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MURO 「Diggin' Heat」(旧記事)

2021年5月4日

この作品は、新たに紹介記事を設けたため、旧記事となります。新たな記事は以下よりご確認ください。

●DJ MURO 「Diggin' Heat '97」(改訂版)





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 MuroさんのIceシリーズの紹介が終わったので別シリーズを・・・このHeatシリーズもヤバいのが多いっすね(^0^) 
 その中で、一番お気になのがこのHeatで、今まで聞いてきた色んなミックス作品の中でもかなり好きな一本・・・でもあります。
 そんなテープなので、見事に傷が入ってますね(^^;)


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 言わずとしれたMuroさんの人気シリーズ「Diggin' Heat」の1作目です。
 このシリーズもジャンル分けが難しい位、Muroさんの音楽旅行が繰り広げています・・・。
 
 このシリーズ自体は、97年より始まり、Iceシリーズの翌年より開始したシリーズになります。
 正直に言うと、MUROさんのこの辺りのテープに関しては、自分がガキだったので、理解できず、追ってなかったこともあり非常に曖昧なのですが、個人的にはIceが「Cool」なら、「Hot」もいいだろう・・・といった感じでリリースされたと思います。 
 まあ、MUROさんとしても、この手のジャンルレスなミックスを出しやすくなったこともあるでしょうし、自分の力量の紹介、またはいい意味でリスナーへの教育もあるのかな~と思います。

 シリーズ自体は、計4本リリースされており、出した年度によって表情が微妙に違いますが、一貫して「静かながら熱い曲」を多く収録してると思います。 
 季節的にいくと、Iceとは逆に「冬の時期」にリリースされてたシリーズなので、冬に聞くのが最適なのかも知れませんが、Iceシリーズに収録しててもおかしくない曲も多く、個人的にはどの時期でも聞いています(^0^)

 特にこの一本目は、個人的にはMUROさんのテープの中でかなり聞いてるテープで、世間一般的に言われている「MUROクラシック」な楽曲が多数収録されてることもあり、かなり好きなテープです!
 そんなわけで、MUROさんの作品が好きな方だと、このHeatが好きって方も多いかな~と思います。

 
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 んでは、ご紹介に進みます・・・

 選曲的には、このテープもジャンルの幅が本当に広くって説明できないぐらいです(^^;)
 ざっとジャンルを書くと・・・R&B、UK Soul、Soul、80's、ダンクラ、Lovers・・・なんかが中心なんですが、細かく聴きこむと本当に広く・・・そして深いです・・・

 まず、選曲面で面白い点は、今となってはけっこう値段の安いレコードの曲をチョイスしているころですね・・・
 自分もテープを聞いて、その曲を知り、探して、買って・・・「えっその値段なの?」ってびっくりしたのが多いです。
 それこそ、「Maze / Can't Get Over You」とか、「The Style Council / The Lodger's」なんかは、LPオンリーの曲ですが、予想以上に安いです。 
 「Ta Mara & The Seen / Affection」なんかも、12inchを探すのは苦労しましたが、結構安いし、「Savan Band」もLPは高くないですよね・・・

 だけどそれらの曲は、値段は安いけど「すげーいい!」です

 掘り師っていうと、高いレコードばっかり買ってる・使ってる・・・ってイメージがあると思いますが、MUROさんに関しては、その方向もトップクラスだけど、結果として安いレコードもしっかりとホローしており・・・値段ではなく「曲の良さ」で判断している結果の表れだと思います。
 こういった姿勢は、レコードを掘るという行為において極めて重要で、後続者ほど見習わないといけない姿勢だと思います・・・

 また、これらの曲はミックスの流れでの「殺しの1曲」になるほど、効果的にミックスされており、曲自体が更に光り、オリジナルのレコードで聴くよりも良かったりもするぐらいです!!
 MUROさんの「堀り」なり「DJ」のうまさって、こういう「意外なところ」を選曲しつつも、パンチのある曲に仕立てちゃう・・・みたいなところがあり、まさにこれらの曲がそうです(^0^)
 Diggin' Iceの1作目でも書きましたが、定番曲などを光らせる「マジック」って言うんですかね・・・いい曲を更に光らせる・・・みたいなところが多く、大変勉強になったりもします。

 結果として、そういった「マジック」がかかった曲は、聞いた者を魅了し、レコード屋に走らせるわけで・・・皆さんもそうだと思いますが、この辺の曲の良さは「MUROさんから教わりました!!」だと思います(^0^)

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 あっ、そうだ・・・MUROさんから教わった曲って、皆さんどうなんだろう・・・?

 私は本当に多くの曲をMUROさんから教えてもらい、今でも大事にしてる曲が多いです。

 このテープであれば、先ほど写真で紹介した4曲もそうだし、「Archie Bell / Don't Let Love Get You Down」 とか、「Leon Ware / Why I Can To California」とか、「Courtney Pine / I'm Still Waiting」とか、「Thelma Houston / Saturday Night, Sunday Morning」とか・・・ほんといっぱいあり、他のテープなり、現場で教わった曲も大変多いです。
 この辺のレコードは、今でも「MUROクラシック」と言われてるので、「そうだよね~」と思う方も少なくないかな~と思います。

 誰もかけなかった曲で、そのDJが選曲したことで広まった・・・といえばそれまでですが、MUROさんの場合は、知識と経験が少なかったDJブーム以降の少年・少女たちに対して、分かりやすく・カッコいい形で提供してくれた点は大きいかな~と思います。
 特に旧譜関連は、当時HipHopしか聞かなかった少年たちにとっては、サンプリング元かもしれないけど、敷居が凄い高いイメージがあり、なかなか通過出来なかった壁なわけで・・・そういった曲を、MUROさんがミックスすることでHipHopしか経験しなかった少年たちにも理解しやすく提供した・・・と私は考えています。
 
 つまり・・・学校の先生と一緒ですよね・・・分かりやすい形で「知識」を分け与える・・・ってことで、その範囲の意味だと「MUROさんから教わった」になりますよね。
 また、個人的には、なんか「お世話になった」って表現もへんですが、自分にとって「かけがいのない宝物」を頂いた方に無礼が出来ない・・・って意味で「教わった」にもなります。
 
 そう・・・みんなMUROさんから教わって大きくなったんですよね・・・

 こういうことが出来るDJって本当に少ないと思うし、DJ冥利に尽きると思います。
 個人的には、このことができるDJは「MUROさん」と「Danny Krivit」とかしかいない・・・ですかね(^0^)


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 んで、今度はミックスについての話なんですが、まず思いつくのが「定番曲も使い方」が憎いんですよ・・・

 たとえば、ド定番の「Tevin Campell / Can We Talk」だと、それまでのゆっくりした、若干夜気味な選曲を受け継ぎ、Top Billin'使いのダークなRemixをミックスし、Tevinが♪キャン、ウィ~、ト~ク・・・♪というサビに入る瞬間に、Originalにカットイン!
 歌自体は、出だしから徐々に引っ張っていく感じの曲なので、徐々に盛り上げつつも、カットインで一気に空気が変え、次の選曲の流れに変えていくあたりは流石です・・・これは真似したくなりますね(^0^)

 あと、「Zapp / Computer Love」なんかも、うまく2枚使いして、曲にメリハリを出してて大変よいです・・・細かい作業なので、見逃しがちですが、MUROさんのミックス作品を聞いてると、こういった「技」が光るところが多く、マニアにはたまりません(^^;)

 また、このテープに関しては特に言えるのですが、「押しの1曲」を引き立てるミックスが本当に素敵ですね!
 それこそ、先ほどあげた、「Maze / Can't Get Over You」なんかは、「Isley Brothers / Between the Sheets」のメローな空気を引っ張り、Betweenネタの曲にロングミックスし、さらにその雰囲気を引っ張り、切れたところで、一気にMazeの美メロなイントロにカットイン!
 この展開は、聞かないと分からないかもしれないですが・・・ためにためて大爆発!みたいな展開で、大変良いですね!!

 その他にも、「あっ、これは押してるな・・・」と思う良い曲には、良いミックスがついてきて、MUROさんのミックス技術の高さが伺えます・・・「Style Council / Lodgers」も個人的には「グッと」きます!!
 切れたスクラッチや、驚異的なジャグリングよりも、しっかりと曲を見据えて、展開をつけてミックスするあたりは「DJの鏡」ですね(^0^)

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 あと、今まであまり紹介しなかったですが、ジャンルの壁を超えちゃうところもMUROさんですね!

 このテープであれば、B面の中盤で(Kurtis Blow→)Style Council→After 7→Stephanie Mills→Archie Bellなんかのラインが象徴的で、CD屋どころか、レコード屋でも一緒に並ばないジャンル跨ぎなミックスですが・・・聞いていて違和感が全くないのは驚異的です!
 ジャンルを超えるってことは、ミックスしようと思えば出来るのかもしれないですが、違和感なく、また流れを作りながら・・・となると、やっぱり力量が必要で、技術なり経験なり、そして知識閃きがないと出来ない・・・と私は思います。
 
 HipHopがベースにある「MUROさんだけの感性」が一本貫いているのは間違えがないですが、いとも簡単にミックスし、それもすげーカッコよくミックスするわけですから・・・太刀打ちが出来ません(^^;)
 まさに「MURO's World」って感じで、その後の作品でもこの姿勢は大きく打ち出しているので・・・こういった点を注意して聞くと、更にMUROさんのテープが楽しめますよ♪

 あと、こういった「オールジャンルミックス」の姿勢って、MUROさんが広めた点も大きいですよね・・・今回は分析しないですが、Ulticut Upsとか、Kocoさんとか・・・影響を受けたDJが更に独自の方向に進めた・・・みたいな流れは絶対にあると思います。
 私も、当時、Cypherでのプレイを聞いてて、違和感なくジャンルを飛び越えてカッコよくミックスする姿勢に影響を受け、気づいたらほとんどのジャンルのレコード棚を掘るようになりましたし、自分の音楽趣味の根底(音楽にジャンルの壁はなし!)が作られたのかな~と思いました。

 

 まとめになりますが、こうやって文章に起こすとMUROさんってほんと「凄いDJ」ですね!!

 作品全体の総論としては、他のMURO作品と同様に、幅広い選曲性を持ちながら、違和感なくミックスを進めていますが、この作品に関しては、この流れの中で要所要所にパンチラインがあり、ミックス全体の流れにもメリハリがあり、大変良い作品だと思います。
 作品の主題と思われる「冬でも暖かく・・・」みたいな世界観を、流れのあるミックスを作ることで表現している点は素晴らしく、何度でも聞きたくなります(^0^)
   
 このHeatは、個人的にかなり好きな作品なので、気張って書きましたが・・・作品の良さに加えて、MUROさんの魅力の一端も伝えられたかな・・・と思います。
 とにかく、お勧めの1本ではあるので、聞いたことがない方は、探して聴いてみてくださいね~
 また、最近聞いてないな~って方にも、再び聞いてみると、何か発見があるかも知れないので、お勧めしま~っす(^0^)


<Release Date>
Artists / Title : MURO 「Diggin' Heat」
Genre : R&B、UK Soul、Soul、80's、DanceClassics、Lovers
Release : 1997
Lebel : King of Diggin'




<編集情報> 2009/09/12
文章が気に入らなかったので、大々的に文章を工事し、当社比5倍くらいの増量をしました(^^;)





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<追記>CD再発について

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 この作品も2011年8月に2枚組CDで再発されました。こっちの方が聴きやすいと思うので、気になる方は聴いてみてね(^0^)





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