HipHop,R&B,Soul,Funk,RareGroove,DanceClassics,Garage,House・・・など、私が気に入っているMixTape,MixCD,その他もろもろを紹介するブログです。
Daniel Wang 「Sessions Vol,3 Come On Let's Fly」
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 大好きなだけど書くのが難しかったMURO作品が終わり、サクッとかけそうな得意分野から一枚をご紹介・・・これも局地的に名作として名高いですね!
 日本でも人気な「Disco王子(プリンセス?)」ことDaniel WangによるDisco/Disco Dub/House周辺を独自の視点でマッドにミックスした作品です(^0^)
 作品は、旧譜のDisco率が高いのですが、雰囲気的にHouseっぽいので、Houseにカテゴリー設定をしました・・・


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 Houseが好きな方でも、あまり知らない方が多いので、まず最初にDanielの紹介をしましょう・・・

 Daniel Wang(ダニエル・ウォン)さんは、現在はドイツ・ベルリンに住むHouse系DJ/Producerで、Discoの質感をユーモアでマッドに取り入れたDJ/作風で有名なお方です。

 生まれはアメリカのノースカロライナで、いわゆる「チャイニーズ・アメリカン」な方で、幼少の頃は台湾(台北)にいたり、サンフランシスコにいたりしたそうで、大学への進学を期にNYに移住し、90年代初期より、自主レーベルから「一風変わったHouse」のレコードを出し始めたのが・・・彼のキャリアのスタートです。
 そのレコードは、いわゆる「Disco Dub」的なHouseで、当時としては(今もそうだけど)異質な存在ではありましたが、独特な質感がファンを生み、時代が進むに連れてファンを増やしていき、現在に繋がっています。

 また、Danielというと「DJ」の印象が強く、そのDJのプレイスタイルが特徴的なのもポイントです。
 私自身は、機会がなくってDanielのDJを聞いたことがないですが、情報によると、商業的なスターDJとは異なり、フロアーでみんなが楽しむってことを絶えず考え、House/Disco Dub/Discoを中心に選曲し、フロアーに「愛」をもたらすDJだと聞いています・・・
 プレイ中はかなりノリノリで、下記の動画のようにハイテンションのようで、踊ったり、MCしたり・・・最終的には自身が率先し裸になり、フロアーにいる観客(野郎中心?)達も裸になって輪になって踊り、歌い、叫び・・・朝方には素晴らしい光景を作り出すことが出来るDJだと思います。




 ただ、あまり書きにくい内容ですが、彼の芸風を理解するためには、次のことを理解しないといけません・・・
 
 彼は「ゲイ」であり、ゲイであることは隠さず、むしろエンジョイしており・・・この点が根底にあり、彼のDJ/作風(=みんなで楽しもうよ!みたいな感じかな?)に大いに影響があると思われます。
 

 今まで「ゲイ」に関することは書いたことがないので、個人的な見解を入れましょう・・・

 私自身は「ストレート」ですが、ゲイに関しては特に嫌悪もなく・・・むしろ「リスペクト」をしている部分があります。

 なぜかというと、クラブミュージックの発展においてゲイの方々の存在はホント大きく、Disco→Houseの流れにおいては、彼らがいなかったら発展しなかったと思うし、特に70年代~80年代のNYでのクラブシーンの誕生・発展(そして崩壊も)に関しては彼らの存在が大きかったと思います。
 つまり、私が好きなと「クラブ」と「音楽」を支え、応援し、発展したのが・・・ゲイの方々だと考えています。

 実際に私はゲイの方と接点がなく、イメージが先行する指摘になりますが、彼らに関しては「感情が豊か」「自己表現をすることを恐れない」印象が強く、クラブにおいて自分が好きな曲は歌い・踊り・叫び・・・みたいな自分に正直な印象があり、そういった姿勢がクラブ発展において重要だったでしょう・・・
 どうしても社会人になったりすると、社会の「ルール・規範」が先にあり、なかなか「自我」を出すことが出来ず、人と同じようなことをしようと・・・考えがちですが、自我を出すことは決して悪いことではなく・・・むしろ体の中にある「うみ」を出すみたいな気持ちよさがあると思います。
 そういった「自我を出す行為=オープンマインド?」をクラブで率先していたのがゲイの方々で、クラブにおける「遊び方」の流れを作った点は評価しないといけません。

 また、音楽においても、ヒットチャートや政治に関係なく、クラブで「自分たち」が聴いて、良いものだけを支持する姿勢・・・ってのもゲイの方々は尖鋭的で、特にDisoc→Houseの流れにおいては、彼らが率先してフロアーで踊り、好きな曲にレスポンスを出すことで、製作者とクラウドの間にフィードバック関係が起こり、更なる作品を生む原動力・アイデアを提供していた・・・と考えます。
 Houseという音楽自体、Discoの延長線上にあるあわけで、ビートが強化された流れには、ChicagoHouseの製作者達の実験精神があっての変化ですが・・・ゲイの人々がその「音」を真っ先に評価したっていう事実も重要だと思います。
 また、イイ曲はずーっと支持する姿勢も重要で、生まれてきた曲たちを「消費」するのではなく「愛し続ける」みたいな姿勢もあるのかな~と思います。

 あんまり論拠としてまとまらなかったり、妥当性がない根拠もありますが、こんな理由があってゲイの人々を支持しています・・・まとめると「クラブで音楽に合わせて踊る」という行為を高次に進めたのが彼らだと思います・・・
 何となく考えてたことですが、考えて書き出してみると難しいですね・・・


 そういうわけで、実は「彼」ではなくて「彼女」だったDanielのDJは、みんなが楽しむことを優先しつつ、オープンマインドな精神でプレイするのが印象的で、この作品にもDanielの素晴らしさが表現できていると思います。
 ゲイだからといって、ストレートや女性を差別することなく、Danielらしい「みんなで楽しもうよ!」みたいなフィーリングが上手く表現されつつも、Disco王子の異名があるだけに一癖も二癖もある「選曲の妙」と「ミックスの上手さ」が堪らない好内容に仕上がっています。

 では、以下でやっと作品の紹介をしますね~♪


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 全体的にはHouse/Disco Dub的なフィーリングで、Disco、Disco Dub、Houseを中心に選曲しており・・・Danielにしか作れない「Discoワールド」が展開されています。

 その、Danielにしか作れない世界の一つとして、上記の2曲が収録されていることでしょう・・・いわゆる「日本のディスコ歌謡曲」を入れている点です!!

 特に左の「鹿取洋子 / ゴーイング・バック・トゥ・チャイナ」はボムで、このミックスの実質1曲目で、出だしから最高ですね!!

 1980年にリリースされたシングルで、海外のロックバンド「Diesel」のカバーになのですが・・・大胆なDiscoアレンジをした鹿取さんのデビュー曲になります。
 いわゆる「アイドル」なディスコ歌謡で、ジャケは写真のやつ以外にも別のジャケの7inchがありますが・・・初めて聞いたときはビックリしました!!

 だって、普通は音が違い過ぎて入れないでしょう・・・でも流れで行くと、絶対外せない選曲になっていて、Danielのセンスに脱帽です!
 原曲をピッチ+3.5の鬼上げで、ミックスの開始の時点でスピード感を生み、DanielらしいDisco感を創出しており、最高です・・・探せば100円で買えそうですが、あまりにすぐ欲しくなったので、神保町の富士レコード社で1000円で買いました(^^;)
 
 また、写真右はUSでリリースされたPink Lady / Kiss In The Darkで、全編英語で歌われた曲で、ピンク色のジャケットのLPが有名かな~と思います・・・私はこのシングルだけで十分なのでLPは売っちゃいました・・・
 完全な日本のディスコ歌謡ではないですが(トラックはUS製作)、この曲も、序盤の選曲で、鹿取洋子の勢いを更に引っ張る選曲で、大変いいですね!!

 このCD自体、日本だけのリリースなので、日本へのリップサービス的な選曲かもしれないですが、こういうのを入れてくる時点でDanielの「サービス精神」や「ユーモアさ」を表していると思います。
 かつ、選曲においても「ぶれてない」選曲で、彼の「耳の確かさ」や、ミックスの作り方の上手さが分かりますよ・・・

 ちなみに、鹿取洋子のディグは・・・「日本の友達からもらった」説が濃厚で、ヨーロッパでも普通にプレイしていたそうですよ!!
 また、このCDがリリースした際の来日DJツアーの際、鹿取さんのライブ(何年ぶりだろう!)があったそうですよ・・・


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 序盤ではちょっと特殊なDiscoで、かつBPM早目な選曲で勢いをつけましたが、そのまま勢いを維持しつつDanielらしいDisco Worldを展開してミックスが進んでいきます・・・

 Pink Ladyの後は、Body&Soulクラシックでもある「Voyage / Souvenirs」を選曲し、その後にはTom Moltonが製作した「TJM / I Don't Need No Music」を選曲し・・・Discoらしいグルービーな雰囲気を引っ張ります。
 この2曲も象徴的ですが、一般的に有名でない曲を、的確にプレーするのは流石ですね・・・繋ぎもストレートなビートミックスに徹し、グルーブの維持・ミックスの流れが素晴らしいです。

 そう、Danielのこの作品は「グルーブの維持」「ミックスの流れ」が素晴らしく、的確な位置で繋いでいきつつもしっかりとグルーブを維持し、しっかりとミックスの流れを作ってる辺りは注目に値します。
 特に、ミックスの流れは秀逸で、序盤はアップテンポに攻めていきますが、後半に進むにつれ、Discoのドロドロとしたグルーブをくみ取り、Danielの曲やMetroAreaのようなDisco Dub系の曲に繋いでいき、マッドな方向に進みますが・・・段々と「Discoの深沼」にはめ込んでいくプレイは流石ですよ!!
 聴いてると、段々と「音にはまる」感じで、気づいたら顔は笑いながら、ずーとダンスし続けてる・・・そんな感じで、止まらない「Discoロケット」に乗船して宇宙のかなたに突き進んでるみたいですよ!!

 なお、この作品はベルリンにある「バーゲン」というクラブでライブ録音したそうで、繋ぎなんかはザクザクとした印象がありますが、あえてライブ感を出すためにそうしたのかな・・・と思います。
 きっと、Danielもノリノリでプレイしてたんでしょうね・・・


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 段々と進むマッドなDiscoの波は、最終地点に進むと「涅槃(=ねはん)」が待っておりました・・・
 
 実質的な最後はなんと「Van McCoy / The Hustle」ですよ!!
 これも初めて聞いたときは「こんなのかけるの!」と驚きました・・・Danielのナイスチョイスに感服です(^0^)

 一般的には親父ディスコだったり、CMで中村獅童が気持ち悪いダンスを披露してたり・・・ポピュラーソングになっていますが、Danielの選曲では、クラブプレーにおける「朝方」選曲的なチョイスで、朝の7時ごろとかに聴いたら、疲れた体を気持ちよく揺らしながら聴いてる・・・みたいな選曲をしています。
 また、トロットロに溶けたフロアーに残る観客を、更に一つにまとめるみたいな印象もあり、きっとみんなニコニコしながら、半裸になって踊ってるんでしょうね~素晴らしいです!

 個人的にもスルーしてた曲ですが、この作品で考えを改め、ソッコーで12inchを買いました・・・曲の良さもさることながら、音のヤバさ(メチャクチャ音圧がヤバい!)もあり・・・Van McCoyの才能が光った作品で、全盛期に亡くなってしまったのが残念ですね・・・
 なお、このCDでは、写真の12inchのDiscoMixではなく、通常のLPバージョンでプレイしてたようです・・・



 以上が作品の紹介になりますが・・・Disco的なアプローチを核としながらも、Houseを消化した姿勢が気持ちよく、エフェクトなどの仕掛けをせず、選曲とミックスだけでストーリーを作る様は流石の一言で、Danielの世界観を上手く表した作品だと思います。
 特に選曲に多様性がありながらも一貫性がある点は非凡な才能があると思うし、グルーブをしっかりと繋げながらもストーリー作りをしてしまうところには感服です!

 中古で普通に売ってて、値段も程よいぐらい(微妙なレア度数かな?)なので、興味のある方はぜひ買ってみてください(^0^)
 Discoが好きな方なら、ちょっと違う世界かもしれないですが、絶対ヤラレますよ!!



<Release Date>
Artists / Title : Daniel Wang 「Sessions Vol,3 Come On Let's Fly」
Genre : Disco、DanceClassics、Garage、House、DiscoDub、和物・・・
Release : 2005年4月
Lebel : Musicmine IDCH-1012


Notice : リリースについて

 一応、国内企画で、オルタナティブHouseのミックスシリーズである「Sessions」の第3段にあたります。
 ちゃんと版権をとったメジャー作品で、Danielの中ではオフィシャルなミックス作品の処女作になるそうです。
 
 なお、権利をクリアーした作品なので・・・インタビューによると「権利」をクリアーする作業が一番大変だったそうで、本当は入れたかった曲も沢山あったようですが、ライセンスの依頼を出して、許可が下りた曲(確立30%ぐらい)で作ったようです・・・Danielいわく、Van McCoyなどが下りるとは思わなかったそうです。


Notice : 参考資料

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 なんどか登場しましたが、優良House系フリーペーパー「Phone」でも、リリース時に企画記事が掲載されており、これがドープです!!
 2005年4月に発刊された「No,09」に掲載されてますが・・・Danielの人の良さが伺えたり、この作品の詳細が書いてあったり、今回の記事では参考にさせていただきました。 
 
 んで、Danielのインタビューもイイですが、この特集では、このCDの最大のボムである「鹿取洋子」さんにインタビューをしています!! 岡本俊浩さん、最高です!
 鹿取さんは、2005年の時点では歌手は辞め、一児の母になり、女優業を行いつつも、旦那さんとともに化粧品輸入業/販売業(リンク探しちゃった!)を営まれてるそうです・・・おそらく40代くらいだと思いますが、綺麗なお方ですね(^0^)

 なお、鹿取さんのレア情報として、チャイナは20万枚ぐらい売れ、ボチボチヒットしたそうですが、当時の駆け出しのアイドルとあって、あまりお金がもらえず(=給料制だったみたい)貧乏だったそうです・・・同じ事務所にピンクレディーも在籍されてたようですよ。

 また、未確認情報ですが、鹿取さんの作品の何枚かはYMOメンバー(坂本、高橋、細野も含む!)が参加されているようで・・・妄想聴きをすると、今回のチャイナのドラムも、高橋幸宏さんっぽいシャープな感じもするけど・・・どうなんでしょう?
 Wikiに掲載されていた唯一リリースしたLPだと、参加アーティストに確かに書いており、謎が深まります・・・



< 追記 > 2009年11月29日

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 本文でチラッと触れた「鹿取洋子 / ゴーイング・バック・トゥ・チャイナ」の別ジャケ(写真左)を入手しましたので追記します・・・出張で行った仙台で安く買いました(^^;)
 ジャケは全然違いますが、型盤は一緒で、曲の内容も全く一緒です・・・昔のアイドルってイメージ戦略が大切だったので、方向性を変えるためにジャケを変えたんでしょう・・・多分、顔面ドアップの方が後に出たっぽいっすね。


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2009/11/15(日) 20:09:11 | | #[ 編集]
Going Back To China
懐かしいです。

Dieselより香取さんバージョンのほうが、
格段に重くてかっこよかった記憶があります!

Kiss In The Darkいいよねえ。
アルバムに入ってた、Stranger When We Kissって曲も好きでした!

シングルだけど、マンデー・モナリザ・クラブとかも(笑)
2009/11/17(火) 12:46:19 | URL | chanpara #-[ 編集]
Re: Going Back To China
>Chanparaさん

いつもコメントありがとうございます(^0^)

いや~、流石ですね・・・鹿取さんのことご存知でしたか!!
私も聴き比べましたが、Discoアレンジの鹿取さんに軍配ですね♪

Pink Ladyも、以前はイメージで手が出ませんでしたが、イイ曲が多いですよね・・・
マンデーは知らなかったのでYouTubeで聴いて見たら・・・おおっ、イイ曲だな~(^0^)

では、今後ともよろしくお願い致します(^0^)
2009/11/18(水) 06:49:44 | URL | mixtapetroopers #EK3m6DHM[ 編集]
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