HipHop,R&B,Soul,Funk,RareGroove,DanceClassics,Garage,House・・・など、私が気に入っているMixTape,MixCD,その他もろもろを紹介するブログです。
Danny Krivit 「Salsoul Mix」
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 久しぶりな書き出し方ですが・・・遂にコレを紹介する時がきました!!

 もし「無人島にもっていきたいミックス作品」というお題があるなら、真っ先に思い浮かぶ作品がコレで、個人的なミックス作品ランキングでは常にトップ5圏内な作品のご紹介です!!
 Discoの王道とも言うべき「Salsoul」レーベルの音源を、我らのDanny Krivit大先生がミックスした作品で・・・ホント大好きな作品です!!

 も~、好き過ぎて、本当にこの作品の魅力を紹介出来るのかが不安で・・・毎度の如くサボってましたが、収録曲が全てオリジナルのレコで揃えられましたので一念発起で紹介します・・・
 基本的にはGarage/Houseラインの作品ではありますが、これほど高レベルなミックスはなかなかなく、色んな方に是非聞いてもらいたい・・・そんな作品だと思います(^0^)

 これに関しては、ホント細かいところまで紹介したいと思うので、いつも以上に気合を入れて紹介をしたいと思います!!





< Salsoul について >

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 まず、Salsoulについて詳しく知らない方も多いと思うのでSalsoulの説明から行きたいと思います。

 Disco/GarageやHouseが詳しい方なら分かると思いますが、Salsoulは70年代中期から80年代初期まで運営をしていたNYのDisco系レーベルで、その独特の音楽観や楽曲の良さから、現在でも愛され続けているレーベルです。
 詳しく知らない方でも、上に貼りつけたロゴや、ケツ出しネーちゃんの写真なんかは見たことある方は多いかな~と思います・・・いいケツしてますね(^^;)

 楽曲的には時期によっても異なりますが、総じて音楽的に豊かでダンサンブルな楽曲を多数リリースし、常に「ダンス」が中心にあったレーベルで、クラブ/DJ文化においては歴史的に大変重要なレーベルだと思います。

 例えば、商業用に初めて12inchのシングルをリリースし、DJ業界において12inchという存在を広めたのはSalsoulだし、積極的にWalter GibbonsやLarry LevanのようなDJをリミキサーとして起用し、クラブで機能する楽曲をリリースしたり、何よりもクラブで踊ってて感動や躍動を与える素晴らしい楽曲を多数リリースしたり・・・現在のクラブシーンにおいては大変重要な存在になります。
 Houseの現場なんかだと、現代的な4つ打ちの楽曲に混じり、普通にSalsoulの曲がプレイされ・・・私なんかは踊りながら大声で歌ったり、踊り狂ったりしてますね(^^;)

 またHipHopシーンにおいても、70年代末位のオールドスクール時代では、Salsoulの楽曲のブレイクの良さが買われ、いわゆる「Breakbeats」として珍重されてたり、MUROさんのようにHipHopラインでプレイされたり・・・HipHopファンなんかでも好きな方は多いと思います。


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 んで、私に関しては・・・このブログを長くご覧になられてるのであれば分かると思いますが・・・大好きです!!

 ガキの頃は分かりませんでしたが、20代前半にダンクラが好きになり、段々とダンクラやDisco系のオリジナル12inchを買うようになってからのお付き合いですが・・・今となっては無くてはならない存在かもしれないですね。

 レコードは気づいたら結構持ってるし、まだまだ欲しいレコードも沢山あるし・・・何よりも好きな曲が多く、クラブなどでかかると喜んで踊っております(^0^)
 も~、どの曲がイイとは言い切れないですが、自分の音楽観の中で、今となっては一番「血と肉」になってるレーベルと言っていいほどなので、Salsoulの曲がプレイされると、気づいたら踊ってる自分がいます!!


 また、Salsoul好きを助長させたのは、このブログの基礎たる「ミックス作品」で、素晴らしいミックス作品が多く、それを聞いて更に好きになった・・・そんな流れもあります。

 Salsoulというレーベル単位で、かなりの楽曲がリリースされていることや、ジャンルを問わずにプレイされ続けているのでミックス作品が作りやすい環境があったのか、かなり良質なミックスが多いです。
 House/Garage/Disco系だと今回のDannyDimitriなんかが出してたり、HipHop系だとDJ Grandmaster FlashUlticut Ups!、R&BだとDJ Komoriなど・・・ホント凄腕DJ達の作品が多く、かつそのDJの個性がしっかりと生きた作品になっており、ミックス作品としてもヤバいのが多いですね!!

 個人的には、このブログのポリシーの一つである「DJミックスすることで楽曲が更に光る」という点が機能することが多く、作品を聞いて好きになった曲は多いし、知らない曲でも何度も聞いてるとその良さに気付かされたりして、かなり影響を受けたと思います。
 特に、DJによって「切り口」が違うので、その差異がまた面白く・・・同じ曲でもプレイの仕方で印象が全然違ったりしてくることもあり、色んな「印象」が聞けて面白いな~と思ったりしてます。


 まあ、とにかく私は好きで好きでたまりませんが、DJ業界においては「かなり重要」なレーベルであることには間違えなく、お世話になってない方はいないんじゃないか?と思うほどです!!

 ちなみに、今まで紹介しなかったのもアレですが、先ほどチラッと紹介したミックス作品は、どれも紹介に値するので、今後、絶対に紹介したいと思います(^0^)





< DJ : Danny Krivit >

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 そんなわけで、私のドストライクなSalsoulをDJミックスするのが・・・これまた私の大好きなDJである「Danny Krivit(ダニー・クリビット)」です!!
 多分、今までのクラブ遍歴の中で、一番パーティーに踊りに行ってるDJで、写真右に今まで行ったパーティーのフライヤーを並べてみましたが結構行ってますね・・・これからもズーッとお世話になりたい御方です(^0^)

 
 Dannyのことは、何度かクラブへの出張報告で触れていますが、実はミックス作品の紹介は初めてなので、改めて説明したいと思います。

 ダニーさんはNYに在住するHouse/Garage系のDJ/Producerで、DJキャリアはなんと40年オーバー(!)という超ベテランで、現在も様々なクラブでロックしているお方です。

 キャリアのスタートは、ダニーさんのお父さんが経営してたBarで70年代初めにDJをし始めたのをきっかけにスタートし、70年代のDiscoシーン、80年代のGarageやHipHopシーン、90年代以降のHouseシーンを常に現場でプレイし続け・・・DJ業界的にはある意味「生き字引」的なお方かと思います。
 ただ、Danny自身は、ある意味「職人」的な人で、裏方にいることが多く、DJキャリアの中で表舞台に出ることが少なかったのですが、90年代中期より始まった「Body & Soul」のメンバーとして活動をしたことがきっかけで、世界的に知られるようになり、現在のワールドワイドな活動になってる・・・と思われます。


 スタイル的には、今となってはNY直系の「Deep House」が得意分野になると思いますが、常に観客を踊らす燻し銀のプレイが素敵ですね・・・派手な展開は好まず、しっかりとグルーブを作り、頃合いのいいところでボムを入れてくる・・・みたいな感じですかね??
 踊ることを目的にクラブに来る人なら分かると思いますが、とにかく「音で包んでくる」感じが上手く、気づいたらズーッと踊ってるってことが多いっすね。
 
 また、Dannyの場合はとにかく引き出しが多いのがポイントで、それにヤラれてる方は多いかと思います・・・特にグッとくるのが「クラシック系の選曲」で、クラブなどで踊りながら聞いてるとホントいいタイミングで入れてくるので、たまに泣いちゃったりもします(^^;)

 DannyのDJを聞いてて驚いたのが、現代的なHouseと違和感なく昔のDiscoの曲なんかを混ぜてくるのですが、それが全然違和感がなく、むしろメチャクチャカッコよくプレイするんですよね・・・私もHouseの現場に行ってこういうことが驚きでしたが、Dannyの場合は、その曲が普通にリリースされた頃からプレイしてるのもあるので、説得力が違う・・・って言うのもありますね。
 特に感じるのが、その「音楽愛」で・・・プレイを聞いてると「本当にこの音楽が好きなんだな!」っていう感じが伝わり、DJの素晴らしさを教えてくれる数少ないDJなのかな~と思ったりしています。


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 そう、Dannyって「音楽愛」にあふれる人で、それはDJ以外の側面でも広く生かされております。

 Dannyのもう一つ有名な側面としては「エディット職人」であり、既存の楽曲のいいところを更に引き延ばし、その曲が更に光るようなエディットをすることが有名で、コッチの活動の方が知られてる場合が多いかもしれないですね。

 今となっては様々なエディット作品をリリースしていますが、80年代初期より匿名に近い形(Mr.K)で活動を開始し、写真右の「Feelin' James」のような傑作エディットを多数リリースしています。
 コレなんかは、HipHopが好きな方なら知ってる方もいると思いますが、Danny自身は80年代はHipHop系DJもやっていた(Danny Rockとして)時期もあるのでこういうのも作ってました・・・Dannyを知らなくても意外とお世話になってたことが多いかもしれないっすね??

 ただ、Feelin' Jamesは直球ではないのですが、Dannyのエディットの場合は、とにかく「その曲の良さ」を引き延ばすことに長けてて・・・なおかつ「クラブ」で聞いたら最高な展開にしてくることが多く・・・その辺はDannyの音楽愛の賜物かな~とも思います。
 ド定番な「Love is the Message」のエディットなんかがそうだと思いますが、その曲が良いが故に、更に良くしたい・・・そんな気持ちがあってエディットしてるのが感じられ、現在のリエディットブームの中において「良心」としたいスタンスが堪らないですね!!


 そんなわけで、裏方時代が長かったDannyさんですが、素晴らしき音楽愛を今でも伝播させています・・・

 Dannyを表する言葉としては、あのFrancois Kをもってして「自分を唯一惨めな気もちにするDJ」と言わせ、また故LarryLevanからは「Dannyほど美しく優しいスイートな世界をクリエイト出来るDJはいない」と表現され、私もDannyのパーティーに行けばいくほどその言葉が分かるような気がしました。
 特にLarryが言った「美しく優しいスイートな世界」が正にそうで、現代でもLarryが培った「Garage精神」をプレイし続けている姿は頼もしく、これからも活躍して欲しいDJだと思います。





< 作品の紹介 >

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 んでは、やっと作品の紹介に行きましょう!!

 この作品は、前途しましたが有名Disco系レーベル「Salsoul」の音源のみを使用してミックスした作品で、2003年3月頃に日本企画としてリリースした作品です。
 ちょうどこの時期に、Larry関連のコンピ(Larry Levan's Paradise Garage)がリリースされたこともあり、Larry/Garageの醍醐味や魅力を最大限に引き出せれば・・・という意図があり企画されたようで、あのヒサ・イシオカさん(King Street Sounds)の企画/コーディネートで実現されたようです。

 私自身は、かなり後に中古でコレを購入しましたが、いざ聞いてみての感想は・・・Dannyが作って間違いなし!でした。

 Salsoul、そしてGarageの魅力である「ダンス」「感動的なグルーブ」といった課題を見事に表現し、それどころか定番を外した選曲だけで作っちゃうところとか、要所要所で表れる渋いプレー愛のあふれる展開など、流石Dannyと言わんばかりの内容だと思います。
 この論拠を説明したく、今回、あえて前文に彼のバイオを入れたのですが、Dannyの個性と経験が裏打ちされた作品かと思います・・・


 以下では、この作品の深さを紹介したいので、1曲ずつ収録曲を紹介しながら、どういうミックス/選曲になってるのかを紹介したいと思います。
 特に、今回の説明においては「クラブで踊る」という点を主眼にしたいと思いますので、そういったことを交えながら紹介をします・・・

 なお、レコ写真が意外と見づらいっすね・・・ごめんなさい(^^;)


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 イントロでは「Double Exposure / Everyman」のアカペラ使いから「The Salsoul Orchestra / Getaway」へミックスし、印象的、かつ華やかにスタートしていきます。

 インフォによると「Double Exposure / Everyman」は、盟友であるJoe Claussellが写真上左のオフィシャル・エディット12inchを作る時に作ったと思われるアカペラミックスを譲り受けてプレイしたそうで、Danny自身もフェイバリットで、自身のエディットをリリースしてる有名な曲ですね。

 そこからEarth, Wind & Fireのカバーである「The Salsoul Orchestra / Getaway」にミックスしていくのですが、Getawayのイントロのコンガブレイクを上手くアカペラに噛ませ、助走をしながらGetawayの壮大なフォーンセクションに進むのが上手いっすね!
 Dannyらしいファンキーさを出しながら、序盤なのでゆっくりとした展開にしてるのが分かり、ダンサーたちがウォーミングアップしてる姿が想像出来ます(^0^)


 その後はSalsoul的にはRapper Dapper Snapperがお馴染みな「Edwin Birdsong / Win Tonight」を選曲・・・この辺からDannyらしさが出てきます。

 この作品ではあえて定番を外し、あまり知られてない曲や、有名な曲の意外な部分を使用することが多く、Dannyが定番曲で安直に盛り上げない・・・みたいな意気込みが感じられ、Dannyの持ち味やキャリアが生かされた内容になっているからです。
 実際に現場でもDannyのDJは安直にはクラシックを入れないことが多く、Houseの醍醐味(?)である「焦らし」をすることが多いのですが・・・知らない曲でもグルーブで踊らせてしまうのはDannyの醍醐味ともいえ、地味に踊らせてくれる時間が好きな方も多いかと思います。

 Edwinの選曲も序盤らしくロービートながらステップが踏みやすい展開を選んでおり、Getawayよりも若干照明が落ちた中で煌びやかに踊らせてくれる・・・そんな感じですかね??
 また、選曲自体もド渋で、シングル曲のB面からのプレイになりますが、こういうチョイスはホント上手いですね!!


 んで、その後は「使い方」が渋く、Edwinのロービートな展開を受け、大名曲である「Instant Funk / I Got My Mind Made Up」のブレイク部分に繋いでいきます!
 
 HipHopがお好きな方なら「De La Soul / Saturday」ネタとして有名なアッパーチューンですが、これの間奏のブレイク部分を使用し、決してアッパーな展開ではない前曲のダンス性を維持しながら、次の展開に持っていくのが上手いっすね!
 次の曲や、それ以外でもあるのですが、有名曲の「意外な部分」を使ってくるのも秀逸で、普通に聞いてたら気付かない・・・そんな上手さがありつつも、しっかりと踊らせてくれるのが素敵です。


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 んで、その次には80年代を彩ったグループである「Aurra / Such A Feeling」の12inchB面に収録されたDubバージョン的な部分を使用・・・この辺も12inchを買って意外なところからプレイし始めてるのにはビックリさせられました!
 
 流れを耽美な展開にしたく、一度Instat Funkのブレイクをかませ、Aurraを印象的にロングミックスをしていくのが上手いですね・・・フロアーの照明が段々と暗くなり、紫色の光が似合いそうなDeepな展開に落としていくのが上手いです(^0^)


 また、面白いのが、この辺は大半がボーカル曲なんだけど、ボーカルを外した「準インスト曲」としてプレーしてるんですよね!!

 実は最初のGetawayからそうなんですが、直球なボーカル曲はプレイせず、ボーカルが薄くのっている曲/ボーカルが抜けてインストになってる部分を使用し、ダンサーに踊りやすい展開をしており、流石「現場を分かってる」展開ですね(^0^)
 以前、無駄に力説した「DJ Crystalさんの和物ミックス」でも書きましたが、インストをあえてプレイすることで、ダンサーを淡々と踊らし・・・次への展開で盛り上げるべく「あえて盛り下げる」意図があり・・・かなり計算して作ってるのが分かります!!


 そんなインストで淡々と踊らせ、耽美な流れを作ったところでムーディーなシンセリフのロングミックスで「Surface / Falling in Love」にミックス・・・知らない曲でもこの展開にはグッときますね!!

 曲としては、後にHappyで大ヒットしたSurfaceのデビュー曲と言われる曲で、NYらしい耽美でダンサーな歌モノで、私もDannyのミックスで一発で好きになりました(^0^)
 実際には、Dannyのエディットが施され、大胆な展開というよりも、良い部分だけを素直に伸ばした感じのエディットでプレーされ、曲の持つグルーブに気持ちが高揚してきます。


 展開的にも、インストっぽい曲であえて地味に攻めていたので、こういう華やかな曲をバシッと入れてくるとフロアーが盛り上がるし、何よりもこの曲がキラリと光らせるのは流石です!!
 この辺は曲の配置が上手いな~と思ってしまうのですが、地味に踊らさせる展開で攻めつつも、徐々にこの曲へ導くためのグルーブ作りをしており、ここで爆発させる辺りは、まさに「DJミックスをすることで曲が光る」の体現だと思います(^0^)


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 そんな小盛り上がりな展開で、更にグルーブを引っ張る過程でチョイスしてくるのが「First Choice / Love Having You Around」というLPオンリー曲です!!

 Surfaceの展開を受け、地味目なんだけどグルーブのあるボーカル曲をプレイしたいところで・・・非シングル曲を選んでくる辺りは流石ですね!!
 この作品では、非シングル曲を選曲することもポイントで、随所で選曲してるのですが、ホント音楽をしっかりと聞いてますね・・・素人となるとLPの隅々までチェックすることは出来ず、こういった点なんかがDJの優位性になるのかな~とも思います。

 展開的には、それまであえて低空飛行をしてた展開をSurfaceで高度を上げて盛り上げ、そのテンションを維持しつつ、次の展開に持っていくためのブリッジ的な選曲で、相性の良い歌モノで繋げて、しっかりと踊らせる展開になっています。
 特にSurfaceの持っていた「優しいグルーブ」を上手く展開してる感じがイイですね・・・Surfaceが紫や青色のらいとでフロアーを包んでいるのであれば、この曲になることで段々と暖色系のライトが入ってくる・・・もちろん次への展開込みで上手い選曲です。


 そして次の曲はJocelyn Brownのボーカルが冴えた名曲「Inner Life / Moment of My Life」にミックス・・・フロアーがSalsoulらしく華やかになりますね!

 First Choiceをあえて「ブリッジ」にすることで、華やかでダンサンブルな展開に持っていくのが上手すぎですが、フロアー的にも綺麗にテンションを引っ張ってくれるのが気持ちよく、ステップが段々と早くなっていきます・・・

 そしてなによりも嬉しいのが「歌」じゃないでしょうか?

 正直、このミックスにおいては山な部分ではないのですが、Salsoulらしいパワフルな歌が聴けるのは心強く、踊っていて安心する自分がいます・・・
 Salsoulが特にそうなんですが、ボーカルを取るJocelyn Brownだったり、Loletta Hollowayだったり・・・とにかく腹の底から出る歌声にヤラれ、フロアーで聞いてると一緒に高揚する感じがあり・・・それが好きなですよね。
 
 このミックスにおいては定番をあえて外してるので、そういう歌モノも綺麗に外してるのですが、やっぱり魅力の一つなので、ココであえて入れてきてるのかな~と思うと、上手すぎですね・・・
 今までのミックスの流れだけでも、House的なダンス性を重要視してるので、あえて過度な歌モノを避けているのが分かるかと思いますが、ギリギリのラインの歌モノを入れてくる辺りにグッときます(^0^)


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 んで、段々とグルーブを上げていく中で、Inner Lifeのビート感を引っ張っていく形で「Candido / Dancin' anda Prancin'」にミックス!
 
 CandidoだとJingoやThousand Finger Manを選択しがちですが、あえてB面曲を持ってくる辺りは流石で、照明はまた暗くなっていきますが、淡々と踊らしてくれる感じでクールダウンしてくれるんだけど、何か熱いグルーブを感じるのがイイですね・・・
 前半のインストタイムでもこういう展開がありましたが、BPMが早くなってるのと、明らかに次の展開を意識した選曲なので、なんか期待しながら踊っちゃう感じがありますかね~


 そして、Candidoで淡々とステップを踏んでいたら、いきなりSalsoulらしい熱い歌声が聞こえます・・・昨年、残念ながらお亡くなりになられた「Loleatta Holloway / Dreamin'」を熱く突っ込んできます!!
 それも、グッとくるのがLPオンリーのこの曲の、後半から始まる熱い部分のみをプレイしており、ホントDannyは上手いな~と思うチョイスですね!!

 展開的には、Candidoで場面転換を行いつつも、ビートの勢いはあるので、そのまま踊らせて、この曲で再加熱する感じで・・・ピークタイムへの階段を急激に登り始め、聞いてる方もテンションが上がりますね~

 んで、更に上手いのが、最後にアカペラで「♪Stand up and tell everybody I got him・・♪(私は彼を捕まえたのよ!的な歌詞)」と歌ってる部分をループさせながら次の曲プレイします・・・


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 そのアカペラのループの中でミックスしてくるのが、大名曲である「First Choice / Let No Man Put Asunder」です!!
 
 アカペラの上で、First Choiceのイントロリフが聞こえてくるのは鳥肌モノで、First Choiceに切り替わった瞬間のブレイクの凶暴さと言ったら最高ですね!!

 また、ここでの前曲のアカペラからこの曲に繋いでくるのが実は意味があり、First Choiceもサビで「♪What has been joined by God by God~、Let no man put asunder~♪(神様が私たちを結びつけたんだから、絶対に離れちゃダメよ・・・かな?)」と歌っるので、実は歌詞繋ぎもしてるんですよね・・・スゲーよDanny!


 んで、もっと凄いのが、この曲はDannyお得意のエディットが炸裂してて、これがグッときますね!!

 結論からいくと、もはやキラーチューンと行ってもよいFirst Choiceを、あえてピークにしないためのエディットで、現在のディスコダブ的な遊び方がありつつも、圧倒的なグルーブで段々と上げてくる感じは流石です。
 それも、Dannyにしか出来ないのが、この曲は3種類のミックス(Frankie Knuckles, Walter Gibbons, Shep Pettibone)があり、その3種のミックスからいいところを抜いた・・・レジェンドに敬意を博したエディットになっており、Dannyの「愛」を感じざるを得ないですね!!

 このエディットを聞いてると、歌詞もさることながら、楽曲のインスト部分の勢いに呑まれる感じで・・・気づいたら我も忘れて踊り始め、いわゆる「音にハマる」感じになりますね・・・
 熱いドラムも、暴力的で美しいベースラインも、そして彼女たちの声も楽器の一つになり・・・なんかクラブとかで聞いてると音と体が一体化するようなエディットでグッときます・・・


 そんな素晴らしいエディットは、最後の方になると「♪It's Not Over ♪」とアカペラが繰り返しながら一音ずつ楽器が消えていき、最後はアカペラとバスドラのみになります・・・きっとフロアーは真っ暗だけど、フロアーでは歌詞を合唱してるでしょう・・・
 そしてアカペラが切れそうになったと思ったら、First Choice同様の暴力的で美しいベースラインとバスドラがミックスされ・・・真っ暗闇なフロアーに光が差し込みます・・・Salsoulの裏クラシックとして名高い「The Salsoul Orchestara / 212 North 12th」をプレイです!!

 
 もー、今回の紹介はこの展開を書きたかったので文章が長くなったともいえるのですが、ホント震えるほどカッコいいミックスです!!

 First Choiceのアカペラと、212のベースライン&バスドラをかなりのロングミックスでプレイしてきますが、そのハマり具合が最高で、212のスピード感を更に助長させる効果があり・・・これは神が下りてこないと出来ないミックスだと思います!!

 Dannyはこの曲をピークにするべく、全てを選曲してたようで、前曲のFirst Choiceもこの曲を光らせる為にエディットしたんじゃないか?という具合で、こういう盛り上がってるところでビートレスになり、一気に盛り上がる展開は堪りませんね!!
 多分、これをフロアーで聞いてたら、一心不乱で踊っている・・・そんな姿が想像出来、この展開を作ってしまうのには頭が上がりません(^0^)


 こういうブログを書いてるのであえて書きますが、色んなミックス作品を聞いてて思うのが、効果的なピークタイムを作れるDJって意外といないな・・・と思います。
 現場でのDJプレイでもそうですが、パンチラインがない選曲って言うんですかね・・・ただ曲をプレイしてるだけで、選曲自体にメリハリがないのが多く、全体的な感じはイイんだけど、展開が乏しい作品って結構ありますよね。

 その限りにおいて、Dannyのこの展開は教科書的でもあるんだけど、誰にも越えられない内容になっており・・・DJミックスが既存の音楽の壁を突き破る証拠にもなってるのかな?と思います。
 
 それも、この曲は、Salsoulの中では決してメジャーではない曲(非シングルカット)で、コレでピークを作ろうとするDannyの心意気にもグッときます!!
 普通に聞くと正直地味な曲でもあるのですが、このミックスを聞いてしまうと印象がガラっと変わり、強力なダンスグルーブの虜になります・・・私も大枚はたいてプロモ盤の2LPを買いましたよ!!


 これを「Garageスピリット」とくくってしまうのは難しいところですが、DJのマジックを感じるミックスで・・・このマジックにかからない人もいるかもしれないけど、ミックス作品においては最高峰のミックスと言いたいです!!


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 そんな大盛り上がりな展開を受け、上げ上げのグルーブを維持してプレイするのが「Ripple / The Beat Goes On And On」で、ベースラインなりドラムのグルーブなりを完全に読み切った選曲で、これも溜まりません!!

 曲自体も大好きな曲ですが、前曲よりも華やかな展開で、照明も更に明るくなる感じですかね・・・みんながニコニコし始め、疲れを見せない朝型のフロアーな感じが大変良いです!!
 特にFirst Choice以降は「ベースライン」を意識した選曲が目立ち、音の良いクラブで聞いてたら、その波に気持ちよく翻弄されそうな感じで、こういったチョイスも上手いですね!!


 んで、最後はRippleのグルーブを引き継ぎ、展開チェンジなかんじで「The Salsoul Orchestra / How High」にミックス・・・アバンギャルドな感じで、フロアーがまた暗くなるけど、踊る足は止まらず、曲の展開一つ一つにヤラれ・・・終わりに近づくと、次の展開を期待しつつこの作品は終わります(^0^)

 優れたミックス作品は、終わりも良くって、終わった後は何がプレイされるんだろう・・・みたいのがあると、思います。
 今までもこの表現を何度か使ったことがありますが、ほんとこの後のミックスも気になる終わり方で、この辺も上手いですね!!





< 作品紹介のまとめ >

 かなり整理して書いたつもりでしたが、あんまりまとまらなかったな~(^^;)

 個人的な思い入れもあるので、かなり熱く書いてみましたが、ホント「良いミックス作品」なので、この文章を読んで興味を抱いた方は、この作品を聞いてみて頂ければ幸いです。

 一応、まとめておくと、以下の点が秀逸だと思います。

 ①圧倒的な展開力、感動的なストーリー性
 ②男を感じる珠玉の選曲
 ③素晴らしいDJミックス


 多分、DJミックスという行為を分割すると、上記の3つに集約されると思うのですが、その全てが秀逸で、そこらへんのミックスCDが束になっても勝てない世界があると思います。
 特に凄いな~と思ったのが、現場だとアイソレーターなどでお客さんを煽ったりすることが出来ますが、作品ではエフェクト類(ループはしてるかな?)は一切使用せずに、選曲とDJミックスだけで勝負してる辺りは敵いませんね!!

 また、私自身もこの作品を理解する上では、オリジナルのレコードを買って分かったこともあるし、何よりもDannyのパーティーで踊り続けたことで理解できたことが多かったと思います。
 その限りにおいては、かなり「経験値」のいる作品だと思いますが、皆さんに聞いてほしいので頑張って書いてみました・・・
 

 中古的には1000円以下な感じで、あんまり注目されていませんが、逆に買いやすいと思うので、興味のある方は是非聞いてみてくださいね!!

 そして、今度はいつ来日するのか分かりませんが・・・Dannyのパーティーで会いましょう!!




<Release Date>
Artists / Title : Danny Krivit 「Salsoul Mix」
Genre : DanceClassics、Disco、Garage、Boogie、Soul・・・
Release : 2003年3月
Lebel : 東芝EMI TOCP-64306


Notice : 12inchカット

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 このミックス作品で披露された「Surface / Falling in Love」と「First Choice / Let No Man Put Asunder」のDannyエディットは、上記のような12inchでリリースされてます!!
 Surfaceは使いやすいけど、First Choiceはかなり使い方が難しいっすね・・・






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<悲痛な独り言>

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 写真で何を言いたいのか分かりづらいですが、久しぶりに「ヤツ」が来ました・・・ぎっくり腰です(--;)

 なんか、ミックステープという若者文化(?)な内容を紹介してるブログなのに、毎回オッサンなつぶやきが多くて申し訳ないですが、私は腰痛持ちで、ここ最近は大きいのは来なかったんですが、日曜の朝に「ぴき」っときて、今回のは悶絶級で死んでました・・・
 考えてみれば、土曜日の会社で大工仕事して、ちょっと腰が痛いな~とか思いましたが、勢いで酒を飲みに行ったのがいけなかったのか・・・それとも日ごろの仕事疲れなのか・・・原因は分かりませんが、とにかく痛いです(--;)
 会社も何年かぶりに休み、とにかく寝て直すしかないので・・・30男が上の写真みたく、一人寝返りも出来ず苦しんでいました・・・

 ただ、ヤルこともないので、私がやることと言えば・・・ブログの更新位なので、気合入れて文章を書いてましたよ!!
 意外とこういう追い込まれた状況だと、文章が思い付き、思ってたより綺麗に書けたので個人的には嬉しいです・・・でも、考えてみれば、しきりに「クラブ」とか「ダンス」とか書いてるのに、書いてる人がぎっくり腰なのはどうかしてますね・・・はあ(^^;)





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コメント
この記事へのコメント
僕も大好きです!
こんばんわ、いつものぞかせてもらってます!

僕もこのミックス大好きなんで、紹介してくれて嬉しいです!最高ですよね~

PS)ぎっくり腰気をつけて下さいね
2012/03/07(水) 00:55:29 | URL | ちんちくりん #-[ 編集]
Re: 僕も大好きです!
>ちんちくりんさん

お久しぶりです&コメントありがとうございます(^0^)

コレは、どのくらい好きな方がいるのかな~と思いながら書いていましたが、
好きな方がいてくれて嬉しいです・・・一人ぼっちかと思ってました(^^;)

ぎっくり腰は気をつけたいんですけど、仕事が忙しいとついダメですね(^^;)
ちゃんと背筋とか腹筋を付けないとダメなんですよね~ はあ~

では、今後とも宜しくお願い致します(^0^)


2012/03/07(水) 20:04:12 | URL | mixtapetroopers #EK3m6DHM[ 編集]
Mixtapetroopersさま(とお呼びすればいいんでしょうか?)、はじめまして。

クリスタルさん(※)の和モノMIXを検索して、貴ブログに行きあたり(素晴らしいポストでした!)、それ以来RSSリーダーに登録して楽しく読ませていただいております。

僕もダニーもサルソウルも好きで、このMIX CDも存在は知っていたのですが、コンピ(ヒサ・イシオカさん企画のラリーのやつ4枚とか)
もMIX CD(このポストでも取り上げられているDimitriやKomoriさんのやつとか)も何枚も持っているので「ま、買わなくてもいいかな」と思ってスルーしてきたのですが、このポストを読んで反省して即amazonでポチりました(笑)。届くのが楽しみです!

ちなみに、僕が持っているサルソウルMIX CDの中ではKomoriさんのやつが一番好きで、特に"Ten Percent"から"Love Is You"への繋ぎはネ申だと思っています。っそれで、このCDを聴いて"Love Is You"を買ったのですが、前奏が冗長に聴こえてしまい、沖野修也さんの言うようにまずは「選曲」ありきだとしても、Re-Editの効果とDJのMIXスキルに瞠目した2番目の作品でした(初めてそう思った作品はFrancois Kの『Essential Mix』)。

あと、余計なお世話ですが、
× Daouble Exposure / Everman
◯ Double Exposure / Everyman
かと^^;

これからも読ませていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

(※)僕はクリスタルさんとは同じ長野市住まいで(ご出身は隣の須坂市)、先日、長野市でのパーティーで初めてお会いさせていただきました(^^)
2012/03/09(金) 21:11:00 | URL | suminao #-[ 編集]
Re: タイトルなし
>suminaoさん

コメントありがとうございます(^0^)
MixtapetroopersでOKですよ!!

おおっ、これを読んで購入して頂くとは・・・なんか責任重大ですね!
私もコモリさんのミックスが大好き(その内、絶対に紹介しますよ!)ですが、コモさんとは違う攻め方で、どちらかというとクリスタルさんのミックスと同じような進め方なので、多分気に入って頂けると思います(^0^)
紹介文は、今読み返してみると、ぎっくり腰の中で書いてたので、主眼点が見つけづらい文章になっていましたが、指摘はかなり出来たかな~と思います・・・ご参考に頂ければ幸いです(^0^)

では、今後も頑張って更新していきますので、宜しくお願い致します!

追伸
Everymanのご指摘、ありがとうございます・・・何度も読み返したけど気付かなかったです(^^;)
早速、文章の方を訂正しました・・・あと、Francoisのミックスもその内に紹介しないといけないっすね~



2012/03/10(土) 20:38:40 | URL | mixtapetroopers #EK3m6DHM[ 編集]
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