HipHop,R&B,Soul,Funk,RareGroove,DanceClassics,Garage,House・・・など、私が気に入っているMixTape,MixCD,その他もろもろを紹介するブログです。
DJ Ivory 「Hear No Evil」
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 いやいや、最近は週末だけの更新になってしまい、すみませんね・・・平日は作品の聞き込み&下調べをするのに精いっぱいで、文章書くまでいかないっす(^^;)
 そんなわけで、かなり調査をして、やっとご紹介出来るレベルまで考えがまとまったのでご紹介です~♪

 市場では「Random Rap」の創始者として崇められている「DJ Ivory」のミックスシリーズ第一弾のご紹介です・・・レアなHipHopのオンパレードに即死ですよ!



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 まず、Ivory氏の紹介をしておくと、UK・ノッティンガム在住のDJ/Producerで、相方のDJ Paul-Sと共に「The P Brothers」というプロデュースユニットでアーティスト活動を行っているお方です。
 結構レコードもリリースしているので、知っている方も少なくはないと思いますが、彼らのレーベル名である「Heavy Bronx」から分かる通り、ブロンクス直球の「太い」HipHopを体現した音作りをしているそうです・・・

 そんな「濃い」音楽を作っている背景として重要なのが、Ivory氏がHipHopを中心とする「ハードコレクター」であることで、特にMiddle系に関しては世界屈指のコレクションを持っており、その一端を表現したのが今回の作品になります。


 この作品は2001年にリリースされた作品で、それこそ「Hear No Evil(=聞かざる)」ってタイトルの通り、当時は全く知られていなかったMiddle期(88年以降ぐらい)のマイナーなHipHopに焦点を当て、全世界のHipHop馬鹿に衝撃を与えた作品といわれています。
 作品の詳細は後に譲りますが、今でもめちゃくちゃレアな曲のオンパレードで、HipHopの「掘り」を、更に掘り下げ、誰にも真似できない深さまでいってる・・・そんな感じの仕上がりになっています。

 レコード文化って面白いもので、誰かが紹介したことで火がつき、それに追随する者が増える・・・って構図はどの音楽にも該当し、Ivory氏に関しては、この作品を通してHipHopの「深堀り(?)」をアピールし、Middle期のレアなHipHopの人気に拍車をかけたと思います。

 特に彼がプッシュしたのが、いまでは「Random Rap(ランダム・ラップ)」と呼ばれる類の曲で、サンプリングが本格化した88年前後の曲のカッコよさを全世界に広めたと思います。
 その曲のサンプルネタが「ランダム(無作為)」に変わることから名付けられたサブジャンルで、分かりやすく言うと、サンプリングが「豪快」な曲って言うんですかね・・・サンプルのクリアランス問題がなかったり、サンプリングの技術自体が未熟だった時期だけに、ド直球なネタ使いが出来、Middle期のHipHopにおいて、一番「濃い」時期の曲を指すように思います。

 Randomラップについては、同時多発的な側面もありますが、Ivoryのこの作品が契機になり、全世界のHipHop馬鹿にヤバさを伝えた・・・という点で認識されており、この作品の歴史的な価値もかなりあると思います。
 実際に、この作品以降、発掘活動が続き、オークションでの熱い入札合戦や、レコ屋での放出では取り合いになったり・・・と、マニア筋の間ではかなり活発な動きがあったみたいですね・・・ただ、Ivoryという言葉が一人歩きしちゃってる側面もあり、Brainfreezeと同様で、Ivoryがチョイスした曲だけ異常に高いっていう弊害もあるようです・・・


 なお、このシリーズは、2003年に第2段、2007年に第3段がリリースされ、好事家からの熱い支持のもと、中古屋では高値が続くシリーズになっています。
 昔はかなり高かった(8000円ぐらいも??)そうですが、今でも4000円近くのレア価格が維持されており、私も腹をくくって、割引を駆使して、ちょっとだけ安く買いました・・・この作品の詳細を知らなかった時は、なんでこんなに高いミックスCDなんだろう?と疑問を持っていましたが、何となく納得し、ミックステープ馬鹿として「通らないと行けない道」と割り切り、買ってみました・・・(^^;)

 また、マニアックな指摘(未確認)ですが、2001年前後にUKで発行されていたHipHop系マニア誌「Big Daddy Magazine」でP Brothersとして同誌で執筆を行ってこともあり、Big Daddy Magazineのレーベルからリリース(彼らのレーベルであるHeavy Bronxの名前も記載されていますが・・・)されたようです。
 残念ながら廃刊してしまった雑誌ですが、Wax Poeticsが発行する前からマニアックなレコードネタを扱ってた雑誌のようで、P兄弟はJazzy JayやDiamond Dなんかにインタビューを行ってたそうですよ・・・濃いね~(^^;)


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 んでは、紹介に行ってみましょう~♪ ちなみにレコ写は全部借り物です・・・買えるわけがない!

 全編に渡って、マイナーかつレアなHipHopを選曲し、どの曲もネタ感が強い「太め」なHipHopのオンパレードで、HipHopが深く好きな方だったら絶対に反応してしまう内容になっています。

 イントロでは、Diamond DとEvil Deeからのシャウトアウトから始まり、いきなりRandomモノの代名詞である「360 degrees / years to build(Pelon Records)」(写真左上)をプレイ! 
 言わずと知れた「Paul C」関連のレコで、Paul Cらしい太いドラムが堪らなく・・・未だに鬼高い作品として有名で、この辺はIvoryがプレイしたことで広まったレコードの代名詞かもしれないですね。
  
 Pelon以外にも「Cobra Mcees / The M Go」(写真右上)や「Phase n' Rhythm / Brainfood」(写真左下)なんかのような激レアアイテムから、「Lord Finesse / Keep it Flowin」(写真右下)のような有名アーティストのLPオンリー曲など、かなり「濃い」選曲になっています。
 どの曲も大ネタ使いでファンキーで・・・マニアじゃないと反応できない曲も多いですが、HipHopの「太さ」みたいのが躍動的に現れた曲が多く、今さらながら、未開の地を自身の腕で掘り進んだIvory氏の手腕に脱帽です!!
 実際にどうやって入手したかは不明ですが、きっと現地(BronxとかPillyとか)に行って掘ったんだろうな・・・DeepFunkなんかと一緒で、行動力が無いと掘れない類のレコとあって、相当な気合がないと出来ないでしょうね・・・

 実際のプレイに関しては、明確なストーリー性は無く、同ネタ繋ぎなどのマニアックな繋ぎが多少あるものの、普通なミックスに終始しており、逆にその曲を長く聴かせるスタイルでミックスをしており、選曲を通して世界観を伝えてる感じで・・・気づいたら太いHipHopの連続で首を振ってる・・・みたいな感じになっています。
 特に、Random Rapの直球である「大ネタ感の強い豪快な曲」を多くチョイスしているので、曲を知らずとも、ネタの魅力が分かる方であれば、絶対に反応できる内容になっており、意外と聴きやすいかも?

 私自身は、この手のコアなHipHopには興味がなかったのですが、大ネタ感が強いFunkyな曲が多いだけに馴染みやすく、結構好きなタイプの曲が多いことに気づき、今週は結構聞いてました。
 考えてみると、今回のIvory氏がチョイスしたRandom Rapって、MUROさんやUlticut Upsなどが好んで選曲してたタイプの曲と似ている(同じ)ので、気づいたら自分の中に受け入れる土壌があったんでしょうね・・・それこそUltimateに収録されているような大ネタ曲が連発で、気づいたら首を振ってました(^^;)


 今回、しっかりと聞いてみて、DJによる「価値観の提示」って意味であれば、この作品の方向性は大変素晴らしいものだと思いました。
 それまで無価値に近いモノを、DJのプレイによって価値を見出し、世間に広める・・・ということは早々簡単には出来ることではなく、その無価値の曲を、そのDJの経験と知識とセンスで見抜く必要があり、スキルがないと出来ない行為だと思いました。
 当然、Ivory氏に関しては間違えがなく、確実な「掘り」「耳」があるのでしょう・・・素晴らしいです!!


 最後に、作品としての総評をすると、ミックス作品としての深み(ミックスの上手さとか、選曲性とか)はそこまでないですが、価値観の提示という意味では大変価値のある作品で、この作品がリリースしたことで全世界のレコード馬鹿に刺激を与えた点を考慮すると、歴史的にも貴重な作品だと思います。
 ただ・・・普通に何も知らずに聴いたら、ちょっと平坦なミックスなので、マニア以外の方は手を出さない方がイイですかね・・・??
 
  

<Release Date>
Artists / Title : DJ Ivory 「Hear No Evil」 
Genre : HipHop(Middle、Random Rap・・・)
Release : 2001年
Lebel : Big Daddy Magazine / Heavy Bronx Records BDCD001
Notice : No Track List



おまけ <Track List>
 色々と調査をしてたら、海外サイトでトラックリストを発見! これがあったので今回の記事が書けました~(^0^) なので、ちょっと調整した上で転記しましょう♪

DJ Ivory / Here No Evil Vol.01

00. intro
01. 360 Degrees - Years To Build
02. Lazy Laz - Mystery
03. Get Wit It Productions - Are You Ready
04. Busy Boy - Classical
05. Makeba & Scratch - Ain't it Funky
06. Lightnin Lee & Poppy P - Big Time Chillin
07. Kev E Kev & AK-B - Listen To he Man
08. Bizzie Boys - Hold the Lafta
09. Cobra Mcees - The M Go
10. Supreme Nyborn - What If I Was Serious
11. Eric B & Rakim - Let the Rhythm Hit'em
12. III Most Wanted - Calm Down
13. Bolaji - Run 4 Cover
14. Sir Ibu - I'm the Peacemaker
15. Phase N' Rhythm - Brainfood
16. Raheem - I'm the King
17. Lord Finesse - Keep it Flowin
18. JVC Force - 6 Feet Back on the Map
19. Aaron Dee - Soul Power
20. Krown Rulers - Kick the Ball
21. Steady B - Get Physical
22. 2 Deep 2 Sleep - G Thang
23. Boogie Down Production - Ya Slippin'
24. MC Mitchski - Brooklyn Blew Up the Bridge
25. 45 King & Latee - Brainstorm
26. Dollar $ Bill & Cut Master KG - People Don't Know Ya
27. Live N' Effect Pposse - I'm Getting Physical
28. TDS Mob - Crushin' 'Em



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コメント
この記事へのコメント
はじめまして。
mixcdが好きなので、一年くらい前にプレ値(5,000円近くしたような)で買ってしまいました^^;  
ごつごつ、ごりごりした粗いmixなんですよね。

まだ発展途上のローカルな感じがすごくいいというか、無性に聴きたくなるときがあります。

これ聴いた後に'90sのmixを聴くと変に綺麗にまとまってるなぁってちょっとした違和感を覚えてしまいます。(もちろん'90sのほうをよく聴いているのですが)

p.s.最近このブログを見つけ、勉強させていただいております。末永く続けてもらえるとありがたいです。

2010/03/01(月) 23:58:43 | URL | mixcd #-[ 編集]
Re: はじめまして。
>mixcdさん

初めまして(^0^) おおっ、結構な値段ですね・・・私もそのくらいの値段を確かに見かけたことはありました・・・
ただ、おっしゃることは凄い分かります!! 確かに鉄板のクラシックミックスよりも「ゴリゴリ」してて、それが魅力だったりすると思います(^0^)
今回、改めて聞き直して、思ったのが、収録された楽曲の「質感」の良さだったりしたので、そういったことを書いたのですが・・・反応していただき光栄です!
今後も、ボチボチのペースで続けていきますので、お付き合いをお願い致します・・・まだまだ紹介しないと「いけない」作品が山のようにあるので、頑張ります(^^;)


2010/03/02(火) 23:59:40 | URL | mixtapetroopers #EK3m6DHM[ 編集]
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