「That's My Sh?? !!」もそうですが、Spinbadの手にかかると、圧倒的なスクラッチ&2枚使いで彩りながら、刻みよくカットインでつないでいきますね。 今回のも、これでもか~ってぐらいコスリ、ザンっとつなぐのですが、ちょっとズルイところがあります・・・その点を指摘しておきましょう・・・
この作品に関しては、たいていの曲がカットインでミックスされるのですが、聴いてると必ず「何かのフレーズ」をこすりながらカットインしています・・・それも、その曲に「ない」フレーズが中心です。 たとえば、上記のSlave / Just a Touch of Loveであれば、前の曲のDenroy Morgan / I'll Do Anything for Youからカットインするのですが、カットインをするSlave側にない「ha,ha~!」ってフレーズがコスられながらカットインされます・・・
また、この「後のせコスリ」方式は、更に発展した使い方もしており、Good Times → Bounce,Rock,Skate,Roll のラインでは、Good Times のブレイク部分でワードスクラッチをコスリ始め、そのままコスリつつも、トラックが違和感なくBounceにカットインされ、まだコスリ続ける・・・みたいな凝った趣向もしてますね。
収録の範囲であれば、まずTeena Marie /I Need Your Lovin' でのサビ2枚使いなんかが好例だと思います。 聞いてみないと分からないかも知れないですが、楽曲の持つ「熱っぽさ」みたいのを感じるサビを、Spinbad流のドープな2枚使いをすることで、その熱っぽさみたいのを更に増長させ、すげー効果的に、かつ曲の良さを引き出してる・・・と思います。 特に、2枚使いの最後で出る「ドラッグ」の音がヤバすぎですね!
同系統だと、Shalamar / A Night to Rememberの2枚使いもいいっすね・・・Jody Watleyの瑞々しい歌い出しをシンプルに2枚使いすることで、曲の世界観を引き延ばしてるみたいな感じで・・・ここも最高だな~(^0^)
あと、シンプルな感じだとEarth,Wind & Fire / Let's Groove のイントロ2枚使いも最高で・・・本編に入り、モーリスが♪レッツ、グルーブザナイ~ト♪と歌いだしそうなところで、2枚使いで最初に戻し・・・聴いてる者に「お預け!」ってしてるみたいな「選曲としてのS効果」があり、大変良いです! こういったシンプルだけど効果的な2枚使いは上手いですよね・・・
また、いわゆるオールドスクールブレイクも結構入っていて、DJとしては定番のコスリネタもしっかりと聴かせてくれ、Dance to the Drummer's Beatとか、Got to be Realとか・・・シンプルなんだけど、超高度なスクラッチ&2枚使いで、Spinbadらしさを発揮しており、作品の「華」としても十分機能しています。 特に、Dance to the Drummer's Beatでの切れっぷりは・・・最高で、Spinbadがミックスすることで別次元の「曲」になっており・・・悶絶必死ですよ!!
例示でいくと、ド定番の Maze / Before I Let Go であれば、直前の曲に、ちょっと地味な Yarborough & Peoples / Don't Stop the Music をチョイスし、若干ダークなブレイクから一気に、Mazeの象徴的なイントロブレイク(エディット盤の方ですね)にカットイン! この時点でヤバいのですが、うまく2枚使いしながら、あの泣きのギター(?)から本編になだれ込み・・・聴いてる方は「大爆発」といった感じで大変良いです!! この後はちゃんとNYの伝統に沿ってFatback Band / I Found Lovin' に繋ぎつつも、次の展開へ行くわけですが・・・押したい曲をしっかりと光からせてる・・・という印象になっており、素晴らしいですね・・・
他の例示も入れておくと、これまたド定番のAin't No Stoppin' Us Now であれば、直前に選曲してる GAP Band / Burn Rubber の勢いをしっかりと利用し、間違えないタイミングでカットインすることで、気持ちいいぐらいのスピード感を創出し、メチャクチャ良いです(^0^) んで、更にド定番なForget Me Nutsだと、Ain't We Funkin' Nowのアーバンなんだけどファンキーな流れの中で、イントロでもある一度ブレイクダウンするところ(♪え~、あは~♪のとこ)を2枚使いでグイグイと引っ張り、上がりきったところで一気にForget Me Nutsにカットイン・・・これも気持ちいいな~(^0^)
この作品も、全体的に殺傷能力の高いパンチラインのある選曲・ミックスが飛び交い、非常に動きのある流れを作る中で・・・終わりの方にしっかりと「決め球」を用意してあり、A面であればFonda Rae / Over Like a Fat Ratで切ないながらも心地よく終わり、B面であればEarth,Wind & Fire / Let's Grooveで万々歳・・・みたいな決め方(その後もう1曲ありますが・・・・)をし、しっかりと「ミックスの物語」が作られているので、何度も聴け、そして何度もグッときています!
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