6曲目で70年代のSweet Soul(The Chi-Lites / You Got To Be The One)を挟み、少しグルーブを落としたところで、絶妙なタイミングで7曲目「Freddie McGregor / That Girl (Groovy Situation)」を選曲し、これまでのリラックスしたグルーブから、明るいグルーブに路線変更していきます。
この次の8曲目でも、ド渋なReggaeのカバー曲(Sly Dunbar / Dance And Shake Your Tambourine)を使うなど、要所要所でReggaeの良曲を選曲しています。
考えてみれば、Reggaeも、この作品のテーマとも言える「バケーション」のような気持ちいいグルーブを内包した曲が多く、特に、7曲目のようなLovers(ラバーズ)系の歌モノは鉄板ですよね。 また、7曲目のFreddie McGregorの曲は、Am I The Same Girlのメロディーを使うなど、HipHop以降のリスナーに聴きやすい曲になっており、選曲の流れ的にもベストな曲を選曲していると思います。
ただ、さらに上手いなぁ~と思うのは9曲目の「Don Ray / The Garden Of Love」です!
まず、9曲目のDon Rayの4つ打ち的なグルーブを下地にしながら、気持ちいいロングミックスで10曲目「Julie Roberts / Fool For You」を選曲します。 10曲目はメロディーも歌詞も大変すばらしく、気づいたら鼻歌を歌ってしまうぐらい、MUROさんのグルーブに乗せられてしまいます・・・
そして、10曲目のブレイクダウンの部分を狙い、渾身のロングミックスで11曲目に・・・ 躍動感のあるメロディーが徐々に彩り、気持ちいいタイミングで11曲目「Barbara Pennington / On A Crowded Street」が選曲され、A面のピークを彩ります!
なお、1曲目の「Dee Dee Wilde / Lap Of Luxury」は、凄い思い入れのある曲です・・・ この曲自体、結構前から探していて、独身時代の夏の風物詩であった「京都・大阪・名古屋 レコードの旅」で、大阪の某レコード屋さんで「この曲はありますか?」と尋ねたら、当時はカオスな在庫の店内を一目し「在庫であると思うけど、分からない」と豪快に答えてくれたのが良い思い出です。
また、2曲目の「Risco Connection feat. Otis Gayle & Juliette Morgan / Bringing Out The Sunshine」は、Reggae Discoの代名詞とも言えるRiscoモノの1枚で、この作品がリリースされた1999年の前年に発表された「Super Disco Breaks 1-4」で大々的にRiscoモノが選曲されていたことから、この曲を選曲したのだと思います。 そのためか、このDiggin' Ice 99では、Super Disco Breaksで魅せた「アッパーさ」が若干加わっているようです・・・考えすぎでしょうか??
そして、3曲目では、今でもレアなカバー曲(Rita Wright / Touch Me Take Me)を挟み、4曲目には「Candy Bowman / Since I Found You (Love Is Better Than Ever)」を優しく選曲・・・これも素敵なスロー~ミディアムな歌モノで、大変気持ちいい選曲です!! ただ、1981年産のDisco 12inchのB面からの選曲で、それもBPM+6のピッチアップで、躍動感をプラスしての選曲です・・・もー、選曲もDJミックスも深すぎです!!
6曲目でUK Soulのグルーブを出したところで、その流れから7曲目はUK Soulクラシックな「Drizabone / Brightest Star」を選曲します。 そして、歌モノの暖かいグルーブとHip Hopライクなビートを前に出していったところで、8曲目はUS R&Bのド定番「Hi-Five / She's Playing Hard to Get」を選曲します。
そして、10曲目~11曲目では、ダンサンブルな70年代Soulを挟み、これまた絶妙なタイミングでのカットインで、12曲目「Ras Midas / Can't Stop Rasta Now」を選曲・・・ あの「Ain't No Stoppin' Us Now」のReggaeカバーで、なんと+7~8程度のピッチアップで選曲し、ダメ押しのピークタイムを作っていきます・・・
そして、カバー繋がりで、13曲目にはメドレー形式のCan't Take My Eyes Off YouのLatinカバーを挟みつつ、そのLatinの流れを生かして、オーラスの14曲目は「Ray Terrace / I Make a Fool of Myself」を優しく選曲・・・ この14曲目も、実はFrankie Valliのカバー曲で、力強い女性のVocalが前にでた好曲で、こちらも気づいたら口ずさんでしまいます・・・
<Release Date> Artists / Title : DJ MURO 「Diggin' Ice '99」 Genre : UK Soul、Acid Jazz、R&B、Soul、Disco、House、Reggae、Latin・・・ Release : 1999年 Lebel : savage No Number
side A 01 Style Council / Have You Ever Had It Blue 02 Antena / Seaside Week End 03 Anna Ross With Snowboy / Where Love Lives (Curton Mix) 04 The Greedy Beat Syndicate / This Is London 05 Diana Brown & The Brothers / Yes It's You 06 The Chi-Lites / You Got To Be The One 07 Freddie McGregor / That Girl (Groovy Situation) 08 Sly Dunbar / Dance And Shake Your Tambourine 09 Don Ray / The Garden Of Love 10 Julie Roberts / Fool For You 11 Barbara Pennington / On A Crowded Street 12 Vibrazioni Productions / Life (Natural Mix) 13 Georgie Fame / Samba (Toda Menina Baiana Mix) 14 Terry Ronald / What The Child Needs (Overnight Club Mix)
side B 01 Dee Dee Wilde / Lap Of Luxury 02 Risco Connection feat. Otis Gayle & Juliette Morgan / Bringing Out The Sunshine 03 Rita Wright / Touch Me Take Me 04 Candy Bowman / Since I Found You (Love Is Better Than Ever) 05 The Brand New Heavies / Never Stop (Kincaid Mix) 06 Move As One feat. Eddie Russ / Move As One (Remix) 07 Drizabone / Brightest Star (Swingbone Mix) 08 Hi-Five / She's Playing Hard to Get 09 CeCe Peniston / Somebody Else's Guy (Classic Old School 12" Mix) 10 Touch Of Class / You Got To Know Better 11 The Ebonys / Making Love Ain't No Fun 12 Ras Midas / Can't Stop Rasta Now 13 Luiz Carlos Vinhas / Birthday Morning - Can't Take My Eyes Off You 14 Ray Terrace / I Make a Fool of Myself
そして、「オルガンバーの熱狂を思い出させてくれる素晴らしい記事」という部分は、非常に重要な指摘ですよ!! オルガンバーのことは私自身が経験していないので、あまり書けないことですが、MUROさんがオルガンバーから影響を受け、その影響がミックステープに反映されている点はありますよね! それこそ、このテープで選曲した「Ray Terrace / I Make a Fool of Myself」は、絶対、オルガンバーからの影響ですよね!!
コメント
Kuromaguro96
当時の、オルガンバーの熱狂を思い出させてくれる素晴らしい記事をありがとうございます。
2022/06/26 URL 編集
mixtapetroopers
コメントをいただき、ありがとうございます!
ジャケネタ、大正解ですよ・・・調べてみて、ヒットして、びっくりしました!!
さっそく、記事に追記させて頂きました!!
そして、「オルガンバーの熱狂を思い出させてくれる素晴らしい記事」という部分は、非常に重要な指摘ですよ!!
オルガンバーのことは私自身が経験していないので、あまり書けないことですが、MUROさんがオルガンバーから影響を受け、その影響がミックステープに反映されている点はありますよね!
それこそ、このテープで選曲した「Ray Terrace / I Make a Fool of Myself」は、絶対、オルガンバーからの影響ですよね!!
今後とも、よろしくお願いします!!
2022/06/27 URL 編集