ついに「このテープ」と巡り合えました!!
あまりに嬉しくて、予定を変更しての紹介です!!
やっぱりテープで聴く名作アルバムは最高ですね・・・
今回は、90年代R&Bの名作の一つである
「Groove Theory(グルーブ・セオリー)」のファースト・アルバムのテープ版 を紹介したいと思います。
もう、このジャケを見てグッとくる40代~50代は多いでしょう・・・私も大好きなアルバムです!
まず、Groove Theoryというグループやこのアルバムについて簡単に紹介しましょう。
Groove Theoryというグループは、ボーカルのAmel Larrieux(アメル・ラリュー)さんと、 プロデュサーとのBryce Wilson(ブライス・ウィルソン)さんのユニットで、1995年に発表したファースト・アルバム「Groove Theory」が大ヒットしたことで有名なグループです。
結果的にこの1枚のみで解散してしまったグループ(※1)になりますが、1995年ごろにR&BやHipHopが好きだった方にとっては「あの時代」を象徴するグループとして記憶にあるかと思います・・・
このグループのことを説明しようとすると、意外と難しいですね・・・
1995年ごろというと、
HipHopのビート(トラック)をR&Bでも活用し始めた時代 で、彼らもその流れを汲んだグループになるのかもしれません。
それこそ、プロデュサーのBryce Wilsonは、80年代後半にはHipHopグループ「Mantronix(マントロニクス)」のメンバーとして活躍してたことから、こういった流れが自然だったのかもしれません・・・
(※1)Amelさんは1999年にグループを脱退し、その後、Bryceさんを中心に新たなボーカリストを迎えて再始動をして、2000年ごろに2枚目のアルバム
「The Answer」 を出す予定だったそうですが、プロモまで出したものの、この2枚目のアルバムは正式な発売に至らなかったそうです。
ただ、この1曲を聞けば
「彼らの素晴らしさ」 が分かるのではないのでしょうか?
大ヒット曲である
「Groove Theory / Tell Me」 です!
この曲は、80年代R&Bを代表するクラシック曲「Mary Jane Girls / All Night Long 」のイントロブレイク(ベースライン)をサンプリングしたトラックに、Bryceさんが奏でるクールでどこか温かいキーボードのメロディーが心を揺らす名曲になります。
もう25年も前の曲なので知らない方も多いでしょうか・・・気になる方は以下のPVをご確認ください。
● You Tube - 「Groove Theory / Tell Me」 うん、いま聴いても大変イイ曲ですね・・・
1995年という時代が味方していると言うか、
あの時代にしか出せない「白黒(モノクローム)」な感じ が素敵ですよね・・・
それこそ、1994年にリリースされた
「Nas / Illmatic」 のような感じと言えば良いでしょうか、
凛とした冬のストリートの空気感が似合う、ただ、どこか温もりがある最高な1曲 です。
また、発売したレーベルであるEpic (Columbia)がもつ
「NewYorkらしい空気感」 も内包してて、絶妙な1曲です・・・この頃のEpicのR&Bは何か空気が違いますよね!!
そして、
ボーカルのAmelさんの芯のある歌声とメロディー が、この空気感を素敵に彩ります!
Amelさんの歌声やメロディーは、
「Sade(シャデー)」 に似ていると言われていますが、似ているというよりもSadeのグルーブを受け継いだような部分がありますよね・・・
それこそ、Sade本人を抜いたSadeのバンド隊「Sweetback(スイートバック)」に、ゲストボーカリストとしてAmelさんが参加する等、Sadeにある意味で認められたお方で、シングルカットされた「Sweetback / You Will Rise」は名曲ですよね!!
特にAmelさんの歌の素晴らしいところは、このTell Meだと、出だしはクールな感じだけど、Amelさんの歌が徐々にグルーブを引っ張り、
後半には色鮮やかに華を開かせていく感じ が素晴らしいです!!
僅か3分程度の曲なのに、曲の最後の方では胸熱くなっている自分がいて、ほんと素晴らしい曲です・・・
そして、この「Groove Theory / Tell Me」という曲は、
90年代後半に「日本でDJを志していた若者」にとっては思い出深い1曲 だと思います・・・
それは、この曲の
アカペラを使った「ブレンド」 が流行ったからです!!
まず、ブレンドとはDJの技法の一つで、片方のターンテーブルでアカペラをプレイし、もう片方のターンテーブルでインストをプレイし、この2曲をミックスすることで、聴いてる側にとっては「1曲に聴こえる」技法になります。
当時のHipHop系のDJであれば出来て当たり前な技とも言え、この曲のアカペラを使ったブレンドは、ほんと流行りましたね!!
私なりに分析すると、この曲のトラックが前述したHipHopのビートで作られた曲で、かつ、かなりBPMが遅い曲だったので、HipHopのビートにAmelさんのアカペラが乗りやすかったことが大きいと思います。
さらに、Amelの歌声やメロディーが、ワンループなHipHopのビートの上で不思議と輝くことから、この曲のブレンドが流行ったのだと思います。
例えば、以前、私がアップロードした動画で恐縮ですが、1996年頃のHipHop系DJがプレイしている様子を収めた下記の動画(※2)では、1分30秒あたりでカナダ・アンダーグラウンドの名曲「Da Grass Roots Music / Drama」のインストに、この曲のアカペラをブレンドしています。
VIDEO 当時はこんな感じで、イントロの「♪う~う~う~う~う~」の部分を擦りながら、アカペラをスクラッチカットインしてブレンドをしたものですね・・・これが大変気持ちよかったですね!
Tell Meという曲は、こういった武骨でクールなワンループな曲ほど上手くブレンドできる曲で、私は「You The Rock / Free」のインスト(Makiさん作!)を使ってブレンドしていました。
上手い人だと、このイントロの声をトランスフォーマーで早めに擦りながらスクラッチカットインしてきたり、歌詞の良いところでビート側を切ってアカペラの歌を強調したり・・・アイデア次第で「曲がさらに光る曲」だったと思います。
(※2)紹介した動画は、以前、下記の記事で紹介した「TBS系深夜番組 ねないで×××」で放送された「ねないでDJバトル」に登場したDJのプレイです。こちらの記事もよろしかったら読んでくださいね。
● DJに関する動画 その2 ねないで××× いろいろと思い出は尽きないところですが、このアルバムの紹介です!!
この作品は1995年にリリースされたもので、シングルヒットした「Tell Me」以外にも素晴らしい曲が収められたアルバムになります。
それこそ、1曲目の
「10 Minute High」 から最高で、HipHop的なビートを基調としながら、Amelのジャジーで温もりのある歌声が素晴らしく、この1曲目だけでもGroove Theoryの世界に吸い込まれてしまいます。
一部の曲はバンド隊が演奏した曲もありますが、曲の大半はサンプラー等で作られたトラックを母体に、キーボードなどのメロディーが乗っかるシンプルな楽曲が多いです。
ただ、どの曲も、1曲目の「10 Minute High」のように、Amelの歌声とメロディーによって、不思議と機械的なグルーブにはならず、都会的なクールさがありつつも、その奥にある「温もり」が大変光っていますね・・・
なお、「10 Minute High」は、アルバムサンプラーや一部の曲のB面に入る形で12inch化されていますが、写真のような単独の12inchもプロモカットされており、これは結構探してゲットしました!
そして、何よりもグレイトなのが、A面の後半に収められた
「Tell Me」 です!!
全体的にHipHopの重たいビートを中心とした曲が多く、かつ時代的にもNewYorkっぽい冬のグルーブが人気だった時代だけに、アルバムを通して「Tell Me」を聴くと、どこか
「冬の凛とした空気感」 が前に出て聴こえます・・・
うん、この空気感が上手く演出された中で聴く「Tell Me」の破壊力といったら最高ですね!!
それこそ、この記事を書いている12月の会社帰り、寒い夜道の中でこのテープを聞いてて、この曲がプレイされたら・・・もう、歌いながら歩いている自分がいました!
また、シングルカットされた他の曲、未シングルカットの曲も深く聴いていると素晴らしい曲が多いことに気付き、アルバム単位で長く聴ける作品であることに気付きました。
特に、シングルカットされた曲って、実はそのシングルに入っているRemixの方が強力で、そのRemixばかり聴いていたため、今回、アルバムをしっかりと聞いていたら、オリジナルの曲の良さに改めて気付かされました。
例えば、「Slave / Just A Touch Of Love」をループした好Remixがある
「Baby Luv」 は、アルバムの流れの中で聴くと、HipHopらしい跳ねたビートのオリジナルも悪くないですね!
また、同じような理由でシングルカットされた
「Keep Tryin'」 も、アルバムの流れで聴くと大変良いですね!!
そんなわけで、テープで聴く「名作アルバム」はイイなぁ~という紹介でした!
Tapeシングルの「Tell Me」も所持していますが、やっぱりこの曲はアルバムを通して聞く方がいいですね!
うん、ミックステープではないですが、そのテープの中に「流れ=グルーブ」があることで、聴いている曲が更に光るからでしょう・・・
このアルバムは「ミックステープ」 です!!
<Release Date>
Artists / Title : Groove Theory 「Groove Theory」
Genre : R&B、HipHop・・・
Release : 1995年
Lebel : EPIC(US) ET57421
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<独り言>
んっ、MUROさん? ドーナッツ??
久しぶりに「独り言」らしいお話しですよ~
実は、今回の「Groove Theory」のテープは、この
MUROさんのCD「Harvest」 がきっかけで出会うことができました。
まず、先月である11月の初めに、MUROさんがお名前を隠してリリースされている某ミックステープの新作が出たことが分かり、それが通販だけでしか買えないため、緊急の家族会議が開かれました・・・
最近、持っているテープやレコードを増やさないため、あまりディグ活動をしていない中、MUROさんの新作だけは買うことが許されている(?)ことから、この新作を通販で買ってよいかを確認したところ、「買ってよし」との合意があり、先日、無事にゲットしました・・・
そして、このやりとりをしている中で、この某ミックステープをリリースしているレーベルが、MUROさんが好きなドーナッツ屋さん
「Higuma Doughnuts(ヒグマ・ドーナッツ)」 と関係しているとか、そのドーナッツ屋さんがこのCDのロケ地になっていること等を話したら、そのドーナッツ屋さんに奥さんが興味を持ち、「あのMUROさんが好きなドーナッツなら美味しいに違いない」となり、ある休日の昼下がりにHiguma Doughnutsさんを目指して学芸大学周辺を散歩することにしました。
ただ、そのまま電車で学芸大学に行ったらお腹が空かないだろうとなり、付近の中目黒駅で降りて、そこから散歩しながら学芸大学に向かうことにしました。
そして、中目黒と言えば「ここ」に寄らない訳にはいかないので、奥さんにお願いして、このお店に寄りました。
そう、
有名テープ専門店の「Waltz(ワルツ)」 さんです!!
Waltzさんは、国内でいち早くカセットテープ専門店としてオープンされたお店で、このブログをお読みの方なら行ったことがあるでしょうか?
私自身、Waltzさんにフラッと寄れる所に住んでいなかったことから、なかなか寄れないお店で、
開店された直後 ぐらいにしか訪問したことはないですが、大変素晴らしいお店ですよね・・・
そんなWaltzさんに久々に訪問・・・
日曜日の昼下がり、若い人が数組訪れていて、ああ、テープって人気なんだなぁと思いながら、奥さんとお店に入ります・・・
そして、なんとなく「Groove Theoryのアルバムってあるかな?」と思い、Soul~HipHop~R&Bの棚へ行ったら、
既に面出しの状態で今回のテープが鎮座 されています!
もー、運命を感じて、購入決定・・・購入後、あまりに嬉しくてWaltzさんの横にある急な坂を少年のように走ったのは秘密です・・・
なお、その後、無事にHigumaさんに到着し、Higumaさんのドーナッツを食べましたが、メチャクチャ美味しいですね!!
あまりの美味しさに、先日、会社の皆さんに差し入れしてしまった・・・また、食べに行こうっと!
と言うわけで、ムロさんの某新作(写真左)も大変素晴らしく、ヘビーローテーション中です!!
前作(写真右)が大変良かっただけに、今回も期待していたら、前作以上に気持ちいい内容で、暮れの大掃除で大活躍しましたよ!!
ここ最近、ムロさんの新作は買いにくい(手に入りにくい)ものが多く、かつ、こっそりとリリースされることが多く、いわゆる「ムロ・マラソン」は周回遅れです・・・
ただ、ムロさんのミックス作品は心の栄養の一つなので、無理のないように買っていこうっと・・・来年初頭のリリースが決まった和モノの作品も楽しみですね!!
では、次回はSuper Disco Breaksの金を紹介するはずです・・・年明けから執筆作業を頑張ります!!
そして、皆さん、よいお年を!!
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コメント
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私もこの世代で、この12inchの発売日当日にDJ kenboが池袋のCaveでSmif n' Wessunのwrekonizeとブランドしてて感激したのを思い出します。朝方帰ってすぐ真似しました。笑
CypherでMummyDのゲストの回のオープニングで流してましたよね。
これからもブログ頑張ってください。
通りすがりでした。
2023/01/07 URL 編集
mixtapetroopers
コメントをいただき、ありがとうございます!!
Tell meのブレンドは、あの時代にHipHopが好きだったら、どこかで通る道ですよね(笑)
Ken-Boさんのスミフンは熱いですね・・・メローなワンループが似合う曲なので、絶対に合うだろうな~
そして、ブログについては、今後もマイペースに進めていきますね。
お時間がございましたら、覗きに来てくださいね。
今後ともよろしくお願いします。
2023/01/07 URL 編集