HipHop,R&B,Soul,Funk,RareGroove,DanceClassics,Garage,House・・・など、私が気に入っているMixTape,MixCD,その他もろもろを紹介するブログです。
須永辰緒 「Organ b. Suite No,1」
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 なんか、最近は週末のみの更新ですみませんね・・・今回の作品は、色々と考えて書いたので時間がかかりました・・・ちゃんと書けたかな?

 我らの「レコード番長」こと「須永辰緒」大先生の金字塔である「Organ B.Suite シリーズ」の第一弾のご紹介です!!
 このシリーズがなかったらミックステープ文化だったり、レコード文化だったりが花開かなかった・・・ってぐらい重要な作品ですよ!!


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 まず、辰緒さんは初めて取り上げるDJなので紹介をしておきましょう・・・

 今でこそJazz/RareGroove系のDJとしてはトップDJであり、Sunaga t experienceとして各種プロデュース活動をするなど・・・割と「おしゃれ」で「静か」なイメージがあり・・・DJとしては「大人」なイメージがあると思います。
 ただ、辰緒さんに関しては、個人的には色んな意味で「ヤバい」DJで・・・そのヤバい点の一つが「レコード掘り」にあります!!

 辰緒さんは、80年代初期よりLondon Nite周辺に出入り始め、その流れからDJを開始し、Disco時代の負の洗礼(?)を受けながら徐々に頭角を現し、80年代末~90年代初期は「DJ Doc Holiday」としてHipHopをプレイ・・・実は日本のHipHopの初期において、かなり活躍をしてましたよ!!
 その後、HipHopのネタの流れからRareGroove的な旧譜ラインを掘り始め・・・現在に繋がる「レコード番長」のスタンスを実践し始め、RareGrooveやSoul、Brazilなどを誰も追いつけないレベルで掘りまくり、現在はJazzを中心に掘っているようですが・・・「レコードに人生をかけてる」姿勢がタマランですね!!

 このブログを読んでる方であれば、読んだことがある方が多いかと思いますが、辰緒さんの名著「そのレコード、俺が買う!」で繰り広げられた異常(失礼!)なまでの購入活動が象徴的です・・・読んでない方は是非読んでください・・・男の生きる道が素晴らしすぎます!!


 ただ、これだけだと「ただのレコード馬鹿」で終わりかねないのですが、辰緒さんの「掘り」に関しては、それだけで終わってない点が素晴らしいと思います。

 まず、多数のニューディスカバーを発掘し、市場に対してレコードを紹介し続けた点で・・・今回紹介するテープ作品はかなり重要だったと思います・・・このシリーズを通して、RareGrooveやFreeSoulなどのエッセンスが詰まった「旧譜」の魅力や「レコード掘り」の魅力を知った方が多いんじゃないかと思います。
 ジャンルとしては理解が難しい部類の音楽だと思いますが、その音楽の魅力を辰緒さん流に聞きやすくプレイしている点は重要で、けっこう同業者のDJも影響(MUROさんは結構影響されたみたいですよ!)を受けたと思われます。

 また、この点は意外と語られないですが、辰緒さんの掘りやプレイスタイルは「オールジャンル」な点も大きいかと思います。
 一般的なイメージだとRareGrooveやJazzなイメージが強いですが、辰緒さんの音楽趣味って、時代によって大きく変化してまして、DJを始めた頃はロンナイ直系のRock/Punk/SKAから始まり、DefJamの音にRockを感じてからHipHopにシフトし・・・HipHopのネタという側面からRereGrooveやFreeSoulを消化し始め、今のJazzに至るなど・・・面白いぐらい音楽趣味が変遷しています。
 この時点でもプレイジャンルが広いのですが、音楽に対しては「あくなき探求心」があり、それがDJミックスにも生かされ、意外な曲をカッコ良くプレイする・・・のが上手いと思います。
 極端な例だと、現場ではモー娘をかけたり、このテープシリーズでもスキャットでスピードをプレイしたり・・・していますが、これ以外にも「え?、それかけるの・・・」っていうプレイが結構あり、ヤラれます!!
 

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 あまりまとまらないですが、こういった「レコード掘り」の視点で辰緒さんのことを考えると大変重要な人物で・・・今回紹介する「Organ B. Suite」シリーズは、辰緒さんの素晴らしさを表現していたシリーズだと思います。

 このシリーズは、辰緒さんが当時プロデュースをしていた渋谷の名物クラブ「Organ Bar」の雰囲気を伝えるシリーズとして計12作リリースされており、リリースされていた頃から大変人気なシリーズでした。
 Organのプロデュースは2002年10月頃に止めてしまったようですが、今でも渋谷のレコ村文化を支えている重要なクラブで、そのクラブの名前を看板にしているだけあって・・・聴きこむとメチャクチャ濃い作品になっています!!

 辰緒さん自身も、Organのコラムで言っていますが、結構気合入れて作ってたみたいで、今でも市場では割と高値なシリーズですね・・・
 なお、写真右のように、テープ以外にもCDのオフィシャルシリーズがあったり、別注モノでDMRのノベルティーテープがあったり・・・オリジナルシリーズ以外にも色々とありますよ♪


 ただ、このシリーズにおいてまず重要なのは、リリースした時期と、結果として渋谷のレコード文化を押し上げた存在・・・という点があります。

 時代としては、レコード文化が発展をする途上であった90年代中ごろから00年代初頭までリリースされており、辰緒さんの音楽趣味の変化とともに内容が若干変わりますが・・・どの作品も辰緒さんの個性が光った作品が多いかと思います。
 特に重要なのが、市場においてミックステープがあまり流通しなかった90年代中ごろ(96年頃??)よりリリースをしている点で、市場やリスナーに対してRareGrooveなどの「レコード音楽」の素晴らしさを伝えてたり、ミックステープの面白さを広めた点です。

 90年代中ごろは、海外もののテープや、新曲ミックスなどのテープはボチボチありましたが、DJの個性が光った作品はあまりなく、今回紹介する辰緒さんの作品はドストライクで・・・MUROさんのテープと同様に、テープを聞いて後続達が真似をしたり、勉強をしたり・・・いわゆる「波及効果」は強かったと思われます。
 このシリーズを聞いて、ミックステープの面白さを知ったり、レコード文化の素晴らしさを知ったり・・・エポックメイキングとしては間違えないシリーズだと思います。

 特に、一目で見て圧倒的なインパクト(お洒落という意味で)があるジャケットは素晴らしく、言わずと知れた「アニエス・ベー」のサンプリングですが、このジャケットに引かれてテープを買い・・・そしてレコード業界に踏み込んだって方は結構多いと思います。
 MUROさんのテープもそうですが、ジャケットのカッコよさは重要で、何も知らない人たちに興味を持ってもらえるほどの「求心力(特にレコード業界の外に向けて)」があり、かなり敷居は高いですが「入口」になったシリーズと言っても過言ではないと思います。


 つまり、クラブ文化だったり、レコード文化だったり、黎明期だった90年代中ごろにおいて、これらを後押しした数少ない作品でありつつも、須永辰緒という誰にも比類しない個性(=レコード番長!)が発揮されたシリーズがこの作品になります。
 辰緒さんの個性なりDJの面白さは、今後の作品紹介を通して紹介をしていきますが、今となってはイイ意味でボーダーレス化が進んだHipHopリスナー(なんでも聞くよって意味でね)に対してはかなりお勧めですよ・・・私自身がそうなのですが、かなりヤラれてます!!


 んでは、口上が長くなりましたが、早速作品の紹介です~♪


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 いきなり、上のレコ写を見て「おっ」と思う方は多いかと思います・・・だけどちょっと待っててね(^^;)

 第一作目であるこの作品は、おそらく96年くらいにリリースされた作品で、ちょうどOrgan Barが開店して暫くしてリリースされた作品のようです。
 Organ Barは95年11月にオープンしたので、そのあとぐらい・・・ということは96年ですかね??

 当時の雰囲気は分かりませんが、今と同様、RareGrooveやJazz、SoulやFunk、そしてHipHopや和物など・・・レコードを念頭に置いたDJ達が、ジャンルを超越してプレイしてるクラブ・・・という点はオープン時からあったのかな~と思います。
 そんな雰囲気を集約してるのが・・・この辰緒さんの作品になり、辰緒さんやOrganBarのステレオタイプなイメージを持ってると・・・・間違えなく打ちのめされますよ!!


 まず、選曲面の話ですが・・・聞いてる限りはジャンルの壁を感じさせないのですが、調べれば調べるほど広く、当時のOrgan Barを彩っていたであろう名曲揃いです!!

 選曲の中心は旧譜のレコードで、RareGroove/Soulっぽい範疇であれば「Milton Wright / Keep it Up」とか「Alice Clark / Never did I Loving You」などのような今となっては定番作品がプレイされています・・・
 今でも高額なレコードが多いですが、当時はもっと高かっただろうし・・・変な話、辰緒さんがこの作品で紹介したことで一気に広まったレコードも多く、RereGroove系のレコードに関しては、ニューディスカバー的な側面で大変重要な役割をしたと思います。

 特に写真左の「Norman Jay / Hippness」は、オルガンクラシックとして広がった曲として有名で、旧譜ではないですが象徴的だと思います。
 写真はリプレスですが、全く無名だった曲を広めることが出来る選曲眼と求心力が辰緒さんにはあり、かつ時代もこういった曲を受け入れられる態勢になっていた・・・そんなタイミングもあったのかもしれないですね。


 ただ、ココだけで終わらないのが辰緒さん・・・ジャンル外のレコードもバシバシプレイしてて、HipHopなりRockなり和物だったり・・・意外な選曲にヤラれます!!
 
 HipHopであれば、イントロで「Take 6 / Spread Love」のビートブレンドの曲から始まり・・・Eric B & Rakimをプレイしたり、大名曲である「Buddha Brand / 人間発電所」をプレイしています!!
 写真(=私の手持ち)は再発で、テープではオリジナル12inchの方でプレイをしていますが・・・これにはビックリする方が多いんじゃないですかね?

 Buddhaに関しては、当時からOrganでヘビープレイされてたようで、辰緒さんが監修をしたレコードガイド「Double Standard」でも取り上げられていました・・・辰緒さんなりOrganが初期の段階からボーダーレスな姿勢でいるのが分かります。
 また、レアな話だと、DevLargeは実は辰緒さんとは旧知の中で、辰緒さんがDoc HolidayとしてHipHopをプレイしてた90年代初期の頃、当時プレイをしていたトゥールズ・バーやミロスガレージに、一時帰国してたDLが、DS455のKayzabroさんに連れられて通っていたようで・・・その流れがあり、帰国後にリリースした人間発電所が辰緒さんに渡った・・・とも思います。

 なお、辰緒さんとHipHopってあまり語られませんが、80年代末~90年代初期のHipHop業界においては結構重要な人物で、MUROさんとかYouさんとか・・・もうちょっと後になってHipHopを引っ張っていく人物達が辰緒さんの元に集まり、修行じゃないですが、地下活動をしてたんですね・・・
 詳しくは「こちら」を読んでいただければと思いますが・・・もっともレアな話題は、あのBoy-Kenが辰緒さんのレコード持ちをしてたんですね!!

 
 このBuddha以外にも、Rockであれば「The Cure」をプレイしたり、和物であれば「桑名晴子」だったり「山下達郎」だったり・・・幅の広さにヤラれます!!



 んで、今度はミックスの話をしましょう・・・

 ミックスに関しては、似てるジャンルの曲を繋ぎつつ、気づいたら色んなジャンルをプレイしてる・・・みたいな感じで、ジャンルの壁を感じさせない「一体感」があるかな~と思います。
 この作品に関しては、割りとミッドテンポの曲で統一しており、クラブのピークタイムの選曲ではないかな~と思いますが、気持ちよく踊り続けられる感じ・・・で、流石のプレイですね。
 また、ミックスの流れにおいては、要所要所でアクセントのある曲を挟んでいるので、選曲の流れにメリハリがあるのもポイントで、明確なミックスのストーリー性は無いですが、何度も聞いてると、かなりクセになるミックスかと思います。

 辰緒さん自体は、DJの技術がメチャクチャ上手いわけではないと思いますが、自身がもつ「選曲」を上手く活かしながらプレイしてる感じで・・・この文章を書くにあたり何度も聞いてたらやっと良さに気付きました(^^;)
 ただ、利き方によっては地味に聞こえちゃう流れも多く・・・レコードの知識があればイケるけど、知識がないと結構キツイかもしれないですね~



 んなわけで、紹介を終わりますが、いや~上手く書けないな~(^^;)

 私があんまりRareGroove方面に知識がないので、HipHop的な視点で書いてみましたが、RareGrooveやJazz的な視点で書くと・・・もっとイイ文章になるはずです・・・

 ただ、これだけは言いたいのが、この作品は日本における「レコード文化/クラブ文化/ミックステープ文化」の基礎を結果として作った作品だということで・・・MUROさんの作品と同様な価値があると思います。
 HipHopサイドの人間がMUROさんの作品を聞いて影響を受けたように、RareGroove/Jazz系の人たちも辰緒さんの作品を聞いて影響を受け、レコードを掘り始めたり、クラブ活動をしたり、ミックス作品を作り始めたり・・・そのシーンの起爆剤になったことは忘れてはいけません。

 このテープに関しては、無理して掘るほどではないですが、もし機会があれば聞いてみてください・・・私と同年代ぐらいのHipHopリスナーであれば、結構ヤラれるはずですよ!!
 この作品ではないですが、このシリーズの他の作品がCD再発されるようで、そのうちこの作品も再発されるかもしれないので、機会があったら聞いてみてね~♪




<Release Date>
Artists / Title : 須永辰緒 「Organ b. Suite No,1」 
Genre : Soul、RareGroove、Jazz、Rock、Reggae、Brazil、FreeSoul、HipHop・・・
Release : 1996年
Lebel : Organ Bar No Number



ps この黒の作品、新宿にユニオン(クラブ館)で2000円くらいで売ってるのを先週久しぶりに見かけました~♪ まだ残ってるかな?? 欲しい方は探してみてね・・・ただ、なかったらすみません(^^;)





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コメント
この記事へのコメント
何か最近忙しくて…記事を読んではいるもののコメントまでする気力がありませんでした……。
ただこの作品に関しては書かせてもらいますよ!

『オルガンバースイート』!!
やっと来た!!
ぼくがオリジナルで持ってるのは9だけなのですが、未だに伸びない様に気を使ってたま~にラジカセで聴く、大切なテープです。
“表の小西 裏の須永”
と言うように、フリーソウルと言いますか、日本人的なごった煮な視点でいいブラックミュージックをチョイスする、っていうコンセプトを打ち出していた作品ですよね。けっこうなアンダーグラウンドな立場で。
だからCDで“公式リリース”されたやつはあんまり好きじゃなくて(もちろん発売されたその日にWAVEで買ったけど)。
『レコード番長』の深い音楽知識を活かした“何でもアリ”な選曲が殺されてるなぁ、と思った(収録楽曲の権利などの関係で)。
やはりこれは“ミックステープ”だからこそ成し得た偉大なる作品なのでしょう!!

個人的に高一の頃の、あの
“夜遊びがドキドキしてたまらなかった”
気持ちを未だに思い出させてくれる、素敵な素敵な作品です♪

※ボイケン氏は、当時タツオさんと同じアパートに住んでたらしく、芸名もタツオさんがつけたそうです。
2010/06/07(月) 22:47:02 | URL | ソロバン #JalddpaA[ 編集]
Re: タイトルなし
>ソロバンさん

いつも書き込みありがとうございます!!
コメントは気が向いたときで大丈夫ですよ(^0^)
私の更新自体が気が向いたときにしか更新しないので・・・(^^;)

ただ、まさか辰緒さんに反応するとは!! ソロバンさん、さすが守備範囲が広いですね(^0^)

辰緒さん流と言えば・・・それまでなんですが、ホント懐が深いというかオリジナリティーというか・・・辰緒さんのDJって凄いですよね!!
まさに「ミックステープ」でないと成立しない世界なので、いつかは紹介しようと思ってたんですが・・・なかなかフルコンプ出来なかったのと、私の中で考えがまとまらなかったので紹介が遅れました・・・(^^;)

辰緒さんのテープ作品は、今後も紹介していきますね♪
今後ともよろしくお願い致します!!

ps 「夜遊びがドキドキしてたまらなかった気持ち」って素敵な言葉ですね・・・今は皆無になっちゃいましたね(^^;)





2010/06/07(月) 23:58:04 | URL | mixtapetroopers #EK3m6DHM[ 編集]
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