この頃は、MUROさんが「現場」でのプレイにこだわり始めた時期といっても過言ではなく、特に象徴的なのは上に貼ったフライヤーの「Blow Your Head」というパーティーでしょう。 黒がリリースされた2001年12月より代官山airにて開始したMUROさんの主催パーティーで、ジャケットがSuperシリーズを利用してるのから分かる通り、SuperシリーズのようなオールジャンルをHipHopの名の下でプレイをする・・・みたいなパーティーで、MC(この頃はJyo-Cho aka Chill Rob Jay!)を配置したロングセットを披露し、さながら「MURO流のブロックパーティー」のような感じだったようです。
私自身は残念ながら参加したことがなく、今さらながら行かなかったことにかなり後悔をしておりますが、この頃はFunkが重要なキーワードだったようで、Keb Dargeをゲストに呼んだり、準レギュラーとしてBeamsの岩沢洋さん(日本屈指のコレクターですね!)がDJをしてたり、サブルーム(B1っすね)ではTus-OneとShimoneが担当したり・・・かなりFunk臭が強かったと思われます。 私自身はBlow Your Headの後に不定期で開催されていた「Back to the Old School(渋谷Harlem)」でMUROさんの現場でのDJのヤバさを知りましたが、このBlow Your Headでのプレイも、Superシリーズで披露されていたDiscoやSamba、そしてFunkが披露されてたかと思うと・・・タイムトリップして行きたいパーティーだな~と妄想させてくれます(^^;)
考えてみれば、MUROさんのパーティーって、ゲストでは大きい所で回していましたが、自身の意向を主軸に置いたパーティーってそれまでは「小箱」でしか開催しておらず、ある程度大きい箱でやり始めたのはこのBlow Your Headが最初だと思います。 この限りで重要なのは・・・MUROさんが「フロアー」を意識した選曲を、クラブで実践し、その気持ちよさが分かり、DJミックスにおいて「現場感」を重視していたと思われ、その現場感を作品化したのが・・・今回紹介している「Superシリーズ」だと私は考えています。
DiscoやSambaの頃だと、明確なパーティーがなかったので、この説明を明確にしませんでしたが・・・きっとMUROさんの中で、MUROさんを期待して遊びに来た「観客」と、MUROさんの「選曲&DJ」が上手く噛み合い、DJの楽しさが明確になったのかな~と思い、Superシリーズをリリースしたのかな~とも思えます。 特にBlowもそうですが、5時間近いロングセットでプレーすることで、選曲の方向性を作ることが出来、観客のレベルも上がり、HipHopに固執することなく好きな曲をかけられるようになったり、優秀なスタッフ(MCやレコード配給係!)が揃ったり・・・MUROさんが考える「DJ」を体現出来るようになり、DJをすることが楽しくって仕方がなかったのかな~とも思えます。 実際、私が行っていたBack to the Old School(後半だけだけど)や、ageHaであった20周年記念パーティーでも、DJの開始の頃はクールなMUROさんが、段々とテンションが上がってるのが分かり、気合を入れた2枚使いや、アイソ使い、MC陣のナイスなマイクなどでブローアップし、最後の方になるとマイクで「ありがと~!」と言ったりしてて・・・DJすることを心の底から楽しんでいるようでした・・・
ただ、MUROさんに関しては、レア盤だからかけてるのではなく、しっかりとミックスの中で生きるような選曲をしており、前作同様「ネタ曲での数珠つなぎ」的なミックスをこのレア盤でも行っており、写真右のKRSの変名であるBig Joe Krash / Break The Chainだと、ドラムネタ(曲名不明)からミックスし、サンプルしたブレイク部分になると同ネタ使いの別曲(Shadowだっけ?)で2枚使いし、そこから別曲とBig Joe Krashでブレイク2枚使い・・・というマニアックなミックスを行ってます。
一例をあげておくと、MUROさんのミックスの中では比較的ド定番なミックスで、ATCQ / Show Business(LPオンリーっすね)のSadat Xのバースの「♪Although I hit a pound of herbs I'm still nice with the verbs、So fuck what you heard♪」から、声ネタであるDiamond D / What U Heardへの「声ネタ」クイックミックスは、現場でもプレイしており、MC陣がニコニコしながらDiamondにミックスするタイミングを待っているのが印象的でした。
例えば、写真に上げた「Ozomatri / Cut Chemist Suite」であれば、Lesson 5の序盤で飛び出す高度な数珠つなぎ(Cerrone / Rock in the Pocket → MC Lyte / Cha Cha Cha → Ozomatri / Cut Chemist Suite(Remix) → 同曲(Original) → Jurassic 5・・・)を披露しており、単体で聞くとメチャクチャカッコいいのですが、これを作品の流れで聞くと、必要性が微妙でパンチにかけます・・・ また、このテープがリリースされた同時期に発表されたMUROさんの名物Remix「Funky Drummer」もLesson 7の頭で収録され、JBラインのFunkとHipHopで選曲の足がかりとして使用していますが、もっと効果的な使い方があったのかな・・・と思いました。
最近のMUROさんのプレイは、ゲストプレイが多く、1時間程度だったり・・・日本盤の45に固執し、マニアックなプレイ(いつだか、ageHaのメインの4時ごろで45セットを披露してたら・・・私はついていけましたが、サーっと客が消えていった・・・ことがありました)が多かったり、Superシリーズ前期の「熱い」プレイがないですが、私が行っていた「Back to the Old School」の頃の12inchセットのヤバさと言ったら・・・もっと評価されるべきだと思います。 なんて言ったらいいんだろう・・・うまく説明できないですが「選曲で圧倒するパーティー」と言えばいいんですかね・・・疲れてへばっていても、自分の好きな曲がかかったら、突然「シャキッ」となり、フロアーにダッシュし、絶叫してるみたいな・・・自分の場合はBeatnuts / Props Over HereのJapan部分のアカペラ使いから本編へのミックスとか、Phyllis Hyman / You Know How To Love MeなどのDisco系の死ぬほどカッコいいミックスで昇天したりとか・・・現場でないと味わえない死ぬほどカッコいいミックスがあったと思います(^0^)
変な話、現場でのプレイを観客の声込みでそのまま録音しちゃった方がいいわけで・・・MUROさんの現場感を作品として表現する為には・・・現場での完全Live録音の「Super Live Breaks」を作らないとダメでしょう!! タイトル的には「Liveもの」をミックスした作品とも取れますが、個人的にはairとかHarlem程度の大きさで、かつ音の鳴りが良いクラブで・・・MCはカシさんかヒコさんがメインで、12inchを主体としたロングセット(特にSuperDiscoBreaksスタイル希望!)を・・・観客の声も入れて作品化すれば・・・MUROさんの「現場感」が完璧ではないものの、かなりの割合が記録できるのでは・・・と思います。
MUROさん、もし録音するパーティーがあれば、私は絶対行くし、歌ったり、騒いだり、足を踏みならしたり・・・いい「がや」を入れますので、またBack to the Old Schoolみたいなロングセットをやってください(^0^)
コメント
ツン
文句無しです
この記事もまたすごいですね
2009/11/13 URL 編集
mixtapetroopers
いつもコメントありがとうございます!!
Superシリーズは大好きですが、今回のFunk(黒・白)は、あまりディープさに、中身の説明が上手くできませんでした(--;)
ただ、MUROさんの作品は、聞きこんで、そこから収録曲などを調べると本当にドープでヤラレますね!!
個人的には、本編とは関係ない「外堀」を扱い過ぎて、本編の内容があんまり説明出来なかったのが残念ですが・・・気にいって頂き、なによりです(^0^)
次は・・・TropicooolとHeatin'っすね・・・ここ最近は聞いてないですが、相当ドープな内容なので頭が痛いです(^^;)
では、今後ともよろしくお願い致します~
ps ここ最近、MUROさんのミックス作品の連打はホント凄く・・・ついていけないです(--;) 年末辺りにまとめて中古で安く買おうかと思います・・・ハーデストワーキンも困ったものです・・・
2009/11/14 URL 編集