内容的にはHipHop的なスタイルを中心に「壮大なネタ繋ぎ」の連続で、流石「King of Diggin'」といった掘りっぷり/アイデアが多く悶絶です・・・ また、そのネタ繋ぎを核にしながらも、この作品ではHipHopらしい「DJミックス/2枚使い」が効果的に配置され、MUROさんにしか作れない世界に仕上がってます。
例示を一つ入れておくと分かりやすいと思うので紹介しておくと、Lesson2の出だしでは、「Big Daddy Kane / Set it Off」を肴(?)にミックスをしており、Set it Offのドラムネタである「Grady Tate / Be Black Lady」をかけ、頃合いをみてBDKのSet it Offにミックスする・・・このシリーズでの定番的な流れがあります。 まあ、いわゆる「元ネタ」ミックスで、普通に聞くとそれまでなのですが・・・深く聞くとMUROさんの凄さが分かる部分だと思います。
まず、第一点目はミックスが「ただの元ネタミックス」で終わってない点です。
この流れだと、最初にGrady Tateがかかるわけですが、King of Diggin'シリーズのようにしっかりと曲を聴かせつつ、サンプリングの面白さをアピールしてる点は注目で、サンプリングをした部分だけでなく、その他もしっかりと聞かせ、曲の良さ/Grooveをアピールしてる点は秀逸です。 また、元ネタを上手く利用した方法で、元ネタのサンプルした部分と、サンプリングした曲を交互に2枚使いするところも面白く、Set it Offのサビ前の上ネタ(何ネタかは不明)を交互に2枚使いする辺りはカッコよく、そのままネタに流れる展開が秀逸です!
元ネタ曲の良さを聞かせたり、細かいギミックを入れるのは、King of Diggin'シリーズからありましたが、この部分が更に尖鋭化した印象があり、特に「DJミックス」の上手さが格段に進化しており、根にしっかりと「HipHop」がないと出来ない気持ちいい2枚使いなどは最高です!! 特に、この「ネタ繋ぎ」はメチャクチャ高度になっており、2枚使いなどを交えつつ、複雑な「ネタ繋ぎ」を披露しており、Set it Offであれば、ドラムネタで繋ぎつつ、さらに上ネタで繋ぐ・・・みたいな「数珠つなぎ」になり、ミックスの展開を良くしていますね(^0^) 2枚使い関係だと、他にも紹介をしたいラインが沢山ありますし・・・それ以外にもアカペラブレンド(それもDope On Plastic!)とか、クイックミックスとか・・・MUROさんが技とセンスが光り、作品の良さを増大させています!!
二点目は「高度な掘り」が発揮されている点です。
当然、GradyTateもヤバいですが、個人的にはSet it Offが象徴的だと思います・・・ この曲もMUROさんがプレイしたことで市場にインパクトを与え、使用したUK盤の12inch(この盤のみExtendedバージョン)が瞬く間に高騰した/注目が集まった印象があり・・・鬼ドープなDeepFunkに注目が集まりがちですが、HipHopにおいて「更なる掘り」を披露している点は面白いです。 考えてみれば、MUROさんがプレイしたことで市場に知れ渡ったHipHopの曲ってホント多く、それこそHipHopBandとかDopeOnPlasticとか・・・沢山あるなかで、このテープでもMUROさん発なレコードがあり、例えば、殆ど市場に出ないですがBDPのライブ盤のアナログ(プロモオンリーっすね!)とかがそうですよね。
また、定番曲でも、第一点目で指摘したドープなミックスで光る曲も多く、Kool G RapのTalk Like SexとかMen at Workなどの曲なんかは、ネタ曲との高度なミックスなもと、メチャクチャカッコよくかけてくれてます!! Koo G Rap / Poisonであれば、もともとカッコいい曲ですが、この曲の「♪You Slave My Sound Wave♪」というラインから、このラインを声ネタに使用したLord Finnese / Slave to My Sounwaveにクイックミックスするなど、カッコいいですね(^0^)
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