いわゆる「Jazzy Hip Hop」な選曲で、メローな曲を多く選曲していますが、田松さんらしい選曲が発揮された一枚だと思います。
まず、指摘すべき点は「国産の楽曲」を多く使用し、その中で彼なりの「Jazzy Hip Hop」を表現している点は大変面白いです。
それこそ、Nujabesがらみで人気な「Singo2/Love(Sick)」のオリジナルRemix(これはイイですね!)が収録されていることから、この作品が話題に上がることが多いですが、その他の国産物もいい味を出しています!! インスト曲とかが多いので、トラックリストを見ないと気づかない場合もありますが、写真に上げた「Hac / Special Treasure」(写真左上)であれば、しっかりと流れの中で上手く選曲しており、その次の選曲ではHacの同ネタを使用した「Shiski / A Night of Savanna」(写真右上・GamesEPに収録)を続けて選曲したりしてて・・・聞いてて「ニヤッ」としてしまうマニアックさもあって大変イイですね(^0^)
なお、国産モノには終始はせず、しっかりと洋物(?)も選曲しており、Props Over Here使いで有名な「Southside Break Crew / Time To Rock The Party」(写真右下)のようなJazzy Hip Hopクラシックや、Peterockなどの源流などもしっかりと選曲しています♪
前半は、割と直球なJazzy Hip Hopを多く選曲し、メローな流れで場を温めつつも、後半に向かうにつれ、段々とテンションを上げていき、Youさんのファラオ使いで有名なOver the Borderでガツっと盛り上げたり・・・流れをしっかりと意識した作りをしています・・・ 特に、後半のピークタイム的な所では、「Kemuri Production / Electrical Parade」や、Halfbyの作品のような・・・HipHopの枠を超えたOrgan的(小西さん的な)パーティーチューンも選曲しており、選曲の仕方が上手いな~と思いました(^0^) 普通にHipHopな流れでのミックスになっていますが、突然「横山剣」さんの声が聞こえたりし・・・DJとしての「選曲の妙」を出しつつも、田松さんらしさを失っていない辺りは素晴らしいです!!
また、ピークタイムを作った後は、イイ感じにメローな方向にもっていくんですが、Youさんの名曲「Back City Blues」や、Kickの「タカオニ」など、酔った勢いで聞いてると、少年時代のことを思い出し、思わず「ホロっ」としてしまう・・・心に訴えかける方向にもっていき、イイ感じで終わるのも憎いですね!! 個人的には、Youさんの曲は、自分の少年時代に本当に影響を受けたり(ナイトフライト世代ですから!)、テクニカルではないけど味のあるラップが心に突き刺さり・・・聞いてて田松さんも好きなんだろうな~と感じましたよ(^0^)
販売サイトなどの紹介では「Jazzy Hip Hopな作品」としか書かれていなかったりしますが、しっかりと田松さんの個性が光った作品だと思います。 もちろん、一般的な「Jazzy」な作風ではあるのですが、しっかりと「ミックス作品」として起承転結を作っており・・・トータルバランスが素晴らしい出来になっています!! 特に、後半からの盛り上げから、一気に「心にしみる」方向性に持って行く辺りは秀逸で、意識的に聞かないと理解は出来ない場合もありますが、個人的には前半以上に後半が素晴らしい出来になっており、30代間際には絶対お勧めな作品です!!
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