HipHop,R&B,Soul,Funk,RareGroove,DanceClassics,Garage,House・・・など、私が気に入っているMixTape,MixCD,その他もろもろを紹介するブログです。
DJ Spinbad 「The Classics」
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 今年最後の紹介ということで、自分の中では数少ない「殿堂入り」作品のご紹介です・・・
 ジャンル的にはダンクラものになりますが・・・とんでもない出来になっています!!


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 Spinbadの紹介は、以前にしたので割愛しますが、以前紹介した「That's My Sh?? !!」と同じ限定リリースもので、シリーズ第3弾のものになります。 

 このテープもManhattanで激プッシュしてて、しっかりSpinbad中毒になっていた私は、当然リリースしてすぐ(2000年2月)に買いました(^0^)
 第1弾がHipHop第2弾がR&B、そして第3弾は・・・ダンクラとあって、けっこう楽しみにして買った記憶があります。 
 ちょうどこの頃ぐらいからMUROさんのDJプレイなんかでHipHop/R&B以外の旧譜なんかに興味を持ち・・・色々と学んでいた時期だったので、個人的なタイミングもばっちりでした(^0^)

 なお、この限定シリーズはUS産という体制にはなってますが、流通は他の作品と同様にほぼ日本国内のみ・Manhattanラインのみ・・・と思われます。
 特に今回は、A面の最初で、ストⅡの国を読み上げてるやつ(Bionic Booger Breaksに収録されてるやつっすね)の、USAとJapanを交互に擦ってる点なんかは象徴的だと思います・・・つまり、制作段階から日本で流通することを前提にしてたわけですね・・・


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 では、テープの紹介です(^0^)

 選曲的には、ダンクラの中でも「HipHopを通過した楽曲」を選曲しており、それこそカプリなんかがよくミックスしているものが中心になります・・・
 まあ、クラブだったり、ラジオだったり、ネタ曲だったり・・・NYで伝統的に受け継がれていった・・・いや、今となっては全世界で受け継がれてる楽曲が中心ですね。
 それこそ、Fonda Raeなんかは・・・HipHopヘッズが夢中になった1枚でしょうし、Denroy Morganなんかもそうですよね・・・つまり、今となっては非常に親しみやすい楽曲が大変多いので、悪いわけがないです(^0^)
 だけど・・・Spinbadがミックスするんだから・・・メチャクチャ高レベルなミックスに仕上がってます!!


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 まず、今回は先にテクニック的な話から進めます・・・この点が今回は重要です。

 「That's My Sh?? !!」もそうですが、Spinbadの手にかかると、圧倒的なスクラッチ&2枚使いで彩りながら、刻みよくカットインでつないでいきますね。
 今回のも、これでもか~ってぐらいコスリ、ザンっとつなぐのですが、ちょっとズルイところがあります・・・その点を指摘しておきましょう・・・

 この作品に関しては、たいていの曲がカットインでミックスされるのですが、聴いてると必ず「何かのフレーズ」をこすりながらカットインしています・・・それも、その曲に「ない」フレーズが中心です。
 たとえば、上記のSlave / Just a Touch of Loveであれば、前の曲のDenroy Morgan / I'll Do Anything for Youからカットインするのですが、カットインをするSlave側にない「ha,ha~!」ってフレーズがコスられながらカットインされます・・・

 もちろん、DJ的に美味しいフレーズが実際にあり、カットインする際にコスリながら入れてくる曲もありますが、大半の曲ではカットインするとき、おそらく「後のせ」で、よく使われるフレーズ(それこそ、先ほどのHaha!のようなバトブレに普通に入ってるフレーズ)をコスり、HipHopのミックスにありがちなコスリながらのカットインを「疑似的」に演出しています。

 これに関しては、最初聞いた時は「おっ、ずるいな~」と思いましたが・・・聴きこむたびに凄くよく聞こえます!!
 曲ごとにフレーズは変えており、どれも違和感が全くなく、むしろ曲に入り込んでる「コスリ」で、ミックスの流れに「スピード感」を与え、選曲のグルーブ作りに貢献しており・・・聴けば聴くほど「なくてはならないスパイス」のように聞こえます。

 こういった「後のせ」って、新譜ものミックスには多く、それこそ単純なSE(爆発音とか)なんかをのせることで・・・ミックスにおけるカットインに華を添えてますが・・・ストレートに指摘すれば「繋ぎをうまく誤魔化す」為に行うことが多く・・・私個人としてはマイナス評価な場合も多いです。
 
 しかし、Spinbadの「後のせ」については、非常にスキルフルなコスリが功を奏して、楽曲のつなぎとして有効に作用しており、相対的に作品の質を上げている・・・点が大変評価できます。
 個人的な実感だと、その「後のせ」がホント丁寧で、かなり気合いを入れてつくってるので、作品の草案を作る時点で「後のせ」をすること念頭に置き、その点を考慮した上でラフミックスをつくり、後でしっかりとコスリをミックスしてるんじゃないか・・・と思います。
 こういった「裏方」的なところが見えると・・・Spinbadって「かなり地味な仕事」をしていることが分かり、頭が上がりません・・・


 また、この「後のせコスリ」方式は、更に発展した使い方もしており、Good TimesBounce,Rock,Skate,Roll のラインでは、Good Times のブレイク部分でワードスクラッチをコスリ始め、そのままコスリつつも、トラックが違和感なくBounceにカットインされ、まだコスリ続ける・・・みたいな凝った趣向もしてますね。

 これ以外も、各所で声ネタなどを用いた「ばっちりなコスリ」が大変多く、その曲のアクセントとして機能しており、相対的に楽曲の良さを引き出し、ミックスにスピード感やインパクトを与えていて、大変良いですね!!


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 んで、コスリがあればジャグリも・・・ってわけで、いわゆる「2枚使い」も・・・とんでもないことになってます!
 おいしいフレーズがあれば、しっかりと2枚使いするのですが、そのどれもが原曲のグルーブなどをさらに引き立てていて、大変良く・・・この作品の醍醐味の一つになっています!!


 収録の範囲であれば、まずTeena Marie /I Need Your Lovin' でのサビ2枚使いなんかが好例だと思います。
 聞いてみないと分からないかも知れないですが、楽曲の持つ「熱っぽさ」みたいのを感じるサビを、Spinbad流のドープな2枚使いをすることで、その熱っぽさみたいのを更に増長させ、すげー効果的に、かつ曲の良さを引き出してる・・・と思います。
 特に、2枚使いの最後で出る「ドラッグ」の音がヤバすぎですね!

 同系統だと、Shalamar / A Night to Rememberの2枚使いもいいっすね・・・Jody Watleyの瑞々しい歌い出しをシンプルに2枚使いすることで、曲の世界観を引き延ばしてるみたいな感じで・・・ここも最高だな~(^0^)

 あと、シンプルな感じだとEarth,Wind & Fire / Let's Groove のイントロ2枚使いも最高で・・・本編に入り、モーリスが♪レッツ、グルーブザナイ~ト♪と歌いだしそうなところで、2枚使いで最初に戻し・・・聴いてる者に「お預け!」ってしてるみたいな「選曲としてのS効果」があり、大変良いです!
 こういったシンプルだけど効果的な2枚使いは上手いですよね・・・

 また、いわゆるオールドスクールブレイクも結構入っていて、DJとしては定番のコスリネタもしっかりと聴かせてくれ、Dance to the Drummer's Beatとか、Got to be Realとか・・・シンプルなんだけど、超高度なスクラッチ&2枚使いで、Spinbadらしさを発揮しており、作品の「華」としても十分機能しています。
 特に、Dance to the Drummer's Beatでの切れっぷりは・・・最高で、Spinbadがミックスすることで別次元の「曲」になっており・・・悶絶必死ですよ!!


 まだまだ内容の話は出来ますが、その他でも、Spinbadの超絶スキルを用いたスクラッチ&2枚使いが全編にわたってさく裂しており、作品上、スピード感や躍動感を与えており、流石としか言いようがありません!
 Soulやブラコンの流れでダンクラを聞いてる人がこれを聞いたら・・・最初は卒倒しちゃうかもしれないですが、聴いてるうちにその楽曲の「良さ」を最大限に引き出している2枚使いなので・・・気づいたら好きになってしまうミックス・・・だと思います(^0^)


 ちょっと、ずるい部分もあるわけですが、こういった「技」が作品上の根底にあり、次にご紹介する「選曲面」「ミックス面」のヤバさを引き立てて・・・います(^0^)


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 便宜上、今回は「技」的なところを先にご紹介しましたが、Spinbadについては、この技に加えて「ミックスセンス」の良さがポイントで、今回のテープでも選曲・ミックスが大変光っております。

 まず、選曲面に関しては、どれも「パーティークラシック」なわけで、どの曲でも盛り上がれるので、今回に関しては特に追及はしません。
 しかし、さすがSpinbad・・・テープの流れの中で、必ず「ピークタイム」のような選曲・演出をし、かつ上記で説明した「素晴らしい技」が加算され、選曲自体がとてつもなく良くなっています!

 例示でいくと、ド定番の Maze / Before I Let Go であれば、直前の曲に、ちょっと地味な Yarborough & Peoples / Don't Stop the Music をチョイスし、若干ダークなブレイクから一気に、Mazeの象徴的なイントロブレイク(エディット盤の方ですね)にカットイン!
 この時点でヤバいのですが、うまく2枚使いしながら、あの泣きのギター(?)から本編になだれ込み・・・聴いてる方は「大爆発」といった感じで大変良いです!!
 この後はちゃんとNYの伝統に沿ってFatback Band / I Found Lovin' に繋ぎつつも、次の展開へ行くわけですが・・・押したい曲をしっかりと光からせてる・・・という印象になっており、素晴らしいですね・・・
 
 他の例示も入れておくと、これまたド定番のAin't No Stoppin' Us Now であれば、直前に選曲してる GAP Band / Burn Rubber の勢いをしっかりと利用し、間違えないタイミングでカットインすることで、気持ちいいぐらいのスピード感を創出し、メチャクチャ良いです(^0^) 
 んで、更にド定番なForget Me Nutsだと、Ain't We Funkin' Nowのアーバンなんだけどファンキーな流れの中で、イントロでもある一度ブレイクダウンするところ(♪え~、あは~♪のとこ)を2枚使いでグイグイと引っ張り、上がりきったところで一気にForget Me Nutsにカットイン・・・これも気持ちいいな~(^0^)


 ちょっとまとめると、選曲面に関しては、彼がもつ「スキル」を基礎としつつも、流れの中でポイントごとに「押しの一曲」をメイクアップし、その曲がとんでもなく光らせるマジックが秀逸で・・・こういった「押しの一曲」をミックスの流れの中で何地点か作ることで、まるでジェットコースターなアップダウンができ、全体的に動きのあるミックスになっている・・・という風に説明できます。 
 基本的には、カットインが多いので「勢い重視」なのかも知れないですが、Spinbadに関しては、こういった「選曲・ミックス」をすることで、チョイスした楽曲の良さを最高に輝かせることが出来・・・「殺しのパンチラン」の連続でホントタマランです・・・


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 個人的な嗜好もあってかもしれないですが、DJたるもの「流れ」をしっかりと作り、その流れの中で「押し・引き」を演出し、選曲を「ドラマティック」にすることは極めて重要だと思います。

 この作品も、全体的に殺傷能力の高いパンチラインのある選曲・ミックスが飛び交い、非常に動きのある流れを作る中で・・・終わりの方にしっかりと「決め球」を用意してあり、A面であればFonda Rae / Over Like a Fat Rat切ないながらも心地よく終わり、B面であればEarth,Wind & Fire / Let's Grooveで万々歳・・・みたいな決め方(その後もう1曲ありますが・・・・)をし、しっかりと「ミックスの物語」が作られているので、何度も聴け、そして何度もグッときています!

 DJが流れを作り、ドラマティックな展開を作る行為は・・・それこそ長時間のDJであれば、うまくペースを作り、流れ盛り上げていく・・・みたいな感じで流れを作れるDJは少なくはないと思いますが、これが「時間が限られたミックス作品」となると、上手く作れる方は少ないと思います。
 個人的には、今回紹介してるSpinbadなり、MUROさんとか、Ulticut Upsなどは、ミックス作品においてドラマティックな流れを作ることが出来、その中で彼らの個性をしっかりと表現してると思います。

 こういった「ドラマティックな展開」を考えてるDJって結構少ないし・・・実行しようとしても、選曲の知識や、DJのスキルがないと中途半端になることが多く、結構難しい行為だと思います。

 その限りにおいて、この2000年前後のSpinbadの作品はパーフェクトで、スキルにしろ、ミックスのセンスにしろ・・・土台がしっかりとしており、彼自身も作品にドラマチックな流れを組み込むことを念頭に入れている点は大変秀逸です!!
 結論として、そういったドラマチックな選曲を説明する技量がまだ私にはないので・・・明確な根拠はつけられませんが、「Fujiyama級」のストーリー性のあるジェットコースター感覚が味わえる一本で、何年たっても聴ける作品だと思います(^0^)

 そう、何年経っても聴けるんですよ・・・

 実際に、この作品も、リリースしてもうちょっとで10年になるぐらいだと思いますが・・・未だに飽きずに聴いており、それだけ作品が素晴らしい証拠になるかな~とも思います。
 今回の作品のような「ドラマチックな流れ」のあるミックス作品は・・・優れた映画や小説のように、何度見ても(読んでも)新鮮で、その中で繰り広げられるストーリーが気持ちいい・・・みたいな「オーセンティック」なオーラがあり、何十年たっても聴きたいと思える内容なんだと思います。
 


 毎度の如く、適当にズラズラ書いたので、読みずらい文章になってしまい、また、この作品の魅力をすべて表現出来たかは・・・正直不安ですが、総合的に考えると、私がご紹介した実例を踏まえてもかなり高内容なミックステープに仕上がってると思います。
 スクラッチ・2枚使いなどのスキル面と、非凡なミックスが混ざると、これほどまで良い出来になる・・・という好例かもしれないですね。 

 こんなのを聞いちゃうと、単純なミックス作品が聴けなくなっちゃいますよ・・・(^0^) 
 ほんと、奇跡といっても過言ではない出来になってます!!

 HipHopを通過した方が聴けば、絶対反応できると思いますので、Kocoさんとか、Uiticut Upsなんかが好きな方であれば、絶対お勧め出来ます!
 また、Garageなどからこの道に入った方であれば、けっしてスムースな選曲ではないですが、ダンクラのもつ「躍動感」を十分に発揮してると思いますので、是非聞いてみてくださいね~


<Release Date>
Artists / Title : DJ Spinbad 「The Classics」
Genre : DanceClassics
Release : 2000年2月
Lebel : Spinbad??

notice : シリアル、レーベルについて
 このテープには、他のシリーズのようなシリアル番号はないです。 また、このテープより「Cold Cutz Crew」を外れて、自身のグループ(?)である「The Untouchables Crew」を名乗ってます。


< PS >
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 これもやっぱり好きなテープなので、下記のようにストック込みで3本所持してます~
 ちなみに、このテープ、ほんと安値で売ってます・・・実売本数は2000本程度だと思いますが、探せば絶対にあると思いますよ!


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