HipHop,R&B,Soul,Funk,RareGroove,DanceClassics,Garage,House・・・など、私が気に入っているMixTape,MixCD,その他もろもろを紹介するブログです。
Tony Touch 「Hip Hop #50 - Power Cypha 50 MCs」
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 え~、今週も仕事一色で、土曜日までフルマラソンでした・・・いや~、疲れました(^^;)

 来週に大仕事があるので、それまで耐えれば完走だと思いますので、それまでは頑張りましょう・・・

 そんなわけで、気付いたら紹介してなかった名作テープの紹介です!!


tony touch

 今回は、NYを代表するDJである「Tony Touch (トニー・タッチ)」さんの作品で、名作ミックステープの一つに数えられる「50MC's」を紹介したいと思います!

 まず、Tonyさんについて簡単に紹介しておきましょう~

 Tonyさんは、NYのブルックリン出身のHipHop系DJ/Producerで、割と日本では馴染みの深いお方かと思います。

 1969年生まれの47歳で、子供のころからHipHopに馴染み、その流れでDJを志したそうで、バックボーンである「プエルトリカン」という立場を生かして、NYのみならず、世界各地でDJをされている大御所になります。

 まず、Tonyさんにおいては、やっぱり「プエルトリカン」という立場が大きく、一時期はカリブ海地域の音楽とHipHopの融合を推進した立役者として有名で、一つのジャンルにもなった「Reggaeton(レゲトン)」をプッシュし、HipHop業界的にはホント重要なお方です!
 それこそ、このレゲトンの流れは、同じプエルトリカンのアーティストを昔から協力をしていたことの「賜物(たまもの)」であり、時代を少し遡り、90年代後半位からプエルトリカンのアーティストが増えていった背景には、TonyのDJとしての後押しがあったからでしょう・・・Big Punisherあたりは、実力もありましたが、Tonyさんの後押しが大きかったのかな~と思います。

 また、Tonyさんはダンサーとしての「B-Boy」でもあり、現在でもあの「Rock Steady Crew」のメンバーに名を連ねています・・・今は踊ってないようですが、TonyさんがバックDJをやっているイメージはおぼろげにあります・・・
 元々、子供の頃はB-Boyだったこともあり、その流れでRSCに入っているようです・・・そのため、一時期はRSC関連~B-Boyバトル系のイベントのバックDJとしても活動していたと思います。

 あと、そのB-BoyバトルのバックDJの流れもあってか、日本には結構来日してて、あの「Zeebra」さんとは作品での共演(I'm Still No.1のRemix)をきっかけに凄い仲が良いことが有名ですね・・・

 なんか、まとめになりますが、ジブさんもTonyさんも40を過ぎてもタンクトップが似合うのが頼もしいですね・・・うん、その「気取らない姿」が海を越えて愛されているのだと思います!


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 そして、Tonyさんにおいて、一番重要なのが「ミックステープ」ではないかと思います!

 今回紹介する作品自体がHipHopシリーズの50作目になり、リリースは1996年です・・・当然ながら、それ以降のリリースもあるし、R&BやReggaeといったジャンル別のシリーズも多くリリースしており、めちゃくちゃ作品数が多いです・・・
 詳しくは「Discogsの一覧(海外のコレクターは頑張ってますね!)」を参照ですが、ホント本数が多いです・・・私も、何となく買ってますが、現在の中古市場でも頻繁に出やすいことを考えると、USもさることながら、日本でもミックステープが人気があったことが伺えます。

 そして、この点を踏まえて言いたいのは、Tonyさんは「ミックステープを一般化」させたDJであることです!

 特に、これらのテープは、いわゆる「新譜テープ」で、その時にリリースされた新曲を中心に構成され、ある意味で「ラジオでは対応ができないストリート向けのスピーカー」になっていました。
 まあ、NYに関しては、ラジオもメチャクチャ機能をしていたのは事実ですが、ラジオである以上、放送コードやポリシーがあるので、HipHopという真のストリートミュージックをプレイすることが難しかったんですね・・・その「隙間」を埋めたのが、この「新譜テープ」になるかと思います。

 また、この点を進めると、その「制作したDJにしか作れない音楽作品」としての側面も出始め、例えば人気MCのフリースタイルを収録してたり、未発表の曲がプレイされてたりしてて、DJが主導になってこれらのミックステープを盛り上げていた部分もありました。
 この点では、Tonyの後に頭角してきたDJ Clue?などが、自身の政治力を使ってエクスクルーシブな曲を多く集めて、ミックステープと言う存在を拡大させた訳ですが・・・結果的に、ミックステープという存在が「DJのアイデア」の元で作られた「音楽作品」であることは変わりがありません。

 そして、ここでいう「DJのアイデア」が爆発させたのが、今回紹介する「50 MC's」になるかと思います!

 詳しくは、以下で紹介しましょう!!


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 まず、この作品はTonyさんのミックステープ50作目(HipHopシリーズとして)を記念して制作された作品で、タイトルの50にあやかり、50人のMCの「フリースタイル」を収録した作品になります!

 それも、どこかのクラブの隅や電話越しに録音した内容ではなく、しっかりとスタジオに入って録音した「曲ともとれるフリースタイル」を収録しており、もはやTonyさんの「音楽作品」になっています!!

 ミックステープにおける「フリースタイル」を考えると、大半がシャウトアウトレベルの簡単なものが中心になり、それこそ、DJミックスの合間に入る「おまけ」的な存在かと思います・・・
 一方で、DJによっては、そのフリースタイルが作品上の売りにもなるので、結構気合いを入れる部分でもあり、レゲエで言う「ダブ」のような意味合いで、エクスクルーシブなフリースタイルをしっかりと録音して、DJミックスの出だしなどに入れておくこともあります・・・

 今回のTonyさんの作品では、この後者の考えを踏まえて「だったら、全部フリースタイルにしちゃおう!」という考えで作られており、ある意味で「ミックステープ=DJのアイデアの結晶」であることを具現化した作品になります!
 
 HipHopって「発想」を大切にする音楽ですよね・・・

 当然ながら、このアイデアはHipHop精神に裏打ちされているので、当時のNYでも相当ウケ、爆発的にヒットしたそうです・・・やっぱり、こういった「アイデア」を評価する部分がHipHopの良いところですよね~
 また、少し横道に逸れますが、同時期にリリースされた「DJ Spinbad / 80's Megamix」もアイデア一本で勝ち上がった部分を考えると、95~6年ごろのNYでは、DJ達が「自分のアイデア」で今までに無い「ミックステープ」を作っており、大変「熱い」時期だったのかもしれませんね・・・

 ただ、このアイデアについては、冷静に考えると、Tony自体、昔からレゲエに明るかった部分があり、レゲエでは一般的だった「ダブ(そのDJ/DJクルー用の特注曲)」の考え方を上手く使った部分もあるのかな~とも思います?
 ただ、現場実況を収録したテープでは当然あったけど、ダブだけで「ミックステープ」を作る流れは96年よりもうちょっと後のような気がするので、その意味では先駆的な部分はあるかもしれません?


 そして、実際の内容は、その当時の大御所MCやニューカマーのMCが勢ぞろいし、聴いていて「熱い!」感じがバシバシして最高ですね!

 参加したMCとしては、有名どころだと、写真のKRS-ONE、Kool G Rap、Guruなどの有名ラッパーや、Onyxなどのグループはメンバー総出でフリースタイルをしており、かなり豪華です!
 何となくですが、写真を白黒で揃えていたら、こういった面子を名前になりましたが、それ以外にもWu関係者、Bootcamp関係者、また渋いところだとGrandmaster CazなどのOG勢も参加してて、これだけの面子を揃えられたのは、Tonyの力量あってですね!

 ある時期から、特にUSでは、ミックステープにおいて「どれだけ有名MCのフリースタイル/エクスクルーシブ曲を入れられるか?」が、そのDJの「力量のバロメーター」になったわけですが・・・このテープの人選を見ちゃうと、Tonyさんの力量以上に、各MC達からの「リスペクト」があったからこそ、作品として成立したのかもしれません!

 前段の「プエルトリカン」の部分で、Tonyさんが「DJとして後押ししている」と書きました・・・それは、Tonyさんに関しては、ミックステープのリリースを通して、収録した曲のアーティストを「後押し」しています・・・
 きっと、この作品に参加したMC達は、こういったTonyさんの後押しに対してリスペクトがあり、だからこそ、ここまで協力的にフリースタイルをしたんだと思います・・・なんか、ミックステープが「MCとDJを結びつかせる場所」であることも示してて、グッときます!

 また、最後に、いつものミックステープ評論的なことも入れておくと、そのフリースタイルで使われる「インスト曲」が良く、この辺もTonyさんのDJの上手さが出てるかな~と思いました。

 1996年の作品なので、それこそ7 Minutes of Funkを引き直した「Jay-Z / Ain't No Nigga」などの懐かしいチューンを使うんですが、これがカッコいいんですよね・・・高校生時代に好きで聴いてた曲ですが、Tonyさんがプレイすると、なんか雰囲気が高まり、昔聴いたよりもカッコよく聞こえます!
 また、その一方で、古典ブレイクともいえる「Wild Style / Down By Low」を2枚使いでバックトラックにしてて、ある意味で「オールドスクール=B-Boy」を忘れていないところも素敵です!




 今回も、思い付いたことをバーっと書きましたが、やっぱりHipHopは「アイデアの文化」であることを改めて思い直しました。

 そして、その考えを元に作られている「ミックステープ」は「DJのアイデアの結晶」なんですね・・・これも大切なことですね!

 今となっては「ミックステープの古典」とも言える作品ですが、こういった「DJ文化で忘れてはいけないこと」を思い直させてくれる点は素晴らしく、改めてTonyさんの偉大さにリスペクトです!

 なお、テープ的には、USでは相当売れてて、それなりに入手しやすいはずですが、ここ最近、USでも、そして日本でも、こういった90年代中ごろのミックステープ(それこそTape Kingzなど)は高騰傾向にあるので、これも入手が難しいかな?
 ただ、普通にYouTubeにもアップされているので、気になる方は探して聴いてみてね~



<Release Date>
Artists / Title : Tony Touch 「Hip Hop #50 - Power Cypha 50 MCs」
Genre : HipHop・・・
Release : 1996年
Lebel : No Lebel No Number   


Notice : 別ジャケについて
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 私が所持しているレベルだと、右のTape Kingzプレスも存在しています。ただ、写真のBガールジャケの方が一般的のようなので、今回はBガールの方で紹介しました。個人的には50番前後の流れを考えると、Bガールが最初で、Tape Kingzの白黒ジャケは2ndになるような気がします・・・
 また、Bガールの方は、この絵を作ったデザイナー(Hardkore)は書いてありますが、レーベル名は書いていません・・・どっちが1stプレスかも含め、こういったUSミックステープの「謎」な部分は、深く考え過ぎると無限ループになるので、深く考えない方が良いと思います(^^;)


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 なお、その「深く考えない方が良い」の話がでたので、別角度の補足をしましょう・・・

 今現在、日本で買える「US産のミックステープ」は、純粋にNY等でプレス/コピーされたテープもあれば、当時の日本でコピーされたテープも多く含まれています。
 
 実は、今回のテープにおいて、TapeKingzのは、明らかに日本でコピーしたテープだと判断できます・・・

 両方とも市販のカセットテープにダビングをした作品ですが、TapeKingzの方は、90年代後半に日本のディスカウントショップで1本100円程度で販売されていたコ●カ製のテープなので、日本コピーでしょうね・・・
 このコ●カのテープ、私自身は凄い思い入れがあり、90年代後半の高校生時代、深夜ラジオが好きで、録音用に安いテープを常に探していた中で、秋葉原の高架下の怪しい店が爆安でこのコニカのテープを出してて、まとめ買いをして使っていたので・・・このTapeKingzが日本コピーと判断しました・・・
 なお、Bガールジャケの方は、Maxell製で、ジャケの裏にたまたま入っていた元の市販テープのインデックスシールにおいて、裏の説明書きが英語なので、コッチはUSプレスのようです・・・

 1990年代前半から98年ごろまでの日本での「販売方法」を考えると、徐々にHipHopが人気になり、それこそレコードの輸入量も増えていった過程がありますが、総体的な輸入量が低い状況では、アメリカで作られたテープをそのまま輸入してきて売るのにはコストが高くつき、こういった「日本でコピーする」ことも少なくはありませんでした。

 それこそ、レコード屋さんや洋服屋さんが多かったのですが、NY等のへの買いつけの際に、元となるミックステープを1本買ってきて、日本でコピーをすれば経済的ですよね・・・
 この流れでは、どのお店がやっていたかは伏せざるを得ませんが、割と有名な洋服店でやってたり、Cisco坂の手前で露店を開いているお兄さん(テープ屋キングス!)がやってたり・・・日本産のコピーは割とポピュラーだったと思います。

 まあ、私自身は、色々な過程を経てテープ馬鹿になったので、そういった「コピー」も、このミックステープ文化の「華」であると考えており、悪意のあるコピーテープ(海賊版という意味合いか?)以外は歓迎しています・・・

 なので、今回、こうして指摘はしていますが、あくまでも「ミックステープの楽しみ方」の一つとして捉えていただければ幸いです・・・


 なお、関連情報ですが、こういったTape Kingz等のNY系のミックステープを現地品かどうか見分ける方法は多岐にわたり、私自身も知識をフル動員して検品(?)をしています・・・
 ただ、ここ最近に聴いた話で、日本でコピーしていた某店において、わざわざUSで良く使われている無地テープ(メーカー記載が無い透明のテープ)を輸入してきてコピーしていた、という強烈な情報を知り、もう、判別すること自体も辞めようかと思っています・・・(^^;)





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<独り言>

 最初に愚痴った通り、仕事が忙しかったので、今週も独り言はお休みです・・・
 そして、来週は週末がモロ出張なので、来週は更新自体がお休みです・・・すみませんね~(^^;)

 でも、昨日は、仕事のしすぎで頭がおかしくなりそうだった(笑)ので、残業後に無理やりレコード屋に行って魂の浄化を・・・やっぱり、レコ屋は落ち着くな~
 そんな流れで、下北に行ったら、嬉しい出物が・・・N村さん、A井さん、いつもありがとうございます!






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DJ Yukijirushi 「DJ Yukijirushi Vol.4 - Dance Classics」
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 え~、GWが終わって以降、仕事な毎日で疲れ気味・・・今月は、月末まで残念ながら仕事一色なので、青息吐息な毎日です(^^;)

 まあ、いきなり愚痴から始まりましたが、今月を超えることが出来れば、少しは楽になりそうなので、それまでの辛抱ですかね・・・頑張りましょう!

 そんなわけで、今週は深く考えずに選んだ、私が大好きなダンクラ系の作品の紹介です~


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 今週は、実は初登場な「DJ Yukijirushi(ユキジルシ)」さんによるダンクラミックスを紹介します!

 まず、ユキさんは、今でもバリバリ現役なお方ですが、少し紹介をしておきましょう・・・

 DJ Yukijirushiさんは、都内を中心にプレイするHipHop系DJで、HipHopのみならずR&BやReggae、そして今回の題材にもなるクラシックものなど、様々なジャンルの曲をHipHopベースでプレイできるお方になります。
 業界的には00年代初期頃、HipHop業界においてReggaeを流行らせた立役者として有名で、長くクラブに通われている方ほど、ユキさんに信頼を置いている方が多いかと思います・・・

 また、ユキさんは、あの「DJ Master Key」さんの片腕に近い立位置で活動をされており、現場でのDJに加え、マスターが運営してたアパレルブランド「Rock Smith」にもデザイナーとして参加するなど、マスターの活動と共に動いておられました。
 元々は、ユキさん自身は90年代初期にNYに渡米し、既にNYで活動してたBuddha勢と合流して、Buddhaの帰国と共に自身も帰国され、そこから日本でのDJ活動を始めた経緯があります・・・そして、その後にマスターと始めた名物パーティー「Daddy's House」でのプレイは特に有名かと思います。

 うん、私のちょっと上の世代の方で、渋谷でHipHopを聴いてた方なら、この「Daddy's House」は外せないかと思います・・・


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 少し脱線をしてDaddy's Houseの話をしましょう・・・

 このパーティーは、今年、開店20周年(!)を迎えた渋谷にあるクラブ「Harlem」において、97年から03年まで毎週金曜日に開催をしていたパーティーで、ある意味で「日本で本当のHipHopパーティー」を根付かした存在として有名です。
 DJは、前述したDJ MasterkeyやDJ Yukijirushiの他に、初期はDJ Kenseiさん、サイドMCにはZeebraさんやMammy-Dさんが入るなど、この業界のトップセッターが集い、金曜の夜を大いに盛り上げていました。

 詳しくは、以下の作品紹介をご参照ください・・・

 ● V.A. 「Daddy's House Vol.1-3」


 Daddy's Houseは、ホント影響を受けた方が多く、このパーティーを通して「NYスタイルのHipHop」を学ばれた方が大変多いかと思います・・・
 それこそ、今回の作品紹介にも繋がるのですが、HipHopというバックボーンはあるものの、良い音楽は何でもプレイする姿勢があり、正に「NYスタイルのHipHop」を体現されていたと思います。

 振り返ると、90年代中期~後期は、日本では「クラブ」なり「HipHop」という存在が、まだまだ生活や文化に馴染んでいなかった部分があったので、とりあえずその言葉だけが独り歩きしてしまい、ある意味で「スタイル先行」になってしまった部分がありました。
 つまり、HipHopが好きな方であれば、リスナー側が「HipHop以外は聴かない」と思いこんでいて、それが「リアル」になっていたんですね・・・それ以外のジャンルを聞いたら「セルアウト」と呼ばれるぐらい、文化や音楽ジャンルに鎖国感がありました。

 ただ、Daddy's Houseが偉大だったのは、NYのHipHopのDJ達、それこそ「Kid Capri」が、ジャンルに関係なく「自分のフィーリングでどんなジャンルでもカッコよくプレイすること」を、渋谷の夜において積極的に体現していた点が大きいと思います・・・

 うん、それは、マスターやユキさんがNY時代にラジオやクラブを通して影響を受けた「NYスタイル」であり、本当の「HipHop」なんですよね・・・
 それこそ、一時期、ユキさんがHipHopの現場でレゲエをプレイしてたのは、このNYスタイルのバックボーンがあるからで、どんなジャンルでも、自分達が「カッコいい」と思ったモノをプレイする姿勢が色濃く出ていたと思います・・・


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 そして、話をユキさんに戻し、今度は「ミックス作品」について触れてみましょう。

 ユキさんに関しては、イイ意味で「現場」なイメージが強く、あまりミックス作品は出していないイメージが強いかと思います。
 ただ、00年代中期は、自身が推していたレゲエ系のミックスCDをアンダー/メジャーを問わず積極的にリリースしており、割と多作な方かと思います・・・

 その中で、テープ馬鹿としては上記のテープシリーズが外せないです!

 これらのミックステープは「DJ Yukijirushi」というタイトルで計4作リリースしており、あのK-Dub Shineのレーベル「Atomic Bomb」からリリースをしていたテープになります!
 なぜ、Atomic Bombからリリースしていたかは何とも言えませんが、このテープがリリースされた90年代末は、確かAtomic Bombの事務所がHarlemの近くにあり、その辺の流れ(渋谷コネクション?)でリリースされたんでしょうね~

 んで、内容的には1~3は、その当時の新譜HipHop(結構アングラ寄り)のミックスでアレですが、第4弾となる今回の紹介作品はかなり良く、ユキさんの良さが出た1本になっています!

 そんなわけで、今回も前振りが長くなりましたが、このシリーズの第4作目を通してユキさんの良さを紹介したいと思います~

 なお、先に脱線をしておくと、マスターが90年代中ごろに作っていたテープシリーズ「Wardest Working」の第7段のみ、ユキさんが担当していますね・・・マニア向けの補足です(^^;)
 

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 まず、選曲面ですが、タイトルの「Dance Classics」の通り、いわゆるダンクラを中心に、80年代のR&BやDiscoなどを選曲していますが・・・ココからして「NYスタイル」で最高です!

 先に指摘をすると、やっぱり「当時のNY」を知っているからこそ出来る選曲が感じられ、個人的にはかなり大好きな選曲です!

 選曲的には、80's R&Bクラシックな「Cherrelle / Saturday Love 」のような甘い感じの曲や、ラジオ/クラブを問わず永遠のクラシックである「Sister Sledge / He's The Greatest Dancer」のようなフロアー向けの曲など、割とミッドを中心に、日曜の昼下がりにラジオでプレイされたら気持ちいい選曲になっています。
 また、その一方で、結構深い選曲も多く、それこそ「Howard Johnson / So Fine」「Wish feat Fonda Rae / Touch Me」などが選曲され、ド定番と渋い曲を上手く散らしながら選曲をしているな~とも思います。

 この4曲だけで説明をするのは難しい部分もありますが、私としては「NYクラシック」を知った上で選曲をされているのが如実に分かり、聞いているだけでグッときました!

 まず、漠然とNYクラシックと書きましたが、私としては、これらを「過去にリリースされた曲において、DJ達が永遠に色あせない曲としてプレイし続け、それがリスナーの定番になった曲」と考えています。

 それこそ、今回のユキさんもアイドルであろう「Kid Capri」が、ラジオやミックステープのリリースを通して、人によっては懐メロ的な過去の恥ずかしいと思われていた曲達を、自信を持ってカッコよくプレイすれば「光る」ことを証明した曲達で・・・言葉であれば「クラシック」という表現で済むかもしれないですが、その背景には「DJの功績」がある曲だと思っています。

 ただ、これらの曲は、やっぱり「DJのプレイ」を聴いてたり、そのDJ文化の背景が分かってないと、まず、曲の良さが理解できないので、曲として受け入れられない部分はあると思います・・・

 その中で、ユキさんの選曲をひも解くと、そういった背景をしっかりと現地のNYで体験しているので、その背景を理解した上で、これらのNYクラシックを選曲をされており、選曲の重みが違います・・・

 それこそ、渋い曲はそうで、「Howard Johnson / So Fine」なんかはNYを知らないと選曲しないでしょうね・・・
 以前紹介したDJ Kaoriさんのテープでもこの曲が選曲されていたので、同じようなことを書きましたが、渋い曲の選曲ほど、DJの「NY理解度」が出てくるのかな~と思います。


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 そして、その「NYクラシック」な選曲を、更に高めているのが「DJミックス」になります!

 基本的には、HipHop的にサクサクとカットインやショートミックスで繋いでいくのですが、色々と技が光っていて、選曲した曲を更に盛り上げます!

 例えば、B面の一曲目では、ド定番な「Slave / Just A Touch Of Love」をプレイするのですが、イントロブレイクを2枚使いで高めていき、かなり早い段階で次の曲である「Oddyssey / Inside Out」豪快なカットインをします。

 まず、2枚使いはそこまで多くはないのですが、要所要所で光ってて大変良いですね・・・この辺は「カプリイズム」あっての2枚ですが、後で紹介する「Everyn King / Love Come Down」での2枚使い&半拍ずらしなど、2枚使いをすることでその曲に躍動感を増幅させているのが素敵です。
 
 ただ、ここで特筆すべきは「豪快なカットイン」ですね!

 Just A Touchにおいては、曲の出だしも出だし、少しサビを歌った辺りでカットインしていき、ある意味で「曲を変えるには早すぎる位置」でのカットインで、これは豪快です・・・でも、聴いていると「バッチリ」なんですね・・・
 また、他の曲ではもっと豪快なカットインが多く、4小節×2のサビであれば、普通であればその4小節終わりでカットインするところを、3小節2拍目あたりでカットインします・・・むろん、次の曲は、曲構成における2拍前からカットインして繋いでいますが、意外な部分でのカットインなのでビックリする反面、これも「バッチリ」です・・・

 こういった、普通のDJプレイにはないカットインなので「豪快」と書きました・・・ただ、豪快なんだけど、聴いてると「バッチリ」なんですね・・・

 うん、これは曲と曲を繋ぐ「グルーブ」がしっかりと繋がっていることがポイントだと思います・・・そう、ユキさんがプレイする曲の良さや構成をしっかりと読み取った上で繋いでいる「豪快さ」だと思います!

 ほんと、深く聴くと、繋いでいく曲のBPMやテンポ、楽器の相性などがバッチリで、それらを総体とも言える曲の「グルーブ」がガッチリと繋がっています・・・カプリもそうですが、ミックスは荒いんですけど、曲はなぜか繋がっているのは「DJの能力の高さ」があってでしょうね!


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 また、全体的なストーリー性も大変素敵です!

 選曲的には、割と日曜の昼下がりにラジオでかかりそうな、雰囲気の良い曲をグルービーに選曲してて、全体を通してのストーリー性はそこまでありません・・・ただ、盛り上げたい曲はガツっと盛り上げていくストーリーが細かくあるのが大変良いと思います!

 例えば、私自身が大好きな名曲「Sharon Redd / Never Give You Up」であれば、そのままでもイイ曲ですが、この曲に至るまでの「タメ」が利いてて、この曲が可憐に花開きます・・・
 つまり、盛り上げたい曲があるのであれば、そこまでの選曲をちょっと落としておいて、少しづつ上向きにしてる選曲があります・・・イメージとしては、5曲単位で動いていく感じで、最後の5曲目を盛り上げるために、1曲目からショートストーリーを作っている感じですね。

 また、B面の最後の方では「Everyn King / Love Come Down」を選曲しますが、これはこれで「曲の中だけでのストーリ作り」が大変上手いです!

 前述しましたが、この曲ではイントロブレイクをガンガンと2枚使いをし、更に曲に入ったら半拍ずらしを入れるなど、かなりHipHopマナーで曲をプレイします・・・

 ただ、これらが、この曲の「躍動感」を伸ばすためにおこなってて、その上でグルーブを高めた先で「サビ」が爆発するように仕向けたストーリーがあると感じました・・・
 また、更にですが、少しセンチな曲なので、そのセンチさをミックステープとしてのエンディング感として表現したい部分も、2枚使いなどを通して伸ばしており、ホント上手い選曲とミックスだな~と思います!


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 私が「良かった!」と思ったところを、バラバラに紹介した形になりましたが、結果的には「素敵なNYスタイルなミックス作品」に仕上がっており、ユキさんのレベルの高さが分かる一本だと思います!

 こういった作品ほど、実は作るのが難しいと思っています・・・それは、技術以上の「感性」が求められ、そのDJが、自然体で出せる「グルーブ」が重要になってくるからです。
 つまり、DJの技術の上手さや、どれだけ曲を知ってるかではなく、それらの技術と知識を、そのDJの「感性」でいかに組み合わせるかが大切なんでしょうね・・・う~ん、DJってやっぱり総合芸術なんですね(^0^)

 ではでは、テープ自体は、割と見かける作品なので、興味がある方は探して聴いてみてくださいね~




<Release Date>
Artists / Title : DJ Yukijirushi 「DJ Yukijirushi Vol.4 - Dance Classics」
Genre : Dance Classics、Disco、Garage、R&B、Pops・・・
Release : 2000年頃??
Lebel : Atomic Bomb(Tape Bombs) ABMT0005

Notice : レーベルについて+α
 本文ではKダブさんのAtomic Bombが作ったと書きましたが、正確に書くと、Atomic Bomb内に「Tape Bombs」というサブレーベルを作り、その中でリリースがあった作品になります。このテープレーベルでは、ユキさんが4本、DJ Oasisさんが1本をリリースした限りのようです。
 なお、この作品ではBen The Aceさんがマスタリングをしてて、確認レベルでは第2段はDOIさんと、実は制作の裏が豪華だったりもします?




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<独り言>
 今週は仕事しかしてないので独り言はお休みです・・・月末の大仕事に向けて弾丸で某四国に行ってきましたが、自分の時間が一切なく、愚痴しかでません(--;)

 ただ、渋谷のユニオンが「テープレコーダー」を含むDJ関係品の買取リストを出したのにはビックリしました・・・20年以上前のテレコは、中のゴムベルトが切れるリスクが非常に高いので、売り方が相当難しいっすよ・・・大丈夫なのかな~







Up Set Music 「Chilli'n」
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 え~、今年のゴールデンウィークは、天気が大変良く、素晴らしい連休でしたね~

 私に関しては、旗日だけのお休みで、水~金の3日間が実質のGWになりましたが、レコ掘り三昧で良いリフレッシュが出来ました(^0^)
 
 やっぱり、初夏の爽快さというんでしょうか、天気がイイだけで、外を出回るのが楽しくなり・・・ついつい何軒もレコ屋さんを周り、嬉しい散財でした(^^;)

 そんなわけで、そんな爽快な天気の下で聴いたら、かなり良かった作品の紹介です!


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 今週は、はじめて紹介するテープレーベル「Up Set Music」の作品から、内容が良かったチル系作品を紹介しますね~

 まず、Up Set Musicですが、名古屋で00年代初期~中期ぐらいまでリリースをしていたテープレーベル(プロダクション)で、日本語ラップマニアで、相当濃い方なら反応するであろう「Mujina(ムジナ)」のDJ/トラックメーカーである「Woonagi(うーなぎ?)」さん関連のレーベルになります。

 私自身、このレーベルはそこまで深く掘れてなく、あまり全容が分からないのですが、このレーベルの作品を見かけたら必ず買うようにしており・・・結構「マニア泣かせ」なレーベルだと思っています。
 リリース的には、発番ベースでは30本を超えてて、最初に触れたWoonagiさん、MOSADのAKIRAさんの実兄であるDJ Olee Louさんなどがリリースをされていたようです・・・家掘りするともう少しありそうですが、今となっては謎が多いレーベルですね?

 そう、名古屋のミックステープって、ほんと「謎」が多いんです・・・ 

 それは、あまり資料が残っていないことや、私の研究が浅く、深く理解が出来ていない部分が多いんですね・・・

 ただ、コレだけは言えるのが、名古屋は昔からHipHopが盛んな地区であったことは間違えなく、その存在を支えていた一つは「ミックステープ」だったことです。

 それこそ、他の都市との大きな違いが、恐らく「車文化」があることで、車の中でストリートな感じで聴くことが多かったと思うので、結果的にミックステープの利用頻度は非常に高かったのがポイントでしょう・・・
 私自身、毎年夏の関西+名古屋旅行で、ミックステープの聖地である「名古屋Mega Mix」さんにお邪魔し、当時の名古屋産のテープの多さに圧倒されており、6年かけても掘りきれません・・・それだけ名古屋産ミックステープが多いんですね!

 例えば、名古屋のHipHopシーンを大きくした第一人者とも言える「DJ Hazu」さんは、初期から多くのミックステープを出しており、気付いたら結構な本数がリリースされています。
 また、車と言う視点であれば、もっとストライクなのは「ギャングスタ・ラップ」で、日本唯一のG系ミックステープ・レーベル「Drug Funk」が名古屋を拠点に多くの作品をリリースしており、その独特な質感に、テープ馬鹿はウットリです!


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 そして、これらのテープよりもっと多いのが「新譜ミックステープ」です。

 今となっては分かりづらい内容かもしれませんが、00年代初期~中期は、HipHopやR&B、そしてReggaeなどは、沢山の曲が新曲としてリリースされてて、その「旬な曲(=新曲)」を中心にミックスした作品が大変多く、結構人気な作品になっていました。

 それこそ、一般レベルで新譜ミックステープというと、DJ Komoriさんの「Monthly Fruits」なんかが有名ですね・・・イメージとしては、リリースしたての「新曲」を順不同で紹介するイメージで、ほんと多くのDJが何本も作り、鬼のようなタイトル数が存在しています(^^;)

 なぜなら、大半のテープが「シリーズ化」してて、2~3か月に1本、早いと月1本みたいなペースでリリースがあり、ある意味で、そのDJの「月刊誌」みたいな感じになっていたからです・・・

 特に、ここで重要なのが、これらの作品がリスナー側の需要に応えていた部分は強く、それこそ、リスナーが新譜チェック用に重宝してたり、また、単純に「今、流行ってるHipHopやR&Bを聴きたい!」と思うライトユーザーの需要に上手く応えていた部分があった点です。
 また、制作をしているDJ側としても、作るべき内容が、実は「現場プレイ」と近い部分があるので単純に作りやすかったり、自身の現場プレイを広める為(=営業を取る為)の広告材料としてる部分があったり・・・割と「買い手と作り手の需要と供給」がマッチして作られていたテープだったと思います。

 そして、話を「名古屋」に戻すと、ホント「新譜ミックステープ」が盛んな地区でした!

 それこそ、大本命である「DJ Caujoonさん」(この方もMujinaのメンバーですね)の新譜ミックステープは、Acmediaというテープレーベルから累計で50本近くリリースされ、どれも人気だったと思います・・・
 もう、名古屋=新譜というイメージの中心がCaujoonさんで、かなりお世話になった方も多いでしょう・・・

 また、Caujoonさん以外でも、HipHopのRyujinさんやR&BのI-Cueさん等、ロングランシリーズの新譜ミックステープを出された方が異様に多く、個人的には「名古屋テープ」というカテゴリーがあるぐらい、ほんと色んな新譜ミックステープがリリースされています!

 まあ、なぜ盛んだったかの理由を考えると、やっぱり「車文化」になるんでしょうね・・・

 やっぱり、何となく車内でカッコいいHipHopやR&Bをかけたい「ライトユーザー」がある程度いて、そういった需要が新譜ミックステープの供給に繋がったんだと思います・・・つまり、いわゆる「非DJファン層」のユーザーの需要が多かったんですね!

 おぼろげなイメージになりますが、それらの需要は、ドレスアップしたステップワゴンで、夜のドンキに皆で行くときに車内で流れてたら「何となくカッコいい」なと思ったお兄ちゃんお姉ちゃんの需要ですよね・・・数字に表すのが難しいですが、結構な需要はあったように思えます・・・
 それこそ、新譜系のミックステープが、名古屋をはじめ、車文化がありそうな特定の地方都市のDJによって作られていた(例えば、宮崎~九州のDJ Meekさんとか)ことを踏まえると、裏付けとしては当たっているでしょうか・・・ただ、時期的にカーステがテープってあり得ない時期(CDの方が一般的)なので、その辺の実証はなかなか難しいかな??

 こんな背景があり、名古屋で「新譜ミックステープ」が量産をされていました・・・


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 そして、今度は、私の話に移りましょう・・・

 まず、新譜系の作品は、私の中で作品としての面白さが見いだせず、紹介としては避けていました・・・ただ、テープ馬鹿なのでセッセと収集はしており、その過程で密かに研究をしていました(^^;)

 その中で、面白いことに気付いたのが、今回の紹介に繋がります・・・

 それは「ムードを大切にする作品は非常に良く作られている」ことです!

 これは、特に「R&Bのスロー系」に該当をするのですが、これらは、車の中で野郎が女の子とメローな空気を作りたい時は必須なジャンルですよね・・・
 そのため、需要側(聴く側)の要求が強い名古屋においては、意外と人気だったと思われるジャンルで、それなりのクオリティーを求められるんでしょう・・・写真右のWoonagiさんのスローを聴いて、レベルの高さにヤラれました!

 また、これも深く聴いてたら分かるのですが、作ってるDJのレベルが「高い」ので、実は選曲は深く・・・たまに見せる「その深さ」がイイんですね!

 先ほどのWoonagiさんのであれば、A面とB面の最後をVery Special(それもDebra Lawsのオリと、BDKのカバーで!)で〆てたり、新譜に混ざって写真左のOld Schoolミックスを出してきたり・・・こういう変化球ほど、そのDJのレベルの高さが分かったりします!
 それこそ、CaujoonさんのAcmediaであればDJ Hayashiさんのグルービーミックスがさりげなくリリースされてたり・・・新譜レーベルだからって馬鹿に出来ない作品を実はリリースしており、この辺が私の「新譜ミックステープ掘り」の原動力になっているようです!


 作品の紹介の前に「外堀」を埋めるのが長くなりましたね・・・

 少しまとめると、私が声を大にして言いたいのは「新譜ミックステープも深く掘ればヤバいのがある!」ということです。

 テープを掘ってる方でも、新譜ミックステープは、作ったDJ、レーベル、ジャケの雰囲気、収録曲等を見て、結果的に「スルー」することが多いでしょう・・・ただ、積極的に攻めると面白い作品もあったりします・・・

 そこで、今回はUp Set Musicレーベルの作品で、その点を分かりやすく紹介をしたいと思います!


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 では、作品の紹介です!

 まず、この作品はアーティスト名が記載がなく「Up Set Music」と書かれていますが、恐らくWoonagiさんが作られた作品だと思います・・・

 作品は、タイトルの「Chilli'n(チリン)」がストレートで、なんと「70年代Soul~80年代R&B」を中心に選曲されたチルミックスになっています・・・まず、ここまでの私の説明を読んで、ストレートに新譜系R&Bに行かないのに「おふっ」となるでしょうか?

 私自身、なんとなく「きっと新譜系だろう」と思って買ったら、こういった方向性の旧譜ミックスだったのにヤラれた記憶があります・・・
 なお、副題には「Day Dreaming Soul Numbers (Chill Song) & X'mas Special Lovers Cream」と書かれてあり、どうやらクリ需要(?)を見越して作った要素もあるようです??

 そして、選曲面ですが・・・イイところを突きつつ、深い部分もあり、かなり良いですね!

 A面の1曲目には「Ray Parker JR. and Raydio / A Woman Needs Love」、そしてB面の1曲目には「Minnie Riperton / Lovin' You」からスタートしてて、グッときます・・・

 傾向的には70年代Soul~80年代R&Bにおいてスロー~ミッド系の曲を中心にしてて、これらのド定番な「分かりやすい曲」が多いかな~と思います。
 それこそ、Lovin' Youは誰でも知ってるだろうし、知らなくても、あのグルーブを聴いたらウットリしますよね・・・きっと、車に乗った彼女が、そんなに音楽に詳しくなくても心を預けられる名曲を多く選曲しています!

 その一方で、結構渋い曲も多く、ジャケ写を見たら「Best of My Love」かと思うEmotionsであれば、LPに隠れている名スロー「The Emotions / A Feeling is」を優しくプレイ・・・うん、ド定番と渋い曲の散らし方が絶妙で、この辺で「上手い!」と思ってしまいました!

 更に、選曲もガチガチのスローに固めず、動きをつけながら進めており、割とスロー目の曲からカットイン気味に「Bobby Caldwell / What You Won't Do For Love」を選曲・・・これにはアガりますね!

 それも、渋いのが、前のスロー曲が、Bobbyの同アルバムに収録された、BiggieのSky The Limitネタな「Bobby Caldwell / My Flame」ですよ・・・実質上、Bobby繋げではありますが、涙線に来る曲からのキラーはズルいです(^0^)
 また、選曲全般を見てると、さりげなく「Bが反応するネタ曲」も入れていて、このMy Flameもそうですが、Buddhaの休日のイントロネタなMinnieさんの曲をプレイしてたり・・・この辺の塩梅もグレイトです!



 作品紹介としては以上です・・・

 今回、この作品においては、私が「面白い」と感じた「新譜テープだからこそのスローの丁寧さ」「実はレベルが高い」点は出ているし、更に「意外性」も大きく・・・新譜系としてスルーをすると「痛い目に遭う」ほど、かなり内容の良い作品であることは間違えありません!

 きっと、二人の愛を車内で確かめあうために、こんな高純度な作品が生まれたんでしょうし、私としては名古屋が生んだ奇跡の「Diggin' Ice」だと思っています!

 では、今後も新譜系は作品の発掘に加え、「どう聴いたら面白いのか?」を探しながら追求していきますね・・・これからも精進です!




<Release Date>
Artists / Title : Up Set Music 「Chilli'n」
Genre : Soul、R&B、Pops・・・・
Release : 2003年
Lebel : Up Set Music USMT-037




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<独り言>

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 私のゴールデンウィーク・・・それは「レコ屋に行く」ことで、日ごろの鬱憤を晴らすべく、散財をしてきましたので、その報告です~

 まず、前置きとして、GWは我らのユニオンが全店を挙げて大型セールを連日スケジュールしており、このセールの日程に従って「連休の予定」が決まります(^^;)

 先週の更新でも少し報告しましたが、やっぱりセールは出物がゴツいのが出るので、探しているブツだったり、なかなか出合えない高額盤などが沢山出品されるので、おバカさんとしては気が気ではありませんね・・・
 私としては、ライフワークな「ミックステープ」「Discoの12inch」がメインなので、そこまで出勤回数は少ないのですが、それでも魅力的なセールが多く、一部は見学も含めて、GWのセールはしっかりと楽しんできましたよ!

 んで、報告の一発目は、5月4日(木)に渋谷ユニオン・クラブ店で開催された「テープセール」からいきましょう!

 まず、テープセールに関しては、大口でテープを売ってくれる人がいないと成立がせず、それにはお店側が積極的に「買います」の姿勢を見せないと計画的にセールが組めないものだと思います。

 特に、ここ最近は、大口な出物(OG達が秘蔵品を一気に放出とか)が少なくなってきたため、こういった「お店の姿勢」が重要になっていて、それでいくと「下北沢クラブ店」と今回の「渋谷クラブ店」がかなり頑張っています!

 下北に関しては、これまでの実績が違うし、N村さんをはじめ頑張ってるスタッフの方がいるので、やっぱりゴツいのが出ますよね・・・今回はGWの前哨戦になりましたが、4月前半のテープセールも地味に熱く、やっぱり底力があるな~と思いました!
 そして、渋谷については、積極的に「買取リスト」を公開してて、それで注目を集めており、頑張っていますね・・・セールでなくても、ホロっと平日放出することもあり、会社帰りに必死になって買いに行ったりもしています(^^;)


 そんなわけで当日です・・・なんと、紙を見てビックリかもしれないですが、久しぶりの「2番目」ですね!

 実は、事前情報を見て9割方は所持なので、リスト外でどのくらい面白いのが出るのかが楽しみで行ったような感じなんですね・・・そのため、そこまで気合いを入れず、整理券配布直前ぐらいに行ったので、特に2番でも問題がありませんでした。
 
 ただ、蓋を開けたら結構な方が集まり、オープン時には6名参戦・・・エレベーターで4Fに昇る際に感じる冷戦感(?)によって私も火がついてしまい、開戦です・・・
 オッサンだらけの狭い漁場を、セール前は一切見せなかった(出なかった?)真剣な顔つきで探索開始・・・おおっ、リスト外がヤバい・・・もう、その事実だけでギアが2段アップで一人鉄火場モードで掘りまくりました・・・

 結果は以下の通りです!

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 もー、渋いのが大爆発で、渋谷では万超えの14本でした!

 そして、その後に気を良くしてユニオン巡りをした先の横浜でも、これまた渋いのが格安で4本と、マニアご満悦な釣果でした!

 まず、渋谷ですが、この内容で「万超?」と思うでしょう・・・私が買ったのは大半が300円~500円の渋いリスト外のテープですが、今回は人気なタイトルは値段がついてて、今回の購入品の中では、持ってなかったので唯一食指が動いたFinneseのTape Kingzだけが高額でした・・・
 それこそ、目玉品として写真告知されてたタイトルは結構値段がついてて、Ill Vibesがあの値段だったのにはビビりましたが、オークションで競れば行きそうな値段ですかね・・・結構、値段でリタイアの方もいたようです??

 ただ、その一方で、お店側が「なんだそれ?」なマイナーなのは格安で嬉しかったです・・・それこそレゲエのInfinity16の探してたクラッシュテープや、懐かしい青山ナイト関連のテープ(!)などがゲットで嬉しいです!

 テープは「出た時勝負」ですが、売ってくれる方がいないと成立しません・・・不要な方は是非、下北や渋谷のユニオンに相談してみてくださいね!


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 んで、翌日の5月5日(金)です・・・今度は新宿でDiscoの12inchセールでした!

 まず、2日連続で並ぶのはどうかと思いますが、Discoの方は、ちょっと欲しかったタイトルがあったので、1番が欲しく、少し早目の9時半前に到着しました・・・おかげさまで敵無しで1番を獲得です(^^;)

 ただ、この日は、全く同じ日程でお茶の水でもDiscoの12inchセールがあり、前夜の作戦会議が大変でした・・・
 まあ、出品物を見比べて、どっちが欲しいのが多いかで判断をするのですが、これにマニア特有の被害妄想(敵が多くて取れないのでは?とか)が相まって、どっちスタートにするかが決めるのが大変でした・・・ただ、旅の準備をしている楽しさみたいな感じで、これも嫌いな時間ではありません(^0^)

 そんなわけで、オープン時には3人並び、後続の方は同日開催のR&B狙いとあって、少し安心しての開戦です・・・

 開戦後、ダッシュで掘り始め、Disco12inchはジャケがないので、現物を探すのに少し手間取ったものの、無事に狙ってたレコはゲットです!
 
 んで、その後、お茶の水を攻めてみたものの狙ってたのはなく、シュンとしてたら、他のユニオンで別の探してたDiscoと遭遇したり、昨日、仕事帰りに寄ったココナッツ代々木店さんでも12inchをゲットしたり・・・GWを通して12inchに恵まれた釣果でした!

 結果は以下の通り・・・


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 なんとも分かりづらい写真ですが、今回は万超えのゴツイのはウオントが無かったので、渋め狙いな攻め方で、合計9枚の釣果でした~

 まず、新宿では、微妙にコンディションが良い盤と巡り合えなかった「Alton McClain & Destiny / Crazy Love」の良盤に出会えました・・・こういった「そういえば持ってないや」が割と抜けて嬉しいGWですね!

 また、継続的に探しているMUROさんの「Elegant Funk」モノであれば、かなり探してた「Shock / That's Lady」の12inchが抜けて嬉しかったです・・・MUROさんはLPでプレイしてたかもしれないですが、UKのみ12inchアリで、ドマイナーすぎて全然出なかったんですね・・・
 この辺は、値段ではなく「出ない」のがポイントで、遭遇するまで時間がかかりました・・・ただ、家で聴いた時の音の太さはプライスレスで、無事にゲット出来て嬉しいです!

 あと、最近、また火が付いてきた「和物の当時12inch」で、横浜では松岡直也さん、代々木ココでは松本伊予さん(!)が抜けてご満悦・・・まあ、使えるか使えないかでいくと、両方とも微妙に和物臭さが抜けてなく、そこまで使えないかな?(^^;)

 ただ、コレ系も和物ハンター達が狙い始めてて、少しずつ、相場観が上がってきてますね・・・今回のユニオンの和物系セールでも、LPが中心でありながら、いつも通り12inchが少量出るけど、少しプライスラインが上がったような気がします・・・
 やっぱり12だと音がイイし、クラブ向けにエディットされてたりして使いやすいんですよね・・・45が一段落して、コッチ系に移ってきた兆候でしょうか?

 特に、プロモの和物12inchって、探すと「これがあるの?」というのが多く、掘った時の喜びがまだ未知数な所も大きいかな・・・個人的にも、この間の秀樹のヤングマンが良かったので、それで少しギアが入った部分はありました・・・
 なお、もっと大きいのは、極端な例ですが、このモンスターの存在を知ったのが大きく、もうちょっと色々なのを探してみたいと思います・・・
 

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 あと、4日には大変話題だった「下北沢レコードマーケット」にも行ってきましたよ!

 当日は大変天気が良く、オープンエアーでレコードが掘れるという、なかなか無いイベントで、かなりの方が参加されたかと思います・・・私は13時ごろにお伺いしましたが、既に大盛況で、レコードを見るのが大変な位の集客でした!
 そのため、私は、人が多くて圧倒されたことと、その直前に渋谷でテープセールの一戦をやって疲れちゃった(笑)ので、真剣には掘らず、見学モードでした・・・すみません・・・

 ただ、大変意味のあるイベントだったと思います!

 やっぱり「人が集まること」は大切で、文化はそこから生まれるんだと思います・・・

 特に、昨日、このイベントの首謀者である代々木ココナッツのYOKOさんと談笑してて思ったのですが、レコードが好きな人がこうやった集まって盛り上がることも大切だし、何よりも、その「楽しんでいる姿」を、通りを歩いている他の人が見て、そこでレコードに興味を持つことも大切だと思いました。
 思い返してみると、普通に下北に遊びにきた様々な年代の方が、あの会場の横を通り、一部の方は足を止めてレコードを見てたようです・・・それこそ、夕飯時のニュースで「世間ではレコードブームなんですよ~」と報道されているのを見たであろうお父さんお母さんが足を止め、レコードを眺めてくれることも大切だと思います・・・

 もちろん、本当は、まずは自分達が楽しみ、レコード文化を盛り上げていくことが大切ですが、私としてはこういった「好きな人を広める」ことも大切なんだと思いました。
 せっかく、あんな「ブロックパーティー」が似合う場所なんだから、私たちも楽しみつつ、フラッと立ち寄った親子も楽しめるような、そのなイベントになるとイイですね!

 なお、YOKOさんのお話だと、夏終わりぐらいにもう1回やる予定があるとのことでしたので、興味がある方は次回を楽しみにしててください!!



 なんか、GWの最後に、レコードとテープの話だけで、こんなに文章を書くとは思いませんでした(^^;)

 世間一般では、GWの渋滞でウンウン唸っている中で、自宅で地味に半日かけてウンウンと唸って作業をしているのは・・・きっと幸せなことなんですよね(^^;)

 ではでは、散財報告でした~



追伸
 お名前はお伺い出来ませんでしたが、4日のテープセール、5日のDiscoセールの際に「MTTさんですよね?」的に声をかけてくださった畏兄の皆さま、いつもブログを読んで頂き、ありがとうございます!
 ほんと、こんなに無駄に長い文書を喜んでいただき光栄です・・・これからも頑張りますね!!