HipHop,R&B,Soul,Funk,RareGroove,DanceClassics,Garage,House・・・など、私が気に入っているMixTape,MixCD,その他もろもろを紹介するブログです。
D.L & DJ Muta 「Official Bootleg Mix-CD "ILLDWELLERS" g.k.a ILLMATIC BUDDHA MC'S」
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 え~、東京はやっと梅雨明けをしましたが、その瞬間から暑い毎日で疲労困憊・・・う~ん、やっと夏になってくれたのは嬉しいのですが、やっぱり暑いとアレですね(^^;)

 そんなわけで、やや夏バテ気味だったので、サクッと紹介出来そうな作品をチョイス・・・この季節とはあまり関係が無いですが、今回はヒットしたこの作品を紹介しましょう!


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 今回は、故Dev Largeさんが企画し、DJ MutaさんがBuddha関連の楽曲をDJミックスした作品を紹介します!

 数年前にリリースされた作品なので、まだご記憶にある方も多いかもしれませんが、リリースに至って経緯を紹介しておきましょう・・・

 まず、この作品は、ある意味で上の写真のミックスCD「DJ Shiba / Enter Da 96 Buddha」触発されて企画された作品になります。

 このDJ ShibaというDJは、詳細が一切分からないお方ですが、こちらの作品は2009年3月に自主でリリースされ、タイトルにも記載があるとおり、日本において、ラップやHipHopの素晴らしさとイルな姿勢を広めたラップグループ「Buddha Brand」関連の曲をまとめ、DJミックスを施した作品になります。
 選曲的にはBuddhaの楽曲に加え、メンバーのソロ楽曲や客演楽曲も網羅し、ラジオ風なコラージュや、元ネタ曲などを挟むなど、割と凝った作りにはなっており・・・作ったShibaさんのBuddhaへのリスペクトがある程度は出た内容になっているかと思います。

 しかし、Buddhaの親方であるDev Largeさんがこの作品の存在を知り、この作品が「Buddhaのオフィシャルミックス」みたく流通していることに対応するべくして制作したのが「Official Bootleg Mix-CD」になります。

 Dev Largeさんのブログ等の情報を辿ると、元々は日本語ラップを熱心にプレイしていた「DJ DR.JEKILL(DJ ジキル)」さんが、出来の悪い変なブッダのMIX-CD(=Shibaさんの作品)が半ばオフィシャルな状態で勝手に出されてることをDev Largeさんに報告し、このことをきっかけにDev Largeさんが制作に乗り出した流れがあるようです。

 私も当時、すぐにはShibaさんのCDは買いませんでしたが、日本語ラップの神様的存在のBuddhaの楽曲がDJミックスされた作品だったので、日本語ラップファンを中心に売れていて、ある意味で「公然」の作品だったと思います。
 まあ、Dev Largeさんに断りなしに作ってた部分もあるようですが、Dev Largeさんとしては、これが「Buddhaのミックス作品」みたいな位置づけで流通しているのが耐えられなかったんでしょうね・・・当時のDev Largeさんからは「ファンが偽物を買わされないために」という発言もあり、自分の子供ともいえるBuddhaの曲をしっかりとした形で残したかったんでしょうね・・・

 そして、本当はジキルさんのDJで作る予定が出来なくなりBuddhaのメンバーであるCQさんへ相談したところ、当時はJUSWANNAのバックDJをしていたDJ Mutaさんを紹介され、結果的にDev Largeさんが選曲、DJをMUTAさんが行うという体制で今回紹介するミックス作品が制作されました。
 今となってはMUTAさんは、Buddhaグループの準メンバーになるぐらいに活躍をしていますが、若い感性に任せてDJミックスをしたらどうなるかも含めてMUTAさんに依頼をしたようですね・・・人選は間違えなしでしょう!

 では、作品の紹介です!


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 まずは選曲面の紹介ですが、往年のBuddhaクラシックに加え、関連曲や客演曲を深く掘り下げた感じで、Buddhaの良さを知る上では分かりやすい内容になっています!

 それこそ、Shakkazombieとタッグを組んだ名曲「大神 / 大怪我」のような代表作であったり、Lunch Time Speaxを招いた「Buddha Brand / Don't Test Da Master」のようなドープな楽曲、そして「Buddha Brand / Krush Groove 4」のような渋い曲など、選曲面は流石です。
 共演曲系がレコの手持ちが無い(昔は全部買ってたけどな~)のでアレですが、ヒット曲も渋い曲も網羅している感じで、エンディングではクラシック中のクラシック「Buddha Brand / 人間発電所」を選曲するなど、Buddha Brandの世界感を上手く表現しているな~と思います。

 そして、DJミックスの方はMutaさんのプレイが光っており、楽曲の良さを引き出しています。

 この作品では、方向性として「ラップ」をしっかりと聴かせることを意識した構成になっており、ハードな2枚使いなどはあまりないのですが、そのラップを目立たさせる2枚が多く、かなり良いですね!

 BuddhaのMC勢であるDev Large、CQ、Nippsとも、ライム巧者でありながら、誰にも真似できないド変態ライムが多いので、即死なパンチラインが多い中で、「これは!」というラインは1回だけ2枚を入れて強調しているのが上手いですね!
 また、この2枚の延長として、違う曲だけど同じパンチラインを入れている所は、そこで2枚使いをして次の曲にスイッチするなど小技もイイですね・・・この辺は、割とパンチラインを使いまわすNippsの部分で上手く活用をしていましたかね?

 ただ、ただ・・・私としては、この作品が「Buddha BrandなりDev Largeという音楽か?」と問われると、100点満点で「そうです」とは言い切れない・・・です。

 まず、この作品が、しっかりと権利をとったメジャー作品であることは価値がありますが、あまりにも客演曲などを入れていてブレてしまった部分があるかと思います。
 作品の方向性として「ラップ」を中心に選曲をしたため、言葉が悪いですが、Dev LargeやCQ、そしてNippsが客演した曲なら何でも入れてしまった感があり、全体的に「Buddha Brand」という世界観がまとまらなかったように思えます・・・
 また、DJミックスを施した上での全体的な流れやストーリー性があまり良い流れではなく、最後の人間発電所で感動的なフィナーレを考えていたのかもしれないですが、中途半端に終わってしまった感があります。

 変な話、Shibaさんが作った作品と選曲やミックスの方向性が大差がなく、むしろかなり似ている作りで・・・変な話、もっとイイ作品が作れたのではないか?と思ってしまうほどです・・・

 これは、今は天国でお休みになられているDev Largeさんに対して苦言を呈する形になりますが・・・Buddha Brandという音楽を作った本人が選曲するのではなく、Buddha Brandという音楽を聴いて影響を受けた人が選曲とDJミックスをすべきだったのかもしれません。

 それは、私もそうですが、その音楽が好きで、その音楽を使って素晴らしい作品を作ろうという「リスペクト」や「愛」があるからこそ、ミックス作品に「価値」が生まれると思うからです・・・
 残念ながら、この作品では、その音楽を聴いて影響を受けた人が持っている「リスペクト」や「愛」がなく、ミックス作品として「魂」がない感じになってしまっている・・・と思いました。


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 最後に私の希望です・・・

 Dev Largeさんがお亡くなりになられた今だからこそ、しっかりとした形で「Dev Large」という音楽を、Dev Largeさんに対してリスペクトを込めこんで、ミックス作品という形で作品化しても良いのかもしれませんね・・・
 特に、この作品では「Dev Largeが作ったインスト・トラック」の素晴らしさが抜け落ちている感じがあるので、この辺を混ぜて作ったら面白いな~と思います!

 なんか、上手く説明ができなかったので、最後は別の方向の話になっちゃいましたが、決してマイナス評価ではない作品なので、気になる方は聴いてみてね!




<Release Date>
Artists / Title : D.L & DJ Muta 「Official Bootleg Mix-CD "ILLDWELLERS" g.k.a ILLMATIC BUDDHA MC'S」
Genre : Hip Hop、日本語ラップ・・・
Release : 2011年1月
Lebel : Cutting Edge CTCR-14702

Notice : 今回の作品紹介での表記について

 まず、作品タイトルとアーティスト表記が分かりづらかったので、アーティストは選曲者の「D.L」とDJミックス担当の「DJ Muta」を対象者にして、タイトルからD.LとMutaの表記がある部分を抜いたのを作品タイトルにしました。
 そして、BuddhaやDev Largeは、変名やakaが多すぎるので、紹介ではなるべく「Buddha Brand」と「Dev Lage」という表記を優先しました。特に、私としては、DLという表記よりも「Dev Large」という表記の方が大切だと思っているので、そのように表記しました。

 あと、レコ写も含めての話ですが、このCDでは、大怪我は「Ill Joint Stankbox Mix」から「3000版」に繋いでいたり、発電所は「Classic Mix」でプレイしているようですが、この辺を書いたりすると説明が分かりづらいので、どのミックスを使ったかの話と、それに連動したレコ写は掲載しませんでした。

 なお、発電所が「ふ~ん、1stプレスじゃないんだ~」という突っこみは不要です(笑) 
 私のBuddhaのレコード遍歴は「Funky Medhodist(1996年3月)」からで、そこからはオンタイムでした・・・この辺の流れを共有していた同世代なら分かるかと思いますが、大半のBuddhaのファンは、発電所や大怪我以降に影響を受けてて、どんなに発電所や大怪我のレコードが欲しくても、値段が高すぎで指をくわえていたんですよ・・・
 値段でいけば1万円前後ぐらいの相場でしたが、高校生には手が出ませんでした・・・喉から手が出るほど欲しかったけど、買えませんでした・・・そういった思いがあるので、逆に1stや2ndプレスにこだわりがなく、むしろ、このレコを買ったときに「俺も大人になったな~」と思ったりしました(^^;)





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<独り言>

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 え~、あまりブログでは書いていないかもしれないですが、今年は「ミックスCD」を結構買っており、かつ内容が凄くイイのが多く、日々の生活に潤いを頂いております・・・

 そんな中、今週末は我らのMUROさんが「Elegant Funk」の新作をメジャーでリリース、それもCDとテープを同時に出すとあって、狂喜乱舞をしながら購入しました(^0^)
 また、これも楽しみにしていた、Danny Krivit大先生の新作ミックスで、Discoファンには外せない「TK Records」音源でのミックス作品も同時購入です!

 んで、この2作品、もー、素晴らしすぎますね!

 残念ながら、結果的には、両作品とも素人向けではなく、かなり音楽知識が無い人でないと厳しい感じでしたが・・・色々と素晴らしくって、早速、ヘビーローテーション中です!!

 まず、MUROさんもDannyも、定番を一切選曲してなく、全然知られていない曲や意外な曲を選曲してて、ヤラれます・・・

 MUROさんの方は、Elektra/Atlantic/WannerといったDisco~Boogieでは本丸と言っても過言ではないレーベル音源での選曲になりますが、もー知らない曲のオンパレードで、流石の掘りの深さです・・・サラッと吉田美奈子さんの曲の使用(正確に書くと、松岡直也さんのアレですね~)もそうですが、あまり知られていない曲で世界観を固めてくるのが素晴らしいですね!

 そして、Dannyもそうで、直球なTK曲は避け、傍系レーベルを中心にDKエディットを施して選曲です・・・TKらしいトロピカルな印象を避け、Deepかつバレアリックな雰囲気で進めていく感じが素晴らしいです!!

 私が言うのはなんですが、今のミックス作品業界では、インディーよりも「メジャー」の方が素晴らしい作品が多いと思います!

 なんでしょう、メジャーでやるからこそ、しっかりと選曲をして「世界観」を作っている部分があり・・・DJが手抜きせずにDJミックスを作る場になってきたな~と思っています!
 
 今年も半分過ぎましたが、これからも面白いミックス作品が出ることが楽しみですね~

 なお、MUROさんのDiggin' IceのLPは・・・脳内会議の結果、テープ馬鹿なので「購入せず」になりました・・・
 まあ、なんかの拍子に買っちゃったりするのかもしれないですが、Diggin' Iceの96は「テープで聴くから価値がある」と信じて疑わないので、今回はMUROさんにはゴメンナサイです・・・あと、最近の新品レコ相場が高すぎるのもアレですね~


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 んで、もう一つ報告です・・・

 今年も、毎年恒例の「京都、大阪、神戸+名古屋 レコードの旅」を開催することにしました!

 毎年毎年、この時期になると迷っていますが、毎年恒例の言い訳である「仕事を頑張ったご褒美」という名目で行くことにしましたよ・・・

 実際には、今日、決めたのですが、都知事選の選挙に行く途中に、近所の空き地から見えた夏の空を見てたら、どうしても関西に行きたくなってしまい、とりあえず宿は押さえちゃいました・・・
 宿がビックリするほど高くはなかったのも大きい(昨年が高かったのはバブルなんでしょうね~)のですが、京都の鴨川から見える夏の空が待ち遠しいです・・・

 という訳で、お盆前後でまたお邪魔しますので、関西方面と名古屋地区の皆さまにはお世話になります・・・
 さりげなく、ミックステープ等を店頭に置いて頂くと、30半ばのオッサンが必死になって近づいてきますので、ご配慮をお願いいたします(^^;)

 では、今週も頑張りましょう!!




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山下達郎 「Come Along」
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 今週は、ここ最近、毎年恒例になっている「夏の和物テープ」の紹介です!

 この作品に関しては、結構探してたブツで、先月、やっと下北のユニオンで購入できました・・・そして、聴いてみたら、完全に「ミックステープ」な名作で、今月のヘビーローテーションでしたよ(^0^)



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 今回は、あの山下達郎さんの楽曲を、小林克也さんのラジオDJ調なトークを交えながらノンストップミックスをした作品である「Come Along」を紹介します!

 これまで、昨年はOmega TribeのDJテープ、3年前には「波の数だけ抱きしめて」のサントラを紹介するなど、ミックステープではない和物のテープアルバム等で「ミックステープ的に楽しめる」作品を中心に何度か紹介をしましたね・・・
 その流れを汲んでの紹介になりますが・・・今回の達郎さんの作品も、いわゆる「ラジオDJ風」な作風になっており、もう「DJミックス」と言っても差し支えがない内容で、胸を張って「ミックステープ」と言える作品かもしれません!

 まず、このテープ版は、よほどの達郎マニアでないと知らないかもしれないので、このテープがリリースされた経緯をWikiの情報などを用いて紹介します。

 このテープは、元々、達郎さんの4枚目のシングル「愛を描いて -LET'S KISS THE SUN-」(1979年夏)がリリースされた際に、レコード店の店内演奏用のプロモとして作られたLP(画像上)の音源を、テープとして正式にリリースをしたものになります。
 該当LPは、テープと同じ内容で、達郎さんの1st~3rd/4thアルバムからの楽曲を用いて、達郎楽曲を表する名キャッチフレーズ「夏だ! 海だ! タツローだ!」を表すような内容になっており、達郎さんの曲を広くアピールする目的で作らたものになります。

 そして、このプロモLPは、多くのお店の店頭でプレイしたことで、このミックスを聴いたお客さんから問い合わせや作品化の要望があり、1980年3月にテープのみで正規に作品化されました・・・

 ただ、このテープでの正規作品化までには紆余曲折があり、それ以降も厄介な事情があったりした作品になります。

 元々、初出のプロモLP自体は、当時のレコード会社の方が企画して作られたようで、人気があったのでレコード会社としては正式なLPで出したかったところ、達郎さんとしては、この作品を自分の作品として認めたくなかった部分があり・・・結果的に「テープだけ」で正規版はリリースされました。

 後年になり、達郎さんからは「自分の音楽は単なるBGMではないというトンガリは、若さゆえのツッパリも確かにあったでしょうが、(省略)美学やこだわりなしには正面切った活動などとても貫徹できなかったのです」とコメントがあり、いわゆる「若気の至り」があって作品化を拒んでいた部分があり、妥協点として当時としてもニッチな存在だった「テープ」になったようです・・・


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 ただ、この作品、実際は「テープ」が正規なのですが、この画像のLPも存在しています・・・こっちの方が有名かもしれないですね!

 このLPは、達郎さんが1982年までに属していたRVC/AIRが、1984年に達郎さんの意思とは別に勝手に作ったLPで、達郎さんのバイオの中では「非正規作品」になる作品です。
 
 当時としては、かなり内容が良かったことから、結構売れた作品になり、達郎さんのノンストップミックスというと、こっちのLPを思い出す方が多いかもしれないですね。
 その後には、この第2段が作られたり、CD化されたり・・・アーティストとレコード会社との権利関係の難しさを抱えながら、人気が故にプレスされ続けた作品になるようです?
 
 なお、2002年に、達郎さんの過去の作品がリマスターされて再発された際、この「Come Along」も達郎さんが「正規」と認め、発売時の特典としてCD作品化されました・・・


 作品紹介をする前に、外堀から紹介をしていきましたが、こんな経緯がある作品になります・・・かなり「いわくつき」な作品なんですね・・・

 ただ、この外堀の紹介は、この作品のラディカルな部分を紹介するために紹介した訳ではありません・・・

 むしろ、達郎さんを含め、日本の音楽界で「DJミックス」が黎明期だった例を紹介したかったからになります!

 私の知る限りでは、この作品がきっかけで「DJミックス(選曲)」をした作品が出回るようになったと言われており、日本の音楽界では結構重要な作品だと思います・・・

 実際に、こういった既存の曲をコンピレーション形式なりDJミックスにした作品が劇的に増えていった訳ではないですが、この作品以降は徐々に増えていき、気付いたらレコード会社も、アーティストも割と寛容に作っていた流れがあると思います。
 この辺の話は、今回の「おまけ」に当たる部分で断片的に紹介をしますが、その楽曲を作ったアーティストではない人が、ある意思やアイデアの元で「選曲」や「DJミックス」することで作られた作品・・・私の言葉であれば「ミックステープ」徐々にリスナーにも、そしてレコード会社やアーティストに浸透していった流れがあると思います・・・

 この限りで説明すると、この達郎さんのテープは、リスナー側の要望を、レコード会社は素直に受けていたけど、達郎さんには大変失礼ですが「アーティスト側が受け入れなかった」事実があり・・・ただ、実際にリリースしたら、リスナー側からは「大きな支持」があったという事実があったのでしょう。

 おりしも、80年代に入ると、ウォークマンの浸透だったり、車で音楽を楽しんだり・・・家のステレオの前に座って音楽を楽しむことから、リスナー側が自分の好みと雰囲気に合わせて音楽を楽しむ時代に入りました・・・
 つまり、音楽を楽しむ「リスナー側」に立って音楽を作る時代を意味し、そのリスナー側の需要を受けて、徐々に胎動し始めたのがDJミックスだったり、選曲をしたコンピレーションだったり・・・私の言う「ミックステープ」になるのだと思います!

 なんか外堀の説明の割には、最後は論旨がまとまらなかったですが、今回の達郎さんのテープは、日本における「ミックステープ」という存在の、一番最初のエポックメイクだったのかもしれませんね??

 では、そろそろ、作品紹介にいってみましょう!


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 まず、収録曲としては、達郎さんのキャリアにおける「70年代の初期作品」を中心に選曲され、かなり素敵な内容になっています。

 実際の選曲では、上記の1作目「Circus Town」、2作目「Spacy」、3作目「GO AHEAD!」の楽曲を中心に選曲された内容で、この音源が出回った後にリリースされた4作目「Moonglow」からは先行シングル曲「愛を描いて」が収録されています。
 そして、内容的にはA面は「Dancing Side」としてDiscoを意識したアップな曲を中心にした選曲、B面では「KIKI Station Side」としてハワイのFM曲をイメージしてグルービーな曲を中心に選曲しています。

 まず、選曲面を絡めて説明をしたいのが、あの「小林克也」さんが「おしゃべりDJ」として全編にわたって大活躍をしている点です!

 選曲の組み立て等はレコード会社側が考えた内容で、小林克也さんは、選曲と選曲の合間を、流暢な英語で繋いでいく感じですが・・・この作品を盛り立てる上で無くてはならない存在になっています!
 
 今となっては「英語がうまい眼鏡のおじさん」(すみません!)という認識かもしれないですが、日本の音楽界における小林克也さんの功績は大変大きく、影響を受けた方は多いですよね・・・
 特に「ラジオDJ」として、海外の楽曲を紹介する時の粋な英語での紹介が、そのプレイする曲に上手く乗せてくる所が秀逸で・・・非英語圏に生まれた日本において、英語の曲を「DJトーク」を使うことで分かりやすく紹介していた点は、ホント大切でしょう!

 この作品においても、選曲する達郎さんの曲に繋がるように、粋なイングリッシュトークを挟んで選曲を盛り上げており・・・これが素晴らしすぎます!

 A面では、達郎さんのダンサンブルな曲を中心に選曲されてて、一曲目は大名曲な「Bomber」から活発にスタートするのですが、スタートダッシュを克也さんの歯切れのよいトークで彩ってて最高です!
 また、B面ではFMのラジオ番組調にしているので、途中途中で中継やコールインなどの小ネタを挟みつつ、達郎さんのグルービーな楽曲を生かすために、落ち着いたトークで彩っているのが印象的です!

 今となっては「トーク」という行為は、いわゆる「DJ」の作法ではないという認識の方が強いと思います・・・ただ、私としては、そのトークは、DJがスクラッチをするのと同じで、楽曲を「彩るための行為」だと思います。
 何度もこのテープを聴いていると、達郎さんの曲だけど、最初に克也さんの口上が聴きたくなってしまうぐらい、楽曲を彩るトークを挟んでて、素晴らしいな~と思います。


 そして、この作品の選曲や構成は、恐らく当時のレコード会社の方が担当をされたのだと思いますが・・・これが素晴らしすぎますね!

 特に、B面では、ハワイのFM番組にみたて、夏の午後の気だるさを打ち消すように、達郎さんのグルービーな曲を選曲し、天然のクーラーみたいな選曲が上手いですね!
 それも、グッときたのが、MUROさんのDiggin' Iceでチョイスされた「Windy Lady」もしっかりと選曲・・・もー、ある意味、Diggin' Iceの概念が1979年の時点で理解した上で選曲されているような感じで、最高です!

 また、細かい部分も素敵で、達郎さんが当時から使い始めた多重録音のアカペラを選曲の合間に上手く挿入し、次の曲への橋渡しをするなど・・・達郎さんの「曲」を上手く活用してて、今の「DJ」にも通じるアイデアやプレイが多く、この辺も最高です!!


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 んで、まとめとして紹介したいのが、「夏」という切り口で「選曲」された達郎さんの楽曲が、こんなにも光り輝くとは思いませんでした!

 無論、どのアルバムも夏に聴くと最高な作品が多いですが・・・ある意味、DJ的な視点で、「夏」を「達郎さんの曲」で表現するとこんなにもイイ作品になるとは思いませんでした!

 夏の達郎さんというと、「Ride on Time」や「For You」ぐらいが本チャンになるので、この作品で選曲した曲は「夏の達郎」からすると少しパワー不足であったりはしますが、結果として達郎さんの曲で作った「Diggin' Ice」であることは間違えなく、これは鉄板ですね(^0^)

 そして、こういった「ミックステープ」の意匠を汲んだ作品なんだから、ここはやっぱり「テープ」で聴いてほしいです・・・これこそ「オリジナル・ミックステープ」ですよ!!

 このテープ版、今となっては結構入手するのが大変ですが、気になる方は是非探してみてね!

 あと、これは声を大にして言いたいです・・・このテープを聞いたからこそ、やっぱり実現して欲しいのが「MUROさんによる達郎さんミックス」ですね!
 MUROさんだったら、絶対に、達郎さんの良さを更に引き出す選曲とミックスが出来るはずです・・・今年の夏は難しいかもしれないですが、来年の夏には聴きたいですね(^0^)




<Release Date>
Artists / Title : 山下達郎 「Come Along」
Genre : J-Pop、Soul、Funk、Disco・・・
Release : 1980年3月
Lebel : Air Records ART-8003


Notice : 竹内まりやさんの参加
 作品のB面では、達郎さんの奥さんである「竹内まりや」さんが、得意の英語を生かしてちょこっと参加をしています。
 具体的には、克也さんのラジオ番組にコールイン(リスナーが電話をかけて好きな曲をかけてもらう)をする女子高生役等で出演されており、デビュー当時だったので、若々しい声で流暢な英語をしゃべられています。
 なお、この部分、Wikiによると、収録したスタジオの近くの喫茶店の公衆電話から電話をしたそうです・・・なんか、デビュー時のまりやさんのイメージと重なって、微笑ましいエピソードですね!


Notice : 作品のパッケージについて
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 ちょっと分かりづらい写真ですが、一応指摘をしておきます・・・

 私が持っているテープは、実は「ジャケット」が完品ではない状態です・・・

 オリジナルは、写真の右側のように、通称「腹巻型」の紙ケースになるのですが、私が購入したのは、その腹巻型の紙ケースを、中のプラスチックケースに収まるように意図的にカットをした状態になっています。
 つまり、プラスチックケースの透明部分からジャケが見える部分だけカットしてあり、微妙に文字が切れています・・・これを作った方は、結構苦労をしたようですが、かなりドンピシャで、個人的には全然OKです(^0^)

 私自身は、こういったことは全然気にしていないのですが、達郎さん系はマニアな方が多いので一応指摘をしておきます・・・

 なお、テープを掘っている立場からすると、和物のテープは、こういったジャケ改造(?)の状態で遭遇することが多いっすね・・・私としては、それは個性と割り切って、オリジナルのジャケを求めないようにしています(^^;)






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<おまけ> 2016年 夏の特選 和物テープ

 こういうタイミングでないと紹介が出来ないので、おまけを紹介させてください(^^;)

 え~、達郎さんもそうですが、いわゆる「ミックステープ」でない作品でも、私が「ミックステープ的に聴ける」作品はとりあえず買っており、ミックステープの「道」を精進して邁進しております。

 その中で、夏の雰囲気に合う作品は、おのずと「ミックステープ」になる確率が高く、それっぽいジャケットがあれば、何でも買っている状況です(^^;)
 まあ、そのテープが作られた当時としても、作った側が「夏に聴いてほしい」という意図があって作ったものが多いので、この時期に聴くとやっぱり最高です・・・

 そんなわけで、私の研究成果の発表じゃないですが、ここ1年ぐらいで掘った夏物のテープを紹介しますね!

 特に、今回はコンピや準DJミックスに該当する作品が多いですが、どれも80年代中期の作品になります・・・
 達郎さんの説明でも書きましたが、80年代になり、時代の要請で、徐々にこういった作品が増えていった証拠にもなるかと思います??

 なお、和物と書いてありますが、意味合い的には「国内企画」ものという意味で、海外の楽曲のも含んでいます・・・う~ん、海外の楽曲というよりも「洋楽」ですね・・・その辺は意義をくみ取って頂けると幸いです(^^;)


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左 「Tube / Season In The Sun」 1986年
右 「南佳孝 / 忘れられた夏」 1980年


 まずは、ちゃんとした和物テープアルバムからいきましょう・・・和物を掘っている方なら「おわっ」となるでしょう!

 左は、永遠の夏のヒーローであるTubeのアルバムで、大ヒット曲「Season In The Sun」が収録された同名アルバムのテープ版ですね!
 DJ的には、同曲の12inchが素晴らしく、酔っぱらって自宅DJをやると、つい最後の方で泣きながらプレイ(?)をする名曲ですが・・・やっぱり夏は「Tube」ですね~
 ジャケも鉄板な青い海で、これが車のダッシュボードにおいてあるだけで「夏」になりますね・・・ジャケだけで夏が盛り上がります(^0^)

 そして、右は、ちょっと渋い作品ですが、夏のメロークラシックでもある「これで準備OK」が収録された南佳孝の2ndアルバムですね!
 南佳孝さんというと「スローなブギにしてくれ」など、メローな曲が人気がありますが、「これで準備OK」もDJ的にはドラムが立ってるので人気な曲ですね・・・私も大好きです!
 この作品では、最初の一曲目が「これで準備OK」で、最後がこの曲のインストなので、ミックステープ的に繋がるので凄い好きなアルバムです・・・テープで聴くのは格別ですね!!


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左 「V.A. / シーサイド・フュージョン」 1985年
右 「V.A. / A&M フュージョン・スーパー・ベスト」 1986年


 そして、こちらはここ最近、あれば絶対に買っている「フュージョンのコンピ」系で、夏にバッチリな2作を紹介!

 左は、ザ・スクェア、マリーン、笠井紀美子、松村健などのCBS Sony系の国内Jazz/Fushion関連のアーティストの曲で、シーサイドに合いそうな楽曲を集めた作品です。
 恐らく、テープオンリーの作品で、同時期にドライブ編などがリリースされてて、夏向けのコンセプトで作られた作品かと思います。

 また、右はタイトル通り、A&Mレーベルの海外アーティストの曲を中心にまとめられたコンピで、Biggieネタな「Herb Alpert / Rise」や「Quincy Jones / 愛のコリーダ」が収録された作品です。
 これも、多分テープオンリーでしょうね・・・ジャケはそこまで夏っぽくはないですが、ジャケの爽やかな感じを引き継いだ内容になっていますね~

 フュージョンと書くと、ある世代は「恥ずかしい思い出」と思う方も多いですが、ある意味で「夏」にドンピシャなジャンルなので、当時から、この雰囲気を楽しむ為にテープオンリーのコンピが作られていたようで・・・今聴いてもかなり良い作品が多いです。
 
 特に、私のようなDJ文化を通過した者からすると、フュージョンは「ダンサンブルなレアグルーブ」であり、もっと分かりやすい表現だと「Boogie(ブギー)」なんですよね!

 なので、今となっては大変聴きやすく、Fushion系のテープ、特にこういった季節を盛り上げるようなコンピは喜んで買っている状況です!
 特に、シーサイドの方は、聴けば聴くほど「和・エレガントファンク」です・・・当時、こういったコンピは沢山リリースをされているようなので、これからも頑張って探しますね(^0^)


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左 「V.A. / Aleph Cruising Sound "Take A"」 1985年?
右 「V.A. / Driving Sounds Special」 1983年


 んで、こっちは「ドライブ」を意識した夏テープです!

 左は、あのタイヤメーカー「ブリヂストン」が「アレフ」というタイヤの販促品(?)として配られたらしいコンピテープで、アメリカMCAの音源を、カリフォルニアのラジオDJがトーク込みでDJミックスをしたテープです!
 ジャケからして、車で駆け抜けた夏の海、それもカリフォルニアの夕方が感じられるような選曲で、これはかなり良いです・・・Rufus&ChakaやCrusadersなど、かなりイイところを突いた選曲で、車に乗って聴いたら最高でしょうね~

 そして右は、ジャケは「The 爽快な夏のアメリカ」みたいな感じですが、なんと「カントリー」のコンピです・・・う~ん、これはちょっとアレですかね(^^;)
 ただ、ジャケの煽り文句が素敵で『たまには男のドラマを演じたくなる・・・。』『時には荒々しく、時には心優しく男のドラマを語るカントリーミュージックで綴るアメリカンフリーウェイひとり旅』など、演歌に通じる心ゆきがあり、それにはグッときました(^^;)

 やっぱり、夏で、音楽を楽しむ場としては「ドライブ」は鉄板で、当時はこういったテープが作られたんでしょうね~

 ただ、当時のモノだからと言って内容は悪くは無く、上のTake Aはかなり良いです・・・この辺は、とりあえずジャケを基準に買っている訳ですが、聴いてみて、内容が良いと嬉しいです(^0^)


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左 「V.A. / 南海の楽園ミュージック ハワイアン」 1980年代後期?
右 「O.S.T / カクテル」 1988年


 最後は思いっきり変化球でいきましょう!

 左は、タイトル通り「ハワイアン」のテープで、永遠とハワイアンです・・・かなり古い音源をつかったコンピで、独特のモノラル感(?)が逆によく、ある意味で「トリップテープ」になっています。
 また、、このテープ、リリース元は韓国の会社で、よく駅の構内で臨時販売している「アレなCD」のテープ版のようです・・・定価が1100円と異常に安いことや、古い音源(=著●権が追い付かない音源)を使っているのが、私としては熱いです(^^;)

 んで、右はボムでしょうか・・・あのトム・クルーズの名演技が光った名作「カクテル」のサントラテープです(^0^)
 この時期ぐらいだと、日本でもLPやCDが出ていますが、強引なジャケ変更はあまりヤラなくなった中、このカタカナの「カクテル」が微妙に熱いですね(^0^)
 また、内容自体も、南国のリゾートを意識した曲が多く、ファンカラティーナやオールディーズっぽい曲が中心で、かつDJ的にもクボタタケシ氏がチョイスした名作でもあるので、普通に聴いてても良いですね・・・



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 そんなわけで、小ネタ集は以上です・・・夏はやっぱり「テープ」に限りますね(^0^)

 最後は、通常の独り言も入れておきましょう・・・

 今週末は、最近、テープを頑張っている渋谷のユニオンがテープセールを開催しましたので、参戦してきましたよ~

 事前情報だと、そこまでゴツいのが出ないので、並んでいる人はいませんでしたが、そこは皆さんツメが甘いですよ・・・かなりヤバいセールでした!

 事前情報では分からなかったけど、事前情報で出た放出品以外(=リスト外)で何か面白いのが出ればいいな~と思っていましたら、異様に大阪と岡山のテープが多く、韻踏のDJ Kanさんなどの日本語ラップ絡みのテープなど、全体的にドープなのが結構多かったです!
 それ以外もかなり深いのが多く、大阪の某レコード店限定のKen Sportsさんのテープが入ってたり、レゲエの渋いテープが入ってたり・・・おかげさまで20本オーバーでした!

 渋谷は、テープを頑張ってるスタッフ君がおり、大変うれしいですね・・・
 私としては、ガンガン買っていくことしかできませんが、これからも沢山仕入れてくださいね(^0^)


 ではでは、そろそろ夏の暑さも本格化しますので、暑さに負けずに頑張りましょう!!






Sader Bahar 「Japan Tour 2016 in Tokyo」(@渋谷Contact、2016/07/16)
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 連休だったので、自分のために遊んでしまい、ちょいと更新が遅れました・・・土曜日の夜にいったダンスの報告です(^0^)

 やっぱり、汗をかいて踊るのはイイですね~


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 今回は、ここ最近、毎年夏に来日ツアーを行っているSadar Baharさんのパーティーに行ってきましたよ!

 来日情報が出た瞬間、これは行きたいな~と思っていたパーティーで、昨年は行けなかったし、Sadarのプレイは4年前に行ったっきりだったので楽しみにしていました・・・
 それも、場所が渋谷Contactですから・・・絶対にヤバいプレイになるだろうと、かなり期待して待っていました!

 そんなわけで、今週はカレンダー通りの3連休で、開催日の土曜日の日中は独り言でも紹介するレコ掘りをタイトにこなしつつ、夜の12時30分位には会場であるContactに到着しました・・・

 お店に入り、早速フロアーに向かうと、あの「DJ Kensei」さんがプレイ・・・もー、久しぶりに「Kensei先生」が味わえる、最高なプレイでした!!

 この日は、Sadarの意向があり、メインフロアーは完全アナログセットで、システムはCDSのロータリーミキサーを主軸におき、エフェクターなどを使わないオールドスクールなセッティングでしたが・・・Kenseiさんもアナログオンリーでプレイし、素晴らしかったです!!

 Kenseiさんは、Sadarのオープンアップになるべく、Sadarに通じるような渋いDisco~Jazz Funk~Soul~Houseなんかをプレイしているのですが、気付いたらKenseiさんのプレイにハメられていく感じで、ホント踊ってしまいました!
 プレイしてた曲は、やっぱりSadarっぽく、あまり知られていない曲が多く、記憶だと「WAR / Galaxy」なんかがプレイされていましたが・・・ホント素晴らしくって、Kenseiさんの終わり間際の方では、完全にグルーブにもっていかれました(^0^)

 やっぱり「DJ Kensei」は伊達じゃないですね・・・正直、オープンアップじゃもったいないぐらいで、しっかりと準備運動をさせて頂きました!!


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 そして、2時になると、Sadar先生のお囃子(おはやし)であるDenise LaSalleのあの曲で登場し、Saderにしか出せないDJプレイの始まりです・・・いや~、ほんとヤバかったです!!

 プレイし始めた頃は、いきなり「Cerrone / Hooked On You」「Sylvia Striplin / Give Me Your Love」なんかの分かりやすい歌モノガラージをプレイしていましたが・・・プレイの大半がクソドープなDisco~Boogie~Jazz Funk~Soulなどが中心で、ドス黒いベースラインをブンブン言わせながら、貫禄のプレイでした!
 
 もー、とにかく知らない曲を中心とした選曲で、私レベル(?)で知らない曲ばっかなのだから、普通に遊びに来てる女の子たちは知る由がない曲ばかりです・・・
 全体的には最近の流れを汲んでBoogieっぽいのが多い印象で、数少ない判明した曲で紹介すると、それこそ「Mike T / Do It Any Way You Wanna」のような渋いBoogie~Old Schollラインをプレイしたり、割とスイートな印象がある「Darcus / It's Got to Be Love」をドス黒くプレイしたり、選曲面は太刀打ちができません・・・

 ただ、私を含め、お客さんが知っている曲が一切プレイされない中で、唯一、フロアーを包んでいたのは、Sadarにしか出せない「ドス黒いグルーブ」だったと思います!

 とにかく、ベースラインだったり、ドラムブレイクを強めにして、Houseでいう「ドンシャリ」を、Sadar流に「ドンドンシャリ」みたいな感じにビルトアップしてプレイしてて、気付いたらそのグルーブにハメられてた感じでした。
 なんでしょう、Timmyのような黒さとは違う、人間味があるような黒さで、ホント踊りました・・・もー、気付いたら、Tシャツを脱いで、人目を気にせずタンクトップで死ぬほど汗をかきながら踊っていました!

 また、Sadar自身も、凄いDJミックスが上手いわけでなないですが、プレイする楽曲に一切のエフェクトをかけずに、直球勝負でミックスを続けることで、ロフトミックスに通じるようなグルーブも生まれるんですよね・・・
 たまにアイソレーターをいじってLowカットとかの強調はしていましたが、直球勝負の連続で、その「男らしさ」が気持ちよく、段々とSadarのプレイを「信頼」し、素直にSadarのグルーブに乗っていた・・・という感じです!


 あと、今回のSadarのプレイを支えたのは「お店」だったと思いました!

 会場となるContact、4月にオープンして以降、様々な微調整を繰り返し、日に日に良くなっていくことが分かり、ほんと気持ちよく踊れます・・・

 昨日に関しては、まず、メインフロアーの入り口がバー寄りになり、更に、往年のYellow~elevenにおいてバーとフロアーを隔たせつつも繋がる効果があったゴム製の暖簾が復活し、バーの活気と、フロアーの熱さを上手く繋ぐ状態でパーティーが行われていたと思います!
 昨日も、結果的にはバーの方が盛り上がっている(人がいる)時間が多かったように思えますが、先月のTimmyのパーティーで感じた、フロアーで踊ってて熱くならない感じが払拭され、かなり踊りやすかったです!

 そして、もっと重要な「音」と「ライティング」もバッチリでした・・・これは後半のレポで・・・


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 そして、朝方に近づくと、段々とお客さんは引いていき、好き物のダンサーだけが残りはじめ、本当のダンスタイムが始まります・・・

 Sadar先生、朝になってもドス黒いプレーは止めず、バシバシと濃いグルーブを連発し、私も休憩をしながらダンスをし始めました・・・ちょっと、後半は疲れちゃったかな?

 ただ、7時ぐらいを回ると、終わりを見据えて少し黒さを抑え、スローな曲をプレイし始めますが・・・これが泣いちゃうほどヤバかったです!!

 このスローの時間帯も、やっぱりあまり知られていない曲を中心にプレイしてて、それこそ、Sadarがプレイし終わったあと、レコをしまおうとしたときにラベルが見えて「あの曲か!」と分かった「Cream De Coco / Disco Strut」などを・・・優しく、そして黒くプレイしていました。

 今回のSadarのプレイを聴いてて、ホント素晴らしいな~と思うのが、プレイする曲に「メッセージ」を込めてプレイしてるんですよね・・・

 先ほどの「Cream De Coco / Disco Strut」であれば、歌詞で繰り返される「♪Listen to the Music」が、Sadarのグルーブと相まって、優しく心に刺さりました・・・
 このスローのプレイ、ベタベタなSoulなんかもプレイしてて、それこそ「Minnie Reperton / Reason」なんかをプレイしていましたが、ホント素敵です・・・

 そして、その「心からのプレイ」を支えてたのは・・・やっぱり「お店」で、昨日は「音」と「ライティング」が素晴らしかったです!
 
 サダーの真黒だけど、聴けば聴くほど優しさがある「音」は、Contact、いや東京のクラブシーンを支え続けている「Rey Audio」から力強く流れます・・・そしてSadarのグルーブに合わせて、ライティングが素敵に彩ります・・・
 ライティングは、もはや、日本のライティングマンの宝ともいえる町田さんで、音も町田さんセッティングかな・・・もー、昨日の町田さんは素晴らしくって、このスローの時間、凄いポジティブな曲がプレイされた時、虹色のライティングをし、思わず泣いてしまうぐらい美しかったです・・・


 そんな素敵なスローなグルーブの中、聴きなれた声、それも日本語が・・・なんと「山下達郎 / Space Crush」をプレイです!!

 以前より、和物も積極的にプレイしていることで有名なSadarさんですが、まさかこんな渋い曲を・・・1978年リリースのライブ版に収められた楽曲で、声で達郎さんなのは分かりましたが、なんの曲か分からず、家に帰って調べたらコレで・・・もー、ドープすぎます!!

 今回のSadar先生、結構和物もプレイしてるのですが、どれも定番ではなく、渋い曲が多く、分かった曲が殆どありません・・・記憶違いかもしれませんが、十二三二十さんなんかもプレイしていたと思います??

 ただ、その上で凄いのが、この和物のプレイでも「メッセージ」を入れてくることで、個人的には、かなり最後の方(アンコール?)で「アンルイス / Alone In The Dark」のプレイがグッときました・・・普通に気持ちよく踊っていましたが、考えてみれば「暗闇の中で一人」って「踊っている俺だ!」と気付き、苦笑しながら踊っていました・・・
 なお、その次の曲が和物で「♪あなたと二人~」みたいな曲がプレイされ、それにも苦笑・・・曲の良さだけでなく、意味も理解してプレイしている辺りが最高です!!


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 そんなわけで、アンコールを2回やり、8時にフィニッシュ・・・渾身の6時間セットでした!

 プレイした曲で「来たー」みたいのはなく、最後までド渋な曲をプレイの連続で、脱落した方も少なくは無かったと思います・・・
 ただ、Sadarを信じ、踊り続けたことで最後まで踊りきれたのかな~と思います・・・特に、最後のスローの時間帯は、あそこで一夜明かした人でないと踊れない「サンクチュアリ」みたいな雰囲気もあり、とても気持ち良かったです!!

 何よりも、今回のプレイを通して、Sadarの「黒さ」と「優しさ」が大好きになりました・・・ほんと、この方が「DeeJay's DJ」と呼ばれているのが分かります!

 それも、この時代に「アナログ」だけでプレイですから・・・大昔に作られたLP、12inch、7inchを駆使して、過去の音楽でここまで濃密な時間を作り、気持ちよく踊らさせてくれることは、誰にも真似ができません!


 最後の写真は、お店的には掟破り(?)な、メインフロアーの写真で〆ましょう・・・

 あの雰囲気は、やはりYellow~eleven~airと培ってきた「東京のクラブ」の素晴らしさだと思います・・・・これからも、素晴らしい「音」と「光」で私たちを包んでくださいね!





<補足>

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 当日は、DJブースの後ろだったり、フロアーの天井に、本当のアナログレコードを吊るしたオブジェが飾られてて、かなり良い雰囲気がありました!
 普段、「音」と「光」は指摘していますが、風船だったり、こういったオブジェだったりも大切ですよね・・・オーガナイザーさんの頑張りが実りましたね!
 なお、レコード馬鹿なので、どうしてもどういうレコが吊るさられているのかが気になるのですが、1枚、m-floの微妙なレコが入ってて、微妙にグッときました(^^;)

 あと、物販もあり、渋谷ユニオンがレコを出してたり(O田さん、ご苦労様です!)、Sadar側のグッズが出ていましたが、Sadarの物販でミックステープらしきものが1本出てました。
 お伺いしたら、Sadarのじゃない、とのことで即買いはせず、踊っている時には邪魔なので、最後の方で買えばいいか~と思ったら・・・案の定、売り切れていました(--;)
 う~ん、踊ることが中心できている人にとって、物販は意外と困りものなんですよね・・・まして、今回は手ぶらで行ったので、ロッカーを使わなかったのあったし・・・う~ん(^^;)





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<独り言>

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 え~、真夏になる前の3連休とあり、心持としてはちょっとしたバカンス感があり、久しぶりに遊び呆けています・・・普段、仕事を頑張ってるから、ささやかなご褒美ですかね~

 そんなわけで、Sadar同様に、毎年、この時期恒例の浅草でのレコード祭りに行ってきましたよ~

 まず、東京にいると、どうしてもユニオンがあるので、こういったレコード祭りは気張っていくほどではない(すみません・・・)のですが、浅草については、ちょっと別の理由で毎年行っています・・・

 それは「レコード祭りに行くついでに『浅草』に行ける」ことです!

 浅草って、街を歩いていると、なんかホッとするんですよね・・・凄い明確には書けないのですが、街の持つ空気感というんでしょうか、活気があるんだけど、なんか時間が遅い感じがイイんですよね・・・
 それは、レコード祭りにも該当し、レコード祭り自体もレイドバックした雰囲気があり、結構、この雰囲気を目当てに行っているような気がします?

 そんなわけで、土曜日の朝、暑くならないうちに浅草に到着し、ベタに雷門から参道を歩き、浅草寺さんで頭を下げ、レコード祭りの会場へ・・・変な話、こうして会場に向かう時点で、浅草を満喫できるのがイイっすね~

 んで、肝心のレコ祭りの方は、凄いゴツいのが掘れた訳ではないですが、微妙に探してたレコが2枚ほどゲット・・・ただ、凄い気持ちよく掘り掘りできました(^0^)
 
 ホント、特に目標があるわけでもなく、今回は「浅草に行きたい」だけで掘りに行っているので、脳と体が「ディガー」モードではなく、「チル」モードでリラックスしながら掘っていました・・・
 気張ることなく、自分のペースで、時間の赴くままに何となく掘る感じですね・・・ほんと、浅草の空気感と相まって、凄い気持ちよく掘れました(^0^)


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 そして、浅草のレコ祭り終了後は、定番である、上階にある精養軒さんの支店で昼ビール・・・これは大人の特権です(^0^)

 んで、心もお腹も満たした後は、浅草の街をほろ酔い加減でプラプラと歩きます・・・暑さも初夏ぐらいの感じで歩きやすく、特に目的もなくプラプラと・・・
 いや~、浅草はほんと歩いているだけでもリラックス出来るんですよね・・・やっぱり「街の歴史」と言うんでしょうか、観光客であふれかえりながらも、どことなくレイドバックした感じが心地良いです(^0^)

 そんなわけで、イイ気持ちになっちゃったので、遂に「伝説のお店」に初潜入してきました!

 潜入したのは写真の「宮田レコード」さんで、いわゆる「演歌」の専門店になります!

 今年の春に刊行された若杉実さんによる著書「東京レコ屋ヒストリー」でも紹介をされていたお店で、店頭には演歌歌手の新発売ポスターところせましと張り出され、他を寄せ付けない(すみません・・・)感じがまず素晴らしいです・・・
 客層的には高齢の方が中心で、カラオケだったり、踊りのお稽古用だったりで買いに来る紳士淑女が中心のようで、実際にお店で掘り掘りしてたら、結構な数のお客さんがきててビックリしました・・・お店の店主さんも、買い物する方に「コレはカラオケが入ってないけどイイの?」と素晴らしい心遣いをしててグレイトです!

 そして、なぜ、私が興味を持ったかというと、演歌業界は未だに「カセットテープ」が主流商品の一つになっていて、この宮田レコードさんも相当なストックがある情報を得ていたので、もしかしたら演歌以外のテープもあるかな~と思っていたからです・・・

 実際には、テープの在庫はほぼ演歌で、ミックステープ的にイケそうなムード歌謡系も多少ありましたが、流石に食指が動来ませんでしたが・・・テープの在庫量が半端なく、コレにはヤラれました!
 お店に入って、すぐ左側の壁が「テープの壁」になっており、この光景には圧巻です・・・お店の方に失礼だと思い、圧巻な壁は撮影できませんでしたが、同じ「テープ道」を心がけている者としてグッとくる光景です!

 んで、テープはアレだったので、若干在庫があったレコを掘り掘り・・・んっ、結構あるぞ!

 レコも演歌が中心で、美空ひばりさんなどは好評価(笑)な半面、さりげなく昭和歌謡やポップスのLPが混ざってて、見れる在庫はチェックしたら、角松敏生さんの「Kadomatsu De Oma」が700円・・・これは嬉しいな~
 宮田レコードさんのような昔からのレコード屋さんって、探すと意外とDJラインでもイケる和物が残っているんですよね・・・東京のディガー筋では有名な向島の某電気店もそうですが、「ここはないだろう?」と思った所ほど「ある」こともあるので、綿密に掘ることが大切ですね~

 なお、宮田レコードさん、レコード袋がカッコよくって、上記の紙袋タイプで、どうやら、大昔にレコード会社(Victor)が、販売店向けに提供してた袋を、未だにお使いになられているようです!
 お会計をするときに、どんな袋でくるのかな~と思っていたら、コレできたのでタマゲました・・・やっぱり、浅草は凄いっすね!!


 そんなわけで、休日気分なレコ掘り報告でした~

 なお、こういうことを書いたので関連ですが、今年も夏のバカンス(aka関西~名古屋レコ掘りツアー)はどうしようかな??

 う~ん、テープに関しては掘りつくした感があるので、今年もまだ考え中です・・・でも、だんだんとアッチの空気が吸いたくなり、きっと行くんだろうな~(^^;) 





DJ Camilo 「Old School Reggae Part 1」
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 え~、日に日に暑くなってくるので、先週のDiggin' Iceみたいな「涼しくなる」ミックスを聴いちゃうんですが、段々と体が熱さに慣れてきたのか、ミックスも「夏の暑さを楽しむ」みたいのも聴いています・・・

 そんな背景があって、今週は割とレゲエを聴いていたのですが、やっぱりコレはいいな~っということになり、紹介です(^0^)

 HipHop出身者で、これを聴いて「レゲエが好きになった」とという方は多いかも?な大名作です!!


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 今回は、アメリカの超ベテランDJである「DJ Camilo(カミロ?キャミロ?)」さんによる、クラシックなダンスホールレゲエを網羅したミックス作品の紹介です!

 まず、Camiloさんの紹介からいきましょう!

 Camiloさんは、NYを中心に活動するHipHop系DJ/Producerで、NYを代表するDJ集団「The Heavy Hitter」に所属する大御所になります。

 正直、日本での知名度はアレですが、アメリカでの支持は強く、クラブプレイで全米各地を飛びまわり、そして多数のラジオ番組を持つなど、超有名なお方ですね~
 それこそ、Camilo自身は、コロンビア系の血を引いたお方なので、HipHopにとらわれず、Latin系の音楽に明るかったことから、00年代中期ぐらいから盛り上がった「レゲトン」ブーム(HipHopとLatin文化が混ざった音楽、でいいかな?)を盛り上げた立役者としても有名で、アメリカのHipHopにおいてはかなり重要なお方かと思います。


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 そして、Camiloさんも、いわゆる「ミックステープで名を上げたDJ」の1人で、90年代~00年代にかけて、多くのストリート向けミックステープをリリースし、その内容の良さから支持を受けていた方かと思います!

 内容的には「新譜中心」というカテゴリーになりますが、ラジオでは流れない「ストリートの音楽」を流布し続けていた点は素晴らしく、日本でも聴いてた方がおられるかもしれないです?

 特に、Camiloさんに関しては、先ほどのレゲトンに続く部分として、HipHopサイドから積極的に「レゲエ」をプッシュしてたDJとして有名で、レゲエをフューチャーしたミックステープも多くリリースしており、かなり評価を得ていたと思います。

 その代名詞が今回のテープになります!

 話が前後しますが、NYのHipHopシーンにおいては、レゲエという音楽は異なるジャンルとして扱ってはなく、むしろHipHopのDJでも積極的にプレイしていた音楽になります・・・

 それこそ、ミックステープを語る上で無くてはならない作品である「Kid Kapri / Old School Vol.1」でも普通にプレイされているし・・・よく使われている表現であれば「兄弟」といった関係だったと思います。
 特に、80年代前半から盛り上がり始めた「Dancehall Reggae」は、リズムの作り方だったり、DeeJay達の節回しがラップを参考にしている部分もあったりするので、必然的にHipHopとの相性は悪くなく・・・アメリカでHipHopを聴いていると、特に意識せずにレゲエも楽しんでいるような文化がありました。

 そんな背景があり、Camiloさんは積極的にレゲエのテープをリリースし、ストリートでかなり評価があったようです。

 あまりCamiloさんのことも、アメリカ(NY)のHipHopやReggaeの事情に詳しくないので、説明はこの辺までにしておきますが、聞いた話だと、NYのレゲエファンもCamiloさんのテープを聞いてた方はおり、かなり評価は高かったそうです。
 個人的な指標ではありますが、こういったストリート向けのテープって、リリース番号が長くリリースしてる方ほど、ストリートから評価がある(それだけ作品をリリースしても売れている)と考えているので、Camiloさんの実力も相当なものだったのだと思います・・・

 では、ちょっと、この辺の話を引き連れながら、作品紹介にいきましょう!

 なお、今回の作品紹介、やっぱり私のレゲエ知識が追い付かずで、結果的にはレゲエファンからすると「甘いね~」という内容です・・・その辺は詳しいお方に補足を頂きたいと思います!!


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 まず、この作品はタイトルから分かる通り「クラシックなレゲエ」を扱った作品で、俗に言う「Dancehall Reggaeの黄金期」な80年代後半~90年代初期までのクラシックを集めた作品になっています。

 それこそ、あえて12inchで紹介しますが、借り物画像で上げた「Deborahe Glasgow / Champion Lover」「Wayne Smith / Under Me Sleng Teng」「Barrington Levy / Here I Come (Broader than broadway)」「Junior Reid / One Blood」など、レゲエファンからうすれば基礎中の基礎な楽曲が多くプレイされています。
 それこそ「ファンデーション」と称される、レゲエの「骨」となっているRiddim(トラック)や歌(節回し)が多く、レゲエに疎い方でも、聴いてみれば「何か聞いたことがあるぞ~」となる曲が多いですね~

 なお、あえて12inchで紹介したのは、これらの曲がJamaicaなりで作られた曲ですが、しっかりとUS版12inchがあるんですよね・・・一部、USじゃないのもありますが、それだけ、海を越えて、アメリカでもヒットしていた証拠かな~と思います。

 そして、ココが重要なのですが、Camiloのプレイを通して、こういったDancehall Reggaeを聴くと「もの凄く聴きやすく、レゲエの良さが分かる」内容になっていることです!

 パッと聴くと、割とレゲエ的なミックスで、いわゆる「ジョグリン系」のミックスをしてるのですが、聴いてると自然に耳に入ってくるんですよね・・・

 私としては、Camiloさんのレゲエのプレイが「HipHopを通過したレゲエ」だから聴きやすいのかな~と思っています・・・

 それこそ、この作品で象徴的なのは、レゲエを代表するRiddim「Sleng Teng」の使い方で、A面の最初の方で、Sleng Tengを使った曲を連続プレイをしているのですが・・・Sleng Tengのトラックをいわゆる「ブレンド」としてプレイをしているところがHipHopだと思いました。
 A面のド頭では、写真で紹介した「Deborahe Glasgow / Champion Lover」のアカペラに対して、Sleng TengのRiddimをインスト入れてブレンドし、そこから、そのSleng Tengのトラックを軸にして、Sleng Tengを使っている「Budy Bye」「Call the Police」、そしてSleng Tengの大本になる「Under Me Sleng Teng」に繋いでいきます。

 そのほか、細かい部分でもHipHop的なニュアンスがあり・・・HipHop出身者として非常に聴きやすく、大変良いです(^0^)

 私だけかもしれませんが、レゲエって「何度もトライしたけど、その独特の空気感についていけず挫折した音楽」なんですよ・・・私以外にも、同じような思いをした方っているんじゃないでしょうか?
 あまり明確に書けないですが、かなり独自の様式美があり、これについていけない部分があるんですよね・・・私も、結果的には今でも深くは理解してないのですが、やっと入り口は入れたぐらいだと思っています・・・

 その意味で、Camiloのプレイにおいては、レゲエのクラシックを潜在的なレベルでHipHopのグルーブを足してプレイしてて、これがHipHopを通過した耳だと大変聴きやすく・・・HipHopファンにレゲエの良さを伝えることが出来たのだと思います!!



 よく、このテープを紹介すると「HipHop出身者が、このテープを聞いてレゲエが好きになった」と言われますが、CamiloのHipHopグルーブが実はスパイスになってて、それで「聴きやすかった」というのが理由なんですね・・・

 私も、今回、深く聴いてみたら、結構ヤラれています・・・そろそろ、この辺のレコも掘らないと(^^;)

 ではでは、全然深く紹介出来ませんでしたが、レゲエが好きになる「きっかけ」になるかもしれないテープの紹介でした!




<Release Date>
Artists / Title : DJ Camilo 「Old School Reggae Part 1」
Genre : Dancehall Reggae・・・
Release : 1990年代初期~中期
Lebel : No Rebel No Number

Notice : Sleng Tengについて
 紹介文章では上手く落とし込めなかったので、ここで紹介しますね・・・
 レゲエ界の「Impeach the President」といっても過言ではないRiddim「Sleng Teng(スレテン)」ですが、もはやレゲエ系、いや広い意味でのクラブ系ライターの期待の星になっている「ソロバン」さんが、Rockers Channelの下記の記事で詳しく紹介しています・・・私も今回、かなり参考にしました!
 なお、ソロバンさん、あの「ミュージックマガジン」にディスクレビューをされた(快挙ですね!)そうで、ライターとしてもメキメキ頭角を現わしています・・・これからも頑張ってくださいね!

● 【祝30周年】リディム秘宝館 vol.2 〜SLENG TENG〜





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<独り言>

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 いきなり、MUROさんのレジェンダリーなポスターが登場しましたが、割と短め(?)な独り言をひとつ・・・(^^;)

 え~、ここ数週間、実はある「悩み」と「迷い」を抱えながら、結構考えながら生活していました・・・それは、レコードのコレクターで、借り家住まいの方なら2年に1回の頻度で来る「悩み」と「迷い」です・・・

 それは・・・賃貸物件の「更新」です(^^;)

 ちょうど、8月のはじめが更新なので、不動産屋さんから連絡があり、6月中はちょっと悩んでいました・・・

 なぜなら、レコードやテープの収納量が結構厳しくなってきており、もう少し広い部屋に引っ越そうかな~と漠然と考えていたんですね・・・引っ越すべきか、とどまるべきかを考えていました。
 まあ、大した収入がないので、未だ借り家生活から抜けられない(レコとテープに投資してる限りは無理かな~)のが悲しいところですが、こういった趣味を続けている限り、レコードやテープの「収納スペース」は生命線なので、結構真剣に考えていました。

 結果的には、①収納をやりくりすれば「まだいける」こと、②仕事が忙しくて引っ越しどころではないこと、の2つの理由で、更新をすることにしました・・・
 
 まあ、②の理由は、正確に書くと「レコードやテープの整理&梱包に死ぬほど時間がかかり、仕事をしている時間を含め、とてもじゃないけど短期間で作業が出来ない」ことが理由ですね・・・
 う~ん、この辺の理由は、認めてしまうと「30過ぎて何やってるんだろう」ということをオフィシャルに認めてしまうことになり、なんか、私の中で踏ん切りがつかなかった所も今回はありました・・・レコード稼業も色々と大変です(^^;)


 そんなわけで、ある種の「あきらめ」がついたので、先日、某大先輩から御土産で頂戴したMUROさんのポスター(97年産!)がカッコよかったので、思わず額装してしまいました・・・う~ん、カッコいい!

 ただ、やっぱり飾れるところが無いんですよね・・・レコードもテープ、そしてCDや本も増える一方なので、どこかで限界が来ることは分かっていますが、とりあえず、今のお家で引き続き頑張りたいと思います(^^;)










DJ MURO 「Diggin' Ice 2015 - 30years and still counting」
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 さーて、今回は久しぶりの予告先発をした作品です・・・この時期だからこそ、紹介をしたい作品です!!

 いつもなら、ここで戯言を入れるのが定番(?)ですが、こんな素晴らしい作品を前にして、私の戯言は不要です・・・発売されて1年経ちましたが、未だにヘビーローテーションな作品です(^0^)

 今回は、ちょっと気合いを入れて紹介しますよ!!





(1) はじめに

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 今回は、昨年の6月にリリースされたMUROさんの「Diggin' Ice 2015」を紹介したいと思います!

 リリースの際は、この作品が待望の新作で、それもメジャーからのリリースだったこと、さらにCD版とテープ版が同時発売されるとあって、かなり盛り上がったことは記憶に新しいかと思います。
 私も、発売するアナウンスがあってからは凄い楽しみに発売日を待ち、テープ版が危うく買いそびれそうだったこともあったりで、色々な思い出がある作品になります。

 そして、今回の紹介は、発売されて1年経ったことと、ちょうど今週にDiggin' Iceの新作が同じような形でリリースされたことをうけ、大好きな2015年版を紹介することに至りました。

 この作品、聴けば聴くほど大好きになる作品で、MUROさんが培った「Diggin' Ice」という世界を分かりやすく凝縮した作品だと思います・・・
 先に、結論めいたことを書きますが、もし「Diggin' Iceってどんな作品ですか?」と尋ねられたら、真っ先にこの作品を紹介するぐらい、Diggin' Iceの世界が彩られた作品だと思います!

 では、今回の作品紹介は、きっと初めてDiggin' Iceに触れる方もいるかもしれませんので作品の背景を紹介しつつ、Diggin Iceの世界観、そしてMUROさんの素晴らしさを深く紹介したいと思います(^0^)

 なお、本作品はCD版とテープ版がありますが、テープ版の方がミックスの収録時間が長い(=CD版は、ミックスの一部を割愛している)ことを考慮し、テープ版で紹介をしますね!
 そして、テープ版はA面とB面が別々の作品ではなく、A→Bとなる約90分のミックスになるため、一本のミックス作品とみなして紹介をしたいと思います。





(2) DJ MUROさんについて

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 まずは、この作品の作者である「DJ MURO(ムロ)」さんについて紹介しましょう!

 MUROさんは、カテゴリーでいけばHipHopを基礎としたクラブ系ミュージックのDJ/Producerとなりますが、もはや「MURO」というカテゴリーで活動をしているミュージシャン/音楽家になります。
 活動の中心は、クラブでのDJプレイ、DJミックス作品の発表、楽曲のプロデュース/リミックスなどになりますが、どれもMUROさんのセンスに彩られ、誰にも真似できない「音楽」を表現し続けるお方です・・・

 活動自体は80年代末より活動を開始し、初期はラッパーとしての活動が中心になりKrush Posse、Microphone Pager、そしてソロとして日本語ラップシーンを盛り上げた立役者の一人になります。
 そして、ラッパー活動と並行してDJ/Producerの活動もし始め、膨大なレコード知識から繰り出すDJプレイやミックス作品、そしてプロデュースした音源作品などを発表し、今となっては日本を代表するDJの一人として数えられる存在になります。

 特に、MUROさんを表現することにおいては「King of Diggin'」という異名が重要で、何においても「掘る」という姿勢がカッコよく反映されていることが唯一無二になります。

 「掘る」という行為/考え方/文化は、私たちが属するDJ文化/レコード文化において、無くてはならない「根幹」になると思います。

 DJという行為は、それこそ、既存の曲を寄せ集めている行為なのかもしれませんが、その「寄せ集め」においては、聴く人が知らない曲やビックリする曲・・・つまり、聴く人が「楽しむ/喜ぶ/引きつけられる」ことが求められます。
 その意味では、DJ達は聴く人が楽しめるように、日々、曲を探し続けています・・・このことが「掘る」ということの背景になるかと思います。

 そして、この「掘る」ということを更に進めると、誰も知らない昔の曲だったり、どこでも売っている定番曲だったりを「DJプレイ」を通すことで「カッコよく聴かせる」ことがあります。

 話をMUROさんに戻すと、膨大なジャンルを掘り、日々カッコいい曲を探し、それをDJプレイに落とし込み・・・聴いている者を魅了するスペシャリストになると思います。
 
 MUROさんのDJやDJミックスを聴いていると、MUROさんの黒い指で掘られた知らない曲が、MUROさんのプレイを通してカッコよく聞こえたり・・・誰しもが知っている曲がMUROさんのプレイによって更にカッコよくなったり・・・まるで「音楽の魔術師」かと思うぐらい、素晴らしい世界を与えてくれます。

 まとめになりますが、「掘る」という行為/姿勢は、様々な音楽を探してくることに加え、その探してきた音楽を自分流にアレンジして更にカッコよくすること、この2点が中心になると私は考えます。

 MUROさんは、この行為/姿勢を肩肘張らず、凄いスマートに、そしてカッコよく提示するのですが、中身は誰にも追い付けないくらいに深いのがポイントで・・・これは誰にも敵いません。

 そのため、この文化に属する者からは敬愛を込めて「King of Diggin' (掘りの王様)」と呼ばれています・・・この点に異論は無いですよね!





(3) ミックス作品とDiggin' Iceについて

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 そして、MUROさんの「掘り」を最も分かりやすく表現、そして誰にもかなわないのが「ミックス作品」に他なりません!

 2015年12月時点での作品数は233作品(一部選曲のみもあり)を発表をし、ここ数年は毎月1作は必ず新作を発表するなど、MUROさんの活動や音楽を表す上で、一番重要になる部分だと思います。
 MUROさん自身も、ミックス作品を作ることは「日記を書くような感じ」とおっしゃっており、もはやライフワークになり、MUROさんの活動において中心も中心のようです・・・

 MUROさんが作るミックス作品の大きな特徴として、ある一つのテーマを設定した上で、そのテーマに見合う楽曲をジャンルを問わず選曲し、その曲達をDJミックスを通してプレイすることでカッコよく聴かせることがポイントになります。

 先ほどの「掘り」の紹介に繋がる部分で、この「掘り」を一番わかりやすく紹介しているのが「ミックス作品」になり、聴けば聴くほどMUROさんの素晴らしさが分かるかと思います。

 そんなに音楽の知識が無い方でも、聴いていると自然と耳に入ってくる点がありつつ・・・その曲を深く調べると、だれも知らない楽曲だったり・・・作品として「聴きやすさ」と「深さ」が同居しているのが素晴らしさの一つですかね?


 その「聴きやすさ」と「深さ」が上手く機能し、かつMUROさんにしか作れないのが「Diggin' Ice」というシリーズになるかと思います!!

 このシリーズは、分かりやすい表現だと「聴いてると自然に涼しくなる」ようなコンセプトの元で選曲/DJミックスした作品で、MUROさんの中では大人気のシリーズになります。
 元々は、1996年にカセットテープで第1作目がリリースされ、その後、テープでのリリースを経て、CDでもリリースをしている人気作で、夏になると何となく聴きたくなる方も多いのではないでしょうか?

 俗にいう「チル作品」なので、色々なDJがリリースはしているコンセプトではありますが、SoulやR&B、Jazz、RareGroove、Reggae、HipHopなど、音楽のジャンルも年代も異なる楽曲を、MUROさんのセンスで一つにまとめ上げている点は唯一無二で・・・とにかく、聴いたら「気持ちいい・・・」と思わせる内容は素晴らしすぎます。

 ここ最近がそうなんですが、私自身、新作を購入し、家で聴いていると自然と睡魔に襲われて昼寝しちゃうんですよね・・・そう、聴いていると自然に心がリラックスし、自然の自分に戻れる・・・そんな世界観があると思います。


 では、以下では、2015年に発表された作品紹介を通して、MUROさんが作る「Diggin' Ice」の素晴らしさを紹介したいと思います!!

 なお、今回は、久しぶりに分析モードな紹介にしたいので、選曲を起承転結に分解して選曲順に紹介し、その中で選曲面とミックス面を深く掘り下げながら紹介しますね・・・
 あと、MUROさんの場合、プレイした曲のジャケットも、作品のアイデアやコンセプトに繋がると思うので、プレイした曲のレコ写は今回は大きめで掲載します!





(4) 作品紹介

① はじまりの「起」

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 まず、1曲目ですが・・・もー、ここから引きこまれますね!

 1曲目は、永遠のメロークラシックである「Roy Ayers Ubiquity / Everybody Loves The Sunshine」(画像上)からプレイ・・・こんなド定番からプレイするとは!

 ヴィブラフォン奏者として名高いRoy Ayersさんの76年発表の楽曲で、80年代末~90年代初頭のRareGrooveムーブメントやHipHopのサンプリングネタとして掘りだされ、それ以降、誰しもが愛する永遠のメロークラシックですね・・・もう、嫌いな人はいないでしょ!
 
 そして、MUROさんが憎いのが、1曲目の後は、尽かさずRoy Ayersがプロデュースした名曲「RAMP / Daylight」(画像下)をプレイ・・・いや~、この繋ぎは完璧ですね!

 まず、ここで指摘したいのが「スタート」であることです。

 DJミックスにおいて、スタートって凄い大切な部分で、私としては「その作品に吸い込まれる入り口」と考えており、ここで失敗することは許されないと思っています。
 例えれば、紙飛行機がイイでしょうか・・・しっかり折った紙飛行機でも、その紙飛行機を投げる力加減や方向で大きく飛び方が変わりますよね・・・滑空というストーリーを考えると最初は重要です。

 MUROさんにおいては、まず、誰でも知っていて、馴染める名曲を選んできたのが上手いですね・・・そして、Diggin' Iceの世界観を一番分かりやすく表現できる曲を持ってきてる訳です・・・聴いた瞬間、Diggin' Iceの世界に入れる効果があり、最高です!

 Diggin' Iceの世界、人によっては違うかもしれないですが、一言でいえば「気持ちいい」だと思います。

 この作品を含め、Diggin' Iceにおいては、夏の暑さや気だるさをかき消すような「気持ちいい選曲とDJミックス」が主になっており・・・最初のRoy Ayersのプレイには、その心ゆきが大いに反映されていると思います。 
 それは、イメージとして、初夏の朝というんでしょうか、ちょっと涼しさがあるけど熱くはなく、朝日が優しく差し込んで、これからの一日の始まりを告げるような感じですね・・・

 MUROさんのプレイに話を戻すと、導入部で、Diggin' Iceのコンセプトが最も分かる曲で、かつ誰でも馴染める曲を持ってくることで、スタートの時点で聴いている人の耳を、Diggin' Iceの世界に引っ張っているのが流石ですね・・・

 また、同アーティスト繋ぎだったり、実はレア盤だったりするのも憎い・・・同アーティスト繋ぎは、この作品では多様してて、作品として聴きやすさを生みながら、ファンなら「ニヤッ」としてしまう選曲で、上手すぎますね!



② Iceのグルーブを引っ張る「承」

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 Roy Ayersのプレイで格好のスタートを切り、MUROさんが機長となるミックスの旅が始まり・・・序盤から中盤までは、Royのグルーブを引き継いだ「気持ちいい選曲」が核になっています。

 それこそ、A面の最初から最後までを使って気持ちいい選曲をするのですが、ここでの注目点は「MUROさんらしい深い選曲」ではないでしょうか?

 例えば、6曲目では、表現としてはアルバムの隠れた1曲的な「The Pointer Sisters / Don't It Drive You Crazy」(画像上)をディープにプレイします・・・
 また、1曲はさんで8曲目では、85年リリースのアーバンなブラジリアンチューンである「Tania Maria / E-Carnival 」(画像下)をプレイ・・・これもアルバムに隠れた名曲ですね。

 前段でも紹介をしましたが、MUROさんの素晴らしいところは「人に知られていない曲をカッコよくプレイする」ことがあります。

 まず、このあたりのミックスの流れを整理すると、スタートで受け継いだメロウな雰囲気を生かしつつ、徐々に快活な雰囲気を高めていき、ミックスに動きを与えている部分になるかと思います。

 それこそ、Pointer Sistersの曲が持つようなディープなグルーブでエンジンをふかしつつ、Tania Mariaの持つラテンやブラジリアンの快活なグルーブで、更に心地よいグルーブを与えていく感じで・・・いわゆるBPM(曲のテンポ)をゆっくりと上げていっているのが分かります。
 なんでしょう、南国の気候に例えれば、晴れているけど、突然、雲が遮って暗くなったり、そしてその雲が切れたら、突然、明るくなったり・・・みたいな空気感を交互に出しながら、徐々にテンポを上げていき、後半戦を見据えて土台作りをしている部分かな~と思います。

 ただ、一貫しているのが「気持ちよさ」で、全体的にあまり知られていない曲を中心としながら、その「気持ちよさ」を失わない選曲/ミックスは流石で・・・BGMとして気持ちよく聴ける部分でもあります・・・


 話をまとめると、起~承であるA面は、あまり知られていない楽曲を用いて、気持ちよいグルーブを高めていく部分になりますが・・・やはり、MUROさんの「掘りの深さ」と「選曲の確かさ」が否が応でも分かる部分だと思います!

 アルバムなどに隠れて収録されている良い曲や、あまり知られていないアーティストの曲を掘りあて、それを、雰囲気に即して的確にプレイしてくる辺りは流石です・・・

 個人的には、この辺を聴いてると睡魔に襲われるんですよね・・・大きな動きはないけど、しっかりとした「気持ちいいグルーブ」があるので、そのグルーブに引きこまれて眠くなります・・・
 それも、かなり深い曲を中心にグルーブを作るんですから・・・なかなか説明がしづらい部分ではありますが、MUROさんのDJプレイの素晴らしさを代弁できる部分でしょう!



③ 素敵にストーリーが動く「転」

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 起~承の最後の方ではレイドバックしたメローな曲をプレイし、いったんグルーブを静かにしてA面が終わります・・・
 そして、ガチャッとオートリバースがかかり、B面に移ると、個人的にはMUROさんからこの曲の良さを教わった「Ohio Players / Sweet Sticky Thing」が小粋にプレイ・・・おおっ、これまでのあまり知られていない曲の選曲から一転し、有名な曲をプレイしましたね・・・

 個人的にはSweet Sticky Thingは、MUROさんがJudy Robertsのカバーをパワープレイしてて、それでこの曲の良さを教わった訳ですが・・・ココからの展開が素晴らしいです!

 Sweet Sticky Thingを小粋にプレイし、メロウな空気感を引っ張ったプレイをしてるな~と思ったら、突然、カットインで「DeBarge / I Like It」(画像上)をプレイ・・・もー、みんな大好きな名曲で、これにはアガりますね!
 そして、同アーティストの名曲繋ぎで、Diggin' Iceの1996年版でもプレイされた「DeBarge / Stay With Me」(画像下)も連続プレイ・・・気付いたら一緒に歌っている自分がいました(^0^)

 MUROさんって、やっぱり「King of Diggin'」のイメージがあるので、誰も知らない曲を掘ってきてプレイするイメージが強いかと思いますが、ここぞという時の「定番曲」の入れ方がメチャクチャ上手く、実は評価しないとイケない部分かと思います。

 まず、プレイしたDeBargeですが、80年代初期から中期にかけてアメリカでヒットしたブラック系のグループで、ジャンル的にはSoulやR&BというよりもPopsになるグループかな~と思います。

 この話は、ちょっと今回の作品紹介においてはブレる話なので、控えめにしますが、こういったPopsは、数年経過すると流行歌の定めで、脈略もなく「ダサい」の烙印を押され、忘れられてしまうのですが・・・しっかりとビジョンがあるDJ達は、そんな周りの考えは無視し、自分が良いと思ったものは、素直にプレイしていました・・・
 それこそ、DeBargeなどは、Kid Capriなどの90年代初期のNY系HipHopDJが心の底からカッコいい曲だと胸を張ってプレイしてて、陳腐な表現ですが「イイものはイイ」を体現してきました・・・

 MUROさん自身も、Kapriなどのテープを聞いて結構な影響を受けたそうで、この辺の「ド定番曲」のプレイを「ここぞ」という時にプレイする訳ですが・・・この作品においては、タイミングが上手すぎですね!

 つまり、A面全体を通して、あまり有名な曲をプレイせず、気持ちいい雰囲気を演出してた中で、聴いている方は、知らない曲ばかりだと「飽きる」ことがあります・・・

 そう、そういった「飽きはじめた」部分を狙って、ド定番をブチこむと、聴いている方は「キター!」となり、否が応でも反応するんですよね・・・俗にいう「おあずけ」や「じらし」といった手法ですね。
 それも、美しいメロディーと歌詞が素晴らしいDeBargeですから・・・素晴らしい曲が更に素晴らしく聞こえ、心を優しく包んでくれるのが大変気持ちいいです!


 そして、少し違う側面の指摘もすると、選曲やDJミックスの「細かい手法」が光ってて、DeBargeの良さを更に引きたてています!

 選曲面であれば、テープだとA面の最後の方と、B面のド頭のOhio Playersがそうですが、あえて「グルーブを落とす」選曲をしています・・・
 これは、選曲の「対比」を出すための手法で、後にプレイされるDeBargeを輝かせるために、あえて光らない曲をプレイしていたんですね・・・ただ、全体的な気持ちいいグルーブを落とさずに、心のBPMだけ抑える選曲をしているのにはヤラれます!

 また、DJミックスも、全体的にみるとカットイン、ショートミックスなどを使い分けながら選曲を重ねていくのですが、聴けば聴くほど、次の曲が光らすミックスをしているんですよね・・・

 それこそ、DeBargeの「I Like It」→「Stay With Me」であれば、結果的にサビ終わりのブレイク(間奏)部分を使ってのカットインですが、4小節展開のブレイクにおいて、2小節目の部分でStay With Meにカットインしています。
 文章に起こすと、なんか気持ち悪いタイミングだな~と思いますが、これが絶妙で、ガッツリとStay With Meに繋がっており、MUROさんらしいタイミングだな~と思いました・・・それは、楽曲のビート感で判断しているのではなく、曲と曲が織りなす「グルーブ」を優先しているからこそのタイミングで、個人的には悶絶しています!



④ 感動的なエンディングである「結」

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 DeBargeクラシックの2連発を経て、DJミックスにおける「山」を作り、この後は若干ペースを落としつつも、A面よりも有名な曲を増やしながら、気持ちいいグルーブを引き延ばします・・・
 それこそ、DeBargeの後は、これまたMUROさんから曲の良さを教わった「Rick James / Moonchild」「The Blackbyrds / Mysterious Vibes」、そして定番クラシックである「The Gap Band / Outstanding」などをプレイし、A面よりも選曲にハマりながらミックスに酔いしれていく感じですね・・・

 そして、23曲目にあたる「Meli'sa Morgan / Fool's Paradise」(画像上)から雰囲気を変えて、終わりに向けての準備を始めます・・・最後のエンディングに向けての選曲の組み立て方、そしてミックスの仕方は絶品なので、詳しく紹介します!

 「Meli'sa Morgan / Fool's Paradise」をプレイすることでしっかりとしたビート感を維持しつつ、選曲の流れに「夜っぽさ」を足して今までとは異なる動きを見せ始めます。
 その後には大名曲な「Mary Jane Girls / All Night Long」を続けてプレイし、更に夜っぽさを足していきます・・・

 ここまでの流れを整理すると、朝→日中ときて、夕方を経て「夜」になっていった感じですかね・・・日が落ちたが故のアッパー感は後退しますが、夜らしい涼しさと華やかさが残ったグルーブを作っており、心がウキウキしつつも、涼しさが伴っている選曲かな~と思います。
 
 そして、MUROさんらしい関連繋ぎで、Mary Jane Girlsをデビューさせた張本人である「Rick James / Mary Jane」(画像下)をプレイします・・・個人的には、ここからがボムです!

 Mary Jane Girlsよりも、若干明るさを出した感じで選曲し、心地よいドラムブレイクと馴染みやすい歌が心を引きこむ大名曲・・・考えてみれば、この曲もDiggin' Ice 96で教わった曲だ・・・
 
 もー、この曲に関しては「体が覚えている」と言っても過言ではなく、Iceの96では、歌詞が盛り上がった2番のサビ終わりにカットインで「New Edition / Mr. Telephone Man」という最強の夏繋ぎをします・・・96が好きな方なら、このラインは鉄板ですよね!

 ただ、今回のプレイでは、次の選曲を見据えたプレイで上手すぎます・・・

 96では、かなり早いタイミングで次の曲に変えてましたが、今回の作品では96でカットインした2番のサビ以降もプレイします・・・
 私もあまり印象が無かったので聴いててビックリしましたが、サビ以降はメロディーが美しい間奏があり、今回のプレイでは、まずその間奏を美味しく使っていますね・・・まるで、最後に向けての多幸感を表している感じで、イイ部分をチョイスしてくるな~と思いました。
 
 そして、更にその後がボムです・・・割とフラットなブレイク間奏で、段々とコーラス(♪たった、た~たった、た~たら~)が増えていく部分があります・・・コーラスが増えていくことで、期待感というグルーブが上がっていきます・・・
 MUROさんは、ここを見逃さず、そのコーラスが高まったところで次の曲をカットインで入れてきます・・・


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 プレイしたのは「Ta Mara & The Seen / Affection」です・・・もー、この入り方は即死です!!

 まず、この曲のジャケから醸し出されるダサさ(笑)は置いておいて、選曲の流れから整理しましょう・・・

 先ほどの説明で「終わりに向けて準備を」なんて書きましたが、Meli'sa Morganからの選曲の流れは、明らかにTa Maraでボムるための布石を引いた選曲であり、それを実行する為のプレイを施していたと思われます。

 それこそ、あえて「夜」の雰囲気に変えていったのは、Ta Maraをプレイしても馴染みやすいようにした表れだし、その上で、Ta Maraの前でMary Janeという割とアッパーな曲をプレイすることも上手いですね・・・
 先ほどの③転で示したDeBargeが「静→動」なコントラストをつけて盛り上げたのに対し、ここでは「動→静」のコントラスを出しつつ、Ta Maraが持つ「クールだけど熱い」感じを上手く演出してて、MUROさんの手腕の高さが分かります!
 
 そして、何よりも、全曲のMary Janeのコーラスブレイクの効果を利用してのTa Maraへのミックス・・・まるで、暗い階段を急速に登り、最上段にある扉を開けたらパラダイスがあるような演出を施していて、上手すぎです!!

 MUROさんのミックスを説明する時、先ほどのDeBargeもそうですが、ピークになる曲を選曲/ミックスしていく組み立て方や、直前のミックスが異様に上手く、ヤラれます・・・

 特に、ボムる曲の直前のミックスの上手さといったら天下一品で・・・個人的には「殺しのミックス」と呼んでいるほどです・・・

 そう、これこそが「DJにしか出来ない音楽」なんだと思います!

 それは、普通に聴いたらカッコ悪い曲でも、DJの選曲とアイデア次第で、その曲が「光り輝く」ことになります!!


 ここで、Ta Maraのジャケの話に戻しますが、普通はこのジャケを見て食指が動かないでしょ・・・失礼な表現ですが、この田舎臭さ満載な感じは、手が出ませんね・・・
 曲も普通に聴いたら80年代の洋楽っぽい感じで、どちらかというとNew Wave的な匂いの方が最初はすると思うんですよね・・・つまり、これまでプレイしてた「黒い音楽」ではなく、どちらかというと「白い音楽」かな~と思います。

 ただ、MUROさんのミックスで聴いちゃうと「ジャケなんて、ジャンルなんて関係ないんだ・・・」となるはずです・・・

 それほど、MUROさんの選曲とミックスを通してTa Maraを聴くと、楽曲が光り輝き、本当の「良さ」が分かるからです!
 
 もちろん、先ほども説明した最良のタイミングでミックスしていることも重要ですが、MUROさんは、この曲を聴いて、この曲に含まれている「ファンクネス」を感じ、そこを強く押しだしたプレイをしていることも重要です。

 つまり、楽曲の「本当の良さ」を見きって、最良の方法でプレイしただけです・・・まとめじゃないですが、音楽の「本当の部分」を「掘って」るんですよね・・・

 うん、こんな凄いことをサラっとこなしちゃうんだから、やっぱり「King of Diggin'」ですね!





(5) まとめ

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 いや~、久しぶりに書きましたね・・・ただ、やっぱり上手くまとめられなかった部分もありましたね・・・

 特に、MUROさんの魅力の一つである「ジャンルを跨いだ選曲」が上手く紹介出来なかったですね・・・この作品でも、相当なジャンル跨ぎをしているのですが、手持ちのレコでは対応できずでした(^^;)

 また、今回の紹介、意識的に「今までこのブログを読んだことが無い人が読んでも理解できる内容」を念頭において書いたので、いつもより脱線が少ない(?)し、文体もちょっと違うかな~と思いますが、後半になると、いつもの「・・・」が増えてしまい、ダメダメですね(^^;)

 そんなわけで、最後にまとめをしておきましょう!

 まず、最初に「MUROさんが培ったDiggin' Iceという世界を分かりやすく凝縮した作品」と書きましたが、これは間違えないでしょう・・・

 今まで、Diggin' Iceを聴きつくした立場からすると、あまり知られていない曲から定番曲までを網羅した選曲、そしてその選曲を「Diggin' Ice」というグルーブ/空気感に統一している点はパーフェクトで、私が思うDiggin' Iceを一番イメージしやすい作品だと思いました。
 ここで説明するのもアレですが、この作品自体、MUROさんのミックステープ制作活動30周年(プロ活動前も含む)を記念して作られた部分があり、MUROさん自身も意識的に「総決算」的な内容にしたのかな~と思います。

 そして、この選曲を支えるミックスなどのDJ技術も冴えわたってて、Diggin' Iceで存分に味わえた「DJミックスの妙」を存分に楽しめる点も重要です・・・
 DJミックスを通して聴くことで「その楽曲の本当の素晴らしさ」が味わえることも出来、Diggin' Iceを抜きにして、DJによる「ミックス作品」としても相当優秀な作品だと思います。

 また、ミックス作品として、しっかりとした「ストーリー」があるところも素晴らしいですね!

 今回、その点は「起承転結」という形で紹介してみましたが、やっぱり聴く側としては、選曲のストーリーがあると聴きやすいし、何より聴いていて「グッ」とくるんですよね・・・
 まるで、良質な本を読み切ったあとの爽快感や満足感と言うんでしょうか・・・DJミックスほど、聴き方によったらBGMになりがちな音楽を、しっかりと「楽しめる」内容にするのは「ストーリー」があっての効果で、この作品では、シンプルだけど何度も聴きたくなるストーリーがイイですね!


 そして・・・ここが、この作品の一番重要なところです。

 この作品が、しっかりと権利をクリアーした「メジャー作品」として制作されたことです!

 まず、少し話がズレますが、DJの選曲とミックスは「自由な発想」があって、初めて成立をするものと思います・・・

 ただ、メジャーという世界では、楽曲を持っているアーティストやレコード会社が存在するため、その「自由な発想」を全て実行することはできません。

 それこそ、この作品であれば、レコード会社「ユニバーサル」がライセンスできる音源だけが使用でき、ユニバーサルがライセンスを持っていない曲を選曲することは、ほぼ出来ません・・・つまり、結果的にDJ側の「選曲の自由」を奪っている訳です。

 しかし、MUROさんにおいては、膨大なレコード知識を駆使し、その制約をもろともしない選曲と、その曲達を引き立てるDJミックスを駆使し・・・素晴らしいDJミックスを作り上げました!

 この点は、ネットで自由にDJミックスがアップできるご時世、本当にリスペクトしないとイケない点です・・・MUROさん、やっぱり凄いよ!


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 そんなわけで、これで終わりにしましょう・・・

 とりあえず、今週発売された新作(2016)もヤバいですね・・・2015とガラッと方向を変え、直球は投げない選曲でありながら、要所要所で憎い演出が施されてあり、ヤバすぎです・・・
 う~ん、この夏のヘビーローテーションは確定ですね・・・今年もお世話になります(^0^)

 そして、今月末にはElegant Funkとしてメジャー新作が出るとのこと・・・選曲は聴くまでのお楽しみなのでアレですが、事前情報では吉●美奈子さんを選曲したらしく、またメジャーの制約の壁をぶち破ってくれましたね!
 
 あと、今回の紹介にあたって、この2015版を相当聴きこみましたが・・・おかげさまで、また「MUROさんから教わった曲」が増えてしまい、収録曲を探し始めています・・・
 これはゆっくりと探していきますが、この点もMUROさんを説明するときに重要ですね・・・MUROさん、これからもイイ曲を沢山教えてくださいね!!

 ではでは、気になる方は新作と合わせて聴いてみてくださいね!!




<Release Date>
Artists / Title : DJ MURO 「Diggin' Ice 2015 - 30years and still counting」
Genre : Soul、Funk、Jazz、JazzFunk、RareGroove、R&B、Pops・・・
Release : 2015年6月
Lebel : Universal PROT-5002(テープ)  ※CDはPROT-1155
Notice : タワーレコード限定商品


Notice : CD版とテープ版について

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 前述したとおり、テープ版の方が尺が長いのでテープ版を紹介しましたが、CD版は下記の点がテープ版と異なります。

①一番最初のRoy Ayersのプレイの際、テープ版ではRoy Ayers本人からのシャウトアウト(!)が入る
②テープのB面の最初に「Ohio Players / Sweet Sticky Thing」が収録されている。つまり、CD版では、Ohioの前の曲(Nancy Willson / I'm In Love)からDeBargeにミックスされている
③CD版では「The Gap Band / Outstanding」で終わり、Gapの次の「Meli'sa Morgan / Fool's Paradise」以降が収録されていない

 平たく並べると、そこまで変わってないように思いますが、CD版だと、私が力説したTa Maraが入っていないので、個人的にはテープ版の方が好きですかね?
 ただ、CD版だと、DeBargeを大きなピークにしてて、最後のOutstandingを熱のこもった選曲になり、これはこれで気持ちいい・・・とにかく、テープ版もCD版も最初のRoy Ayersが大きすぎますね!

 なお、こういった違いがあるので、テープ版とCD版を2枚買いするのはマストになっています・・・ある意味でテープとCDは別物の作品(アウトテイクみたいな感じ?)と思っていて、2倍楽しんでいますよ(^0^)