HipHop,R&B,Soul,Funk,RareGroove,DanceClassics,Garage,House・・・など、私が気に入っているMixTape,MixCD,その他もろもろを紹介するブログです。
DJ Kiyo 「Urbän-Eskimo」
kiyo_urbaneskimo.jpg

 そういえば紹介してない・・・系になりますが、Kiyoさんって紹介してないんですよね・・・忘れてました(^^;)
 んなわけで、ミックス作品市場では、大変人気なDJ Kiyoさんの作品で、氏が得意としていた「R&B」路線において、「UK Soul / Grandbeat」の質感にこだわった一本で、市場でも人気な作品です!



DJKIYOARTIST.jpg  DSC05175.jpg

 まず、Kiyoさんの説明を少ししておきましょう・・・

 90年代中頃より活動をし始め、Hazimeさん、Missieさん、Okuboさん・・・あたりと同時期に有名になり始めた「第2世代」なHipHop系DJかな・・・と思います。
 現在は沖縄に移住され、自分の信じる音楽を追求している感じで・・・悪い言い方をすると「カルト」な存在になりつつありますが、HipHop的なスタンスの元、音源作成&DJを頑張っています。

 んで、Kiyoさんのミックス作品に関しては、作品数が多いことと、良質な作品が多いことから、ミックス市場ではメチャクチャ高い評価を受けているDJの一人だと思います・・・

 理由は人それぞれだと思いますが、他のDJに比べ、活動の初期よりミックス作品を多数リリースし、そのどれもが、しっかりとした「コンセプト」の元に作られ、MUROさんと同様に「コンセプト・ミックス」を一般化させたDJなのが、個人的には人気の理由かな~と思います。
 今回紹介する作品のように、しっかりと主題を立て、選び抜いた楽曲から構築されるミックスは、当時としては大変新鮮で、リスナーにも人気があり、それらの作品に影響を受けた・・・って方は多いかと思います。

DSC05190.jpg DSC03951.jpg

 その中において、Kiyoさんのミックス作品においては、特に「歌モノ・ミックス作品」「アンダーグラウンド・ミックス作品」が重要じゃないかと思います。
 アンダーグラウンド系の作品に関しては、別の機会に譲るとして、歌モノ系の作品は・・・90年代中ごろにリアルタイムで聞いてた方なら結構影響を受けた方が多いので、私は重要だったと考えています。

 なぜ重要なのかというと、当時(90年代中ごろ)は、まだ「HipHop至上主義的な空気」があり、レコードをメインに買ってる輩にとっては、R&Bは簡単に認められない・・・存在であり、HipHopライクなR&BはOKでしたが、もろR&Bっぽいのは敬遠・疎外されていたと思います。
 その限りにおいて、Kiyoさんは、HipHop的な感覚の延長としてR&Bを取扱い、ヘッズ達が聴きやすい環境で作品をリリースし、シーンに風穴を開けた・・・といっても過言ではなく、Kiyoさんの作品などを通して、「R&Bもいいじゃん!」みたいな流れになった・・・と思います。

 私の記憶だと、当時はR&Bのみを扱ったテープってほとんどなく、USのTapeKingzモノはあったにしろ、国産で、R&Bにこだわった作品は、結果としてKiyoさんとかMUROさんぐらいしかなく、Kiyoさんのテープなんかはよく評価されていたと思います。
 また、Kiyoさんに関しては、現場でも積極的にプレイしており、当時のFrontでもクラブにおけるR&Bの良さを語っており(96年12月号)、HipHop一辺倒だったシーンに歌モノの活路を開いた人物の一人と言っても差支えないと思います。


 今のKiyoさんの活動しか知らない方には意外な一面かもしれないですが、当時は割とR&B系DJのイメージの方が強く、その後、現在に通ずるUndergroundなHipHopに傾倒し始め、気づいたら「小難しい方向」になりましたね(^^;)
 アーティスト写真も、昔は優しいお兄さんみたいでしたが、今はなんか「怖く」なってしまい・・・大人になったんでしょうね・・・

 なお、個人的には、Kiyo作品はオンタイムでは全く追ってなく、存在は知っていましたが・・・なぜか買わなかった・・・んですよね~(^^;)
 ここ何年かで、ミックス作品を集中して買うようになった時期から、聞くようになった・・・感じで、まだ勉強中(作品を全部聞いてない)ではあるのですが、好きなDJの一人です(^0^)



DSC05186.jpg DSC05187.jpg
DSC05182.jpg DSC05181.jpg

 んでは、今回の作品のご紹介です~♪

 最初にも書きましたが、選曲的には「UK Soul / Grandbeat」の持つグルーブを軸に、その質感に合う歌モノをUK/USを問わずに選曲・・・みたいな感じで、嫌いな人はいない感じの選曲に仕上がっています。

 UK Soulなり、GrandBeatなんかは、リリースされていた当時(90年代初期)でも、人気があったジャンルだったと思います・・・それこそ、サバービアでも取り上げられてたし、HipHopの現場でも、ある程度は認知があったと思います。
 しかし、始まったばかりのシーンの参加者にとっては、よく分からないジャンルなわけで、Kiyoさんのテープを聞いてUK Soulの深い道を進んだ方も少なくはないかと思います(^^;)

 実際に選ばれた楽曲は、今となっては定番な曲が多いですが、当時としては知られていない曲も多く・・・どの曲もレコ屋では高値でしたね・・・今はどのレコードも安くなりましたが、昔はメチャクチャ高く、私は買えませんでした(^^;)
 写真に上げた「Charlotte / Queen of Hearts」とか「Mica Paris / Two in a Million」、写真下段の「Misty Oldland / I Wrote You a Song」、「Soul Ⅱ Soul / Jazzie's Groove」などが気持ちよく選曲されていて、比較的跳ねた選曲でありながら・・・UK SoulやGrandbeatの持つ「上品さ」をしっかりと押さえている辺りは流石ですね・・・

 作品自体の明確な物語性はないのですが、全体を通しての楽曲の統一感(=グルーブ作り)が秀逸で、気持ちイイミックスに仕上がっていると思います。


DSC05177.jpg DSC05185.jpg
DSC05179.jpg DSC05189.jpg

 ただ、今回聞き直してみて、しっかりと掘ってるな~と思わせる曲も多く、リリースして10年以上経つのに、Kiyoさんの非凡な選曲センスが伺え、結構ビックリしました。
 特にこのテープは、一般的には「UKモノ」のテープと認識されているのですが、細かく選曲をみると、USモノも選曲されており、その選曲っぷりがイイ所を突いててヤラれます!

 それこそ、曲の中盤でLovin'Youが出る「Kiss The Sky / Living for you」とか、チーター時代の隠れた名曲「Toni Braxton / I Belong to you」をサラッとミックスしてる辺りはイイですね(^0^)
 また、個人的に収録曲を掘ってて驚いたのが、写真下の2枚で、♪エディバディ、ダンス、ナウ!♪でお馴染みの「C&C Music Factory」の1stに収録されたLPオンリーの隠れた良曲(Share that Beat of Love)や、HipHopアーティストとして認知されている「Mantronix」の歌モノ(Got to Have Your Love)など、意外な曲をチョイスしてる辺りにはグッときました・・・当時からしっかりと掘ってる証拠だと思います!!


 Kiyoさんって、他の作品の方が顕著なのですが、結構「クセのある選曲」だと思うんですよ・・・人が使わない曲なんかをカッコ良くミックスしてる印象が強いです。
 例えば、HipHop系の作品だと、直球な黄金期ミックスでも意外な曲を入れてくるし、今回の歌モノのテープも、全体の統一感がイイので気にならないのですが、細かく聞くと上記のUS系の曲などのような意外なモノを入れてくるし・・・Kiyoさんにしか出せない「クセのある選曲」も感じられ、Kiyoさんの個性が光ってると思います。
 
 その「クセ」が明確には説明できないですが、Kiyoさんのセンスと個性から発せられる「クセ」であることは間違えなく・・・更に重要なのが、その「クセのある選曲」が、リスナーに対して素直に「カッコいい!」と思わせる「説得力」「求心力」があった・・・とも思える点です。
 MUROさんに近いスタンスだと思うのですが、一般では理解できない曲を「Kiyoさんのグルーブ」を通して聴くと、不思議とカッコよく聞け、結果としてリスナーに「分かりやすく楽曲を提供」してたんだと思います。

 つまり、そのセンスの良さから、市場に対して効果的に「ニューディスカバー」を発信することが出来た存在なんですよね!!

 私自身は、Kiyoさんが精力的にミックス作品をリリースしてた頃は、かなりスルーしていましたが、記憶だと、新作が出るたびに喜んで買ってる輩も多かったし、何よりもレコ屋で「Kiyoチョイス」と宣伝文がついたレコードが多いのが影響力があった証拠だと思います。
 また、別記事で書きますが、Kiyoさんのミックス作品の値段が高いのも、影響の一端かもしれないですね。


DSC05176.jpg DSC05178.jpg
DSC05184.jpg DSC05188.jpg

 最後にミックスの話をしたいと思います・・・ちなみに上の4枚の写真は、収録曲ですが、下記の説明では出ません・・・写真が余ったので貼ってみました(^^;)

 実際のプレイに関しては、グルーブ重視の姿勢で、派手なミックスはせず、淡々と選曲をする感じですかね・・・ ロングミックスも、カットインもするのですが、かなり自然体にミックスし、流石の技術の高さだな~と思います。
 個人的には、Kiyoさんのミックスにおいては、バスケのノールックパス的な突然サクッと入れてくる「カットイン」での繋ぎが注目で、曲の前後を見切った上でのカットインで、この点は深く聞いてみるとヤラれると思いますよ!
 また、Kiyoさん自体は、スクラッチも結構出来る方なので、これとかでも擦ってるのかな~とも思いましたが、今回はスクラッチは割とお休みのようで、曲をチェンジするときに、何度が光ったスクラッチを出してますね(^0^)

 今回のミックスに関しては、選んだ楽曲の良さを引き出すことに終始していて、結果として全体のグルーブ感は非常によいです・・・特に、テープの統一感がたまらないですね・・・
 それこそ、ジャケのハーゲンのアイスみたいに、上質で、大人の甘美を兼ね揃えたミックスになっています(^0^)


 ただ、ミックスの作品としての方向性は、平坦なミックスが続くことが多く、この作品もそうですが、ミックスに「山と谷」がなかったり、パンチのあるミックスがなかったり・・・作品に物語性を求めると、ちょっと落ちるかな~とも思います。 
 他の作品もそうですが、Kiyoさんって、作品としての「盛り上がり」を作らないんですよね・・・まるで、小さめのクラブで、ラウンジ的にDJしてるみたいな・・・グルーブは最高なんだけど、ショーマンシップはない・・・みたいな感じがあり、個人的にはココは残念です・・・
 言ってみれば「ラフな作り」になってしまい、選曲で「引っ張る」みたいなことが出来れば最高なのにな~と思います。



 話が長くなったので、まとめましょう・・・

 今回の作品は、今の時代に、予備情報なしで聴くと、結構地味なミックスなのですが、聴いてるうちにKiyoさんが持つ「クセのあるグルーブ」にハマり、長く聞けるテープになってると思います。 特に、選曲の質の高さは最高ですよ!!
 また、歴史的な背景なり、氏の燻し銀な選曲に注目すると、かなり重要な作品だと思います。
 でも、現在の中古値段を見ると・・・正直、買いづらい値段だと思うので、落ち着いたら買いましょう・・・でいいかな??(^^;)



Artists / Title : DJ Kiyo 「Urbän-Eskimo(Urban-Eskimo)」
Genre : UK Soul、GrandBeat、R&B
Release : 1998年
Lebel : Royalty No Number



Notice : 中古価格について

DSC05175.jpg

 別項目として、苦言として「Kiyo作品の中古価格」について触れたいと思います。

 以前より、中古市場におけるKiyo作品は高値になっており、3900円とかで普通に出てますよね・・・
 これに関しては、私の感覚だと「名前先行」なところがあり、正しい価値判断のもと、価格が付けれれてない・・・と思っています。

 個人的には、Kiyoさんのミックスは、個人的な嗜好もあると思いますが、高いところと、もう一つ足りないところがある・・・と思ってます。
 選曲眼は非常に高いと思いますし、一つの作品としてのグルーブ作りも大変上手いと思います・・・が、個人的には選曲のストーリー作りがもうちょっと・・・と思ってます。
 なので、パッと聞いた時に、結構凡庸なつくりに聞こえることが多く、その辺はマイナス材料になっちゃうんですよね・・・

 そのことを踏まえると、今のKiyoモノのプライスラインは・・・やっぱり高いと思いますし、他の作品で、Kiyoさん級にいい内容のものが同じ値段じゃない・・・ってことを考えると、やっぱり値段が高すぎると感じます。
 高くしてる原因は、やっぱり「名前」なんだと思います・・・

 現在の市場を見た時、名前先行ってのが本当に多く、ありえない値段のモノも多いと私は思っています。
 あえて実名を出しますが、今日、渋谷のユニオンに行ったら、結構テープが入荷してたんですけど、値付けの仕方が、あからさまに名前先行で、ありえない値段になっていました。 特に、ターンテーブリスト系のは鬼高いですね・・・
 欲しいのがなかったので、手はつけなかったですが、ちゃんとそのテープの内容を聞いて、内容がいいから値段を付けたの?っと聞きたくなるような値付けでした。
 もちろん、その「存在」としての価値(数が少ないとか、有名だからとか・・・)も十分理解できるのですが、自分がいい内容だな~と思ってるテープ(Spinbadとか)で、そんなには知られてないものは・・・案の定、安いです(^^;)

 う~ん、その人の価値観によって違うのは分かりますが、もうちょっと「ミックスの内容の良さ」で値段をつけないと、市場が健全に育たない・・・と思うんですよね・・・ 皆さんはどうでしょうか??

 んで、肝心なKiyoさんのは、結局は内容がいいので、価格的にはレアでいいと思いますが、正直、今のプライスラインはキツイですね~もう1000円ぐらい低いぐらいかな~と・・・思いますが、ミックステープ馬鹿な私は、コレクトしないといけないので、無理して買ってます・・・はあ(--;)





<編集情報> 2010年2月11日
KIYOさんの別作品を紹介するついでに、あまりにも文章がひどかったので、文章を整理し、論旨をまとめた文章にしました(^^;)
1年の間に、レコも沢山買ったし、KIYOモノのレアなテープも買いまくったし・・・研究するのは大変です(--;)



スポンサーサイト
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック