HipHop,R&B,Soul,Funk,RareGroove,DanceClassics,Garage,House・・・など、私が気に入っているMixTape,MixCD,その他もろもろを紹介するブログです。
素晴らしき「DJ機材カタログ」の世界
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 えー、3週間ぶりの登場です・・・おまたせしました!

 ブログ開設6周年を記念として、日ごろからお世話になっている皆様に送る、史上最大級のビックボム・・・久しぶりの秘蔵品大公開な記事です!!

 



(1)はじめに

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 今回は久しぶりの「素晴らしき」企画として、タイトルの通り「DJ機材の商品カタログ」を紹介したいと思います!

 この時点で「そんなの集めてたの!」とツッこんで頂けると嬉しいです・・・

 過去にも「フライヤー」「ステッカー」、そして「レコード袋」など、私が過去から収集をしていたブツを紹介してきましたが、こういうDJ機材のカタログも集めておりました!
 
 まあ、長くブログを読んで頂いているお方ならご納得を頂けるかと思いますが、子供の頃からイルマティック(?)だったので、タダで手に入るモノは何でも集めており、DJ機材のカタログもフライヤーの延長で集めていたんですね・・・
 入手に関しては、DJ機材のお店などで頂いたモノが大半で、時期的には90年代中頃~00年代中頃位までは結構意識して集めていたので、気づいたらかなりの量が手元にあり、フライヤーとは別枠で保管をしてた次第です。

 今回、記事を公開するにあたっては、昨年4月に「フライヤー」を紹介した際、次は機材カタログかな~と漠然と考えていましたが・・・ある「事件」をきっかけに、これだけは真剣に紹介しないとイケないと思い、今年の初頭から記事の公開に向けて準備を進めておりました・・・

 その「事件」とは・・・日本が誇るDJ機材メーカー「Vestax」の倒産です。

 昨年の12月、破産手続きを行っている事が分かり、事実上の倒産としてニュースが報じられ、全世界の「DJ」を愛する者に対して衝撃を与えました・・・
 私自身も、あのニュースを目にした時、市場規模の縮小など、倒産に至った背景は理解できましたが、私たちの世界から「Vestax」が消えてしまったことが悲しく、ひどく落胆をしました・・・皆さんの中でも、私と同じ思いを抱いた方は多いかと思います。

 そして、この事件があったことで、私の中で「DJ機材」というモノを真面目に考え直したところ・・・どう考えても、私たちが属する「DJ文化」の中において、DJ機材及びそのDJ機材を作っていたメーカーの存在は大変重要で、様々な影響を及ぼした存在であることは明白だと思いました。

 特にVestaxにおいては、間違えなく世界の「DJ文化」に対して影響を及ぼし、私を含む多くの方がお世話になったかと思います・・・それは、今回の記事を用意するにあたり、色々と思案している内にVestaxの偉大さに改めて気づき、尊敬の念が生まれました。

 また、DJ向けターンテーブルの代名詞である「Technics」も、生産停止をしてから結構な時間が経ちましたが、どう考えても重要な存在ですよね・・・そして、もっと視点を広げるとベスタやテクニクス以外にも重要なメーカーは多いと気づきました


 そこで、私の中での整理を含め、私が持っている「DJ機材のカタログ」を通して、改めて「DJ機材」という存在を再認識したく、今回の記事を草案しました。

 毎度の如く、記事が嫌になるぐらい長いですが、お暇な時に読んで頂ければ幸いです。

 では、行ってみよ~!



『諸注意』
・大半のカタログはクリックすれば大きい画像になりますので、詳細が気になる方はクリックしてください。
・各カタログの掲載の下には、その商品名と発売開始時期を掲載しています。その際、頭の部分には、私が任意で付けた商品カテゴリー(例:アナログ用ターンテーブル)を掲載しています。この商品カテゴリーは、製造メーカーや一般的な認知とズレることがあるかも知れませんが、この記事での理解を即するための記載になります。予めご了承ください。
・カタログに関しては、各メーカーの許諾を得ずに掲載をしています。紹介をしたメーカーより不掲載の指示などがあった場合は、掲載を取り下げる場合もあります。予めご了承ください。





(2)DJ機材とカタログについて

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 まず、DJという言葉は知っていても、この「DJ機材」については詳しく知らない方もいるかもしれないので、この点から説明をしたいと思います。

 漠然と「DJ機材」と書きましたが、これらは「音楽と音楽を繋ぎ合わせる行為=DJ」を実行するための機器・用品のことを指します。

 今となってはセットが古すぎて参考になるかどうかは分かりませんが、私の自宅にあるDJ機材は上記の画像になり・・・DJを詳しく知らない方で、この画像みれば、なんとなくイメージがつくかと思います。
 これらは、なんらかの音楽ソースを再生し、それを途切れないように繋いでいくための機器や用品になり、その機器や用品の総称が「DJ機材」になります。

 例えば、私のDJ機材は、アナログ・レコードを再生する「ターンテーブル」が2台あり、そのターンテーブルで再生された音は、音を混ぜる為の機器である「ミキサー」に繋がり、ミックスされた音が途切れなく流れる仕組みになっています。
 更に細かい事を書くと、ターンテーブルにはレコードからの音情報を読みとる「レコード針」が取りつけられ、ミキサーにおいては外には出さない音を聞く為の「ヘッドフォン」も取り付け、そしてミックスされた音を好みに調整・加工する「エフェクター」を使っています・・・もう、今となっては悲しくなるぐらい地味なDJセットですね(^^;)
 
 実際には、例示した機器・用品以外にも、様々なモノがDJ機材の中に含まれていますが、今回、この記事で取り扱う「DJ機材」は、DJをする為に必要になる機器・用品だとご理解ください。


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 そして、今回紹介する「DJ機材カタログ」ですが、文字通り、そのDJ機材の内容を紹介した「商品カタログ」になり、そのDJ機材を製造・販売をするメーカーが、宣伝用に作成した紙資料のことを指します。

 電気屋さんの売り場で販売をしている商品のカタログが陳列されてるの同じで、DJ機材に関しても、様々な企業が国内・国外を問わずに存在するので、自社の製品を紹介するべく紙資料としてカタログが作られ、DJ機材を扱っているお店などで配布されています。
 
 この商品カタログを作る企業側としては、単純に「宣伝」目的が強いと思いますが、同じ商品を取り扱っている他社との比較があったりするので、DJ機材の商品カタログにおいても、各社ともかなり力を入れて作っていたかと思います。

 各社とも、自社の商品が少しでも売れること、そして自社のブランドイメージが伝わるように、趣向を凝らしつつ、商品の内容が明確に分かるような商品カタログを作っていました。
 それこそ、DJ機材のお店に行くと、色々な商品が所狭しと陳列され、買う人にとってはどの商品が良いのかが分かりづらい訳です・・・そこで、少しでも自社商品を知ってもらう為にカタログを作るのは当然のことで、お店側も情報提供の一環になるので、積極的に配布をしていたと思います。

 また、そのメーカーが製造・販売する商品によっては、DJスタイルや用途によって様々な商品がラインナップしており、複数存在する自社の商品の中での比較にも、このDJ機材商品カタログが活用されていたと思います。
 そのため、新商品においてはその商品だけのチラシを作ることもありましたが、多くのメーカーでは自社が取り扱う複数の商品を掲載した「カタログ」調の冊子を配布していました。

 そして、今度は「購入する側」の視点になれば、これらは「購入する為の判断材料」になるかと思います。

 今ならネットで簡単に商品を調べることが出来る訳ですが、昔はその商品の詳細を知るとなるとこの商品カタログぐらいしか詳細情報を知ることが出来ず、これらの商品カタログを貰って、機材の購入をされた方も多いかと思います。
 それこそ、私は特にそうなんですが、お店で品物を物色していると店員さんからの熱いプッシュが逆にアレなので、カタログを貰って家で検討することがあります・・・これは極端な例かもしれないですが、購入者側としても資料として最大限に活用してた流れはあり、DJ機材のカタログは、インターネット普及前は特に活用をされていたと思います。


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 そんなDJ機材カタログですが、私に関しては、特に購入予定がないのに、日ごろの収集癖によって気づいたら収集対象になっていて、結構な量の機材カタログが手元に残っていました。

 当時は何も考えず、ただ自分の興味本位で貰ってたようですが・・・今思い返すと、これらのカタログを貰いにいく為だけに、DJ機材のお店を徘徊してて、ある時期はレコード屋に行くことと、機材屋に行くことがセットになっていました(^^;)

 ただ、ここで伝えたいのが、なぜ、私がこれらのカタログを収集してたかというと・・・DJ機材に対する「憧れ」があったからだと思います。

 それこそ、大変昭和な例え話で申し訳ないですが、スーパーカーのような「車」に憧れをもつ小学生がいたとします・・・当然、車を買う資格はないし、車を買うお金もまだないでしょう・・・
 そこで、その所有欲を埋める存在として「商品カタログ」があり、いつかは車を買ってやるぞと夢を見ながらカタログをめくり、そして集めていた・・・そんな小学生は1970年代のスーパーカーブームの時の多かったと聞きました。

 う~ん、私がDJ機材のカタログを集中して集めてたのは高校生~大学生ぐらいなのですが、心理構造としては、この例示の小学生と一緒ですね・・・ちょっと、言葉におこすと恥ずかしい話ですね(^^;)
 まあ、実際に高価なミキサーは欲しかったけど手が出なかったし、同じく大変高価で、かつ自分が取り扱うことができるのかどうかが分からずに手が出なかったサンプラーなど・・・結果的に憧れと言う名の「ないものねだり」を埋める存在としてカタログを収集してたようですね・・・

 ただ、私の「憧れ」というのは、裏を返すと、今回の記事の中心である「DJ機材」においては凄く大切な「流れ」があったからこそ憧れていたのかもしれません。

 それは、私が頑張って収集してた90年代中頃から00年代初期は、世間でのDJブームを受け、DJ機材メーカーも様々な魅力的な商品を作り、市場的に「もの凄く熱かった」時期だったからです。

 当然、分かりやすい話として、DJ機材の需要が多く、メーカーとしては沢山の売り上げを上げられる時期なので、どこの会社も一生懸命に企業活動をしていました。
 それこそ、私が所持している機材のカタログも多く刷られ、宣伝活動はかなり頑張ってて、各種イベントの協賛や開催などを広く行い、機材に疎くても、その情報が耳に入ってきた時期だと思います。


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 ただ、その「熱かった時代」において最も重要なのが、各社が宣伝活動以上に「他社よりも良い商品を作ってやる!」という意気込みの元、商品の内容で勝負をしてたこと、そしてその矛先が「新商品の開発」に向かっていたことです!

 そう、この「新商品の開発」は凄い大切なことです・・・それは、DJという行為・文化が発展した背景には「DJ機材の発展」が必ずあったことで、その新商品の登場はその発展の原動力となるからです。

 機材メーカーとしては、DJが考えるクリエイティブな音楽の世界観を叶えるべく、その要望に応える形で商品開発を行っていただけかもしれないですが、90年代中頃~00年代中頃は、常に新しい商品が開発され、その新商品が生まれたことでDJ文化が更に推進した時期だったと思います。

 それこそ、スクラッチがしやすいミキサーの開発が進んだことで、更に高次元の音楽を生み出すことが出来たし、CDJの登場で音楽の幅がさらに広がったり・・・各社、意欲的に新商品の開発を取り組み、DJという行為・文化を陰ながら発展させていた流れがあったのは明白です。
 そして、その新商品が出る度に市場は更に活気づき、製造メーカーも、販売店も、そしてお客さんも、皆がDJ機材を盛り上げ、結果的に「熱い時代」になっていたと思います。

 これまで、レコード屋さんとかの話で、90年代末から00年代初期が熱かったと語ったことは多いですが、こういった経緯があり、DJ機材に関しても、同時期は本当に熱かったですね!!

 私に関しては、嬉しい事にカタログを集めるという大義名分(?)があったので、絶えず機材屋さんに行ってたり、新商品の情報を押さえてたりしてたので、絶えずこの「進化の過程」「熱かった時代」を肌で感じ、DJ機材に関しても自分を興奮させるジャンルのひとつだと分かって追っていました。
 この追いかけた背景には、私としては購入は出来なかったので「憧れ」という点が強く、結果的にカタログを集めるという変な方向に向いてしまいましたが、何よりもその市場自体の「熱さ」に追いついていきたかったから・・・機材のカタログを集めていたのだと思います。

 そう、機材カタログは「熱かった時代の証拠」なんだと思います・・・今となってはただの「紙」かもしれないですが、色々な人の熱意や時代背景が含まれたものが、この「DJ機材カタログ」になるのかもしれません。
 

 そんな訳で、毎度の如く、趣旨説明が長くなってしまいましたが、以下では各社別に機材カタログを紹介し、熱かった時代の魅力や、その機材が歴史的にどのような価値があったかなどを中心に紹介をしたいと思います。
 まあ、全てがそのような視点で紹介が出来ないことも承知していますが、私の心ゆきとして、その「熱かった時代を伝えたい」という点があることをご理解頂ければ嬉しいです。

 では、以下で実際のカタログを紹介しますね!!





(3)Technics テクニクス
   ターンテーブル、DJミキサー、ヘッドフォンなど

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 まずはDJという行為においては、何よりも「音を再生」する機材が必要なので、ターンテーブルの代名詞をSL-1200シリーズを作り続けた「Technics(テクニクス)」から紹介しましょう!

 テクニクスは、日本が誇る電化製品メーカー「松下電器(現パナソニック)」の音響機器向けのブランドの名称で、このテクニクスが存在していなかったら、今のDJ業界がどうなってるかが分からないほど、重要なメーカーだと思います。
 それは、テクニクスが作ったアナログレコード用ターンテーブル「SL-1200」があったから、DJ達は自由に、そしてクリエイティブにレコードをプレイすることが出来たからです・・・う~ん、異論はないですよね!!

 当時の市場としては、アナログターンテーブルに関しては、使いやすさの観点からかテクニクスが圧倒的にシェアを占め、他社との激しい凌ぎ合いはなかったですが、少しでもDJに興味を持ってもらうようにSL-1200シリーズを中心に様々なカタログが作成されていたと思います。
 また、アナログタンテ以外にも、DJに関する商品は意欲的に開発し、ミキサーやCDターンテーブルなども製造販売していたので、そちらは市場でシェアを取るために、結構頑張って宣伝をしていたと思います。


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1997年8月総合カタログ

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2002年11月総合カタログ

 まず、テクニクスのカタログについては、企業色なんでしょうか・・・割と「保守的」な内容が多いかな~と思います?

 なんでしょう、やはり「松下電器」が母体だからかもしれないですが、書いてある内容だったり、カタログのデザインが他のメーカーと比べて「固い」んですよね・・・
 上は1997年、下は2002年のカタログの表紙で、左のようにクラブを意識したデザインだったり、右のようにシンプルなデザインだったりするのですが、何となく「大手企業」感があるんですよね(^^;)

 なんでしょう、上のクラブを意識した感じのだと、ちょっとズレてるんですよね・・・まるで「ビートマニア」のデザインのように、実際のクラブとは感覚が違うというのでしょうか・・・なんか、我々がもつ「SL-1200」という大黒柱なクラシック感を上手く表現していない感じです?
 下の方は、クラシック感があるデザインですが、何となく松下の高級家電にありそうな白基調なデザインが大手感を感じます・・・なお、こちらのカタログは、6つ折りになっており、開くと原寸大のタンテがガツっと印刷されたポスターになる、ナイスなカタログになっています!

 まあ、今となっては、これは凄い好きなフレイバーで、こういった微妙なカタログ(失礼!)な半面、SL1200にしろ、私が愛してやまない「ショックウェーブ」にしろ、企業が持つ絶対的な技術力が、クラブというストリートの一端で支持されていたことがカタログにも表れているかと思います!


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『アナログ用ターンテーブル SL-1200 MK3D』 1997年

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『アナログ用ターンテーブル SL-1200 MK5』 2002年

 そんな訳で、各々の商品のページも紹介しましょう・・・まずは代名詞のアナログ用ターンテーブル「SL-1200」ですね!!

 さきほど、散々「微妙な表紙だな~」と書いたカタログから紹介をしますが、下のMK5のようにガツっとSL-1200が表れるカタログもあり、大変カッコいいですね!!

 紹介するのは、勃発的なクラブ人気を受け、それまでDJ等に愛用されていたMK3をマイナーチェンジ(ピッチフェーダーのセンタークリックを廃止した)した「MK3D」の発売直後ぐらいのカタログと、その3Dを更にブラシュアップし、音質面の向上が未だに評価されている「MK5」の発売直後ぐらいのカタログになります。

 DJをやってない方だとピンとこないかもしれないですが、我々にとって「SL-1200」は信頼の証みたいなものです・・・

 それは、シンプルかつ無駄のない設計が、DJという肉体的・感覚的なプレイをイメージ通りに実現することや、絶対的な耐久力があり、SL-1200を使い始めたら、他のタンテは使えない程、私たちの血と肉になっている機種だと思います。
 私自身は1995年12月(中3の冬)に、お小遣いや家の手伝いで貯めたお金で「MK3」を購入してのですが、これでDJを覚え、日々音楽を楽しむ相棒として何にも変えられない存在です・・・もう20年近く使っていますが、一向に壊れる気配がなく、ホント素晴らしい相棒です!!

 そんな「信頼」を感じるデザインがカタログにも表れていて素敵ですね・・・SL-1200レベルの商品になると、シンプルな機材なので、余計な説明が要らないのでしょうか、割とイメージで押すカタログになっていますね。

 上の1997年の頃は、ちょうどこの次に紹介するDJミキサー「SH-DJ1200」や利用者が多かったヘッドフォンの一つである「RP-DJ1200」も掲載され、総合的にDJセットで売り込もうという意図(なので表紙が抽象的なクラブイメージだったんですね~)でのカタログで、テクニクスブランドのDJに対する信頼感を表しか感じでしょうか。
 そして、下のMK5はイイですね・・・まさにシンプルイズベストな感じで、松下電器がもつ品質の高さをシンプルに表したデザインで、コレにはグッときます!

 他のカタログも、大筋でこの2パターンに分かれており、SL-1200を愛している立場としては、このカタログの「分かってらっしゃる」感は頼もしいし、新しく買おうという人も信頼しやすいデザインになっているますね!!


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『DJミキサー SH-DJ1200』 1996年

 そして、テクニクスというと、タンテばかりに目が行ってしまいますが、ミキサーにも定評があり、満を持してリリースした「SH-DJ1200」は、利用していた方が大変多いんじゃないでしょうか!

 これは1996年6月ごろ、このミキサーが発売開始になった時の単品カタログで、デザインは何となく松下感がありますが、テクニクスシリーズの信頼感を感じさせる内容ですね!

 このミキサーに関しては、発売した時の衝撃は大きく、これまでにない凄い柔らかいタッチのフェーダーと、各操作パーツの絶妙な配置がポイントで、発売時にはDJバトルの最高峰であるDMCの公認ミキサー(バトルで使われるミキサー)として出たことから、爆発的なヒットをした商品になります。
 さすがSLシリーズの血を受け継いでいるだけあって、圧倒的な操作感の良さはピカイチで、技術の松下が生み出した、シンプルイズベストな商品かもしれないですね!


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『CD用ターンテーブルSL-DZ1200』 2004年

 そして、これも印象深い機種ですね・・・イイ意味もモチロンありますが、悪い意味でも印象的な機種です。

 DJ業界的には、一般の音楽ソフト市場とは異なり「アナログレコード」で音源が流通し続けていたので、アナログレコード用のターンテーブルが売れ続けていましたが、ある商品の発売を境に、状況が一変しました。

 それは、パイオニアが2001年に発売した「CD用ターンテーブル CDJ-1000」で、それまでのCD用ターンテーブルでは出来なかった操作感(アナログレコードで操作しているのと同じ内容?)を実現し、DJ業界に対して、それまで絶対的な立場だった「アナログ」から「CDやデータ」がプレイの対象になることを伝え、爆発的なヒットを飛ばしました。
 詳細はパイオニアの紹介で詳しく書きたいと思いますが、CDJ-1000のヒットを境に、各社ともCDを含むアナログ用ターンテーブル以外の再生装置を作ることがキーワードになり、各社、覇権争いも含め、様々な商品がリリースされました。

 そして、DJにおける「再生部門」のドンであるテクニクスが黙っている訳はなく、満を持してCD用ターンテーブルとしてリリースしたのが、この「SL-DZ1200」になります。

 時期的には、ちょうどパイオニアのCDJがCD用ターンテーブルの中では群を抜いて独走をしはじめた頃で、テクニクスとしては挑戦する側としてリリースをしたような記憶があります。
 内容的にも素晴らしく、SL-1200の流れをくんだデザイン、DDモーターを搭載したパワフルなターンテーブル、サンプリングパッドの搭載など、かなり素晴らしい出来で、当時、結構ヒットした機種になります。

 ただ、記憶になるので正しいかどうかは自信がないですが、業界トップのパイオニアは、DJ/クラブ業界の中心となりつつあったヨーロッパを中心に営業展開を進め、音楽のデータ化を上手く乗りこなしながら、クラブという現場から発せられるニーズの受け皿として自社製品の普及を上手く展開していました・・・
 そして、テクニクスについては、そういったシーンの流れに乗った営業展開が出来ていなかった部分があり、このCD用ターンテーブルにおいては、結果的にパイオニアには勝てなかった・・・そんな経緯があったと思います。

 また、このCD用ターンテーブルが普及し始めた00年代中期になると、市場的にもDJブームが落ち着き始め、昔のように飛ぶように機材が売れなくなってしまったこと、そして、このCD用ターンテーブルの普及は、DJのデータ化を意味し、着実にアナログ用ターンテーブルが売れなくなってきたことから・・・テクニクスとしては岐路に立った瞬間だったのかもしれません。

 売上的な話は一切分かりませんが、徐々に売り上げが落ちてきていたのは明白で、00年代中期からは苦しい営業展開だったと思われます。
 結果的に2010年10月にSLシリーズが完全終了となりましたが、私としては、このCD用ターンテーブルの存在が、その後のテクニクスの方向性を決めたのかな~と思っています。


 そんな訳で、テクニクスに関しては、まだまだ書きたいこと、紹介したいカタログがあるので、アウトテイク掲載ページを用意しました・・・こちらも覗いてくださいね~

素晴らしき「DJ機材カタログ」の世界 別館① Technics(テクニクス)





(4)Vestax ベスタクス
   DJミキサー、ターンテーブル、エフェクター、DJ関連用品など

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 テクニクスを紹介したら・・・私としては「Vestax」しかありません!!

 一応、冷静にDJ機材と考えたら、テクニクスのSL-1200がタマゴで、そこから様々なDJ機材に波及していったと考えたので、便宜上、テクニクスを最初にしましたが・・・今回の記事を作る上での気持ち的には「ベスタ」が最上位でした!

 それは、昔からそうだったみたいで、ベスタのカタログだけは集中して貰ってて、今回の整理においてはかなりの量のカタログが残っていることが分かりました。
 また、私自身、DJミキサーは「ベスタ」しか使ったことがなく、ホント思い入れのあるメーカーになります・・・そのため、かなり気合を入れての紹介になります!!


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1996年頃?総合カタログ

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2000年5月総合カタログ

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2008年総合カタログ

 まずは便宜上、カタログの表紙からスタートしますが、先にVestaxに関する詳細からご案内します。

 Vestaxは、日本を拠点に活動をしていてたDJ機材の専門メーカーで、元々はギターなどを製造販売していましたが、80年代中頃より全世界的なDJ/クラブの拡大を受けてDJ向けの機材を製造販売し始めた会社になり、活動期間が長かったことから、お世話になった方は大変多いかと思います。
 DJ/クラブ文化が盛大だった90年代中頃から00年代中頃については、DJ機材の総合メーカーとして魅力的な商品を多く作り、DJ機材のトップメーカーとして世界的にも有名でした・・・それも、日本の中小企業とも言える会社が世界と戦っている姿は頼もしく、テクニクスと並び「日本の誇り」だった会社です。
 前述したとおり、残念ながら、2014年12月に、経営不振による破産を行い、既に存在しない会社になってしまいましたが、未だに復活を望む声が多く、私もその思いは強く・・・それがあったので、今回の紹介記事があるぐらいです!!

 そして、Vestaxについては、世界に数社あったDJ機材の総合メーカーであるのですが、以下の点が秀でてた会社だと思います。

 それは「品質の良さ・技術力の高さ」「業界をリードする魅力的な新商品の開発」、そして「何よりもDJという文化を愛している姿勢」です。

 カタログの表紙の話に戻すと、中小企業が故に地味感(すみません・・・)があるカタログが割と多く、それこそ90年代中頃は2色刷りのカタログ、その後は流石にカラーのカタログになりましたが、微妙にあか抜けない感じがベスタの魅力で・・・まるで、頑固オヤジが経営する品質は確かな会社ですかね??
 それは、商品にも色濃く反映されえている部分があり、見た目は地味だったり、なんかあか抜けない感じがあるんだけど、使ってみると凄い使いやすく、かつ耐久性に優れている・・・そういった部分が評価されていたと思います。

 ただ、ベスタの名誉の為に補足をしておくと、00年代中盤ぐらいからは、商品のデザインにおいても洗練された部分はあり、それに伴い、カタログも段々とオシャレになっていった経緯はあります。
 例として2008年ごろのカタログを掲載しますが、このときメインカラーだった黒を中心とした機材を、綺麗に並べており、なんとなくオシャレになっています・・・ただ、この頃からカタログは少なくなり、このカタログもA4両面のチラシになっており・・・会社としての景気も関係した内容になっていたかもしれません??

 では、以下では、ベスタが製造販売をした商品を中心に、ベスタの魅力をご案内したいと思います!!


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『DJミキサー PMC-05Pro』 1995年~

 まず、私と同世代で、HipHopが好きだった人にとっては、このミキサーの登場は大きかったですよね!!

 このミキサーは、それまで同社のコンパクトミキサー「PMC-05シリーズ」がスクラッチを多用するHipHop系DJから好評だったことを受け、海外のスクラッチ系DJの意見を取り入れ、05シリーズの上位機種として登場をしたミキサーになります。
 写真は、後期モデルで、初期のは個人的にはベスタカラーと呼称している「ねずみ色」のパネルで、後期になると写真のようなシャンパンゴールドのパネルで販売をされていました。

 内容的には、スクラッチやジャグリングをした時に、各種パーツが邪魔にならないような配置、そして絶妙なフェーダーの切れ具合、そしてシンプルながら重厚感のあるデザイン等、当時、ほんとヒットしたミキサーで、ある時期から「HipHop系ミキサー」の代名詞として珍重されていたと思います。

 それは、DJやクラブでの使用率もさることながら、この05Proが生み出した各パーツの配置やデザインは、他のメーカーの機種にも影響を及ぼし、ある種の「スタンダード」を作った存在なので、代名詞の一つになったのでしょう・・・
 ベスタが偉大なのは、こういったDJの意見をふんだんに取り入れ、とにかく使いやすい機材を作ることと、それが結果的に業界を引っ張ることになっていたことで・・・PMC-05Proについては、その点が一番色濃く出たミキサーだったと思います。

 また、今回の機材カタログの裏テーマ(?)である「私の憧れ」においては、この05Proは印象的です・・・

 当時、初めて買ったミキサーが、ベスタの「PMC-05 MK3」で、このProの前身的な商品になります・・・それはそれで大変使いやすく、かなり大好きなミキサーだったのですが、その意匠を組んだ05proが出た時の衝撃と言ったら・・・
 デザインも、そして品質もさることながら、当時としてはかなり高額な値段(10万円位)だったので、高校生には手が出ません・・・私もいつかは買ってやろうと思い、大人になってから後続機種の「PMC-05Pro3」を購入しましたが、今でも使っており、大切な相棒になっています!!

 なお、先に蛇足的な話ですが、技術のベスタだけあって、カタログの説明が多い&長い傾向にあります・・・特に、力を入れ込んでいる新商品だとその傾向にあるようで、ブログ的に写真を掲載すると意外と見ずらいです(^^;)
 ただ、それもベスタの魅力なので、テクニクスよりもアレな画像が多いのはご了承ください・・・


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『アナログ用ターンテーブル PDX-2000』 2000年

 そして、ベスタと言えば「ターンテーブル」も忘れてはいけませんね!

 正直な話でいくと、アナログ用ターンテーブルはテクニクスの独占状態と言ってもイイくらいでしたが、その風穴を開けようと孤軍奮闘していたのがベスタではないでしょうか?
 ただ、テクニクス以上に「DJ」から意見を聞いて作ってる姿勢は強く、DJにとっては美味しい機能が多いのはベスタの特徴・・・結構ファンも多かったですよね!

 そんなベスタ製のタンテにおいて、代名詞かな~と思うのが、この「PDX-2000」ではないでしょうか!

 まず、ベスタにおけるタンテ開発は「ターンテーブリスト」の存在なくしては成立せず、90年代中頃より盛り上がり始めたターンテーブリストの要望に応えるべく、商品開発を多く行っていました。
 それこそ、前途したPMC-05Pro自体もターンテーブリストからの要望を受けて作った訳で・・・ターンテーブリスト達が望む最高のターンテーブル、つまり「針が飛ばない」タンテを実現すべく、様々な開発を行っていました。

 その開発の頂点の一つとして開発されたのが、この「PDX-2000」で、ハードなスクラッチをするDJには定評があり、ベスタクスを代表するタンテの一つになりました。

 ベスタのタンテの特徴としては、とにかく針が飛ばないことを研究し尽くした上で辿りついた「ストレートなアーム」が特徴的で、その他でも針飛びの工夫がなされています・・・これは、当時、私もデモ機で試したことがありますが、かなり針が飛ばない仕組みになっていたと思います。
 また、これも特徴の一つで、テクニクスよりもパワフルで安定的と言われているモータードライブの搭載で、ピッチをいじっても再生にムラがなく、安定があるのも定評があり、このPDX-1000では、ピッチの可変幅が±50%を実現する等、トリッキーなプレイにも対応していた点も評価されていました。

 ただ、実売となると・・・テクニクスと肩を並べるほどまでとは行かなかったと思います。

 売り上げの資料が一切ないので、憶測での話にはなりますが、結果的にコレを使用しているDJ/クラブは少なく、かつ、機材屋さんでも、凄い目立った位置には置いてなかったのが理由で、トップランナーのテクニクスまでは追いつかなかった・・・というところでしょうか?

 う~ん、理由になると・・・やっぱりデザインなんでしょうね・・・

 前途した通り、何となくある「あか抜けなさ」と「技術先行の理念」があってなのか、デザインが00年代初期ぐらいまでは微妙なのがあり、タンテに関してはその傾向が強かったですかね・・・
 このPDX-2000に関しては、多少は良くなり、ターンテーブリストが好みそうなフューチャーなデザインで、悪くはなかったですが、何年も使っていくと塗装の劣化がモロに受けるないようで・・・今現在、ハードオフとかで遭遇すると、結構「安っぽさ」が出ちゃいますね・・・
 まあ、その後、マイナーチェンジでMK2になった時、上位機種のPDX-2300だけは、その時のベスタのメインカラーであった「黒」を基調にした内容になり、メチャクチャカッコよくなりましたが・・・この頃のタンテがデザインも良かったらもっと売れてたかな~と思いました。


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『アナログ用ターンテーブル+DJミキサー QFO』 2004年9月

 そして、ぶっ飛んだ新商品を出すのもベスタクスの魅力で・・・その代名詞がコレじゃないでしょうか!

 あの、スクラッチの神様である「DJ Q-Bert」と共に作り上げたブツで、なんとターンテーブルとミキサー機能が一体化した機種で、これさえあればどこでもスクラッチプレイが出来るという・・・ぶっ飛んだ一品です!!

 ベスタクスの特徴として、実際に現行のクラブやDJシーンで活用されている機材において、現場の「ここを良くして欲しい」という意見を取り入れて、半歩から一歩先の新商品を開発するのが上手かったですが・・・このQFOのように、実際にクラブやDJシーンで使うかどうかは別に、何十歩も先に行く先駆的な商品を作ることでも有名でした。
 
 このQFOは、前段として、タンテ自体が斜めでも再生できる機種(PVT-e2)を開発し、その流れからQFOの前身となるギターが他のタンテ+ミキサー型の試験機を作るなど、結構な歳月をかけて作られた機種になります。
 実際には「こんな感じで使用する」のですが、まさか、コレを実際に販売するとは思いませんでした・・・メーカーとしては持ち運び自由、ギターのようにステージでのプレイも可能です!と当時は胸を張っていたと記憶していますが、重さが約9.5kgの大物で、当時としても売れる見込みがない(失礼!)のを出した根性に、当時はビガップしたものです!

 もう、このレベルの商品になると、売ることを前提にはしていますが、Vestaxの技術者の方が、自分たちの技術力を試す(誇示?)為に作っていたような商品が多く・・・たまに素人では追いつけないのも多かったですね(^^;)
 それこそ、一点モノのアナログレコードを作り出すカッティングマシーン「VRX-2000」や、同社が培ったミキサーの「フェーダー」を生かした商品として、キーボードの鍵盤をフェーダーにしちゃったようなリズムマシーン「Faderboard」など、今でも、当時でも「そんなの作るの!」という実験的な機器があり、その辺は追いつけませんでした・・・

 ただ、こういった話題の商品を出すことで、自社の「技術性」や「発想力」、そして「DJに対する愛情」をアピールしている点は大変上手かったと思います。

 残念ながら、このQFOは凄いヒットしたとは言えませんでしたが、今は全世界的にトップウォントなレア品として珍重されています・・・メーカーとして、発売した時は評価されず、発売終了後に評価されるのは辛いっすね・・・売上にならない訳ですから・・・
 でも、こういった野心的な姿勢もあるのがベスタの醍醐味で、そういった良さをしっていると、オッサンになってもベスタから抜け切ることが出来ません(^^;)


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『CD用ターンテーブル CDX-05』 2004年8月

 そして、今回の記事において、各社の命運を分けた機材である「CD用ターンテーブル」においては・・・ベスタも結果的にはコケてしまった感があります。

 テクニクスの所でも指摘した通り、パイオニアのCDJ-1000のリリースがあり、DJ機材業界もアナログ用ターンテーブルを作らざるを得ない状況で、業界最大手のベスタが出した回答はこの機種だったと思います。

 この機種は、本体ではCDJのようにスクラッチなどは出来ない仕組みですが、アナログ用ターンテーブルにTascam社製の「TT-M1」という機器を取り付けることで、アナログタンテ側でスクラッチプレイが出来る・・・という内容で、上図のようなセッティングを行う必要があります。
 具体的には「こんな感じ」でプレイをするのですが・・・正直、この方法はヒットしませんでしたね・・・

 これは恐らくの話になりますが、ベスタとしては、CDJと比較した際、それまで自社のアナログ用ターンテーブルで普通に出来た超絶的なスクラッチをCDで再現することが出来るのかをポイントの一つとしたようで、そこを考慮して、TascamのTT-M1を選択したのだと思います・・・
 また、この機種に関してはCDをプレイしてもアナログと同じような質感が出せる独自開発のCDフィルターを搭載するなど、CDとアナログが共存する前提、いやあくまでも「アナログ」の再生環境が中心であることを前提に考えていたのだと思います・・・その論拠として、タンテに取り付けたTT-M1は、CDでプレイしない時は本体を上に折るとアナログプレイが普通に出来る内容だったので、その点も評価しての導入だったのだと思います。

 ただ、ご存知の通り、そのアナログのように操作することは、結果的に「Scratch Live」の登場で主役を奪われてしまった感があり、この機種(システム)は、あまりヒットすることなく、姿を消していきました・・・

 このスクラッチをしっかりと行うこと、そして当時のCDJでクラブでプレイした際の音の悪さ(実際は音源の問題の方が大きかったかも?)を改善することを目標にした上で、製品開発を行ったのはベスタらしいですね・・・
 ただ、ベスタ自体、CDでDJをする機器については、実はかなり早い時期から製造をしていて、それこそパイオニアよりも早く作ってはいましたが、どうしても主軸だったアナログ用ターンテーブルやミキサーの方に力を注いでいたので、凄く真剣に取り組んではいなく、突然の環境の変化いについていけなかった・・・そんな印象を抱きました。


 今回の紹介で、DJ機材の進化を網羅したいと書きましたが・・・これは、裏を返すと「その進化についていけないメーカーは脱落する」ことを示します。

 ベスタクスに関しては、その後のDJ環境のデジタル化において、大変意欲的な商品を出し、Seratoなどと連動するPCDJコントローラーやミキサーを開発するなど、流石の技術力を駆使した機器を多く製造してきましたが、市場の実質的な縮小において、主軸となるデジタル市場で上手く立ちまわることが出来ず・・・結果的に倒産という結果になったように思えます。
 この点においては、逆に私としては嬉しい事なのですが、DJの基本である2ターンテーブル×1ミキサーの理念を守りすぎて、実物のDJ機材が無くともDJプレイが出来るデジタルの世界に上手く入り込めなかった・・・そんな印象があり、進化の波に乗れなかったと思います。

 ただ、ただ・・・ベスタクスの商品は、人間が直感的に描くイメージをダイレクトに操作できる機器が多く・・・それこそUrei1620が未だに珍重されているように、今後も残り続ける商品だと思っています!
 ベスタが私たちの前から消えてしまったことは大変悲しい事ですが、今後もベスタ商品を使っていくことが、ベスタに対する尊敬になるのかな・・・デジタル化の今、アナログ馬鹿な私は、今後もベスタを使っていきたいと思います!!

 なお、ベスタに関しては、まだまだ書きたいことが多いので、こちらも別館を用意しました・・・もっと熱く、ディープな話が満載ですよ(^0^)

素晴らしき「DJ機材カタログ」の世界 別館② Vestax(ベスタクス)


 

(5)Pioneer パイオニア
 CD用ターンテーブル、DJミキサー、ヘッドフォン

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 テクニクス、ベスタクスと来たら・・・次は「パイオニア」になるでしょうか?

 正直、アナログDJ世代としてはCDJが一般的ではなかったこともあり、実はパイオニアにはそこまでお世話になってなかったのですが、今現在では、DJ機材業界のトップセッターとして、業界を引っ張っていますね!
 今回、改めてパイオニアのことを考えると、目的意識をもって着実に進化し、ベスタクスなどと同様に「現場の声」を反映した商品作りが上手いメーカーだな~と思いました。

 そんな訳で、テクニクス、ベスタクスよりは控え目(?)になりますが、以下で紹介です!


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『総合カタログ』 1995年7月

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『総合カタログ』 1998年11月

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『総合カタログ』 2003年3月

 まず、パイオニアという会社、そしてCDJの背景を紹介しましょう。

 パイオニアという会社は、かなり規模の大きい会社なので、色々な事業をしており、今となってはカーナビのメーカーというイメージが強いかもしれませんが、活動の初期はオーディオメーカーとして発展し、日本のオーディオ業界の草分け的な存在とも言われております。

 その中で、パイオニアはレーザーディスクの開発・製造を行ってたことから、業務用カラオケ機械の製造を行っており、そのカラオケ部門の方々がCDJを作り始めた・・・と言われています。
 動き始めたのは19992年で、当時のカラオケ部門の担当の方としては、カラオケが属する「エンターテイメント・ビジネス」の拡大を考えると、海外ではクラブの文化があるので、同社の技術で何か作ることが出来ないか?という考えの元、辿りついたのがDJ向けのCD用ターンテーブルだったそうです。

 90年代については、DJをするとなるとアナログ・レコードが一般的で、CDを活用することを考えていた人は少数派だったことに加え、CDJ1000以前の機種はアナログのようにイメージ通りのDJプレイが出来なかったことから、なかなか利用者が増えない流れがありました。
 ただ、90年代末位からは、時代的にもDJ達が自分たちの曲を作り始め、それをどうやってDJプレイするか?や、世界を飛び回る有名DJがアナログレコードを持って移動するのが大変なのでCDにしたい・・・などの需要と上手くリンクしつつ、自社の技術を高めていき、徐々にCD用ターンテーブルを普及させた流れがあります。

 そんなパイオニアですが、カタログとなると、他社にはない「パイオニア」らしいカタログが多かったと思います。

 掲載したのは、上の二つはCDJ-1000以前のDJ機材メーカーとしては決してメインではなかった頃のカタログ、下の2003年はCDJ-1000以降のカタログになります・・・

 上の1995年のは、ホント黎明期も黎明期で、CDJ自体を知らない人も多かったのか、割と「ストリート」的な訴え方をしてイメージ戦略をしつつ、CDJの使い方を詳しく紹介している感じで・・・どちらかと言うと、商品を周知させたい意向が強いカタログだったと思います。

 ただ、真ん中の1998年ぐらいになると、DJ業界ではちょっとヒットした小型CD用ターンテーブル「CDJ-700S」や、今やDJ用エフェクターの代名詞である「EFX-500」など、ヒット商品が出始め、業界でも名前が売れ始めた頃なので、カタログも豪華になっていきます・・・
 そして、2003年の下は、大ヒット商品であるCDJ-1000を経て、そのエコノミーモデルとも言えるCDJ-800が出た辺りで、だいぶ業界での認知度とシェアが増え、だいぶビジュアルを意識した感じがあります・・・コレ以降、どの商品もラグジュアリーな高級感を兼ね備えた商品をリリースし、それに伴い、カタログも高級感が増していきます・・・

 パイオニアって、やっぱり「オーディオ&ビジュアル」メーカーなので、音や映像が「綺麗」というのを伝えたいのか、カタログは高級感があるデザイン&仕様が多く、98年の時点でもその芽を感じます・・・

 DJの機材カタログ、私としては、そのメーカーの「顔」でありつつ、そのメーカーの「姿勢」が感じられる資料だと思っています。

 パイオニアについては、今にも続くブランドの「高級感」や「品質の良さ」のイメージを押し進める姿勢は強く、それは今の広報展開においても顕著だと思います。

 それは、正直、テクニクスやベスタクスにはなかった姿勢ではあり、CDJ以降のDJシーンを引っ張っていけた要因の一つかな~と思いました。

 なぜなら、DJという存在が、次第にDJブースではなく、ステージに立ってスポットライトを浴びながらプレイする存在になったことが大きく、そういった存在に見合う機材イメージも必要になり・・・パイオニアの広告展開を見ると、その辺の流れに上手く乗った部分があったかと思います。
 特に、ビッグビジネスになっていたヨーロッパ市場を意識した商品作りと広告展開は特筆すべきで、それまでのアナログを中心に動いていたメーカーが行わなかったことを実行した点も大きいかと思います。

 では、パイオニアの印象的な商品を、当時のカタログを使って紹介しますね~


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『CD用ターンテーブル CDJ-50Ⅱ』 1995年9月

 まずは、初期の商品で、一番最初に発売されたCDJ-50の発展機である「CDJ-50Ⅱ」です。

 今のCDJに見慣れると「なんだこれは?」になるかもしれないですが、昔はこんな箱っぽい形で、結構大きいサイズでした。

 この頃のは、まだ中央のジョグダイヤルを触っても、その場所で止まるとか、スクラッチが出来る機能は付いてなく、再生しているCDの音を早めたり、遅くしたりすることしか出来ず・・・正直使いづらかったです(^^;)

 なんでしょう、アナログでプレイしているように、手を離しただけで再生し始めるみたいなことも出来ず、CDが進行方向に再生し続けている状態でスピードだけ調整が出来る感じで、カットインやビートミックスなどのDJミックスをすること自体が慣れないとプレイができなかったと思います。
 当時、機材屋さんのデモ機なんかで試してみても、アナログで簡単に出来るミックスが全然出来ず・・・初期のCDJにとっては、この点がネックで、あまり普及しなかったように思えます。

 ただ、このⅡの時点、ピッチを変えても音程が変わらない「マスターテンポ」の機能があったり、ループ機能が内蔵されてたり、デジタル機材にしか出来ない機能は含んでおり、そういった点は割と評価されていたかと思います。

 また、現場からの声をしっかりと聞き取り、本体サイズを縮小化した「CDJ-700S」を開発したり、後で紹介するEFX-500で培ったエフェクト機能を搭載し、家庭用としても手が出しやすい価格にした「CDJ-100S」を開発したり・・・徐々に内容を良くしていった流れはあり、次の機材の登場で「CDJ」という存在がやっと華開きました・・・


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『CD用ターンテーブル CDJ-1000』 2001年7月

 はい、もはやDJの歴史においては大発明品の一つである「CDJ-1000」です!

 このカタログは、1000が出た時の単品カタログで、コレにはみんなが度肝を抜かれましたね・・・それまで、CDを「アナログ」のようにDJプレイ出来るなんて思わなかった中で、アナログと全く同じような操作が出来た点にはビックリしました!
 特に、スクラッチが出来た点は印象的で、それまでのCDJを知ってた人ほど驚いたと思います・・・ホント、コレが出た当時、みんな機材屋さんのデモ機でスクラッチを試してみて、普通にウニョウニョ出来ることに声を出して「ヤバい!」と言っていましたね!
 
 話がそれますが、DJという行為は、曲と曲を繋いでいく作業ではありますが、DJがイメージするミックスが出来るかが重要で・・・その観点から、一般的にはCDが売れている状況においても、DJ達は「アナログ」を使い続けた背景があったと思います。
 つまり、DJにとって「アナログ」が「操作しやすかった=使いやすかった」ことになり、それに付随してアナログ用ターンテーブルが売れ続け、アナログレコードも売れ続けていた・・・そんな構造の元、DJ業界が進んでいました。

 この限りにおいて、このCDJ-1000の登場は、DJ業界に大きなパラダイムシフトを与えたと思います。

 それは、これまで「使いやすかった」アナログでのDJに、CDJが追いついたことであり・・・肩を並べてみると、どう考えてもCDの方が利点が多く、徐々にアナログからCDに移行をしていったかと思います。

 まあ、正確に書くと、CDに移行したと言うよりも「アナログから離れて行った」でしょうね・・・

 確かにアナログは操作がしやすいですが、持ち運びは不便だし、購入することも大変だし、自分の作った曲を簡単にプレイできないし・・・離れる要因が実は多かったんですね。
 特に、真っ先にCDJに飛びついたのは、世界各地を転戦するHouse/Techno/TranceといったダンスミュージックのトップDJ達で、大きな荷物になってしまうアナログからの解放はメリットが大きく、かつ、自身が作った曲等もCD-Rに焼けば即座にプレイできることから、CDJ-1000の登場をもって、CDに移行したDJも多かったと思います。

 ただ、パラダイムシフトと書くと、急に変わったイメージがありますが、CDJ自体、徐々に普及していった感はあります・・・

 特に、アナログと比べるとCDでプレイした時の「音の悪さ」の問題は大きく、この点の改善は重要な問題だったと思います。
 まあ、結果的には、クラブ等のプレイではアナログに基準を合わせたPAセッティングになっていたことや、CDに録音した音源がDJプレイに耐えうる音質ではなかったことなどの問題点の改善の方が大きかったですが、メーカーとしてCDJ自体の改良することで音の問題も解決し、徐々にシェアを築いていったと思います。

 そして、このCDJ-1000以降の商品においては、かなり現場のDJの意見や時代の流れを汲んだ商品開発を行っていた印象は強く、一貫して「プレイしやすい構造」になっている点は大変評価ができると思います。

 それこそ、CDJ-1000の登場以降、同業他社がCDJを追い越せとばかりに色々なCD用ターンテーブルを作りましたが、圧倒的に使いやすい機材になっていたことは重要で、前途したブランドイメージも加わり、DJ機材メーカーの他社にはない強みを出すことが出来たのかな~と思います。
 それは、もうCDを飛び越えてデータの時代になってしまった今現在でも、USBにデータを詰め込み、そのUSBをCDJに刺してプレイしている姿を見ると・・・やはり「操作性の良さ」があってDJ達が選択をしているのだと思います!
 

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『DJミキサー DJM-800』 2008年ごろ?

 そして、今となっては「DJミキサー」もパイオニアの独壇場で・・・その位置を明確にしたのがコレで、今のパイオニア・ミキサーの人気を作りだした機種だと思います!

 まず、パイオニアについては、CDJの開発と共にDJミキサーも開発してて、徐々に人気を高めていった印象があります。

 90年代中頃~00年代初期までは、決してメジャーではなかったですが、使いやすい配置のEQや、BPMカウンターの搭載、そしてエフェクト機能が内蔵されているなど、DJM-500やDJM-600などはテクノ系なんかでは若干人気があったかと思います。

 その後、迷いながらという表現が正しいかは分かりませんが、何種類かミキサーを出していく中で、徐々にパイオニアにしか作れないミキサーを作り始めます・・・その到達点がデジタル時代の「音の良さ」で、それを明確に表したのがこの機種になります。
 
 流れとしては、2005年ごろにヨーロッパ市場で強かったALLEN&HEATHやRodecなどのテクノ系ミキサーに対抗する形で作られたとも言える「DJM-1000」で、世界初の機能としてミキサーに入ってくる音をデジタル変換(24bit/96kHz)をして出音の高音質化を実現したことがヒットし、以後の製品に組み込まれるようになりました。
 時期として、トランスやテクノなど、プレイされる音楽自体の内容も高音質になり、かつ、プレイする環境もフェスクラスの大舞台でプレイすることも増えてきており・・・・高音質が売りの音楽を「いかにして綺麗に鳴らすか」という課題を解決したとあって、徐々に人気を高めていったと思います。
 この辺は、CDJと同じで、市場の要望をしっかりと読みとって、自社の技術力の高さを生かした商品作りが上手いな~と思います!

 そして、2008年ごろに投入されたこの「DJM-800」では、もはや「パイオニア・サイズ」とも言える絶妙な大きさの4chミキサーとしてリリースされ、幅広いジャンルのDJから支持された点が大きかったと思います。

 例えば、CDJの普及とも関連するのですが、DJセットとしてアナログタンテ2本、CDJ2本のようなアナログとCDを併用するセットだと、4chがちょうど塩梅が良く、色々なジャンルのDJに評価をされたかと思います。
 また、HipHop系のDJからも音の良さから支持された点は大きく、それまで4chというとHipHop系のミキサーよりも大きくて敬遠されていた感がありましたが、コレを突破口に4chも認められた感じはありました・・・
 
 私としては、この機種がヒットしたことを受け、今のパイオニア・ミキサー人気があるのかな~と思います・・・ただ、オールドスクールな人間とすると、ツマミが多すぎてアレですね(^^;)


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『DJ用エフェクター EFX-500』 1998年12月

 そして、これも「徐々に」人気を博し、気づいたら絶対的な地位を誇るエフェクターですね!

 パイオニアに関しては、DJ機材の開発において必ず重要視している項目が「音源のエフェクト」で、どの機材にも多かれ少なかれエフェクトの機能が付いています。
 これは、ベスタクスやテクニクスがそんなには深入りしなかった機能で、他社との違いを出す為に進めていった方向性のように思います・・・

 その中で単体機として出されたEFX-500は、徐々に人気を博し、Techno/House/TranceなどのDJからは絶対的な支持を得ているエフェクターになるかと思います。

 CDJシリーズを始めとするパイオニアらしい操作性の良さ、そして多彩なエフェクトなどがうけ、クラブプレーにおいてこのエフェクターを利用するDJが増え・・・そういったDJのプレイに影響を受けがDJが更に使い始め、結果的に徐々に広まった流れがあったかと思います。

 特にこのエフェクターがウケたのが、歌がない「トラックの曲」でピークタイムを演出するのに効果的だった点だと思います。

 普通に聞いてると地味なトラックだけの曲でも、徐々にエフェクトをかけていくことで、フロアーに対して煽りと高揚感を与え、トラックのピークとなりそうな部分まで引っ張り、最後はフランジャーやジェットなどを強くかけて爆発させる・・・そんなプレイの仕方をするのに最適だったのがポイントだと思います。
 なんでしょう、DJシーン自体が「選曲で聴かせる」というよりも、「ショーマンスタイル」のプレイに変化したことが大きく、誰でもノレる歌詞がないトラックを武器に、DJプレイでのピークを作り出す為の機材として認知された点が大きく・・・そういった点で、このエフェクターが評価されたのだと思います。



 パイオニアのまとめになりますが、しっかりと現場の意見を聞いた上で、圧倒的にDJプレイがしやすい内容になってたり、音質や品質の良さがある点はもちろんのこと、テクニクスとベスタにはない「市場を読んでいく力」が長けたメーカーなのだと思います。
 それは、DJ機材がアナログからCDなどのデータに移行することを読んだのもあるし、DJシーンのあり方の変化(クラブプレイからフェス的なプレイへ)を読んだことで、それに見合った商品を作っていることに他ならないと思います。

 今後も、市場の変化に合わせた良質な商品を作り続けて欲しい所です!!





(6)国内DJ機材メーカー 各社

 ふー、テクニクス、ベスタ、パイオニアで相当書きましたね・・・当時から重要なメーカーだったので、カタログも結構持っていたので、つい無駄に長文を書いてしまった・・・(^^;)
 というか、この3社を説明すれば、日本のDJ機材の歴史が説明できることが分かり・・・本編と別館を頑張って書いてみた次第です。

 ただ、DJ機材メーカーは、ほんと色んなメーカーが参入してて、ヒットしたメーカーもあれば、ヒットせずに消えて行ったメーカーもあり・・・それに合わせて、色々とカタログを持っていました!

 そんな訳で、コレ以降は、印象的な機種だけアトランダムに紹介をします・・・手始めに「国内メーカー」編です!



①Melos メロス

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『DJミキサー PMX-2R』 1994年ごろ?

 私と同じ30半ばの方であれば「おわっ、懐かしい!」と思うでしょうか・・・ただ、私たちより若い方は殆ど知られていないメーカーですかね??

 Melosは、横浜に本社があったメーカーで、90年代初期(80年代末?)から00年代初期ぐらいまでは存在してたメーカーになります・・・今となっては存在しない会社だと思いますが、気づいたらDJ機材業界から姿を消したメーカーになります??

 んで、なぜMelosが我々世代には懐かしいのかというと・・・90年代中頃までは「HipHop/スクラッチ系ミキサーの代名詞」と呼ばれたDJミキサーを作ってて、ほんと使用率が高かったので、鮮烈に記憶に残っています・・・

 そのミキサーは、当時としては切れの良いフェーダーと、操作しやすい大きさとボタン配置がポイントで、ターンテーブルバトルの最高峰であるDMCの公認ミキサーになってたぐらいのスクラッチ向けなミキサーで・・・当時、HipHopが好きな人の大半が使っていたと言っても過言ではないぐらい、人気なメーカーでした。
 特に「PMX-2R」は、ほんと人気なミキサーで、95年ぐらいの高校生DJブームの時なんかは、メロスを使ってないと本物じゃないぐらいの勢いがあり、当時の有名雑誌「東京ストリートニュース」での高校生DJ紹介では、大半のDJが学習机の上にメロスが置いてあり・・・それらに影響して買った方も多かったと思います。

 なお、私も初めてのDJ機材を買う時に、ストニューを見てて、買うならメロスかな~と思っていましたが、いざ買う時になり、直感でベスタクスの「PMC-05 MK3」を選んでいました・・・
 今となっては、なぜベスタを選択したかは不明ですが、当時の自分に対してナイスチョイスをしたことは褒めてあげたいと思います(^^;)



②audio-technica オーディオ・テクニカ

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『DJミキサー AT-MX33G』 1995年ごろ?

 そして、こちらも私世代の方だと「おわっ、懐かしい!」と思うメーカーじゃないかと思います!

 今となってはヘッドフォンやマイクのメーカーとして大変有名な「オーディオ・テクニカ」ですが、90年代は緑色が印象的なDJミキサーを作っており、ボチボチ売れていたので、記憶に残っている方も多いかと思います。

 特に、メロスと同じコンパクト型の機種は人気で、画像の「AT-MX33G」や、それにサンプリング機能が追加された「AT-MX35G」などは人気で・・・結果的にベスタを選んだわけですが、私が初めてDJ機材を買うのに、最後までテクニカが競った記憶があります(^^;)
 確か、メロスやベスタの同等のミキサーより、若干安かった点がポイントで、それでテクニカにしようかと思っていましたが、フェーダーが他社よりも若干固く、それでベスタに流れたと思います・・・

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 ただ、テクニカについては、機材は利用しなかったのですが・・・1995年5月に発行された、この商品カタログには異常にお世話になりました!

 DJ機材のカタログにおいては、DJブームが故に何も知らない人も興味をもっているので、自社の商品を用いて「DJの操作方法」をレクチャーしたHow To要素を加えたカタログもあり・・・DJの教科書なんて無かった(知らなかった)時代なので、こういったカタログは大変参考になりました。
 このテクニカのカタログも、そういったHow To要素が入っており、簡単なミックスの仕方が書いてあり、当時、これを参考にしてDJミックスを学んだ記憶があります・・・

 ただ、今となってはビックリなのが・・・なんと、そのHow To部分の講師役が、あの「YOJI BIOMEHANIKA」さんです!!

 是非、掲載した画像を大きくして見て欲しいのですが、今とそんなには変わらないビジュアルで、先生をしている姿にはグッときます・・・
 また、二つ目の画像においては、各ジャンルのDJからのコメント&チャートの発表があるのですが、HipHopではDJ Fleshさん、Reggaeでは、ニトロ人脈でお馴染みのセルジオ石川さん(そうですよね?)が出てるなど・・・イイ感じで熱いです!!
 


③Tascam タスカム

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『スクラッチコントロールユニット TT-M1』 2003年ごろ?

 オーディオ・テクニカのように、日本で昔からあったオーディオ系メーカーがDJ機材を作っていた所は多く、それこそパイオニアのように大成功したメーカーもありますが・・・あまり目立たなかったメーカーも多数ありました。
 
 その中で、日本でも古参のオーディオメーカーであるTeac(ティアック)の業務機器部門である「Tascam」も、ボチボチ機材を出してて、大ヒットしたのはないですが、上記の部品は印象的です・・・

 この部品は、(3)のベスタクスでも触れた部品で、いわゆるDJ用のCDプレイヤー(CD-Xシリーズ)と連動し、アナログ用ターンテーブルに取り付けたこの部品が、タンテの動きに合わせてCDの音をコントロールするという・・・発想自体は「おわっ」という機材です!
 CDJ以上に、スクラッチなどのアナログ特有な繊細な動きを捉えることが出来たようで、Tascamとしてもかなり力を入れてたのか、ターンテーブリスト系ブランド「Mixwell」とコラボしたCDプレイヤー「CD-DJ1」を出す等、結構頑張っていたかとは思います・・・

 う~ん、同じ「オーディオ」に関する機器ではありますが、DJ機材というのは楽器的な要素も多少あり、純粋なオーディオメーカーが作ろうとすると、どうもズレが生じるみたいですね・・・
 Tascamを例にとるのは失礼ですが、むしろ、DJ的にはそのオーディオメーカーが作る高音質な音が鳴る機材の方がウケやすく、市場の模倣をする方が厳しい現実に直面する・・・のかな~と思いました??



④Denon デノン

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『CD用ターンテーブル DN-S3000』 2003年ごろ?

 んで、こちらも日本では老舗オーディオメーカーであるDenonですね・・・個人的には、自宅のアンプがDenonなので、やっぱりオーディオメーカーとしての認識が強いです?

 ただ、Denonに関しては、今でもSeratoなどと連動するDJコントローラーを製造・販売するなど、結構頑張ってて、DJ向けに関しては「Denon DJ」というブランド名で、デジタル化の波にしっかりと追いついており、今後も頑張って欲しい存在です・・・

 そんなDenonですが、上のCD用ターンテーブルは、アナログ派DJの琴線をなでる内容で結構グッときます!

 見た目や内容は、パイオニアのCDJとほぼ同一な後追い商品で、パイオニアよりもコンパクトさが売りだったかと思いますが・・・グッとくるのが、本体のタンテ部分に、なんと「本物の7inch」を取り付けることができ、アナログ感覚でプレイが出来る・・・という内容でした!

 今のシリーズに、それが採用されているかは分かりませんが、これは分かってらっしゃいますね・・・アナログ用タンテを親しんでいる方ならば分かるかと思いますが、レコードを触って操作をしていると、レコードの盤面が指に吸いつくような感じがあり・・・凄い操作がしやすいんですね!
 その考えは、先ほどのTASCAMのコントローラーや、後で紹介するNumarkのCDXなど、突き詰めれば突き詰めるほど「アナログ」が操作しやすいという結論になるんでしょうね・・・まあ、この考えの終着点は、セラートのようなコントロールバイナル方式になる訳ですが、残念ながら失脚した商品の中にも、メーカーとしての考え抜いた上での意思が埋め込まれているのだと思います。

 その中で、このDenonのCD用ターンテーブルは、アナログと向き合うことをシンプルに考えた点は素敵ですね!





(7)海外DJ機材メーカー 各社

 こちらも矢継ぎ早な紹介になりますが、海外のDJメーカーの機材も多く流通してて、それに合わせてカタログが配布されていました。

 まあ、日本国内以上に、アメリカやヨーロッパなど、もともとDJ市場が大きい地区で戦っているメーカーなので、各社とも色々な商品を扱い、売上合戦を繰り返していたかと思います。
 その中で、日本市場はある程度規模が大きかったので、売り上げを狙って各国のメーカーの商品が流れてきており、世界的に有名なメーカーの商品の大半は入ってきていたと思います。
 正確に書くと、海外のメーカーが日本法人を作り、直営をしたのは殆どなく、日本国内の輸入会社が販売権を得た上で日本国内で販売をしてたのですが・・・品質がイイのもあれば、海外らしい大味なのもあり、注目すると結構面白いかと思います?

 では、以下でメーカー別に紹介です~



①Numark ヌマーク(USA)

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『CD用ターンテーブル CDX』 2004年

 まずは、この前のDenonの所でも紹介したNumarkからいきましょう!

 アメリカの老舗DJ機材メーカーの一つであるNumarkは、アメリカ国内では結構人気のあるブランドで、歴史的な流れは分かりませんが、ターンテーブルに始まり、DJミキサー、レコード針など、様々な商品を扱う総合DJ機材メーカーになります。
 現在もバリバリ営業中で、日本国内での活動はアレですが、デジタルの波にしっかりと連動し、DJ用コントローラーなどを販売しているようです・・・

 そんなNumarkからの紹介は、このCD用ターンテーブルでいきましょう!

 今回のDJ機材紹介におけるキーアイテムであるCDJ-1000の開発以降、各社が競って出したアナログのように操作が出来るCD用ターンテーブルにおいて、Numarkが出した回答がコレで、日本でもボチボチ売れた商品になるかと思います。
 本体サイズがアナログ用タンテとほぼ同じ大きさどころか、ターンテーブル部分には、本物の12inchサイズのアナログ盤が乗っかる仕組みになっており・・・なんとも「アメリカン」な発想と大きさですね!

 個人的には、レコード針を除く海外製のDJ機材を使ったことがないのでアレですが・・・アメリカのDJ機材については「豪快」なのが多く、それが魅力かもしれないですね・・・

 このCDXも、大柄なアメリカのブラザー達の声を生かしたのか、他のCD用タンテと比べると明らかに「でかい」のが豪快ですが、これも現場の声を聞いている証拠でしょうか・・・基本的には、こういう発想は嫌いじゃないです(^^;)



②Gemini ジェミニ(USA)

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 そして、Numarkと並び、アメリカの老舗DJ機材メーカーと言えばGeminiも忘れてはなりません!

 こちらも歴史的な話は分かりませんが、結構古くからあるDJ機材の総合メーカーで、やはりタンテやミキサー、その他諸々を扱っており、今ではDJ用コントローラーやCDJ的な商品も出しているようです。

 個人的には、Geminiというと「HipHop」のイメージがあり、90年代のHipHopのPVなんかを見ると、バックDJ達が使ってる機材がGeminiが多いかな~と思っています。
 そういった流れは、機材にも反映されており、上の商品カタログであれば、よーく見ると全てのミキサーの盤面にマイクの穴があり、そこに突っ込むマイクも同時に案内されており・・・明らかにKid CapriやFunkmaster Flexのようなマイク使いを想定したミキサーになっており、その辺はグッときます!

 ただ、これもアメリカンな豪快さかもしれないですが・・・とにかく「デザインがダサい」ですね(^^;)

 なんでしょう、ブラックマン特有の感じというんでしょうか、ミキサー盤面に印刷された微妙なデザインや、明らかに使いにくそうなフェーダーやボタンの配置など・・・全体的に田舎臭さがあるんですよね・・・
 まあ、このカタログ自体、90年代末位ので、それ以降はもう少し良くなっていますが、根本的なデザインの考えはアメリカンで、日本人にはちょっと辛いっすね・・・

 なんか、総論的な話になりますが、海外メーカーのDJ機材が日本に入ってきても、あまりヒットしなかったのは、こういった「現地の好み」をそのまま輸入しちゃったところが問題だったのかもしれませんね・・・



③Stanton スタントン(USA)

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 なんか、海外メーカーについては、段々「ひどい」点を紹介してばかりですが、更に続けてみます・・・

 こちらもアメリカの老舗な総合DJ機材メーカーである「Stanton」で、NumarkやGeminiと同様にタンテやミキサーなどDJ関連商品を多く取り扱っており、現在もバリバリに頑張っているメーカーです。
 特に、NumarkやGeminiと比べると、レコード針が人気だったメーカーで、一時期はターンテーブリスト系DJに飛ばない針として人気があり、DJ Crazeのシグネイチャーモデルが出るなど、日本でも支持があったメーカーになります。

 ただ、ミキサーやタンテは、先ほどのGeminiで紹介したデザイン等の理由からかあまりヒットをしていませんでした・・・付け加えると、割と「パ●った」デザインや内容が多かったのが、理由かもしれません・・・

 DJ機材の歴史において、ヒットした商品というのは、それなりに使いやすい商品構成だったりするので、結果的に他社も真似る傾向があり、素人が見ると何がオリジナルなのか分からなくなります(^^;)
 参考で、00年初期ぐらいのカタログからミキサーのページを掲載しましたが・・・明らかにベスタの「PMC-05PRO」のパーツ配置とデザインで・・・当時としても「また似てるのが出たな~」と思っていました(^^;)
 
 一応、Stanotonには失礼なので補足をすると、日本のメーカーも含め、どのメーカーもヒットした機材に真似ることはしてるので、Stantonだけがやってた訳ではないですが・・・個人的にはアメリカメーカーはその傾向が強く、これもアメリカンな部分かもしれません??



④Rane レーン(USA)

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『ライブDJ用コントロールシステム Serato Scratch Live』

 アメリカ系のメーカーは散々たる説明になっていますが、こちらの会社はある意味「勝ち組」なメーカーでしょうか・・・ただ、私個人としては、この辺は全然ついていけないジャンルです(^^;)

 1980年代より運営をしているDJ機材メーカーであるRaneは、あのParadise Garageのサウンドシステムを担当したRichard Longの意を受けてDJ機材を作り始めたそうで、割と高級志向のミキサーを作ってたメーカーになります。
 今でも、Garageライクなダイヤルミキサーを作ってて、つい最近も新製品を出す(!)など、高品質な商品を大事にしているメーカーになります。

 ただ、このメーカーは、今となっては「データ時代を代表するDJメーカー」だと思います・・・それは「ある機材」を出したことで、DJの世界を大きく前身させたメーカーになるからです・・・

 その機材とは、コントロールバイナルの代名詞である「Serato Scratch Live」です!

 本文中でも「Serato」と書いていましたが、この00年代中頃に投入されたこの機材(システム)は、アナログ用ターンテーブルにレコード盤状のコントロールバイナルをセットし、それをアナログを聞くようにレコード針を落としてプレイすると、接続したPCにインストールされたDJソフトと連動する仕組みで・・・これも歴史的発明の一つだと思います!
 意外と言葉にすると難しいですが、つまるところ、パソコン上の音源データを、アナログ用ターンテーブル側でコントロールする仕組みとも言え、詳細なスクラッチやミックスが出来る内容と、パソコン一台を持ち運べばどこでもDJが出来るとあって、今となっては世界標準とも言えるDJ機材ですね!

 Rane自体、Scratch Liveを出すちょっと前から、アメリカ系スクラッチDJに支持されたDJミキサー「TTM 56」を発売するなど、割とスクラッチ向けの商品を出し始めた中で、Scratch Liveを出したことは理解が出来・・・それがHipHop系DJに受けた理由かと思います。

 この辺は、全然追ってない機材なので、もしかしたら間違いかもしれないですが、同時期に出始めたコントロールバイナル系の商品(例えばStantonのFinal Scratchとか)とかと比べて、圧倒的にスクラッチの反応が良かったのがポイントだったと思います・・・
 つまり、CDJも含め、データ系でDJをする時に、いかに「アナログと同じような操作ができるか」がポイントだった中で、Seratoの反応の良さがスクラッチ系DJに評価されたのが大きく・・・今回の記事のポイントである「操作のしやすさ」が光ったところがヒットした原因なのかな~と思います??

 カタログはレアなSL1時代のカタログですが、初めてコレらを見た時、こんなのでDJが出来るのか?と田舎者まるだしで疑ってしまいました(^^;)
 う~ん、今でも理解が出来ず、機材屋さんのデモ機も怖くて触れない(笑)ので・・・多分、導入する日はなさそうです・・・




⑤UREI by Soundcraft (UK)

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『DJミキサー Urei 1620 LE』 2005年

 ひとつ前のRaneでダイヤルミキサーの話をしたので、こちらを紹介・・・う~ん、これこそ「私の憧れ」の機材でしょうか!

 ベスタの別館で紹介した「R-1」でも紹介しましたが、House業界のDJミキサーにおいては、未だにその操作性と音の良さから1970年代~80年代に生産されたビンテージミキサー「UREI 1620」が愛用されています。

 これは、いわゆる「ダイヤルミキサー」と呼ばれるタイプで、慣れないと操作がしづらいミキサーではありますが、慣れれば慣れるほど音の調整が体に馴染み、気持ち良くDJが出来るミキサーとして評価が高く・・・当時の機材で、状態が良いものは未だに数十万円で取引されています。
 ただ、DJ機材メーカーとしては、古いUREIが使われ続けるということは、自社の製品が売れないことを意味するので、色々なメーカーがUREIを超そうと様々なダイヤルミキサーを出していました・・・それこそ、ベスタのR-1もそうだし、ひとつ前のRaneもUreiの流れをくんだミキサー「MP2016a」を出すなど、UREIを超すことはDJ機材メーカーの大きな目標になっているようです。

 そんな中、UKのDJ機材メーカーだった「Soundcraft」がUREI1620の再発モデルを出すことになり、世界のファンを驚かせました。

 外観は1620と全く同じで、音などもオリジナルモデルに負けない内容だったことから、オリジナル嗜好が強いDJ業界において、これは結構評価された再発だったと思います・・・
 まあ、オリジナルモデルにはどうしても勝てない感はありましたが、接続ラインが現代的なアレンジ(オリジナルは改造しないと対応できない場合が多い)だたり、価格もお手頃だったことから、今でも探している人が多い機種ですね~

 これは、美しい話にしたいのですが、DJ機材メーカーとして「超えたい壁」があることはイイことなのかもしれません。

 その超えたい壁は「Urei1620」で、未だにその壁を越えようと、世界各国の様々なメーカーが、Urei越えをしようと頑張って機材開発をしています。
 日本であればAlpha Recordingsさん、FranceのE&S社・・・どれも小さいメーカーですが、目標を超えて「理想の音」を出そうと、頑張って機材を製作しています・・・

 なんとなく、今回の記事を書いてて、ベスタのような真面目な会社が無くなってしまったことに喪失を受けてしまいましたが・・・探してみれば、音をしっかりと考えているメーカーは存在します・・・
 こういった、今と戦っているメーカーこそ評価しないとイケませんね!



⑥Allen & Heath アレン&ヒース(UK)

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 Ureiの再発を挟んで、ヨーロッパ系の商品も紹介です・・・ただ、意外とカタログの入手は難しかったようです(^^;)

 ヨーロッパというと、今も昔もクラブミュージックが大変盛んな地区で、とにかく様々な都市でクラブ文化が根付いており、それに伴いDJ機材市場も激戦区になっている地区かと思います。

 どうも、日本にいると、流行っている音楽とかの情報はダイレクトに伝わってきますが、DJ機材の情報はそこまでダイレクトに伝わってこなかったので、イマイチどんなメーカーが流行っていたかは把握しずらい部分がありましたが・・・人気だったメーカーは日本にも輸入され、ボチボチ人気があったかと思います。
  特に、TechnoやTranceといったヨーロッパらしいクラブミュージックにおいて、現場のクラブでしっかりと評価されたメーカーは、その評価を受けて日本にも入ってくるので、おのずと品質が良い商品が多かったと思います。

 その一つが「Allen & Heath」で、00年代以降のTechno~EDMシーンでは評価されているメーカーじゃないでしょうか?

 Techno系というと、Rodecなんかのように縦フェーダーでミックスするスタイルが一般的で、縦フェーダーの操作具合に加え、音の混ざり具合や、エフェクトがあるなど、HipHopやHouseとは違う基準で機材が評価されますが、Allen & Heathは、ビッグフェス級でも耐えられる高音質な設計などがウケ、様々なDJに評価されたメーカーだと思います。
 特に、Allen&Heathは、00年代初期にRichie Hawtinの助言を得て、時代を見越したMIDI機能/PCDJとの連携を念頭にした機種「Xone(ゼノン)」シリーズをリリースし、音の良さからたちまちトップDJに支持されたメーカーになりました・・・テクノ系は全然知識がないので、これで合ってるのでしょうか?

 ただ、カタログと言う観点になると・・・ヨーロッパ系のメーカーのは、結構地味なのが多かったと思います。

 現地でどれだけ流行っていても、日本では新参者になるので、中々評判は広まらず、海外メーカーの商品は結果としてそこまでは売れず、連動してカタログも地味なのが多かったと思います。
 このAllen&Heathも、パブリックなイメージでは、もっと派手なイメージがありますが、カタログは地味だし・・・他社であれば、たまたまあったスペインの「ecler」も地味ですね・・・

 日本のDJ市場においては、アメリカメーカーはまだ市場に入り込めたけど、ヨーロッパメーカーはあまり入れなった事実が・・・日本で配布されたカタログの内容から分かるかな~と思います??





(8)レコード針

 お次は、海外製品繋がりで「レコード針」に行きましょう!

 アナログでDJをする限り、レコード針は必須品で、私も含め、皆さんも思い入れが多いと思います・・・

 それこそ、アナログをプレイする限り、絶対に必要な機材(部品)で、針のスペックも音楽のジャンルや用途別に分かれ、種類も多種多様なので・・・おのずと興味が高い部品になるかと思います。

 特に、音がイイからA社の針を使ってますとか、針飛びしないからB社だ!とか、使う人それぞれの好みで判断されるので、意見が凄い分かれる商品だと思います。
 また、「交換」が前提にある商品だからこそ、DJ機材屋さんなどに行って触れあうケースが多いので、他のDJ機材とは視点が若干異なる商品かもしれません。

 そんな訳で、針カタログを紹介です!



①SHURE シュア(US)

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 まず、HipHop出身者でレコード針と言ったら「SHURE」でしょう!

 SHUREは、アメリカのメーカーで、今となってはイヤホンとマイクのメーカーかな~と思いますが、DJ業界においては「M44G」「M44-7」というスタンダード中のスタンダード針を作るメーカーとして有名です!

 通称「4G」ことM44Gは、主にHipHop向けの針で、低音の鳴りが正にHipHopな針で、私もヘッズだったころは4G一本でした!
 また、M44-7は、スクラッチ系針の最有力候補の一つで、針飛びのしにくさは評判が高かったです!

 この2つは今も昔も使っている方が多いかと思います・・・その理由の一つに「低価格だけど高品質」なところでしょう!

 アナログを使ってない方には分かりづらいかもしれないですが、レコード針というのは、使えば使うほど消耗をするので、定期的に交換をする必要があります。
 特に、スクラッチや長時間のDJプレイをすると、消耗は激しく・・・毎日毎日、DJの練習をしていると、ホント消耗が早いので、早いと2~3カ月、もっと早い方だと1カ月位で交換をするものになります。

 そのため、HipHopなどのスクラッチを伴うジャンルでは、針の交換を考え、SHUREのようなそんなに高くない商品の方が好まれ、かつSHUREは、針の消耗も他社よりは長いと言われてた(私はそう思っていました)ので、そういったコストパフォーマンスの部分で評価されていたと思います。

 また、レコード針は、メーカーによっても音が違うし、そしてメーカー内の商品規格によっても実際に鳴らすと音が全然違うので、この点も針選びの基準になるのですが、SHUREに関しては、HipHopでいう「ドンシャリ」系の音に強く、低音の出音の良さが評価されていました・・・
 実際、私自身もSHUREを使い続け、次に紹介するOrtofonのPro Sに変えた時、最初はローが若干細いかな~と思いましたが、むしろSHUREのローが太かったんだな~と思ったぐらいです・・・
 
 なんか、思い出話になっちゃいますが、高校生時代、真面目にDJの練習なんかしてたので、定期的に針を交換していましたが、交換した針が捨てられず、それが溜まっていき、なんか、その数が増えるにつれて、DJが多少は上手くなっていったので・・・使い終わったレコード針が一種の「青春の勲章」みたいな見方をしてた時期もありました。
 まあ、DJ的には初歩的なトランスフォーマー止まりで、クラブスクラッチやフレアーは会得できなかったし、未だにジャグリングは苦手だし・・・周りの方よりは全然上手くならなったですが、使いやすさの観点からいくと、やっぱり使いやすくってイイですね!!



②Ortofon オルトフォン(Denmark)

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 そして、私世代の方で、大人になってもDJを趣味にしてた方だと、大人になり、多少財力がついて、欲が出てしまい針をグレードアップするとなると・・・オルトフォンに流れた方が多いのではないでしょうか?

 オルトフォンは、元々オーディオ向けの高級針を製造していたメーカーで、その高音質な針がDJ達にもウケ、それこそLarry LevanのようなDJ達が80年代の頃から使っていたメーカーになります。
 特徴的なのは「本体の形状」と「音のピュアさ」で、オルトフォンの代名詞ともいえる「Concorde/コンコルド型」の美しい外観と、繊細な音の鳴りは唯一無二で、世界中から愛され続けているレコード針とも言えます。

 私も、時期は覚えてないですが、大人になってから同社の「Concorde Pro S」に換えて、それ以降、オルトフォンの音の虜で、今は再発モデルではありますが「Night Club S(OM型)」にグレードアップし、日々、コノ針でレコードを聞くのを楽しんでいます・・・

 そう、オルトフォンは大人にならないと手が出なかった針で・・・SHUREを使っていた小僧時代は「憧れ」の的でした・・・

 なぜかというと、価格が他社よりも高かったのが理由で、平均すると1本1万円~2万円ぐらいなので高校生~大学生には手が出せない針でした・・・
 だけど、周りの大人のDJからの評価は高く、かつ、コンコルド型の気品ある美しさが素敵で・・・大人になったら、絶対に買ってやろうと憧れていた・・・そんな針だと思います!

 そして、実際に変えた時は、ローの変化はありましたが、その音のクリアーさにヤラれ、高い針にするとこんなにも音が変わるんだな~とビックリした記憶があります。
 特に、そのくらいの時期から、DiscoなどのMid~Hiの音も重要なジャンルも買っていたので、Disco系の音の鳴りはSHURE以上で、今もコレが理由でオルトフォンにしています・・・

 まあ、使いやすさは人それぞれで、コンコルド型だと針をもちあげる取っ手の位置がヘッドシェルタイプよりも後ろにあるので、人によっては使いづらく、私もSHUREから換えた時には難儀しました。
 
 ただ、高い安いは別にして、自分の好みに合ったレコード針と出会えた時の喜びは結構大きいです・・・
 それは、テクニクスのタンテや、ベスタのミキサーなど、一生使える「相棒」と出会えたような感覚もありました。

 もし、あまり針にこだわったことがない方がいるのであれば、是非、自分の好みに合う針を探してみるのも面白いかと思います・・・


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 なお、今回は「カタログ」がメインの記事なので、こんなカタログも紹介・・・

 なぜか日本にも入ってきたオルトフォンが海外で発行していた「Ortofon DJ News」なる定期刊行物×商品カタログで、英語版ですが、結構好きで頂いていました。
 
 恐らく、皆さんもそうだと思いますが、オルトフォンと言うと、割と高級感のあるメーカーでしたが、こういった俗っぽい表紙の広告展開もしてたんですね・・・ちなみに、表紙のセクシーギャルは、海外でよくいるセクシー推しなDJの方のようです(^^;)
 まあ、海外市場では、品質面よりもイメージで売りたかった感があり、ターンテーブリスト系の記事に混ざり、イビザやマイアミのWMCの事が書いてあり、そういったシーンにも売りたかったので、こういう表紙なんでしょうね・・・



③他社の針

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『Pickering ピカリング(US)』

 え~、レコード針に関しては、ごめんなさい・・・これで玉切れです(^^;)

 SHUREとOrtofon以外、殆どカタログなどが出回ってはいなく、私が持っているカタログが足らないのと・・・私がSHUREとOrtofon以外はチャンと説明が出来なさそうだったので、まとめての紹介にさせてください・・・

 まず、ピカリングですね・・・こちらは90年代に凄い人気があったかと思います。

 特に、HipHop系だと「150-DJ」などが人気で、結構使ってた方が多いかも・・・ただ、日本だと、前途した通り、競合のSHUREが人気になってしまったので、ピカリングはちょっとマイナーな感じになってしまいましたかね??
 私は使ったことがなく、当時の周りの評価だと、針が固いというイメージがあり、針を使い始めて馴染むぐらいまでは針が飛びやすい・・・そんな話を聞いた記憶があります・・・間違ってたらご指摘ください(^^;)


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『Stanton スタントン(US)』

 そして、先ほどの海外メーカーのところで紹介したスタントンですが、レコード針のメーカーとしても有名だったと思います。

 画像は2001年ごろのカタログで、DMC3連覇を成し遂げた「DJ Craze」がモデルになっていますね・・・ちょうど、Crazeのシグネイチャーモデル(開発に協力したモデル)が出た時らしく、これでカタログを作ったようです??

 レコード針におけるシグネイチャーモデルについては、明確な資料がなかったので、ここでまとめて書きますが・・・ミキサー以上に多かったですね!!

 それこそ、ターンテーブリスト系は、レコード針がとにかく飛ばないことが重要なので、各社とも開発協力をお願いしつつ、ある意味の広告塔として活用してた感はあります・・・名前を上げればオルトフォンでQ-BertとDJ Kentaroの特別モデルがあり、Numarkだと毛色は違いますがCarl CoxやTony Touch(!)のモデルがあり、各社が競って出していましたね・・・
 ただ、割とターンテーブリスト系が中心だったので、音の面まで考えちゃうと通常モデルで事足りちゃうことも多く、意外と動かなかった針かもしれないです・・・実際はどうなんでしょう??

 なお、これも書くところがないので、ここで書いちゃいますが、テクニクスやベスタクスも針を出してましたが、残念ながらドマイナー過ぎるので割愛です(^^;)





(9)サンプラー、リズムマシーンなど

 お次は、DJとは若干離れますが、DJがプレイするダンスミュージックを製作する「サンプラー」や「リズムマシーン」の機材カタログを紹介します!

 個人的には、これらもDJ機材として捉えており、殆どの商品がDJ機材と近い位置で売られていたかと思います・・・それは、DJプレイと合体して使う方もいれば、DJの延長でトラック製作を作る方もいたので、近い位置にあったのだと思います。

 また、この記事でのキーワードになる「憧れ」という観点だと、これらの商品は・・・憧れでした!

 結果的に買う機会も、そして買う資金もなかったので手が出ませんでしたが、楽器を弾くという専門スキルがなくとも、こういったデジタル機材があれば簡単にトラックが作れる・・・そんな妄想が憧れの一つで、その矛先がカタログ集めに向かっていたようです(^^;)
 
 こちらのカタログは、結構面白いのが残っていたので、手厚く(?)紹介をしたいと思います~



①AKAI professional アカイ

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 一発目は、もうこの分野の4番打者である「AKAI」ですね!!

 AKAIは、我々としては「サンプラー」という存在を世界的に一般化したメーカーで、HipHopやHouse、Technoといった様々なダンスミュージックを作り出した「根源」を作ったメーカーだと思います。
 それこそ、直接的にAKAIは知らなくても、そのAKAIから作られた音楽をお世話になった人はいない位で・・・今の音楽はAKAI無くしては存在しないと言っても過言ではない重要メーカーです!!

 まず、AKAIが作った「サンプラー」について触れておくと、本体にドラムならドラムの音を録音(サンプル)し、それを操作ボタンに割り振り、ボタンを押すとそのドラムが鳴る仕組みで・・・これを組み合わせることで、機械の中だけでドラムを擬似的に演奏できたり、プログラミングをして延々と鳴らしたり、更に他のメロディーをかけ合わせることで一人で曲が作れたり・・・いわゆる「トラック製作」が一台で完成しちゃうそんな機材になります。
 特に、サンプリングをすることで音楽を成立させる「HipHop」は、AKAIなくしては成立しない位にお世話になっており、数々の名曲が、AKAIのパッドを叩くことで生まれました・・・それは、AKAIの圧倒的な操作の使いやすさと、音の良さがあってのことでもあります。

 もう、今となっては、テクニクスのタンテと並び、DJ機材界の「ユネスコの世界文化遺産」級なメーカーなので・・・私自身の結構カタログをもっており、人によっては感涙なのが多いかと思います(^0^)


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『サンプラー MPC3000』 1994年

 それでは、まずは歴史的な話からしたいと思います。

 AKAI自体は、元々は電子部品/音響系のメーカーで、82年に世界初のリズムマシーンである「Linn Drum」を開発したRoger Linnさんに協力を得て、新しいタイプの楽器としてサンプラーを開発した経緯があります。

 まず、Linnさん自体、実物の楽器を鳴らすのではなく、その楽器の音を機械的にコピーし、そのコピーした音をプログラミングして自動的に鳴らす機械(リズムマシーン・ドラムマシーン)を作った第一人者で、音をコピーし、機械的に演奏させることに長けていた方になります。
 Linnさんが開発したLinn Drumは、通称「リンドラ」と呼ばれ、当時は世界の様々なミュージシャンから重宝され、次世代の音楽を演出した機材でありましたが、日本製の安価で性能の良いリズムマシーンが出てきたことから、Linnさんの会社が倒産したそうで・・・その後、AKAIと出会い、更なる次元の機材としてリズムマシーンとサンプラリングマシーンを合体させた機材「MPC(Midi Production Center)」を生み出したそうです。

 サンプリングマシーン自体は、80年代初頭から電子機器の進展とともに作られ、極初期のモノは家が一軒買えるとも言われた位の代物ですが、徐々に定価化が進み、その中でもAKAIはヒット商品であるラック型サンプラー「S900」を発売する等、サンプラー業界で頭角を現してきたところでした・・・当時は、どちらかというとキーボードの一環みたいな位置づけで、時代の最先端を行く楽器だったようです。

 そして、87年には「MPC60」が発売され、ちょうどHipHopなどのサンプリングをすることで音楽を作る文化とリンクし、徐々に発展した経緯があります。
 それこそ、AKAIの特色ともいえる太くてざらついた独特の音質がHipHopとマッチして使われ続けたり、MPCシリーズの醍醐味である「パッド」の使いやすさもあったり・・・徐々に知名度をまして支持が増えた流れが初期にはあったかと思います。

 その初期の名残を残しつつ、ヒットしたのが画像の「MPC3000」じゃないでしょうか?

 更なる低価格化、使いやすさの向上に加えて、16ビット/44.1kHzという高いサンプリングスペック、打ち込みに耐えうるメモリーの増強などで、HipHop界隈では爆発的に大ヒットをした機種になります。
 発売は1994年で、生産終了後も人気があったことから99年に再発モデルが出るなど、当時は絶大な人気を誇ったサンプラーでした・・・

 そして、この機種が初期の名残があるのは・・・開発協力者のLinnさんは、自分がかかわった機材には「Roger Linn」というサインを入れることで有名(?)で、この3000が最後のサイン入りモデルになるからです。
 個人的には、このカタログの上部にもサインがある(!)ことに、Linnイズムを感じましたが・・・当時、Linnのサインが入ってるのを自慢してるトラックメーカーがいましたっけ(^^;)


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『サンプラー MPC2000』 1997年

 そして、AKAIのサンプラーを有名にして、かつ世界の音楽業界に対して大きな刺激を与えたのが、この「MPC2000」じゃないでしょうか?

 MPC2000は、一般の人には中々手が出ないサンプラーを低価格化(15万円位)し、かつ性能も使いやすさも向上させたこの機材は、全世界的にHipHopを「作る」人を増やし、90年代末から00年代初期のHipHop人気を進めた影の立役者かと思います。
 特に、日本においては、90年代中頃のDJブームを経て、HipHopのトラックも作ってみようと考えた若者に、トラックを作るという機会を与えた点は大変大きく、日本でHipHopを根付かせた貢献は十分にあるかと思います。

 うん・・・あの時代、HipHopが好きだったB少年たちにとっては、MPC2000は「手が届きそうな憧れ」だったかと思います。

 モチロン、販売された値段もそうですが、あの機械1台で、誰しもをバウンスできる曲が作れる・・・それは、既存のレコードを2枚使いすることで、新たな音楽を作るように、それまでの音楽概念から解放された自由な音楽の作り方が刺激的で・・・自分にもそれが作れるのでは?と思わせる位置で登場した点は大変大きかったと思います。

 私自身、買うことはなかったですが、あの頃は結構買おうかどうか悩んでいた時期もありました・・・
 DJじゃそこまでスクラッチや2枚使いが出来ないし、レアなレコードも持ってない・・・ただ、あの機械を買って、自分の発想力があれば、フレッシュな音楽を作れ、それでチャンプになれるかもしれない・・・

 もはや、宛ての無い「妄想」でしかないのですが、もしかしたらHipHopドリームを「叶えてくれそう」な位置で販売されたこと・・・そして、実際にそれで夢をかなえた人がいたこと・・・ほんと価値のある機種でした!


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『サンプラー MPC1000』 2003年

 なお、私が買うのをあきらめた理由としては・・・機材屋のデモ機で、叩いてみたけど、全然上手く操れる自信がなかったのも大きいかも・・・
 もしかしたら、機材屋や知り合いの機材を使って挫折したり、買ったけど使えずに挫折した人って多くなかったですか??

 前途の紹介では、さも簡単にトラックが作れるみたいな書き方をしましたが・・・かなり操作を覚える必要があり、私は結果的にコッチの理由で挫折しました(^^;)
 既に使っている人に教えて貰っても、モードを切り替えるのが良く分からなかったり、シーケンスの組み方が良く分からなかったり・・・何となく独特な構造が理解できず、割とスグに「俺には合わない」と思っていました・・・

 そう、このサンプラーについては、操作をすることの敷居が異常に高く、それがあるので「凄い売れた存在ではなかった」と思います。

 その限りにおいて、AKAIにおいても、DJ機材業界のカタログにおける奥の手である、操作の仕方を詳細に書いた「操作マニュアル付きの商品カタログ」を出していました。

 画像は、これもヒットした機種「MPC1000」が出た時に作られたヤツで、かなり詳しいところまで書かれた内容になっています。
 やっぱり、メーカーとしても、操作のとっつきにくさが、商品が爆発的に売れない理由と感じてたので、こういうのを作ったんでしょう・・・事実、買いたいけど操作が分からない人に対しては、こういった無料の操作解説があるのは助かり、私もこれを読んで、若干、心が揺らいだことは言うまでもありません(^^;)


 そんな訳で、HipHopなどを始めとするクラブミュージックを進化させた機材でもあり、若者たちの憧れでもありつつ、裏ではその憧れを破り続けた(すみません・・・)機材でした!

 なお、AKAI製品のチラシは、まだまだあるので、こちらも別館をご用意しました・・・お暇な時にお読みください!

素晴らしき「DJ機材カタログ」の世界 別館③ AKAI(アカイ)



②Roland ローランド

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 そして、こちらも日本が誇るリズムマシーン/サンプラーのメーカーですね!

 ローランドは、シンセサイザーや電子ドラムなど、電子的な楽器に長けたメーカーで、歴史は古く、電子楽器の隆盛に一役買ったメーカーだと思います。

 特に、我々の業界としては、ローランドが1980年に開発した「TR-808」を始めとするリズムマシーンの登場はなくてはならない存在で、AKAIと同様に、このリズムマシーンが出来たことでクラブミュージックが生まれたと言っても過言ではないかと思います!
 通称「やおや」と呼ばれるTR-808であれば、当時の技術としては決して実際の楽器の音とは似ても似つかない音ではありましたが、その独特な音が逆に良く、チープなハット音や、ボトムが太いベース音など、HipHopやHouseやTechnoといったクラブミュージックの土台を作った「音」であることは明白で・・・これも歴史的文化遺産です!

 そんなローランドは、90年代以降も様々な商品を発売し、DJ業界に対して使いやすいリズムマシーン/サンプラーを多く配給していたかと思います・・・


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『リズムマシーン MC-303』 1996年ごろ

 その中で、90年代にトラック製作をしてた方だと、このリズムマシーンはグッとくるでしょうか?

 先ほど紹介したTR-909の流れをくんだと言っても差し支えのないリズムマシーンで、ローランドらしいリズムをシーケンスするパッドが特徴的で、価格が安かった(定価で6万円位)こと、多彩な音を出せることなどで、クラブ系のクリエイターには人気だった機種になります!

 割とテクノ系で使われていたイメージがあり、各種エフェクトも付いていること、そしてローランドらしいキーボードパッドの入力が分かりやすく、シーケンスを組んだ時に正確に奏でること、そして最も重要な出音の良さなどを受けて利用した方は多いと思います。
 特に、当時も今も、ライブで使う人は多く、シーケンスの設定をスグに換えられるので、テクノ系のライブでは使っている姿を見た記憶があります・・・この辺は楽器メーカーとしての本領発揮ですね!

 う~ん、以後も様々な機種が出ていたかと思いますが、ポイントは「価格の安さ」かな~と思います。

 このMC-303は正にそうで、高校生でも全然手が出せる値段ですよね・・・また、TR-808に至っては、音が実際の楽器と似ても似つかないとミュージシャンからは評価され、市場では投げ売りに近い状態だったことから、HipHopやTechnoの若いクリエイターが買いやすかったことで、アンダーグラウンドで広まったとも言われています。

 よく「安かろう、悪かろう」なんて言われますが、良質な機材を作っているメーカーほど、そんなことは微塵もなく、むしろ音にも操作性にもプライドを持ちながら、お客さんが喜ぶ価格で出していた姿勢には・・・頭が上がりません。
 まあ、TR-808については、ローランドとしては苦笑の話かもしれないですが、こういった姿勢は忘れてはいけないですね!


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『サンプラー MS-1』 1996年ごろ?

 そして、低価格というと・・・コレにお世話になった方は多いかもしれません!

 通称では「フレーズサンプラー」と呼ばれているもので、クラブなどの現場では、プレイしている曲に対して、彩りを添える意味で音を足す為に使ってたことが多い機材になります・・・それこそ、今でも普通に使ってる手法ですが、曲を煽る意味で爆発音とかブザー音などを出すやつです?
 価格は約4万円位で、実売はもっと安かったと思います・・・コレ系のサンプラーも色々なメーカーが出しており、後で紹介するYAMAHAとか、我らのベスタクスなどが出していましたが、価格と内容の良さからコレは結構支持をされていたと思います。

 そして、この機種が恐ろしいのが・・・かなり低スペックと思われがちですが、サンプリングやシーケンスの機能があるので、これでトラック製作が出来てしまう点です。

 記憶レベルだと、これでトラック製作をしてる人は見たことがないですが、実際に「こんな動画」があり、コレにはビビりました・・・

 調べると、同時発音は4音のようで、今となっては箸にもかからない内容かもしれないです・・・でもこの動画を見てると、こういった音を作る機材って、機材の性能以上に「使う人の発想」が大切なんだな~と思いました!

 Roland製品は、ほんと「発想」が重要で、メーカーが思いもよらない使い方で様々な音楽を作り出してきたと思います・・・
 例は沢山あるかと思いますが、Rolandほど「ユーザーフレンドリー」を生かしたメーカーはなく、他ならず品質と内容の良さがあってのことだと思います!



③Boss ボス

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 そして、マニアなら分かるかと思いますが、Rolandときたら、次はBossでしょうか?

 Bossは、実はRolandのグループ会社のような位置づけの会社で、一般的にはギターのエフェクターや、マルチトラックレコーダーなど、ギター系の方(?)にはお馴染みのメーカーかと思います。
 何となくですが、割とプロ向けな部分があり、かなりマニアックな商品もある中で、DJ向けな機材も開発し、こちらも我々の業界的にはかなり大きな存在かと思います!


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『サンプラー Dr.Sample SP-303』 2001年?

 その代表商品が、このサンプラー「SP-303」ではないでしょうか?

 かなりコンパクトなサンプラーで、今までの説明の流れでいくと、AKAIのようなトラック製作の為と、RolandのMS-1のような現場で使う為のフレーズサンプラーの中間みたいな感じでしょうか・・・

 トラック製作においては、後年になり、あの鬼才「Madlib」がこのサンプラーを愛用していることを公言し、サンプラー/シーケンスマシーン/リズムマシーンとして高い評価を得たのは割と後になってからのような気がします。

 発売時は、いわゆる低価格路線の商品で、どちらかというとDJプレイで活用するフレーズサンプラーの位置付けが強かったと思いますが・・・コノ商品も、Madlibのように、品物の性能以上に「使う人の発想力」の方が大切なことを教えてくれた商品だと思います。


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『サンプラー SP-404』 2005年

 ただ、このサンプラーについては・・・やはり「現場」/DJ向けの要素が強く、個人的にはソッチの印象が強いです!

 SP-303の後継機種として発売された「SP-404」ですが、カタログでは井上三太による書き下ろしイラストがあり・・・ここからもトラックメイカー向けというより、DJ向けなイメージが垣間見れます。
 
 つまり、DJプレイを補う意味でのサンプラーとしての位置付けで、ドラムや効果音などを足す、フレーズサンプラーの位置付けが強かったかと思います。
 特に、SPシリーズの特徴である、打ち込みパッドが光る点などは、暗いクラブでのプレーを想定した設定で、パッドを打つたびに光るのが視覚的にもカッコよく、やはりクラブ市場を狙っていたんでしょうね・・・

 ただ、こちらのサンプラーも、使い方によっては凡庸なフレーズサンプラーになってしまいますが、使うDJのアイデアによって強力な武器にもなるサンプラーだと思います。

 その代表例が、いまや日本を代表する和物DJである「吉沢dynamite.jp」さんで、日本屈指のSP-404使いとして日本各地をロックしております!!

 吉沢さんは「この動画」の1:10辺りから始まる生打ちのように、DJプレイにリンクする形でSP-404を活用していますが・・・どうですか、凄いでしょ!!

 この剣さん使いの自己紹介ルーティーンは、完全生打ち込みの現場セットで、これは上がりますね・・・大名作である「Super 和物 Beat 番外編 - ニュースクール 歌謡ダンスクラシックス!」でも披露されていますが、もはや吉沢さんの代名詞だと思います!

 こういうセットをみると、やっぱり「使い方」が大切なんだな~と思います・・・

 それは、きっと、説明書には一切掲載されないことで、そのDJの「自由な発想」の元に生まれる使い方なんだと思います・・・

 ここで紹介しているサンプラーやリズムマシーンもそうだし、タンテやミキサーもそうです・・・どんなに高い機材を買っても、それを使いこなさないと意味がないし、それ以上に、誰にも思いつかない使い方をしないと上には行けません・・・こういう所に「DJスピリッツ」があると思います!

 なお、生打ちの後、当山ひとみに行くのがフレッシュです・・・2008年の時点で、コレをプレイしてるんだから・・・吉沢さん、最高です!!



④Korg コルグ

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 んで、トラック系機材の最後は、こちらも日本を代表する電子楽器メーカーである「コルグ」です!

 現在はヤマハ資本の会社のようで、一般的には「キーボード/シンセサイザー」や「電子ピアノ」が強いメーカーと認識されることが多いと思います。
 ただ、こちらもDJ向けな商品を多く開発し、それこそミキサーやエフェクターを始めとするDJプレイ用の機材から、トラック製作用の機材等・・・結構色々な商品を開発していました。


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『シンセサイザー Triton』

 その代表格の一つがこのTritonでしょうか・・・HipHopを長く聴いている方なら「懐かしい!」と思いますよね?

 このシンセサイザーは、実は全然DJ業界向けに発売されたモノではなく、サンプリング機能を取り入れたワークステーション的なシンセで、どちらかというとプロミュージシャン向けに開発され、実際にプロのミュージシャンにも評価されたシンセになります。

 ただ、90年代末位から、HipHopにおけるメジャーポップ化に伴い、サンプリングをしないトラック作りが流行った中で、当時はまだアップカマーだったSwizz Beatzが、このシンセに入っている音源を使い倒し、このシンセ一台だけでトラックを作ったことで、HipHop業界では大変流行ったシンセになります!

 実はこのシンセは、内蔵されているプリセット音源が豊富で、これ一台でドラムやベース、そしてメロディーも引け、かつシーケンスも出来るので、ある意味「サンプラー/リズムマシーン」的な色合いが強かったんですね・・・
 当時としては、まだサンプリングHipHopの色が残っていたので、Swizzのビート自体はコアなファンからすると安易すぎると非難された部分もありますが、今思うと、Swizzがこういった機材を見つけ、独自の発想でビートを作った点は極めて「HipHop」だと思います・・・やっぱり「使う人次第」なんですかね!

 なお、DJ向けのトラック製作用の機材も実は出していて、RolandのMCシリーズのようなリズムマシーンに、サンプラー機能が入れたようなトラックマシーン「Electribe」をシリーズ展開してて、これも結構ヒットしましたね~
 設定や機能別に何種類か出ていて、テクノ系の方だと、ライブセットで、これを数台用意し、同期しながら演奏をしてた方がいたと思います??


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『DJ用エフェクター Kaoss Pad KP2』 2002年

 んで、DJプレイをしている方であれば、コッチの方が馴染みがあるかも・・・パイオニアの「EFX-500」シリーズと肩を並べる名エフェクター「Kaoss Pad」です!!

 本当は(6)辺りで紹介すべき機材ですが、これは本当にヒットし、今でも使っている方が大変多いかと思います・・・

 大きな特徴としては、本体の真ん中に配置されたタッチパッドで、何らかのエフェクトをかけたとき、このパッドを指でなぞるとエフェクトのかかり方が変化し、慣れると直感的なエフェクトがかけられるとあってかなり人気がありました。
 割とHipHop系には人気があり、アブストラクトっぽいエフェクトをかけるDJには人気があったと思います・・・また、大好きなDJデュオ「Ulticut Ups」もカオスを使ってて、当時は「こんな感じのDJセット」の元で、カオスをライブやミックス作りでかなり使ってた印象があります。

 この機材も、機材屋さんで試してみて、全然上手く使えずに挫折(笑)した記憶がありますが・・・きっと慣れるとホント使える機材だったと思います。

 特に「直感的に」エフェクトをいじれる仕組みが大きいですよね・・・それは、この機材の場合は真ん中のタッチパッドになるのですが、アナログレコードでDJをするように、自分がイメージした事が、指先で簡単に操作できるという点は凄い重要かと思います。

 なんでしょう、これも度々繰り返している話ですが、音楽と言う可視化しづらい内容を、イメージ通りに実行させる作業は難しく・・・そうなると「操作性」というのが大事なんですよね・・・
 このカオスパッドも、直感的にイジれる操作性の良さがポイントなんでしょうね・・・やっぱり日本のメーカーは凄いですね!

 なお、カオスパッドについては、市場の要望に合わせて商品をビルドアップさせていった点の素晴らしく、機能の充実化や小型化、または映像用のカオスを作る等、市場に忠実な姿勢も高評価です!

 ただ、このカオスの機能を内蔵したDJミキサー「Kaoss Mixer」も発売しましたが、これは微妙だったかな・・・
 個人的な私見では、DJミキサーは、音をミックスする為の機能に集中して欲しく、エフェクトをこだわり過ぎると、本来のミキシング部分がブレる感じがあるので、こういう内蔵系はあまり好きではありません・・・すみません(^^;)





(10)レコード機材・グッズ その他

 ふ~、やっと最後の項目です・・・長かった(--;)

 最後は再びDJ機材のラインに戻りますが、いわゆる「その他」系のを順不同に紹介します~


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『DJ用ヘッドフォン Pioneer HDJ-1000』 2002年

 まずは、これまでの機材紹介の中でも、コッソリと出てきたDJの必需品「ヘッドフォン」です・・・いや~、流石にこれは、単体のカタログもなく、総合カタログでも大きく取り扱われていないので、ここでの登場です(^^;)

 画像は、当時も今も人気なパイオニア製のDJヘッドフォンですね・・・パイオニア製はジャンルにとらわれず、幅広いジャンルの方に支持されていたと思います。
 パイオニア以外だと、私も長く愛用していたソニーの「MDR-Z700」とか、テクニクスの「RP-DJ1200」などが人気で、どれも本体の可動範囲が広く、DJ時にモニタリングしやすいのと、モニタリングした時の音の良さがポイントだったと思います。

 私はソニー派でしたが、DJ時のモニタリングの使いやすさはもちろん、普通に通勤時のヘッドフォンとしても使ってたので音の良さは保証済みで・・・DJ用とあって、ローの鳴り方が鮮明でありつつ、ミッド~ハイも聞こえやすく、リスニング用としても使えたかと思います・・・
 特に、どれも密閉型なので、ローをしっかりと鳴らしても、外に音が漏れないので、クラブミュージック系の音楽を聞くのであれば、リスニング用としての利点が多かったような気がします・・・

 ただ、私だけかもしれないですが・・・ヘッドフォンって壊れやすいですよね(^^;)

 DJ機材においては、どちらかというと「消耗品」の位置付けで考えている方が多く、特にプロの方だとそうですよね・・・なんでしょう、DJという環境で使う以上、粗雑に扱わざるを得ない状況が多く、使ってると本体のプラスチック形成部分などがひび割れ、最終的には壊れてしまいます・・・
 まあ、それを見越して本体自体はかなり丈夫に出来ているので、ホームDJレベルであれば、結構長く使える設計にはなっていますが・・・壊れたら高いお金を出して買い買えないといけないので、結構憂鬱な存在だったような気がします??

 ちなみに、ソニーのZ700は、毎日通勤で使ってたからかもしれないですが、結構壊れて下さった(?)ので、出費が結構痛かったです・・・今の通勤用は流石に安いヘッドフォンにシフトダウンしています・・・(^^;)



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『DJバック UDG』

 お次は、プロのDJだったり、定期的にクラブでDJをしている方だと必需品な「DJバック」です!

 これも色々なメーカーがありますが、そこまで大きいメーカーがないので、カタログを作っているところなんて皆無じゃないの・・・と思ったら、DJバックメーカーの最大手である「UDG」はしっかりとカタログを出していました!

 UDGは、DJバック界においてはかなり高級な部類のメーカーで、価格もそれなりにしますが、耐久性だったり、品質の良さなどで世界の有名DJからの支持は大きく、アナログ用から始まり、CD用、そして今のデータ時代に合わせた専用ケース等、今でもトップブランドとして君臨しております!
 それこそ、このカタログの中でも、自社の製品なのに「DJバック界のメルセデスベンツ」と形容しているぐらい、商品には自信があるようで、カタログにもそういった自信が感じられます!!

 私自身、外でDJをする機会が殆ど無かったので、DJをする時は、ちょっと大きめなトートバックだったり、旅行用のキャリーケースなんかに無理やりつめてDJしに行ったぐらいで、バックを買うことはなかったですが・・・UDGのはデザインの良さから、ちょっと欲しかったバックでした・・・

 それは、何となくですがオルトフォンのコンコルドが欲しかったように、そのスタイリッシュなイメージが物欲を刺激するんですよね・・・DJは外ですることは絶対にないけど、もしもの時の為に・・・みたいな無理やりな理由で買おうとも思ったぐらいです(^^;)
 それでいくと、昔、元UFOの松浦さんが、Porterに別注でキャリー付きのレコードバックを作ってて、それもメチャクチャ反応しまたね・・・値段は笑いが出るくらいアレでしたが、アレもカッコ良かったな~

 やっぱり、DJというものは、存在もそうですが、こういった機材も「カッコいい」が大切なんですね~



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『DJ用サンプラー YAMAHA SU10』 1996年

 はい、やっとオーラスです・・・長かった・・・最後は定番の「珍品系」の紹介です(^^;)

 ココまでの紹介においても、わりと「?」な機材も若干紹介をしましたが、DJ機材も誕生して30年ぐらい経過した訳ですから、変なのは色々とあります・・・
 それは、人によって基準がちがうので、どれが「変」なのかは人それですが、私が持ってたカタログの中から、これは変だというのをピックアップしてみました(^^;)

 まず、日本が誇る音楽系メーカーの大御所である「YAMAHA」ですね・・・まさか、DJ系の機材まで手を出していたとは!

 「手を出していた」というと、大変失礼ですが、こういった業界、大手の会社ほど、何か売れる金脈がありそうだったら脈略もなく乗りこんでくる訳です・・・YAMAHAもDJって売れそうじゃない?とか思ったんですかね??

 んで、勝負してきたのはスクラッチも出来るというサンプラーのようで、私の中では記憶がなかったので、真っ先に思ったのが「うさん臭そう」です・・・ただ、これはこれで、結構凄いみたいです!
 試しに「この動画」を見たらビックリしたのですが、出音も良さもそうですが、やり方を間違えなければ、全然スクラッチが出来てる・・・うわー、結構凄いっすね!

 また、繰り返しになりますが、やっぱり「使う人のアイデア次第」なんですね・・・こういった姿勢は忘れてはいけないです!

 ちなみに、今回はこういった動画を参考でリンクしてますが、こういった古い機材を遊び倒している方がいるのには結構ビックリで、かなり刺激を受けさせて頂きました(^0^)



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『MD用ターンテーブル(?) SONY MDR-DRE1』 1998年

 そして、こちらは完全な珍品でしょうか?

 我らの「ソニー」もDJブームに黙ってはいなかったようで、ソニーが自信を持って押し進めていた「MD」のタンテで業界に殴り込みをかけたようです??

 これはちょっとだけ記憶があり、イメージとしてはパイオニアの初期のCDJをMDにしたような感じで・・・まあ、使いづらそうですね(^^;)
 実際に使ったことがないので、詳細は分からないですが、カタログを見ると、ピッチコントローラーやループの機能は付いているみたいですが、CDJ1000以降の操作ジョグはなく、多分使いづらそうかな・・・どうなんでしょう?

 ただ、MDであれば、当時はまだCD-Rを作ることが難しく、MDの方が簡単に自宅録音が出来たので、そういった環境で作られた自作の曲をDJプレイするのには、結構イイ方向性だったかもしれないですね・・・



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『リズムマシーン(?) Zoom SB-246』 2005年

 んで、最後の最後は、たまに出てくる「謎の海外製DJ機材」です(^^;)

 画像のは、Zoomという海外メーカーから出たリズムマシーンのようで、画像の通り「HipHop」系の様々な音が入った商品になります・・・なんか、うさん臭そうですね(^^;)
 例えば、商品型番の「246」というのがストリートさを出すために日本の輸入元が勝手に名付けたのか?と思わせたり、カタログの絵のDJの方の擦り方が、本当にそれで擦れるのかという構図だったり・・・う~ん、アレですね・・・

 ただ、調べてみたら、現地でもこの名前で出ているようだし、実際の内容も割と普通にドラムが出せる内容のようで・・・さらに価格も1万6000円ぐらいとあって、結構お手頃の商品のようです?

 DJ機材、ほんと「ピンキリ」な世界で、値段が高い安いもあれば、メーカーの知名度も様々でしょう・・・

 ただ、DJという範疇なら理解が出来るかと思いますが、そういった無名なモノにもイイ商品が隠れているのかもしれません・・・

 DJ/レコード業界にいると、誰も知られていないモノを独自の視点で解釈/表現する行為が普通に行われているかと思います・・・それは、一言でいえば「掘る(diggin')」になるかと思います。

 今回の記事において、ベスタなどでは、商品の良さは変わらないので使い続けてほしいなんて書きましたが・・・こういった「見知らぬDJ機材」を掘る行為も必要かもしれないですね・・・
 是非、根性がある方は、全国のハードオフをめぐって、面白いDJ機材を発掘してくださいね!!






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(11)最後に 

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 いやいや、相変わらずの計画性の無さから、こんな膨大に、そしてこんなに書くのに時間がかかるとは思いませんでした・・・すみませんでした・・・

 今回の記事、きっかけは「DJ機材のカタログが結構あったはずだから、それで何か紹介ができないかな~」というレベルで草案し始めましたが、結果的に、当時発行されたカタログを用いて、昔のDJ機材を語る・・・みたいな内容になりました。

 変な話、これらの昔の機材を知りたければ、今なら簡単に検索が出来ちゃいますが・・・当時のカタログで、(一応は)当時の事を知っている私の視点で、こういった昔のDJ機材の良さを伝えたい・・・そんな思いで頑張って書いた次第です・・・

 ベスタクスが特にそうですが、ホント、昔のDJ機材メーカーの努力と情熱、そしてその努力と情熱が引き起こしたDJ業界への影響は計り知れず・・・こういったDJ機材メーカーの尽力があってこそ「今」があることを再認識して頂けると嬉しいです。

 歴史を知ると言うことは、何かの物事に対する知識や愛情、そして経験を高める上で最良の行為だと思います・・・

 今回の紹介を通して、こういった歴史や流れを知っていただき、DJ機材を含めた「DJ」という行為/文化をもっと好きになって頂ければ幸いです。



 ではでは、これで終わり・・・です。

 これかれもブログは私のペースで進めていきますが、色々と皆さまが喜んで頂けそうなことを企画していきますので、引き続きのご愛顧をお願いいたします!
 






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素晴らしき「DJ機材カタログ」の世界 別館① Technics(テクニクス)
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 この記事は、DJ機材メーカー「Technics(テクニクス)」について、以下の記事において書ききれなかった内容を紹介する記事になります。以下の記事と合わせてお楽しみください。

   素晴らしき「DJ機材カタログ」の世界





(1)カタログで辿る「SL-1200」の歴史

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 メイン記事では総論的なことしか書けなかったので、こちらでは多少マニアックな話を書きますね(^^;)
 
 もー、我々にとってターンテーブルと言えば、本文でも書きましたが「SL-1200」であり、これがなかったら今の自分たちがいるかどうか分からない位、ホント大切な存在です!

 ただ、このターンテーブル、それが結果的に魅力ではありましたが、シリーズを通して見た目が変わらないので、どう進化したのかが分かりづらい商品だと思います。
 まあ、具体的には本体の外観などは変更がないものの、操作性や音質面の向上の努力はメーカーとして力を注いでおり、進化するたびに内容が良くなっていました。
 それこそ、現在の中古市場価格だと、そういったテクニカルな面を考慮して、後期のシリーズの方が評価が高く・・・特にMK6は、今となってはあまり出荷されなかった機種なので、割とレア価格になっています。

 そんな訳で、シリーズの歴史を、私の持っているカタログをベースに辿っていきましょう!

 なお、スペックの違いなども書いていますが、かなり曖昧に書いてますので、事実誤認がありましたらご指摘くださいね!!


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『SL-1200 MK3』 1989年~1997年

 カタログの手持ちベースになるので、まずは「MK3」から・・・ちゃんとしたカタログがなく、96年ぐらいのカタログの裏面にチョコっと掲載されていた部分から抜粋です(^^;)

 個人的には、このMK3を使い続けているので、一番思い入れのある機種で、これも普及率が大変高い機種ではないでしょうか。

 歴史的には、このシリーズの肝である「DDドライブ方式」によるトルク力が強い構造、そして圧倒的に使用しやすいピッチコントローラーの搭載などがDJ達に評価され、全世界的に広まった経緯があり、DJの歴史と共に進化したターンテーブルがSL-1200になります。

 そして、このMK3は、1989年に発売された3世代目の機種で、このひとつ前のMK2と共に、世界のクラブシーンで利用されたターンテーブルの一つになるかと思います。
 MK2との違いは、外観の塗装の違いぐらい(MK2がシルバー、MK3がグレー)だったと思いますが、ちょうど時期的にも80年代中期~90年代中期というクラブという文化が全世界で爆発的に広がった時期なので、その爆発をこれらの機種が支えていたことは明白だと思います。

 なお、画像の話もしておくと、下が通常のMK3ですが、上は1995年に5000台限定で生産されたリミテッドモデルで、 金属部分が24金メッキ塗装が施された豪華モデルで、MK3D以降は標準搭載されたピッチのリセットスイッチが付いていたモデルになります。
 当時、このリミテッドモデルもお店で見ましたが、価格が通常のMK3よりも高いのもありましたが、なんか下品な色合い(?)で、子供ながら普通な方がイイな~と思っていました・・・SL-1200は、シンプルな方がイイですね!!


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『SL-1200 MK3D』1997年~2002年

 そして、そのMK3にピッチのリセットスイッチを追加し、MK2でお馴染みだったシルバーカラーにマイナーチェンジしたのがMK3Dになります。
 これもこれで、日本におけるDJブームの最中に生産された機種なので、お持ちだった方が多かったはず・・・何となくですが、普通のMK3よりも、MK3Dの方が良く見かけるような気がします??

 んで、凄い微妙な話ですが、テクニクスって、タンテの色で、その人が「いつ」にそのタンテを買ったのかが分かったので、それでその人の「キャリア」が分かるということもありました・・・
 凄い分かりづらい表現かもしれないですが、ブッダの人間発電所のセンターラベルが「青」か「緑」でその人の格が変わるみたいな感じで・・・MK3Dが出た以降、MK3の黒を持ってるとキャリアが長いと思われる節があり、色は結構重要でした??
 ただ、私がMK3を買った時点でも、その話はあり、私のころはMK2のシルバーを持ってる人の方が格が上でした・・・分かる人には分かる、どうでもイイ話でした(^^;)


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『SL-1200 MK4』 1997年~2002年

 そして、同時期にDJ向けにはMK3Dが出てたので、あまり注目されなかった機種がこの「MK4」ではないでしょうか?

 私の手持ちレベルでもカタログに殆ど掲載されていない機種で、確かオーディオマニア向けに開発された機種だったと思います・・・
 内容的には通常の33rpm/45rpmに加え、SPレコードの再生で用いられていた78rpmが搭載されていたこと、好みのラインケーブルが取り付けられる目的でピンコードが着脱式になっていたこと・・・が違いだったと思います。
 
 DJ関係ではあまり使ってた人はいなかったと思います・・・特に、回転数の変更ボタンが、通常の33rpm/45rpmの2つの大きさに、78rpmを加えた3つのボタンが並び、ボタン自体が小さかったから・・・

 でも、ラインが換えられるのはこの機種のみで、それがあるので今となっては微妙にレア価格な機種でもあります・・・他のSLだとラインが直結してて交換自体が出来ないのですが、猛者になると、改造という範疇でラインを交換して音質アップをしてる人もいますね・・・
 改造話でいくと、当時、Vestaxのタンテ等には標準で付いていたリバース(逆回転)の機能を、SLに追加するための部品というのも売られてて(当然、純正品ではないです)、これで強引に改造をした人もいましたね・・・
 

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『SL-1200 MK5』 『SL-1200 MK5G』 2002年~2007年

 メイン記事ではカッコいいカタログを紹介したので、こちらでは松下電器らしい「微妙」なカタログであえて紹介です!

 SLシリーズの発売開始30周年を記念して2002年にリリースされたのがMK5で、外観や内容は殆ど変わらないのですが、キャビネットの構造や、各種部品素材の変更で、全体的な品質・音質の向上を目指した機種で、これも同時はかなり売れていた機種です!
 発売の際は、シルバーのMK5と、その上位機種にあたる黒のMK5Gが出ており、5Gの方は、シリーズで唯一ピッチが±8と±16に変更可能となり、今となっては5Gだけは異常に人気な機種ですね。

 この辺になってくると、素人だと分からないことなのですが、テクニクスに関しては、シリーズを通して見た目が殆ど変わらないけど、音質面の向上は進むにつれて良くなっているそうで、ピッチの変更を含め、この5Gなんかは今でもかなり人気な機種です。

 特に、クラブ等の大音量で音楽を流すところでは、音質の良さもさることながら、防振性も大切で、その点も後期の機種はカバーしてたことから、プロの目からすると、MK5Gや、次で紹介するMK6は今でも人気です。
 テクニクスの古い機種だと、中古で売っても二束三文な時もありますが、後期の機種は今でも人気なので、お家でホコリに被っている機種があったら、ユニオンとかに相談してみてはいかがでしょうか??


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『SL-1200 MK6』 2007年~2010年

 そして、SLの最終モデルは、SLの発売35周年を記念して2007年に発表されたMK6で、シリーズ最高の音質として今でも大変評価されている機種になります。

 MK5と同様に、本体の外観や仕組みは殆ど変わりがないのですが、各種部品の洗練を経て、進化した機種になり、色は黒とシルバーの2色で発売しました。
 発売においては、日本国内のみで「MK6K1」という先行モデルが1000台生産され、通常のMK6に35周年を記念したノベルティー(特製ブックレット、特製ゴールドディスク)がついたセットの販売もあったそうです。

 この機種、2015年の今現在、ホント中古価格が評価されている機種で、その一端は生産数の少なさで・・・つまるところ「売れなかった機種」だからです・・・

 時代的には、CDJの普及や、パソコンでDJをする人が増えてきたことで、アナログレコードでDJをする人が激減していったことに伴い、アナログ用タンテを買う人が少なくなっていたので、シリーズの中では生産数がかなり少ない部類の機種だと思います。
 当時、発売時には多少話題になりましたが、新規でDJをやりたいという人は少なく、既にタンテを持ってる人が中心だったので、あまり動きがなかった機種だったと思います・・・正直な話、私も「テクニクスから新しいのが出たんだ~」程度にしか思わなかったと記憶しています。

 また、これはテクニクスの「良さ」なんだけど、逆に「悪さ」になってしまった点があります・・・それは、品質が良く、品物が丈夫なので「壊れない」ことです。
 それこそ、私のMK3は、もうすぐで20年目ですが、一向に壊れる気配がありません・・・つまり、凄い使っているヘビーユーザーの「買い替え需要」が起きず、それも販売数に影響をしていたように思えます。
 
 う~ん、内容の良さって、その発売時には分からず、少し時間が経って、それがなくなった時に分かる・・・そんな好例のような機種がMK6かもしれないですね・・・




(2)その他のテクニクス

 以下では、テクニクスの話題だけど、その他としか扱えないネタを掲載します(^^;)

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『CD用ターンテーブル SL-DZ1200 / 発売時の販促カタログ』 2005年

 まずは、いきなりの変化球から・・・あれ?MUROさんだ!

 これは、本編でも紹介した「CD用ターンテーブル SL-DZ1200」が発売開始になった際、メーカー側が作った販促用の商品カタログで、残念ながら今年の春に休刊してしまったDJ向け専門誌「Groove」とコラボした冊子になります。
 正確に書くと、そのGrooveの版元であるリットーミュージックさんとのコラボで、表面はMUROさんに同機種でDJ体験してもらい、裏面では、同社から発売されているSound & Recording Magazineとコラボし、なんとテイ・トウワさんが同機種でトラックを作る体験をしています!!

 まず、企業側の宣伝戦略として、こういった既存の雑誌とコラボすることはよくありますが、DJ機材においても、大手のメーカーだとチョクチョクやってたようで、大手として「この商品だけは売り込みたい!」という意図があって作成をされたんだと思います。

 実際の内容も、機材のカタログというよりも、Grooveやサンレコの誌面でありそうなその機材の使い方を中心にした「How To」的な要素が強く、こういうのは助かりますね・・・

 このカタログでは、この機種がもつ機能(例えばサンプリングパッド)などを詳しく説明し、通常のカタログでは伝えきれない内容を教えてくれます・・・いわゆる実践的な説明書として活用されていました。
 私個人としても、こういうHow Toが入ったカタログは、そこまで各社とも作ってはいなかったですが、結構好きな部類なので、あれば必ず貰っていました(^0^)


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『1997年8月のカタログの裏面』

 そして、これは、1997年8月ごろ発行のカタログの裏面で、色々な関連商品が掲載されてたり、何となく昭和っぽいデザインですね・・・こういう所も「松下」っぽくって嫌いではないです!

 ただ、掲載品は熱くって、ソニーのMDR-Z700と並び、DJ用のヘッドフォンとして人気を博した「RP-DJ1200」が掲載されてます!

 今回、色々な商品カタログを漁りましたが、意外と「ヘッドフォン」のカタログは少なく、私自身が持ってないのもあるかもしれないですが、ヘッドフォンに関してはメーカーもそんなにカタログを作ってなかったようです??
 このRP-DJ1200も、テクニクスのロゴがバッと印刷されてて、見た目もカッコいい事に加え、耳あて部分が色々な方向に回転するので、そのDJの使い方に合わせた装着が出来るのが人気でしたね~

 また、個人的にボムだったのが、愛してやまないテープレコーダー「Shock Wave」が掲載されていることです!!
 掲載は、後期モデルにあたる「RQ-SW70」で、色違いのを所持してますが・・・機材カタログを紐解いてて、これが掲載してたことにはビックリしました(^0^)

 んで、もう一つボムが・・・更に下には取り扱い店のスタンプが押してあるのですが、私が高校生時代に通ってた学校の最寄だった「島村楽器 津田沼パルコ店」のスタンプが!!

 当時は、DJ機材を買うとなると、専門店は殆どなく、大半の方が割と大きな電気店か、島村楽器のような楽器店で購入された方が多かったと思います。
 特に、当時の楽器店は「バンド」と「DJ」という若者の最先端カルチャー(?)を取り扱うとあって、売り上げも凄く、津田沼という千葉の微妙な都市レベルの島村楽器でも、しっかりとDJ機材コーナーがありました・・・当時、意味もなく、バンドを組んでいる友人と意味もなく島村楽器、新星堂、そして今は亡きユニオンを徘徊するのが日課でした(^^;)





(3)まとめ

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 そんなこんなで、2010年10月にはテクニクス商品の生産停止がアナウンスされ、伝統のブランドに幕が閉じました・・・当時、私も「この記事」で書いた通り、ほんと悲しいの一言でした。

 その後、今となってはDJ機材業界のエースである「パイオニア」がアナログ用ターンテーブルを発売したり、テクニクス自体も高級オーディオ部門として復活もしましたが・・・我々としては「SL-1200」が復活することが希望なのかもしれません。

 今回、記事を書いていて思ったのが、テクニクスって、日本の「家電メーカー」が従来より得意としてきた「真面目さ」や「職人気質」が如実に表れた商品だと思いました・・・
 それは、その真面目さが品質の良さを担保し、かつ商品を無理に変えずに信じている製品を作り続けた職人気質みたいのがあったから、テクニクスは成立したのかな~と思います。

 この時代、SLを再生産させることは、色々な意味で難しいことは分かっていますが、また、DJシーンの中で光り輝くことを夢見ています・・・そして、それまでの間は、皆がテクニクスを愛し続け、光を消すことなく使い続けていきたいと思います!!







 
素晴らしき「DJ機材カタログ」の世界 別館② Vestax(ベスタクス)
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 この記事は、DJ機材メーカー「Vestax(ベスタクス)」について、以下の記事において書ききれなかった内容を紹介する記事になります。以下の記事と合わせてお楽しみください。

   素晴らしき「DJ機材カタログ」の世界





(1)DJミキサー

 今回、メインの記事の方では、なるべくVestaxの功績や影響などの総論的な内容を書きましたが・・・もー、まだまだ書きたいことがありましたので、こちらではアウトテイクな内容で攻めたいと思います!
 ただ、ベスタクスに関しては、並々ならぬ思いがあるので・・・私視点で、以下でその思いを爆発させたいと思います!!

 そんな訳で、カテゴリー分けは適当ですが、一発目は「ベスタ製のミキサー」について、もっと深く紹介をしたいと思います!!
 ベスタのミキサーに関しては、ホント色々とあり、それぞれが個性的で、今でも印象的な機種が多く・・・やっぱり素晴らしいメーカーだったんだな~と思いました。
 なので、印象的なミキサーを順不同に紹介しますね!!


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『DJミキサー PMC-20SL』 90年代初期

 いや~、2色刷りのカタログの為、見づらくって申し訳ない・・・ただ、一発目から伝説のミキサーの紹介です!!

 あのDJ Krushさんが未だに使い続ける名機「PMC-20SL」と、その関連商品の一つである「PMC-15SL」ですね・・・もはや20SLは「Krushモデル」として有名で、未だ人気な機種になります!!

 今となっては、こういった横長の機種は殆どありませんが、90年代初期ぐらいまでは、アメリカやヨーロッパでの流れから、こういった横長のミキサーが主流で、最低でも3ラインぐらいはインプットがある機種が流行っていました。
 イメージとしては、タンテとタンテの真ん中にミキサーを置くのではなく、タンテ類を並べた下に斜めに置く感じで・・・それこそParadise Garageなんかのイメージが近いかもしれないです??

 その流れで作られたミキサーの一つがこの20SLで、肝は型番の「SL(=SampLing)」が示す通り、ミキサー内にサンプリングパッドとデジタルディレイが内蔵した珍しい機種で・・・これがKrushさんが使い続けている理由になります。

 Krushさんのプレイは、正にアブストラクト的なメガミックススタイルのDJプレイで、リアルタイムでネタのサンプリングやディレイをかけながら構成するスタイルで、唯一無二なプレイですね・・・それを、直感的に実現できるのが20SLといわれ、その独特のサンプリング音もKrushさんが愛してやまない理由のようです。
 正直、この位の時期のミキサーって、フェーダーがメチャクチャ固く、今となってはかなり使いづらい存在なのですが、Krushさんの場合は、自分が目指す音楽を一番イメージできる機種が20SLのようで・・・ベスタクスの良さを表す「直感でプレイできる」点を表す代表例かと思います!


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『DJミキサー PMC-05FX』『DJミキサー PMC-05MKⅢ』
共に90年代初期~中期

 そして、この辺の大きさのミキサーになると、一部の方には見慣れた大きさ、今の人からすると小さいな~と思う大きさでしょうか?
 先ほどの20SLなどのサイズのちょうど半分ぐらいのサイズで、当時はコンパクトミキサーなんて呼んでいましたが、タンテとタンテの間に鎮座するにはちょうどいい大きさですね・・・

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 まず、私的な話で申し訳ないですが、右の「PMC-05MKⅢ」から紹介します・・・はい、私が初めて使ったミキサーです(^0^)

 残念ながら、5年ぐらい前に引っ越しをした時、既に使ってなかったので何も考えずに捨ててしまったので、今は手元にないのですが、私が高校生~大学生の間は愛用をしていた機種になります。
 一応、引っ越しの前に写真だけは撮影してたので、資料として掲載をしますが・・・Manhattanの値札や、Shadowの2ndのシールなど、時代を感じますね・・・あと、この色が本文でも指摘した「ベスタカラー」で、この地味な色合いが、マニアにとってはたまりません(^^;)

 この機種、ほんと必要最低限の機能しかなく、GainやEQなど、今であれば付いてて当たり前の機能が一切なく、ホント「基礎も基礎」の機能しか付いていません。
 でも、全然不自由なくDJミックスを楽しんでいたような気がします・・・むしろ、EQ付きのミキサーに変えて、これはどう使ったらいいんだろうと迷ったぐらいです(^^;)

 また、フェーダーが今と比べると固く、当時はその固さで「スクラッチ筋」を鍛えたものです・・・まあ、フェーダーも使い始めると徐々に柔らかくはなるのですが、当時のは非接触型ではなかったので、消耗が激しく、フェーダーを定期的に掃除したり、ダメなら交換をしたり・・・結構厄介な存在でもありました。
 ただ、この機種のフェーダーは裏技があり、私の機種ではある程度フェーダーを使いこむと、フェーダーの接触部分がカタカタするので、横方向にしか移動しないフェーダーを上に押すとLかRかのどちらかの音しか鳴らず、スクラッチしながら自動的にLR振り分け(パンニング)ができる技が使えました(^^;)
 
 んで、カタログに話を戻すと、左のはレアな一品で、あのNYのHipHop系DJの大御所であるFunkmaster Flexの意見を元に作られたPMC-05のシグネイチャー・モデルになります!
 内容的には、MKⅢよりもやや横長なサイズで、白地の塗装で、真ん中には真っ赤なベスタマークが配置されている、ベスタらしい地味に派手なモデル(?)で、特徴的なのはマスターフェーダーがLとRで2本付いている内容になります・・・交互に上下すれば、マスターでLR振り分け(パンニング)が出来る感じですね??

 ベスタに関しては、有名DJの意見を聞いて、かつそのDJの名前を授かったミキサーをたまに作ってて、それこそ、次に紹介する07Proの「ISPモデル」、PMC-05Proシリーズであれば「Q-Bertモデル」、また、テクノだとCarl Coxと作り上げた「PMC-CX」、そしてレアな所だと藤原ヒロシさんとコラボした「PMC-30 Hiroshi Fujiwara Model」など、ボチボチあります。
 ただ、この辺は、現行品として真剣に売っていく考えはそこまで無かったようで、どれも限定生産で、どちらかというと話題づくりで作った感はあります・・・ただ、ISPモデルとかは流行りましたね!!


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『DJミキサー PMC-07Pro ISP』 1999年ごろ

 そして、このひとつ前でシグネイチャーモデルとして触れたISPモデルがコレですね!

 この機種は、本文でも紹介したPMC-05Proの更に上位機種に当る「PMC-07Pro」を、当時ターンテーブリスト界では最強を誇っていた「Invisibl Skratch Piklz(DJ Q-Bert、Mixmaster Mike、Shortcut・・・)」との共同開発で生まれた、最強のスクラッチミキサーです!

 まず、銀に青というカラーで、その色合いにはビビりましたが、ISPらしくドマニアックな機能として、スピーカーを4本配置(2つのアンプシステム×スピーカー2本)している前提であれば、その4本から出る音を調整することができるノブがついているのには・・・ビックリしました。
 つまり、音を立体的に操ることが出来、実際にこういったシステムがあるクラブやセットのみでしか出来ませんが、中々面白い仕組みを組み込んだミキサーですね。

 ISP自体、セッションプレイを前提に考えているので、複数台のミキサーやタンテと接続が出来るセッションミックス機能が内蔵されたo7Proで自分達用にアレンジしたのには納得でき、やはりDJの声を生かした製品づくりの上手さがでたミキサーかな~と思います。

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『DJミキサー PMC-06Pro』 1996年~

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『DJミキサー PMC-O6T』 1997~98年ごろ

 関連なので、ダブルで紹介しちゃいますが、ベスタクスは、ほんと「現場のDJ」の声を聞くのが上手かったメーカーだな~と思います。

 特に、スクラッチ(ターンテーブリスト)系のDJの要望に応えるのが上手く、2台のターンターブルで交互に音を出しあうテクニックである「ジャグリング」を実行しやすくするため、ミキサー幅を極端に狭くした「PMC-06Pro」(画像上)などは、その好例じゃないでしょうか?
 06も結構流行った機種で、タンテを縦置きにする前提から考えた大きさは絶妙で、これも使ってた方が多いと思います・・・その後、その幅を更に短くした「PMC-O6T」(画像下)では、もはやヤリスギな幅の狭さまで縮めた機種を出すなど、ほんとDJの声を生かしたメーカーでした!!

 今のデータなどを前提としたミキサーやDJボードと比べると、どのミキサーもシンプル極まりない内容かもしれませんが、どの機種も、そのDJが肉体と感性を駆使してミックスするために「使いやすい」内容になっているのがVestaxの特徴で、その特徴を生かすべく、様々な現場に足を運び、DJと交流をしたことがポイントになると思います。

 ある時期、日本に来日したDJ達の大半は、日本に来るたびに三軒茶屋の奥にあるベスタの本社に押し寄せ、新商品のチェックや、自分が欲しい機材の相談をした・・・そんな話も聞いたことがあります。
 Vestaxは、絶えず「DJ達の声」を尊重し、それを素直に作り続けた真面目さが人々に愛される機器を作ったんでしょうね・・・


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『DJミキサー R-1 Premium』 2001年

 なんか、私の青春時代と被るので、どうもHipHop中心になってしまいますが、HouseやTechnoなど、他のジャンルでも使えるミキサーはしっかりと作っており、その代名詞はコレじゃないでしょうか!

 ベスタが2001年ごろに満を持して発売したミキサーで、House向けの最上級ミキサーとして話題になった「R-1 Premium」です!

 内容に関しては、徹底的に良い音を出す為に部品や配置をメチャクチャこだわった仕様で、価格も30万オーバーの最高級品で、その後も後続機が出るなど、ベスタが誇りをもって作り続けたミキサーになるかと思います。

 当時は、あまり音楽の知識が無かったので、なんでこんなにクソ高いミキサーを作るんだろう・・・と思っていましたが、今だから思うのは、きっと、ベスタとして「Urei1620」に勝ちたい為に作ったミキサーなのかもしれないですね。

 Houseに疎い方だと分からないかもしれませんが、NYラインのHouse/Dance Musicシーンでは、独特の音質の良さから1970年代~80年代に生産された伝説的なダイヤルミキサーである「Urei1620」を使い続けており・・・未だにコレにまさるミキサーがないという位、愛され続けているミキサーになります。
 私自身も、音に関しては絶大な信頼を寄せるミキサーで、特にクラブ等の大きなスペースで出した出音の豊かさといったら最高で、どんなに派手なライティングや内装のクラブでも、ミキサーだけは当時の1620を使ってるクラブも多く・・・もはや、永遠のミキサーかもしれません。

 ただ、DJ機材メーカーとしては、このUrei1620が現場で珍重されている限り、自社の商品が売れないというデメリットがあります・・・

 実際、ベスタも、Ureiサイズのダイヤルミキサーを多数リリースし、PMC-46などのヒットした機種もありますが、実際に現場に出向くと、本気でダンスミュージックをプレイするDJほどUreiを指名してたのでしょう・・・その点が、きっと、メーカーとしては苦々しいのでこのR-1を作ったのだと思います。
 変な話、Ureiを超えないと、Houseシーンで売ることが出来ないと思ったんでしょう・・・そのチャレンジャースピリットがあり、実際に仕上がったR-1は音質面では大変評判で、凄い売れた機種ではなかったですが、かなり評価されたミキサーだったと思います。

 結果的に、Ureiは超すことが出来なかったかもしれないですが、こういったチャレンジスピリットがあるのも、ベスタの魅力かもしれません!!


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『DJミキサー PMC-CX』 2005年ごろ

 最後は、どうも古い機材ばかりを紹介してたので、00年代に入ってからのミキサーも紹介です。

 Houseラインのミキサーも出したので、Technoラインのミキサーとして、あの有名DJ「Carl Cox」の意見を踏まえて作成されたシグネイチャーモデル「PMC-CX」のカタログです。

 内容としては、各CHにフィルターが設定されていることと、DCR1200系統のアイソレーターが備わっているあたりが特色で、純粋なTechno系とは言えないですが、Carl Coxの要望を多く取り入れたミキサーのようです・・・
 Technoというと、Rodecのような各CHの縦フェーダーでミックスするイメージがありますが、このミキサーの某開発裏話を読むと、Carlの手が大きいことから、こういったHouse的なフィーリングの内容になったようです??

 んで、なぜ、このミキサーを紹介したかというと、二つの理由で紹介をしました。

 まず、一点目は、このカタログ自体の話になるのですが、ベスタは、一般の消費者向けのカタログに加えて、いわゆる「販売店」向けのカタログ(仕様書?)も作っており、それが店頭でのカタログのような位置づけで配布がなされていました。
 そのカタログにおいて、紹介している機種の販売店向けと思われるのがコレで、詳細な特徴が書いてあったり、裏面には電気回路の構図(!)が書いてあったり・・・全く持って一般向けではないモノになります。

 ただ、私がたまたま貰えただけかもしれないですが、そういった販売店向けの資料も、ベスタ商品に関しては、他社以上に店頭で一般顧客に対してカタログのように配布をされていたかと思います。
 他の機材でも、特に新商品が出た時は配布されてて、私も流れで貰っていましたが・・・きっと、他社にはない「ドマニアックな機材」を作ってた会社なので、これらの資料が一般的なカタログ以上の「カタログ」として配布されていたのかもしれません・・・

 また、2点目としては、最近うすうすと気づいてたことですが、こういった「過去の名作機材」が評価されつつあることに気づいたからです。

 この記事を書いてて、たまたま目にしたのですが、常設の販売店において、中古DJ機材をマッシブに扱っているユニオンの渋谷クラブ店で「ベスタ機材の買い取りリスト」が公開されていました・・・
 そこに、このCXが掲載があり、当時の定価からしたら安い金額ではありますが、リストに掲載がある時点で、評価がある訳です・・・その他の機材も、割と納得がいく理由で評価がされているな~と思いました。

 つまり、何を言いたいかというと、ベスタ商品は、その品質と内容の良さから「時代が変わっても魅力が変わらない」ということです。

 まあ、このリストでは、流石に現代でも使えると言う意味で、ミキサーに関してはベスタ末期(00年代中盤以降)がリストアップされていますが、私も渋谷店の考えと同様に、もっとベスタ商品は評価されるべきだと思っています。
 それは、本編でも書きましたし、この別館記事でも書きますが、ある意味、DJ機材の「Rare Groove」なんだと思います・・・ベスタ商品を含め、過去のDJ機材の見直しも必要かな~と思います(^0^)
 




(2)ターンテーブル各種

 ミキサーと並び、ベスタを代表するのは「ターンテーブル」ですね!

 アナログ用のタンテについては、テクニクスの牙城を崩すべく、色々と努力をしましたが、結局はテクニクスは超えられなかった・・・と思います。
 ただ、製品の質はピカイチ、そしてアッと驚く製品を多く作っており、アウトテイクのこちらでも色々と紹介したいと思います!


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『アナログ用ターンテーブル PDT-6000』
『アナログ用ターンテーブル PDT-5000』 共に90年代中頃

 まず、今となってはベスタ初期タンテの名作はコレじゃないでしょうか?

 当時としては、DJ向けに開発されたPDT-5000と、そのハイエンドモデルとして後にリリースされたPDT-6000という機種で、画像の写真ではISPの面々が写ってるのでスクラッチ系と思いますが、割と幅広いジャンルのDJに指示されたモデルになります。
 まあ、テクニクスと比べると、数は全然かもしれないですし、ベスタらしい地味であか抜けない感じがなんともですが、パワフルなモーターと防振性や再生の安定感はこの当時から兼備えていたようです・・・

 ただ、この機種については、発売時よりも、10数年経った00年代中頃~末に突如として評価された機種かもしれません。

 というのは、DJ MarboさんやMasanori Ikedaさんを始めとする東京の一部のDJ達が、トランスの曲を必要以上にピッチダウンしてプレイするスタイル「Tokyo Balearic」としてプレイする際、この機種だとピッチダウンしても安定的に再生できることから、突如として再評価された経緯がありました。
 詳細は、以前私が書いた「この記事」を参照ですが、特にPDT-6000の評価は高く、今では一部の好事家にレアタンテとして崇められている一品です・・・

 本編のQFOでも書きましたが、ベスタ製品って、普通に発売している時はそこまで評価されないけど、忘れた頃に突如として評価されるんですよね・・・
 メーカーとしては、たまったもんじゃないですが、何よりもベスタクスの品質の良さが、時代を超えても評価される為かもしれないですね!


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『アナログ用ターンテーブル PVT-e2』 2001年ごろ

 そして、ベスタに関しては、テクニクスの牙城を倒すべく、色々なタンテを作りましたが・・・結果的に珍品系のタンテ(?)になっちゃたのも多いかな~と思います(^^;)

 その一つとして、本編においては機種名だけ登場したタンテで、タンテを斜めにしても再生できる「PVT-e2」を紹介します。

 これになると、DJ向けの機器ではないですが、ある時期、DJ向けだけではなく、ホームリスニング向けにも販路を開こうということで、ベスタらしい発想の元、そういったホームリスニング向け商品も発売されました。

 その中でも、これはなかなかの技術品で、斜めにしても再生できるタンテになります!

 タンテが斜めでも再生するということは、モーターが強力で、かつアームが正確にレコード盤をトレースすることが出来ないと恐らく再生が出来ないので・・・このタンテも、ベスタの技術の結晶が結構詰まった一品かもしれません。
 また、デザイン的にも面白く、回転するレコードを見ながら、音楽が聴けるっていうのは面白いですね・・・ホームリスニング向けだけど、恐らく、オシャレさん(?)向けに開発された商品だったのかもしれないです??

 ただ、DJラインからすると、全く実用性がないので、ほぼ全ての人がドン無視でしたね・・・私も、これが存在してたことを忘れてました(^^;)
 う~ん、今だと、一般の人たちがオシャレラインでレコードを聞いてたりする人が増えているので、今の時期に売ったら結構反応があったのに・・・ほんと、イイ意味で時代を先に読み過ぎていたメーカーですね(^^;)

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『アナログ用ターンテーブル+ミキサー Groove Caster』 参考商品

 そして、これが噂ののギター型です、フェンダー的なデザインがイカします!

 これは、本編で触れたQFOのプロトタイプとも言えるブツで、実際に販売はされなかった参考商品ではありますが、ベスタらしいぶっ飛んだ発想で作られた珍品です。
 恐らく、先ほど紹介したPVT-e2の斜めにする技術を、DJ向けに何か使えないかと考えた結果、ギタリストが経ちながらギターソロを奏でるように、スクラッチャーが立ちながらスクラッチソロをキメる姿を想像したんでしょう・・・その発想力がベスタです!

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『CD用ターンテーブル+ミキサー(?) S-1』 2006年

 なお、このギター型は諦めてなかったようで、2006年ごろには「S-1」なるCDを操るギター型のタンテ+ミキサーな商品が、限定20本のみ受注生産されたそうです・・・
 コレに関しては、コメントのしようがないですが・・・本当に売れたのでしょうか?? でも、こういった発想力豊かな姿勢はベスタです!!


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『アナログ用ターンテーブル Controller One』 2005~06年ごろ

 んで、これは、正直、私の中では記憶が全く抜けていたタンテですが、ベスタらしい発想力の元で生まれたタンテです?

 この機種は、あのD-Stylesが製作に関わったと言われるタンテで、ベスタの当時のインフォによると、ターンテーブルというよりは、もはや「楽器」のような位置づけでリリースされたようです。

 基本機能は一般的なアナログ用ターンテーブルと変わらないのですが、「音階モード」というのが付いており、コレが肝になるそうです・・・
 どういうことかと言うと、よく、バトル系DJが「ピー」というズーっと鳴り続けている音を利用して、ピッチコントローラーでピッチを変えるとことで、音のオクターブが変わる仕組みを利用して、それでメロディーを紡ぎだしたりする技があります・・・

 そして、このタンテは、その技をもっと簡単に、いや複雑なメロディーを出すための仕組みを搭載したタンテで・・・タンテで音楽を奏でる為に作られたと言っても過言ではないブツになります!
 これに関しては、もはや私の理解度を超えているタンテで・・・実際につかうと「こんな感じ」のようですが、無理してタンテで音階を作らなくても、キーボードで簡単にメロディーが出せるのでは・・・というのは愚問でしょうか(^^;)
 

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『ポータブル・アナログ用ターンテーブル Handytarx』 2002年ごろ(?)~

 なんか、ベスタのタンテは珍品ばかり紹介してしまったので、最後は真面目な紹介を・・・

 純粋なターンテーブルとは言い難いですが、持ち運びが出来るポータブル用として発売された「Handytarx」は、正にベスタクスらしい商品だと思います。
 
 こういったポータブルなタンテは、業界的にはニッチな商品ではありますが、手軽にレコードが聴けるので、ライトユーザーには人気があり、それまで国内のコロンビア製のGP-3などが主流でしたが、これはベスタらしい品質の良さが光った逸品だと思います。
 内容的にはベルトドライブになってしまうものの、音量はフェーダー式、そして小さいながらピッチコンも付いてたり、ラインアウトやヘッドフォン・アウトも付いており、実はかなり本格的なタンテだったと思います。

 特に喜んだのが、海外を転戦する国内のレコード・ディーラー達で、品質の良さから海外へ買い付けに行った際、視聴用にフル活用していたディーラーさんが多く、国外のディーラーにも人気になった逸品と言われています。
 特に、乾電池で駆動することと、わりと丈夫な蓋がついていていて、持ち運びに便利だった事がポイントのようで・・・やっとカタログ自体の話になりますが、カタログのページをめくると蓋が取れるような記事構成になり、あか抜けないベスタにしては頑張ったデザインのカタログかと思います(^^;)

 また、ここ最近の45人気にも関係するのですが、45をプレイするのに丁度良い大きさだったことから、あの45kingがこの機種で「DJセットを披露」して以降、再注目された部分もあると思います。
 これは、ラインアウトがあることと、DJプレイもしやすい配置になっていたことから実現出来たことで、有名オンラインレコードショップであるBBQ Recordsの店主さんは、このHandytraxを元に超カッコいい「ポータブルDJセット」を作成し、昨年の下北ユニオンのイベントでは、Kocoさんが「超絶プレイ」を行う等、生産終了後も大活躍をしています!

 結局のところ、ベスタの商品は「後になって評価される」ということを再認識させる紹介になっちゃいましたね・・・

 ただ、作った時点で「品質が良い」や「DJのことを分かっている」点が大きく働いていたからこそ、後になってちゃんと評価されたのかもしれません・・・
 タンテというと、どうしてもテクニクスの方にばっかり話が行ってしまいますが、ベスタもベスタらしい商品が多く、それらは今後も使われていくことでしょう・・・





(3)その他の機材など

 どうしてもミキサーとタンテが中心になりがちですが、その他の機材の方が他社が作らなかった(作れなかった?)ことで、ベスタの独壇場になったり、極めてベスタらしさが出た商品があったり・・・もっと注目をしても良いかと思います。

 そんな訳で、個人的な視点でチョイスした、ベスタらしい「その他のDJ機材」を紹介しますね~


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左上 『DJ用アイソレーター DCR-1200』 1993年

 まずは、ベスタが開発した「大発明」的な機材はコレじゃないでしょうか!

 この機材は、いわゆるEQの拡大版みたいなモノで、高・中・低音域の音を3つのダイヤルに分けてあり、それぞれを回すと音を増やしたり減らしたりすることが出来る機材になります。
 
 言葉で表せばこんな感じですが・・・House界においては歴史的発明品の一つだと思われます!

 それこそ、Houseの現場に行くと、ミックスをしながら高・中・低音域を調整して、その現場で聴きやすい音に調整をすることに加え、突然、低音を削ったり、高音を上げたりし、ある種のエフェクトみたいな使い方をしてて・・・それが技術の一つとされています。

 それこそ、アイソ使いの魔術師ともいえるJoe Claussellであれば、残念ながら他社の商品でのプレイですが、この「動画」のように、グリグリとアイソを回しながら、音を調整してエフェクトをかけたりしています・・・

 また、エフェクト的に使うこと以上に、現場に行くとグッとくるのが、その曲のメロディーに合わせて、ローを削っていく手法で、これはプレイしている曲に同化する効果があり、House系DJの花形的技ですね・・・
 先ほどのJoe大先生であれば、永遠のフロアークラシックである「Inner Life / Ain't No Mountain High Enough」の中盤ブレイク後のMoogソロにおけるアイソ使いと言ったら・・・天にも昇るプレイで最高です!

 そんな、DJの感情をも再現することの出来る機種を作ったのは、やはり「ベスタクス」だから出来たことだと思います!

 まず、ベスタが作ったこの機材は、その調整幅の広さがポイントで、完全に音を切ることが出来たことでDJの思い描いたエフェクトが作れたことでしょう・・・当時、こんな特異的な機材は当時はなかったので、半ば無理やりに「アイソレーター」と命名(isolate=分離)した程で、現場の声がなければ生まれなかった商品だと思います。
 また、これもベスタらしいのですが、何よりも操作しやすいノブの形状や位置など、DJが操作しやすい内容になっている点もポイントです・・・変な話、プレイをしながら音に合わせてグリグリすると「気持ちイイ」んですよ・・・私も、この機種の後続に当るハーフラックサイズの「FDG-1」を使用していますが、プレイする人と一体化しちゃう操作感はベスタならではです!

 このアイソ、ある一部のDJには大ヒットをし、発売してから数年は、日本に来日するNew YorkのHouse系DJ達が、必ずこのアイソを何台か買い占めてNYに帰っていったという逸話があるぐらいです・・・
 そして、後続機も何種類か出ましたが、ある時期まではベスタしか作っていなかった機材になり、ベスタの独断場だった機材です!

 なお、たまたまかもしれないですが、このカタログのアイソの掲載ページにはNYを代表するDJ「Junior Vasquez」が載ってますね・・・機材群の中にDCRの姿が確認できます。
 DJ機材のカタログには、製作協力をしたDJや、この機材を評価したDJが載ることが多いですが、Juniorが載るということは、相当評価が高い証拠かも・・・別の時期のカタログでは、坊主時代のRichie HawtinがDCRを持ってる写真が掲載されるなど、DJから本気で支持をされた機材だと思います!


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真ん中『デジタルディレイ DDG-1』 90年代中頃

 なんか、同じ色合いのカタログからの商品紹介ばかりで申し訳ない・・・深い意味はないですが、90年代のベスタ商品は紹介に値するエグイ商品が多く、それに伴い90年代中頃のカラーカタログからの紹介になるからです・・・

 んで、こちらもある特定のジャンルのDJやクリエーターからは絶大な支持を得ている機材ですね!!

 この機材は、いわゆるエフェクターの一種で、音に「ディレイ(=音に残像を付けるような効果?)」をかける現場向けな機材で・・・その独特なエフェクトのかかり方から、RootsやDub関係のレゲエ系DJ/アーティストから絶大な支持を受けている機材になります。

 商品としては、画像のネズミ色のタイプと、その上にあるマイクラインが2本の「DDG-1M」がでており・・・割とMCをする時に「ラスタファリ~」な感じを出すのに最適で、もはや変態的とも言えるディレイのかかり具合が、今でも大変評価をされているそうです。
 実際、発売当時はあまり出なかった商品のようで、それ故に生産数が少なく、今となってはレア品といった感じで・・・全世界規模で未だに探している人が多い機材になるようです。

 ビルドアップした後期モデルは、どうやら現場の声を聞いて改良した部分があるようですが、こういったDJ機材においては、メーカーが意図しなかったのに、結果的に「奇跡の音」になってて、後になって熱い支持を受けるケースがあるかと思います。

 それこそ、今となっては名ミキサーの大御所である「Urei 1620」は、当時としては高級オーディオ機器的なノリで出された「Bozak」のコピー品的な商品でしたが・・・結果的に、Ureiから出る「音」が評価され、時代を超えて評価され続けているミキサーになります。
 レコード文化に携わっている方であれば理解できる言葉として、ジャストな表現なのは「Rare Groove」なんでしょうね・・・そう、それは結果的に「グット」な内容で、かつ「古びない」内容だったんだと思います。

 この機材も、ベスタらしいといえばベスタらしい機材なんでしょうが、開発者や営業担当者としては発売時にちゃんと売れてくれよ!と思う機材でした・・・その点も、大変ベスタらしいですね(^^;)

 なお、このカタログページも、先ほどのDCR1200のページでも、掲載されている他の商品は、いわゆるPA用機材になりますが、この辺も90年代のベスタではよく押していた商品になります。
 パワーアンプやコンプリミッター、グラフィックイコライザーなど、割とクラブの音響向けの商品も取り扱ってたようです・・・どのくらいの導入率があったかは分からないですが、メーカーとして、この辺が売れると一発でかなりの金額が稼げるので、力を入れてたんでしょうか・・・ただ、00年代に入ると、扱わなくなったところを見ると、あまり支持はなかったようです??


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『DJ用備品 各種』 97年ごろ

 そして、この辺もベスタらしい商品かな~と思います。

 先ほど、チラッと触れたPA機材もそうですが、ベスタに関しては「DJの総合商社」みたいな感じで、DJに関わる機材や用品はほぼ全てを扱ってたと言っても過言ではなく、画像のような備品も多く取り扱っていました。

 それこそ、画像の範囲ではスリップマットレコード用のケースDJのHow To ビデオなど、かなり広く取り扱っていましたね・・・個人的には、画像に掲載された1500円のスリップマットを実際に使用してたり、Dub Master Xさん(!)が講師をしてたHow To ビデオは買って勉強をしてました・・・

 渋いところだと、左上のちょっと高い謎の機械なんて懐かしい方も多いかも・・・これは、通称「BPMカウンター」と呼んでおり、文字通り曲のBPMを測る機械なんですが、自動計測ではなく、その曲のビートに合わせて、自分でボタンを叩いてBPMを割り出す機械です!
 今となっては「そんな面倒な事をしてたの?」と思うかもしれませんが、90年代のプロDJの中では使ってた方が多い機材で、これでBPMを調べておいて、レコードのジャケの目立つ所にBPMを書き込み、現場でDJをする時の手助けにしてた・・・そんな使い方をしてたと思います!

 また、真ん中には片耳ヘッドフォンがありますね・・・当時、純正のメーカー品でちゃんとした形で販売をしていたのはベスタぐらいだったので、これもHouse系のDJで使ってた方が多いかと思います。
 まあ、歴史的に片耳ヘッドフォンは、一般的なオーディオメーカーが一切作らないタイプなので、ベスタのようなDJ機材の専門メーカーでないと作らないですよね・・・なので、この辺も、現場の声を生かして作ったのだと思います・・・
 ちなみに、片耳に関しては、自作や改造メーカー製のを使ってた方も多く、私も何年も前に自作で片耳ヘッドフォンを作りました・・・以下の記事で作り方を紹介しましたので、ご参考にどうぞ~

● 作ってみよう「片耳ヘッドフォン(Stick Headphone)」


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『ミキサー用部品 クロスフェーダー』

 そして、こっちの備品もベスタらしいです・・・なんと、ミキサーの要である「クロスフェーダー」の交換用部品の一覧です!!

 まず、これを写真付きでカタログに載せるなんて!という所に反応しちゃいますよね・・・こういう姿勢がベスタです(^0^)

 この点もちょっと補足が必要だと思いますので、詳細を書いておくと、当時のミキサーのクロスフェーダーは「接触型」と言われるタイプが中心で、イメージとしてフェーダーをずらすと、その動きに連動して内部の金属接点が移動をするので、その接点となる部分が使えば使うほど消耗をする仕組みでした。

 特に、スクラッチなどの激しい動きを伴う行為は、恐ろしく消耗が激しく、早い人で半年も立つと音が出なくなるなどの影響がでるので・・・メーカーも、そしてユーザーも、フェーダーに関しては「交換することが前提」だった商品になります。
 また、別の視点として、機種によってはプレイする人の好みに応じてフェーダーを全く別のモノに変えることができて、よりスムースに動くフェーダーや、House系の方だとダイヤル式に変えるなど、自分の好みに応じて変えていた方もいました。

 そのため、こういった詳細なページがあったのだと思います・・・実際にDJの機材屋さんで、割としっかりとしたお店なら、これらのフェーダーを在庫で持っている所も多かったです。
 
 私自身も、95年から使ってた「PMC-05MK3」は、当時は真面目に(?)スクラッチや2枚使いの練習なんかをしてたので、忘れた頃には消耗してて、後でも紹介する渋谷のPACO辺りに行き、普通に交換部品を買ってきて自分で取り換えをしてました。

 まあ、今のミキサーとかに比べると、構造自体も凄い単純なので、説明書がなくとも簡単に交換が出来るのですが・・・当時のDJ達はこういったことを通して「DIY精神」を学んだんでしょうね~(^^;)


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『フェーダー式楽器(?) Federboard』 2003年

 んで、フェーダー話をだしたのであれば、これを忘れはいけません!

 これは、ベスタが自信を持って開発をした機材で、いわゆるキーボードの「鍵盤」を、ベスタが得意とする「フェーダー」で作ってみたという機材で、いちおう「楽器」になる商品です。

 それぞれのフェーダーに、音が割り振られており、フェーダーを上に上げると音が出て、フェーダーの上げ方次第で音量が変わり、フェーダーなので、細かくフェーダーを切れば鍵盤では出せない細かい断続音が出せる等・・・そんな感じの機材です。
 言葉で説明するのが結構難しいので、どんな感じに使うかというと「こんな感じ」です・・・当時、コレをライブで多用してたShinog 2(!)さんによるデモ動画ですが、使いこなすとこんな素晴らしいプレイができるようです!

 まあ、当時としても、残念ながらあまり売れず、気づいたら「幻の商品」になっていましたが、これもベスタらしい商品ですね!

 どうも、DJ機材というと、当然ながら「使いやすさ」が重要で、そうなると結果的に各社「似たような内容/デザイン」になるかと思います・・・つまり、段々と売れそうな商品だけしか開発せず、あまり冒険をしない傾向もあったりします。
 
 その中で、ベスタは、当然ながら使いやすい商品を作りつつ、DJ業界の未来を見据えて、誰も思いつかない商品を「あえて」作る姿勢が絶えずあったのが素晴らしいと思います。
 結果的に、私の私見としては、その未来は見据えていたけど、上手く乗りこなすことが出来なかったのは大変残念ですが、こういった珍品なんだけど、意欲を感じる機材を作ってきた点はちゃんと評価すべき「姿勢」だと思います!!


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『レコード盤製作装置 VCR-2000』 2004年8月

 そして、機材関連のオオトリは、こちらを紹介・・・これもベスタが誇こる「伝説の機材」です!

 この機材は、なんとアナログのレコード盤を作成する為の装置で、ちゃんと一般の人でも買える商品として大々的に発売しました・・・当時の価格で120万越の逸品です!!
 仕組みとしては、ブランクのアナログ盤に対して、音源情報を直接書き込む(刻んでいく)方法で作る仕組みで、通常のレコード盤を作る過程であれば、第一発目のマスター盤を作る作業だったり、レゲエでいう「ダブプレート」を作る方法で・・・音源情報が刻まれたアナログ盤は、普通にプレイすることが出来ました。
 
 この機材の開発にあっては、これも現場の声を受けて開発された商品にはなるかと思います・・・

 つまり、DJ達がプレイする「アナログ盤」というのは、どう逆立ちしても「業者に発注して作ってもらう」必要があり、そのDJが自分で作った音源を簡単にプレスすることが出来ない・・・という声を受けて作ったんだと思います。

 それこそ、今となってはCD-Rに焼いてプレイ、いや、もはやデータをそのままプレイできるので、自分が作った曲をDJプレイの一環としてプレイが出来ないなんてあり得ないかと思いますが・・・アナログ時代は、これほど頭を悩ませる問題はありませんでした。

 海外だと、昔から小規模なプレス工場があったりし、小ロットの注文を受けたり、または1点モノに近いアセテート盤を作れたりしましたが、どちらにしろ高い金額を出す前提はあり・・・更に日本だと、そういった小規模注文を受けてくれる工場自体がなかったことがあり、この問題はDJ達を絶えず悩ませていました。
 まあ、カセットテープやDATで流すと言う方法もありますが、それだと、アナログ盤で流暢に操作/ミックスをしたりすることが出来ないので・・・何としても「アナログ盤にしてプレイをする」ことが夢であったかもしれません。

 その限りにおいて、ベスタは、このアナログ盤を作る機材が大掛かりで高額だったので、低価格で使いやすい内容になれば、小規模なスタジオなんかでも導入をするだろうと想定し、コンシューマーモデルとしてこの機材を発売したようです。
 値段を見たら、個人レベルで買うなんて思わないですが、スタジオレベルであれば、手が出ない金額ではないですね・・・正直、これが安いかどうかは分かりませんが、ベスタとしては品質と操作面の均衡を図りつつ、かなりコストダウンをした商品を作ってくれたかと思います。

 ただ、残念だったのは・・・・発売する時期がもう10年前、いや5年前だったら爆発的にヒットしてたかもしれない点です。

 2004年と言うと、既にアナログ盤のようにDJプレイが出来るCDJが普及し始め、DJ達は自分たちが作った音源を、CD-R等に焼いて、簡単にプレイすることが出来る時代になっていました・・・アナログ全盛時代だったら、確実にヒットしていたと思います・・・
 そのため、実際、発売時にはかなり話題になりましたが、殆ど反応が無かった記憶があります・・・まあ、値段もさることながら、かなり操作を覚えないと使用が出来ない(そのため、講習会もあった)などもあり、話題だけで終わってしまった感はありました。

 これも、ベスタらしい現場の声を聞き、ベスタが持つ発想力と技術力が生きた製品ではありましたが・・・未来が読めなかった点はアレですね・・・





(4)実店舗など

 次は、コレもベスタの特色である「実店舗」の紹介です。

 ベスタは、機材メーカーではありましたが、古くから実店舗を構え、自社製品を含む様々なDJ機材を販売し、日本のクラブシーンに対して「販売面での機材供給」を行っていた功績がありました。
 それこそ、DJ機材は楽器店や割と大きな電気店などで売られてはいましたが、しっかりとした専門知識をもってお店は少なかった中で、ベスタのお店はDJ機材店の模範ようなお店で、かなり定評があり、お客さんから支えられてたお店だと思います!


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『PACO 渋谷南口時代』 だいたい90年代

 まずは、このお店ですね・・・スキャナー取り込みのため、見ずらいですが、当時を知ってる方だと「懐かしい!」と思いますよね(^0^)

 このお店は、渋谷南口の明治通り沿いの路地にあった「PACO」というお店で、時期によって多少違うかもしれないですが、1FがDJ関連、2Fがギターを取り扱ってて、90年代にDJという行為・文化に関わっていた方なら、一度は足を運んだことがあるお店だと思います。

 この時代のPACOは、お世辞にも広い店内とは言えませんが、所狭しと機材が並び、デモも簡単に出来たり、スタッフさんの対応も親切で、一時期は「DJ機材と言えばPACO」と言われるほどです。
 特に、海外からのDJが来日した際は、どのジャンルのDJも必ず足を運んで機材のチェックをしていたとも言われ、世界的な視点で見ても、当時としてはかなり有名なお店だったと思います。

 私も、渋谷に行った際は、時間があれば、宇田川町方面のレコ屋の後に、真反対のPACOに行って、機材のチェックや、部品の購入をしていました・・・
 どちらかと言うと、憧れの高級DJ機材を触りに憧れ半分で行っていた部分が大きいかも・・・そのため、PACOに行くようになって、機材カタログを率先して貰うようになったのだと思います。

 なお、90年代のPACOは、私の中では数少ないミックステープの入手場所の一つでした・・・

 内容的には、割とバトル系DJのテープが多く、それこそ、DJ Seijiさんの「手刷り時代のテープ」が売ってて、たまに買ってました・・・Bossの悪の華とかがミックスされてた記憶があり、そのテープは友人にあげちゃったのが、今となっては痛恨の極みです(^^;)


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『Vestax to the Core 渋谷丸井→246沿い』 2001年~中頃位

 そして、折しものDJブームをうけ、このPACOがビルドアップする形で2001年9月に移転をします・・・移転先は、なんと渋谷・丸井です!
 
 まあ、丸井と言っても、ファイヤー通りの方にあった丸井(今はShidaxのビル)で、当時、この丸井はストリート向けなファッション館だったことから、8Fに「Double Slash」というDJ/クラブ寄りのコンセプトフロアーを作り、その中心にベスタのお店が移転をした形になります。
 店名を「Vestax to the Core」という名前になり、ベスタの以外には、HipHop寄りな洋服店や、9 States Recordsという新譜レコ屋さんが入りましたが、その中心はベスタのお店になり・・・ワンフロアー全部が「DJ関連」で埋められているという、今思うと恐ろしい場所になっていました(^^;)

 今、思い返すと、小学校の体育館位のフロアー面積があり、かなり広い店内だったことに加え、とにかく幅広い品ぞろえと、かなりゆったりとした陳列で、どの機材も試すことが出来るぐらい勢いで・・・イメージとして、アップルストアーの品揃えを「DJ機材」に変えた感じです??
 私も、この頃は大学生で、かなりの頻度で渋谷に行ってたので、このお店も当然の如く通ってて、結構な頻度で行ってましたが、いつ行っても結構混んでて、当時のシーンの勢いの良さを表しているかもしれないですね・・・

 2001年と言えば、全てのクラブミュージックが盛り上がっていた時期で、特にHipHopの人気はすさまじいものでした・・・その為、DJ機材の需要はホント高く、丸井クラスのテナントでもペイが出来たぐらい需要があったと思われます。
 もちろん、他のお店でもDJ機材を売っているお店は多かったですが、地盤が信頼できるお店だったことから、一時期はDJ機材と言えばココみたいな勢いがあり、私もDJに興味を持った友人にこのお店を勧めた記憶があります。
 
 また、流石ベスタの直営店だけあって、色々な仕掛けがあり、ほぼ毎日DJプレイの時間があったり、定期的にDJバトルイベントを開催してたり、海外の有名DJが来日したらイベントがあったり・・・かなり営業的にも頑張っていたと思います。

 そのため、一度買ってしまえばしばらくは買う必要がないはずのDJ機材において、定期的に足を運ぶ場所みたいな感じもあり、しっかりと「DJ文化」をレペゼンしてた部分もありますね・・・今回の記事を書くにあたり、このお店が作ってた「マンスリー」がほぼ全て手元にあったので、私自身は相当行ってたみたいです(^^;)
 個人的には機材目当てではあったのですが、併設してたレコ屋(9 States Records)も面白く、恐ろしくバトブレの品揃えが良く、その辺りをチェックしてました・・・その一環で「バトブレの分かりやすいリスト」を作ったり、独自に「渋谷のレコ屋マップ」を作ったり、このレコ屋さんも印象深かったです!

 まあ、あの場所になると、レコ屋の聖地である宇田川町からは離れているので、何らかのイベントを打たないと、人が流れてこないのもあったと思いますが、あの「べスタクス」にしては、かなり頑張ったと思うお店でした!

 なお、流石にブームは長期に続かなかったので、2年後の2003年7月には、246沿いの側道沿いに店舗を移転し、ここでも十分広いフロアーで営業してて、ここも良く通いましたね~
 場所はかなり悪いところでしたが、本社のある三軒茶屋からほぼ直線でイケるので、営業コスト面での移転先だったと思いますが、移転先では「DJスクール」なんかもやってたり、ベスタが満を持して投入したレコード盤製作装置VCR-2000でレコード盤を作るサービスなんかもやってて、結構頑張っていましたね!

 また、渋谷南口の店舗は「PACO」という屋号のまま、DJ機材の中古販売やレンタルサービスのお店として運営してたと思います・・・


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『Paco~Vestax to the Core 通販カタログ』

 そして、店舗を通して販売業をしてた関係から、DJ機材の「通販」もかなり手広くやっていて、店舗運営と並行して、このような通販カタログを製作し、地方の方などからの注文を受けていたようです。

 DJ機材も含め、レコードを始めとする「DJに関わる商品」は、過去も現在も大変ニッチな存在であることは変わりなく、需要が少ない地方になると、流石にお店が成立しないことが多く、地方の方は過去から通販を利用されてた方は多いかと思います。

 それこそ、レコードであれば、同時期に「Manhattan Records」「DMR」なんかは手広く通販カタログを発行し、地方からの需要に応えていましたね・・・
 そして、DJ機材においては、割と古い時代から通販が活用されていたと記憶しています・・・DJ関連の音楽誌なんかでは、機材の通販が出来る楽器店等の広告が載ることが多く、その辺を足がかりに購入した方も多いかと思います。

 その中で、このベスタの通販カタログは、流石のベスタらしい幅広い品ぞろえ、詳しい商品説明で流石です・・・

 まあ、ベスタ直営なので、どうしても「ベスタ推し」になるようで、タンテであればテクニクスが最後に紹介される感じがありつつも、海外メーカー商品やPA系機材も充実で、かなり幅広い品揃えですね!

 なお、ココぐらいでしか書けなさそうなので、書いちゃいますが、ベスタは海外メーカーのDJ機材/備品の輸入業も実はやっていた時期もあり、一時期はアメリカの総合DJ機材メーカーであるNumarkや、レコード針でお馴染みのSHUREなんかの総輸入販売元をやっていました・・・この辺はコロコロと変わるので、予備知識程度に覚えててください・・・


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『ベスタクス本社(世田谷区若林)』

 んで、店舗という範疇だと、ここも入るのでしょうか?

 東京の世田谷・三軒茶屋の奥、ちょうど環七と世田谷通りがぶつかる若林交差点にベスタの本社があり、ここの1階が店舗兼ショールームになっており、こちらを利用されてた方もおられると思います。
 今まで、何人かには通じましたが、同世代のBな輩で、大人になって真面目に就職し、営業車などで環七を走ってると、突然見慣れたベスタのマークが見えてビビった・・・というぐらい、結構目立つ所に本社はあり、世田谷区民にはお馴染みかもしれません??

 私自身としては、5年くらい前に、使ってたミキサー(PMC-05PRO MK3)が私の不注意でヒューズを飛ばしてしまい、修理がお願いできないかと思い、電話で相談したら持ち込みでも対応頂けるとのことで、この本社に伺ったことがあります・・・写真は、その時の写真です。
 一応、顛末的には「この記事」になりますが、ほんと、スタッフの方の親切な対応に感服するばかりで、迅速かつ丁寧に修理対応を頂いたことが記憶に残っています。

 この話も書かないといけないことで、国内で自社ブランドを企画・設計・製造(一部海外)・販売を行っているだけあって、ベスタの「修理対応能力」は異常に高いことも有名でした!

 それこそ、店舗であるPacoやVestax to the Coreでも修理は受けてくれたようで、自社製品だったら直せないものがないぐらいの勢いで直してくれたと思います。
 特に、私が印象的だったのは、修理に持ち込みをした時点で、自社の製品を愛用していることを喜んでくれ、これからも長く使ってくださいね的な対応だったことは凄い嬉しかったし、ベスタらしいな~と思いました。

 今であれば、修理という作業自体がメーカーとしてはコストがかかる作業なので、下手したら保証期間であれば新品交換しかしないというメーカーも多い中、自社の製品を「長く使ってもらうこと」を念頭にしている点は、ベスタが「お客さんに向かって商いをしていた」ことになり、ホント素敵だと思いました。

 



(5)まとめ

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 いや~、書きましたね・・・

 別館という位置付けでしたが、よくもこんなに書いたものです・・・改めて、私は「ベスタが好き」なんですね!!

 一応、今回の記事においては、あくまでも「DJ機材のカタログ」を通して、色々なメーカーの機材を語ろうと言うことだったので、本編ではベスタの魅力のみしか書きませんでしたが・・・こちらは、書いている内に思い出したり、脇道にそれることが多く、作業が嬉し涙でした(^0^)

 繰り返しますが、残念ながらベスタクスは2014年12月をもって、正式に会社組織がなくなり、今は存在しない会社になります。
 
 そのため、新しい商品は作られないですし、修理の受け付けもできません・・・

 ただ、ただ・・・これまでにベスタが作り続けた機材達は、もはや「遺産」だと思います・・・

 それは、使いやすさだったり、音質だったり、品質だったり・・・私としては、どんなに時間が流れても、その絶対的な「価値」が変わらないDJ機材であると信じているからこそ、残った機材達は「遺産」だと思っています・・・

 これは皆さんへのお願いにもなるのかもしれませんが、ベスタクスが作り出した機材が、永遠に使い続けられることを切に願いたいと思います!!

 ベスタクス様、ありがとうございました!!













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オマケのカタログ(?)

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 最後は・・・カタログじゃないけど、もう、ベスタさんがアレなので、紹介が出来るかな~と思い、初公開の「秘蔵品」です(^^;)

 え~、コノ謎の紙達は、なんと、私が大学時代に就職活動をした際、ベスタクスから提示された「ベスタクスの入社試験&面接に関わる書類」になります!!

 もー、こんなのを持っているとは!と腰を抜かす人もいるでしょう・・・ベスタクスに就職したいと思うぐらい、ベスタが好きだったようです(^^;)

 まあ、どちらかというと、そこまではベスタに入れ込んでいた訳ではなく、何となく自分を生かせるかな~と思い、入社にトライしてみた次第です・・・・

 私自身は大学3~4年時に就職活動には前向きではなく、もう少し勉強をしたい(=大学院に進む)と思っていたので、就職活動をしたのが遅く、就職に対してビジョンがないまま、就職活動をしてた記憶があります。
 それこそ、周りの仲間が、突然リクルートスーツになって、将来に向かって計画的に行動している姿を見て、焦ってしまい、迷いながらの就職活動でした・・・そういう感じだったので、ビジョンがないままベスタにも応募をし、筆記試験は通りましたが、面接ではこちらのビジョンを見透かされたのか、そこでご縁がなかった感じです・・・

 一応、その時のベスタの状況もいれておくと、2002年ごろですが、入社希望者は結構いて、結構熱意がありそうな方が入社試験を受けてたかな~と思います。
 また、ベスタ側で対応頂いた社員の方も、普通にしっかりとしている方が多く、普段、渋谷のレコ屋とかでウダウダしている自分では無理だな~とも思いました・・・


 まあ、ベスタクスも普通の会社だったということが分かればと思い、掲載しました・・・

 なお、その後ですが、やっぱり明確なビジョンがないまま就職活動をし、適当に入社をした会社も、長続きはしなく、1年近くで辞めてしまい、少しの充電期間を経ながら、今の会社に就職し、立派にこき使われている(?)私がいます・・・(^^;)
 もし、私がベスタに入ってたら、どうしてたんですかね・・・多分、営業とかやって、必死に自社商品を売り込んでいたのかな・・・ちょっと想像がつかないです(^^;)






 
素晴らしき「DJ機材カタログ」の世界 別館③ AKAI(アカイ)
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この記事は、トラック機材メーカー「AKAI Professional(アカイ)」について、以下の記事において書ききれなかった内容を紹介する記事になります。以下の記事と合わせてお楽しみください。

   素晴らしき「DJ機材カタログ」の世界





●歴代のアカイ機材 カタログ一覧
 ※掲載順は順不同ですが、なんとなくリリース順+関連みたいな感じで掲載しています。

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『S2000/S3000XL/S3200XL』 1997年??

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『MPC3000』 1994年

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『MPC3000 Limited Edition』 1999年 再発モデル

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『MPC2000』 1997年

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『MPC2000XL」 1999年 
 ※パッドに対するバンクキー等が追加された

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『MPC4000』 2002年

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『MPC1000』 2003年

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『MPC2500』 2005年

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『MPC500』 2006年

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『MPD16』 2002年
 ※PC接続用パッド

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『MPD24』 2006年
 ※PC接続用パッド



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『ボイスチェンジャー?? Duo Buddy』 2002年
※マイクラインを接続し、通過した歌声にユニゾンやハーモニーをかけるそうです??
※フッドスイッチ式
※アカイは、稀に謎の機材を作ってましたね・・・変なDJミキサーもあったような気がします??



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●オマケ 他社の似たようなサンプラー

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『Roland MV-8000』 2003年
※Rolandもアカイライクな商品を出してました・・・ただ、結構評価は高かったような気がします。

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『Roland MC-909』 2002年
※MCシリーズの上位機種で、サンプリング機能が内蔵

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『Roland MC-09』 2002年
※MCシリーズの後続だが、カタログが本体の形を型どっていてカッコいい!

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『Boss SP-505』 2002年
※SPシリーズの上位機種、2002年は当たり年なんでしょうか?



三木祐司 「アングラミュージアム #1」
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 特に意識をしている訳ではないのですが、ここ最近のテーマは「90年代末~00年代初期」の音楽にまつわる内容が多いですね・・・

 変な話、私としては「当時の新譜」という括りになるのですが、その当時のHipHopだったりR&Bだったり・・・その他のジャンルを含む、あの時代の楽曲が一回りして耳に突然入ってくるようになりました。

 まあ、好みの問題もあるので、全てが受け入れられる内容ではないのですが、当時と比べて、知識も経験も増え、そしてバイアスがかかってない耳で聴いているので、当時よりも理解度が高まったのが大きいのかも??
 ただ、結果的にレコを探す対象が増えるので、それはそれで嬉しい悲鳴・・・興味が尽きないのはイイことだと思いますが、段々と音楽の趣味が収拾がつかない(=人に説明出来ない?)のはちょっと問題です(^^;)

 そんな訳で、当時の新譜をカッコよくプレイしている作品の紹介です!!


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 今回は、当時、レコードでHipHopを追ってた方なら「おおっ、懐かしい!」や「聴いた、聴いた!」って方が多いと思う三木祐司さんの作品を紹介します!

 まず、三木さんは初めての紹介なので、バイオ的な話からしたいと思います。

 三木さんは徳島出身のDJで、私と同世代(1980年生まれ)のお方です・・・情報によると、18歳で上京し、東京を中心に活動されてた方で、現在は地元の徳島に戻り、音楽アイテムと洋服を扱うお店を経営しつつ、DJ活動も行っているようです。
 一時期は、あのサイプレス上野さんを擁するZZ Productionsで活動をしてて、東京~横浜周辺でDJ活動を頻繁に行ってて、よくパーティーのフライヤーでもお名前は拝見していました・・・この漢字表記のDJネームは、目立ちますからね(^^;)

 そして、三木さんを有名にしたのが、写真の「ミックステープ」ではないでしょうか?

 三木さん自体、かなり面白い経歴があり、DJ Komoriさんの活躍でお馴染みの「Sugar Bitz」が主催した公開オーディションなるもので唯一の合格者となり、実際にSugar Bitzからミックステープをリリースしたそうで、ミックステープで名を上げたことで有名です。

 当時からミックステープにはアンテナを張ってはいましたが、このオーディションがあったことは記憶にありません・・・ただ、三木さんのテープはSugar Bitzからのリリース、そしてDMRを始めとするレコ屋さんからの熱いプッシュがあり、ニューカマーにしてはかなり売れていた記憶があります。
 変な話、これらのミックステープが名刺代わりになり、DJ活動に拍車をかけた感はあり、一時期は色々なイベントに出ていたな~と記憶しています・・・やっぱり、そのDJのスキルだったり選曲だったりを知らせる手段としてミックステープがあり、名の知れないDJでも内容が良ければ評価される好例になっていますね!

 なお、テープについては、Sugar Bitzからは「アングラミュージアム」というタイトルで2本、その後、自主レーベル(A.I.T.F. Records)から「ワンダーグラウンド」というタイトルで4本をリリースしています。
 
 そんな訳で、Sugar Bitzからのデビュー作である「アングラミュージアム」の第1段で作品を紹介します!!


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 こちらの写真も、レコ写を見て「懐かしい!」と思う方もいるかもしれないですね~

 まず、選曲面からお話すると、タイトルに「アングラ」とあるので、ガチガチのソッチ系HipHopのミックスと思われがちですが、リリース時の2003年ごろの新譜を中心に、かなり幅が広いHipHop~Breakbeatsを中心に選曲しています・・・

 三木さん自体、ジャンルを超えて、かなり幅の広い選曲が出来る方のようで、この「アングラ」も、どちらかというとメインストリームなHipHopではない楽曲が中心という意味でつけたのかもしれませんね?
 それこそ、当時は既に中毒だったUlticut Up'sの関連としてリリースしてた「Abnormal Yellow Band / Blow Your Whistle - dodekahorn dub」のようなカットアップ~メガミックス系のHipHop、ノリが大変良い「A Skillz & Krafts Kuts / Tricka Technology」のような海外のマイナーHipHop、そしてトトロネタでお馴染みの「DJ NOZAWA / Memory of the Future」のようなアングラヒット曲や、故Nujabesさんのセンスが冴えた「Nujabes / The Final View」のようなJazzy HipHopなどを選曲しています。

 まあ、私としては凄い分かりやすいと思う表現として「DMRがプッシュしてたHipHop」ですかね・・・AYBとNozawaさんは、当時、普通にDMRで買ったので値札がまだ付いてますね(^^^;)

 DMRについては、なんらかんら言って「もの凄く重要なレコード屋さん」だったと思います。

 それは、三木さんの選曲にも表れているように、名の知れないアーティストでもイイ曲であればプッシュしている姿勢があり、その上でその良さを分かりやすく提示していたと思います・・・今のHMVにあった時の店舗では、とにかく商品を取りやすいディスプレイだったり、視聴をしやすい状況にしたり、自分たちが伝えたい「良さ」を出す為の努力があったからだと思います。
 その一端として「DMRの通販リスト」があったりした訳ですが、なんか、三木さんもその良さを享受してDJ活動に勤しんでたのかな~と思いました・・・なお、その流れがあってなのか、三木さんのテープは、DMRではかなりプッシュしてました!

 そして、ミックスの話に進めると・・・かなり上手いです!

 まず、三木さんについては、関西を中心に活動をしてたスクラッチ系DJクルー「T-SKRABBLE DJ'S」にも所属してたお方なので、スクラッチなどの技は長けており、このテープでも派手ではないものの、作品の一つの魅力になっていると思います。
 それこそ、プレイした曲を光らす為に、サラッと2枚使いを入れてくる感じで、A面一曲目でプレイされる「Abnormal Yellow Band / Blow Your Whistle - dodekahorn dub」では、ノリの良さをキープしつつ、躍動感を増やす2枚使いが印象的です。

 そして、そのAYBの曲からは、カットインで「A Skillz & Krafts Kuts / Tricka Technology」に繋いでいくのですが、ノリをキープしてグルーブを繋いでいくプレイが結構上手いと思いました!
 選曲の傾向的にはノリの良い曲と、Jazzy系のディープな曲に分かれるのですが、それぞれの良さを繋いでいくミックスを施しており、選曲のグルーブも大変気持ちいい内容になっています。

 また、明確なストーリー性はないものの、印象的な曲(ピーク曲)のプレイの仕方も大変上手く、「DJ NOZAWA / Memory of the Future」であればトトロネタの部分がすぐにプレイされるように計算してショートミックスをしてきたり、「Nujabes / The Final View」であれば、その前段で徐々にグルーブを落とした上でNujabesさんにコマを進めたり・・・個人的には大好きなプレイの仕方です(^0^)
 まあ、これで起承転結のようなストーリーも入っていればパーフェクトでしたかね・・・選曲が選曲だけに、聴き方によっては地味な展開と囚われちゃう部分もあったので、もっとガッツリくるピークがあれば良かったかな??



 そんな訳で、選曲もミックスもかなり良い作品です!

 正直に書くと、当時はスルーしてたテープで、今回の記事を作成するにあたって真面目に聴いてみましたが、当時、聴いてたら絶対に影響は受けたな~と思いました(^0^)

 特に、今回の記事の一番伝えたい部分になるのかもしれないですが、この時代の「楽曲の良さ」を分かりやすく選曲・プレイしている点が秀逸ですね・・・こういったマイナー系のも、ちゃんと聴くと凄くイイ曲が多いと思います!
 おかげさまでNujabesさんのはつい近所のユニオンで買ってしまいましたが、他にも物色しないといけないレコが多数・・・ほんと、ミックステープを聞いた人に対してプレイされた曲を欲しがるようにできるDJは、DJが上手い証拠です!!
  
 最後に、入手的な話を入れておくと、当時、かなりヒットしたテープなので、割と簡単に買えるテープだと思います・・・私と同世代の方は、昔を懐かしむのに最適な部分もあるし、当時を知らない方は、当時の楽曲のカッコ良さを知る上では最良の作品だと思いますので、是非、探してみてくださいね!!



<Release Date>
Artists / Title : 三木祐司 「アングラミュージアム #1」
Genre : HipHop、Breakbeats・・・
Release : 2003年8月
Lebel : Sugar Bitz ST-079





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<独り言>
 特に、大きな独り言(?)は今週はありませんでしたが、週の途中でアナウンスがあった「MUROさんによるアニメ・特撮ミックス」には思わず声を上げてしまいました!
 気づいたら情報元が消えていて、リンクは貼れませんが、あのコロンビアレーベルからのオフィシャルらしく、これは快挙ですね・・・凄い楽しみです!!

 なんか、Danny大先生によるSalsoulミックスも超楽しみですが、今年はオフィシャルミックスが面白く、それも「発売が楽しみ」という感じのが多いですかね・・・

 なかなか、こういったミックスCDが売れにくい環境(ネットでタダで聴けたり・・・)の中、こうやって「欲しい!」や「楽しみ!」と思わせることって、実は結構難しい事だと思います・・・
 ただ、そういった中で、みんながビックリすることを仕掛けることは「プロ」だから出来ることだし、むしろ「プロ」こそ見せて欲しい部分になるかな~とも思います・・・そう考えると、今回のMUROさんの件は本当に素晴らしく、グッときます!!

 そろそろ、年末の大賞の事を考えないといけませんが、今年は直前エントリー→大賞確定で、レコを揃えるのが大変になりそうな予感もしています・・・こっちも頑張ります(^^;)