HipHop,R&B,Soul,Funk,RareGroove,DanceClassics,Garage,House・・・など、私が気に入っているMixTape,MixCD,その他もろもろを紹介するブログです。
DJ Kiyo 「Unbelievable」
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 いやいや、Kiyoさんの作品って、私自身がそんなには思い入れがないので全然紹介してなかった・・・ちょうど1年前に書きましたが、すっかり忘れてました(^^;)
 とはいうものの、1年の間に、安い値段でミックス作品が買える時は買っており、こっそりと研究はしてたので、久しぶりに紹介です~♪

 言わずと知れたDJ Kiyoさんの作品で、テープ時代から作品を各種リリースしているレーベル「Royalty」の初期作(第1作目らしい)で、HipHopをKiyoさん流にこだわった1本です。
 市場では高値な作品(3800ぐらい)として、なかなか値崩れしないですが、ミックステープ馬鹿なので、遂に買ってやりました・・・はあ・・・(^^;)



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 Kiyoさんの紹介は、以前紹介した記事を加筆修正したので、そちらで確認して頂くとして・・・この記事ではリリース元の「Royalty Production(Royalty Entertaiment)」のことを紹介したいと思います。


 Royaltyは、今はKiyoさんの作品をリリースする個人レーベルみたくなっていますが、歴史をひも解くと、かなり面白いレーベルになります。

 このレーベルは、私の記憶だと「渋谷・Manhattan Records」が協力して98年頃に出来たミックス作品専門(?)のレーベル/プロダクションで、Kiyoさんなり、Manhattan周辺にいたHipHop第2世代な「若手」や、勢いがあったManhattanのスタッフが協力して作られたレーベルだと記憶しています。


 当時のManhattanは、売り上げともかなりイケイケの時期で、同時期には「Niro」周辺のメンツ(Dabo、Macka-Chin、Gore-Tex、Suiken、S-Word・・・)をフックアップするべく機能していたレーベル「Realty Records」があり、Nitroになる前にメンバーがリリースしていた12inchやファーストLP(写真右上)なんかの音源制作/プロダクション活動を行っており、渋谷HipHop文化の「ド真ん中」として機能してました。
 当時(98年頃)の私は、既にManhattanに通っていたので当時の雰囲気が分かりますが、Nitroの作品なんかはかなり気合を入れて売ってたのが印象的で、次世代のアーティストを後押ししたい・シーンを盛り上げたい意思が感じられ、今となって言えるのが、第2世代のアーティスト(特にNitroのメンツ)を世に出した「きっかけ」になったと思います。
 Ciscoも12inchのリリースを通して、同様のシーンの後押しをおこなっていましたが、当時の日本のシーンって、レコード屋さんがシーンの中心を担っていたという点は、歴史を語る上で忘れてはいけませんね(^0^)

 なお、Realty Recordsに関してのマニアックな情報だと、Da Cypherでおなじみの「前川さん」がA&Rをされており、ある時期からManhattanを抜け、Realtyの運営に力を入れていた・・・と記憶しています。


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 そして、今回紹介するKiyoさんもManhattanにお世話になった人物で、先ほど紹介したRealtyの最初の12inch(98年)はKiyoさんとKohei Japanとのユニット「Funky Lemonade」だったし、Manhattanが主催するイベント(High School Highとか)なんかで頻繁にDJをしてたりしてたこともあり、かなり関係としてはタイトだったと思います。

 実際に、どういった経緯でRoyaltyが出来たかは分かりませんが、Kiyoさんなどを中心とする若手のDJ達を盛り上げるべく作られたようで、いわゆるブッキングやマネージメントを行う「プロダクション」としての位置づけとして設立され、ミックス作品の製造・流通などに対してManhattanが協力してたイメージがあります・・・
 明確にManhattanが関わっていたのかは分かりませんが、新作がリリースされればManhattanでかなりプッシュしてたので間違えないと思います・・・??
 
 リリースに関しては、割とコンスタントにリリースしており、調べてみると、結構な数をリリースしています。
 私自身は、RoyalityがManhattan絡みでリリースされてた頃、Kiyoさんの作品は興味がなく、全然ホローしてなく、ここ最近になり掘り始めているので全ての作品は買えてないですが、Kiyoさんのテープだけで10作近くあり、また同時期にプッシュしてたDJ Senさんの作品(写真右)も結構あります・・・というか、KiyoさんとSenさん以外のDJは作品が殆どリリースされていないです(^^;)

 内容は、流石Kiyoさんがいるレーベルだけあり、DJの独自性を売りにして、どの作品もコンセプトが立った作品に仕上がり、今聞いても面白い作品が多く、レーベル買いが出来る数少ないレーベルじゃないかな~と思います。
 特にKiyoさんが出してた作品は、出すたびに「Kiyoヤバい」の声が上がっており、発売するとスグ売り切れになっていた印象があり、当時から人気で、現在もこのレーベルのモノは珍重されている印象があります。


 考えてみると、98年頃って、それまでレコードの隙間として売ってたテープが、MUROさんなどの作品を通して、やっとオリジナリティーのある存在として認められ、様々な作品がリリースされるようになった時期なので、その流れでRoyalityが出来たのかな~とも思います。

 つまり、それまでのテープって「新作紹介」とか「旧譜紹介」のような楽曲知識を求める需要に連呼して作られてたり、あるDJの名前を売るために作られてたり・・・変な話「消費物」だったので、作品の「コンセプト」が必要とされなかったのですが、ミックステープというフォーマットの「面白さ」みたいのを、制作者もリスナーも理解し始めた時期・・・だと思うんですよ!
 当然、MUROさん辺りが呼び水だと思いますが、そういった「コンセプト・ミックス」の面白さの流れを更に進めたのがKiyoさんだったり、Senさんだったり・・・つまるところ「Royality」もその一端だったのかな~とも思い、その後の市場の拡大にも影響があったと思います。

 なお、現在もこのレーベル名では生きていますが、今はManhattanとはあまり関係がなく、Kiyoさんの個人レーベルみたいな役割をしてます・・・

 

 話が長くなりましたが、そんなレーベルのミックス作品としては第一弾のリリースになったのがこの作品です・・・以下でザクっと紹介しましょう~♪


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 この作品は、写真のように、いわゆる「HipHopミックス」な作品で、定番な曲や、Kiyoさんらしい曲を織り交ぜ、独自の世界観を表現してる作品になります。

 まず、選曲的な話をすると、結果的には「跳ねた選曲」になっており、HipHopが好きな方なら誰でも聞ける内容になっていると思います。
 ただ、全体的な質感は「Kiyoさんらしさ」が感じられ・・・なんて言ったらいいんだろう・・・・独特な「空気感」があり、つい首を振ってしまいます・・・

 それこそ、写真に上げた「Common Sense / Resurrection」「Black Sheep / Without a Doubt」「Black Moon / Who Got the Props」のような、フローのあるネタに、ボトムがしっかりとしたビートが絡んだ曲が多く、今となっては「Jazzy Hip Hop」というのが早いですかね・・・
 いわゆる90年代前半の曲で、スモーキーな感じな曲が多く・・・冬の夜道に白い息を吐きながら聴くのに最適な感じの曲が多く、しっかりと首を振らせる感じが印象的です・・・

 また、Kiyoさんらしい「クセのある選曲」もポイントで、かなり渋い曲・知られてない曲が多く・・・Kiyoさんの選球眼の高さが伺える内容にもなっています。
 例えば「KRS-ONE / I Can't Wake Up」だと大名曲のOutta HereのB面曲だし、BoogiemonstersとかYaggfu FrontとかKirkなど、あまり聞かない曲も多数収録されており・・・そのどの曲も、Kiyoさんのミックスになると良く聞こえてしまう・・・そんなナイスな選曲です。

 ただ、それらの曲をKiyoさんの視点でミックスすることで、曲自体に「艶(つや)」みたいのが植え込まれ、この作品のジャケットのネタ元である、スタバのエスプレッソみたいな濃厚な質感がありながら、味わいやすいフレイバーにまとめられているのがポイントかな~と思います。
 どのKiyo作品にも言えるのが、選曲やミックスの方法による「Kiyoさんにしか出せない独自の質感」がポイントで、うまく表現できないですが、艶っぽさだったり、スムースな流れだったり・・・独自の美学みたいのがあるんですよね。
 他の作品だと、小難しい内容のも多く、理解に苦しむものも多いですが、この作品だと、定番HipHopを使用しつつ、分かりやすいHipHopミックスにも仕上がっているので、Kiyoさんらしさを知る上では、結構分かりやすい・・・と思います。


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 んで、技的な話もしておきましょう・・・Kiyoさんに関しては派手な選曲・ミックスはしませんが、燻し銀に光る技も魅力だと思います。

 この作品を聞いて、グッと来たのは写真の2枚のイントロクイックミックスで、「EPMD / Crossover」イントロ→「Redman / Time 4 Sum Aksion」イントロ→「K-Solo / Letterman」へのEPMD人脈繋ぎなんですが、なかなか面白いアイデアですが、繋ぎの切れの良さとノリの良さがメチャクチャイイです!
 
 Kiyoさんのミックスにおいて、繋ぎではカットインを多様することが多いかな~と思いますが、そのカットインの時の「タイミングの良さ」と「切れの良さ」が独特で、大変イイんですよ・・・
 カットインをするときって、よくスクラッチを絡めながらカットインすることが多いかと思いますが、Kiyoさんってあんまりスクラッチをしながらのカットインをせず、まるでノールックパスの如く「スパっ」と入れてくる感じで、DJやってる立場からすると間違えるとグルーブが切れてしまうので、結構「怖い」繋ぎをするんですよ・・・これがメチャクチャレベルが高いと思います!!
 今回例示に上げた部分が特にそうですが、前後の選曲とタイミングを考えた上で、グルーブを全く切らすことなく、むしろ曲の良さを引き延し、リズミカルな印象を生んでいる点は堪らないです(^0^)


 あと、全体的なミックス作りに関しては、この作品に関しては、割と分かりやすいストーリー性があると思います。
 後半に進むにつれ、徐々にテンションを上げていく感じで、ベタな展開ではありますが、流れで聞いていて、大変ノリやすい方向性に仕上げてあると思います。

 ただ、他の作品なんかが顕著ですが、Kiyoさんに関しては、ミックス作品において明確なストーリー性・展開をあまり作らないことが多く、そのジャンルの選曲が好きじゃないと飽きてしまう作品作りになっている・・・ので、結構「好き嫌い」が分かれるタイプのDJだと思います??
 昔の私がそうで(ストーリー性がないミックスはあまり好きじゃない)、今は楽しめる視点が増えてるので、好きなDJではありますが、ミックスだけ流して聴いてると「眠くなる」のも事実・・・この作品とか、初期の作品は割と展開がありますが、他の作品だと全体的なグルーブはいいけど、展開が乏しいものもあり、その点は個人的にはマイナスっすね・・・すみません・・・



 ンなわけで、ザクっとした紹介になりましたが、Kiyoさんらしさと非凡な才能が発揮された好ミックスで、Kiyo作品の中では、今後も評価される一作だと思います(^0^)
 ただ、CD再発もなく、中古だと「名前が先行」して値段が高いです・・・今は3800ぐらいですが、正直に書くと、この値段で買うほどの内容ではないと思います・・・ので、好きな方だけ掘ってくださいね(^^;)
 でも、これをCD再発しても、結構地味な内容でもあるので、そんなに売れないと思うけど・・・皆さん、どうですか??



<Release Date>
Artists / Title : DJ Kiyo 「Unbelievable」
Genre : HipHop(90's)
Release : 1998年7月
Lebel : Royalty Production No Number




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<再編集記事のご案内>

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 この作品を紹介するにあたり、過去に書いた記事を整理して読みやすくしたので、ご紹介します・・・なんか、編集する前は「痛い文章」で、読むのが恥ずかしかったっす(^^;)

● DJ Kiyo 「Urbän-Eskimo」



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コメント
この記事へのコメント
燻銀にひかる技
こんなmix tapeのレビュー読んだ事がないです。
素晴らしい視点を持たれていますね。
私もテープを擦り切れるほど聞き、それをレビューするような事がありますがここまでのクオリティでできません。
感動しました。

ちなみにこの作品は私も擦り切れるほど聞き込み、また影響を受けた作品です。
スクラッチや繋ぎのテクニックはすべてKIYOさん仕込みと言っても過言ではないです。
なので、仰っている通りKIYOさんの独特なセンスで完全なKIYO的世界観を表現している名作だと思います。

私の場合はCDの再発があった場合5000円でも書いますね。
様々なクリエイティビティの起点になりうる作品だと思います。

この点のみ意見が異なりましたので、念のため書いておきます。
2010/02/25(木) 17:57:56 | URL | Naoyaman #pQkPW3JY[ 編集]
Re: 燻銀にひかる技
>Naoyamanさん

初めまして(^0^) 書き込みありがとうございます!
おおっ、やっぱりKiyoさんに影響受けた方ってちゃんといるんだな・・・異なる意見は大歓迎です!
むしろ、私の拙い文章が恥ずかしいですよ・・・Kiyo作品については、ここ最近に購入して聞き込んだので、深く書けたか心配だったんですよ・・・なのに、お褒め頂き大変光栄です!!
これからも、機会があれば更新していきますので、よろしくお願い致します(^0^)

ps なぜKiyoさんのことを否定的に書いた部分があったかというと、名前先行で値段が高くなってる印象があり、私としては、Kiyoさんの作品と同レベルの良質な作品があるのに、評価されてないものが多くある・・・と感じたので書きました。 ただ、Naoyamanさんが影響を受けたように、リリースされた当時にしっかりとシーンに対して影響を及ぼしたって点になると、Kiyoさんの功績は計り知れないですよね!!

ps2 ブログ拝見しました! きれいです!! 自然って凄いな・・・

2010/02/26(金) 23:34:49 | URL | mixtapetroopers #EK3m6DHM[ 編集]
ブログ昔から拝見さして頂いてます。

このテープ、ボクはリアルタイムで飛ばされたクチだったんでマイクラシックでした。

友達に借りパクされて長いこと忘れてたんですが最近CD再発でましたね。


このままRoyalityのテープがCD再発でそうですね。楽しみです。


更新楽しみにしてますので頑張ってください^^
2010/05/11(火) 14:29:51 | URL | PAF2 #-[ 編集]
Re: タイトルなし
>PAF2さん

初めまして(^0^) おおっ、ずーっと読んでいて頂いたんですか・・・ありがとうございます!!

そうそう、Kiyoさんのこの作品ってCD再発されましたね・・・これは個人的には大歓迎!
イイ作品ほど、もっと色んな人に聞いてもらえればイイですからね・・・引き続き再発が進むとイイですね~

ただ、個人的な話だと、CD再発され、先週末に行った某ユニオンでは、早速テープが値下がり、1800円で売ってました・・・私は2倍近い値段で買ったのに・・・(--;)

Kiyoさんモノのテープは、ほぼ集まったので、今後も紹介しますね♪

あんまり更新スピードが速くないですが、今後も頑張って更新していきますので、よろしくお願い致します(^0^)


2010/05/12(水) 00:04:42 | URL | mixtapetroopers #EK3m6DHM[ 編集]
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