HipHop,R&B,Soul,Funk,RareGroove,DanceClassics,Garage,House・・・など、私が気に入っているMixTape,MixCD,その他もろもろを紹介するブログです。
MURO 「Super Funk Breaks Lesson 1 - 4 」
DSC01503.jpg

 すみません・・・仕事が忙しかったのと、文章を書くのに予想以上に時間がかかったので、1週間ほど空けてしまいました(--;)
 今日は久しぶりの休みなので、朝から仕上げ作業をしてました・・・

 んで、紹介するのは・・・・ついにこの「」です・・・MURO作品の紹介だと、これを楽しみにしてた方も多いかな?
 
 言わずと知れたMUROさんの名作で、タイトルの通り「FUNK」をMUROさん流にこだわりぬきつつ、ネタ曲である「HipHop」の曲を高度にミックスし、FUNKとHipHopが融合したMUROさんにしか出来ない世界観・・・そんな内容に仕上がっており、時期的に見ても「MUROからFUNKシーンに対する返答」のような作品になっています!
 好きな方も多いでしょうし、MixTape市場ではかなり有名な作品なので気になる方も多いでしょう・・・いつ紹介しようか迷ってました・・・が、あんまり書くのに自信がなく、こんな時期になりました(^^;)


keb_pulp.jpg brainfreeze 

 まず、作品の紹介をする前に、時代的な背景を考えましょう・・・

 DJシーンで「FUNK」と言えば、HipHopシーンでは「ネタ」として昔っから重宝されていましたが、一つのジャンルとして明確に名を連ねられるようになったのは、90年代後半より盛り上がり始めた「DeepFunk」「Funk45」の動きがあったからだと思います。
 それこそ80年代末よりFunkの推進を行っていたKeb Dargeの活躍があってこそのムーブメントで、クラブミュージックとしてFunkが機能する(=踊れる、楽しめる・・・)ことが世界に知れ渡り、またネタ師筋では、まだ掘られてないネタが沢山あることに気づき・・・世界各国でマニアたちを刺激し、発掘活動に拍車をかけたのがスタート地点だと思います・・・
 特に重要なのは、99年ごろにDJ ShadowとCut ChemistがリリースしたBrainfreezeで、この作品でDeepFunkのヤバさが一般リスナーにまで伝わり、ファンを増やし、レコード掘り達は競うようにレコードを掘り始めた・・・つまり2000年ごろから「Funk」の動きが活発になったと私は考えます。

DSC04608.jpg DSC04609.jpg

 私自身は、当時はレコードを当然買っていましたが、その時はDeepFunkには興味がそんなになく、中古屋でチラッと見た時の価格の高さにビビったこともありますが、今思い返してみると結構「加熱気味」で、日本においては「バブル」に近い印象もありました。
 資料になるかどうか分からないですが、2002年4月頃に発行された渋谷・FaceRecords」の通販リストですが、安い45もありますが、誰かがプレイした曲だと一気に値段が変わり、お店で見ていた限りだと(あまり買わなかったですが、必ず掘りに行ってました!)高いレコは結構売れていた記憶があります。
 特にBrainfreezeネタの45の高騰っぷりはすさまじく、万越えは当たり前だし、下手したら6ケタも多く・・・また、Keb Dargeなどがコンピに収録した曲なども同様で、黎明期特有の「名前先行」なバブルがあったと思います。

 冷静に考えてみると、レコード屋さん的には、何か「ブーム」があると売りやすいわけで、今までFreeSoulやRareGroove、HipHopの元ネタ、Brazilなど・・・色々なブームがあったわけですが、その流れの中で7inchのFunk45が次の1手になり、供給側でも対応が出来、全体的なシーンが急速に拡大したのが・・・バブルの一因だと思います。
 もちろん、購買層が高いお金を出しても買ってしまう流れも重要だし、Funk45においては、全世界的な広がりや、インターネットの普及による情報の広がり・・・など様々な要素があり、ブーム/バブルになったのだと思いますが、私が高校生ぐらいに体験していた日本語HipHopのレコードバブルを見ているような金額的なアンマッチがあり、金額面で見ると異常な値段・・・だったと思います。

 ただ、結果として45特有の音の良さとか、その時期にしか作れない音とか・・・新たな価値観が出来上がり、今に続いているのは結果的には良かったと思います。


muro list_02

 そんな流れの中で、当然MUROさんもFunk45は盛り上がる前から「ネタ」として掘っていただろうし(例示したFaceでも45の棚を掘ってるMUROさんの背中に遭遇したことがあります!)、それらの出会った曲も、自身のプレイリストにも入っていただろうし・・・DeepFunkという動きがあっても、「MURO」というスタンスで対峙し・・・過熱気味なシーンに対してMUROさんなりに「DeepFunk」への回答をしたのがこの作品だと・・・私は考えています(妄想強し)。
 
 つまり、このテープでは、DeepFunkという「現場でのプレイ」に耐えうる楽曲を、MUROさんは「HipHop」の骨子(元ネタ)としてとらえつつ、それらの曲にダンス性・HipHop的なノリの良さを見出し、最終的に「HipHopとFunkをMUROさん流に融合」させた作品で・・・一辺倒なシーンに対してMUROさんの価値観を提示したのだと思います。
 Funk45と言えば、HipHopの元ネタになってる曲もあり、当然、カッコいい曲が多いわけですが、それらの曲をShadowとかKebと同じようにプレイしてたら「ものまね」なわけで・・・プレイするDJ達が自分たちの中で消化しないと意味がないんだよ・・・っとMUROさんがシーンに対してある種の注意をしてるのかな~と私は考えています。

 また、これまた妄想なのですが・・・この頃のHipHopってサンプリング離れが著しく、トラック自体に「魂」がこもってない作品が多く・・・私もそうですが、HipHopに魅力を感じられなくなった時期でもあるかと思います。
 その流れにおいて、HipHopと、そのネタ元に位置するFunkを同列でミックスすることで、HipHopが本来持つ「躍動感」を表現したかった・・・という点もプッシュしたかったのかな~とも思います。

 あと、HipHopを更に掘りこむ・・・という価値観も提示しており、HipHopをもっと楽しもうよ!みたいな気持ちもあるかな・・・とも思います。


 やや強引に作品に関する背景の紹介をしましたが、こんなことがあってこの作品が生まれたのかな~と思います。
 おそらく、現場先行で作品の核が生まれ、作品化したのだと思いますし、時期的には、上記のリストを見てると、Superシリーズに力を入れてる時期なので、Disco、Sambaに続き、Funkという名の下、MUROさんにしか出来ない世界を表現したのだと考えます。
 また、色んなジャンルをプレイしたり(SambaではHouseとか)とか、現場でのプレイを強化し始めてる時期だったので、DJミックス/技術の幅が更に広がっている時期でもあるかな・・・と思います。

 そんなわけで、やっと紹介に行きましょう・・・


IMG_2757.jpg BDK.jpg

 え~、先に告白しちゃうと・・・この作品も殆ど収録曲のレコを持ってない・・・んですよ(^^;)
 なので、書くのに自信がなく、無駄に事前文章を長くしてボリュームを増やしました・・・そして上のレコ写はどこぞやでお借りました・・・レコ写はコレのみにしましょう。

 では、作品の紹介です(^0^)

 先ほどもちらっと触れましたが、内容的にはまさに「HipHopとFunkをMUROさん流に融合」させた作品で、MUROさんの持てる選曲術・ミックステクを用いて、現場感覚があふれた超特濃な作品に仕上がっています。

 内容的にはHipHop的なスタイルを中心に「壮大なネタ繋ぎ」の連続で、流石「King of Diggin'」といった掘りっぷり/アイデアが多く悶絶です・・・
 また、そのネタ繋ぎを核にしながらも、この作品ではHipHopらしい「DJミックス/2枚使い」が効果的に配置され、MUROさんにしか作れない世界に仕上がってます。


 例示を一つ入れておくと分かりやすいと思うので紹介しておくと、Lesson2の出だしでは、「Big Daddy Kane / Set it Off」を肴(?)にミックスをしており、Set it Offのドラムネタである「Grady Tate / Be Black Lady」をかけ、頃合いをみてBDKのSet it Offにミックスする・・・このシリーズでの定番的な流れがあります。
 まあ、いわゆる「元ネタ」ミックスで、普通に聞くとそれまでなのですが・・・深く聞くとMUROさんの凄さが分かる部分だと思います。


 まず、第一点目はミックスが「ただの元ネタミックス」で終わってない点です。

 この流れだと、最初にGrady Tateがかかるわけですが、King of Diggin'シリーズのようにしっかりと曲を聴かせつつ、サンプリングの面白さをアピールしてる点は注目で、サンプリングをした部分だけでなく、その他もしっかりと聞かせ、曲の良さ/Grooveをアピールしてる点は秀逸です。
 また、元ネタを上手く利用した方法で、元ネタのサンプルした部分と、サンプリングした曲を交互に2枚使いするところも面白く、Set it Offのサビ前の上ネタ(何ネタかは不明)を交互に2枚使いする辺りはカッコよく、そのままネタに流れる展開が秀逸です!
 
 元ネタ曲の良さを聞かせたり、細かいギミックを入れるのは、King of Diggin'シリーズからありましたが、この部分が更に尖鋭化した印象があり、特に「DJミックス」の上手さが格段に進化しており、根にしっかりと「HipHop」がないと出来ない気持ちいい2枚使いなどは最高です!!
 特に、この「ネタ繋ぎ」はメチャクチャ高度になっており、2枚使いなどを交えつつ、複雑な「ネタ繋ぎ」を披露しており、Set it Offであれば、ドラムネタで繋ぎつつ、さらに上ネタで繋ぐ・・・みたいな「数珠つなぎ」になり、ミックスの展開を良くしていますね(^0^)
 2枚使い関係だと、他にも紹介をしたいラインが沢山ありますし・・・それ以外にもアカペラブレンド(それもDope On Plastic!)とか、クイックミックスとか・・・MUROさんが技とセンスが光り、作品の良さを増大させています!!

 
 二点目は「高度な掘り」が発揮されている点です。

 当然、GradyTateもヤバいですが、個人的にはSet it Offが象徴的だと思います・・・
 この曲もMUROさんがプレイしたことで市場にインパクトを与え、使用したUK盤の12inch(この盤のみExtendedバージョン)が瞬く間に高騰した/注目が集まった印象があり・・・鬼ドープなDeepFunkに注目が集まりがちですが、HipHopにおいて「更なる掘り」を披露している点は面白いです。
 考えてみれば、MUROさんがプレイしたことで市場に知れ渡ったHipHopの曲ってホント多く、それこそHipHopBandとかDopeOnPlasticとか・・・沢山あるなかで、このテープでもMUROさん発なレコードがあり、例えば、殆ど市場に出ないですがBDPのライブ盤のアナログ(プロモオンリーっすね!)とかがそうですよね。

 また、定番曲でも、第一点目で指摘したドープなミックスで光る曲も多くKool G RapのTalk Like SexとかMen at Workなどの曲なんかは、ネタ曲との高度なミックスなもと、メチャクチャカッコよくかけてくれてます!!
 Koo G Rap / Poisonであれば、もともとカッコいい曲ですが、この曲の「♪You Slave My Sound Wave♪」というラインから、このラインを声ネタに使用したLord Finnese / Slave to My Sounwaveにクイックミックスするなど、カッコいいですね(^0^)

 そして・・・DeepFunk関係も最高で、ネタ曲として絡める部分もありますが、Funkな流れとしてかける部分も多く、聞いたことはあるけど曲名がいまいち分からないのが多いので・・・残念ながら詳しくかけないですが、流石の手腕です!!
 Brainfreezeなどでもチョイスされた曲や、MUROさんがCypherでかけてた曲など・・・メチャクチャカッコいい曲が多く、ノリノリです・・・SuperWomanとか、カッコいいな~(^0^)
 確信は持てませんが、安い皿ではない45も多いと思いますが、大本命盤(GetDownBrotherとか)はあえて外してる感じで、あくまでもMUROさんの主眼で選んでおり、分かる人が聞けばヤバさが分かるのかな・・・という選曲だと思います!



 以上の二点のポイントがこの作品の要点で、その要点があることでHipHopとFunkが融合し、メチャクチャ高度なミックス作品に仕上がっています!

 きっと知識があれば、もっと高度な説明が出来るかもしれないですが、要所要所で繰り返される元ネタがらみの二枚使いでHipHop/Funk指数を上げ、その合間でドープなDeepFunkを選曲することで、Funk的な質感がありながら、HipHopの本質を見事に見出した作品になっていると思います。
 DeepFunkってもともと好きなジャンルではありましたが、MUROさんのフィルターにかかると更に聞きやすくなり、是非クラブの爆音で聞いてみたい・・・と思いますよ!!
 う~ん、こんなミックスは・・・MUROさんじゃないと思い付かないし、MUROさんの「腕」がないと出来ないんだな~と痛感してしまいます!!

 ただ・・・正直な意見も書くと、要所要所でカッコいいミックスはありますが、全体的なミックスの流れは未熟で、パンチのある選曲とは言い切れない・・・と私は思います。
 この作品自体、結構ラフな作りをしており、MUROさん自身も、作品における「ミックスの流れ」はそこまで考えていない(後半にバンっともりあげるとか)ようで、ミックス感を統一して世界観をアピールする程度にとどまり、何度も聞きたいと思うミックスには仕上がってないと感じます。
 聞いてるものを殺せるミックスや、選曲をしてはいますが、テープが二本というボリュームの多さがあり、作品として「間延び」してしまってる所もあり・・・その点はちょっと残念ですかね・・・



 ンなわけで、私の知識がもっとあれば紹介出来るのかも知れないのですが、歴史的な名作のご紹介でした(^0^)
 値段はボチボチな値段ですが、中古屋とかヤフオクだと必ずでる作品なのでご興味がある方はどうぞ~です♪



<Release Date>
Artists / Title : MURO 「Super Funk Breaks Lesson 1 - 4 」 
Genre : HipHop、Funk、DeepFunk、Soul、RareGroove・・・
Release : 2001年8月
Lebel : Savage/KODP No Number

Notice(1) : 2本組み作品
Notice(2) : CD再発もあり2005年9月に1000枚限定でリリース済み

Notice(3) : トラックリストについて
 テープ版には当然ついていませんが、リリース時に一部の店舗(Savageとか)ではトラックリストの配布、または店頭での貼りだしがあったようです。
 また、CD再発時も同様のようで、たまにトラックリスト付きのCDが中古で販売されていることがあります・・・トラックリストやっぱり欲しいな~(^^;)


ps 次は当然「白」のFUNKですが・・・これも書く自信なし(--;) ここ最近で聞きこんでますが、聞けば聞くほどドープ過ぎて文章化出来るか不安になります(^^;) ただ、勢いがあるうちに書いちゃおうかな~っと  
 あと、気づいたら1万ヒット! 皆さんのご来訪、本当にありがとうございます!! これからもがんばります~


スポンサーサイト
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック