HipHop,R&B,Soul,Funk,RareGroove,DanceClassics,Garage,House・・・など、私が気に入っているMixTape,MixCD,その他もろもろを紹介するブログです。
DJ関連書籍 「ダンスカルチャー 歴史・紹介本」
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 え~、今年は私が持っている「本」も紹介をしたいと以前書きましたが、今回は「クラブでダンスする」ことを扱った本を紹介したいと思います。
 このブログを読んでいる方だと、興味を持っている方は少ないかも知れないですが、頑張って読んでください(^^;)






< はじめに >

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 ブログを長く読んておられる方だとご存知かと思いますが、私は「クラブで踊る」ことが大好きで、このブログにおいては、DJミックスの面白さ・良さの延長線の話として、私がクラブに踊りに行った時の話を書いています。

 まあ、かなり視点が偏ってたり、無駄に文章が長かったり、ドマニアックなことしか書いてなかったり、MixtapeのブログなのにHouseのパーティーが中心だったり・・・自分でも「どうしてこんなことを書いてるのだろう・・・」と首をかしげることもあるのですが、結構、面白がって読んでくれている方もいるので励みになります。


 なぜ、踊ることが好きなのかを言葉に書きだすのは難しいのですが、私としては「大好きな音楽をDJの選曲とミックスを通して、音の良いクラブで自由に楽しむ」ために「踊っている」ようで、それが気付いた以降、日々の生活を送る中で、無くてはならない大切な行為の一つになりました。

 無論、このブログのポリシーの一つでもある「DJのプレイによって音楽が輝く」を楽しむ・体感するためにクラブに踊りに行ってたりするのですが、クラブの音の良い音響や、素敵なライティングと雰囲気も重要ですし・・・何よりも気持ちを開放して「踊ること」で、日常的に聴く音楽を更に楽しんているかと思います。
 不思議なもので、クラブの爆音や美しいライティングを通して、その魅力に気付いた曲は多いし、踊りながら聴いた曲は、体に音が染みつきやすいというんでしょうか、不思議と体に馴染むことが多いし、大好きな曲がプレイされれば、日常で聴くよりも嬉しさが倍増するので、心と体が鼓舞しちゃったり・・・う~ん、よく分かりません(^^;)

 まあ、ダンスミュージックが多いので、自然と体が動いてしまうのもあるのかも知れないですが、リズムやメロディーやビートに合わせて体を動かすのは何よりも気持ちいいし、そこに大好きな歌がプレイされたら、踊りながら喜んで歌ってたり・・・結局は「好き」だから踊ってるんでしょうね(^^;)

 どういう訳か、クラブの暗い闇の中で、音に任せて踊っていると、汗をかきながら踊るだけでも気持ち良く、時としては我を忘れて踊り狂い、大声で歌ったり、心の中から湧きあがることを叫んだりする時もあり、それが日常のストレス発散につながっている・・・その辺が好きな理由かもしれません。
 また、これはHouse的なのかも知れないですが、体が疲れるまで踊り続け、その先で大好きな曲がご褒美プレイされたら凄い嬉しいですよね・・・マゾ気質(?)な感覚かも知れないですが、ご褒美を美味しく頂く為に、限界まで踊って自分の体に鞭を打っている・・・そんな部分もあったりします(^^;)

 ちなみに、私自身の踊り方は、ビートに合わせてステップを踏みつつ、リズムやメロディーに合わせて全身を動かす感じ(?)で、基本的にはHouseの踊り方なんですが、気付いたら「体がダンスを求めている」レベルになってて、汗をかきつつ、音に身を任せて踊ってる・・・そんな感じの踊り方をしています。
 自分の踊っている姿を見たことがないのでアレですが、結構激しく踊ってるけど、決して下手ではないようで、フロアーの華にはなっているようです・・・う~ん、どんなバカ顔をして踊ってるんでしょうね~(^^;)


 そんなわけで、今となっては踊るということが無くてはならない存在なんですが、最初から踊ってた訳ではなく、私自身は徐々に成長していった所があります・・・

 その過程では、現場で実践練習(?)を重ねたり、プレイされる音楽を自分なりに掘り進め、日常でもよく音楽を聴いたりしてましたが・・・私の中では、今回の記事の中心にもなる「ダンスカルチャーの本」を読んで、頭で理解した部分も大変大きいです!!

 ここで紹介するダンスカルチャーは「DJがクラブで観客を踊らす」「お客さんがDJの音で踊る」ことを指し、内容的には「クラブ本」でもあり「DJ本」だったりもするのですが、ダンスをすることを前提にある音楽文化のことになります。

 ジャンル的にはDisco~Garage~Houseラインが分かりやすいかと思いますが、そこには文化としての発見と発達、そして進化と変化があり・・・「踊る」という行為を中心に一つの音楽ジャンル以上の価値が見出されたと思います。

 私自身は、最初は好きだったDisco~Garage系の音楽の知識を増やす為に読んでいた訳ですが、読んでいく過程で「クラブでDJのプレイを聴いて踊る」という行為が、この文化が始まったころから既に火がついていて、今も同じことをしていることに刺激を受け、かなりの影響を受けました。
 音楽は特にそうなのですが、ある日、突然にその音楽が出来たのではなく、長い年月をかけて成長をする訳ですが、私が好きなDisco~Garageの曲にも過程があり、その中において「クラブ」「DJ」そして「ダンス」があったことを、これらの本は分かりやすく伝えてくれ、その音楽・文化を構造面から理解できたのは大変価値があります。


 そんな訳で、一人でも多くの方を「クラブで踊らす」為に、Disco~Garage~Houseラインを中心に「ダンスカルチャー」を紹介している色々な本を紹介をしますね~(^0^)








『そして、みんなクレイジーになっていく - Last Night A DJ Saved My Life』
著者:Bill Brewster, Frank Broughton
日本版:2003年1月(海外版:1999年)

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 では、最初は一番平均的な本からご紹介しましょう。

 クラブやDJ関連の本らしくない装丁と、本の分厚さ・値段から、読んだことがある方が意外と少ないかも知れないですが、我々が好きな「DJ」の歴史を明確に教えてくれる本で、ジャンルを問わず、DJという音楽が好きな方なら絶対にお勧めな本です。

 この本は、共にDJ・クラブ系の雑誌で編集やライターをしていた著者達が、ダンスミュージックやDJの歴史を正しく伝えることを目的に書いた本で、DJを中心に発達した様々なダンスミュージックを、時系列・ジャンルごとにまとめ、当事者からの証言などを交え、文章として大変わかりやすい内容になっています。

 本の序文では「ダンスミュージックに対し、いまだに大人の見方としてまかり通っている無知と偏見を打ち倒すため、本書が少しでも役立ってくれたらいと思う」と書いており、筆者たちがDJやクラブを通して影響を受けたダンスミュージックの素晴らしさを正しく伝えたい・・・そんな思いがこの本を実現したのだと思います。
 実際に、この手のダンスミュージックを伝える本は色々とあったかと思いますが、それこそ表層的なモノが多く、根幹まで捉えた本が少なかった中で、本当に「正しいダンスミュージックの歴史」を伝えたく書いたと思われ、信頼のおける一冊であることは間違えないです。

 内容的には、DJ以前の話から始まりつつ、60年代中頃にイギリスで巻き起こった「Nothern Soul」や、70年代初期からNYで発達した「Disco」とその先にある「Garage」「House」、または「HipHop」「Techno」など、DJを中心に発達した音楽を、分かりやすく紹介をし、DJという存在を分かりやすく伝えています。
 このジャンルは詳しいけど、他のジャンルは詳しく分からないんだよね~って方には凄いお勧めで、その音楽を知る上での「基礎(=歴史)」を分かりやすく伝えているのは秀逸ですよ!!

 個人的な話だと、それまでHipHopしか詳しく知らないけど、Discoなんかが好きになった時期に読み、どの音楽もDJを中心に進化の過程があり、それが大変面白く、こういう根底を知らないと、その音楽は理解が出来ないな~と思いました。
 それこそ、Houseだったら、普通は80年代中期にChicagoで生まれた・・・みたくなりますが、源流をたどると60年代末にNYまでさかのぼれ、DJが音楽をプレイして観客を踊らす行為は、細い線ではあるけど、それぞれが繋がっていた事実が分かり、音楽に壁なんて無いんだ~と思いました。


 恐らく、今回の紹介の中で、この本が一番分かりやすい入門書になるかと思います。

 DJという存在を中心に、その音楽の発達を伝えていますが、著者達の視点の中に「踊る」という行為を根底に考えており、大変心強いかと思います。
 著者達の言葉を借りれば「音楽の発展という点からすれば、いつの時代も印刷された文字よりダンスフロアのほうがよっぽど影響をおよぼしてきたのだから」という視点が生きており、興味のある方はぜひ読んでみてくださいね!!








『Love Saves the Day』
著者:Tim Lawrence
日本版:2008年6月(海外版:2003年)

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 これも、この手の本では鉄板の本ですね!!

 著者のTimさんは、ロンドンに住む学者さんで、詳細は分からないのですが、クラブ関連のアルバムのライナーノーツを多数執筆している方です。
 この本が出版された時に「ついに日本語版が出た!」と騒がれた本で、読んで影響を受けた方も多いかと思います・・・私もその一人でした。

 この本も、先ほどのLast Nightと同様に、クラブミュージックを正しく語る本が無かった中において、この本では「70年代を通してNYで巻き起こったDJ/クラブ/ダンスカルチャー」を詳しく紹介をしています。
 それも、膨大な数のインタビューや調査を行い、作者の並々ならぬ努力と、その内容の正確さから、かのFrancois Kより「やっとのことで、ダンスミュージックが最も影響力を有した時代の、包み隠しのない、詳細かつ信頼ができる回想録ができた」と賛辞を貰ったほどで・・・これも歴史的な著作ですね!!

 内容的には、いわゆるDisco・・・いや「ダンスをする為の音楽(ダンスミュージック)」が70年代のNYでどのように動いて行ったのかを時系列ごとに紹介しており、学術書的な文章量になりますが、かなり参考になります。
 それも、御大が賛辞で述べた「包み隠しのない」部分が多く、私が書くのには書きづらいドラッグやゲイの事など、極めてアンダーグラウンドな話もしっかりと書いており、現代のダンスカルチャーの根底が分かります。


 まず、分からない方も多いと思うので、当時のNYの流れをざっと紹介しましょう。

 現在にも通じる「クラブでDJが音楽をプレイして、それで観客が踊る」という文化は、60年代のUKでのNothern Soulや、Jamaicaでのレゲエの発展などもありますが、私としては60年代末のNYがスタート地点としては妥当かな~と思います。
 それこそ、「Loft」でお馴染みのDavid Mancusoがプライベートパーティーを始めたり、SanctuaryというクラブでFrancis Grossoがターンテーブルを2台使用してミックスをし始めたり・・・DJがレコードで音楽をプレイし、それで観客が踊るという行為が始まりました。

 この中では、ゲイの人たちが日常の嫌なことを忘れ、クラブで踊って盛り上がろう・・・みたいな流れが初期としては大きく、ゲイの人を含むマイノリティーな人たちが、DJがプレイする音楽を(時としてドラックを活用しながら)愛し、そして踊り続けたことで、このダンス文化が進んで行きます。
 そして、極めてアンダーグラウンドなレベルですが、この流れの中で、効果的なDJミックス・選曲をすることで観客が盛り上がるとか、クラブの音響やライティングを効果的にすると観客が盛り上がる、そしてクラブとDJと観客が一体になることで最高潮になる・・・など、現代のクラブにおいても基礎的になることをDJも観客も体験的に発見し・・・徐々に発展していきました。


 この本では、こういった流れを、当時のDJなどの声を集め、時系列に様々な内容を紹介する中で、NYのダンスカルチャーがどうやって発達をしたのかを紹介しています。

 それこそ、クラブの発達や、DJ機材・音響機材の発達、レコードの12inch化、DJプレイの進化、観客の成長など・・・70年代のNYを通してダンスカルチャーが成熟していく過程が手にとって分かります。
 結果として、この発達は、踊る為の音楽(Disco)と、それをプレイするDJの存在を全世界に知らしめ、それこそ「Saturday Night Fever」のような社会現象を巻き起こしつつ・・・最後には崩壊をし、その死の灰から新たな芽が伸びていく訳ですが、こういった流れを詳細に記載されており、大変重要です。

 他のジャンルが好きな方には飛びつきにくい内容かも知れないですが、クラブやDJの基礎を作って行った過程が分かるので、是非ご一読を・・・


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 なお、おまけとして、この2冊もNYの70年代ダンスカルチャー関連ではお勧めな本です。

 共に洋書なので読みづらいですが、左は「Vince Aletti / The Disco Files 1973-78」で、当時、VinceさんがRecord World誌で連載をしていたNYのDisco関連のコラムを集めた資料集で、今回の本の内容を更に細かくした内容です。
 当時の記事なので、これまた包み隠して無い話題が多く、ヒットしているクラブやDJ、注目の新曲など、マニアには大変堪らない内容で、個人的にはDJチャートがグッときます・・・ラリーが何を当時プレイしてたかが分かり、これもマストですね~
 ただ、文字数が多く、全部英語なので、読むのが大変です・・・だれか翻訳版を出してくれないですかね~

 そして、右は「Disco Patrick / The Bootleg Guide to Disco Acetates・・・」で、オランダのコレクターが書いた(今でいう)リエディットなレコードの紹介本で、こちらも鬼のようにマニアックです。
 これらのダンスカルチャー本だと、DJがクラブを飛び出して、スタジオで音楽を作り始める・・・そんな話も多いのですが、そのマニアックな一例として、既存の曲をDJがプレイしやすいようにブートでリエディットする文化がありました。
 そういったレコードの紹介がメインなのですが、それ以外にもレアな写真が多く、Salsoulのケツ出しネーちゃんのオリジナルの写真(と別カット写真)があったりし・・・小ネタ資料集としては最高ですね!!








『UKジャズ・ダンス・ヒストリー』
著者:Mark "Snowboy" Cotgrove
日本語版:2009年6月(海外版2009年)

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 んで、次は「音楽で踊る」という行為が、70年代のNYだけではなく、別の場所でも自然発生的に起こったことを明確に伝える本で、コレもダンスミュージック本においては重要でしょう!!

 著者は、DJやProducerとして著名なSnowboyさんで、今まで紹介した本と同じように、彼が70年代末から80年代のイギリスで体験した「ジャズ・ダンス」の存在を明確に伝えるべく書いた力作で、詳細な記述と、膨大な量のインタビューが秀逸な本です。

 
 まず、DJが音楽をプレイして、それを聞いたお客さんが踊るという行為は、先ほどの「Love Saves the Days」では60年代末のNYが、以後のダンスミュージックとの繋がりを考えると最初と書きましたが、それは必ずしも正しくはありません。

 その理由の一つになるのが、60年代中頃のUKで起きた「Northern Soul」ムーブメントがあるからです。

 このNorthern Soulは、アメリカで発売されたSoulなどの曲で、テンポが速く、高揚感のある曲を指し、それらの曲を多くリリースしていたアメリカの北部(デトロイトやシカゴ)、またはこれらの曲が好まれたイギリス北部を指してNorthern Soulと名付けられています。
 今となっては、それらの曲ばかりが注目されていますが、娯楽に飢えた若者を中心に栄えたダンス文化で、UK国内の一部の地域のみで盛り上がっており・・・限定的、かつ特殊なダンスカルチャーだったと思います。

 この文化が面白いのは、ダンスに関しては大変動きの速いスタイルが主体だったようですが、誰も持ってない曲をプレイするDJが偉いみたいな独特の制度があったり、音楽の対象が60年代の彼らが好むSoulに限定されてたり・・・ある種の「閉鎖性」があった点です。
 つまり、「自分たちが好む音楽(踊れる音楽)以外はいらない」みたいな方向性があり、外に出ないが故に自己発展をした音楽(音楽嗜好)になります・・・日本におけるオタク文化と同様に、イギリスも島国なので、こういった独自発展の文化が生み出されたんでしょうね・・・


 今回の記事の範囲だと、現在的なダンスカルチャーには直線では直結していないと思われるので、あえてNYの話をしてしまいましたが、Northernなり、UKの動きも実は大切で・・・そのUKでのダンスの流れを紹介したのがこの本になります。

 イギリスでは、Northernがそうだったように、伝統的に「DJがプレイする音楽に合わせて踊る」という行為が生きており、ルーツをたどるとパブ文化とかにつながるんでしょうが、Northernの人気が落ちてきた70年代中頃以降、Northernと同様に「独自の音楽視点」で踊る文化が現れました・・・それが「ジャズダンス」です。

 ジャズという音楽を考えると、ダンスミュージックとしてスタートしてるので、ジャズで踊ることに問題は無いのですが、一般的なイメージでいくと、ジャズで踊るというのは連想しずらいかと思います。

 ただ、時代的に70年代中頃になるとSoulやFunkやDiscoなんかに影響を受けた「Jazz Funk」や「Fushion」のようなダンサンブルな曲が、アメリカのJazz系アーティストによって作られ、それに連呼したのが海の向こうのUKの若者だった・・・のがスタートですかね??
 Discoなどの12inchを買ってる方なら分かりますが、アメリカで出来た曲なのに、Jazz Funkっぽい曲に関しては、やけにUK盤の12inchが多いのは、これが理由で、独自の審美眼で盛り上がってたからでしょう・・・

 私自身も、これに関しては凄い詳しい訳ではないのでアレですが、Jazzだけに拘らず、踊れるグットミュージックを探す姿勢は、Northernの伝統を引き継ぎつつ、ジャンルレスな姿勢に進化させた点もポイントかと思います。
 このジャズダンス初期の時点で、日本産のジャズを輸入してたり、BrazilやBossaなど他ジャンルも手を出してたり・・・Jazzという「姿勢」で音楽を楽しんで踊っていた点は重要ですね。

 ただ、クラブミュージック史においては、NYからの流れは、時代が進む過程で、それに合わせて「新しい音楽を作る」流れに対して、UKのジャズダンスの流れは、時代が進む過程で、それに合う「音楽を探す」になっていた点は、面白いですね。
 無論、そのジャズダンスから生まれた音楽も大変多い(それこそAcid Jazzなど)ですが、選曲重視の観点などは独自路線ですね・・・


 私の紹介では、局地的に盛り上がった音楽スタイルみたいな書き方になりましたが、このジャズダンス(とNorthern)の流れが、イギリスのクラブ文化の基礎になったことは明白で、いわゆる「レイブ」カルチャーが出来る素養を作ったと言っても過言ではないです。
 また、その独自色は色々な面に引き継がれており、音楽に合わせて踊るということが、UKでもアンダーグラウンドに独自発展をしていたことを伝えてくれる本になっています!!


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 なお、Northern Soulのことを知りたいのであれば、長年にわたって良質なサブカルチャーを紹介し続けた雑誌「Studio Voice」の1998年2月号(Vol.266)がお勧めです。
 
 Keb Darge(もともとはNorthernのDJでした)など、当時の関係者に取材をし、レアな写真やレコードなどが多く掲載され、読み応えばっちりです。
 Studio Voiceはブックオフの雑誌コーナーに転がっていることが多いので、興味がある方は頑張って「背取り」でゲットしてくださいね(^0^) 








『パラダイスガラージの時代(上下巻)』
著者:Mel Cheren
日本語版:2006年9月(海外版:2000年)

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 いや~、ここに到達するまでに随分書きましたね・・・すみません(^^;)

 今度の本も、ダンスカルチャー本においては鉄板で、こんな素晴らしい本を残してくれたメルに最大級の感謝をささげたい・・・そんな本になります。


 タイトルから行くと、70年代末から87年まで、NYのクラブ文化の頂点と真髄であった「Paradise Garage」の本かと思いますが、このクラブの影のオーナーともいえるMel Cherenさんの半生を書いた自伝本になります。

 Melさんは、60年代から音楽業界に携わり、Disco系レーベルでは超有名な「West End Records」のオーナーだった方で、亡くなるまで、ダンスミュージックを盛り上げるべく精力的に活動をされてて、業界では「The Godfather of Disco」と呼ばれております。
 また、Melさんにおいて大切なのは、彼がゲイだったことで、70年代に華開いたNYのクラブ文化を、ゲイとして楽しみ、そしてレーベルオーナーとしてその文化を盛り上げ、そしてゲイとしての様々な苦しみを受けながら・・・亡くなるまでゲイとしてクラブ文化を愛し続けました。
 
 そんなMelさんの半生を、綴ったのがこの本になり、貴重な情報も多く、この文化を知る上で大切なことが多く書かれています。

 史実的には、これまで紹介した本(Last NightやLove Savesなど)と被る部分が多いのですが、当時を体験した当事者からの情報とあって、大変貴重です・・・特に、私には説明できないゲイやドラックの話など、メルさんにしか書けない内容が多く、大変参考になります。


 そして、特に注目なのが、タイトルにもある「Paradise Garage」の詳細で、他の本でも、その素晴らしさが書かれていますが、結果として自分の子供のように愛でている話が多く、グッときます。

 実は、今回は「Paradise Garage」のことを本気で書きたいと思ったので、今回の本紹介をしているぐらいですが・・・私も相当影響を受けています。
 
 ご存じではない方にチラッと書くと、1977年にオープンし、87年に閉店したNYの伝説的なクラブで、DJを担当したLarry LevanによるマジカルなDJプレイと、最強のサウンドシステムを武器に、NYのゲイを踊らさせ続けたクラブになります。
 時期的には、全世界的なDiscoブームが過ぎ去った70年代末から本格始動をし、一般的に死滅してたDiscoをアンダーグラウンドに生かし続け、クラブで踊ることの素晴らしさを伝え続けた存在で・・・現在のクラブカルチャーの橋渡しになった存在かと思います。
 それこそ、DJにおいて選曲の重要性でダンサーを喜ばすことはLarryが伝えたことだし、それを実行するためには効果的な音響とライティング、そして優秀なスタッフがいることなど・・・今のクラブやDJの在り方を示した存在で、Garageが無かったら、今のDJ文化がちゃんとあるのかが分からないほど大切な存在です。

 GarageやLarryの事は、一番最後でバレちゃいますが、別の機会に書きますが・・・そのGarageの素晴らしさを伝えてくれる少ない書籍として、この本の価値観はあります。

 Melに関しては、Paradise Garageの影のオーナーと書きましたが、Paradise Garageの本当のオーナー(Michael Brody)とは元恋人(元よりも永遠のかな?)で、Garageが完成するとき、Michaelに資金提供をしたり、色々な協力をしたりしてたことから影のオーナーと言われていました。
 また、Larryに対しては父のような立場で接し、立場としては「内部関係者」としての話が多く、Garageの喧騒や騒動、明るい部分も暗い部分も詳細に書いており、大変素晴らしいです。


 また、この本において大切なのが、やはり「ゲイ」という点だと思います。

 私はストレートなので、ゲイの方の気持ちが理解できない部分もあったり、逆に尊敬できる部分もあったりするのですが、この本においては、ゲイとして生きてきた過程を包み隠さず書いている点には共感を超えた涙を覚えます。
 特に、結果としてこのカルチャーが引き起こした弊害である「エイズ」が、このカルチャーを壊していく様を克明に書きつつ、そこから立ち向かっていく姿は、人間として尊敬を覚えます。

 ゲイの方を指すとき、当然、男性同士のカップルなので、子供を作ることは(実質的には)出来ない訳ですが、メルも語っている通り、神様は彼らには子供を創造することは与えなかったけど、代わりに芸術を創造する権利を与えた・・・みたいな表現があります。

 この本を読んでいると、正にこの表現が当てはまり、ゲイとして生きる楽しさや辛さを味わいつつも、人の心に残る「ダンス」という芸術を創造し続けたメルさんの功績が理解できます。

 また、上手く書けないのですが、今までの本が「史実」を伝えることが多かったのに対し、史実では表現できない「ダンス・スピリット」みたいのも表現してて、心に火が灯ります。
 メルさんが残してくれた「火」は決して消しませんよ・・・Keep On Dancin'!!








『DJバカ一代』
著者:高橋透
発行:2007年3月

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 今回のダンスカルチャー本、最後は透さんの本です!!

 MelがDiscoのGodfatherなら、日本のHouseのGodfatherである「高橋透」さんの自伝本がコレにあたり、Melと違って、DJ視点とダンサー視点、そして日本人視点でダンスカルチャーを体験的に語っており、DJという音楽が好きな方なら必読な一冊です。


 まず、透さんの説明からすると、70年代に日本のDiscoでプレイを開始したDJで、90年代に一世を風靡した伝説のクラブ「芝浦・Gold」のサウンドプロデュースをされてた御大で、日本にHouseやダンスミュージックを植付けた一人として有名です。
 日本のディスコ・カルチャーを通過しつつ、80年代のNYクラブカルチャーの最先端であった「Saint」と「Paradise Garage」の2つを経験した数少ない日本人DJで、Larryなりが奏でていた本当の「ダンスミュージック」を理解し、それを日本に広めた功績は偉大で、もっと評価されないといけない人だと思います。


 この本は、透さんのDJとしての半生を書いており、DJを始めた70年代の話から、渡米をしてNYのクラブシーンを体感してた80年代、そしてそのNYのクラブシーンの良さを日本にも伝えようとした90年代・・・と時系列ごとに話が進んでいますが、今回の紹介的には80年代のNYのクラブシーンを体感してた辺りがポイントかと思います。

 これまでの本でいくと、メルさんの本は運営側の話であったり、それ以外はDJ視点が多かったり・・・いわゆる「踊ってる側」の視点が少なく、本を読む側である踊ってる側が共感できる話が少なかったと思います。
 その限りにおいて、透さんのこの本は、DJ的な音楽知識も加味しつつ、ダンサー視点でParadise GarageなりSaintのことが書いてあり、大変参考になります。

 実際に、本書では、80年代初期に渡米した際は「Saint」(Garageがブラック・ゲイ向けだったら、Saintはホワイト・ゲイ向けだった)を紹介し、80年代中頃に長期で渡米した際は「Paradise Garage」に通った話をしていますが、目から鱗な話が多いです。
 
 特に、もともとSoulが好きだった透さんからすると、LarryがプレイしてたGarageの方が性に合ったようで、85年ごろに初めて足を踏み入れてからは、クローズの日まで毎週通ってたそうで、話の中でLarryのDJの素晴らしさ、サウンドシステムの素晴らしさをダンサー視点で語っており、これが秀逸です。

 先ほども書きましたが、LarryのDJは技術もさることながら、選曲の素晴らしさがあり、階下で踊っているダンサーをコントロールし、果てしないサウンドジャーニーを繰り広げた・・・と言われています。
 Larryの当時の音源は、様々な所に音源がアップされていますが、それらはダンスをしない状態で聴いてても何も響かないです・・・その限りにおいて、LarryのDJを生で聴いて、実際に体験した話の方がリアリティーがあり、透さんの体験談は非常に参考になります。


 私としては、一流のDJこそ、一流のダンサーだと思っている部分があります・・・

 つまり、踊る側が「どこが気持ちいい」のかが理解できないと、DJとして人を踊らすことが出来ない訳で、DJであっても、その音に合わせて踊れないと一流ではないと考えています。
 透さんの本を読んでいると、ダンサーの気持ちや行動を理解した上で書いている部分が大きく、そこがこの本の魅力かと思います。

 DJ視点を加味したダンサー視点というのが貴重な一冊で、是非読んで頂きたい一冊です!!


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 んで、この本には追加で紹介したい書籍があります。

 これまたマニアックなサブカルチャー誌として有名だった「Spector」誌の2003年冬号(通巻9号)では、透さんが参加してたパーティー「Godfather」の面子による座談会が収録されていて・・・さながら、この本の「裏」ネタ的な話が多数収録されています!
 今となってはDommuneの宇川さんと、Moodman氏が参加した座談会なんですが、宇川さんらしいド変態話も炸裂しつつ、透さんのNY時代の話(薬は全部やったよ~とか)がフレッシュで、これも是非探して読んでくださいね・・・
 また、この号にはLoftの体験記などや、大人のおもちゃ屋さんの特集が組まれており・・・色んな意味でお得です(^^;)

 あと、以前も紹介しましたが、『AM Books - DJ 100 Vol.1』という本には、この本のプロトタイプ的な記事が載っています。








< 最後に >

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 数週間前から企画をしてて、色々と考えてはいましたが、書くのを始めることが出来ず・・・今日になって勢いで1日作業で書いてみました・・・どうでしょうか??

 今回、この記事を書くにあたっては「動機」がありました。

 まず、先月の記事の大半だった「eleven」の閉店話ですね。

 紆余曲折を経て、私自身が「踊ること」に目覚めた直後に、東京で一番踊りやすかったクラブが閉店してしまったことはショックでした・・・

 ただ、先日のTimmyもJoeもそうですが、クラブで踊ることの素晴らしさを痛感し・・・この思いを伝えたく、今回の本の紹介に繋がりました。
 あの時、私が感じた気持ちを表現するのは凄い難しいですが、その背景には、ダンスカルチャーの歴史が詰まっていることは事実で、その点を整理したく、今回の記事になった・・・部分は大きいです。


 また、elevenが閉店し、日本の「ダンスカルチャー」が危うい状況を考えると・・・ついに「あの作品」を紹介しないといけない日が来たな~と思い、その準備として、周辺情報だけでも伝えたく、今回の紹介になったともいえます。

 あの作品とは・・・「Larry Levan / Live at the Paradise Garage」で、今回の記事でも取り上げたLarryの当時のプレイを収録したミックス作品になります。
 
 お好きな方も当然多いかと思いますが、私自身も相当影響を受けた作品で、あまりにも影響を受けすぎてたり、その歴史的価値や作品の重要性から、自分にミックス作品としての紹介が出来るかが自身が無く・・・あえて紹介を避けていた作品になります。
 あの作品、ほんと考えれば考えるほど大切な作品で、Larry LevanというDJの素晴らしさの一部を凝縮した内容になっており・・・私の言葉で語れるのかが自信がありません。

 ただ、こんなご時世だからこそ、私が紹介しないといけないな~と思いました。

 elevenの閉店がきっかけの一つではありましたが、日本でミックス作品の素晴らしさを語れるのは私だけ(もう豪語しちゃいますよ!)だと思うので、一念発起して挑みたいと思います。

 そのため、後には引けないようにするため、今回の記事を書いた部分もあります・・・上手く紹介する自信がまだありませんが、Larryの誕生日である7月20日に向けて、用意をしていきたいと思います。
 場合によっては、もう一発、関連記事を上げるかも知れないですが、お手柔らかにお待ちいただければ幸いです・・・



 では、久しぶりに休日を1日潰して書きましたが、こんなもんで・・・

 来週末は、休みなしで休日出張に行ったり、仕事的にはハードな日々が続きますが、精進をしたいと思います・・・ではでは(^0^)








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追記 2013年7月21日

 文中で触れました7月20日にLarryの作品を紹介しました。
 詳しくは下記のリンクをご参照ください。

 ・ Larry Levan 「Live at the Paradise Garage」







 
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コメント
この記事へのコメント
今回の記事の熱量、ハンパないですね・・・(笑)
もの凄い意気込みが伝わってきました。
クラシック解説って逆に難しそうですが、期待してます。
2013/06/27(木) 06:47:12 | URL | Sota #-[ 編集]
お疲れさまです♪

個人的に透さんのDJバカ一代にはかなり影響受けました。
最近セイント系を追ってるので久々に読み直しました。
ガラージと違ってセイントの日本語記事ってネット含め本当に少ないんですよね。

あとはメルシェレンの書籍も後半にセイントのクロージングパーティーが書いてあって感動しました。
ネットで少し検索しますとクロージングパーティーの音源が出てきますが、長時間に渡ってのストーリー作り、精密なミキシングが素晴らしいです。

ラリーのライブミックス楽しみにしております^^

長文失礼しました。
2013/06/27(木) 07:12:34 | URL | 色彩 #-[ 編集]
Re: タイトルなし
>Sotaさん

いつもコメント、ありがとうございます(^0^)
熱量というか、臆病なので用意をしてただけかも・・・まだ書いてないですが、書けるかちょっと不安です(^^;)
でも、色々と頭をひねって書きますので、楽しみにしててくださいね~


>色彩さん

いつもコメント、ありがとうございます(^0^)
確かに、Saintの情報って少ないんですね・・・中村直さんの詳細な回想録なんかがあったら絶対に面白いでしょうね!!
Saintも絶対に影響度が高いはずなのに、Garageの影に隠れちゃって、クラブ業界ではあまり語られないですよね・・・というか、悲しい話にもなりますが、当時の空気を語れる人が病気で亡くなっているのが大きいんでしょうね。
では、Larryのは頑張って書きますのでお楽しみに・・・宣言しちゃったので後戻りができませんね(^^;)

今後とも宜しくお願い致します!


2013/06/28(金) 00:27:26 | URL | mixtapetroopers #EK3m6DHM[ 編集]
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