ」ときました(^^;)

 また、この作品に関しては、あまり知られてない曲を中心にミックスを作っており、収録曲を調べれば調べるほど・・・その選曲の深さに脱帽です!
 例えば、写真左下の「Quincy Jones / Beatcha' Wouldn' Thurt Me」なら、Q御大の大名曲「Razzmatazz」のB面曲だし(無論LPにも収録)、MUROクラシックとして有名な「J.R.Baily / That's Love」なんかのチョイスも渋いです・・・
 私の手持ちのレコードの範囲で説明しましたが、とにかく選曲が「深く」、私も知らなかった曲の方が多く・・・その深い選曲を通してリスナーに「グッとくる」優しい刺激を与えてくれるところは流石です!!


 ただ、実際のミックスは、Makiさんらしい「ザクザク」としたHipHopラインのミックスなので、悪くはないんですが・・・もったいないな~と感じるところも多かったです。
 テンポよくカットインして行く感じが多いのですが、その曲が盛り上がる前に次の曲にカットインしたり、ミックスの流れがそんなには考えられてなかったり・・・もうちょっと戦略的にミックスを作ってくれれば、メチャクチャいい選曲だけに、もっと良くなるのにな~と思いました。
 まあ、ミックスにおける「現場感」はバッチリで、Makiさんらしいと言えばそれまでなのですが・・・う~ん、もったいない・・・そう思うのは私だけかな??



 ンなわけで、ミックスのテーマ、選曲性なんかは流石な作りで、ちょっとマニア向けかもしれないですが、お勧めの一本です~(^0^)



<Release Date>
Artists / Title : DJ Maki the Magic 「Tears」
Genre : DanceClassics、Garage、UK、Freesoul・・・
Release : 2004年3月
Lebel : Groove Serchers No Number



<編集情報> 2010年2月9日
発売日が分かったので訂正をしました・・・ちなみに、ジャケネタは「Cannonball Adderley / Soul Zodiac」だそうです・・・渋い!



Kenny Dope 「The 80's」
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 大ネタを書くと、ちょっとスローダウンし、更新が進まないですね(^^;)
 ンなわけで、得意なダンクラモノの紹介です~♪


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 言わずと知れたDJ/Producerですが、紹介は今回が初めてですね・・・なんでまだ紹介してなかったんだろう(^^;)

 Kenny Dopeさんは、Little Louie Vegaとのユニット「Masters at Work」でHouse界のトップDJ/Producerにのし上がったお方で、相方のルイ氏とは異なる趣向性を発揮し、それこそHipHop、Soul、Funk、RareGroove・・・など、どちらかというとHipHop寄りなスタンスで、世界中をロックしてるDJ/Producerです。
 作品のリリースはもちろん、ミックス作品もメジャー/アンダー問わず多数リリースし、かなり「信頼できる」DJとあって、来日も多く、日本でも好きな方が多いんじゃないかと思います。
 特に、Kennyに関しては「掘り師」としても有名で、そういった姿勢が作品にも現れ、個人的にも好きなお方です・・・昨年末の来日の際も「こんな感じ」で渋谷のユニオンに3日連続来店(!)をし、豪快な買い物をしたそうで、レコード馬鹿に悪い人はいませんね!!

 んで、ミックス作品は結構リリースしており、流石にここ最近はオフィシャルモノが多いですが、2000年前後には、なぜかテープ作品をアンダーグラウンド流通で多数リリースしており、当時のレコード店などでは、かなりプッシュしてた記憶があります。
 どの作品も、味のある手書き風の絵ジャケで、手に取りやすい作品とあって、結構売れてたようで、中古市場でも良く見かけるテープだと思います。
 写真右のように、私は7本ほど手持ちでありますが、どれも主題を立てたコンセプトミックスになっており、どの作品もKennyらしさが出ており・・・結構好きです(^0^)

 ただ、MAWとして絶頂期といっても過言ではない時期に、アンダーグラウンドで、地味にテープ作品を出していることには疑問を感じざるを得ず・・・きっとMAWのハウス路線とは違う方向性を「Kenny Dope」として出したくなったのかな・・・と私は思っています??


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 んでは、この作品の紹介です(^0^)

 タイトルの「The 80's」が表す通り、80年代モノの定番ダンスクラシックスが選曲されており、路線的には、HipHop視点のダンクラで、それこそカプリが選曲しそうな往年のNYクラシックが連発で、誰でも好きになれる曲が沢山選曲されています。
 選曲に関しては、この作品がCD再発した時につけられたタイトル「Roller Boogie 80's」の方が分かりやすく、80年代のNYのローラースケート場や、パークジャムなんかでかかってそうな永遠の「パーティークラシック」が多く、ド定番過ぎてアレですが、Dennis Edwardsとか、Tanna Gardnerとか、Slaveとか、Fonda Raeとか・・・貼りつける写真をどの曲にするのか困るぐらい、個人的には大好きな選曲です(^0^) 

 ジャケットも良く見ると「ローラースケート場」で、ちょっと暗い雰囲気な絵ですが・・・当時はこんな感じだったんですかね? 個人的にはDe La SoulのSaturdayのPVみたいに、太陽の下でダンスみたいな印象を感じました・・・
 それこそ「Walking into Sunshine」とかもプレイされてて、選曲面は間違いなしです!


 ただ、ミックスに関しては、総合点でいくと「もうちょっと」って感じです。
 
 割とHipHop的なミックスをメインに、所々で2枚使いなんかもしてたり、そう思ってるとHouse的なグルーブミックスもしてたり・・・Kenny Dopeらしい「折衷感」があるミックスは印象的で、選曲の良さを光らせていますが、いかんせんミックスの流れにパンチがなく、ダラダラと進んでいく印象があります。

 定番曲が多いので、好きな方なら聞きながら口ずさんだりすると思いますが、通して聴いてるとミックスの流れに「めりはり」がないので、段々と飽きてしまい・・・ミックスがイイから何度も聞ける作品ではないかな~と思いました。
 まあ、Kennyも、そんなには気合を入れず、リラックスして作った作品なのかな~とも思いましたが、同じクラシックもの作品で比べてしまうと、カプリのような強烈な個性が感じられず、平均的な出来になってしまったのは残念です・・・


 久しぶりに「褒めてない」作品の紹介になりましたが、割とゆる~く聞くのにはイイ感じの湯加減で、それはそれで楽しめると思いますし、初心者の勉強用なんかには最適だと思います。
 ただ、ビックネームだけに、中古市場では高く出ることもあります・・・が、その限りにおいては、そんなに無理して買うほどのモノではないっすかね・・・同じ題材でもっとイイ作品は多いと思います?

 んでは、お好きな方は探してみて聞いてみてくださいね~♪



<Release Date>
Artists / Title : Kenny Dope 「The 80's」
Genre : DanceClassics、Garage、80's
Release : 2000年9月
Lebel : ? (←27years Records??)

Notice : CD再発について
文中でも触れましたが、2004年頃に「Roller Boogie 80's」というタイトルで再発していますが、ジャケは全然違います。



90年代中ごろにHipHop/DJなどの情報が載った昔の雑誌
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 久々のネタ企画・・・タンスの奥に貯蔵されていた「タンスの肥やし」が、遂に日の目を浴びる時が来ました(^0^)
 また、予想を超えたボリュームになってしまい、書くのに1週間ぐらいかかっちった・・・読むの大変かもしれないですけど、読んでやってください・・・



<< はじめに >>

 え~、トップの写真を見て、真っ先に「懐かしい!」と思う方もいれば、「なんだこりゃ」と思う方もいるでしょう・・・私自身も何のためにこの情報をアップするのかは分かりません(^^;)
 ただ、今回紹介するのは、情報として消費され、人々の記憶の彼方に葬り去られ・・・今となっては誰も知らないものばかりで、検索をしようにも、大した情報が引っかからないものばかりだと思います。
 なので、私が情報をアップして、後世に伝えていこう・・・といった意味での企画になります。


 今回は、90年代中ごろに発行された「雑誌」の中で、HipHopやDJのことが掲載され、少なからず価値があったモノをご紹介したいと思います。


 今さら思い返すのも恥ずかしいですが、昔って、HipHopやDJに関する情報を得ようとしても、専門雑誌が少なかったり、ラジオやTVでは情報を扱わなかったり、ましてインターネットもなかった時代なので、コアな情報を得ようとするのが大変難しかった時代だと思います。
 まあ、私がHipHopなりDJに興味を持ち始めた90年代中ごろでは、以前紹介した「Front」が発行されてたし、かなりHipHopの話題が掲載されていた「Riddim」(今もだけど)など、素晴らしい情報媒体があったのは事実だし、そのちょっと後には「Da Cypher」が始まり、ラジオ/TV業界でも情報が流れるようになりましたが・・・情報のレベルで行くとやっぱり「少なく」、これらがなかった頃はもっと大変だったと思います。

 この限りにおいて、情報の少なさを補完していた情報媒体の一つが今回紹介する「雑誌」だったと思います。
 
 もちろん、色んな意図があって発行され、一概に情報の補完をしていたかというと・・・今となっては知るすべがありませんが、今回紹介するものは「当時の私が役立った情報」が掲載されていたものになるので、自己完結な答えにはなりますが、間違えではないと思います。
 当然、捨ててしまった情報(=雑誌とか)もありますが、こうして残してる時点で・・・私の価値体系の中では「有益」だったとなるわけで、紹介する価値はあると思います。

 また、これらの雑誌などにおいて、特に留意しないといけないのは、時期的に90年代の中ごろは、DJブームなりHipHopブームで、何も知らない少年少女たちが興味を持つようになり、その「足がかり」として今回の雑誌などが役立ったと私は考えます。
 だって、いきなり「Front」とか読んでも理解できないわけで・・・分かりやすい「入門書」みたいのが必要になり、それを補完したのが、これから紹介する雑誌などであり、私もかなり参考にしていました。
 特に、今回紹介する雑誌に関しては、HipHop/DJの世界に踏み込まずとも、簡単に買えるものばかりなので、HipHopやDJの世界への「入口」の意味では大変価値があったと思います。


 今回、この企画を着想したのは、いつもコメントをくださり、そしてこのブログのトップバナーを作ってくれた「ソロバン」さんとの雑談の中で、Boonとかの話になり、ちょっと盛り上がったのがきっかけで、そういえば「タンスの奥」を探してみれば何か残ってたような・・・と思い捜索したら、色々と出てきました・・・ただ、予想よりは少なかったです(^^;)
 かなり貴重な資料もあれば、なんだそりゃってのもあるし・・・まあ、いつもどおりな「まとまらない」感じではありますが、お付き合いいただければと思います・・・



<< 私と雑誌 >>

 まず、実際の雑誌を紹介する前に、その頃の雑誌の事と、90年代中ごろの私(中高生時代)の事、そして今回の記事の主題を、先に整理しておきたいと思います。


 今回紹介するのは「ファッション誌」が中心になるのですが、ファッションの一環として「HipHop」や「DJ」が取り上げられることが多く、記憶だと色んな雑誌で特集が組まれてたと思います。
 雑誌側としては、読者のニーズがある情報は載せないといけないし、何よりも「最先端の情報」をのせることが重要なので、ファッション性・流行性が主題ではあるものの、かなり積極的に特集してたし、けっこう内容が濃いものが多かったと思います。

 また、読者側も今と比べると積極的に雑誌を読んでおり、それこそ、今みたくネットもないし、テレビなんかでも簡単にファッションの話題も少なかったし・・・何よりも雑誌が手ごろで簡単に手に入れられる存在で、思い返すとクオリティーもメチャクチャ高かったので、自然と手に取っていた感じがあります。
 特に、中高生の頃の「おしゃれ至上主義」的な彼らの世界の中で、ファッション誌を読まないと「おしゃれ」じゃない・・・みたいな不文律があり、変な話、死活問題になるので、めちゃくちゃ真剣に読んでいたと思います(^^;)


 個人的な話(中学生の頃)をしておくと、千葉の片田舎の学校に通っていましたが、不必要なぐらい読んでましたよ・・・
 変な話、友達付き合いを構築する過程で、こういった雑誌を読んでないと成立しない仲間関係もあったりするぐらいなので、学校帰りにコンビニで立ち読みしたり、学校で回し読みしたり・・・今思い返すと、雑誌に載っている服やスニーカーが買える予定がないのに、ファッション誌を「読んでる」という行為の方が重要だったのかもしれないです(--;)
 つまり「雑誌を読んでる」というだけで、学校内で「おしゃれ」さんになれるので、当時の中学生としては、ある種の「嗜み(たしなみ)」の一つとして珍重されてたと思います・・・まあ、同時にジャンプとかマガジンとかエロ本もいっぱい読んでたんですけどね・・・

 そして、私に関しては、そういった雑誌を読んでる中で、HipHopやDJのことが目に入るようになり・・・最初の頃は「カッコいい存在らしい」といった程度でしたが、今回紹介する「Boon」とか「HotDogPress」、そして「東京ストリートニュース」なんかの特集に「洗脳」され、興味を持つようになり・・・以前も書きましたが、中3の冬にタンテとかを買って「丘DJ」になりました(^^;)

 私は、今でも不思議なのですが、B系のダブダブとした洋服には全く興味がなく、なんでDJに興味を持ったのかは・・・あんまり記憶がないのですが、とにかく「カッコよく」見え、これだったら「成り上がれる!」と思いこんだんでしょうね~(--;)
 また、ちょっと書くのが恥ずかしいですが、どの時代にも必ずある「バンドブーム・楽器ブーム」が私も中学時代にあり、私の頃はエックスとかLuna Seaとかのコピーが流行ってて、エレキギターを私も買いましたが、指が太すぎてコードが上手く押さえられないとか、実はエックスとかの曲が好きじゃないとか・・・で挫折し、その反動でDJに流れたのかもしれないですね・・・あの黒いエレキはどこに行ったのだろう??


 私の話ばっかりになってきたので、雑誌に話を戻します・・・

 私がDJとかHipHopに興味を持った「きっかけ」の一つは「雑誌」だったわけですが、今回紹介する雑誌においては、以下の2点が重要だったと思います。

 ①HipHop/DJ文化に対して「入口」として機能していた
 ②90年代中ごろにあった「HipHop/DJのブーム」の後押しをしていた

 私も、とりあえず雑誌をタンスの奥から引っ張り出して、懐かしいな~という感じで読んでましたが、読んでるうちに、この2点が思い付き、今回の記事を書く原動力を得ました。
 かなり、こじつけが強い文章かもしれないですが、日本のHipHop/DJを語る上で、一つの歴史の証言として読んでくれれば幸いですし・・・実際に私が中高生の頃に読んで、影響を受け、DJ趣味を始めたきっかけになっていると思うので、間違いではないと思います。

 んなわけで、口上が長くなりましたが、そんなことをした貴重な雑誌を、MixtapeTroopers的な切り口でご紹介したいと思います~♪

 あと、大半の写真がクリックすると、少し大きい写真になるので、確認したい方はクリックしてちょ♪



① Boon(ブーン) 祥伝社・1986~2008

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 いきなり「懐かしい」でしょ! 表紙が「ジャミロクワイ」と「ともさかりえ」っすよ・・・2冊と切り抜きしか残ってなかったですが、ちゃんと残してありました・・・俺、偉い!!
 それにしても「ともさかりえ」は可愛かったですね・・・それが一児の母ですよ・・・時代は流れてますね~(^^;)


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 え~っと、知らない方に説明すると、ブーンという雑誌は、90年代のストリートファッションにおける中心的な役割を担っていたと言っても過言ではない男性向けファッション誌で、アメカジブーム古着ブームスニーカーブームGショックブーム・・・など、様々なファッションブームを後押しした雑誌になります。
 中高生にとって、ジーパンとかスニーカーは存在として身近にあり、カッコよく着こなせば、ファッションとして成立する・・・ってところが受け、結構読んでいた方が多いかと思います。

 特に、古着とスニーカーに関しては、ファッションにおいて新たな価値基準である「希少価値=レア」という概念を強烈にプッシュした点は印象的で、ビンテージジーンズや、エアマックスなど・・・人々の価値基準において「レア」という考え方を植え付けた・・・という面もあったと思います。
 まあ、裏を返すと「レアなものがイイ=価格が高い方がイイ」になり、価格尊重型で中身を伴わない場合もあったりするのですが・・・個人的には「レア」という価値基準を知ったのはこの雑誌だったし、何よりも「古いものでもイイものがある!」っていうことを教わったのも大きいし・・・つまるところ、現在の私がレアな中古レコードなんかを買っていることのスタートー地点だったのかもしれないですね(^^;)

 私が読んでたのは中学生ぐらいの時期で、それこそ今回紹介する90年代中ごろくらいの号で、雑誌としては全盛期だったんじゃないかと思います・・・調べてみると、一番売れた号で80万部出てたそうなので、ファッションン誌としてはかなり売れてたと思います。
 なお、私も知らなかったですが、2008年に休刊されていたようで・・・リニューアルなんかをしてたみたいですが、ファッショントレンドの変化に乗れなかったみたいです・・・


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 んで、ブーンにおけるDJとかHipHopの話題は・・・頻繁には無かったと思いますが、なぜか音楽系の話題があった号は取ってあったり、切り抜きがあったり・・・するくらいなので、ボチボチあったと思います!

 今回の発掘作業で資料を読み直していると、かなりしっかりと取材をしており、ファッション誌の片手間の企画と思うと痛い目にあうぐらいのドープな記事が多かったです。

 写真左上(95年4月号)では、NYのクラブファッション特集みたいな流れで、なんと「Junior Vasquez」を取材してるし、右上(95年4月号)では、80年代のDJファッションを切り口に、古着のジャージとかスニーカーを紹介しつつ、当時のレコードとかDJの紹介をしており・・・ファッション先行であるものの、今読んでも納得ができる記事になっています。
 また、興味を持った者への「啓蒙的な企画・初心者企画」なのか、左下(96年8月号)のように「HipHop名盤ランキング」みたいな企画や、右下(号数不明)のような「レゲエの歴史紹介」など・・・文化的なホローも行っており、文化を知らない読者への「入口」として機能していたと思います。

 個人的には、写真を上げた「HipHop名盤ランキング」を見ると、ブーンがしっかりと記事を書いていたのが分かると思います・・・MUROさんやKen-Bo、Wataraiなどの有名DJにアンケートを取って、ベスト100形式でアルバムを紹介していますが、ミーハー感ゼロのランキングに感動します!!

 写真がピンボケですが、ぜひクリックして写真を拡大して見てください・・・1位がEric B & Rakimで、2位がOC、3位がBDPですよ・・・HipHopを知らない人にいきなりコレを勧めるのか!っと突っ込みましたが、本物志向のブーンだからこそ書けたランキングなのかな~とか思いました。
 ちなみに4位がNASのファーストで、5位がGroupHome、6位がDiamondのファースト・・・というナイスなランキングで、これ以降もグッとくるランキングが100位まで続き・・・当時の私は、このランキングを参考にし、色々と聞いて勉強してました・・・OCに興味を持ったのも、2位だったからです(^^;)


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 そして、ブーンなので「レア」な内容なのには敏感なのか、レコードのレア盤の紹介がしっかりとあります!!

 写真左は、名盤100選の記事にあった囲み記事で、レアなHipHopのレコードを紹介しており、レア盤ランキングのトップが「Live Covention'81」ですよ!!
 今現在で、HipHopが好きな方でも知らない方が多いレコードだと思いますが・・・これを95年の時点でトップに上げてる時点でマニアックで最高です・・・私はこのランキングを見てライコネを覚えました(^^;)
 ちなみに、このランキングを作ったのは・・・マンハッタンに在籍時の板垣(Ita-Cho)さんです!! さすがですね!!

 んで、写真右はもっとドープな記事が、洋盤アナログのプレミアムランキングみたいな記事(号数不明)で、鬼レアなレコードを読者を無視して紹介しており、ビートルズのブッチャーカバーのこととか、頭脳警察のファーストとか・・・そんなの中学生に教え込むなよ!っと突っ込みたくなる内容です(^^;)

 レアというだけで、ファッション性を捨ててまで一点突破してる記事が素敵ですね・・・


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 んで、これは不必要な話題ですが、たまたま持っていた号のロケ地が「渋谷・ManhattanRecords」で、まだ1階しか店舗がなく、木製の大きな扉を開けないと入れなかった頃の店舗での写真が掲載されていました・・・懐かしい!!
 
 青色で統一された木製のレコード棚や、爆音のスピーカー、そしてDJセット(そう、ダイヤルミキサーだった!)など・・・断片的ではありますが、懐かしい風景が見えてブーンを発掘した甲斐がありました。
 当時のマンハッタンって、ホント「怖い」雰囲気があるお店、初めて行った時(中学生でした)は、怖い雰囲気をだしたBな輩がいっぱいいて・・・思い返してみると「形ばっかりのガキ」ばっかりではあるのですが、NYのストリートはこんな感じなのか・・・と勘違いしたほどでした(^^;)
 また、この頃は「小林弘道」さんとか「板垣」さん(写真左下)がお店にいましたね・・・懐かしいな~(^0^)

 あと、レア写真も発見!
 写真右下には、若かりし頃の「DJ Hazime」氏が・・・痩せてましたね(^^;)



② Hot Dog Press(ホットドックプレス) 講談社・1979~2004

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 すみません・・・あると思ったら「切り抜き」だけでした・・・絶対残ってたはずなんだけどな~(^^;)

 こちらも雑誌も、既に休刊してしまい、今のヤングは知らない雑誌だと思いますが・・・当時はホント影響力があったファッション文化誌がホットドックです。
 私が読んでいた90年代中ごろは、既に全盛期は過ぎていた頃ですが、80年代の頃は黄金期で、この雑誌を参考に、バブル時代を謳歌していた野郎が多かったと思います(^^;)

 雑誌としては完全なファッション誌とは言い切れず、若者文化を幅広く扱う・・・といった文化誌的な側面が強く、ファッションの話題も多かったですが、流行していることとか、若者が興味を持っているものを幅広く特集していた印象があります。
 私が読んでいた印象だと、出版界の最大手である講談社が作ってる雑誌だけあって、取材力はかなり高く、ナンパな企画もありましたが、しっかりとした記事が多かったと思います。
 このことが例示になるかどうかわからないですが、ホットドックって優秀な文化人を多数輩出しており、元編集者には「いとうせいこう」さんや、サバービアの「橋本徹」さん、そして「山田五郎」さんに至っては編集長をしてた・・・みたいな感じで、優秀な編集者が多かったので、しっかりとした記事が書けたのかもしれないですね・・・

 ただ・・・ホットドックを考え直した時、トラウマを負ってしまった読者も多いかと思います。

 う~ん、書きづらいのですが、嘘八百に近い記事も多く、真っ先にあがるのが・・・健全な男子が常に興味を持っている「女の子・SEX関係」の話題で、「女はデートでこう落とせ」とか、「女の子はムードに弱い」とか「SEXの時はこう攻めろ!」とか・・・間違ってはいないのですが、画一的で、一方的な記事なため、結果として童貞少年に対しての間違った知識を植え付けてしまい、それを実践し、玉砕してしまった・・・方も多いかと思います(^^;)

 まあ、ホットドックに関しては「How To」的な内容を、上から決めつける文面が強く、読者もその「How To」を求める傾向にあったので、それを信じすぎると、現実には役に立たない場合が多く・・・結果として記事を信じすぎて玉砕した貴兄が多かったのかな~と思います。
 私も、中学生の時分に「熟読」して勉強してました・・・が、結果は書けません・・・泣きたくなります(--;)


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 んで、若者から需要がある文化であれば率先して取り扱うわけで・・・流行をしていたHipHopとかDJのことがしっかりと特集されています。
  
 切り抜きしかないので、いつの記事かは正確には分かりませんが、上記の黄色の記事のように、大々的にDJの特集をしてる記事もあり、読み返しえてみるとかなりしっかりとした記事にビックリします。
 おそらく95年ぐらいの記事だと思いますが、有名DJへの取材(写真左上)としてKen-Boや、Goldの一時代を気づいた高橋透さん、売り出し中だった田中フミヤさんなどに取材しており、安く済ませてない感じがします。
 また、ホットドックらしい「How To」的な記事もあり、DJテクニック講座(右上)や、MUROさん/小林径さん/矢部正さんによるレコード紹介(左下)、そしてDJ機材の紹介(右下)などがコンパクトにまとめられており、特集としては質も高く、かなりイイ記事だと思います。
 
 私個人もこの特集はホント参考にしてて、記憶だと、この記事を見て、DJ機材のことを詳しく知り、DJ機材の購入に拍車がかかったり、買った後もスクラッチの練習などでこの記事を参照にした記憶があります。

 今であれば、機材の情報や、スクラッチなどの技の情報は沢山あるわけですが、当時はこの手の初心者に対して一番必要な情報がホントなく、この手の雑誌がかなり役立っていたと思います。
 Frontとかはあったとは思いますが、音源やレコードの紹介ばかりで、逆に初心者企画は無かったので、その限りでは、今回の紹介における主題である「補完」的な役割があったことが分かると思います。


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 また、切り抜きしかなく、おそらく95年ごろの特集だと思いますが、この項目の表紙がタイトルのHipHop特集があり、ちょうどヒットしてた「East End × Yuri」を出しつつも、来日アーティストへのインタビュー(左上・PeteRock&CLSmoothとBrandNubian!)や、HipHopの歴史紹介(右上)、ファッション情報(左下)などを紹介し、初心者に分かりやすい内容にしつつも、しっかりとした記事を作っています。

 また、レアな写真として、右下の写真を見ていただきたいです・・・当時、渋谷Caveのイベント(Maki&TaikiがDJをしてたFishらしいです!)に集まったB-Boyを紹介する写真で、いわゆる「雷」のメンツが集合しており、RinoやTwigy、Maryan、Patrickなどの若かりし姿が拝めます・・・ごろつき具合が最高ですね!


 んなわけで、ホットドックもこんな感じで有益な情報を発信していました(^0^)

 なお、本来はこれも書かないと行けない雑誌なのですが、資料が残ってなかったので、補足として書いておきたいことがあります。
 ホットドックのライバル誌であった「Popeye(ポパイ)」もこの手の特集はしており、ポパイらしいスタンス(ホットドックが体育会系であれば、ポパイは文系?)で色々と記事があったと思います。
 また、時期は忘れましたが、故・中尊寺ゆつこさんがポパイ上でHipHopを主題にしたマンガ「ワイルドQ」を連載していました・・・中尊寺さんのことは日本のHipHopを語る上でかなり重要なので、機会をみて書かないとね・・・



③ 東京ストリートニュース
    学習研究社・1995-2002

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 今回の特集において、この雑誌が一番重要かもしれないですね・・・日本のHipHop/DJ業界においては、この雑誌があったからブームではあったものの、参加者が増え、一気に底辺を広げた存在だからです。
 特に、95年前後に発行された初期のモノは、大変重要で、私の心の中にも永遠に刻み込まれています・・・

 ただ、完全に一時代を気づいたものの、その後休刊し、忘れ去られてしまった雑誌の代表格だと思います・・・こういう雑誌こそ取り上げないとね!!


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 通称「ストニュー」と呼んでいた雑誌で、Lemonという少女向け雑誌の増刊として発行され、90年代中ごろに中高生から「なぜか」絶大な支持を受け、突発的に売れた不定期な雑誌になります。
 雑誌自体は、初期は季刊でしたが、気づいたら月刊になっており、資料によると2002年ごろまで発行されてましたが、今回は私が貪って読んでいた「初期の頃(95~96年ぐらい)」にフォーカスをします。


 まず、この雑誌は、今となっては「変な」雑誌です・・・

 この雑誌は、初期の頃の副題が「おしゃれ&音楽&遊び 街のおさわだせマガジン」とあり、若い子がいる「街=ストリート」の動きに敏感な誌面になっています。
 特に異色なのが、「現役高校生」に異常なぐらいフォーカスしており、それも普通にその辺にいる一般人の「高校生」の中から、カッコいい子・かわいい子を見つけ出し、スナップ写真をのせたり、そのカッコいい子が通ってる学校の情報を掲載したり・・・当事者である「高校生」を主軸に、その彼らのことや、彼らの周りで流行ってることなどの紹介だったり・・・といった感じの誌面になっています。
 今思うと、ファッション誌でもないし、なんて形容したらいいのか分からない雑誌で、読者参加型の雑誌って感じの「高校生カルチャー誌」ってあたりが妥当な形容になりますかね・・・

 上に適当に写真を貼っておきましたが、街で評判のカッコいい素人の子が掲載されたり、カッコいい子が集まる有名学校の集団スナップがあったり、学校別の相関関係(ヤンキー漫画でありそうな図です!)があったりします・・・なんでこんなのをのせる必要があるのか考えると頭が痛くなりますね(^^;)
 また、雑誌が比較的後期になると、ファッション誌っぽくなり、その頃、高校生で流行ってた「ブランド品」ブームを上手くホローし、写真右下みたいな、高校生モデルを起用したブランド特集とかはありました・・・なんで流行ったんでしょうね??

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 ただ、この雑誌が素晴らしかったのは、発信した情報によって当時の「高校生」がホント盛り上がったことで、あの当時の「熱気」たるや・・・異常でしたよ!

 時代は95年前後で、これに掲載された高校生たちは突然「カリスマ」みたくなり、異常に雑誌で持ち上げられ、同世代から羨望のまなざしを受け・・・その子がいる学校や、そういったカッコいい子がいる学校は偏差値に関係なく人気になったり・・・そう、この雑誌を中心として「高校生ブーム」みたいのが起こりました!

 雑誌で読みとれる範囲だと、雑誌の企画で催しを開催したり、雑誌に載るためのスナップ大会(新人発掘が名目)とかをすると・・・1000人ぐらいが集まり、どっかの公園でやった際は、大変なことになったそうです!!
 実際に、私が覚えてる限りだと、芸能人でもないガキを見たさに女の子が集まり過ぎ、文化祭が中止になりかけたり・・・その学校の通学バックが欲しいから体を売った女の子がいた・・・とか、都市伝説っぽい話(ちなみに水道橋の某高校ね)ではありますが、高校生という存在自体が異常にヒートアップし、盛り上がっていました。

 また、例示になるか分かりませんが、私自身は千葉の片田舎にある学校に通ってて、世代的には私よりも1,2歳上の方が盛り上がっていたので傍観者に近い立場でいましたが、東京の近郊(=田舎?)でも、色々と盛り上がってました!
 友達の知り合いが載ったとか、友達の兄ちゃんが載ったとか・・・それだけで仲間内で盛り上がり、知らない友達(=違う学校の子)を紹介された時も、けっこうストニューねたが役立つことが多かったので、それだけ浸透度があったと思います。

 なお、一度か二度、自分が通ってた高校の先輩(男子)が「この人の情報を探してます」のコーナーに載ったら、その日は学校中で大変なことになり、その後、近隣の学校の女の子から「その人の写真撮ってきて~」とリクされることが・・・あったそうです・・・(^^;)
 また、中学生の時は地味だったやつが、ストニュー的に超有名校(新小岩の某高校)に入学したら・・・いわゆる「高校生デビュー」みたいな形で目立つようになり、気づいたら「ヤリ●ン」になってた・・・とか、色々ありますね(^^;)


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 なんで、高校生が盛り上がったか・・・というと、社会学的な話も必要なので、詳細を理論整然と書くのは難しいところですが、私も片隅にいた立場からいうと、みんな「胸を張って街を闊歩してた」印象が分かりやすいかな~と思います。
 スナップで載ってる子たちの自信のある佇まいや、その地元でワイワイ楽しくやってますよ~みたいな報告を見ると、若さ特有の「怖いものなさ」があり、一見すると若々しい印象ではあるのですが、個人的な見解を出すと、大人などに対して「怖さ」がなくなったから・・・じゃないかと思います。

 この頃って、バブルが崩壊したり、ゆとり教育的な機運が高まってきたり、核家族化による家長制度崩壊など・・・様々な要素が重なり、大人たちが子供たちを叱らなくなり、子供たちが大人に対して「遠慮」をしなくなった頃だと思います・・・「コギャル」とか「援助交際」「親父狩り」とかが象徴的ですね・・・
 また、ポケベル(携帯/PHS)の普及や、こういった雑誌の普及により、更に子供たちに「自信」を持たせた結果が・・・高校生ブームの温床じゃないかと思います。

 そして、この雑誌に出ている自信のある子たちの姿や行動を、雑誌を通して読んだ読者が、自分も遅れてはいけない!みたいに感じ、更に規模が拡大し、社会現象になった・・・んだと思います。
 特に、この雑誌においては、登場する子たちは、変な話、昨日まで同じ電車に乗ってたヤツなわけで・・・「誰だってスターになれる可能性」を読者に期待させ、読者に若い子にありがちな「スター願望」に火をつけ、読者に変な自信を持たせ、更に加速させた印象もあります・・・


 あと、全く「イケてない」奴が、急に「イケてる」奴になるのは難しいので・・・この雑誌が教科書的な効果があったことも重要です。
 そのため、遅れている読者のために「How To」的なページも多く、ファッションのことなんかは結構取り上げられており、先ほど指摘した「ブランド服」の話題などは象徴的ですかね・・・
 また、後で紹介するDJのこととか、写真左下で貼った「クラブ」のこととか、右下の「ラブホテル」のこととか・・・高校生にとってはハードルが高いことの紹介もしており、雑誌としてのホロー効果もあったと思います。


 つまり、当時の高校生にとってストニューが「自信の象徴」と言っても過言ではなく、この雑誌を中心に「高校生文化」が比較的短い期間ですが爆発し、東京が中心であるものの、比較的広い地域で盛り上がった・・・と思います。
 そして、この雑誌が価値観のホローを行い、印象としてはシーンに対して「火に油を注いだ」と行った感じで・・・更なる爆発を生んだ・・・みたいな「文化的な価値」があったと思います。

 かなり無理矢理な考えなので、あんまり深く読まないでね・・・(^^;)
 

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 そして、この雑誌が、今回の記事の範囲で一番重要だったのは・・・次に紹介する「高校生DJ・MC」でしょう!
 後ほど、結論の理由を書きますが、このプッシュがあったからこそ、90年代中ごろに勃発した「DJブーム・HipHopブーム」があったと言えます!!


 ストニューに掲載される基準は、容姿がかなりメインではありましたが、その時流行ってた文化で目立った存在も多くプッシュし、当時ブームになっていた「HipHop」なり「DJ」をしている高校生ってのも掲載対象になり、かなりの素人DJ&MCが掲載されました。
 なぜ、DJとかが取り上げられたのかは明確には分からないですが、当時としては「最先端の趣味」だったし、ファッションも「カッコいい」し・・・何よりもイケてる高校生として「分かりやすい象徴」だったのが大きいのかな~と思います。

 時期的には、アンダーグラウンドで活動していたアーティスト達(それこそ「さんぴん」世代の方々)が切磋琢磨をし、徐々にシーンが盛り上がってきた時期で、一部の高校生達がそのヤバさに気づき、率先してシーンに入り込んでいたと思われます。
 紹介されてるDJ達は、キャリアが浅いのは事実ですが、大人に交じってクラブプレーをしてたり、それなりに活動をしてたり・・・してて、彼らが選ぶディスクガイド(写真下2枚)なんかを見ると甘さもありますが、かなり本格的に活動をしてて、先ほど私が提示したように、自信を持って活動してた子が多かった印象があります。

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 その限りにおいて真っ先に上がるDJが「門田祥穂」さんでしょう!

 写真左が門田さんで、ビジュアルが大変良く、テクも上手いことから、雑誌的にトップライナーになることが多く、この雑誌においてキーパーソンであることは間違いありません。
 確か、立教高校出身で、高校生なのにドレッド(!)で通学をしてたそうで・・・ある意味「最先端」な方でしたが、容姿がカッコよく、そしてDJということで・・・雑誌内ではアイドル的な人気があり、かなりプッシュしていました。

 私は、門田さんが誌面で活躍されていた95年前後は、ちょうど中学3年生で、DJ機材を買う前後だったので、記憶がおぼろげですが、中学生の時分からすると「カッコいいお兄さん」に見え、ちょっと憧れた存在でもありました。
 例えば、写真右のように彼のクラブプレーの選曲表(!)なんかであれば、もう機材だけは買っていたと思いますが、自分の知らない曲ばかりで、そんなのをサラっとこなしちゃう姿が誌面越しに伝わり、カッコいい人だな~と思い、かなり憧れてました。

 また、これを覚えてる方は少ないかもしれないですが、日本テレビ系列で毎月一回、土曜の昼に「東京Jr,Junk」って2時間ぐらいの番組があり、ストニューの内容をTV化した内容で・・・そこでも門田さんが出演し、DJ講座みたいのをしてて、カッコいい2枚使いとかを披露し、個人的にはスゲー勉強してました!
 Jr,Junkもタンスの奥の「ビデオテープ箱」に入ってると思いますので、その内、データ化して保存&紹介しないといないですね・・・

 なお、門田さんは、その後もDJとして活動をしますが・・・あえて書くと、大人たちがそのアイドル的価値を利用したいと考え、ちょっとミーハー路線な売り方のHipHopアルバム(内容はそんなに悪くないらしい)をリリースし、本道のHipHopシーンからは黙殺されてしまい・・・ストニュー文化が廃れるのと当時に、一時期は名前を見かけなくなってしまいました。
 ただ、数年前より地に足がついたDJ活動が目につくようになり、インタビューなんかを読むと「僕のデビューの仕方はひどかったので・・・」みたいな反省交じりで前向きな発言をしており、現在は、東京を中心に頑張って活動しています・・・こういう人こそ、応援しないといけないですね(^0^)

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 ちょっと私の当時の状況も入れて、分かりやすく紹介しましたが、門田さんに関しては、DJという存在の「分かりやすい象徴・カッコいい象徴」になったことで、知らない人でも興味を持ったり、DJを挑戦してみようと思わせたり・・・といった波及効果が作れたと思います。

 そう、ここが大事なんです・・・ストニューは、誌面で「DJがカッコいい」とか「HipHopはイケてる」みたいなことを、効果的に読者に伝えることが出来たんですよ!

 実際に私は「カッコいい」と思い、DJを始めたわけですが、私ぐらいの年齢(30前後)の方・・・つまり95年前後に中高生だった方であれば、ストニューを読んで、そのカッコよさに影響され、DJとかHipHopに興味を持ち・・・実際に始めてしまったという方が多いと思います!!
 実際にストニュー自体も、その功績っぽいところを自負してるみたい(写真左)だし、写真右のように各学校の文化祭なんかでDJパーティーが普通に行われてたり・・・DJなりHipHopを「普及」させた実績は十分あるんだと思います。

 
 また、この点をもう少し展開させると、ストニューが契機とは確定しづらいですが、96年の「さんぴん」を中心とするHipHopブーム/DJブームにおいて、参加者として中心であった「高校生」などは、このストニューの流れに上手く乗った子たちが多く、そのブームの下支えを、結果としてストニューが担っていた・・・とも考えられます!!

 もちろん、そのブームの頃、ストニューを読まずに参加してきた方も多いかと思いますが、HipHopの「ヒの字」も知らない子達を、上手く誘導し、シーンに人員を供給した点は・・・ストニューの功績でしょう(^0^)


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 やっと、この雑誌の価値における結論めいたことが書けましたが、今回の特集で書きたかった「入口」のことが、結果として一番効果的に発揮できたのはストニューだと私は思います。
 誌面の方向性だったり、時期のタイミングだったり、象徴的な人物がいたり・・・いろいろな「偶然」が重なって、文化を結果として動かしていたと思います。

 無論「入口」なので、新参者に対しての教育的な記事も・・・HipHopなりDJがカッコいい存在であることを大前提とした記事を通して・・・結果として多数掲載しており、ホント価値があったと思います。

 例えば、写真左上に上げた「有名DJ&有名高校生DJのDJセットを見せて」みたいな企画だったり、写真右上のHipHopのアーティストの紹介(証言の前の雷!)をしたり・・・HipHop文化の紹介としてタグの書き方(写真左下)とかを紹介したり・・・実際に現場であるクラブの紹介(写真右下)とか・・・DJを始めてる子であれば、今までの写真でも紹介した12inch紹介とか・・・そういった色んな特集を通して興味を持ったり、影響を受けたり、実際に始めたり・・・した方が多いと思います。

 私の周りでは、左下の「タグの書き方」がヒットし、みんな練習してたな・・・私は全然上手く書けなかったので、上手く書ける奴に通学カバンに書いてもらったり、気づいたら勝手に書かれてたり・・・懐かしい思い出です(^^;)

 また、左上の「DJセット」を見ると、高校生DJ達はみんな「学習机」の上にセットし、ミキサーが「メロス」なんですよね・・・この頃は、メロスのミキサーがDMCの公式ミキサーだったので、HipHopDJのスタンダードで・・・ストニューの写真を見てメロスを買った方も多いかと思います。
 ただ、私はメロスはちょっと「ちゃちい」印象があったので、ベスタ(PMC-05 Mk-3)を買いましたが・・・結果として、ベスタが「05 PRO」を出したことで、HipHop界ではメロスは駆逐されてしまいます・・・ベスタにしといて良かった(^^;)

 あと、クラブの特集は・・・私は勇気がなくって行けなかったですが、凄い興味を持って読んでいましたっけ(^^;)
 入口系の話題だと、このクラブに関する記事を読んで、実際に行ってみた・・・って方が多いんじゃないですかね?
 ただ、18歳未満を対象にした雑誌で、クラブのことを紹介してるって・・・昔はイイ時代でした(^^;)


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 んで、入口があるのなら・・・その入口を通過し、実際にHipHop/DJの世界に飛び立ったものも多く、メジャーになった方もいます。

 先ほど例示した「門田」さんもそうですが、とりあえず有名どころだと、写真左上の「OzrosaurusのMaccho」とか、そのMacchoの相方だった「DJ Tomo(写真右上)」とか、結果としてRipSlymeのDJに成り上がった「DJ Fumiya(写真左下)」辺りが有名かな~と思います。
 特にMacchoやFumiyaは、当時から目立っており、非凡な才能が若い時から発揮して、上手くストニューから飛び立っていった印象があります。

 また、右下の「MC久保田祐輔」さんは、現在ダンスデイライトなどのダンス系イベントのMCで大活躍している「MC USK」さんで、彼に関してはかなり努力をして現在の地位を築いています・・・
 先ほどふれた門田さんもそうですが、悲しいかな高校生の頃は「ストニュー・高校生DJ]といった表看板があったので人気があったが、それが外れると・・・ただの一般人でしかなくなり、自分で進んでいくしかなく、結果として当時は持ち上げられていたけど、相当努力をしていた方も多いと思います。

 あと、HipHop/DJ系の範囲でメジャーになった人を紹介しましたが、モデルとして出演してた人の方がメジャーになった方が多く、それこそ俳優・タレント・アナウンサーと多岐にわたっており、妻夫木聡さん、高島彩さん、山本梓さんとかが割と有名ですかね・・・
 あと、DoragonAshの降谷建志なんかも出てたような気がします・・・そうだっけ?


 ただ、これ以外にも私の知らないところでは有名になった人がいると思いますが・・・実はメジャーになった方は、誌面にのった人数から考えるとそんなには多くないと思います。
 変な話、DJなりHipHopなり、そして大きな題目である高校生ブームが「一時の流行」であったことは変わりなく、ブームが過ぎて、彼らも高校生を卒業し、大人になった頃は・・・そんな一時の流行からも卒業し、新たな自分の道に進んだ方が多いと思います。

 特に、ストニューが発していた「高校生ブーム」が数年で終焉してしまった点も大きいですかね・・・
 個人的な実感だと、ストニューがファッション誌っぽく変遷していった97.98年頃には、私も高校生でしたが、95年頃に感じていた「高校生の熱さ」が感じられなくなった印象があります・・・
 なんで廃れていったのかは、覚えていないですが、どの流行も第一線で活躍してた人がいるときは上り調子なので勢いがあるが、その第一線にいた人がいなくなると・・・・終わるのが常ですからね・・・
 
 私の周りでも、とっくに辞めたやつなんかいっぱいいるし・・・そういう奴に久しぶりに会うと「まだやってるの!」と言われ、軽く凹んだりしますが、大人になればなるほど趣味とか流行って必要なくなりますからね・・・仕事したり、生活することの方が大切ですから・・・
 

 
 そんなわけで、90年代中ごろに一瞬だけ盛り上がった雑誌でしたが、深く追求するとメチャクチャ価値のあることをしていた雑誌が「東京ストリートニュース」でした。
 特に、HipHop/DJのことに関しては、入口的な効果はもちろん、ブームを引き起こした原動力である点は大変重要だったと思います。

 なお、書き終わってから気づきましたが、東京近郊でしか通じない話かもしれないっすね(^^;)



④ Woofin'(ウーフィン)
    シンコーミュージック・1997~

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 実は、私はそんなにはこの雑誌を読んではいなかったので、アレですが、これも結構重要な雑誌だと思うのでサクっと紹介しておきたいと思います~♪
 写真は、ごく初期のもの(97年)で、懐かしい話題が満載です(^0^)


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 Woofin'は、97年ごろから発行されているファッション誌で、いわゆる「B系」の洋服専門では国内発の雑誌だと思われます。
 発行元は、あの「Front/Blast」を発行していた「シンコー・ミュージック」で、初期の頃は季刊・隔月でしたが、すぐ人気が出て、月刊になった記憶があります・・・会社としてもFrontでB系が人気があることが分かってたと思うので、作りやすかったのかもしれないですね。

 内容としては、HipHopファッションの雑誌だけあって、洋服が中心になりつつも、HipHop文化のこと(特に音楽)も多く扱ってる・・・感じですが、読者の大半が「ファッション」目的で雑誌を買っていたのではないかと思います。

 私はB系の洋服には興味がなかったので、ファッション誌としては買いませんでしたが、B系の洋服を着こなしてる友達なんかはかなり読んでいて、色々と参考にしてたみたいです。
 思い返すと、今までB系の洋服にこだわった雑誌ってなく、自分たちでお店を見つけ、店員の人の着こなしとか、お店にある服を参考に買ってたと思いますが、雑誌で幅広く見れ、着こなしの参考になるのは大変価値があり、需要もかなりあったと思います。

 また、この雑誌は、ただB系の服を勧めただけではなく、ファッションを軸にしながらも「HipHop」という文化も勧めており、今回の主題である「入口」なり「ブームの躍進」に一役買ったと思います。
 先ほど紹介した「東京ストリートニュース」であれば、最先端な文化としてのカッコよさを通じてHipHopの普及をしてたなら、Woofin'はファッション性を中心にしつつ「HipHop文化」を広く紹介したことが・・・ポイントだと思います。


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 そう、Woofin'って、ファッションがメインだけど、広くHipHop文化を伝えよう!って感じが強く、ファッション以外の内容もかなり掲載されていました。
 それこそ、HipHopにおける4つのエレメント(MC/DJ/Breakdace/Grafty)は必須で、特に音楽系の話題は、Frontの発行元だけあって、かなり割かれていました。

 Woofin'に関しては、Frontとは全く別の編集部が動いていたので、音楽系の記事でも全く別物ではあるのですが、ノウハウだけは伝授されたみたいで、国内外問わず、かなり広い範囲をカバーしていたと思います。
 アーティスト系のインタビューであれば国内外問わずインタビュー(写真上2枚)してたし、クラブやイベントの生の情報(左下)が載ってたり、MUROさんによる「ネタモノ講座」(右下)があったり・・・初心者向けの記事が多いものの、音楽誌に引けを取らない内容になっていたと思います。

 若者音楽を考えた時、ファッションが入口ってのはホント多く、パンクとかもそうじゃないかと思いますが、入口として呼び込み、中に入ったらしっかりと教育をしていた・・・という点は、今回の雑誌としての価値を達成していると思います。
 特に注意したいのが、少なからずHipHopに興味を持った子たちが読むので・・・今回紹介してる他の雑誌よりも「間口」は狭いのですが、その分、専門的なことが書け、より濃度な人材を育成出来たんじゃないかと思います。


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 ただ、既にFrontの読者だった私からすると、記事のレベルが「初心者向け」に感じ、Frontを読み、HipHop街道を爆走してた私からすると物足りない内容だった・・・ので、毎号買わなかったです。
 なので、記事としてストニュー級に思い入れがありません(^^;)

 だけど、読み返してみると・・・レアな情報が満載で感涙です!!

 クラブ系の話題はFront以上に取材してて資料として素晴らしいし、音楽系のインタビューもイイものが多いし、国内アーティストの連載があるので、大変興味深い記事もあったり・・・そう、Frontとかの音楽誌とは「別視点」で作ってるので、同じ内容のことでもちょっと違い・・・個人的な見解だとストリートの情報が細かく掲載されている印象があり、資料的な価値は素晴らしいと思います。

 特に個人的にヤラれたのが、上の写真の2枚で、グラビア(?)で、MUROさんの妹さんである「サチコさん」(左)と、あの「HAC」さん(右)のお姿が撮影されており、これだけでこの号は保存が決定です!

 サチコさんは、MUROさんの初期の曲で「Q From A」という曲があり、その曲に「Lil'MURO」として参加しているので、知ってる方は知ってるかもしれないですが、普段はMUROさんのお店である「Savage」の店員さんとしてお店におり、凄い気さくな対応で、声とか凄い可愛かったので、個人的には好きでした(^^;)
 んで、HACさんは・・・♪ゆ~めみ~てる♪でお馴染みの「Special Treasure」を歌ったお方ですが、当時は渋谷CISCOの店員さんで、よく友達とCISCOに行ったとき「あれがHACだよ」と教えてあげたものです・・・けっこう「濃い」顔ですね・・・すみません・・・

 これ以外にも、レアな写真や情報が多く、オッサン向けの昔を振り返る読み物としては絶品ですよ(^0^)



⑤ Fine(ファイン) 日之出出版・1978~

 最後は・・・雑誌も残ってないし、切り抜きもないし、そんなに私は読まなかったので、記憶だけが頼りなのですが、HipHopやDJにおいて、重要な役割を果たした雑誌なので、書いておきたいと思います。


 Fineは、サーファー系ファッション誌として有名な雑誌で、色々と変遷はあるものの、今も元気に発行されている雑誌です。
 Fine自体は、70年代末ぐらい、日本でサーファー文化が成長し始めた時からある雑誌で、常に若者のスタイルを提唱しており・・・他誌に比べると「ナンパ」なイメージはあるものの、その時期ごとに価値があった雑誌だと思います。
 基本的にはファッションのことが中心としつつも、しっかりとサーフィンの「海」のことをフォローしており、う~ん、なんて書いたらいいんだろう、若者の「遊び文化」を広くホローしてるといった感じでしょうか?

 その「遊び文化」の一端で、音楽の紹介が必ずあり、これでHipHopやDJの影響を受けた方が多いんじゃないかと思います。

 誌面にはミニコミ記事で音楽のことが書いてあったり、たまに特集みたいなこともしてたので、今回紹介した範囲だとブーンとかホットドックとかと同じ感じだと思いますが、Fineに関しては、他誌にくらべ「伝統」が違いすぎます!

 サーファー文化となると、海での遊び以上に「丘での遊び」も重要なわけで、クラブで遊ぶってことが80年代のブームの頃よりあり、雑誌の中では、クラブで遊ぶことや、クラブ系の音楽(特にHipHop、Reggaeなど)は欠かせない一面が過去よりあったと思われます。
 つまり、それらの音楽だったり文化を、昔から欠かすことなく応援してくれてた存在で、今回取り上げてる90年代中ごろに限らず、全ての年代で情報を発信していたと思います。

 また、記事のクオリティーも、直接現場で活動してるアーティストからのインタビューや、クラブリポートなどもしっかりとしており、かなり高レベルだった印象があります。
 ほんと細かい内容は、私もあんまり読んでなかったので、記憶がないのですが、私よりちょと前の世代だと、かなり影響を受けたんじゃないかと思います・・・


 ちなみに、私が中高生だった90年代中ごろは、HipHop/DJブームと同様に「サーファーブーム」もあり、当時の中高生が参考にしていた雑誌がFineで、ファッション面や文化面ではかなり影響度があったと思います。
 ただ、個人的な見解だと、すこし「ヤンキー文化」をミックスされてたところがあり、それで私はあんまり読まなかったのかもしれないですね・・・


 かなり低レベルな文章になりましたが、世代によってはかなり影響を受けただろうし、今回紹介した他の雑誌と同様に、HipHop/DJの入口であったり、ブームの火付け役の効果があったと思うので、念のため書いておきました・・・補足情報があれば教えてください~(^^;)



<< まとめ >>

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 いかがだったでしょうか?

 いつも通り長い紹介になってしまいましたが、ストニューのこととか、かなりしっかりと書けたので個人的には満足です(^0^)

 今回紹介した、Boonなり、HotDogPress(Popeye)なり、ストニューなんかは、毎号欠かさず買ってたり、興味のある号は古本屋で買ったりしてたので、結構残ってるかな?と思ってタンスの奥をのぞきましたが、そのタンスの奥にある「開かずの箱」の中にはなく、引っ越しとかしたときに捨てちゃったようです・・・残念!
 ただ、資料的価値が高そうなのだけ残してたみたいで・・・かなりHipHop/DJ系の情報が濃いのだけ残っていたので、少ない冊数でしたが、当時の記憶などを引き出し、情報を膨らませて書くことが出来ました(^0^)

 なお、当初の予定では、上記の写真のような、タンスの奥から発掘した「フリーペーパー」も同時に書こうと思ってました・・・が、これを書くと、更にとんでもない量になりそうなので、先に商業誌の雑誌だけで書いて、こっちの方は別機会に譲ることにして、タンスの奥にまた戻って頂くことにしました・・・忘れないようにするため、写真を貼りました(^^;)


 んでは、まとめをしましょう。

 今回紹介した雑誌は、90年代中ごろにHipHop/DJとは無関係に近い位置で発行されていた雑誌なわけですが、今回紹介した雑誌に関しては、主題に上げた「入口」のこととか、「ブームの後押し」を結果として行っていた点が理解できたかと思います。

 まあ、これらの雑誌を通しての影響を考えると、弊害がないわけではなく・・・見た目だけで中身は無い・・・みたいなのが横行し、カッコだけ「B」みたいなのを増やしてしまったというのはあるかも知れないですが、その文化に対して「興味を持たせた」「実行させた」「初期教育をした」という点は非常に重要だと思います。

 私も当初は、こういう雑誌があった・・・レベルの話を書こうかなと思っていましたが、さんぴん前後の「HipHop/DJブーム」の背景を上手く表現してる文章とか本が殆どなく、かねてから、こういう雑誌が入口になったりしてたことを意識してたので、私の持論を頑張って書かせていただきました。
 また、ストニューの流れなんかは、当時の中高生にとって重要な「空気感」を作っていた(表現してた)雑誌なので、これも指摘しないと・・・とか思って書きましたが・・・かなり頭を絞って書いたので、ちょっと長くなっちゃいましたね(^^;)


 あとがき的な話になると、音楽とか音楽文化って、その音楽が始まったから動くのではなく、実は背景に「草の根的に影響力」があるものがあって、はじめて動くケースが多く、HipHopやDJにおける話だって、突然始まったわけではありません・・・
 今回、文章を書いてて、HipHopなりDJの「裏歴史」を書いてるような気持ちになってきましたが、少なからず私にとっては影響力があったので、書いてみました。
 正直、独りよがりな文章になるのが怖いのですが、もし、私と同世代で、こういった雑誌から影響を受けた方がいるのであれば、是非コメントなどでご意見をくださいね!!


 また、書いてて思ったのは、今は雑誌文化が廃れ、ネット文化の方が若者にとってリアリティーがあるな~とか思いましたが、正直、今の若者は可哀そうだ・・・と思いました。
 もちろん、私もこうしてブログを書いてる時点でネット文化を享受しているわけですが、ネットだと情報が多すぎるのと、各人が自分が興味のあるモノに進み、文化として集合性が持てない・・・側面があると思うんですよ。
 私が雑誌にふれていた限りだと、結局は少ない情報なんですけど、その分、情報に「ありがたみ」が持てたり、みんなが同じ情報を共有するので、ストニューが引き起こした高校生ブーム(=HipHop/DJブーム)なんかが出来たのかなと思います。
 雑誌vsネットの話はもっと深い話になるので、ここでの結論は避けますが、私の話に限ったレベルだと、イイ時期に、イイ雑誌にめぐり合えたと思います。


 あと、資料的価値については、それぞれ未知数ではありますが、大変価値があるモノだとは思います。
 今回紹介した雑誌は、分かってない古本屋で、まだ残っていれば捨て値で売ってると思いますので、オッサン世代は昔を懐かしんで掘って頂き、若者は興味を持って掘って頂ければ良いかと思います・・・

 ちなみに、ブックオフでは入手が難しそうです・・・また確実に手に入れたいなら、神保町の古本屋とか、ネット古本店なんかがイイと思います。
 ただ、こうしたお店だと、中にアイドルのグラビアが入ってて、そのアイドルの価値で値段が決まっており、週末に神保町のお店(荒魂とか)を見てきましたが、平気で1000円、モノによっては3000円ぐらいの強気の値段がついてるのでご注意ください。
 

 んでは、これで最後。

 知ってる人には懐かしい文章だと思いますし、知らない人には興味のある文章になっていれば・・・と願います。

 

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追記 2010年4月24日

東京ストリートニュースのところで触れた「東京Jr.Junk」の動画を資料用にアップしました。興味のある方は次のページで確認してください~♪

DJに関する動画 その1



再編集記事のご紹介
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 え~、正月が終わった直後の3連休とあって・・・どこにも出かける用事はなく、家でダラーンとしてました・・・
 んで、何気なく、過去に書いた記事を見てたら、急に編集したくなり、今日は「編集デー」になり、頑張ってしまいました(^^;)

 まあ、年末年始のユニオンのセールで、欲しかったレコードが結構買え、ちょうどそのミックス作品に収録されてたこともあり、レコードを買ったことに対しての「心の減価償却(=高額なレコを買ったことへの罪滅ぼし)」みたいなもんで・・・気づいたら編集が止まらなくなり、本日だけで4作品を更新しました!!
 なお、昨年末に更新をし、告知を忘れてたのもあったので、ついでに報告しますね~♪


<12月15日更新分>
  ・Melo D 「aquaboogie」

<1月11日更新分>
  ・Ulticut Ups! 「Bang Bong Disco Baby」
  ・MURO 「Diggin' Ice '97」
  ・MURO 「Diggin' Ice '98」
  ・MURO 「Diggin' Ice '99」


作品によっては、例のごとく、以前書いた文章を完全に書き換え、別物になっちゃった記事もあるので、お暇な時にでも読んでくださいね(^0^)


 では、今日はこれにて失礼・・・今日は早く寝よっと・・・zzz


ps 久しぶりに「ネタ企画」を進行中・・・タンスから大量の資料を発掘し、現在、読み返しながら色々と考え中です~♪ どういう内容にしようかな・・・





DJ Spinna 「The Basement Archive Sessions Vol.5 - Tribute to the Q (Pt.2) 」
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 久しぶりですが、意外と多作なSpinnaの作品のご紹介・・・聞いてみると流石の出来ですね!!
 Chanparaさんは直撃だと思いますよ(^0^)


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 え~、年末年始で家の掃除をしてる過程で、買ったまま適当に放置していたミックス作品を整理することが多いんですが・・・写真左のように、やけにSpinnaの作品が多いことに気づきました・・・無意識で買っていましたが、改めて好きなんだな~と思いましたよ・・・(--;)
 なので、ここ最近Spinnaモノを聞いてたのですが、ちょうど個人的に熱を上げてる「Quincyもの」を紹介したいと思います~♪


 Spinnaの説明は詳しくはしないですが、HipHop出身のDJ/Producerで、現在はHouseもプレイするなど、音楽的な嗜好の幅が広く、かつ「音楽愛」に満ちた音楽活動をしている、数少ないアーティストだと思います。
 考えてみれば、上記に上げたミックス作品も、ネタものがあれば、Houseがあったり、Garageだったり・・・ほんと幅が広く、かつどの作品もレベルが高く・・・ミックス作品に関しては、殆どがアンダーグラウンド作品でそんなには儲からないのに・・・作品を多数リリースしてるのは、音楽が好きだからってのが一番の理由だと思います(^0^)


 んで、今回紹介する「The Basement Archive Sessionsシリーズ」について触れましょう・・・ブログを始めた直後に紹介したことがありますが、今回は仕切り直しもあるので、説明したいと思います。

 このシリーズは、どうやらSpinnaとは距離が大変近い「Tube Records」という地下レーベルよりリリースされたシリーズで、全部で5作リリースされています。
 Tubeというレーベルは、全く詳細が分からないのですが、過去に紹介をした「Jazzy Jeff / The Live」「Just Blaze / 90's Flave Vol.01」などもリリースしており、現在は「Off The Wall Records」と改名をしている・・・らしいレーベルで、渋谷のManhattanと関係が深いレーベルになります。
 ちなみに、検索すると色んな国に「Tube Records」があるようですが、どれも関係ないと思います?

 シリーズ自体は、5作しかないのでアレですが、どの作品も良質なミックスを聞かせます・・・
 タイトルごとに主題を決めてミックスをしており、Brazilだったり、Dubだったり、HipHouse(!)だったり・・・そして今回のQuincyだったり・・・Spinnaの個人的な趣向が生きた作品シリーズになっています。
 それこそ、MUROさんの作品が、メジャーリリースよりも、自主で作ってる作品の方が、著●権にとらわれず、自由なミックスが出来るように・・・Spinnaのオフィシャルものよりも自由なミックスをしていますね(^0^)

 ただ、このシリーズは・・・大半が「CD-R」で作られているので、モノによってはプレスの状態が酷く聞けないのもあります・・・私が買ったHipHouseがそうでした(--;)


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 んで、この作品はシリーズの第5段になり、シリーズとしては最後の作品になります。

 内容は・・・ジャケットで分かるかな? ブラックミュージック界の大御所「Quincy Jones」の作品/プロデュース曲のみでミックスした作品になり、このシリーズの第3段である「Tribute to the Q (Pt.1)」の続編にあたります・・・
 Quincyと言えば、50年代から活動をするブラックミュージック界の巨人なわけで、ジャンルもJazzから始まり、JazzFunk、RareGroove、Soul、Disco、R&B・・・とジャンル分けが難しい存在であり、作品数がハンパなく多く、第3段のミックスでは収録できなかった曲を多数収録しています(^0^)

 作品の路線自体は、前作と同様で、Quincyの長年に渡る仕事(=作品)の中から、Spinnaの感性の元、時代を超越した選曲を行っており、SpinnaからQuincyに対しての「尊敬の念」が感じられる作品に仕上がっています!!
 聞いていると、何よりも「Quincyが大好き!」という気持ちが伝わってくるような感じが素晴らしいですね!!

 ちなみに、ジャケットの元ネタは、89年にリリースされたアルバム「Back on the Block」ですね・・・こういう所にも愛を感じますよね(^0^)


 Quincy Jonesに関しては、私も大好きで、言いたいことが色々あります・・・

 昨年に夏に「Rufus and Chaka / Any Love」のアメ盤を買って以来、すっかりQuincyの虜になってしまい、写真左の「Quincy Jones Productions」のマークを見ると心が躍るようになりました(^^;)
 その後、Quincyモノで、70年代末から80年代初期のDisco期の作品を見つけるたび、結構買うようになり、写真右のようにボチボチな数になり、作品を聞けば聞くほどQuincyのことが好きになって行きました・・・

 Quincyの作品って、時期によっても違うのかもしれないですが、音楽自体がスムースな感じだったり、ゴージャスな感じだったり・・・うまく説明できないですが「上品」なんですよね。
 上品といっても、嫌みがある類ではなく、上質な品質がある意味の方が近く・・・例えが下手ですが、高級なチョコレートを舌の上で溶かした時みたいな「至福感」を与えてくれ、聞いてるとポジティブな気持ちを与えてくれる音楽だと思いました。

 特にディスコ期の作品だと、楽器のアンサンブルが素晴らしく、ホーン隊の音の出し方や、ベースのエッジの聞かせ方など・・・ミュージシャンに的確な指示を与え、作品に仕上がった時の統一感が素敵で・・・プロデューサーの鏡のような仕事っぷりがタマランですね(^0^)


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 では、作品の紹介に進みましょう・・・

 Quincyが演奏/プロデュースした楽曲を、時代を問わずにミックスをしており、Qunicyの音楽が持つ「スムースさ」や「上品さ」を上手くミックスした作品に仕上がっています。
 私が持ってるのは70年代末~80年代初期のディスコ期の作品ばかりなので、誤解を招きそうな写真の貼り方ですが、映画音楽を作ってた頃(60年代)の作品も多く選曲し、音楽の質感は違えど「Quincyらしさ」を表現している点は素晴らしいです。 
 
 んで、今回のミックスで憎いのが、それぞれの曲の使い方が上手いんですよ・・・

 例えば、写真に貼った「Brothers Johnson / Ain't We Funkin Now」であれば、アルティメット収録のブレイク曲とあって、ドープな2枚使い(めちゃくちゃ上手い!)をしたり、Quincy仕事の中では評価が高い「Michael Jackson / Rock With You」では、エフェクターを要所要所でかけ、幻想的な雰囲気を出しつつ、4つ打ちっぽいミックスをしたり・・・それぞれの曲の良さを引き出しています。

 特にミックスの後半では、Houseっぽい4つ打ち感を出したミックスになり、ド定番な「Rufus and Chaka / Any Love」をプレイしたりし、後半に向かってグルーブを上げてる辺りも大変良いです(^0^)
 聞いてて、段々ミックスが進んでいくと、Spinnaのエフェクト使用率が上がってきてて・・・きっとプレイをしてて段々テンションが上がってるんだろうな~といった感じで、Any Loveではかなりテンションが上がってたようですよ!


 また、Spinnaと言えば「掘り師」の側面もあるわけで、要所要所で唸らせてくれます(^0^)

 60年代に製作された映画音楽なんかもしっかりと掘っていますが、個人的にはド定番の「Ai No Cirrida」なんですよ・・・使用したのがなんと「ライブ盤」です!!
 上記の写真に貼ったのはオリジナルの12inchですが、ライブテイクなんて聞いたことないし・・・調べてみたら、どうやら81年にQuincyが来日した際に録音された日本オンリーのアルバム(Recorded Live at Budokan)を使用してるようで・・・確証はないですが、本当だったら素晴らしい掘りっぷりですね!!
 今回、調べてみて、恥ずかしながら初めてライブ盤があることを知りましたが、海外だとボチボチ高い値段見たいっすね・・・



 んなわけで、全体的に聞くと、Quincyの持つ上品な質感を、Spinnaのミックスをすることで耽美な印象が生まれ、聞いていて「Quincyの世界」に引き込まれてしまう・・・そんな素晴らしいミックスに仕上がっています。
 Spinnaが持つ「Quincyへの尊敬」が伝わりつつも、Spinnaらしさもしっかりと表現をしており、よほどの「愛」がないと作れない・・・そんな素晴らしい作品だと思います。

 ここ最近は、中古でも結構見かける作品で、Basement Archive Sessionsシリーズの中では見つけやすい作品だと思いますので、興味があれば聞いてみてくださいね~♪



<Release Date>
Artists / Title : DJ Spinna 「The Basement Archive Sessions Vol.5 - Tribute to the Q (Pt.2) 」
Genre : Jazz、Funk、Soul、RareGroove、DanceClassics、Garage、R&B
Release : 2005年8月
Lebel : Tube Records SS11

Notice : トラックリストについて
 中ジャケには「曲名」のみ書いてありますが、一部のサイトではアーティスト名も入ったリストが掲載されています・・・例えば「これ」です・・・

Notice : CD-R作品



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追記  再編集記事について

 この記事を書くにあたり、今まで紹介したSpinna作品を整理・再編集しました・・・理由は、記事のクオリティーが低かったからです(^^;)
 また、一覧のインデックスも作ったので参考にしてくださいね~♪

・ DJ Spinna 「The Basement Archive Sessions Vol.1 - Brazilian Funk Mode」
・ DJ Spinna 「The Basement Archive Sessions Vol.3 - Tribute to the Q (Pt.1)」

・ DJ Spinna 作品リスト



DJ Komori 「R&B Mix Vol,02 - Brightest Star」
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 お正月も終わり、仕事も始まり・・・ましたが、気合が全く入りません(^^;) やることは微妙にあるんだけどな~♪
 ただ、ミックス作品の紹介は・・・頑張りますよ(^0^)



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 R&B系ミックステープではド定番のコモリ作品ですが、夏ごろより回収を本格的に開始し・・・遂に「R&Bシリーズ」はフルコンプしました!!
 まあ、テープだけの話で、他のシリーズ(Oceanとか)はフルコンプではないですが、かなり「売れた作品」だけあって、遭遇率が高く、ストレスなく揃えることが出来ました(^0^)
 まだ、見つからない作品もありますが、発見次第コレクションに入れていきますが・・・気づいたらDaddyKay氏などの他のR&B系DJも収集にし始めてしまい、大変です(^^;)

 なお、話はちょっと脱線するのですが、余興を一つ・・・
 コモさんの作品を揃えてて気づいたのは、今回紹介する「Vol.02」のトップ写真にも貼られているように、やけに「DMR」の値札が付いていることが多いんですよ!
 当時はコモリ作品は全く買わなかったで記憶での話になりますが、DMRはかなりプッシュして売ってたような気がするので、値札のシールが貼られてる点は納得しました・・・
 ただ、なぜシールが貼られてるかというと、今も昔もそうですが、DMRって値札シールを、その商品に直接貼りますよね・・・だから残ってることが多いんでしょう・・・
 しかし、これって、特にレコードとかだと、入口の所にあるセンサーに反応する金属片が内蔵されている値札が付いており、あれって剥がすのに失敗すると、ジャケが破れたりすることが多く・・・正直、迷惑なので止めてほしいっすよね(^^;)
 
 
 んなわけで、話をコモさんに戻します・・・私が聞いてる限りだと、「R&Bシリーズ」はミックスの主題がそれぞれの作品で異なり、聞いていて面白いですね!
 殆どの作品が収集目的で買ってるので、あんまり深く聞けてないですが、パッと聞いただけでも「主題」が分かり、かつその主題に沿った分かりやすいミックス&選曲に仕上げており、昔から売れてるだけあるな~と今さらながら思いました(^0^)

 そういうわけで、不定期ですが、コモさんの作品は「R&Bシリーズ」を中心に紹介します・・・聴きこむのが大変だ(^^;)


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 では、早速、紹介に移りましょう・・・

 コモさんの名物ミックスである「R&Bシリーズ」の第2弾で、リリース時期は不明なのですが、2000年前後にリリースされたと思われます。
 時期に関しては、DMRとかManhattanの資料を読み返せば分かると思うので暫しお待ちを・・・

 この第2弾では、副題が「Brightest Star」とあり、おそらく、この作品にも収録されている「Drizabone」の曲名から拝借したと思います・・・
 日本語だと「一等星」なんて訳しますが、それこそジャケットのように、夜空に光り輝く星のような「街の明かり」を表したような・・・スムースなんだけど、夜の艶みたいなのがある作品に仕上がっています。
 陳腐な表現ですが、夜の首都高を流す時に最適な・・・スムースさとテンポの良さを兼ねそろえた選曲になっていると思います。


 その限りで面白いのが、Houseっぽい「4つ打ち」のR&Bを中心に選曲して夜の感じを出しており、リズムが4つ打ちのR&Bだったり、R&BのHouseリミックスだったり・・・普通のR&Bミックスだと思って聴くと驚くかもしれないです。

 それこそ写真に貼った「Randy Crawford / Give Me The Night」「Robin S / It Msut Be Love」なんかは、定番R&Bの範疇ではありますが、4つ打ちのフィーリングがある曲だと思うし、「Tony Touch / I Wonder Why (MAW remix)」とか「Mary J. Blige / Everything ( Curtis & Moore Vocal remix)」などのようなR&B曲のHouseリミックスを多用しており、大変良いです。
 
 曲によってはモロHouseもあったりするのですが、Komori流のR&B目線での選曲が気持ちよく、実際にはBPMは結構早目の選曲ではあるのものの、せわしなさを感じさせない、ユッタリとしたミックスに仕上がっており、手腕の高さに脱帽です・・・
 その瞬間で聞くと「House」だと思いますが、コモさんのミックスの流れで聞いてると「R&B」としての聞かせ方になっており、ミックスの雰囲気作りが上手いな~と思いました。

 また、R&Bリスナーにとって、B面とかにあるHouseミックスって普通聞かないですよね・・・それをしっかりと拾い上げ、自身のミックスに昇華してる点も見逃せないです!!
 調べてみると、B面系のHouseミックスはかなり多用しており、流石コモさんと思わせる掘りの深さに脱帽です・・・
 ただ、この点が進み過ぎて、B面の最初の方では「2 Step」や「UK Garage」の曲やRemixを使用しており、この点は・・・ちょっとアンマッチかな・・・と私は思いました??
  

 あと、偶然かもしれないですが、結構「カバー曲」が多く、写真に貼った4枚もそうだし、他の曲もカバー率が高いです・・・もしかして裏テーマだったのかな??
 まあ、カバーしてるのが昔のダンクラが多く、Houseアレンジはしやすいので、自然とカバー曲が増えたのかもしれないですね・・・


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 んで、肝心なミックスは、やっぱりコモさんの作品だけあって上手くまとめています!

 A面、B面とも、明確な方向性はないものの、ガツっと盛り上げるパンチラインのある選曲が随所に見られ、曲の良さを引き立てつつ、流れのあるミックスに仕上がっています。

 個人的には、上記の2曲の使い方が素敵で、大名曲の「Nuyorican Soul / Runaway」だと、12inchのみのミックスに入ってるイントロブレイクを上手く使い、ブレイクが切れるところで始まる、あの印象的なギターフレーズに入るようにミックスし、曲の押し方が上手いな~と思いました。
 また、これまたド定番な「The Brand New Heavies / You Are The Universe」では、R&B系のDJが多用しているアルバムバージョンではなく、Houseミックスを使いますが・・・Runaway同様に入れ方が上手く、B面の最後で、Houseフィーリングの流れでグルーブをチョイ落としたところで一気にミックスし、曲を盛り上げている点は秀逸です!

 そして、全体的に聞いてると、曲調としてHouseの曲が多いこともあり、Houseでありがちな「ビートの抜き差し」を上手く利用してるな~感じました。
 いわゆる、ドラムがゼロになり、メロディーだけが流れ、頃合いをみてドラムが入り・・・みたいな展開なんですが、これを上手く利用することで、ミックスの展開に「山と谷」を作っており、派手なミックスではないものの、動きのある流れにしてる点は上手いですね・・・



 んなわけで、ややザクっとした説明になりましたが、かなりお勧めのミックスです!!

 House的なフィーリングなんだけど、R&Bマナーで貫き通した選曲とミックスが気持ちよく、ホント夜の首都高で、銀座とか渋谷付近のビルのネオンが間近にあるところなんかを流すのには最適なミックスに仕上がっており、気づいたら首を振りながらアクセルを踏んでしまいそうな・・・そんな作品に仕上がっています。
 実際には、かなり深い選曲をしてはいるのですが、その敷居の高さを感じさせないコモさんらしさも魅力で、初心者にもマニアにもお勧めな一本です(^0^)

 R&Bシリーズは、これからも紹介していきますので、楽しみにしてくださいね~♪



<Release Date>
Artists / Title : DJ Komori 「R&B Mix Vol,02 - Brightest Star」
Genre : R&B、House、2 Step、UK Garage・・・
Release : 2000年(?)
Lebel : Sugar Bitz ST-007

Notice : CD再発もありますが、かなり枚数は少ないはずです。




DJ Kensei 「Ill Vibes - Straight from Tokyo Vol.2」
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 冷めないうちにサクっと更新・・・普段以上に頑張って更新してますね(^^;)
 ただ、週明けから仕事なので・・・また「のらりくらり」な更新です・・・



 昨日紹介をした『DJ Kensei Ill Vibes - Straight from Tokyo Vol.1』の続編で、同年の96年/夏ごろにリリースされた作品です。
 第一弾と同様に、東京を中心に動きが盛んになっていた「日本語ラップ」の曲を紹介する目的で作られたショーケース的な作品になっており、「日本語ラップがヤバい」という印象を全国のリスナーに広めた作品になります・・・

 意義的な話や、基本的な作りは、前作と同様なので割愛し、早速作品の紹介に行きましょう・・・


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 第一弾がリリースされ、割とスグに出された作品のようで、今見返すと、鬼クラシックな曲は第一弾の方が多いですが・・・あの時代に日本語ラップを聞いてたリスナーにとっては「青春クラシック」が多いな~と思いました。
 
 それこそ、写真に上げた「You The Rock / Free (Remix)」「K-Dub Shine / 機能停止」や・・・レコは売っちゃって写真が無いですが、「Rhymester / 耳ヲ貸スベキ」とか「Lamp Eye / 暗夜行路」とか「MURO / Delivery」とか・・・いや~懐かしいですね(^0^)

 無論、新曲紹介の意味合いが強い選曲なので、Kenseiさんの志向性はそんなには無く・・・正直、人選的には第一弾とそんなには変わってないのですが、第一弾のリリースから半年もたたないぐらいなのに・・・曲がこんなにあるってのはスゲーですよ(^0^)
 96年のさんぴん前後での日本語ラップの爆発っぷりを体現してる内容といっても過言ではなく、あのブームを後押ししただけの内容だと思います。

 また、当時の時点で、日本語ラップの曲だけで1本のテープが成立しちゃうこと自体は、アナログなりCDがプレスされてるので、kenseiさん以外でも出来たと思いますが・・・kenseiさんを信頼し、音源が集まった・・・という点もあると思います。
 深くは調べないですが、リリース前の曲や、次に紹介するフリースタイルなど・・・実際のアーティストと交流を組まないと得られない曲も多く・・・kenseiさんの人脈と信頼があってこそ完成したテープだと思います。


 第一弾と同じ答えになりますが、結果としてこのテープを聞いたリスナーが「日本語ラップってヤバいじゃん!」と感じ、ブームを後押しした点は・・・意義を考えれば考えるほど理解が出来ますね(^0^)


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 んで、この作品でも有名アーティストからのシャウトアウトやフリースタイルが多く収録されてる点もポイントです!

 Dev-Large、MURO、ECD、K-Dub Shine、Mummy-D、Osumiなどが参加しており、このメンツが集まること自体がKenseiさんの人脈があってでしょう・・・


 特にこの作品にはDev Largeの活躍には注目で、白眉は、暫くはこの作品でしか聞けなかった「Buddha Brand / 盲目時代+α」が収録されている点です!!

 近年になり、正式盤がDLのソロとしてリリース(写真左・借り写真)しましたが・・・昔はファンの間では「幻の一曲」として珍重されていたと思います。
 得意とするメローネタのスムースな曲で・・・結構フリースタイルっぽい感じなのですが、かなり完成された曲で、リリースする前提で作った曲をKenseiさんに提供したのかな~と思います。
 ただ、リリースされることはなく、後半のNippsの歌詞は、名曲の「ブッタの休日」に使われ・・・ある種「休日」のプロトタイプ的な曲なのかもしれないですね・・・

 Dev Large自身は、この作品や、前作でも献身的な役割を果たしており、この作品では上記の盲目以外にも気合の入ったフリースタイルを2本収録し、前作でもフリースタイル&楽曲の提供をしており、かなり頑張っています(^0^)
 それこそ、ストリートプロモーションの重要性を知ってたから他のアーティストより献身的だったのかな・・・と思う部分もあり、このシリーズの影の主役になっています(^0^)

 ちなみに、DLといえば、特徴的な「絵&タグ」が有名ですが、Kenseiさんにも「DJ Kensei絵タグ」がしっかりと送られており、第一弾の方には隅に印刷されています・・・関係が相当タイトだったんでしょうね!!


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 また、書くところが無いので、ここで指摘しますが、この作品から影響を受けた存在として、もっとも象徴的なのが「DJ Dr,Jekill」氏だと思います。

 現在は横浜で活動をしているDJで、良質かつマニアックな日本語ラップのミックス作品をリリースしています・・・

 特に影響を感じるのが、地元である青森・三沢で活動していた頃にリリースしていたミックス作品が、この作品と同じ名前の「Ill Vibes」というタイトルで・・・作品の内容(日本語のみ、フリースタイル入り)なども込みでかなり影響を受けてるようです。
 私もまだ掘り切れてない(=調査できてない)ですが、作品によっては、Kenseiさんが「Ill Vibes」をリリースした意義である「ショーケース」的な作風で・・・同世代のアンダーグラウンドなアーティトの作品を紹介をしてたりしてて・・・同じタイトルを使ってるだけに、気合が入っています。
 また、鉄板でレベルの高いクラシックミックスもあり、全国の日本語ラップマニアからの支持が高いのも伺えます・・・

 きっと、Jekillさんも、この作品に影響を受け、成長したんでしょう・・・もし本当なら、東京で起こったムーブメントが、テープという形で地方に旅立ち、しっかりと影響を与えたことになり・・・このテープの意義が達成されたように思えます・・・



 んなわけで、第一弾とそんなには変わらない内容ですが、コレクター泣かせな一本として今でも燦然と輝いています・・・

 実際は、この2本をもってシリーズは完結し、その後のKenseiさんはアンダーグラウンドな方向にシフトしているので、Kenseiさんのキャリアからすると意外な作品かもしれないですね。
 ただ、胎動し始めた「東京の日本語ラップ」の中心にいて、それを紹介できる立場にいたことは、ありがたい「奇跡」だったと思えます・・・日本語ラップの資料的な価値としては「もっとも」な作品でしょうね!!

 ちなみに、この作品も未だに高額です・・・が、マニア以外は無理して掘る必要はないかな~と思います(^^;)




<Release Date>
Artists / Title : DJ Kensei 「Ill Vibes - Straight from Tokyo Vol.2」
Genre : JapaneseHipHop(日本語ラップ)
Release : 1996年夏ごろ?
Lebel : Beat Shop Productions

Notice : 第一弾の紹介は、こちらのリンクからどうぞ!
 『DJ Kensei Ill Vibes - Straight from Tokyo Vol.1』



<追記> 2010年1月10日

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 ある資料を読み返してたら、上記のような写真を発見し、それを見ると「1996年8月24日」がテープの発売日のようですね・・・ツモ引きなデータでした(^0^)



DJ Kensei 「Ill Vibes - Straight from Tokyo Vol.1」
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 あけましておめでとうございます!
 今年もよろしくお願い致します(^0^)

 年明け一発目ということで・・・垂涎のレアテープのご紹介(^0^)
 紹介に関しては、まったく脈略は無いですが、つい最近、やっとゲット出来たので、ご紹介です・・・おとそ気分で書きたいと思います~♪



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 ミックステープ・コレクターは無論で、日本語ラップ・コレクターには垂涎の一作で、これがあったから「日本語ラップ」が盛り上がった・・・と言っても過言ではない作品のご紹介です。

 制作者は、90年代以降の「日本のHipHop」の発展に大きな寄与をした「DJ Kensei」さんで、今はHipHopとは別の方向に進んでおられますが、バリバリのHipHop路線だった96年に製作された作品になります。

 私も96年ごろにはリスナーとしては既に参加しておりましたが、Kenseiさんに関しては、都内各所でのDJ活動や、音源のプロデュースなど、かなり活発な活動をされており・・・クールな印象はありましたが、日本のHipHopの中心人物だったと思います。
 あんまり資料がないので、明確なことは書けないですが、Kenseiさん自体、80年代末よりHipHopをプレーし、90年代初期より雷や、MUROさん、Rhymester、ギドラ、ブッタ・・・など、それこそ「さんぴん」で爆発したHipHopアーティストと、ブームになる前からリンクし、お互いが切磋琢磨しながらシーンをDJ/Producerとして盛り上げたお方だと思います。


 んで、この作品は、96年ごろより爆発した「日本語ラップ」ブームの起爆剤になった作品と言われております。

 時期的には、さんぴんキャンプ(96年7月)より前にリリース・・・おそらく96年の冬~春ぐらいにリリースされたと考えられる作品で、それまで地下で活動をしていたアーティスト達が、今でも光り輝くクラシックな作品を一斉にリリースし始めた時期に、その作品をこのミックスに収録し、全国のヘッズにばらまき・・・「日本語のラップがヤバい!」とシーンに対して印象付けた作品になります。
 ある種の「ショーケース」的な作品でもあるのですが、以下で紹介する歴史的なクラシック曲を、kenseiブランドの元、いち早く紹介し、日本語ラップブームに火をつけた作品と位置づけられ・・・これがなかったら「さんぴん」の成功なり、その後のHipHopブームが無かったんじゃないか・・・というぐらい重要な作品になります。

 また、この頃って、HipHopに関する情報が殆どなく・・・Frontもそんなに日本のHipHopのことを追って無かったし、ラジオもYouさんのナイトフライトが不定期でやったり・・・無論、インターネットもない自体で、慢性的に情報が無かったと思います。
 特に、現場で発展してる「日本語ラップ」に関しては殆ど情報が無かったわけで・・・その限りにおいて、この作品が「情報の隙間=ニッチ」を繋いでいた・・・という点も見逃せませんね!


 ちなみに、このシリーズには続編の「第2段」もリリースされており(写真右参照)、こちらも同じような価値がある作品なので大変重要です・・・
 一番下にリンクを貼っておきますので、興味のある方は見てね~♪


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 んなわけで、作品の紹介に行きましょう・・・

 この作品は、いろんなアーティストの「ショーケース」的な意味が強く、ミックス作品と言うよりも新作系コンピレーションみたいな感じに仕上がっています。
 レコードがある作品であれば、レコードでプレーし、2枚使いなどをしますが・・・無いものはDATとかでノートリックでプレイしており、ミックス作品としての性格は殆どありません。

 しかし、この作品の凄いのは・・・上記の「証言」だったり、「人間発電所(写真はリプレス、収録はオリジナル)」だったり・・・今でも燦然と輝く「日本語ラップ・クラシック」をいち早く収録した点で、シーンに対して「こんなヤバい曲があるんだぞ!」と印象付けた点だと思います。

 証言も人間発電所も、アナログリリースが96年初頭で・・・それこそ出来たてホヤホヤの曲を収録しており、タイミング的には、まるで時代が味方してくれたかのような絶妙なタイミングでリリースされ、作品自体の伝播に加え、その収録曲自体の評判を爆発させた効果があったと思います。
 情報媒体が無い中、このテープがある種の「太鼓判」的な価値観を発揮し、ストリートレベルで話題になっていた曲を、全国のヘッズにばらまいた点は・・・極めてアナログな方法ではありましたが、シーンに対する情報伝達の点ではホント重要ですね(^0^)


 私自身は、時期的には、このテープが出回り、さんぴんが終わった後ぐらいに日本語ラップに興味を持ち、その頃はFrontすら読んで無かった「草DJ」だったので、全て後追いになってしまいますが、当時のブームは凄かったですね・・・
 その頃は、既にManhattanとかCiscoとかには行ってましたが、日本語系のレコードは恐ろしい早さでなくなり、中古屋に行けばとんでもない値段になってたり、各種セールでの争奪戦だったり・・・子供には衝撃でした(^^;)
 このテープ自体は、第2段が出た時に、知り合いから噂を聞き、探した時には・・・時すでに遅しで買えませんでした・・・こういう人も多かったと思いますが、どうですか??

 んで、まわりまわって「証言」なり「人間発電所」を初めて聞いた時のショックたるや・・・衝撃で、無理して理解も出来ずに聴いていた英語のHipHop以上に、HipHop本来のカッコよさがストレートに理解でき、音楽を聴いて「人生観」が変わった数少ない瞬間だったと思います。
 この2曲に関しては、他の日本語ラップよりも「別格な何か」があり、あの頃に聞いたのならば・・・私以外の方でも衝撃を受けた方は多いかと思います。
 

 そんな大名曲を理想的な時期に紹介しただけでも価値があり、結果として「日本語ラップのヤバさ」を伝えた所以がこの2曲に集約されると思います。
 また、人によってはこの作品を「日本語ラップの記念碑」的に扱われているときもありますが、その価値も十分にある作品だと思います。



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 また、証言や人間発電所以外の曲もバッチリ収録されておりますよ・・・

 写真に上げた「King Giddra / 行方不明」「Rhymester / The God The Mad」「Muro / Two Night」「Hac / Special Tresure」・・・など、主要なアーティストの曲は収録しており、しっかりと「ショーケース」としての価値観を発揮しています。

 選曲に関しては、かなりアバウトに進み、KenseiさんがProduceした曲や、時期的に考えると、リリース前(発表前)の曲として収録されてるものもあるようですが、アナログが切られてる曲は、Kensei印の2枚使いが発揮され、カッコいいです・・・マスコアの2枚使いとかはカッコいいですね(^0^)
 ただ、なぜか大怪我とかHacとかは、今となっては不人気(?)なりミックスの方が収録されてたり・・・今となっては「?」な選曲もあります・・・時代的なことだから仕方がないですね(^^;)

 
 あと、Kenseiさんがシーンの中心にいただけあって、アーティストからのシャウトアウトだったり、フリースタイルが多く収録され、kenseiさんのプロップスの高さが伺えます。

 これ系だと、Dev-Large、MC Shiro、UJI、Rappagariya、Hide-Bowieなどがリストアップされており、どれもカッコいいし・・・ここまで集められるのもKenseiさんならではですね!
 特にカッコいいのが、Kenseiさんのバースデーパーティーらしき日に録音された、King Giddraのフリースタイル込みのライブ音源で、K-Dubの的確な韻踏みと、ジブさんのマイクまわしに痺れます・・・この時点で完成されてるのは驚異的ですよ!!



 んなわけで、作品自体はミックス作品とは厳密に言えませんが、日本語ラップの歴史的な価値を考えると「金字塔」であることは間違えない作品の紹介でした・・・

 値段的な話を加えておくと、ほんと市場には出ない作品で、ヤフオクなどでは昔っから「激高値」でおなじみで、ミックステープコレクター以上に日本語ラップコレクターに人気な作品で、1万円前後で取引されることもしばしばあり・・・素人はうかつに手を出さない方がイイです(^^;)
 私は・・・凄くラッキーで、つい最近、都内某所で「嬉しいぐらいの安値」でゲットしました・・・これだけはリリースした96年くらいから欲しかった作品だったので、リベンジ達成です(^0^)

 あと、入手がほんと難しい作品なので、特別に情報を入れておくと・・・某動画サイトでは音源がアップされてるので、興味があれば探してみてね・・・ニコっ(^0^)




<Release Date>
Artists / Title : DJ Kensei 「Ill Vibes - Straight from Tokyo Vol.1」
Genre : JapaneseHipHop(日本語ラップ)
Release : 1996年冬~春ごろ??
Lebel : Beat Shop Productions


Notice : リリース日について
 ジャケに「Birtyday Session」と書いてあり、バースデー記念でリリースされた様相があり・・・Kenseiさんの誕生日を調べてみると・・・昔のHarlemでプレイしてる頃の資料によると「3月」らしく・・・収録した曲のことなどを考えると、実際のリリースは1996年のその前後だと考えられます。
 ただ、このテープに収録されてるギドラのライブが、Kenseiさんのバースデーパーティーの時に収録されたらしいので・・・冷静に考えると、3月以降にリリースされたと考えられます。

 ↓↓↓
<追記> 2010年1月24日

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 ある資料(96年1月頃)を読み返していたら、おそらく今回の作品の広告が載っており、写真の通り「March(3月)」の記載があります・・・そうすると、リリース時期は「96年3月」前後が濃厚です(^0^)



Notice : 第2弾の紹介は、こちらのリンクからどうぞ!
 『DJ Kensei Ill Vibes - Straight from Tokyo Vol.2』