HipHop,R&B,Soul,Funk,RareGroove,DanceClassics,Garage,House・・・など、私が気に入っているMixTape,MixCD,その他もろもろを紹介するブログです。
DJ Sahib aka Yamaguhi(JazzBrothers) 「Dance Session Special - Jaaz Latin For Be-Bop Fushion Style Dance!!」
DSC04450.jpg

 今までで一番長いタイトルで、かつマニアックな作品のご紹介です(^0^)
 そんな作品なので、書くのに時間がかかっちゃいました(^^;)


 2002年ごろリリースされた作品で、作品の内容としては「踊るためのJAZZ」を提示した作品になり私の部門がいの作品なのですが・・・作品を掘り下げるとかなり面白い内容の作品です。
 ちゃんと説明出来るか不安です(^^;)


DSC03745.jpg DSC02491.jpg

 まず「踊るためのJazz」って書くと、JAZZという音楽のパブリックイメージからその言葉に対して疑問を思う方も多いかと思うので、作品を紹介する前に少し補足を入れます・・・

 一般的にJAZZっていうと「鑑賞をする」って言葉の方がしっくりきて、それこそJAZZ喫茶や、大人なバーでの生演奏など・・・その音楽を「嗜みながら聴く」というイメージがありますよね。
 近年ではHipHopなどでサンプリングをしたり、Houseなどと混ざったりし、音楽ジャンル特有の「壁」が取り払われつつありますが・・・JAZZという言葉の聖域なのか、音楽として「打ってない」イメージがあると思います。

 あまり知識がないので、書くのに自信がないですが、そういった静かなイメージって、MilesDavisとかJohnColtraneなど・・・BlueNote系で、静かなんだけど、各ミュージシャンの演奏に対する躍動感(インプロゼーションだっけ?)があるような・・・ことが起因なのかな~と思います。
 私も若かりし頃に、安売りのCDを聞きましたが・・・あまり理解出来なかったこともあり・・・依然として「壁」があったりします(^^;)

 つまり、この手のJazzが認識の根底にあると、「Jazzで踊る」って行為は認識外の行為だったりするわけで、Jazzの中でも様々なスタイル(たとえばJazzFunkとかJazzRockとかFreeJazzとか・・・)があっても、たいていは「踊る」という行為には結びつかず、その考えは現代にも続いていると思います。


 しかし、Jazzという音楽の歴史を考えると、もともとはアメリカ南部で黒人たちのダンスミュージックとして機能してたわけ(SwingとかBigBandとか)で、踊るという行為はまったくもって不思議ではありません。

 また、今となっては過去の歴史になってしまいましたが、Jazzという音楽を、今のHouseやTechnoやHipHopなどのような「ダンスミュージック」として捉えたシーンが存在しました・・・これが今回紹介するテープにおける起因になる「イギリスでのJazzDanceシーン」です。


 私もつい最近まで明確には知らずにいた「流れ」なんですが、今年になり日本語版が刊行された「From JazzFunk & Fushion to AcidJazz(日本語タイトル:UKジャズ・ダンス・ヒストリー)」(写真左)により、自分の中で全容が理解でき初め、更に興味を持ち始めた動きになります。

 ザックリと説明すると・・・70年代初めよりJazzミュージシャンが様々な音楽と融合(Rock,Soul,Funk・・・)する中で、70年代中ごろよりUKの尖鋭的なDJ達が好んでプレイし、観客たちも好んで踊るようになり、・・・UK独自のシーンになり、Jazzというアイデンティティーの元、発展と変遷をし、UKのクラブミュージックの歴史の中で重要な「橋渡し」をしたシーンになります。
 もちろん、今でいう「JazzFunk」「Fushion」などが中心なので、Milesの頃のJazzと比べるとダンサンブルなものが多いですが・・・Jazzというミュージシャンたちの息吹を体感する音楽の中で、その息吹にダンスのリズムを見出した・・・という視点を発見したことは大きく、そのJazzDanceシーンの変遷とともに、様々なスタイルが発生し、その当時でも「踊る」という概念がないJazzで踊るような行為が発生するようになりました。


 これ以上の詳しい解説は、私の説明が上手くないので避けますが・・・一般的にダンス性がないと思われていたJazzにダンスを持ち込んだ・・・シーンと考えていただければと良いと思います。
 また、いわゆる「JazzDJ」と呼ばれているDJ達が、Jazzだけではなく、幅広い音楽をプレイする趣向の根底には、このJazzDanceシーンの流れが大いに関係しており・・・「Jazzという姿勢」で音楽をプレイするという流れを作った点も大きいですよ(^0^)


 詳しくは写真を貼った書籍(Snowboyの仕事に大きな拍手!!)を読んで頂きたいのですが、このJazzDanceシーンより前にあった「NorthenSoul」のシーンのように、アメリカからの「輸入音楽」を独自解釈で昇華している点は・・・興味深く、また音楽を純粋に楽しむ姿勢には考えさせられるところがあります。
 また、歴史的にも大きく、この流れがあり、AcidJazzが生まれたり、Gilles Petersonが活動をしたり・・・UKの音楽文化の深さを象徴する内容で、更に進んで理解したいのであれば、写真右の「Last Night A DJ Saved My Life」なんかを読んでいただくと更なる理解が出来ると思います(^0^)
 ちなみに、Snowboyさんは、このLastで、UKのJazzDanceのことが全く触れられていないことに驚き、自ら取材を重ね、この本を作ったそうですよ!!



DSC04451.jpg DSC04453_01.jpg
dj_izm_m.jpg 101.jpg

 んなわけで、やっと本題に進みます(^^;)

 このテープはいわゆる「踊るためのJAZZ」に念頭を置いた作品で・・・間違えのない制作陣が関わった高濃度な作品になっています(^0^)

 DJは、90年代にJazz系DJグループとして有名であった「Jazz Broters」の山口司さん(DJ Sahib)が担当しています。
 JazzBrothersに関しては、今はあまり名前を聴かなくなってしまいましたが、90年代はUFOなどとともに日本のClubJazzシーンを盛り上げたDJグループで、他のJazzDJと同様に、Jazzを中心としながら、様々な音楽をプレイしていたようです。
 残念ながら、彼らに関してはあまり詳しくないので・・・これで勘弁してください(^^;)


 そして、このテープで面白いのは、DJは山口さんが担当しているわけですが・・・実は山口さんが「選曲」をしていない・・・んです!

 実際に、収録した楽曲を選曲したのは・・・日本のJazzダンスシーンで大御所である「IZMさん(Stax Groove)」「Horieさん(Sound Cream Steppers)」が担当しています!


 ダンス関係も個人的には部門外な内容で、詳しく書けませんが、Jazz系では有名な方々で、いわゆる「Be-Bop」とか「Fushion」スタイルの大御所で、先ほど紹介したUKでのクラブJazzでの「踊り」の系譜を、日本でしっかりと引き継ぎ、発展させた大御所になります。

 ダンスのスタイルに関しては、ステップを刻んで「足」で踊る感じのスタイルで・・・Jazzのビートなりリズムを、早いステップや、流れのある動きで表現する・・・みたいな感じで・・・音楽を自由に解釈し、自由に踊る・・・みたいな感じかな~と思います。
 Breakdanceと似ているところが多いのですが・・・説明に自信がないので、IZMさん(StaxGroove)とHorieさん(SoundCreamSteppers)の動画を貼っておきます(^^;)





 ある種、懐古感があるスタイルでもあったりするかも知れないですが、バシッと決めたスーツで、Jazzという音楽に身を任せ、流暢に踊る姿には、クールな感じもしますが、踊ることの気持ち良さが伝わる踊りだと思います・・・
 私自身も、クラブで音に任せて踊ることの気持ち良さは分かるので、稚拙ながらシンパシーは感じたりします(^^;)



 では、実際の内容にホーカスしていきましょう・・・

 先ほども紹介したとおり、有能なダンサーが選曲をするとあって、選ばれた音楽は、一見するとリスニングのためのJazz・・・なのですが、自然と体が動いてしまうような・・・不思議な感覚が内包されています。

 A面はIZMさんが担当し、B面をHorieさんが担当をし・・・その選曲された曲を山口さんがDJするといった感じのようで・・・誰が主導で選曲・ミックスをしたのかは分からないですが、ベテラン勢の深さが出た内容なのかな~と思います。

 選曲的な話は、私に知識がなく、上手く表現できないですが、Cannonball AdderleyなどのUS勢や、Sahib Shihabのようなヨーロッパ系の旧譜ラインが中心で、Jazz/LatinJazzなどがプレイされています。
 また、白眉なラインだと、UFO / Loud Minorityがチョイスされており、ClubJazz以降の感覚で選ばれてるのかな~とも思いました。


 そして、このテープの肝は、聴いてると静かな「Jazz」なんだけど・・・なぜか「踊りたくなる」内容になっている点です!

 どの曲も、1曲をしっかりと聴かせるようなミックスをしており、その曲の良さを伝えつつ選曲をつなげる・・・みたいな感じで、全体的なストーリー作りも考えており、聴いていて大変気持ちよく・・・気づいたらステップを踏みたくなったり、ターンしたくなったりするような衝動に駆られます!
 普通の人が聴いただけだと、「ああ、Jazzだな~」ぐらいにしか思えない選曲で、いわゆる「打ってない」曲が多いのですが・・・Jazzダンスが分からない私にも反応できる部分が多く、不思議な魅力があるミックスです・・・

 実は、このテープを中古で掘った数年前は、このテープの内容が理解できなかったのですが、Houseを通してクラブでの踊ることの気持ちよさを知ったり、Jazzダンスの歴史などを知ったことで、このテープの本質を理解できたように思えます・・・
 つまり、音楽に身を任せ、体と心の赴くまま踊ることの気持ちよさ・・・みたいのを理解出来てたので、静かなJazzの中に「踊り」を見出せた・・・ということです。

 きっと、このテープは、分かる人にはわかるけど、分からない人には分からない・・・といった「選民性」があるのかもしれないですが、分かると大変気持ちいい作品になっていることは間違えないですよ・・・



 最後は、結論が出ないまとめ方になりましたが、「踊るためのJAZZ」が上手く表現出来た作品です(^0^)

 こういった「現場で育った音楽」を、コンピレーション化するのは、レーベルが多岐にわたり、難しいことが多いので・・・必然と現場に近い「アンダーグラウンド」でリリースせざるを得ないので、結構貴重な作品かもしれないですね?
 結構、入手するのが難しい作品(本数は少なさそう!)なので、興味ある方は頑張って掘ってくださいね(^0^)



<Release Date>
Artists / Title : DJ Sahib aka Yamaguhi(JazzBrothers) 「Dance Session Special - Jaaz Latin For Be-Bop Fushion Style Dance!!」 
Genre : Jazz、Latin、ClubJazz
Release : 2002年
Lebel : Jazz in the Life No Number

Notice : リリース元について
 ややマニアックな指摘ですが、このテープのリリース元は、この作品の選者であったIZMさんが主宰してたパーティー「Jazz in the Life」からのようです・・・
 IZMさんのことはStax Grooveのサイトをみると分かりますが・・・現時点で33歳ですよ・・・若いのにこんなテープ作るなんて・・・素晴らしいですよ(^0^)


スポンサーサイト
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック