
えー、ちょこちょこと10月に公開予定のブログ開設7周年ネタを仕込み始めてますが、かなり前倒しをして作業をしないと間に合わないことが分かりました・・・相変わらずの見切り発車っぷりに涙しております(^^;)
なので、しばらくは、そっちの仕込みに力を入れるので、通常の更新はサックリと紹介出来るのを中心にしますね・・・すみません・・・
そんなわけで、サックリと紹介出来そうなコレを紹介・・・ただ、聴いたら聴いたで深くハマってしまいました(^0^)

今回は、大好きなDJ Kayaさんの作品で、80年代にアメリカのワシントンDCを中心に広まった音楽「Go-Go(ゴーゴー)」を選曲したノリノリな一本を紹介します!
作品としては、Kayaさんの名作シリーズ「Backin'a Days 80's Mix」の番外編のような形でリリースされましたが、80年代ブラックミュージックのマエストロが作る作品だけあって素晴らしい内容になっています!
まず、この作品で選曲されている「Go-Go(ゴーゴー)」について紹介しましょう。
Go-Goは、音楽ジャンルとしての「Funk(ファンク)」の一種で、70年代末にチョコレートシティーとして名高いワシントンDCで生みだされた音楽と言われており、お好きな方も大変多いかと思います。
とにかく「ノリの良さ」と「ライブ感」を重視した音楽で、Trouble Funkなどの活躍により、一時期は全世界にも広まった音楽かと思います・・・それこそ、70年代のFunkが進化し、パーティーミュージックになったのがGo-Goだと思っています。
音楽の歴史的にも結構重要で、ブラックミュージックの系譜においては、黒さを残しながらダンサンブルな要素を加えた点がフレッシュで、それこそ80年代以降のHipHopやR&B、そしてGrand Beatなどは影響を受けたとされております・・・特にR&BのNew Jack Swingは顕著で、Teddy Rileyも影響を受けたことを公言されているそうです。
そして、Go-Goは、なかなかマニアックなジャンルの音楽ですが、私たちのクラブ/DJ世代としては、割とHipHopのオールドスクールの「関連」みたいな位置づけになっているので、そんなには離れていない音楽かな~と思っています。
それこそ、私が特にそうでしたが、MUROさんが「Super Disco Breaks」で熱心にプレイしたことから業界内で馴染みが生まれ、それで好きになった方もいるはずだと思います・・・
MUROさんも「オールドスクールの曲」としてプレイしてた感じで、オールドスクールのインスト=Go-Goと言っても過言ではなく、ある意味ではHipHopを通過したFunkなのかもしれないですね?
なお、もっと詳しい情報は以下をどうぞ・・・日本でこんなにGo-Goを愛してる方がいるなんて・・・リスペクトです!!
● Good to GO-GO 「History of Go-Go」




では、作品の紹介です!
製作者のDJ Kayaさんは、80年代のブラックミュージックを丹念にプレイしていたことで有名で、このブログでも何度か紹介をしている「Backin'a Days 80's Mix」など、ブラックミュージック愛に富んだ多くの作品をリリースされたお方になります。
そして、そんなKayaさんが「Go-Go」でミックスするんだから・・・間違えないですね!
選曲的にはGo-Goという音楽の4番打者的な曲である「Trouble Funk / Pump Me Up」、Go-Goの元祖ともいえる「Chuck Brown & The Soul Searchers / Bustin Loose」などの定番曲から、クラフトワークのカバー曲である「Trouble Funk / Trouble Funk Express」や、MUROさんプレイによって一時期はレア盤だった「E.U. / It's Family Affair」などの渋い曲まで・・・流石な内容です!
いや~、Go-Goについては、少しは知っているつもりでいましたが、Kayaさんの「深い選曲」と「フレッシュなDJプレイ」にはヤラれました・・・
まず、深い選曲については、知らない曲が多いんですよ・・・
それこそ、1999年にリリースされたRedmanを客演に迎えた曲(Rare Essence / We Push)や、Afrika Bambaataa制作のGo-Go曲(Africa Bambaataa / Shout It Out)など、Go-Goの世界も深いっすね・・・それも、Bamの曲の後には、その曲の元曲であるB.T.Expressの曲を選曲するなど、ニヤッとする「関連選曲」も多く流石です!
うん、この「関連選曲」もポイントで、「Trouble Funk / Pump Me Up」の後にはGrandmaster Melle Melのカバーを選曲してきたり、「E.U. / It's Family Affair」であれば、Chuck Brownによる同曲のライブテイクにスイッチしたり・・・細かい部分ではありますが、こういう細かい配慮も素敵すぎます!
また、DJプレイもイイんですよ・・・
これも関連選曲も込みでのプレイですが、「Chuck Brown & The Soul Searchers / Bustin Loose」であれば、この曲をネタにしたHipHop曲(Jacakl The Bear / For Real)のインストを先にプレイし、そこでKayaさんの盟友であるDJ Hinga Higaさんが巧みなスクラッチプレイで彩りつつ、そこからBustin Looseに流れ込む展開で・・・こういった「グルーブを盛り上げる為のプレイ」が上手すぎです!
これは、このGo-Goという音楽の本質にもつながりますが、とにかく「ライブでのノリの良さ」を追求した音楽であるが故に、DJプレイでも「ノリの良さ」をキープし、かつ「そのノリを盛り上げて」いく必要があります・・・
Kayaさんにおいては、選曲の流れを踏まえつつ、的確なタイミングで次の曲に変えていくことや、スクラッチプレイを入れたりすることで、Go-Goの良さを引き出している部分があり、素晴らしいです!!
かなりザックリとした紹介でしたが、聴けば聴くほど「Go-Go」の魅力が分かる作品です!
個人的な作品の良し悪しを判断する尺度になりますが、、作品を聴いた後に「プレイした曲が欲しくなる病」が出るかどうかがポイントになる中、しっかりと発病させて頂いたので、間違えない良作です(^0^)
気になる方は探してみてね~
<Release Date>
Artists / Title : DJ Kaya 「Backin'a Days 80's Mix - Go Go Crankin'」
Genre : Go-Go、Funk、HipHop・・・
Release : 2000年11月
Lebel : Freee-K Productions / Oh! Tape Joint OTJ-07(?)
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<独り言>

え~、今年の9月は夏の残りでもなく、また、秋の始まりでもなく・・・なんか梅雨の時期みたいな気候でしたね・・・雨が降ることに加え、湿気が鬱陶しく、悩ましい9月でした。
それこそ、ズーッと天気が悪いので洗濯物が干せないなど、一般的な困ることもありましたが・・・テープ馬鹿としては「湿気」が困ります・・・
それは、テープ再生機が「原因不明のエラー」が発生するからです。
どういう理由で発生するかのメカニズムは分かりませんが、なぜか湿気の多い時期はエラーが出やすく、困ります・・・
例えば、写真の迷彩ショックウェーブ君は、つい最近まで元気だったのに、今週は突然オートリバースが利かなくなり、再生にもムラが出始めてます・・・
そして、ラジカセ1号機君は、今朝、普通に聴いてて、オートリバースで切り替わった瞬間、突然再生ができない事象が発生・・・う~ん、困ります(^^;)
まあ、どちらも中の「ゴムベルト」が問題で、ラジカセ1号機君は、明らかにゴムベルトが切れた(伸びた)止まり方だったので、中を開け、動力部を確認したらゴムベルトの1つが伸びてたので即交換・・・無事に復活しました!
そして、迷彩君は、まだ中を開けて確認してないですが、ゴムベルト系の故障の匂いが・・・ショックウェーブは開けるのが結構大変なので、まだ様子見かな??
う~ん、湿気=ゴムベルトの大敵と断定ができませんが、湿気があることでテープがカビたりもするので、やっぱり「困りもの」ですね(^^;)
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今回は、先週にちょっとネタフリをした作品の紹介です・・・紹介する為に必要なレコが手に入らず、紹介まで約4年かかってしまいました(^^;)
ジャケが色んな意味でアレですが、中身は最高な作品ですよ!!

今回は「The Marrows (ザ・マローズ)」というDJ/クリエイターチームによる、2012年の夏に発売された作品を紹介します!
5年前に一度「Melting Pop」という作品を紹介しましたが、凄い久しぶりの紹介なので、Marrowsさんの紹介から始めますね~
まず、Marrowsさんは、東京とNYを拠点に、楽曲制作や映像制作、そしてアーティストのマネージメント活動などをされている方々になります。
一時期は、ミックス作品を熱心にリリースしたり、DJ SwingさんやI-Vanさんのサポートをするなど、かなり活動的でしたね・・・最近は、ちょっと活動が見えないところもありますが、渋谷のBar「The Bridge」でDJイベントを定期的に開催しているようです。
そして、Marrowsさんを説明することにおいて、一番ポイントとなるのが「出身がレゲエ」という点かと思います。
元々は、レゲエの某サウンドに所属されていたようですが、レゲエ業界が故の「狭さ」が窮屈に感じたことで脱退し、その後Marrowsを立ち上げた流れがあり・・・この点がMarrowsさんのバックボーンの一つであり、かつ、Marrowsさんの「味」になっていると思います。
それは、今回の作品紹介でも指摘をしますが、要所要所で感じられる「レゲエらしさ」が新鮮なんですね・・・
私が取り上げている「ミックス作品」を作ってる人々は、音楽的なバックボーンとしてHipHopやRareGrooveといった「レコード文化」だったり、Houseのような「ダンス文化」だったりが含まれている方が多い中・・・バックボーンとして「レゲエ」を持っている人は意外と少ないんですよね。
それは、「ミックス作品」という点だけで考えると、作品を作るにあたって「ミックス作品としての作品性を考えて作るかどうか」がポイントになる中で、レゲエでそういったことを深く考えてミックス作品を作っている人は少ないと思います・・・それで、結果的に私たち側の耳に入らないのかな~と思っています。
う~ん、なかなか難しい部分ですが、レゲエ自体が「内向きな音楽/文化」な部分があり、変な話、レゲエが好きな人「だけ」に理解されれば良いという感じがあるんですよね・・・裏を返すと、Marrowsさんが感じた「レゲエの窮屈さ」がこれに近いかもしれないですね。
ただ、その「レゲエが好きな人だけに理解されていること」は、それはそれで大変魅力的です!
やっと、Marrowsさんの紹介に戻りますが、Marrows作品においては、我々が親しんでいる「ミックス作品」の文化に、隠し味として「そういったレゲエ感」が加わっていることが大変魅力的になっています!
その感じは、5年前に紹介した「Melting Pop」も秀逸でしたが、今回紹介する「パライソ」も素晴らしいです!
では、以下で詳しく紹介をしますね~
なお、今回の紹介では、選曲の順番を踏まえて紹介をした方が、説明がしやすいので、かなりネタばらし的な紹介になることをご承知おきください・・・




まず、この作品は、副題に「トリップ・トゥー・メロウ・ミュージック」とあるように、割とメロウかつグルービーな選曲で、夏を意識した内容になっています。
分かりやすい表現だと「Diggin' Ice」になり、かなり幅広い選曲、そしてニヤッとさせるストーリー性、気持ちイイグルーブの作り方など・・・Marrowsさん達の良さが如実に表れた作品になるかと思います。
出だしでは、イントロで同アーティストの別曲をサラッと利用しながら「The Blackbyrds / Soft And Easy」をプレイし、気持ちよい音楽旅行の幕開けを演出します・・・
もー、この空気感の作り方は上手いです・・・簡潔に表現するのであれば「Diggin' Ice」と説明したいところですが、全編にわたって「気持ちイイ空気感」が施されており、聴いてて知らない曲でも癒されます。
作品の中では、色々とストーリーが変遷する中で、共通事項として「気持ちイイ空気感」を統一しており、大変聴きやすいです・・・これは、しっかりと作り手が「作品のイメージ」があって選曲されていることの表れで、これが出だしから徹底されていることにはビビりました!
特に、前述したような「レゲエ」という先入観があると、この辺の選曲からヤラれるんですよね・・・ちゃんと、こういったレアグル系の曲も知っているんだ~ということにヤラれます!
この作品では、直球でレゲエな曲は殆どなく、大半がSoul、R&B、RareGroove、HipHop、和物などが中心で、普通に聴いたらレゲエ畑な人が作ったとは思えない選曲です・・・
うん、きっとMarrowsさん達が「グッドミュージック」を追求していった中で、おのずと、グッドミュージックは「ジャンルの壁が必要が無い」ことを見出した結果でしょうね・・・
んで、最初から気持ちイイ展開を出しつつ、いきなりキラーな展開になります!
メロウな流れを汲んで「Ray Parker Jr. / A Woman Needs Love」をプレイし、気持ちイイ空気感を引き延ばしながら、次にプレイするのが和ライトメロウの人気曲「○島○理 / Lonely Feelin'」をプレイ・・・そして、その流れを受けてRay Parker Jr.がプロデュースした「New Edition / Mr.Telephone Man」もプレイ・・・
とにかく気持ちイイ流れですが、ここではMarrowsさんの「ストーリー作り」の上手さと、「選曲のアイデア」の巧みさが上手く出ていてヤラれます!
これは聴いて頂ければ一目瞭然ですが、ここでは「男と女の恋愛」と「電話」をキーにしたミニストーリーを作っていて、最高すぎます・・・
それこそ「Ray Parker Jr. / A Woman Needs Love」は、女性は男性からの愛を求めている、なので、男性が女性に愛を与えないと女性は浮気しちゃうよ~的な歌詞で、それを踏まえて「○島○理 / Lonely Feelin'」を選曲してるのが素晴らしいです。
Lonelyでは、女性が男性に電話をしたら、奥で他の女性の声がしている(=浮気されている)ことがわかり、別れを告げることを題材にした歌で、このラインだけで「大人の恋愛」を表現しているのがバッチリすぎます!
その上で、「New Edition / Mr.Telephone Man」に繋ぐのですが、こちらは男の子が女の子に電話をすることを題材にした歌なので、「電話」をキーにしつつ、前の2曲が作った若干シリアスな空気感を、ポジディブに転嫁しているのがフレッシュです!
更にの話も入れておくと、Lonelyの前に、某クラシックな恋愛ドラマ(男女●人夏物語)から、別れ話っぽい会話をサンプリングしているのもグレイトですが・・・ホント、Marrowsさんの「ストーリ性」と「アイデア/センスの良さ」にはヤラれます!!
私のポリシーである「DJミックスによってプレイした曲が光る」ということは、ただ単にDJミックスをするのではなく、そこには選曲を繋げることで生まれる「ストーリー性」と、既存の音楽や考え方を超えた「アイデア/センスの良さ」があって、初めて実現をすると思います。
ホント、この部分を聴いただけで、Marrowsさんが「ストーリ性」と「アイデア/センスの良さ」に長けていることが分かります・・・私が4年かけてLonelyを探してしまったことが理解できたでしょうか(^^;)




次は中盤辺りの紹介です・・・
序盤ではスローな曲を中心にメロウな展開を維持していましたが、中盤は少しBPMを上げてミッド程度の選曲に進めていきます。
それこそ、有名レゲエバンドのAswadの面々が参加した名カバー「Heatwave / Feel Like Making Love」や、MUROさんもプレイしたAfter 7のラバーズカバーである「Wayne Wonder / One Night」などのレゲエ風味の曲を選曲しつつ、ここでも意外な和物で「●下達● / Magic Ways」をプレイするなど、幅の広さも同居した選曲です。
うん、Marrowsさんの「選曲の幅の広さ」は本当に素敵です・・・
それこそ、達●さんの曲は、今の和物ブームの中でも意外と取り上げられていない名曲で、この作品を聴いて「おおっ、これも使えるんだ!」と思ったし、何よりも「Wayne Wonder / One Night」の選曲が渋いですね!
Wayne Wonderは、結果的にオリジナルの12inchは買えてない(写真は極小で00年代にプレスされた再発)レコなんですが、これはホント知る人ぞ知る名カバーですね・・・私の音楽的基礎を気づいてくれたMUROさんがDa Cypherでプレイしてて、それでヤラれた曲です・・・
先ほども書きましたが、レゲエの出身の方が「ここまで深く、そして幅広く選曲」できる点にはビックリしましたです・・・
私がレゲエに対して穿った考え方をしているだけかもしれないですが、文化的に「過去の良い音楽を掘り起こす」ことはあまりしない、つまり「常に新しい音楽を発信する」ことが主軸になっているように思っていました。
また、あまり他のジャンルの曲に手を出さない印象もあったので、ここまで広く選曲しているのにはビックリです・・・やっぱり「グッドミュージック」を追求した結果がこれになるのかな~と思います。
ただ、この中盤での選曲では、逆に「レゲエの良さ」も光っている、と感じました。
それは、Marrowsさんが「レコード」という媒体・方式にこだわりが無く、何でも「良い音楽ならプレイする姿勢」があることになります。
例えば、大名曲「Marvin Gaye / Mercy Mercy Me」をプレイするのですが、その後に、Mercy Mercy Meをモロ使いした楽曲「DJ Jazzy Jeff & Ayah / Make It Last」にスムースに繋ぎます・・・曲としてはネット配信のみで、LPはおろか、CDもリリースされていない曲です。
その他にも、非レコードな曲としては、Jill Scottによる Lovely Dayのカバー(配信のみ)だったり、CDのみでリリースされた曲(Eric Gadd / Why Don’t You, Why Don’t I)だったり・・・極めつけは韓国のLovers Bandの曲(Wind City / Love Supreme)だったり・・・現行系の曲を的確にプレイしてて、ブレない選曲にはビックリです!
この点は私の頭がおかしいのですが、ミックス作品で使われる曲は「アナログ/レコードにプレスされてないとイケない」というディガー文化特有の頭の固さがある中で・・・レゲエの良さは、フォーマットや技術に対して、実は「柔軟」なところがある点になると思います。
そう、この辺が「レゲエの良さ」を感じるんですよ・・・
Marrowsさんが元来もつ選曲の広さの背景に、レゲエらしい柔軟さがあるんですよね・・・逆説的な説明になりますが、私たちの方がレコードに固執し過ぎていて、配信の曲などをぷれいしないことで「選曲の自由さ」を失っていることに気付かさせられる部分かと思います!!
今回の作品のようなオールジャンルミックスにおいては、私たちのレコード文化に属したDJの得意芸だと思いますが、こういった「新しい」ことを取り入れるのが実は苦手だったりするので、Marrowsさんの姿勢は、私たちの足りない部分を指摘してくれてて、結構大切だと思いました。
なお、「Marvin Gaye / Mercy Mercy Me」の話を広げておくと、この辺りの選曲は「カバー」や「ネタ使い」を軸にしている点もポイントが高いです!
特にMarvinなりの「クラシックなSoul」に対する敬愛が感じる選曲が素敵で、What's Going Onは、意外とプレイされない2001年のアーティストチャリティー系のカバー(Artists Against AIDS Worldwide)を入れてくる辺りにヤラれました!




そして、場面は変わって最後の辺りを紹介しましょう・・・
最後の方は、割と急にシフトチェンジをして上で、夜っぽい選曲に切り替えていきます。
それこそ、私の青春時代のクラシックが多く、かなり心に響く選曲で、今でも結構なレア盤である「Monday Michiru / Saturday Night」(hoodのサントラ12inchのみに収録)や、これもカバーな「Moomin / Windy Lady」や、故DevLargeさんの美しさが反映された「Moomin / Big City」のインストなど・・・日本語ラップ~歌モノの連続プレイにはヤラれます!
また、渋いところだと、やっぱりカバーモノで「Randy Crawford / Give Me The Night」をプレイしますが、よくプレイされるMousse Tのリミックスではなく、同盤に収録のChill Night Remixをプレイしていることころが渋いです・・・最初、Randy Crawfordのカバーとは気付かなかったぐらい、忘れていたRemixで、しっかりと「曲を聴いて」、その上で選曲してるのが分かりますね!
んで、その上で紹介したいのが、選曲の進め方、つまり「選曲のストーリ性」になります。
今回、紹介を選曲順にして、かつ3つのパートに分けたのは、この点を分かりやすくしたかったからです・・・
つまり、最初の辺りは、男女の恋愛のもつれ(笑)はあるものの、メロウな空気感を押して「朝~午前中」の感じを、中盤のミッド選曲は「穏やかな日中」、そして、ここで紹介をしている部分は「アーバンな夜」をイメージし選曲しており・・・時間の流れを模した選曲のストーリー性があるかと思います。
個人的には、こういった朝→昼→夜なストーリーは、ベタな方向性ではありますが、結構難しいストーリーで、実は選曲力が凄い試されるものだと思っています。
特に、時間軸が切り替わる瞬間が難しく、頭に絵が描けていても、両方の要素を「橋渡し」できる曲を持ってこないと上手く繋がらない部分があり、結構難しいストーリー設定だったりします。
Marrowsさんのこの作品においては、昼→夜の切り替えを、写真に上げたMondayさんの曲をカットインするような形で対応していますが、ここはちょっと細切れ的な繋ぎになり、ちょっと繋がりがなかったかな・・・
また、夜選曲の部分はちょっと統一感や明確なイメージがない感じがあり、やや物足りないかな・・・
ただ、全体的な選曲の流れはパーフェクトで、しっかりとストーリーが繋がっているのが素晴らしいです!
なんでしょう、一番最初に指摘した全体的な気持ちよさを根底に置きつつ、男女の恋愛の暖かさと儚さ(はかなさ)みたいのを上手く表現し・・・結果的に聴いてて「癒される」ストーリーに持ってきているのが素晴らしいですね!
ここで、タイトルの話をするのもアレですが、タイトルの「Paraiso/パライソ=楽園」という意味を、大人たちの癒しの楽園のように表現したストーリー展開があり・・・ミックス作品を「自分たちの描いた絵」であることを理解して、真剣に作った結果が現れた作品だと思います!!

4年の間、割と夏になると聴いていたこともあり、紹介を書くのはなんとか書けました・・・ちょっと一方的な視点も含まれているので、分かりづらいところもあるのはご了承ください。
ここ最近のMarrowsさんについては、残念ながら、ミックス作品をあまり出していないので、Marrowsさんをご存知の方は少ないでしょう・・・
そして、この作品であれば、こんなジャケ(すみません・・・)なので、レコ屋の中古コーナーを探している人でも、スルーしちゃう人が多いかもしれないですよね・・・
ただ、100点満点は出せないものの、この作品はかなり良いです!
そして、他の作品も、レゲエ中心の作品も含め、Marrowsさんのセンスが生きた良い作品が多いです!
Marrows作品は探せば割と探すことができると思うので、是非、ミックス作品がお好きな方は探してみてくださいね!
そして、私としては、Marrowsさん達が「Mixtape Troopers大賞」が取れるほどのセンスと選曲力を持っていると思っています・・・是非、ミックス作品の制作も頑張って作ってくださいね!!
<Release Date>
Artists / Title : The Marrows 「Paraiso. - Musica - 」
Genre : Soul、R&B、RareGroove、HipHop、和物、AOR、Reggae・・・
Release : 2012年8月
Lebel : The Marrows TMTNCD-012
Notice : トラックリストについて
作品では「曲名」のみ記載がありますが、作品を楽しむ上で、アーティスト名も必要になるかと思い、私がメモって作ったトラックリストを掲載します。
なお、曖昧な曲もあるので、間違ってたらすみません・・・
01. Intro (The Blackbyrds / Summer Love)
02. The Blackbyrds / Soft And Easy
03. Hamilton, Joe Frank & Reynolds / Fallin' In Love ★他の人のカバーかも?
04. Ray Parker Jr. / A Woman Needs Love
05. kojima Rie / Lonely Feelin'
06. New Edition / Mr.Telephone Man
07. Wind City / Love Supreme
08. Yamashita Tatsurou / Magic Ways
09. Heatwave / Feel Like Making Love
10. Shanice / I Love Your Smile
11. Wayne Wonder / One Night
12. Eric Gadd / Why Don’t You, Why Don’t I
13. D.A. & The Supa Dups / Who Do You Know
14. Marvin Gaye / Mercy Mercy Me
15. DJ Jazzy Jeff & Ayah / Make It Last
16. Tony Thompson / My Cherie Amour
17. Artists Against AIDS Worldwide / What's Going On
18. Jill Scott / Lovely Day
19. Monday Michiru / Saturday Night
20. Moomin / Windy Lady
21. Moomin / Big City(inst)
22. Randy Crawford / Give Me The Night (Chill Night Mix)
23. Sade / By Your Side (Neptunes Remix)
24. Slick Rick / Teenage Love
25. Daft Punk / Something About Us
Notice : 作品発売にあたっての特別企画
この作品がリリースされる際に、Marrowsさんのブログで、この作品を楽しむ為の「エトセトラ」を紹介した記事がアップされていました。
今読んでも参考になるので、念のため、リンクを貼りつけております・・・こういう姿勢も、Marrowsさん達の「真面目」な部分がうかがえて、大変良いですね!
・ 第一回 -世にもアダルトな音楽ジャンル -AOR-
・ 第二回 歌って踊れるボーイズグループの先駆け -ニュー・エディション-
・ 第三回 世界で6番目に偉大なシンガー?-マーヴィン・ゲイ-
・ 第四回 時代を経て生まれ変わった歌 -D.A & SUPA DUPS , AYAH-
・ 最終回 ザ・マローズ作品の音質にせまる! -パライソのマスタリングの様子-!
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<独り言>

今日の独り言は、そんなになかった&書こうと思ったら日常の愚痴ばかりになるので、短めです(^^;)
昨日は、レコ屋周りをしてましたが、渋谷のユニオンの地下にお邪魔したら、背の高いブラックマンがレコを視聴をされているのが目立ちます・・・あっ、Pete Rockさんだ!
ちょうど、今週末に渋谷Contactで来日公演があったので、それで渋谷に来てたのかな・・・私が訪れた時点で、結構な量がキープになってたので、流石の一言です!
やっぱり、掘りの大先輩にレコ屋でお会いできると、元気が貰えますね・・・これは不思議なんですが、私はそうなんですよね~
ではでは、明日はお休みなので、7周年企画に向けて作業を進めます・・・地味に大変で辛いです(^^;)

え~、先週はなんとか更新をしましたが、先週~今週と休日返上で鬼のように仕事をしてて、疲れてしまいました(^^;)
仕事をこなしても、別の大きな仕事が降ってくるみたいな感じで、我ながら「頑張ってるな・・・」を痛感している日々でした・・・
体力的にも、精神的にも何とかこなしてますが、もうちょっと楽にならないのかな・・・ただ、先を考えれば考えるほど、楽になる気配が一切ないのは辛いところですね~(^^;)
ではでは、今週は待望の新作がリリースされたので、こちらのテープで援護射撃です!!

今週は、和物DJのパイオニアといっても過言ではない「DJ 吉沢dynamite.jp」さんのミックステープ時代の作品を紹介します!!
まず、吉沢さんの作品紹介は結構久しぶりなので、吉沢さんのことをサクッと紹介しましょう!
吉沢さんは、90年代初期より活動を開始し、活動初期はTHEATRE BROOK(シアター・ブルック)というバンドのバックDJをされてた方で、脱退後はDJとして精力的に活動をし、全国津々浦々のクラブをロックしてるDJです。
DJプレイにおいては、HipHopベースな2枚使いやマイクを使いつつ、現場に小型サンプラー(ローランド SP-404)を持ち込み、即興で声ネタトラックを作って盛り上げており、大変失礼な表現ですが「個性的」なDJです。
ただ、この個性的なDJは、巷では「ダイナマイト・スタイル」と呼ばれており、もー、この唯一無二なパーティーDJスタイルが素晴らしく、現場でヤラれた方が多いかと思います!
動画でいくと「この辺」が分かりやすいんですが、ほんとクソヤバですね・・・現場では割と小箱でのプレイが中心ではありますが、現場のDJを通して全国にファンを作り、全国のクラブを渡り歩いている姿が頼もしいです!
そして、その吉沢さんの代名詞となるのが「和物」になるかと思います!
今となっては、和物は一般的なジャンルになってきましたが、誰も見向きしなかった00年代初期~中期ぐらいよりプレイをし始め・・・今の和物ブームの「きっかけ」を作ったDJの一人になると思います。
近年だと、その経験と知識を生かし、和物系ディスクガイド「和モノ A to Z」を発表したことが有名で、吉沢さんを通して「和物」を知ったという方も少なくないでしょう。
特に、吉沢さんと和物であれば、精力的にリリースしていた「ミックス作品」の存在は大きく、吉沢さんが作った作品を聴いて「和物の魅力」に気付いた方は多いでしょう!
私自身もそうで、2009年のMixtape Troopers大賞を受賞した名作「Super 和物 Beat 番外編 - ニュースクール 歌謡ダンスクラシックス!」が衝撃的で、これで本格的に和物を掘るようになりました!
吉沢さんの和物の切り口である「Groovyな和物=クラブでのDJプレイに耐えられる/輝く和物」を中心に、間違えない選曲と、プレイした曲を盛り上げる珠玉のDJプレイが最高で・・・私のポリシーである「DJミックスによってプレイした曲が光る」を体現していますね!!

ただ、吉沢さんは「和物だけのDJ」ではなく、実は「オールジャンル」の選曲ができるDJであることは忘れてはいけません。
そのことが分かるのが、今回紹介するテープかもしれません・・・
このテープは、タイトルどおり「ラテン」を取り扱った内容で、ここ最近に吉沢さんを知った方にとっては意外なジャンルかもしれませんね・・・
ラテン自体、大昔の音源でも実はダンス向けの音楽であったことから、Club JazzやRareGrooveのラインでは定番で、日本でもUFOのラファエル氏などが積極的にプレイしててファンも多いジャンルですね・・・
まあ、日本においては、クラブとは関係なく、ラテンはラテンでコレクターやファンが昔からいることや、それ以上に、日本の歌謡曲などには異様にラテンの血が流れているので、割と入りやすいジャンルかもしれないですね・・・
そして、なぜ吉沢さんがラテンに興味を持ったかは明確には分かりませんが、吉沢さん自身、90年代からDJ活動をしてて、HipHopやRareGrooveの流れを母体にしながら前に進んでおられたようで、今の和物スタイルにも通じる「掘る音楽」という点がポイントんようです・・・
吉沢さんのブログによると、コレ系は値段が安く買えたから的な話が出ていましたが、きっと、人が掘らない音楽を、自身のDJプレイを通してカッコよく昇華することがモットーなんでしょうね・・・素晴らしい心ゆきです!
では、今回は「Latin Exercise C&D」で「吉沢流のラテン」を紹介したいと思います。
なお、テープ自体は2004年にリリースで、2003年に第1段(写真の左)を出した後に第2段としてリリースした作品になります。
第1段の方は、割とラウンジーなプレイで、どちらかというとRareGroove的なプレイでしたが、こちらの第2段は、今の吉沢さんに繋がる部分が多く、内容がかなり良いので、第2段で紹介しますね!




まず、選曲的には、サーっと聴くと「ラテン満載」な感じですが・・・深く掘り下げると流石の選曲です!!
A面の実質的な1曲目では、AYB Forceがネタにした「The Pete Jolly Trio and Friends / Little Bird」(Marcyさんのお店の看板ネタだ!)のようなLatin Jazzからユックリと立ち上がり、段々とグルーブを上げて、メローだけどダンサンブルな「Latin Fever / Our World」のようなRareGroove~Discoラインを選曲し・・・いや~深いですね!
また、ラテンの延長としてか、Bossa~Sambaネタを使用した「Jay Dee / Rico Suave Bossa nova」など、現行系の曲や異ジャンルの曲をサラッと取り交ぜており、その辺も深いな~
この他にも、マンボやチャチャといったラテンのサブジャンル(?)をフォローしつつ、全体的に知られていないラテンの範疇の旧譜曲で「クラブプレーに耐えられるグルービーな選曲」でプレイしてて、大変聴きやすいですね・・・
なんでしょう、プレイの仕方によっては「ラウンジー(=踊れない)」になってしまうラテンの曲達を、吉沢さんの選曲とプレイで常に躍動感が与えられている印象で・・・凄い聴きやすくなっているのが印象的です・・・
特に、聴きやすさの観点においては、前後の曲のグルーブだったりメロディーを合わせることを意識している点と、選曲の流れに起伏があって飽きさせない展開になっている点が光っており・・・細かい部分でも吉沢さんのDJのセンスや繊細さが光っていますね!
そして、吉沢さんの代名詞である「ダイナマイト・スタイル」が、作品の良さを更に高めています!
この作品でも、サンプラーを使ってのフレーズインをしてて、定番の和物フレーズなどを駆使してボムってくれますが、個人的には「ブレンド」に軍配を上げたいと思います!
作品の中では、何曲か披露しており、旧譜のラテンのインスト曲にアカペラをブレンドしているのですが・・・B面の後半では、なんと「Micheal Jackson / Beat It」の和物ラテンカバーに、MJのアカペラを被せるという荒業を披露・・・これには何重にもヤラれました!
まず、この和物ラテンカバー(曲名は伏せますね)を発掘してくる辺りは流石すぎます・・・全体的にも有名曲のラテンカバーは多様しているのですが、こんな曲があるとは・・・変な表現ですが、当時としては100円でも誰も買わないレコから発掘してくる辺りが素晴らしすぎます!
そして、それにMJのアカペラをのせてブレンドでプレイです・・・原曲をそのまま聴いたら地味な曲なのを、ブレンドをすることでヒップに演出してくる辺りが素晴らしすぎます!
その他のブレンドもフレッシュで、A面では早口ラップでマニアには有名なTwistaのアカペラを使ってのブレンドもセンスが良すぎです・・・
当然、DJプレイの手間は増えるわけですが、吉沢さんの「ダイナマイト・スタイル」を足すことで、プレイした曲が更に光ることは明白で・・・吉沢さんのセンスとDJ根性の勝利です!!
今回のテープを例にしただけでも、吉沢さんの個性である「幅広い選曲」「和物の活用」「レコードを掘る」「DJミックスや選曲の繊細さ」「ダイナマイト・スタイル」などが分かる作品になっています。
巷では、この作品だったり、吉沢さんのスタイルを「(Double Dee & Steinskiの)Lesson スタイル」なんて表現をしていますが・・・個人的には、この言葉には収まらない、吉沢さんだけのスタイル・・・そう「ダイナマイト・スタイル」が光った好作品だと思っています!
何も吉沢さんのことを知らない方が、いきなりこのテープを聴いても上記の点は理解できないかもしれないですが、吉沢作品が好きな方なら、かなりヤラれると思いますよ!
また、全然知らない方でも、心地よく、そしてダンサンブルにラテンが楽しめる内容になっているので、お勧めです!
<Release Date>
Artists / Title : DJ 吉沢dynamite.jp 「Latin Exercise C&D」
Genre : Latin、Jazz、Samba、RareGroove、HipHop、和物・・・
Release : 2004年
Lebel : Cherry Boy Label CB-001
Notice : CD盤について
この作品は2008年にCDで再発が出ています。なお、続編(第3段)にあたる「Latin Exercise E&F」は2006年にリリースされており、こちらはCDのみになります。
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<独り言>

今回の作品紹介は、この作品を紹介する為に紹介しました・・・タイミングは諸事情でちょっと遅れてしまいましたが、内容面であれば、今回のC&Dでバッチリでしょうか?
今回の主役である吉沢さんの5年ぶりの新作ミックス「SUPER 和物 BEAT 其の6」がリリースされ、昨日、やっと購入することができました!
● SUPER 和物 BEAT 其の6 (Disk Unionさんのサイト)
私自身、吉沢さんの作品は大好きなので、待望の新作でした・・・
確か、今年の正月に、吉沢さんのTwitterで「今年は新作を出します」とつぶやいてて、思わず「是非作ってください!」と返信してしまったほど、楽しみな新作でした!
内容的には、このシリーズのキーである「和物」においてラテンやトロピカルな曲を中心に選曲し、その上で、吉沢さんにしかできないDJミックスやダイナマイト・スタイルが炸裂し・・・かなり素晴らしい内容です!
購入して1日しか経過してないですが、既に7周目です・・・いや~、和物×ラテンという視点は誰も作ってなかったし、何よりもラテンが得意な吉沢さんじゃないと作れないミックスで、最高ですね(^0^)
今回の作品紹介は、新作がラテンっぽい和物という情報があったので、吉沢さんのラテン過去作の紹介をマクラにして、新作の紹介をするつもりで動いていました・・・
ただ、私が仕事が忙しく、なかなかレコ屋に行けなかったので、今回のタイミングになりました・・・実際に聴いてみて、このテープで援護射撃になりそうだったので、良かったかな?
興味がある方は、吉沢さんのサンクラに視聴もありますので、是非、お手に取ってくださいね~

そして、ここからが本当の独り言(?)です・・・このネタも、吉沢さんの流れで紹介するのがちょうど良いかな?
え~、レコードやテープという存在は、欲しいモノが簡単に買えないので、購入者が「探す」必要がある存在だと思います・・・
その「探す」ということは、人によっては「面倒」と感じるかもしれませんし、また別の人は「探すことが楽しみになるので、面倒ではなく、むしろ楽しみ」と考える人もいるでしょう・・・
また、私自身は断然「後者」の考えで、日々、欲しいモノを探しています・・・傍から見ると苦行に見えますが、本人としてはかなり楽しんで探しています(^^;)
そんなわけで、なんと4年間探していたレコがやっと入手出来ました!
探してたのは写真のEPで、和物ファンなら好きな方が多い「小島恵理 / ファールプレイ」で、このEPのB面に収録の「Lonely Feeling」が欲しく、ズーっと探していました!
探し始めたきっかけは、4年前にリリースされた某ミックスCDに収録され、それでこの曲が好きになり、そのミックスCDを紹介したいので探し始めまして・・・そう、作品紹介をするためなんですね(^^;)
ただ、今回はタイミングが色々と悪かったです・・・
まず、4年前の時点では、知る人ぞ知る1曲で、相場的にも探せば1000円以下で行けそうな様相で・・・都内のレコ屋や、地方出張に行った時の各地の街レコで、必ず「か行」か「こ」の列をチェックしていましたが、一向に出現しません・・・
そして、その4年の間に、徐々に和物の人気が高まり、色々なディスクガイドに、この曲が紹介され・・・更には昨年の6月には、まさかの再発があり・・・もう、オリジナルを掘る側としてはアレなことの連続で、なかなか遭遇出来ませんでした・・・
んで、昨日、ユニオンの新宿昭和歌謡館で廃番セールがあり、オリジナルが出品されることが分かり、強力な和物オジサン達にまぎれてセールに並び、開戦直後に飛びついた餌箱で一発ツモ引きという幸運でゲットできました(^0^)
まあ、値段は、今の相場からしたら、昭和歌謡館なので少し上乗せ・・・吉沢さんのような昔から和物を掘ってる人からしたら馬鹿みたいな値段かもしれないですが・・・4年間の労力を考えたら高くはないですかね・・・
だった、もう和物のEPの「か行」か「こ」の列をチェックしなくてイイだから・・・レコを掘ってる人じゃ分からないことかもしれないですが、これはメチャクチャ大きいです(^^;)
なお、私がこのレコを探している間に、この曲の作者である小島恵理さんは2015年2月に逝去されました・・・
このEPを手に入れたことは、天国にいる小島さんにも、この報告を通してお伝えいたします・・・素敵な曲を残して頂き、ありがとうございました!
ではでは、やっと4年越しでレコが手に入ったので、来週は「きっかけ」となったミックスCDを紹介する予定です(^0^)
来週も、仕事的には色々と忙しいですが、頑張ってブログも更新しますね~
では、また来週!!

いやいや、この作品は「今年の夏」に紹介したかった作品です・・・ギリギリ間に合った(^^;)
ブログを長く読んで頂いる方であれば「遂にですね!」な作品紹介です・・・ただ、そんなに深くはないですよ~


今回は、我らのMUROさんが1997年の夏ごろにリリースしたコンピレーション作品を紹介いたします!
先に指摘しておくと、この作品は「DJミックス」はしてなく、いわゆる「選曲」だけの作品になりますが、MUROさんの選曲の良さ・・・特に「Diggin' Ice」的な世界観やグルーブが感じられ、かなり良い作品になっています!
では、初めに、この作品がリリースされた経緯を紹介しましょう。
この作品は、日本のHipHopシーンを支え、そしてシーンの拡大に大きく寄与した音楽雑誌「Front(フロント)」の企画で作られたと言われる作品です。
当時を知る方だと「懐かしいな~」と思うかと思いますが、シリーズ化もされ、当時としては結構人気があった作品になります。
今となっては、この音楽雑誌「Front(フロント)」についても指摘をした方がよさそうですね・・・
この音楽雑誌は、1994年より刊行が始まった雑誌で、おもにHipHopやR&Bといった「(広い意味での)ブラックミュージック」を取り扱った雑誌で、日本においてHipHopやR&Bが大きく広まった「きっかけ」を作った雑誌になります。
それこそ、インターネットもなかった時代なので、音楽の情報を得ようと思うと専門雑誌の存在は大変大きいわけですが、マイナーだったHipHopやR&Bなどの情報を多角的に、かつFrontにしかない独自の視点で取り上げ、読者に対して情報の提供と教育を同時に行っていた貴重な雑誌だったと思います。
特に、90年代中盤~00年代前半は、徐々にHipHopやR&Bが人気を得て、新たに興味を持ったリスナーが増える中、その音楽の「本質」を分かりやすく紹介し続けた点は大きく・・・日本だけの「Bボーイ」「Bガール」を育てた点は大変大きいですね!
私自身、このFrontには大変お世話になり、今の自分がいるのは「Front」があったからだと思います・・・
高校生~大学生の頃は、むさぼるように読み続け、HipHopなりR&Bという音楽が心底好きになった他に、この音楽や文化に無くてはならない「心持ち(こころもち)」を多く学びました・・・
その心持ちは、なんとも説明しづらい話ではありますが、それこそ「掘る」という行為/姿勢がそうだし・・・なによりも、この雑誌の根幹の一人でもある「佐々木士郎(Rhymesterの宇多丸師匠)」さんが提唱した「Bボーイ魂(イズム)」という考え/姿勢が重要でしょうね・・・
う~ん、ボーイが「カタカナ」であることがポイントですが、これも説明しづらいですね・・・つまるところ「決して譲れないぜこの美学、何物にも媚びず己を磨く」の精神であり・・・私を含め、多くの方が影響を受けたと思います!!
なお、Frontについては、かなり前に以下の記事で、私の熱い思いと共に紹介をしましたので、ご参考にどうぞ!
● HipHop/R&B専門誌「Front/Blast」について (2009年10月)
● HipHop/R&B専門誌「Front/Blast」 バックナンバーリスト (2009年10月)

そんなFrontですが、HipHopとR&Bといった「現代的な音楽」を取り扱っていましたが・・・HipHopという音楽が「サンプリング」という「過去の音楽」を再構築する手法の元で出来上がった音楽なので、その「過去の音楽」についても、かなり詳しく紹介がありました。
その過去の音楽は、それこそサンプリング元となったSoulやFunk、RareGrooveやJazzだったり、HipHopのDJ達がプレイし続ける過去の名曲だったり・・・なかなか分かりづらい内容を詳細に教えてくれ、リスナーに対して有益な知識を与えてくれたと思います。
特に、その過去の音楽が「アナログ・レコード」を基準にしている部分があるので、かなり分かりづらい背景がある中、凄い分かりやすくまとめていたのが印象的で・・・このアナログ的な部分は、かなりの方が影響を受けたと思います。
それこそ、写真に上げたような「ディスクガイド」はFrontの代名詞で、有名DJ達の紹介がフレッシュで、コレで勉強をし、このリストを片手にレコ屋を回った方も多いはずです・・・
写真は、今回の主役であるMUROさんのリスト(Old School R&B特集)ですが、こんな小さな写真のレコを食い入るように見て、ジャケを覚え、そのレコを探しに行きましたね・・・
なお、脱線しますが、考えてみれば、私のブログの写真が見づらい(小さい)いのは、このFrontとかでの掲載方法があったからかもしれないですね・・・
Frontでレコ写が小さいのは、雑誌の掲載制約があったのもあるし、何よりも「掘り師マナー(=簡単には紹介しない)」があってなんですよね・・・そう、ちゃんと「自分の手を汚して掘れよ!」という心持ちが含まれているのです・・・ご留意くださいね!
話を戻しましょう・・・
例示したように、Frontはこういった過去の音楽にも強かった訳ですが、その流れで企画されたのが今回の作品だと思います。
イメージとしては、そういった過去の音楽は当時としては簡単に触れることができなかったので、読者に簡単に触れてもらうために、そういった過去の音楽の「CD」を作った・・・という感じで作られたようです。
企画自体は、どうやらFrontで活躍をしてた某ライターさんが、このCDの発売元のディレクターもしていたようで、それで実現をしたようですね・・・割と雑誌のタイトルだけ借りて作っただけの作品もある中、この作品は、しっかりと「意味」があって作られたのかな~と思います。
また、この作品自体、結構人気があり、MUROさんは第2弾を担当し、その後、JinさんやDevLargeさん&KZAさんなどが担当し、割と売れていた作品だったと思います。
このCDが出ていた97年~98年ごろは、私自身は知識が追い付かず、こういった「ネタ元」まではフォローしていなかったですが、多くの方は、こういったネタ元などの古い曲を知りたがっていたので、かなり需要があったのだと思います・・・
特に、これは今回聴いてみて感じたのですが、ちゃんとHipHopの「サンプリングの土台」という意義も踏襲しつつ、その担当したDJの切り口も入っているので・・・聴いてて勉強になるのと、何よりも「聴いてて楽しめる」部分があり・・・結果的に「内容が良いから売れた」部分があったと思います!
では、前振りが長くなりましたが、MUROさんの作品の紹介です!!




作品としては、DJミックスはされていないので、普通の「コンピレーション作品」になるのですが・・・聴けば聴くほど、MUROさんの「選曲」が生かされた構成になっており・・・もはや「DJミックス」と言っても過言ではない作品になっています。
まず、作品としては、「Fantasy」「Prestige」「Milestone」といった、Jazz~JazzFunk、RareGroove、Soul、Disco、R&Bといった要素を含むレーベルの70年代に残された曲を利用し、MUROさんにしかできない「夏選曲」、つまり「Diggin' Ice」の世界観で選曲され、大変気持ちイイ内容になっています!
それこそ、MUROさんが得意とする「聴いてて涼しくなる選曲」を、DJミックスはないものの、しっかりと順番を考えて選曲されており・・・かなり「癒される」内容です!
実際に選曲された曲も紹介しておくと、私のレコがFantasy系に偏り、PrestigeのJazz方面が弱いのは恐縮ですが、全体的に「アルバムの隠れた1曲」を選曲してきて・・・まず、流石の手腕にヤラれます!
序盤では「Pleasure / Happiness」や「Midnight Star / Follow The Path」などを選曲しており、この辺のチョイスはMUROさんならではの「深さ」が伺えます。
どうしても、リスナーとしては過去の曲であってもシングル曲などに向かいがちで、こういったアルバムに隠れている曲はどうしてもスルーしてしまいます・・・その点において、MUROさんは、こういう曲を探し、かつ、素敵にプレイするのが素晴らしいですね・・・
なんでしょう、これはレコードを掘ってないと分からないですが、MUROさんのプレイを通してその曲を聴くと「ジャケは知ってるけど、そんなカッコいい曲が入っているのが知らなかった」となるんですね・・・やっぱりMUROさんの「耳」は昔からブレてなかったですね!
また、選曲の流れも良く、気付いたら何度も聴いてしまいます・・・
導入部では、割とメローなSoulっぽい曲をプレイしつつ、段々とJazz~JazzFunkの中でメローな要素を含む曲をプレイして、グルーブを引き延ばしていきます・・・
そして、中盤から後半にかかる部分では、JazzとSoul~Garageの「かけ橋」として、その当時はJazz系レーベルであるPrestigeに属していたPatrice Rushenの「Patrice Rushen / Let Your Heart Be Free」を選曲し、Soul~Garageラインへ軌道変更して行きます・・・
その上で、これもアルバムの隠れた一曲な「Side Effect / Preivate World」などの明るい曲をプレイし始め、気持ちよく終わって行きます・・・
うん、聴けば聴くほど「Diggin' Ice」なんですよね!
時期的にも、MUROさんがテープで「Diggin' Ice」を作ってたころなので、そういった点は大いに意識して作ったのだと思いますが、選曲の順番だけで「Diggin' Ice」を表現してくる点は流石です!
あんまり上手くまとまりませんでしたが、これも立派な「MURO作品」であることは確かです!
今回、夏の間にチョクチョク聴いていましたが、もー、天然のクーラーでした・・・凄く気持ちいいです(^0^)
今でも中古であれば、チョコチョコ探せば見つかるCDだと思いますので、気になる方は探して聴いてみてくださいね!!
<Release Date>
Artists / Title : DJ MURO 「Front Presents diggin' from the vaults - Muro's Summer Vibes」
Genre : Jazz、JazzFunk、RareGroove、Soul、Disco、R&B
Release : 1997年7月
Lebel : ビクターエンタテイメント VICP-60059
Notice : 関連作品について

今回の作品紹介は、このテープが入手できたから紹介をした流れがあります・・・
このテープは、このCD作品がリリースされた際に、タワーレコードなどの大手CDショップ限定で、CD購入者へ応募ハガキが渡され、そのハガキをレコード会社に応募した人の中から抽選で当たった人に配られた・・・とされるテープになります。
まあ、いわゆるノベルティーになるのですが、なぜ、これを紹介したかというと・・・このノベルティーテープは「MUROさんのDJミックス」が施された内容になっているからです!!
DJミックスとしては、CDの収録曲をラフに選曲/ミックスしたような感じで、A面がFantasy寄りのミッド~メローな選曲、B面がPrestige寄りのJazzっぽいメローな選曲になっています。
恐らくですが、MUROさんとしては、Diggin' Iceを作ってた時期なので、最初はDJミックスを想定したCDを作ろうと思い、テストのような形でDJミックスの音源を作ったんでしょうね・・・
ただ、それが結果的に採用されなかったので、プロモのプレゼント用という形で残したのかな・・・真相は分かりませんが、そんな形で作られたのだと思います。
なお、このテープの配布数(100本?)や配布された経緯、そして何よりもMUROさんのミックスであることを考えると、日本の「ミックステープ」のレアリティーとしては最高峰のテープだと思います。
この点は、MUROさんとしては、このテープがMUROさんが心をこめて作った訳ではないので、不本意な部分もあると承知しています・・・
ただ、テープ馬鹿として、このテープに出会えたことは「嬉しい」の一言です・・・一生大事にします!!
※入手した時の話は「この記事の下の方(独り言)」で紹介しました・・・相当苦労して出会いました(^^;)
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