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DJ MURO 「Super Disco Breaks Lesson 5 - 8」(旧記事)

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 先週に引き続き、MURO作品の金字塔「Superシリーズ」Discoシリーズ第2弾「金色」をご紹介致します・・・気合いを入れて書くぞ!


 言わずと知れたMUROさんの名作「Super Disco Breaks」の第2弾、2000年4月にリリースされた作品(2本組)のご紹介です。
 前作である「Super Disco Breaks Lesson 1 - 4 」より約2年後の作品になりますが・・・びっくりするぐらいミックスが上手くなり、かつ掘りの深さも堪能でき、個人的には大好きな1本です。


 この作品では、前作同様に作者であるMUROさんが現場でプレイする曲にフォーカスをあわした作品で、ミックスの流れに若干ラフさがありますが、しっかりと考えられた選曲でプレイをし、かつMUROさんらしい味のあるスクラッチ&2枚使い、高揚感のあるミックス展開が発揮されており、現場でのDJプレイに近い作品に仕上がってると思います。
 選曲された楽曲も、基本ラインは前作の銀と同じで、DiscoやDanceClassics、Old School HipHop、Middle HipHop、Funkなんかを使用していますが、これから紹介をする「南国テイスト」が上手くブレンドしつつ、武骨なんだけど口当たりが優しい・・・そんな感じのMURO流Disco(=B-Boy Disco)を展開しています!

 また、実はこの頃の作品がリリースされた2000年前後って、個人的に考えている範囲だと、MUROさんのミックスが上手くなった時期・・・と考えています。
 後ほど紹介する「南国テイスト」にも関係をしてくるのですが、HipHopらしいカットインに加えて「ビートミックス/ロングミックス」を多用するようになってて、この作品でも効果的に使用されていると思います。

 今回も、作品の紹介の前に、その「変化」の部分を先に紹介し、その後に作品の紹介をしたいと思います~(^0^)





<MUROさんのミックスの変化について>
 
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 まず、ちょっと見づらいかも知れないですが、MUROさんのミックス作品&その他もろもろの変遷を一覧にした表を作成してみました・・・クリックすると大きくなるので、以下の内容を読む前にご確認ください・・・
 ただ、かなりアバウトなつくりなので、間違えもあるかも知れないです・・・ご了承ください。


 このブログでは、意識的にMUROさんの初期作品からご紹介して、今までKing of Diggin'シリーズDiggin' IceシリーズDiggin' Heatシリーズなどをご紹介しました。
 バックナンバーは「こちら」からどうぞ・・・

 今回の作品は、順番でいくと「Diggin' Heat 2000」の次の作品あたりで、このDiggin Heat' 2000では、RareGrooove関係の選曲にまぎれてLatin等の「南国テイストの曲」をミックスしていましたね。
 この南国系の流れは、今回の作品の直後にリリースされた「Pan Rhythm」「super samba breaks」なんかで爆発しています。

 また、「Diggin' Ice 99」で少しだけ説明しましたが、それまでの作品ではHipHopライクなカットインなどでミックスすることの多かったMUROさんが、「ロングミックス」などのミックス方法を効果的に使うようになり、DJの幅が広がったの意味で上手くなった・・・と思います。
 これに関しては、なかなか実証がしづらいのですが、初期のテープシリーズ(特にIceとHeat)を順を追って聞くと分かると思うし、個人的には97年4月より放送開始した「Da Cypher」でのMUROさんのプレイが、段々上手くなっている(2枚使いとか)のを実感してたので、この時期はMUROさんのDJ技術における「発展期」だったと考えています。


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 「南国テイスト」「ロングミックス」・・・この2点は個人的には結構重要だと思います。


 まず、南国テイストと書きましたが、これは私が思った言葉なので、一般的には他の言葉でもイイわけですが・・・今までプレイしなかったLatinとかBrazilなどの「南」っぽい曲で・・・範疇は当然広いですよね。
 また、雰囲気が南国っぽい楽曲もこれに入り、その流れで行くとDiscoとか、Garage、House・・・なんかも含まれ、それこそ今まで散々プレイしてたHipHopやFUNKのようなドロッとした質感ではない、開放感のあるドラムとベースラインのコンビネーションが織りなす「4つ打ち」構成の楽曲が多いと思います。
 この作品であれば、写真左の「John Gibbs and U.S. Steel Orchestra / Trinidad」とか、写真右の「Gary Griss / Amazon Queen」なんかが南国テイストがマッチした曲で、聞いてると4つ打ち感が気持ちいい曲ですよね~
 
 そう、この「4つ打ち」構成ってのが重要で、つまり「House/Garage」のようなグルーブでミックスするような楽曲南国テイストという言葉の肝だと思うんですよ!

 そして、その4つ打ちのグルーブをミックスするのには・・・やっぱりBPMを合わせてのビートミックス/ロングミックスが気持ちいいぐらいハマるので、MUROさんも実際のプレイで多用するようになったのかな~と思います。

 この点が個人的に考えている「MUROさんのミックスの進化」なわけですが、今までHipHopライクにカットインなどで繋いでいった選曲が、ロングミックスなどで選曲のグルーブ性を高めることも・・・するようになったと思います。


 なぜ、この2点を強調して書いたかというと・・・ミックス方法なり選曲方法の中で「House/Garageライン」の4つ打ちの曲やビートミックス/ロングミックスって、やっぱりHipHopの文脈とは異なる文化形態/フィーリングな訳で・・・意外と混じらない存在で、それをHipHopDJであるMUROさんが吸収し、独自進化をした点は非常に大きいと思うからです!!
 

 私も、House/Garage関係のレコードを買ったり、Houseの現場なんかに行って分かったのですが、ビートなりグルーブに対する姿勢がHipHopと「やっぱり違う」んですよね・・・
 BPMの違いや音の構造の違いもちろんありますが、ダンスミュージックとしての「考え方」の違いが結構あると思います。

 特に「考え方」が違うと思うのが「踊ること」で、HipHopだと踊るというよりも「盛り上げる」ための音楽という部分が大きく、聞いてる者を踊らすって意思はそんなにないと思います・・・むしろ「ノリ」を大切にしますよね・・・
 それに対してHouseラインだと、聞いてる者を「踊らすため」の音楽とはっきりしているかな~と思います。
 例えば、HipHopではカットインとかショートミックスが主体で、曲単位ごとに盛り上げさせる・・・感じで、Houseだとビートを合わせてのロングミックスを用いて、各々の楽曲が持つ良さを引き伸ばし、グルーブを持続させ聞いてる者を踊りやすくする・・・みたいな流れがあります。

 また、この考えを選曲方法に当てはめると、HipHopは単発で盛り上げるのに対し、Houseでは選曲を重ねて盛り上げる・・・みたいなニュアンスも入り、Houseの方が「グルーブ」を大事にしてると思います・・・


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 MUROさんの話に戻しましょう・・・

 何がきっかけでMUROさんがHouse的な選曲/ミックスをし始めたかは分かりませんが、こういった「House」的な選曲/ミックスが出来るようになったのは・・・きっと、自分の興味のままいろんなジャンルのレコードを掘ってる過程で、70年代のDiscoモノとかBrazilとかの南国モノにぶち当たり、HipHopの姿勢で選曲をしてたが、気づいたらHouse的なフィーリングでミックスしても悪くない・・・と気づき、こうなったのかな~と思います(私の想像の域での考えです)。
 また、MUROさん自身、DJ活動をしてて、色んなジャンルのDJと交流が出来(特にOrgan系かな?)、その辺も影響はあるかもしれないですね~
 
 ホントのところはMUROさんじゃないと分かりませんが、事実、その後のミックス作品ではHouseっぽい作品もリリースしており、この次にリリースされた「Super Samba Breaks」「Heatin' System」「Tropicoool Boogie」などは顕著で、Houseな曲が効果的に使用されており、ミックスもHouse的にミックスされることがあります。
 また、自身の楽曲でもHouse的な曲も多くなり、上に写真右で上げたTrinidadをネタにした「Boo / Caravan」とか、Dance and Shake Your Tambourineネタの「Tonny Touch / I Wonder Why(Remix)」などはそうだし、外注としてフランスのTom & Joyce にリミックスしてもらったり・・・いろんな形でHouse方面にクロスオーバーしています。

 あと、後年の現場のDJでは、時折、ミキサーのトリムを回し、重低音のみカットして、楽曲にメリハリを持たせたり・・・まさにHouse的なことをしてる時もありましたね。
 House界であれば、Joe Claussellのようなアイソレーター捌きのようにはいかないですが、カットをする時は、気持ちをこめて、体を仰け反らせながら切ってましたね(^0^)


 
 結論的な話を入れておくと、今までHipHop的な手法で様々なジャンルをプレイ/ミックスをしていたMUROさんが、水と油の存在と思われていたHouse的な選曲/ミックスを手に入れ、今まであったHipHop的なスキルが更に進化した・・・ということになると思います!!

 こうなってくると、ホントMUROさんだけの世界観になってくるのですが、MUROさんにしか出来ないボーダーレスな選曲が更に広がりつつ、ミックスなどもHipHopをベースとしつつも、グルービーな展開が更に増し・・・誰にも作れない世界に変化していったと思います・・・
 特にグルービーな展開は、今までもかなり上手かった(特にIceとかHeat)ですが、更に進化し、聞いてて殺してくれるラインが増えたような気がします(^0^) 


 そんな変化がこの作品では良い方向に機能し、素晴らしいミックスを披露しています!!

 前作の銀では、プレイとしてはHipHop的な範囲でのプレイが目立ち、それはそれで悪くは無いですが、この金になるとHouse的なプレイも加味され、個人的にはこっちも大好きです(^0^)

 では、作品の紹介に行ってみましょうね!!





<テープのご紹介>

 基本的な選曲ラインは、前作の「Super Disco Breaks Lesson 1 - 4」と変わらないのですが、一般的なDiscoテイストを煮詰めた楽曲が増え、個人的にはかなり聞きやすい一本です。

 分かりやすく説明するために、選曲ジャンル別に紹介しつつ、この作品の技や魅力を紹介していきます・・・


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 まず、HipHopですね・・・

 どのミックスでも前半に集中する傾向にありますが、やっぱりDeepなのが多くヤラれます!!

 プレイした曲でいけば、左上の「Choco the New Harlem Sound / My Little Donkey」とか右上の「G Force / ABC」は有名でしょう・・・今回の作品でも、MUROさんが発掘したと思われる曲が多数で、上記の2枚はもちろんですが、レアな輩が多数ですよ!
 Donkeyのオリジナルはまだ万越え(写真はブートです・・・)だし、あのRick Rubinがリミックスをした「Queen / We Will Rock You (Remix)」などのようなレアなOld SchoolやMiddle Schoolの曲が多数収録されています。

 タイトル的には、聞いたことはあるけど、タイトルが分からないな~ってのが多いのでヤキモキしちゃいますが、MUROさんらしいボルテージの高いHipHopが多いっすね。

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 しかし、個人的に押したいのは、それらのHipHopの曲の「使い方」が上手くなったことです。

 特に象徴的なのは、写真左上「Disco 3 / Human Beat Box」から、定番の「Funky 4 + 1 / That's the Joint」の繋ぎで、Disco 3の中盤で「♪~~~ one for me !! ♪」とライムしてるところから、Funky 4に繋ぎカットインしつつ、Funky 4のブレイクの上で♪one for me♪で擦ってるところですかね~
 このコスリは、正直Ulticut Upsなんかを聞いちゃうと、そんなには上手くないのですが、今となってはなかなか味があるコスリだし、こういった定番ネタの使い方は上手いすよね!!

 また、左下の定番ビートである「Funkadelic / You'll Like It Too」は、先ほど紹介をした同ネタであるMy Little Donkeyから、Danny Krivit(Mr,K)製作の定番エディットに繋ぎ、声ネタ(1,2,3,4!)のところでクイックで別曲につなぎ、速い展開のHipHopミックスの好例を表してます!

 MUROさんって、今までも定番曲とか定番曲過ぎて見捨てられちゃった曲の使い方が上手く、Diggin' Ice辺りではそのセンスの良さが発揮されていましたが、個人的にはそのセンスが、DJミックスにも生きてきてるな~と感じました。
 まあ、ベタな展開なのかもしれないですが、こういうのは嫌いにはなれません・・・


 ちなみに、FunkaDelicの元曲は、現場では結構プレイをしてて、イントロのドラムブレイクを2枚使いなどしつつ、選曲することが多く、個人的には元曲の方がMUROクラシックだと思ってます(^0^) 
 イントロのドラムブレイクが終わり、熱い本編に進む辺りはカッコよく、現場で聴くとKODPクルーの煽りが加わり、大変なことになりますよ!



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 んで、HipHop以外でもナイスな「掘り」の利いた楽曲が多く、ミックスの世界観を崩さずに色んなジャンルの曲をプレイしてる辺りには・・・レベルの高さが伺えます!! 

 まず、分かりやすいところだと「ネタ系」の曲だと、個人的には写真左上の「Dave Cortez / Happy Soul With A Hook」っすね・・・言わずと知れた「Christina Aguilera / Ain’t no other man」ネタですが、プレミアが使う数年前にMUROさんが使ってたわけですから・・・流石King of Diggin'です!!
 その他にもBDKネタとか、楽曲自体がカッコいい旧譜も多くプレイされててヤラレます・・・皆さんもそうだと思いますが「Tom Jones」使いはズルイですよね!!

 また、発売直後の楽曲もしっかりと押さえており、こういう引き出しの多さも魅力ですよね・・・
 収録曲だと、今ではほとんど見かけることができなくなったホワイトオンリーな「DJ Spinna / Rock」使いの「The Brand New Heavys / Aparently Nothing (remix)」をミックスしてます!!
 これは結構探すのが時間がかかりましたよ・・・つぶれちゃった渋谷某S店で買えましたが、今回調べてみると500枚オンリーなようですよ!!


 あと、後ほど詳しく紹介するDisco/Garage系の曲も渋い曲が多くメチャクチャ影響を受けました・・・王道なのは間違えないですが、そんなのプレイするの!って曲が多いかと思います。
 例えば、写真左下のBrazil産の謎のDiscoである「Erasmo Carlos Convid / Se Voce Pensa」なんかは、Discoが好きな方でも掘れない(プレイしない)でしょう・・・よくこういう曲を探してくるな~

 また、そういったマイナーな曲でも、MUROさんがプレイしたことで人気になった曲もあり、ミッキーのいなたいジャケでお馴染みの「Mickey Mouse Disco / It's A Small World」なんかはそうだと思います。
 ミッキーちゃんは、プレイではErasmo Carlos Convidの次にプレイしてますが、この繋ぎは思い付かないよ・・・違和感の無い「異ジャンル繋ぎ」にはグッときます!!



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 そして、私が大好きなDisco/Garageラインの選曲・・・これがどのミックスでもヤバいですよ!!

 個人的には「Lesson6」の流れが一番好きで、後半のDisco/Garageラインの選曲が素敵なのでそれを例に紹介したいと思います!!
 ここのミックスは、序盤はHipHopっぽく攻めますが、段々と南国っぽいグルーブに仕立て、HipHopの中にHouse的な流れをうまく乗せ、畳み掛けるように攻める辺りは流石なミックスです(^0^)


 まず、指摘したいのが「定番曲の使い方」の上手さです!!

 個人的に好きなのは中盤でプレイされる「Mcfadden & Whitehead / Ain't No Stoppin' Us Now」のブレイクを使用したクイックミックスが好きです!!

 手拍子だけのブレイクの上でアカペラで♪No Stoppin'~♪と繰り返してるところ(上記のシングルだと一番最後の方)の4小節を使用したクイックミックスなのですが・・・その4小節の後は、ネタとして有名な「Unlimited Touch / I Hear Music in the Street」のイントロ4小節にクイックし、またAin't Noの同じブレイクに戻します・・・
 そしてAin't Noの同じ4小節を繰り返したと思ったら、De la のSaturdayネタで有名な「Instant Funk / I Got My Mind Made Up」の印象的なイントロにクイック・・・
 んで、また4小節プレイしたらAin't Noに戻し、4小節をかけ、これまた定番な「Al Hudson & The Parters / You Can Do it」に繋ぎ、そのまま流していく・・・という、メチャクチャカッコいい展開です。

 この「A→B→A→C→A→D・・・」みたいな展開は、個人的にはHipHopDJの「華」に該当するところで、それをネタが絡んでるとは言え、Disco/Garageでやってみるって言うのは流石ですね!! 


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 そして、Al Hudson以降のミックスもカッコよく、ナイスなロングミックスでの繋ぎの連続でたまりません!!

 それまでクイックミックスでHipHop的な雰囲気を出しつつも、Al Hudsonを長めにプレイすることでDisco的なグルーブに変化していく感じなのですが、そこで繋いでくるのが親父Discoクラシックでもある「Kool & the Gang / Lady's Night」ですよ!!

 いや~この辺の曲はカタカナの「ディスコ」ではプレイするでしょうが、大ネタ過ぎちゃって対象外な曲かな~と思ってましたが、ロングミックスで繋いでいくと凄くグルーブがあってイイんですよね!!
 数年後にリリースしたオフィシャル盤の「Super Disco Breaks」でも同様な使い方をしてますが、この辺を聞くとMUROさんのロングミックスの上手さが分かり・・・一番最初で触れた「ミックスの進化」が一番感じられると思います(^0^)
 ちなみに、Koolのこの12inchはメチャクチャ音圧が良く、ドラムのノリとかがハンパなくイイですよ!!

 そして、Koolで南国的でグルービーな雰囲気を出しつつ、MUROクラシックで有名な「Forrest / Rock the Boat」にミックスし、更に南国的なグルーブなり、最後はこれまたMUROクラシックな「Shirley Bassey / Copacabana」に気持ちよくロングミックス・・・この流れも最高ですね!!
 曲が持つ南国テイストな雰囲気をうまく利用したミックスで、ロングミックスで繋いでいくことで徐々にグルーブを展開させていく感じが気持ちよく、最高な流れで終わりに向かいます(^0^)
 

 テープの紹介の前にも書きましたが、ロングミックスと南国テイストが上手く機能したミックスで、このミックスこそ「Super Disco Breaks」の「結論」を表している部分かな~と思います。

 ミックスにおいてはLesson 1-4の時はまだHipHop色が強かったのですが、この作品になりロングミックスの導入や選曲の南国化が加わったことでDiscoの良さが更に加わり・・・HipHopでも無い、Discoでも無い・・・MUROさんにしか作れない「B-Boy Disco」に完全になったのかな~と思います(^0^)
 なんか、うまく説明できないですが、HipHopベースの選曲でミックスを構築しつつも、House的なグルーブを維持するミックスを用いて、選曲も南国テイストのある曲を選び・・・Discoが本来持つ「開放感=気持ちよさ」みたいのを完全にプレイ出来るようになったと感じます!!


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 また、Lesson 6以外のミックスでも、MUROさんにしか出来ないミックス/選曲が多く、集約すれば「B-Boy Disco」的な感じが爆発しているのですが・・・深く聞くと「技の幅も広さ」にも注目点が多く、更にこの作品を良くしてる・・・と思います!!

 例えば、Dimitriも取り上げたナイスな80's Boogieである「Fresh Band / Come Back Lover」はLesson5の最後でプレイしますが、それまでかなりHipHop感が強い流れの最後にコレを入れてくるセンスが素敵で・・・こういう所は真似出来ないっすね!!
 多分、トラックリストを見ただけでは脈略が無い選曲になるのですが、違和感が全くなく、なぜかグルーブが続いてるんですよ・・・気持ちよくって最高です!!

 あと、Lesson 7では、昔よりGarageクラシックで、MUROさんがチョイスしたことでHipHop界隈でも知れ渡った「John Gibbs and U.S. Steel Orchestra / Trinidad」であれば、あえてBPMを落としてプレイしており・・・そうすると雰囲気がReggaeノリなDiscoミックスになり、不思議な気持ち良さが体感できます!!
 Trinidadって、個人的なイメージだとドラムやベースの疾走感のあるグルーブが聴きどころで、BPM的には「上げる」方向の曲を・・・あえて「下げて」プレイしてる辺りにセンスの良さが出てますよ!!
 ちなみに、Trinidadの後は、MUROさんのミックスでは結構な頻度で登場するRisco Connectionもので、ミックスの主題に合う鬼レアなI'm Caught upのカバーをプレイしてます・・・00年の時点でそれを掘ってんのかよ!!

 最後にLesson8だと、オーラスでSwing感のあるDiscoテイストに持ち込んで、綺麗に終わらす感じが上手いんですよね!!
 これもMUROさんプレイで知れ渡った「The Charlie Calello Orchestra / Sing,Sing,Sing」をプレイし・・・El Cocoのようなビックバンド時代のゴージャスな感じ空気になったところでド定番の「Elbow Bones And The Raketters / Night in New York」をロングミックス!!
 個人的にはこの繋ぎは涙腺に来るんですよね・・・終わってしまう寂しさがあるんだけど、ポジティブなグルーブもあり・・・「ぐすん、明日も頑張ろう!!」みたいな感じがするんですよね・・・憎い演出です!!


 こんな感じで、細かいミックス/選曲も光ってて・・・相対的に作品の良さを向上させてると思います!!




<最後に> 

 また、ダラダラと書いたので、上手くまとまらないのですが、銀ジャケだった前作の98年ごろと比べると、House/Disco的な4つ打ち系の曲に対する扱いを完全に習得し、MUROさんらしいDisco感が更に発揮できるようになったのが印象的ですね!!
 特に、Disco的な曲などを通して、House的なミックスを方法を手にし、以後の作品に発展していく過程では、この作品は通過点として見逃せないと思います。

 ただ、繰り返しますが、MUROさんの場合、HipHopをしっかりと基礎にしつつ、MUROさんらしい掘り精神の元、手腕の一つとしてHouse的な方法を取っており、この点がMUROさんの「良さ」だと思います。
 私もそうですが、母体としてHipHopがあることで、音楽に対して柔軟にいられる・・・そんなところでしょうか・・・
 そんなスタンスがあるから、あまたのジャンルのDJ達よりリスペクトがあるんでしょうね・・・MUROさん、やっぱりスゲーな!!


 んで、最後の最後で、作品の総括をします。

 個人的には、前作同様に現場でのプレイを反映させた作品にはなっていますが、前作よりもミックスの質が向上、ミックスの方向が定まったことでかなり聞きやすい内容に仕上がっていると思います。

 もし、初めてSuper Disco Breaksを聞くのであれば、このから入っていただく方が・・・イイかな~と思います!!
 また、中級者以上の方も、聞いていただくと、Ulticut的なハイパーなミックスはないですが、HipHopの持つ跳ねたビートを起点に、地に足付いた鉄壁のグルーブミックスに進行するミックスと、掘りの深さが体感でき、勉強になるはずです!! 
 相変わらず、トラックリストはついてないですが、検索時代の今、気合いを入れて歌詞の一部を検索すれば分かったりするわけで、MUROさんにリスペクトしつつ、掘りましょう!!


 この作品は今となっては古いテープになるかもしれないですが、永遠にその輝きが薄れない作品だと信じています・・・MUROさん、素晴らしい作品を作ってくれてありがとうございます!!





<Release Date>
Artists / Title : DJ MURO 「Super Disco Breaks Lesson 5 - 8 」
Genre : HipHop(OldSchool,Middle)、Disco、DanceClassics、Garage、Funk、R&B・・・・
Release : 2000年4月
Lebel : KODP / Saveage
Notice : No Track List 2本組
       
Notice : CD再発について
2005年頃に4枚組CDで再発もありますが、極小プレス(1000枚?)なので、今となっては結構値段が高いです。




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<編集情報> 2009年6月15日、6月20日
 収録曲の記載に誤りがあり、訂正を行いました。

  × Central Line / (You Know )You Can Do It
        ↓
  ○ Al Hudson & The Partners / You Can Do It



<編集情報> 2010年10月3日
「色々」とあって、大規模工事を行いました・・・かなり読みやすくなったかな??
   ↓
<編集情報> 2010年10月9日
「色々」とは・・・この作品のトラックリストの公開をするためでした~♪ 興味のある方は下記リンクからどうぞ!!

「MURO / Super Disco Breaks 1-4 & 5-8」トラックリスト公開


<編集情報> 2023年5月7日
この作品を新たに紹介した記事を公開したため、この記事は「旧記事」にしました。
該当記事は下記をご確認ください。

●DJ MURO 「Super Disco Breaks Lesson 5 - 8 」(詳細版)

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コメント

りょー

ついに来ましたね!僕も大好きです!ヘビロテしていて一ヶ月聞かないことはないかもしれないくらいです~。Lesson6が一番好きですね。Lesson5も好きですがね!Come Back Lover/FreshはこのMIXで初めて聞いてめっちゃ好きになった曲なんですよね~。
MIXの幅もテクもかなりよくて飽きずに聞けるのはこのMIXくらいではないでしょうか。
地味なとこなんですが、ロングミックスでピッチいじりなのか音が軽く歪むのが最高なんですよね!笑

mixtapetroopers

Re: タイトルなし
>りょーさん
書き込みありがとうございます(^0^)
おおっ、お好きでしたか・・・内心、金と銀で、金が好き・・・って書くのって、自分だけかな~っと思っていたので、仲間がいて嬉しい限りです。
金の中ではLesson6が好きだったので、キバッて書きましたが、5のCome Back Loverもいいですよね~
まだ、タイミングが合わず、ゲットしてないのですが、今となっては、この手のGarageチューンもしっかりと掘ってるMUROさんに感服です(^^)

あと、そうなんですよ・・・この作品だと割と気持ちいいロングミックスを多用してて、気持ちよく聞けますよね・・・
その点を、強く書いたつもりが、私の説明が下手なので、うまく伝わったか心配です(^^;)

また、細かく聞いてると、ピッチのズレを手動で調整してて、音がゆがんだりしてますよね・・・
Disco時代特有の、ドラムのズレが原因だと思いますが、タンテを触って調整したんでしょうね~
この作品ではないですが、銀の方のSuper Wolf → 嫁のI'm so hotでは、それが分かりやすく、
実際に試してみると、どうやってもBPMがずれ、手で補正しないとミックス出来ないっすね(^^;)
ただ、こういったミックスに「人間味」を感じるわけで、タマランですよね(^0^)

今後も、頑張って更新していきますので、ご愛顧をよろしくお願い致します m(_ _)m
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mixtapetroopers

HipHop,R&B,Soul,Funk,RareGroove,DanceClassics,Garage,Houseなど、私が気に入っているMixTape,MixCD,その他もろもろを紹介するブログです。

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