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Dimitri from Paris 「After the Playboy Mansion」

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 今日は雨でしたね・・・土曜も働いてたので、疲れてたらしく、寝て時間が過ぎた日曜日でした・・・(^^;)
 そんなわけで、来月、来日プレイをするDimi先生の名作をご紹介~♪


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 この作品は、以前紹介したA Night of the Playboy Mansionの続編にあたるもので、一聴したインパクトは前作の方がいいですが、深く聞きこむとこの作品もドープな仕上がりになってることに気付きます・・・
 前作同様、Houseを軸としながらも、彼らしいDisco感を各所で散りばめられた作品で、ジャンルの壁、時代の壁をぶっちぎる好内容に仕上がってます。


 作品に関する細かい部分は違うかも知れないですが、前作がプレイボーイマンションで行われた「パーティー」の雰囲気を表現しており、この作品では「その後=After」をフォーカスし、チルアウトなCD1「Laidback」上げ気味なCD2「Uplifting」の2つの異なる雰囲気のミックスをしています。
 変な話、ジャケットのお姉ちゃんが示すとおり「お持ち帰り」なんかはまさにプレイボーイ的な意味の範囲で合致する内容で、この2つのミックスが示すような「シッポリ」か「激しい」交わいの時に最適な・・・内容になってると思います(^^;)
 まあ、お持ち帰りはしたことないので、実際に合うのかどうかわからないですが、クラブで踊り、朝方帰る時、疲れてマッタリしたい時もあれば、逆にテンションが上がって・・・みたいな相反する状態であることが多いので、その時の雰囲気を表してる・・・って方が分かりやすいですね!

 ただ、個人的にコレを聞いて、思った印象は、CD1とCD2が別の存在ではなく、CD1→CD2の流れでしっかりとミックスが繋がっており、違った流れをかけ合わせることでミックスの世界観を広げてる・・・そんな奥行きの深さもあると考えています。


 んなわけで、CD1とCD2に便宜上紹介を分けましたが、2つを通して、このミックスCDの良さをご紹介したいと思います。


<CD1 Laidback>

 まず最初に、1枚目のCDである「Laidback」の方からご紹介します。
 こちらは一言でいえば「チルアウト」的な内容なのですが、朝方のクラブでの「蕩けた」雰囲気も表わしており、かなり好きなミックスです。

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 スタートはLil Louis / Nyce & Slo のスローでトライバルな雰囲気でスタートをします。

 選曲・ミックスの方向性としては、このLil Louisなんかが象徴的で、Houseらしいアゲ感や高揚感を極力抑え、まさに「Laidback=チルアウト」した内容に統一されており、4つ打ちの気持ちいいビートの波に乗せられ、気づいたらリラックスしてた・・・そんな内容だと思います。
 ジャンル的には、以下でも紹介しますが、Houseなり、ダンクラなり、Garageなり・・・Dimiらしさが利いたセレクションで、DeepHouse的なフィーリングで統一されてる感じですかね・・・Jazzyな感じもあれば、スモーキーな感じもあり・・・大変良いです。
 家で静かに本を読んでたりすると、気づいたら気持よくリズムをとってる・・・みたいな質感で、お昼寝のお供にも最適ですね(^^;)

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 まあ、今説明した「チルアウト」的な部分は、写真左の「Cafe Del Mar」的な側面が強いと思いますが、Dimiのこのミックスに関しては、けっして「ダンスフロアー」を忘れてない・・・そんな感じもあると思っています。
 これまた以前紹介したDJ Harvey / Last Night Sessions」(写真右)と同様に、日曜日の午前7時辺りのトロトロに蕩けたダンス・フロアの雰囲気も再現しており、しっかりとその時間まで残ってるゾンビダンサー達の体の動きを止めさせない、気持ちいいグルーブを持続させている点も大変良いと思います。
 生命力の象徴として「」で表現をすれば、赤く燃え上がる感じではなく、青く静かに燃え、決して消えはしないけど妖しく燃えてる・・・そんな感じに仕上がってます。


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 では、もうちょっと細かく掘り下げたい・・・と思います。
 多義的な意味合いをもったチルアウト選曲とあって、選曲の幅は広く、トラックリストを見返すと驚かされるのもあります。

 全体的にはDeepHouseっぽい曲で統一されており、その中に過去のナイスな曲なんかがチョイスされ、上記Gwen Guthrie / Peanut ButterのようなGarageも上手く使用されています。
 House関係の曲は持ってなかったので、貼れませんでしたが、どれも気持ちいい曲で統一されており、しっかりと動きなりミックスの方向性を考えてミックスされている辺りは流石です。
 残念ながら、週末にレコ屋で探したが捕獲できませんでしたが、Tata Vega / Get it up for Love のミックスの仕方なんかは凄くイイですね!
 雰囲気を変えるミックスの仕方なんだけど、方向性は変えず、ミックスの流れに「メリハリ」を与え、全体的なミックスに立体感を出すナイスな選曲ですね(^0^)


 また、Dimiといえば「エディット」ですが、この作品ではちょっと少なめです・・・
 前作では、大胆なRemix&Editをした曲が多かったですし、以後の作品でも大胆な施しをした曲が多いですが、この作品ではちょっと少ないです・・・・

 ただ、要所要所で「流石だな~」ってところも多く、写真右の「Makeda」の使い方は気付いたらビックリするような使い方をしてました。
 大ヒット曲なので、知ってる方も多いですが、DimiはSpinnaのRemixのインストをピッチを鬼上げし、スローな曲調を一変し、スぺーシーなブレイクビーツみたいな感じで使ってます!!
 手持ちのレコで、BPMを合わせてみたら、通常の33rpmから45rpmの-10ぐらいで使っており、メジャーフィールドで、こんなことをしてるんですから堪らないですね(^0^)


<CD2 Uplifting>

 続きまして、CD2の紹介・・・流れ的にはCD1と似てる部分が多く、かつCD1の続きみたいな印象もあり、こちらも好きなミックスです。
 ただ、あんまりにも手持ちレコが少なく、文章が多めです(^^;)

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 出だしは・・・きましたマイ・クラシック「TS Monk / Candidate for Love」です!!
 ちょっと幻想的で、気持ちいい意味で「セクシー」なイントロから一気に本編になだれ込むオリジナルの展開を使用し、上手くCD1とCD2の橋渡しを行ってる曲を選んだな・・・と思いました。
 つまり、静かでセクシーなイントロはCD1の内容を引き継ぎ、そこから一気に展開するこの曲を用いることで、この曲の持つミッドテンポながら躍動感のあるドラムをキーに、動きのあるミックス(=Uplifting)を演出してる・・・と考えてます。

 この辺の曲は元々好き(裏面のCan't keep my hands to myselfは最高!)だったので、普通に買いましたが、Dimiに関しては、こういった渋い曲の使い方もホント上手いですね・・・
 どうも私の紹介だとクラシック&Garage的な文脈の方に力が入ってしまいますが、House的な曲も唸らせる使い方をしてます。
 これまた、週末にレコ狩りで捕獲できなかったですが、Chaka Khanが共演し話題になった De La Soul / All Good のHouse Mixとか、気づかないような曲なんかも上手くチョイスしてるのは流石で、今回のご紹介をするにあたり、調べながらミックスを聞いてると何度も唸ってしまいました(^^;)


 また、Disco番長の異名を取るだけあって、気づいたら激レアなDiscoも収録されてますね・・・
 いつもお世話になってるYukiさんのページでは紹介済みで、12inchは万越え(45も高いのかな??)Rider & Lewis / Lust とか、Peter Brwon関係(ということはPatrick Adamus関係?)で、かなりレアなBest Friends Around / So good to know なんかをサラっと収録してる辺りは悶絶ですね(^^;)

 前作でもちらっと書きましたが、Dimiの作品って、一般人にも普通に売れてるし、マスアピールも出来る作品なのに・・・中身を空けると「すげーマニアック」な部分もあり・・・こういった部分があるから好きなんですよね~(^0^)
 MUROさんなんかもそうですが、難しいことを噛砕き、分かりやすく提示しつつも、その本旨は絶対にブレテない・・・そんな姿勢があり、Dimiであれば、来日をしてDJをしてる時や、こういったミックス作品なんかで十分に理解でき、ちゃんと基礎・地盤があって活動してるんだな・・・と思い、ホント頼れる兄貴ですね!!


 んで、CD2の話の続きです・・・レコがないのでザックリと・・・(^^;)

 TSmonkで始まった流れは、CD1のチルな雰囲気を引き継ぎつつも、ドラムのドライブ感で引っ張り始め、Houseらしい開放的な流れに進んで行きます。
 決してハードすぎず、またCD1のような落ち着いた雰囲気までは下がらず・・・上手いところに標準を合わせ、グイグイと後半に向かって引っ張る感じで大変良いですね。
 CD1と比べると、CD2の方が明確にミックスの方向性が作られており、気分を上げたい時には最適なミックスだと思います。

 序盤では、CD1の流れを少し残し、FPMのナイスカバー「Whistle Song」のように、ボサとかサンバっぽい雰囲気を演出し、気持ちよく進行し、中盤で「De La Soul feat Chaka Khan / (it ain't)All Good」のナイスなHouseミックス辺りから上げモードに進みます・・・
 Dimiらしい丸みを帯びたDeepHouseな選曲で、CD1のチル要素も含まれており、ホント気持ちよく聞けますね・・・CD1と同様に、朝方のクラブで、その気持ちいいグルーブに酔いしれ、踊り続けたい・・・そんなナイスな展開です。


 また、気持ちよく上げ続け、大ラスであるCD2の最後では粋に締めたいものです・・・クラブでの最後もそうですが、Dimiは「Harold Melvin / Don't Leave me this Way」をチョイス!!
 自身のエディットをしてるバージョンですが、未来につながるようなナイスなフィリーグルーブとMelvin氏の情熱的なボーカルが堪らない作品で、オリ12inchはややレアでまだ買ってないですが、欲しいな~(^^;)

 ただ、ちょっと深読みすると、この辺はメッセージ・言葉繋ぎを出してるのかな・・・とも思え、ちょっと笑いました。
 ラス前が「Ten City / That's the way Love is」で、ラスが「Don't Leave me this Way」で、「Way = 道」つなぎをしてる・・・ようで、私の英語力が低いので100%理解はできないですが、曲調を変えながらロングミックスをしてるところや、歌詞なんかを聞きこむと、お持ち帰りしたお姉ちゃんを更に口説き落としてる・・・ような「プレーボーイ」らしい感じもします(^^;)
 つまり、最後なので、当然情事の後なわけで・・・・「That's the way Love is = (意訳)これが愛だよ」となり、最後の最後で「Don't Leave me this Way = 俺を置いてかないで = (歌詞を理解しての意訳)君がいないとだめなんだ!」みたいな感じで・・・口説いてる感じがしました。

 まあ、私の妄想半分なので、無視してもいいですが、メッセージ繋ぎはもっと理解できるようになりたいな・・・
 最初「Don't Leave me this Way = 俺を置いてかないで」なので、最後の最後で振られたのか?とか思いましたが、メッセージは人によって受け取り方が違うので、皆さんで適当に理解してください(え~)。


<まとめ>

 キバッて書きましたが、いや~結構書けますね(^^;)


 まず、Houseが好きで、特にGarageっぽい質感が好きであれば絶対行って損はないと思います。

 House的な側面から紹介すると、DimiらしいDisco感を生かしたHouse=現代Discoを体現した好内容に仕上がってると思います。
 また、内容の深さも・・・それこそ一般的に流通している有名DJの名前が先頭にたっているミックスCDなんかに比べると、内容の深さやアイデアの良さなんかもピカイチだと思います。
 特に、このCDはちゃんと権利をとったオフィシャルもので、メジャーレーベルから全世界で発売されており、アンダーグラウンドで出すミックス作品と比べると「自由度が少ない」はずなのに、そこらの作品なんかよりもレベルが高く、もっと評価すべき作品だと私は考えています。


 特に、個人的には「食わず嫌い」で聞いたことがない方にお勧めしたいと思います。

 音楽って、コアなファンにとっては、メジャー的な息がかかると一方的に過小評価をする傾向にあると思います・・・
 このCDも、当時は大々的にメジャーな感じで売られており、結構な枚数が売れたはずです・・・それこそ、Houseの真髄を知らない一般人にも「ちょっといいかも?」ぐらいの認識で聴かれてたはずです。
 そういうのって、HipHopでも、Houseでも、Technoでも・・・アンダーグラウンド志向がある人だと、食わず嫌いで嫌悪して聞かないケースが多く、これもその一つかな?と思ったりします。
 また、当時売れたので、前作同様、中古屋とかでは確実に1000円以下、場合によっては100円~300円で買えちゃうぐらい、価格の市場価値が低いのも一因かもしれないです・・・

 ただ、今回、私が説明したように、掘り下げるとホント内容的に深く、かつミックスの質が高く・・・理解して聞くと、内容の良さに驚くはずです。

 Dimiの場合、DJミックスではなく作り込みのPCミックスなので、ズルイところもありますが、ミックス作品に対して意気込みが高く、「自分の作品=アルバム」ぐらいの位置づけで、スペシャルな音源を作ったりしてて・・・ミックス作品に対するモチベーションの高さが違います。

 特に選曲面は、リリース元に関係なく、使用したい曲を権利者に対してしっかりと許可をとり、収録・エディットなんかをしてる辺りは、労力を考えるとホント大変だと思いますし、見習わないといけないと思います。
 個人的には、アンダーグラウンドなミックスの方が自由度が高く、現在メジャーでリリースされてる一般的なミックスCDとくらべると、選曲面などのミックスの良さはアンダーグラウンドに敵わない・・・と思っていますが、その「ミックスの良さ」を良くするため、しっかりと権利をとり、1曲1曲を大事にミックスする姿勢・・・をするDimiの行動は称賛に値します。
 
 蛇足な話ですが、Dimiのこういう姿勢を目の当たりにすると「プロDJ」にこそちゃんと聞いて頂きたい・・・と思います。
 ちゃんと権利をとって、これほどレベルが高く、選曲性に富んだ作品を作ることができるんだから、アンダーグラウンドに固執しなくてもっと頑張れるはずです。
 要は「やる気」ですね・・・DJやスタッフが一丸になれば出来ないことはないですよ!!


 安値で売ってる作品だからこそ、ぜひ聞いてほしい作品です・・・食わず嫌いで聴いたことがない方はぜひ聞いてみてください♪
 また、ジャンル的に興味のない方も、安かったらぜひ買ってみてください・・・HipHopベースの方であれば、 前作の方がいいかも知れないですが、前作もこちらも結構安いので、ぜひトライしてみてください♪


<Release Date>
Artists / Title : Dimitri from Paris 「After the Playboy Mansion」
Genre : House、Disco、DanceClassics
Release : 2002年
Lebel : Virgin France
 ※国内版、または各種海外盤もあります。
 ※私の手持ちは国内版で、カタログは「VJCP-68348-49」です。
Notice : 持っていないですが、前作なり、他の作品同様、LP版もリリースされ、収録曲をノーミックスで入っているコンピ仕様になっています。


ps さて、来月の来日・・・日付的にはいけそうだが、同日、ageHaでは、Francois御大のテクノセットがある模様・・・どっちに行こうかな(^^;)

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コメント

yuki

Dimitri from Parisは結構「シック」って言葉が似合うDJですよね。来日っていつですか????多分行くかも。

mixtapetroopers

Re: タイトルなし
>yukiさん
いつもありがとうございます(^0^)

dimi先生、東京であれば7月11日に、前回と同じ代官山airで開催のようです。
http://www.air-tokyo.com/schedule/20097/11.html
新しいミックスCDのリリースパーティーで、内容的にはかなり楽しみっすね(^0^)
ただ、共演(?)してるIdjet Boysと同時プレーだったらもっといいのにな~ってところです。

ちなみに、私が迷ってるのは、同日に新木場ageHaでFRANCOIS御大×DERRICK MAYという強力なギグがあり、おそらくテクノよりだろうな~とは思いますが、最近は嫌いじゃないので、どんなドープな世界になるのか楽しみっすね(^0^)
http://www.waxpoetics.jp/blog/calendar/2009/06/22/

まあ、結局は迷い中です(^^;)

ただ、東京のクラブシーン、Yellowがなくなって、自分が「行きたい!」と思うパーティーが減ってしまってとても残念です。
Yellowはそんなに好きなクラブではなかったですが(込み方が半端ないので)、今思い返すと、高品質なパーティーが企画され、他のクラブ業界を牽引してたな~とか思うようになりました。
そろそろクローズして1年たち、残念な事件(脱税ね)があったりし、再開の話が聴けないのは残念ですが、是非復活してほしいですね!
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mixtapetroopers

HipHop,R&B,Soul,Funk,RareGroove,DanceClassics,Garage,Houseなど、私が気に入っているMixTape,MixCD,その他もろもろを紹介するブログです。

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