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DJ MURO 「Diggin' Ice '99」(改訂版)

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 4月の更新以降、慌ただしい日々が続いており、2か月ぶりの登場です・・・もう、夏が始まりましたね~

 そうなると、つい手に取ってしまうのは「Diggin' Ice」です・・・こればかりはもはや「習慣」なので、仕方がないことです!!

 というわけで、今回も前回に続き、MURO作品の再紹介記事です!!


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 今回は、MUROさんの大名作シリーズ「Diggin' Ice(ディギン・アイス)」において、テープ時代の最後の作品となる1999年版を紹介します。

 まず、このDiggin' Iceは「聴いたら不思議と涼しくなる」ことがコンセプトとなるシリーズで、今でも大人気なシリーズになります。
 私自身、Diggin' Iceは自分の音楽観を作ったと言ってもよいぐらい好きなシリーズで、毎年、夏が近づくとなぜか聞きたくなるシリーズです・・・皆さんの中でも、こういった方が多いのではないでしょうか?

 そして、1999年にリリースされたこの第4段は、テープ時代では最後の作品となり、これまでに作り上げた「Diggin' Ice」という世界観をさらに広げた部分があり、大変素晴らしい作品になっております。
 
 これは個人的な感想ですが、初めてこの作品を聞いた20代の頃より、40代になった今の方がこの作品を好きになっていました・・・
 うん、他のDiggin' Iceと比べると、MUROさんにしか作れない「上質なグルーブ」が加味されてて、最高なんですよね!

 そんな訳で、2008年にも一度紹介した作品ではありますが、改めてこの作品を深く紹介したいと思います。
 以下では、A面とB面に分けて、実際の選曲順に作品の内容を詳しく紹介しますね!

 なお、この記事をもって、2008年に紹介した記事は「旧記事」にさせていただきます。予めご了承ください。


【参考記事】
・DJ MURO 「Diggin' Ice '99」(旧記事)

・DJ MURO MixTape 作品リスト
・DJ MURO 「Diggin' Ice - summer of 96」(完全版)
・DJ MURO 「Diggin' Ice '97」(改訂版)
・DJ MURO 「Diggin' Ice '98」(改訂版)

・DJ MURO 「Super Disco Breaks Lesson 1-4」(詳細版)





<Side A>

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 では、まずはA面からの紹介です!

 A面は、夏の避暑地に合うと言う意味で「バケーション」というイメージがテーマとも言えるミックスになっており、選曲もDJミックスも大変素晴らしい内容になっています!!

 まず、1曲目はUKのBlue-Eyed Soulの好曲(Style Council / Have You Ever Had It Blue)から優しくスタートし、2曲目の「Antena / Seaside Week End」にゆっくりと繋いでいきます。

 A面の最初の方を聴いていたら、この2曲目のジャケットのように、小粋な砂浜を優しい潮風を浴びながら、ゆっくりとリラックスしながら歩いている感じになります・・・う~ん、なんて気持ちいいんだろう!!

 2曲目は1985年にリリースされたフレンチポップの女性シンガーの1曲で、タイトルやジャケットが表す「バケーション」なグルーブが素敵で、ある意味でこの曲がA面のテーマとも言える曲かもしれないですね・・・

 それは、聴いてて「単純に気持ちいい」ことに外なりません!

 もちろん、この曲自体が良い曲であることも大切ですが、その良い部分をMUROさんが選曲とDJミックスを施すことで、さらに磨かれ、最高の「気持ちよさ」を演出しているのだと思います。

 そして、この気持ちいい流れを維持して、3曲目「Anna Ross With Snowboy / Where Love Lives (Curton Mix)」に優しく繋いでいきます。

 こちらはUK Soul~Acid Jazzクラシックで有名な曲ですね・・・おっ、考えてみればUK~EU系の連続選曲だ!

 この作品で特徴的なこととして、これらの曲、特にUKの曲が多く選曲されていて、テーマの「バケーション」なイメージを的確に表現している部分があります。
 それこそ、この3曲目のようなUK Soul~Acid Jazzに多く含まれている上質でクールな感じを、Diggin' Iceらしい「気持ちよさ」に発展させていて、大変上手いですね!!

 なお、余談も余談ですが、2曲目の「Antena / Seaside Week End」は、当時の日本にも紹介された曲で、中古で購入すると、結構な確率で大手レコードショップ「新星堂」の直輸入帯が付いていますよね!
 日本でも、昔からこういった曲が評価されていたことは、結構驚きます・・・帯の「思わず、身を乗りだす快適サウンド!最先端を行く知的なインテリア・ミュージック」っていい表現だなぁ~


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 そして、UKものの気持ちいいグルーブを維持しながら、7曲目あたりから変化を入れてきます。

 6曲目で70年代のSweet Soul(The Chi-Lites / You Got To Be The One)を挟み、少しグルーブを落としたところで、絶妙なタイミングで7曲目「Freddie McGregor / That Girl (Groovy Situation)」を選曲し、これまでのリラックスしたグルーブから、明るいグルーブに路線変更していきます。

 まず、注目したいのが「Reggae(レゲエ)」の曲を選曲したことで、この作品ではUKものと同じぐらいに活用しているジャンルになります。

 この次の8曲目でも、ド渋なReggaeのカバー曲(Sly Dunbar / Dance And Shake Your Tambourine)を使うなど、要所要所でReggaeの良曲を選曲しています。

 考えてみれば、Reggaeも、この作品のテーマとも言える「バケーション」のような気持ちいいグルーブを内包した曲が多く、特に、7曲目のようなLovers(ラバーズ)系の歌モノは鉄板ですよね。
 また、7曲目のFreddie McGregorの曲は、Am I The Same Girlのメロディーを使うなど、HipHop以降のリスナーに聴きやすい曲になっており、選曲の流れ的にもベストな曲を選曲していると思います。

 ただ、さらに上手いなぁ~と思うのは9曲目の「Don Ray / The Garden Of Love」です!

 まず、この曲はDisco系ProducerのCerroneが制作に携わったLPからの1曲で、ReggaeからDiscoへの方向転換がサラッと行われています。
 うん、この方向転換は、聴いてて全然違和感がなく、気づいたらバケーションなグルーブをさらに高揚させていて、大変上手い選曲です。

 そして、この選曲を詳しく調べると、これまで100以内だったBPMが、この曲では110まで上がっています・・・

 実は、前曲の8曲目(Sly Dunbar / Dance And Shake Your Tambourine)の時点で仕込みがあり、BPM98だった7曲目のFreddie McGregorの曲から、Reggaeというジャンルをブリッジに、BPM111の8曲目にコッソリと繋いでいたのですね!!
 それも、8曲目はPatrick Adams作のDisco曲のレゲエカバーな訳ですから、そこから9曲目のDon Rayに繋ぐのは違和感がありません・・・

 ほんと、MUROさんの選曲の組み合わせ、DJミックスの上手さは、こういったところに表れていますよね!

 なお、もう少し深堀りすると、7曲目の「Freddie McGregor / That Girl (Groovy Situation)」は、結構なピッチアップ(+7~8ぐらい)でプレイして、曲の躍動感を前面に出しているのが大変上手いです!!
 

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 そして、9曲目のDon Ray以降は、A面のピークタイムを作っており、この流れが好きな方は多いですよね!!

 まず、9曲目のDon Rayの4つ打ち的なグルーブを下地にしながら、気持ちいいロングミックスで10曲目「Julie Roberts / Fool For You」を選曲します。
 10曲目はメロディーも歌詞も大変すばらしく、気づいたら鼻歌を歌ってしまうぐらい、MUROさんのグルーブに乗せられてしまいます・・・

 そして、10曲目のブレイクダウンの部分を狙い、渾身のロングミックスで11曲目に・・・
 躍動感のあるメロディーが徐々に彩り、気持ちいいタイミングで11曲目「Barbara Pennington / On A Crowded Street」が選曲され、A面のピークを彩ります!

 もー、11曲目は、気づいたらMUROさんのグルーブに乗せられ、一緒に歌を歌っている自分がいました・・・最高の選曲ですね!!

 まず、10曲目と11曲目は、共に80年代中頃にUKでリリースされた歌モノで、UKらしい洗練されたグルーブがありながら、力強く真のあるボーカルが相まった良曲で、MUROさんから、この2曲の良さを教わった方が多いかと思います!

 この時代のUKの歌モノをなんて表現したらよいか分かりませんが、90年代のUK SoulやAcid Jazz、または80年代のUSのDance ClassicsやGarageとは違う、素晴らしい歌モノですよね。
 その後、これらに近い楽曲をMUROさんは「Elegant Funk(エレガント・ファンク)」と表現していましたが、この作品では、まさにElegant Funk的な使い方で、A面のテーマである「バケーション」を上手く表現しながら、しっかりとピークを作っており、流石の一言です!

 また、DJミックスについても秀逸で、ここぞというタイミングでの「ロングミックス」が素晴らしいですね!

 それこそ、10曲目から11曲目に繋ぐロングミックスは、お手本にしたいロングミックスと言えるぐらい、素晴らしい技が光っています!

 11曲目のイントロがロングミックスに適した展開になっていることも大きいですが、まずは、前曲とのメロディーが調和するようなタイミングを狙っている点は素晴らしいです。
 もちろん、このロングミックスに耐えられるように、11曲目は+4程度のピッチアップをしていますが、このピッチアップが逆に曲の躍動感を更に盛り上げていて、この点も上手いです!

 一方で、A面の最初からの流れを考えると、全体的にカットインを駆使して、サクサクと選曲を進めていながら徐々にグルーブを高めていく手法をとっていたので、このタイミングでのロングミックスがさらに効果的になっていた部分もあると思います。
 それは、ロングミックスには、前の曲のグルーブを次の曲にダイレクトに繋げる効果があることから、この10曲目までに育てたグルーブを、しっかりと繋いでいき、11曲目でピークを演出することができたのだと思います。


 以後、このグルーブを受けて、Acid JazzやR&Bの良曲をHouse的にプレイし、気持ちよくストーリーを進めていきます・・・ただ、残念ながら手持ちでレコードを持っていないので、A面の紹介はここまでです。

 A面を総括すると、前半はBPM98前後で気持ちよいグルーブを作り、中盤からBPM110前後にシフトアップして、後半で盛り上がりも含めた更に気持ちよい展開を作っており、全体的なストーリーの描き方が上手いなぁと思いました!!





<Side B>

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 では、次はB面の紹介です。

 こちらは、A面のバケーション感を含ませつつ、1998年リリースの「Super Disco Breaks」以降のアッパーさが若干加わった素晴らしいミックスになっています。

 まず、1曲目は、1988年産のUK Soulの好スローである「Dee Dee Wilde / Lap Of Luxury」から優しくスタートします。
 
 出だしはBPM81からのスタートで、気持ちよさを前面に出した選曲ですね・・・
 まるで、A面の余韻を上手く活用するかのような選曲で、A面からB面を連続して聴いていると、この曲でウットリしてしまう自分がいます!!

 ただ、その次の2曲目「Risco Connection feat. Otis Gayle & Juliette Morgan / Bringing Out The Sunshine」は、大胆にLovers調のReggaeを選曲し、気付かない程度にBPMを88まで上げています!!
 
 結構なBPMアップだぞ、それも異ジャンル繋ぎだ・・・

 でも、グルーブはしっかりと繋がっていて、大変気持ちいいぞ!!

 なぜ、気持ちいいのでしょう・・・

 ここ数年、まじめな作品紹介を行う際は、必ず選曲のBPMをチェックし、さらに、原曲からのピッチアップの具合を確認しており、これらを作品紹介の裏付けにしているのですが、この1曲目から2曲目のように、大胆なBPMアップをしているけど、なぜかグルーブがしっかりと繋がっているDJミックスに出会うことがあります。
 また、この選曲のように、片方は80年代末のUK Soul、片方は70年代末のDiscoラインからリリースされたReggaeと、全然違うジャンルをいとも簡単に繋いでしまう選曲にも出会うことがあります。

 う~ん、この部分が「なぜ気持ちいいのか」は説明できません・・・

 ただ、これこそ「選曲とDJミックスが織りなす奇跡」なのかもしれないですね・・・

 うん、何よりも甘くて黒いグルーブが繋がった「気持ちいい選曲」であることは間違えありません!!

 なお、1曲目の「Dee Dee Wilde / Lap Of Luxury」は、凄い思い入れのある曲です・・・
 この曲自体、結構前から探していて、独身時代の夏の風物詩であった「京都・大阪・名古屋 レコードの旅」で、大阪の某レコード屋さんで「この曲はありますか?」と尋ねたら、当時はカオスな在庫の店内を一目し「在庫であると思うけど、分からない」と豪快に答えてくれたのが良い思い出です。

 また、2曲目の「Risco Connection feat. Otis Gayle & Juliette Morgan / Bringing Out The Sunshine」は、Reggae Discoの代名詞とも言えるRiscoモノの1枚で、この作品がリリースされた1999年の前年に発表された「Super Disco Breaks 1-4」で大々的にRiscoモノが選曲されていたことから、この曲を選曲したのだと思います。
 そのためか、このDiggin' Ice 99では、Super Disco Breaksで魅せた「アッパーさ」が若干加わっているようです・・・考えすぎでしょうか??


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 そして、3曲目では、今でもレアなカバー曲(Rita Wright / Touch Me Take Me)を挟み、4曲目には「Candy Bowman / Since I Found You (Love Is Better Than Ever)」を優しく選曲・・・これも素敵なスロー~ミディアムな歌モノで、大変気持ちいい選曲です!!
 ただ、1981年産のDisco 12inchのB面からの選曲で、それもBPM+6のピッチアップで、躍動感をプラスしての選曲です・・・もー、選曲もDJミックスも深すぎです!!

 MUROさんを評する時、やはりポイントとなるのが「選曲の深さ」で、この作品でもディープな曲が多く披露されています。

 それこそ、先ほどのRisco Connectionのオリジナルは今でも結構レアだし、このCandy Bowmanもレア盤の一つですよね・・・
 また、このB面の4曲目までの間でも、UK Soul、Reggae、Soul、Discoといったように、色々なジャンルを選曲しているのも深いですね・・・

 ただ、こういった「深さ」を理解しなくとも、普通に聴いていて素直に「気持ちいい」と思わせるのが一番凄いところです!!

 やっぱり優秀なDJって、どんなに難しい曲でも、誰でも好きになってくれるようにプレイしますよね・・・MUROさん、やっぱり凄いなぁ~

 なお、深い系の話の余談だと、次の5曲目(The Brand New Heavies / Never Stop )が、作者の男性ボーカルのバージョンで、どうやらUK45のみのリリースのようです・・・この作品では、45の選曲も多いので、やっぱりコレなのかな??

 そして、6曲目では「Move As One feat. Eddie Russ / Move As One (Remix)」を選曲し、UK Soul的なグルーブを伸ばし、ディープに躍らせる展開に進ませます。
 
 B面の前半の選曲は、色々なジャンルの曲を選曲しているので、その曲に合わせて色々な表情を出していますが、やっぱり「気持ちよさ」というものが1本通った選曲をしていますね。
 ただ、この辺りになると、気づいたらビート感を感じるようなグルーブになっており、6曲目の時点でBPMは100にアップしています。

 あれ、どこでBPMをアップさせたんだろう??

 調べてみると、実は4曲目のCandy Bowmanが、同曲のビートレスなイントロを上手く使って3曲目から繋ぎ、スムースにBPM100にシフトアップしていたようです・・・
 聴く側を気付かない所でBPMを上げている技はMUROさんの十八番ですね・・・これも流石です!!


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 そして、ここからの展開が、このB面の見せ場でしょう!!
 
 6曲目でUK Soulのグルーブを出したところで、その流れから7曲目はUK Soulクラシックな「Drizabone / Brightest Star」を選曲します。
 そして、歌モノの暖かいグルーブとHip Hopライクなビートを前に出していったところで、8曲目はUS R&Bのド定番「Hi-Five / She's Playing Hard to Get」を選曲します。

 ああっ、こういったクラシックの曲って本当にいいな・・・気づいたら「歌っている」自分がいました!!

 両方の曲とも、UK SoulやR&Bらしい跳ねた感じが気持ちよく演出されていて、上手くパーティー的な要素を引き出した選曲となっています。

 B面では、これまで割とマニアックな曲を駆使して気持ちいい展開を作っていたけど、何も動きがないと聴いている側は飽きてしまいます・・・

 そこで、MUROさんは、Super Disco Breaksで培った「誰でも楽しめる選曲と展開」を、ココで入れてきたのだと思います。
 それも、HipHopが好きなBボーイにも楽しめるように、HipHopと相性が良い定番曲を選んでくる辺りが上手いですね。

 先ほどの紹介で選曲の深さを言及しましたが、MUROさんの場合、ある意味でその深さとは真逆な、こういった定番曲の使い方が本当に上手いです!!


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 ただ、先ほどの7曲目と8曲目は、この9曲目を聴いてしまうと実は「フリ」だったことに気付かされます。

 まず、8曲目の甘酸っぱいサビを経て、絶妙なタイミングで、9曲目のビートレスな力強いピアノリフが流れ始めます・・・
 そして、一瞬の空白の後、力強い歌声が聞こえ、ドリーミーなメロディーが奏でられます・・・

 そう、MUROさんクラシックの一つである9曲目「CeCe Peniston / Somebody Else's Guy (Classic Old School 12" Mix)」です!!

 私としては、B面は、この9曲目をピークに設定した選曲とDJミックス、そしてストーリを描いたものと思っており、いつもこの曲がかかると「きたー」となってしまいます!!

 まず、上手いなぁと思うのは絶妙な「ロングミックス」で、前述した流れでDJミックスをするのですが、これが本当に絶妙で、この曲の良さを引き出しています。
 また、B面の全体の流れを考えると、あえて大きな盛り上がりを作らない選曲を続けたところで、こういった効果的なロングミックスがあると、つい「きたー」となってしまいますよね・・・この曲に行きつくまでのストーリーがしっかりと練られた結果だと思います。

 そして、この曲の選曲を考えると、MUROさんには「よくぞ、この曲を探してくれた!」とリスペクトを贈りたいです!!

 この曲は、Disco Classics~Garageの大名曲のカバーであり、どちらかというとHouse寄りのシーンでリリースされたもので、それこそ、この曲(このRemix)はDavid Moralesが制作したものになります・・・
 そのため、1997年リリースの曲ではありますが、当時のHipHop~R&Bの世界ではそこまで知られなかった曲になるかと思います・・・

 ただ、MUROさんは、割と早いタイミングでこの曲をヘビープレイしていて、MUROさんがメインDJだったラジオ番組「Hip Hop Journey - Da Cypher - 」でよく選曲していて、私はそのプレイを聴いて一発で好きになった名曲です。

 その後、レコード屋さんでは、この曲が高値の華の一つになっていたのはイイ思い出です・・・
 MUROさんが選曲したから出会えた曲は多く、この曲もその一つですよ・・・MUROさん、ありがとうございます!!
 

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 そして、10曲目~11曲目では、ダンサンブルな70年代Soulを挟み、これまた絶妙なタイミングでのカットインで、12曲目「Ras Midas / Can't Stop Rasta Now」を選曲・・・
 あの「Ain't No Stoppin' Us Now」のReggaeカバーで、なんと+7~8程度のピッチアップで選曲し、ダメ押しのピークタイムを作っていきます・・・

 うん、これも上手い展開で、原曲のルーディーな歌とメロディーが素敵に輝いており、気づいたら、この歌を口ずさんでいます・・・

 そして、カバー繋がりで、13曲目にはメドレー形式のCan't Take My Eyes Off YouのLatinカバーを挟みつつ、そのLatinの流れを生かして、オーラスの14曲目は「Ray Terrace / I Make a Fool of Myself」を優しく選曲・・・
 この14曲目も、実はFrankie Valliのカバー曲で、力強い女性のVocalが前にでた好曲で、こちらも気づいたら口ずさんでしまいます・・・

 うん、ミックステープを聴いて「口ずさんでしまう」ことは、大変素晴らしいことですね!!

 今回、Diggin' Ice 99を紹介するにあたっては、会社から家へ帰る際の通勤電車と、最寄りの駅から家までの間で聴いていたことが多く、この2曲は、割と夜の遅い時間に、最寄りの駅から家までの間に聴くことが多かったです。
 少し疲れた頭と体を引きずりながら、暗い夜道でこの2曲を聴くと、不思議と耳の中に歌とメロディーが入ってきて、気づいたら口ずさんでいました・・・

 そして、その歌を口ずさむと、不思議と涼しくなり、なんとなく「明日も頑張ろう」と思う自分がいました・・・

 うん、こういう素敵な終わり方があるのも、Diggin' Iceの魅力です!!





<おわりに>

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 今回は、日常的にテープを聴き込み、その後、下調べをした後に一気に記事を書き上げてみました。
 もう少し頑張れば、この作品の魅力をもっと上手くお伝えできたのかもしれないですが、今回はここまでの内容が精一杯でした・・・

 なお、最近はレコード屋に行く機会が減ったので、家にあるストックのレコードのみで紹介しました・・・
 こうしてみると、Diggin' Ice 99の収録曲は知らず知らずのうちに買っていたことが分かります・・・やっぱり、私の中では影響度が高いミックステープだったようですね??

 では、最後のまとめです・・・

 もし、この記事を読んで、「Diggin' Ice」のことが気になり、「Diggin' Ice」を聴いてくれたら嬉しいです!

 では、次回をお楽しみに~




<Release Date>
Artists / Title : DJ MURO 「Diggin' Ice '99」
Genre : UK Soul、Acid Jazz、R&B、Soul、Disco、House、Reggae、Latin・・・
Release : 1999年
Lebel : savage No Number



Notice : トラックリストについて

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 作品紹介の下調べをしていた際に、詳細なプレイ曲を示したトラックリストを作りましたので掲載します。よろしかったら、ご活用ください。

side A
01 Style Council / Have You Ever Had It Blue
02 Antena / Seaside Week End
03 Anna Ross With Snowboy / Where Love Lives (Curton Mix)
04 The Greedy Beat Syndicate / This Is London
05 Diana Brown & The Brothers / Yes It's You
06 The Chi-Lites / You Got To Be The One
07 Freddie McGregor / That Girl (Groovy Situation)
08 Sly Dunbar / Dance And Shake Your Tambourine
09 Don Ray / The Garden Of Love
10 Julie Roberts / Fool For You
11 Barbara Pennington / On A Crowded Street
12 Vibrazioni Productions / Life (Natural Mix)
13 Georgie Fame / Samba (Toda Menina Baiana Mix)
14 Terry Ronald / What The Child Needs (Overnight Club Mix)

side B
01 Dee Dee Wilde / Lap Of Luxury
02 Risco Connection feat. Otis Gayle & Juliette Morgan / Bringing Out The Sunshine
03 Rita Wright / Touch Me Take Me
04 Candy Bowman / Since I Found You (Love Is Better Than Ever)
05 The Brand New Heavies / Never Stop (Kincaid Mix)
06 Move As One feat. Eddie Russ / Move As One (Remix)
07 Drizabone / Brightest Star (Swingbone Mix)
08 Hi-Five / She's Playing Hard to Get
09 CeCe Peniston / Somebody Else's Guy (Classic Old School 12" Mix)
10 Touch Of Class / You Got To Know Better
11 The Ebonys / Making Love Ain't No Fun
12 Ras Midas / Can't Stop Rasta Now
13 Luiz Carlos Vinhas / Birthday Morning - Can't Take My Eyes Off You
14 Ray Terrace / I Make a Fool of Myself
 


Notice : ジャケットについて

 Diggin' iceを再紹介する際、楽しみの一つが「ジャケットの元ネタ探し」なのですが、今回の1999年版は、残念ながら元ネタを特定することができませんでした。
 恐らく、炭酸水系のジャケットをサンプリングしていて、90年代のCanada Dryかなと思いましたが、ちょっと違うようです・・・ご存知の方がおられましたら、ぜひ、教えてください!!


追記 6月27日22:30

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 更新後、コメント欄に情報をいただき、ジャケネタが判明しました!!

 99年版は「Farris(ファリス)」というノルウェーのミネラルウォーター(微発砲)とのことでした!!

 ちょっとビックリしたのが、このミネラルウォーターが「ヨーロッパ」のお水であることで、作品紹介で示したUK~EU系の選曲が多いこと、そして、作品の上質なイメージがこのお水のイメージが合致していることです。

 さすが、MUROさんですね・・・コメントを頂いたKuromaguro96さん、ありがとうございます!!







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コメント

Kuromaguro96

Farris
MTTさんこんばんは。ラベルの元ネタは"Farris"というミネラルウォーターのラベルだったような気がします(うろ覚えですみません)。
当時の、オルガンバーの熱狂を思い出させてくれる素晴らしい記事をありがとうございます。

mixtapetroopers

Re: Farris
>Kuromaguro96さん

コメントをいただき、ありがとうございます!

ジャケネタ、大正解ですよ・・・調べてみて、ヒットして、びっくりしました!!
さっそく、記事に追記させて頂きました!!

そして、「オルガンバーの熱狂を思い出させてくれる素晴らしい記事」という部分は、非常に重要な指摘ですよ!!
オルガンバーのことは私自身が経験していないので、あまり書けないことですが、MUROさんがオルガンバーから影響を受け、その影響がミックステープに反映されている点はありますよね!
それこそ、このテープで選曲した「Ray Terrace / I Make a Fool of Myself」は、絶対、オルガンバーからの影響ですよね!!

今後とも、よろしくお願いします!!




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HipHop,R&B,Soul,Funk,RareGroove,DanceClassics,Garage,Houseなど、私が気に入っているMixTape,MixCD,その他もろもろを紹介するブログです。

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