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DJ/Club専門誌「GROOVE」について

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 先週の記事の最後で「ボムを打ちますよ~」なんて書きましたが、早速の紹介になりました!

 このブログを読んで頂いている方であれば絶対にお世話になった雑誌の紹介です(^0^)

 毎度の長ったらしい内容ですが、最後にも「ボム」がありますので、ザラっとでも読んでみてくださいね~ 





(1) はじめに

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 今回は、長期にわたり日本のDJシーン/クラブミュージックシーンを支えた雑誌「GROOVE(グルーブ)」の紹介をします。

 この雑誌は、音楽関連の雑誌を多く発行している「リットーミュージック」より発行されていた雑誌で、今年の春(2015年4月)の発行をもって、残念ながら休刊になった雑誌になります。

 雑誌自体は、音楽クリエイター/エンジニア向けの専門誌「Sound & Recording Magazine(サウンド&レコーディング・マガジン)」の増刊(別冊)として発行され続け、94年の初発行から休刊や不定期発行の時期を含め、約20年間で114冊が発行されました。

 内容としては「クラブミュージックやDJ向けの音楽誌」になり、発行時期によって雑誌の内容や方向性が多少変わりますが、お世話になった方が大変多い雑誌かと思います。

 こういったDJ/クラブ向けの音楽誌の中では珍しく、ほぼ全てのジャンルをカバーしつつ、かなり深い内容までをフォローしていた点と、一貫してビジュアルを意識した誌面構成だった点が他の雑誌よりも秀でており、かなり影響力もあったと思います。
 また、母体がサンレコだけにDJ機材などの「機材」系の情報は強く、ちょうど10月に紹介した「素晴らしき「DJ機材カタログ」の世界」で紹介したDJ機材の発展を、雑誌として紹介し続けていた部分もあるかな~と思います。

 特に、近年は、雑誌や音楽誌自体が少なくなっていく中で、DJ/クラブ向けの専門誌としてシーンを牽引していた数少ない雑誌で・・・発行数は別として、こういった雑誌が多かった90年代~00年代初期よりも、00年代後期からの影響力は大変大きかったと思います。

 雑誌自体は、1994年の発行開始から一時休刊となった2001年春までの「前期」と、2004年秋から2015年春までの「後期」に大別ができ、個人的にも後期の雑誌は大変お世話になりました・・・

 私自身の変遷を照らし合わせると、「前期」はもろに学生時代で、その頃はHipHopが好きだったので「HipHop/R&B系専門誌 FRONT/Blast」を欠かさず購読し、GROOVEに関してはHipHop系の特集があれば購入してた感じでした・・・当時としては、ちょっと敷居が高かったイメージがあります??

 ただ、私自身も大人になった「後期」のころは、自分の音楽趣味や知識が広まったことと、GROOVE自体も「カルチャー誌」的な視点が加わったことから、広義の意味での「DJ/クラブ」を楽しむ為の唯一の雑誌として機能し、毎号毎号、楽しみに拝読をしていました・・・
 こういった音楽誌が軒並み休刊/廃刊になっていく時代の流れの中で、季刊誌という形態ながら、DJやクラブを愛する人たちの「心の支え」として機能していた点は非常に価値があり・・・今年の春の休刊で、最後の「柱」がなくなったことは大変残念です・・・


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 そんなGROOVEを称えるべく、今回の紹介に至りました・・・

 便宜上、先ほど紹介した「前期」と「後期」に分けて紹介をしますが、バックナンバーを今から読み返す・・・いや掘り返しても、大変面白い雑誌なので、その辺がフォローできるような紹介をしたいと思います。

 では、いってみましょう!

<注意点>
・一部の画像は、クリックすると参考程度に確認できるように画像を大きめに設定してあります
・号数に関する表記で、本来は「Winter 20xx」と誌面に書いてある号は、読みづらいので「20xx冬号」と表記しています






(2)前期 1994年~2001年春

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 まず、私の中では「前期」と呼んでいるGROOVEで、2001年春の一時休刊までのGROOVEを紹介します。

 この雑誌自体、初期は「Sound & Recording Magazine(サウンド&レコーディング・マガジン)」の増刊として刊行され、その後、人気を博していったことから、隔月化、月刊化と進んでいき、月刊だった1996年~2001年ごろまではかなり人気があったと思います。

 時期的にも、日本のDJ/クラブ文化の発展とリンクしている部分があり、世間での人気や需要にこたえる形で発行され、当時としてはなかなか情報が入手しづらかったDJ/クラブ関連の情報を全国の読者に届けていた点は、大変重要だったと思います。
 この人気があった時期は、なんと渋谷/宇田川町近辺に編集室があったそうで、渋谷で起こった情報をダイレクトに入手し、それを誌面化してた要素もあったようです・・・一見するとビジュアルが強い誌面ですが、かなりコアな情報も多かったのは、この「地の利」の部分があったからかもしれないです??

 では、実際の誌面から、この頃のGROOVEの特色を紹介していきたいと思います。



①雑誌の方向性 「特集型」について

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『1997年4月号』

 個人的には、この号が初めて購入したGROOVEで、私の中では「マスターピース(=神?)」な号として、今でも手放せない号になります!!
 表紙の通り、なんと「Buddha Brand」が表紙なHipHop特集号で、当時はホント熟読した号になります・・・うん、凄い読みました(^^;)


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<Buddha Brand インタビュー>

 当時のGROOVEは、時期によっても多少方向性が変わるのですが、当時は割と「音楽誌」的な誌面作りで、あるアーティストを大きく取り上げ、そのアーティストに関連する音楽ジャンルを「特集」として掘り下げていくような誌面構成でした。

 たとえば、このBuddhaの号であれば「HipHop特集号」とありますが、実質的に「日本語ラップ」が中心で、Buddhaのインタビューが大きく掲載されつつ、ECDやT.O.P.Rankaz(!)、Naked Artz、Sugar Soulなどのアーティストインタビューや様々な特集記事が組まれており、中々のボリュームになっています。
 他誌と比べると、判型自体が大きいこと(A4変形)と、カラーページが多かったことから、写真などのアートワークを中心にすることが多く、どちらかというとインタビューなどの文字部分は2番目にくる感じでした・・・

 当時の私は、熱心な日本語ラップファンだったので、GROOVEもその視点で読んでいた(買っていた)のですが・・・当時のGROOVEは、今思い返してみると「クラブミュージックの総合誌」を狙った部分があったと思います。

 当時の専門誌の状況をひも解くと、HipHopやR&Bといったブラックミュージック寄りなのは「FRONT(Blast)」と「Black Music Review(BMR)」、HouseやTechnoといったクラブミュージック寄りなのは「Loud」や「remix」などがあり、それぞれ「ある音楽ジャンルに特化」した雑誌が中心でした。

 これは、当時は残念ながら読者側で「壁」をもっていた部分があり、ある特定のジャンルしか興味を示さない状況だったので、各ジャンル別に雑誌があった(=ジャンル別でないと売れない)時期だった特徴かもしれません・・・
 この点は、書きぶりによっては縦割り的なイメージで悪く捉えられるかもしれないですが、むしろ、そのジャンルの中だけで熱く発展させる効果があったので、日本においては結果的に大成功な方式だったと思います。


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『左 1998年10月号』   『右 1998年8月号』

 ただ、GROOVEに関しては、スタンスとして「クラブミュージック」という視点の元、幅広い視点で様々なジャンルを取り扱う姿勢があったのですが・・・雑誌の売れ行きを考えると、どうしても総合誌としては売れずらい部分があったので、ここで取り上げたBuddhaのように、各号ごとにジャンルテーマを設ける方法論が根付いたのだと思います。

 気付いてみたら、HouseやTechnoの特集が組まれている号をまったく持っていないので、微妙に参考にならないですが、左のKrushさんが表紙の号では、Krushさんが代表となる日本人HipHop系クリエイターを紹介しており、DJ Kenseisさんのインタビューや、各クリエイターのホームスタジオ紹介&インタビューが特集として組まれています。
 また、右のMISIAであれば、人気を博し始めた「Japanese R&B」を特集として取り上げており、短いインタビューながらSugar SoulやACO、渋いところだとMasayo Queenなどを紹介しています・・・

 もちろん、誌面を深く読めば、総合的に各ジャンルを取り扱っており、毎号、必ず各ジャンルのニューリリース・アーティストに対するインタビューを掲載して、総合し的なスタンスをとってはいましたが、全体をみると、やはりワンテーマ推しな姿勢が強かったと思います。

 それこそ、悪い表現にはなってしまいますが、とにかく「表紙」でこの号の特集を前面に出し、その特集に興味を持った人に買ってもらう方向性が強かったと思います。

 実際に、私も先ほどのBuddhaは、本屋さんで見かけて、GROOVEという雑誌があることも知らずに買ったぐらいで・・・当時としては、毎号買ってた人は少なく、私のようにあるジャンルに特化した号を単発で買う方が多かったような気がします・・・
 また、掲載傾向としては、日本語ラップを含むHipHopはそんなに頻繁に特集はされず、むしろTechnoやHouseの方が強い雑誌だったという認識があります・・・みなさん、どうですか??



②マニアックな視点

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<求道者DEV LARGEが残した足跡> 1997年4月号

 そして、話を引き続き1997年4月号から展開しましょう・・・

 当時の印象としては、かなりビジュアルが強い雑誌だったイメージがありましたが・・・個人的にはそうは考えてなく、むしろ「マニアック」な雑誌だと思っていました。

 たとえば、Buddhaのインタビューであれば、ページ数は4ページで、割と写真を中心にしているので、文字数は多くはないです・・・これがFRONTだと、読むのが大変な量になっています(^^;)

 ただ、故Dev Largeさんの協力で、画像のようなDLさんが作成したアートワーク一覧のページがあり、こういったのを載せる姿勢がマニアックです・・・・
 記事を深く読むと、日本語ラップマニアなら感涙で、発電所が青と緑を抑えている他、販促用のシールも掲載しており、大変熱いです・・・ドマニアックな指摘を入れると、休日のジャケが本チャンと少し異なっている(背景が黒い)のが激熱です!

 この企画を考えると、DLさん自体がかなり協力的だったのは明白で、写真でも、自身の手にDLタグを書いている(別写真だと分かりやすいかな?)のにもグッとくるのですが・・・こういうマニアックなことを載せる姿勢がイイですね!

 なお、この号では、Rhymestarの宇多丸さん(当時はMC Shiro)を、あえてライター「佐々木志郎」としてインタビューをしてたり、ドマニアックな日本語ラップの歴史の変遷表やディスクガイドが掲載されてたり・・・日本語ラップにおいては、ある意味、FRONT以上のマニアックさを見せていました!


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<Ultimate Breaks & Beats All List> 1997年4月号

 そして、日本語ラップからは離れてしまいますが、この記事も相当マニアックですね・・・1997年4月号が「神」だったのは、むしろこの記事があったからかもしれません。

 これは、HipHopのDJなら知らない人はいないであろうアナログ盤「Ultimate Breaks & Beats」の曲名とアーティスト名を網羅したリストで、当時としては衝撃なリストでした!!
 作成者はHouse系DJで有名なDJ HiraguriさんとINDOPEPSYCHICSのNIKさんで、このリストページ以降は、実際の曲を収録したレコードを写真付きで紹介しています・・・今でも超参考になります!

 Ultimateを知らない方もいるので、少し紹介をすると、HipHopのサンプリング元となるドラムブレイクが入った曲(=Break Beats)を集めたコンピレーションで、ある意味「HipHopの元」となる曲を集めた内容になり、収録曲のドラムブレイクを2枚使いすることでHipHopが生まれたと言っても過言ではありません。

 そのため、HipHopのDJであれば、このレコを2枚買って常備しておくことは必須も必須なのですが、このシリーズは、ジャケには収録曲しか書いておらず、誰の曲なのかが一切分からない仕様になっています・・・
 なので、このリストではアーティスト名も掲載し、そして親切にその元レコまで載せているのは大変画期的で、聞いた話だと、このコピーが海外にも出回ったとも聞いています。

 私としては、このリストがあったから「HipHop」が、いや「DJ」が本当に好きになったと思っています!

 このリストを読んだことで、Ultimateの存在に興味をもち、速攻でUltimateを2枚買い、2枚使いをし始めDJの技術としての部分を学んだことに加え、HipHopがこういった曲を用いて、自分たち流にアレンジした音楽だということを体で覚えたのは大変価値がありました・・・
 また、やはり収録曲にも興味を持ちはじめ、オリジナルのレコードを「掘る」ことも、このリストに刺激された部分はあるかも知れません・・・実際にUltimateに収録されている曲のオリジナルを買い始めたのは近年ですが、HipHopなりDJの精神性である「掘る」という意味をこのリストから学んだことは疑いがありません!

 マニアックな点は、どちらかと言うと後で紹介する連載ページだったり、この前期の最後の方の号だったりするのですが、こういうリストを作っちゃう姿勢は大変重要ですね!!



③ 付録CDについて

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 そして、この時期のGROOVEといえば「付録CD」を思い出す方が多いかと思います!!

 GROOVEは、なぜか毎号、写真のような形でCDが同梱されており、他誌にはないセールスポイントとして機能をしていたかと思います。

 基本的には、その号の特集にリンクした内容に加え、インタビューがあったアーティストの音源が視聴用でついていたり、読者からのデモ曲投稿コーナーがあったので、そこに応募された曲で良かったのが入っていたり・・・割と「ごった煮」な感じだったと思います?

 正直、どちらかというと「資料」的な要素が強かったので、リスニングに耐える「おまけ」的な意味合いは少なく、私も当時から全然聞いていなかったです・・・むしろ、封さえ切ってない号もあります。
 ただ、他誌にはない試みなので、結構、GROOVEとしては推していた部分があり、このCDを活用して様々な企画が設けられていて、今考えてみると、かなり「面白い」企画もあったと思います!!


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<Hip Hop Track Making - Rock Tee> 1997年4月号

 そんなCDですが、一番活用されていたのが「トラックの作り方」などの機材系の記事での活用だと思います。

 引き続き1997年4月号(写真のCDもこの号です)からの紹介ですが、この号では「日本語ラップ」が特集だったこともあり、特集の後半では、なんとRock-Tee氏による、HipHopのトラックの作り方を紹介したページが設けてあります。

 誌面では、サンプラーであるMPC2000を用いて、サンプリング用CDから抜いた音をサンプリングし、ドラム・ベース・上ネタを作り、トラックとして組んでいく過程を紹介しており・・・文字と写真だけでは伝えきれない内容、つまり「音」をこのCDに入れて副読本のような活用をしています。
 例えば、サンプリングCDに入っているデモのドラムループを抜いたけど、そのまま使うのは面白くないので、エフェクトをかけた音を載せたり、そのドラムループにキックなどを足した過程を収録したり、最後に声ネタ(Kreva!)を入れる過程を紹介したり・・・誌面で文章化されているトラック制作で出来た「音」を紹介することを行っています。

 まあ、これだけ聞いても全然面白くないのですが、トラック作りに興味をもっている人にとっては大変興味がある内容ですね・・・それこそ、YouTubeも、トラックを作る教則ビデオもなかった時代なので、こういった内容を入れている点は、サンレコが母体である証拠かもしれないです。
 特に、次の機材の部分ともリンクをするのですが、他の号では、新しい機材を用いて、有名DJやプロデューサーが作ったデモ音源などが入っており、GROOVEらしい活用をしていたな~と思います。


 なお、この号では、DJ WataraiさんとDJ Okuboさん(今は弁護士さんですね!)によるスクラッチ実演音源が入ってたり、DJ Tatsutaさんによる特別デモ音源(Adjustment Sampler)が入っていたり・・・今となってはレアな音源が多いかもしれないです。

 このCDに関しては、私はあまり興味がなかったので、記憶が薄いのですが、特別な音源や未発表な音源が入っていたりすることもあり、掘り起こしをしてみるのも面白いかもしれないですね・・・
 他の号では、リップスライムのDJ Fumiya氏による未発表インストが入ってましたよ・・・さりげなく、日本語ラップマニアの心に油を注いでみました(^^;)




④機材の特集

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<沖野修也 meets Korg Electribe> 2000年8月号

 Rock-Teeさんのトラック実演にも近い話ですが、GROOVEの特色として「機材」を強くフューチャーしている点は見逃せません。

 最初の方でも紹介をしましたが、「Sound & Recording Magazine(サウンド&レコーディング・マガジン)」が母体の雑誌だけに、機材系の紹介は手厚く、これは他誌にはない強みになっていました。
 
 特に、新商品が出た時は、有名DJやプロデューサーに機材の使用感をインタビューしたり、先ほどのCDと連動して、その機材を使って作った音を載せたり・・・ある意味、この雑誌の「裏テーマ」だったりもしました。
 
 例えば、写真の2000年8月号では、新商品だったKorgのリズムマシーン/シーケンサーだった「Electribe」の紹介を、あの沖野修也さんが行っています・・・当時、Cosmic Villageとしてライブをしてた時、このElectribeを使用していたそうです。
 この時の特集では、福富幸宏さんがPioneerのエフェクターEFX-500を紹介していたり、ShakkazombieのDJ TsutchieがAKAIのサンプラーMPC-2000XLを紹介してたりし、沖野さんだけは音源はないですが、両者のはデモ音源がCDに収録されていました。

 読者としては、誌面では伝わりきらない内容、特に機材であれば「どういう音が出るか/鳴るか」が分かるし、その点を伝えたい機材メーカーとしても効果的に宣伝ができる方法なので、非常にwin-winな特集だったかもしれないですね。
 特に、有名DJやプロデューサーを起用することで、ある意味の「お墨付き」が出るわけですよ・・・これは雑誌だから出来ることかもしれないですね~


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<HipHopクリエイターの現場 - MURO> 1998年10月号

 また、機材系の話に近いのですが、母体であるサンレコでも名物記事な「クリエイターの現場紹介」も結構掲載されてて、1998年10月のKrushさんが表紙のHipHop特集号では、HipHopクリエイターのスタジオとインタビューが掲載されています。
 参考画像として、我らのMUROさんが自身のレーベル「Incredible Records」を始めた直後ぐらいで、ホームスタジオだった「Inside Out Studio」の内容が掲載されています・・・同号には、その他にD.O.Iさん、DJ Master Keyさん、Tsutchieさん、渋いところだとInovaderさん(!)などが人選されており、マニアックな所を攻めていますね(^^;)

 私も含め、クラブ系の音楽を「作る」ことを知らない方にとってはキツイ話題ですが、トラックとかを作っている人にとっては、あの有名プロデューサーがどうやって「あの音」を出してるのか?が気になるところだと思います。

 サンレコに関しては、ある意味で「音」という言葉では伝えにくいことを、雑誌として文章や写真で伝えていくことに熱意をもっており・・・この部分もその考えを引きついだ紹介記事だと思います。

 個人的には、GROOVEという雑誌を考えた時、この「あえて文章・写真で」という姿勢が強かったと思います・・・

 それが、どこまで本当だったかはアレですが、後期のGROOVEでの「DJの部屋」特集にしても、実はこういった姿勢があったからこそ、生まれた特集なのかな~と思う部分もあり、結構重要かもしれないです??



⑤連載記事

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<12inch Disc Review - 木村コウ>

 ①~④でGROOVEの方向性が分かってきたかと思います・・・見た目はヴィジュアル的で派手なイメージがありますが、実際は機材に強いマニアックな雑誌という感じでしょうか?(^^;)

 そんな、マニアックで、機材な部分が強く出てたのが、他にもなく「連載記事」だったと思います。

 まず、GROOVEの連載記事ついては、あまり一貫性がなく、補足しづらい存在でした・・・

 例えば、こういった音楽誌にありがちな「アルバム・シングルの紹介」であれば、かなり短い期間で掲載方法や掲載ポリシーが変わってて、先月と今月とで読み方が変わることもありました・・・
 なので、読者としては微妙に読みづらく、私自身は凄く真剣には読んではいませんでした・・・

 ただ、やっぱり記事はマニアックで、その一つが12inchの紹介かな~と思います。

 全ジャンルのレビューを、そのジャンルごとの有名なDJに寄稿してもらう形で掲載しており、Houseであれば参考画像のように木村コウさんが長く担当をされていました。
 その他であれば、HipHopはDJ Tatsutaさん、TechnoはQ'heyさんなどが担当し、今読んでみると、結構マニアックなことが書いてあり、流石ですね!!

 クラブ系の音楽を取り扱った音楽雑誌として、この「レコードの12inch(=シングル)」って結構厄介な存在なんですよね・・・

 なぜなら、無名なアーティストでも曲が良ければヒットするので、その音楽の知識がないと書きづらかったり、シングルが故に、発売時期と掲載時期がズレてしまい、作品紹介の鮮度が保てない(=発刊された時はシングルが廃盤になってるとか)部分があったり・・・意外と力が入れづらい部分だと思います。
 
 GROOVEも、すごい力は入れていなかったかもしれないですが、他誌と比べると、有名DJの協力や、実際のアナログ販売店の協力を得て、情報を「濃くする」という方法で、なんとか成立させており・・・そのあたりは、GROOVEが持つ「マニアックなスタンス」が生きた部分かな~と思います。


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<D.O.I.'s Work Shop>

 そして、一般的な連載記事も、名物連載みたいのはなく、割と短期間で終わってしまう(または鞍替えしちゃう)のが多かったですが、やっぱり「機材」系の連載は力を入れていたかな~と思います。

 例として、HipHop系有名エンジニアである「D.O.I.」さんによる連載を紹介しますが、この連載は結構おもしろかったですね!

 D.O.I.さんと親交のあるHipHop系有名プロデューサーとの対談がメインで、画像はTsuchieさんとSP-1200の話をしています・・・内容は相当濃く、機材のことが詳しくない方だとついていけません(^^;)
 これ系の連載だと、ColdfeetのWatsuiさんによる連載も濃かったし、他にも機材系の連載は濃い(マニアック?)なのが多かったと思います。

 ここで気づくのもアレですが、異様にTsuchie(つっちー)さんが登場しますね・・・日本語ラップグループ「Shakkazombie」のトラックメーカーで日本語ラップが詳しい方でないと知らないですよね?

 う~ん、Tsuchieさん自体は雑誌取材などに出ることが少ないお方なので、Tsuchieさんには大変失礼な話かもしれないですが、GROOVEという雑誌は、実は「裏方」にスポットライトを当てていたことが分かる実例かもしれないですね・・・
 流石に、この裏方を特集の中心にすることは行っていないですが、母体であるサンレコの意思をくみ取り、連載という地味なページでは裏方に焦点を当てていたのかもしれません・・・・



⑥前期 最後の爆発力

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 そんなわけで、前期のGROOVEは、上記の2001年5月号で休刊になり、前期の幕を下ろします・・・

 休刊の話は、かなり突然で、当時は「なんで?」と思った方が多いかと思います・・・
 
 時期的にもクラブミュージック/DJ市場が上り調子だった中で、音楽誌の売り上げも結構良かったはずなのですが、突然の休刊・・・私も当時、かなりビックリしました。
 明確な理由は分からないですが、今回、改めて考え直してみると、他誌がその音楽ジャンルに特化した「専門誌」だったのに対し、GROOVEの「総合誌」的なスタンスに限界が出てきた・・・そんなところなのかな~と思います。

 ただ、その「総合誌」的なスタンスは、最後まで胸を張って主張しており・・・むしろ、前期のGROOVEにおいては、最後の方がボム企画が多く、強烈な「最後っ屁」を残して休刊をしました!!


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<Rare Groove Disc Guide by 岩沢洋一、手与木隆平>

 その最後っ屁の象徴が、最終号の「レアグルーブ特集」で、これは本当に価値のある号でした!!

 GROOVEの特色として、各号で「特集」を組む方向性があったことを伝えましたが、従来は各音楽ジャンルに特化した特集(HipHopならHipHopみたいな感じ)を組んでいましたが、最後の1年ぐらいはより深い特化の仕方をしていました。

 例えば「FUNK」とか「サントラ」、そして示した「レアグルーブ」など、どちらかというと「サブジャンル」的な部分で特集を組んでいました・・・

 ただ、この中において、重要なのが「アナログ」という視点を強く推し進めた点があります。

 どの特集も、その特集に関係するアーティストへのインタビューが掲載されつつ、アナログを前提にしたディスクガイドが同時に掲載されているのですが・・・インタビューもガイドも超強力です!!

 例えば、このレアグルーブ特集だと、ただでさえ分かりづらいジャンルなのを考慮し、関係者へのインタビュー(小林径×荏開津広ん、小西康陽×須永辰緒、Norman Jay、Keb Darge・・・)を掲載することで、このジャンルの歴史と趣旨を明確に語っています。
 レアグルーブほど「アナログ」に特化したジャンルはなく、その精神性(掘るなど)も紹介している点は素晴らしですね・・・

 そして、その最も分かりやすいのが「ディスクガイド」で・・・これが強力すぎます!

 掲載したのは「虎の穴」としてスーパーレアな作品を紹介しているページなのですが・・・2001年の時点で、これだけ紹介していた(掘られていた)事実にビビります!!

 リストは、FUNKやModern Soulのコレクターとして有名なBEAMSの岩沢さんと、当時はまだ本名名義だったRyuhei the Manさんで、掲載したページだけでも、Soul ExpeditionやRicardo MarreroのTSG盤など、鬼レアなのが掲載されています・・・
 象徴的な一例では、今となってはレアグルーブの最も頼れるディスクガイドである「Rare Groove A to Z」の執筆陣が、この号を読んでさらに掘りを深めていった経過があったそうで・・・かなり濃く、影響力があった特集だったと思います!


 前期GROOVEの最後の方(背表紙が青か黄色)は、ほんと強力な記事が多く、今でも資料価値は大変高いと思います・・・

 考え直すと、総合誌的なスタンスがある「GROOVE」として出来ることを考えた時、その最終手段として「アナログに特化したドマニアックな特集」を出して、人気回復を狙ったのかもしれないですが・・・それが裏目に出て休刊になった部分もあるかも知れません。
 つまり、ドマニアックがゆえにマニアしか買わない構造があり、記事としては非常に優秀だけど、読者がついてこなかった・・・そんな理由で休刊になったのかもしれないですね??

 ただ、その「アナログに特化したドマニアックな特集」というスタンスは、約3年後の「後期GROOVE」で花開きます・・・





(3)後期 2004年秋~2015年春

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 次は、後期編です・・・こちらのGROOVEの方が思い入れが多い方が多いかも?

 私個人としても、この後期の方が愛読していた部分は強く、いつも発売日を楽しみにしていた記憶があります・・・
 なので、今年の春、突然の休刊宣言には涙を流しました・・・みなさんも、そうですよね!!

 今回、改めてGROOVEという雑誌を考えると、この後期は前期のGROOVEと断絶している存在なのかな~と思っていましたが、それは間違いで、実は前期から続いている「GROOVEイズム」をしっかりと引き継いでいました!

 それは、言うまでなく「マニアックなスタンス」「機材愛」「アナログ愛」などになりますが、これらを写真を中心に構成した「ヴィジュアル力」とうまく掛け合わせ、読者のライフスタイルや文化に訴えかける内容に「進化」させた点は素晴らしかったと思います!!

 では、以下でランダムに後期GROOVEの魅力を紹介したいと思います!



①突然の復活

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『左 2003年秋号』     『右 2004年夏号』

 まずは復活をした経緯から紹介します・・・タイトルで「突然」と書きましたが、一応、伏線があります・・・

 2001年4月に前期のGROOVEが休刊して以降、発行元のリットーミュージックとしては、DJ/クラブ系の本や雑誌から少し離れてしまった部分もありましたが、世間のDJ人気に連呼して、得意とする機材系のムックや教則本をチョコチョコと出していました。

 ただ、その世間からの需要を応えるとなると、単発のムックなどでは求心力が無いと感じたのか、2003年夏に前期GROOVEの流れをくんだ「GROOVE」という名のムックを単発で発売することになりました。
 
 このムックは、結果的に2003年夏から3カ月ごと(年間4回/季刊誌)に発行され、計5冊が発行されており、実質的にGROOVEが復刊した形になります。
 まあ、結果的にこのムックがあったことで、後期GROOVEが誕生したのですが、このムックについては前期GROOVEの内容を踏襲した誌面になっていました。

 内容としては機材関係を大幅にフューチャーしつつ、新しい機材の紹介や使い方に大きくページを割いており、当時としては「機材本」として認識をされていたかと思います。
 そのため、当時は「復活」と言われてはいましたが、私としてはピンとはこなく、まるで「GROOVE」というブランドを利用しただけの本だな~と思い、完全にスルーしていました・・・値段も2000円近くしてたのもありますが、正直、これが「復活」だとは思いませんでした。

 ただ、深く読むと、GROOVE的なマニアックなスタンスは健在で、2003年秋号では、Rolandの名ドラムマシーンである「TR-808」「TR-909」の特集があったり、テクニクスのタンテを改造してピッチ幅を広げる方法(!)を紹介したり・・・流石です!


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『2004年秋号 ターンテーブルがある生活』

 そして、2004年の秋、後期とされるGROOVEが登場します!

 表紙からして明らかにこれまでのGROOVE(前期)とは異なり、これまでの機材寄りの誌面や、CD付きの体制をやめて、大幅にリニューアルをした内容が後期になります。

 本の仕様なども含め、様々な部分で変更がなされ、もはや今までのGROOVEとは異なる雑誌です・・・なので、私の中では、2004年秋以降のGROOVEを「後期」としています。

 発行ペースは、ムックの発行ペースを引き継ぎ、年4回の季刊誌(春、夏、秋、冬)としての発行ペースでしたが、結果的に2015年春まで都合10年以上発行してて、合計43号のGROOVEを世に送り出しました。
 ただ、引き続きというのでしょうか、毎号毎号で異なる話題を「特集」する方向性は前期と変わらず、次の号が何を特集するのかを楽しみにしながら待っていた記憶があります!


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<DJの部屋 Toshiyuki Goto> 2004年秋号

 大幅なリニューアルをしたのは、当時としてはCDJやデータでのDJが普及し始め、DJをすること、そしてDJという存在自体が一般化したことを踏まえ、ライトな視点からDJ/クラブカルチャーの魅力を紹介するために変更を行ったそうです。

 実際にリニューアル後の第1号では「ターンテーブルがある生活」という特集の元、人気DJなどの自宅DJスペースを紹介する内容になり、文字ではなく写真を全体的にフューチャーした内容になっています。
 参考として、この号の表紙にもなっていたHouse系DJ/Producerである「Toshiyuki Goto」さんのお部屋を・・・この「DJの部屋」の特集は、後期GROOVEの代名詞とも呼べる特集で、好きだった方も多いですよね~

 そして、リニューアルをしたことで大きく変わったのはその掲載方法で、前途した通り、写真が大々的にフューチャーされ、どちらかというと「ビジュアル」で内容を訴える方向性になっています。

 この「ビジュアルで訴える」編集方法は、一貫して後期は貫かれており、私を含め、皆さんもこの路線が好きでGROOVEを購読されていた方が多かったかと思います・・・
 それこそ、この「DJの部屋」もそうですが、これ以外の「DJのバックの中身」や「DJのコレクション紹介」「DJの選曲紹介」などでこの路線が活用されており、前期のGROOVEと比べるとだいぶナンパな感じになったかもしれません??

 これは分からない話ですが、後期にリニューアルする直前までに発行していたムックでは、「DJ機材」という題材を、今までの流れをくんだ「実用的」な方向性で紹介をしていましたが、この方法に限界を感じたのか、それで路線を変えたのかもしれません・・・

 この路線変更、私もなんとなくですが頷ける部分があります・・・

 発行の時期を例に、GROOVEの読者層のことを考えると、90年代末から00年代初期の前期GROOVEの頃は学生や若者が中心で、ターゲットとして「真剣に音楽を追い求めている」層を中心にしていた部分があったと思います。
 しかし、それらの学生や若者は、次第に大人になっていき、就職などをして「DJ」の接し方が変わります・・・つまり「DJをする」というよりも「趣味としてDJという文化を楽しむ」という方向性に変遷していました。

 私自身がまさにそうかもしれません・・・
 
 私は、2002年春に大学を卒業し、晴れて社会人になったわけですが、社会人になった初期は「DJなりレコードをどう楽しむか」が分からなかった時期がありました。
 それは、社会に出て、時間がなくなってしまったことや、学生気分が抜けたことなどが大きく、それまで時間をかけて作ってた個人的なミックステープ作りや、頻繁にレコード屋に行くことができなくなり、結構悩んだ時期でした・・・

 結果として、私については「DJなりレコードをどう楽しむか」ということを「趣味」として位置づけ、うまく生活に刷り込まして行く方向で解決し、だいぶ紆余曲折をして今に至っていますが・・・GROOVEの方針転換もその「購読者の生活の変化」に合わせた部分があったのだと思います。

 その中で、凄い実用的な固い内容では響きづらい部分があり、それこそ「DJルーム」という読者の生活に馴染む内容を一発目にしたのは象徴的かもしれないですね・・・
 就職して社会人になり「DJ」になることは出来なかったけど、かっこいい「DJルーム」で生活をしたい・・・そんな需要を補完する狙いで特集されていたのかもしれません。

 つまり、まとめると、後期のGROOVEは、前期よりもライト視点というか、DJを生活の一部として楽しむ「ライフスタイル誌」としてのGROOVEにリニューアルをさせたのだと思います。

 ただ、以下で詳しく紹介しますが、そこにはGROOVEらしい「マニアックな視点」も多く含んでおり、むしろ、そのマニアックさをカジュアルに取り扱った点が非常に大きいです!!

 以下では、後期のGROOVEで企画された印象的な特集を紹介し、その魅力や特色を紹介します!!



②DJの部屋

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『2006年秋号 DJのレコ棚が見たい!』

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『GROOVE presents DJの部屋』(2012年9月)

 まず、先ほども触れましたが、この「DJの部屋」はGROOVEの代名詞な特集ではないでしょうか?

 この特集は、国内外の有名DJやプロデューサーの「部屋」を紹介する内容で、DJに興味のある方なら絶対に興味を引く内容だったと思います。

 以前にも「DJ・レコード関連本 部屋本特集」という記事で紹介したこともありますが、私自身もかなり好きな特集でした。

 なんでしょう、そのDJの「頭の中」を覗けるみたいな意味合いがあり、どんなレコードを持ってるかとか、どんな機材を使っているのかとか・・・そのDJの人柄や趣味を知る上で明快な特集で、読んでいる方としてもかなり楽しめる内容だったと思います。

 うん、GROOVEって、やはり力を入れていたのは「DJ」という存在を紹介することだったと思います。

 DJというと「単に曲と曲をつなぎ合わせて、聞いている人を楽しませる」存在なのかもしれないですが、その奥深い「面白さ」「多様さ」を力強く紹介していた点は非常に大きいです。
 それこそ、この部屋紹介もその一つだし、DJがクラブでプレイした曲の紹介(選曲解剖)や、現場にもっていくレコードバックの中身の紹介など・・・DJという存在の面白さを多角的に紹介しており、もはや、雑誌としての使命感を感じます。

 なお、この部屋特集は人気な特集だったことから、かなりの頻度で特集され、2012年には今までの特集をまとめた特別本(写真下)も発行され、GROOVEとしてはかなり力を入れていた特集になるかと思います!


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<MUROさんの部屋 2012年>

 そして、部屋特集については・・・我らのMUROさんが4番バッターとして最多出場されており、登場するたびに驚愕をさせられました!

 参考画像として2012年の特別編集版が刊行された時のお部屋(2012年)を掲載しますが・・・そのセンスの良いレコードと調度品、そして膨大な量のレコードなど、見ているだけでヤラれます!!

 MUROさん自体、レコードの所持量はもちろん、掘るという視点/姿勢から集められた様々なグッズが大量にあるわけですが・・・それらが雑多でありながら、センス良くまとめられているところは、ファンとしてはたまらないです!
 上記のお部屋であれば、1枚目では、MUROさんの横にあるレコ棚が「変な顔」のピクチャーディスクでまとめられていたり、2枚目の恐ろしい量のレコ棚(6畳の部屋に回廊式に組まれている)には圧倒されたり・・・とにかく「MUROさん、すげーよ!」となる内容が多かったです!

 なんでしょう、この部屋特集って、読んでいる人の「憧れ」を補う部分が強かったと思います・・・

 実は、この「憧れを補う」という点は、後期GROOVEにおいては重要なキーワードで、これが「ライフスタイル誌」と言える根幹になる部分だと思っています。

 部屋特集については、人よりもカッコいい部屋に住みたい/作りたいけど、収入や生活環境が原因で住むこと/作ることができない・・・だけど、いつかは「住みたい/作りたい」という憧れを補っている部分があり、他の特集でも、これに近い補完の仕方をしているかと思います。
 また、広い意味でDJを題材に「生活を楽しむ」部分を提案している内容でもあり、DJは実際にしなくても、DJに関わる「文化」を楽しんでいくという点を分かりやすく紹介しているかと思います。

 なお、かなりビジュアル的にも分かりやすい構成にしていますが、写された内容は相当マニアックなのも多く、マニアックな内容をカジュアルに見せていた点もポイントです!!



③レコード関連の特集

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『2009年夏号 レア盤を巡る物語』

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『2008年秋号 レコ屋の名店を求めて』

 そして、②のレコ部屋を発展(=クローズアップ)した話題になるのかもしれないですが、いわゆる「レコード(アナログ盤)」に関する特集も大変多く、こちらも楽しみにしておりました!

 大きく分けると「レコード盤」と「レコード屋さん」の紹介に大別されるのですが、アナログ馬鹿な私としてはタマらない内容で、これ系の特集も大変楽しみでした!!

 まず、先に背景を紹介しちゃいますが、このレコードに関する特集は「購読者のニーズ」に合わせた部分なんだと思います。

 この後期の紹介の最初で、購読者の状況が変わったことにより誌面の方向性を変えたのでは?と指摘しましたが、それは、読者が「大人」になり、レコードなりDJを「趣味」としてでしか取り扱うことができないことを意味します。

 私がまさにそうですが、実際にレコードは今でも買っていますが、それをDJプレイの為に買うことは一切ありません・・・もはや「好きだから買っている」でしかなく、それは「趣味」でしかありません・・・私と同世代だと絶対にそうですよね??
 つまり、そのレコードなりDJを「趣味として続けている人」が多く、そういった人でない限り、GROOVEのような専門的な雑誌は買わないので、雑誌を売るためにその「趣味」に連呼する部分(=購読者のニーズ)に響かせる特集が必要なので、こういったストレートな特集が必要だったのだと思います。


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<カット・ケミスト 入魂の掘り12選> 2007年秋号

 では、実際の特集を紹介したいと思います!

 内容的にはいろいろとありましたが、一番多かったのが「DJがチョイスしたレコードの紹介」で、レア盤の紹介や珍盤の紹介など、様々なレコが紹介されており、大変面白い内容でした!
 傾向的にはGROOVEの伝統(?)であるマニアックな姿勢を維持しつつ、ビジュアル面での意識が加わり、凄い分かりやすい内容になっていたのは流石です!!

 そして、この部分でも、我らのMUROさんが独走状態ともいえますが、MUROさんばかりもアレなので、参考としては上のカット・ケミスト大先生のチョイスを紹介します・・・

 このレコ紹介は、国内・国外を問わず、有名DJが多数登場し、参加した方は「手抜きなしの紹介」をすることが多かったと思います。
 カット・ケミストに関しては元Jurassic 5というよりも、世界屈指のレコードディガーとしての方が有名で、この12選でも韓国やエチオピアといったオルタナティブな国のレコを紹介しつつ、Beat Popのオリジナル盤(!)や、T-La RockのIt's Yoursのテストプレスでプロデュースしたリック・ルービンの学生寮の電話番号が入っているレコなど・・・強烈です(^0^)

 ただ、このクラスになると、その入手方法が素晴らしく、カット・ケミストがチョイスしたIt's Yoursは、このレコを持っていた友人が亡くなってしまい、その友人の彼女が貸倉庫の家賃を捻出するためにレコードの一部を手放すことにしたのを、こういった貴重なレコードは持つべきなのは本人かその友人しか持つべきではないと判断し、カット・ケミストが高いお金を出して手に入れたそうです・・・男を感じる素晴らしい話ですね!

 こういった特集は、参加するDJ達もかなり真剣に参加をしている部分に加え、その真剣さを理解し、ダイレクトに誌面に起こしている編集側の力量があっての特集だと思います!


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<レア盤を巡る物語 D.L×尾川雄介> 2009年夏号

 そして、その最たる例が、2009年夏号の故Dev Largesさんと尾川雄介さんの対談になるかと思います・・・

 この特集は、いわゆる「レア盤」に焦点を合わせた特集で、DLさんがもっているFunkの屈指のレア盤(画像で両者がもっているレコ/East of Underground)を、尾川さんが欲しかったので、DLさんが欲しかったレコード(Billy Wooten)と交換した話を対談形式で紹介しています。
 いわゆる「レコード・トレード」で、レコードの物々交換と言えばいいのでしょうか・・・背景としては、あるレベルのレア物になると、持っている人がお金を積んでも放出しないので、その持っている人が欲しいレコードを出すことで譲ってもらう方法を、このことを誌面で紹介した内容になります。
 
 詳しい詳細は誌面に譲りますが、「掘る」という行為を見事に描いた対談で、目から鱗な内容です・・・

 私も、このブログを通して「掘る」という行為の面白さや大切さを伝えていますが、ここまで愛に満ち溢れた経緯や内容は表現することができません!
 個人的には、DLさんの遺作となったミックスCD「Freedom Jazz Funk Mellow Storm」の最後で、ここでトレードされてDLさんの手元に渡ったBilly Wootenがプレイされたことにグッときます・・・レコードの輪廻転生を感じます・・・

 先ほどは「真剣さ」という言葉でまとめましたが、その真剣さの根幹には「掘る」があります。

 この文化を考えた時、掘るという行為はホント大切なことで、掘るということを理解、いや、掘ることを愛することが一番大切だと思います。

 GROOVEにおいては、ほんと、この「掘る」ということを理解していた点は凄い大きいと思います!
 それが誌面に生きていたのは明白で、楽しみながら読んでいましたが、気付いたら「掘る」ことを更に鍛えてくれた部分もあったかと思います!


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<レコ屋の名店を求めて 福島Little Bird、水戸Vinyl Machine> 2008年秋号

 そして、もう一つの方向性として「レコード屋さん」の紹介も頻繁に行っており、これも面白い特集が多かったです!!

 例えば、2008年秋号では、全国にあるレコ屋の名店を紹介しており、福島のLittle Birdさん、水戸のVinyl Machineさんなど、地方にある素晴らしいお店を紹介しており、凄い刺激を受けました!

 私は都内に住んでいるので、近くにユニオンなどの素晴らしいレコ屋さんがあるのですが・・・地方のレコ屋さんは、また違う魅力があり、私個人としては地方のレコ屋さんに行くのも大変好きです。
 個人的にも、GROOVEで紹介された地方のレコ屋さんに興味を持ち、ちょうど仕事で地方出張が増えた時期と重なり、イケるタイミングがあれば紹介されたお店に足を運んだ経緯があります・・・Little Birdさんも福島に出張の際に訪問させていただき、店主のMarcyさんの気さくな対応と、お店に並ぶ驚愕のレコの数々にヤラれた記憶があります!

 このレコ屋紹介も「掘る」という部分につながるのですが、やっぱり「足を運ぶ」ことの重要さを示しており、GROOVEが本当に「掘る」ことを理解していた雑誌だったんだな~と思いました。

 それこそ、ネットが一般化し、レコードも通販で買えちゃう時代なのに、お店に足を運ぶことは、目当てのレコードを買うこと以上に「喜び」を与えてくれると私は信じています。
 GROOVEに関しても、この点を理解していたのでしょう・・・それも、紙で刷られた「雑誌」というメディアを使って、このことを力説しているのだから・・・なんか、グッときますね(^0^)



④クラブに関する特集

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『2010年夏号 人気イベントの秘訣』

 後期GROOVEでは「DJ」という存在を核に、「レコード」や「掘ること」などを題材に挙げていましたが、この「クラブ」という題材も重要なパートになるかと思います。
 
 クラブという存在を考えると、DJを「おこなう場所」であり、DJがプレイする内容を「楽しむ場所」であり・・・DJとお客さんが一体化できる場所ですよね・・・
 なんか、卵と鶏な話じゃないですが、DJとクラブは表裏一体な部分があり、無くてはならない存在です・・・

 ちょっと話はズレますが、私自身の話をすると、不思議なもので、学生自体はそこまでクラブには思い入れがなく、社会人になってからの方がお世話になっており、日ごろの鬱憤をはらすべく、タイミングがあえば今でも踊りに行っています。

 特に、クラブに行くと、DJがDJミックスをしているわけで、それは今となってはネットでも同等に近いものが聞けたりする訳ですが・・・クラブで踊りながらでないと聞けない/体験できない「音楽」があり、それが好きで通っています・・・
 このことを、言葉にするのはなかなか難しく、なるべくその素晴らしさを伝えようと、私が踊りに行ったパーティーは「ここで報告」していますが・・・その魅力を語るのはなかなか難しいですね。

 GROOVEに話を戻すと、その「特別な何か」が分かっていて、その特別さを伝えたく、クラブ関係の特集があったように思えます・・・

 クラブ関係の特集については、そのDJの選曲方法だったり、そのイベントの様子だったり・・・かなり多角的に紹介をしていました。
 特に、個人的に好きな姿勢が、その記事を読んだ人を「クラブに行かせる」ような特集の組み方をしてて・・・ああ、GROOVEが「クラブ」という存在を信じて、そして愛しているんだな~と思いました!


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<ピークタイムの勝負5曲! Masters at Work> 2007年冬号

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<選曲解剖 MUROさんの7inchセット> 2006年春号

 では、実際の記事をとして、クラブ系の部分を紹介したいと思います!

 まず、日本のクラブシーンを考えた時、海外の有名DJが来日してパーティーを開くことが多いですが、有名どころの現場は足しげく取材をしており、2006年の年末に奇跡的に行われたLouie VegaとKenny DopeのDJユニット「Masters at Work」のパーティーを取材し、ファンとしてはグッときますね!

 内容的には、これもよくあった特集で、有名DJが「どういう曲をプレイしているか」で、MAWに関してはピークタイムの5曲を紹介するという特集でした。
 この特集、どちらかというとDJをしている人向けの内容で、ピークタイムの盛り上げ方の「裏側」を知るのには最適でしょうね・・・DJのプレイを聞いて踊る側としても、結構興味深い内容で、クラブでの踊りをより楽しくするための知識を蓄える部分があったかと思います。

 そして、更に突っ込んだ内容として「選曲解剖」という特集があり、これも力を入れていたかと思います!

 この選曲解剖では、実際にクラブプレイをした曲を、流れに沿って詳しく紹介しており、更にマニアックな紹介を行っています・・・
 資料画像として紹介するのは、MUROさんがDJ Premierが日本に来日した時のセットで、MUROさんの代名詞でもある45セットを紹介しています。
 資料が拡大しても見づらいのは申し訳ないですが、2006年の時点でHipHopの45を使ってたり、楽勝でネタつなぎをしてたり、なんとソノシートで2枚使いをしてたり・・・MUROさんのDJプレイの全貌が分かりやすく紹介されています。

 この選曲解剖も、どちらかというとDJをしている人向けの特集で、ある程度、DJプレイやレコードの知識がないと厳しい部分ですが、ある意味で「教育的」な意図があったのかな~と思っています。

 教育と書いてしまうと、非常に片っ苦しいですが、おそらく「もっとクラブやDJを楽しもう!」という意図があった上での特集だったと思います。

 クラブという「非日常な場所」において、そこで行われるDJのことやクラブのことを少しでも知っていると、より「クラブが楽しめる」効果があると私は信じています。
 それは、私自身も経験してきたことですが、そこでプレイされる曲を知ってれば、プレイされた瞬間、ビックリして喜んじゃうし、DJプレイの仕組みを知ってると、そのプレイのレベルの高さが判断でき、そのDJの力量にヤラれたりします・・・

 この点は、おそらく、クラブに酒を飲んで皆で騒ぐために行っている人には伝わりづらい話かもしれませんが、クラブで「音楽を楽しむ」ためには、実は知識をつけることは大切で、GROOVEにおいても、この観点を意識してたところがあるのかな~と思います。


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<名クラブはこう作られる(eleven Openning)> 2010年春号

 そして「クラブに対する知識」については・・・いい意味で「マニアック」な方向にも進んでおり、マニアには御馳走な内容も多かったです!

 例えば、2010年春号では、ちょうど西麻布Yellowの跡地に出来た名店「eleven」のオープンとリンクして、そのelevenがどうやって作られていったかを詳細に記事にしています!

 eleven自体、残念ながら2013年の5月に皆に惜しまれつつ閉店をしましたが、私も大好きなクラブで、ちょうど私のダンス人生を鍛えてくれたクラブだと思います・・・
 オープンの際も、Yellowの血を引き継いだ本格的なクラブとして注目され、私もオープンウィークのTimmyのプレイも行っていたぐらい、当時としては注目されていたクラブでした。

 んで、実際の記事は・・・ほんとマニアックで、どんな日程で作られたか、搬入したシステムはどういう内容かなど、クラブで踊ることが好きな人でも必要のない情報が満載で、これもGROOVEらしいな~と思います。

 うん、やっぱりGROOVEって「マニアック」なんですよ!

 なんでしょう、このクラブの設備なんかの記事を読んでいると、母体になっている「Sound & Recording Magazine」の得意とする特集の組み方になっており、さながら「サンレコ・イズム」が働いた部分かと思います。
 例えば、どういう経路でDJプレイの音がスピーカーに流れるかを詳細に説明してて・・・たぶん、当時、GROOVEを読んでいた方でも、この部分は読み飛ばしたかと思います(^^;)

 ただ、私は・・・凄い勉強になり、より「クラブ」のことが好きになりました!

 Bな輩にしか通じない格言で「知識はほぼ万人を制する(Knowledge Reigns Supreme Over Nearly Everyone)」とあります・・・まあ、KRS-ONEの名前の由来なんですが、知識をつけることはやっぱり大切です!
 
 こういった「裏方」的な話は現場に行っても実は分からない部分があり、私についてはGROOVEで知ったことを現場で生かすことを繰り返し、今の自分があると思います。
 そんな音の出し方とかを知ってても意味がないよ!と思う方もいるかもしれません・・・ただ、その踊りに行ったクラブが、どれほど「音」や「ライティング」に情熱をもっているかを知るためには知識は必要になり・・・その情熱が分かった瞬間、さらに楽しく踊っている自分がいました!

 こんなマニアックな部分に反応しているのもどうかと思いますが、ドマニアックなことをカッコ良く紹介していたGROOVEは最高ですね!!



⑤DJ機材関連

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『2012年春号 デジタルDJのための知恵袋』

 そして、これが最後になりますが、GROOVEなので、やっぱり「DJ機材」に関する情報が充実していました!

 GROOVE自体、DJという存在/行為が一般化してきて、もっと生活に密着していくことを見越して誌面が大幅リニューアルした経緯があるので、DJをアクティブに楽しんでいこう!という意図が大きく、その矛先として、DJ機材の紹介や、DJのやり方に関する情報はかなり手厚く掲載がされていました。
 
 特に、DJ機材の流れ的には、プレイするソースが、アナログからCD、そしてデータへと移行していった流れがあり、それに連呼するように新しいDJ機材やDJの方法に関する情報は詳しく掲載し、DJ業界の「進化」についてもしっかりとフォローしていた流れがあったかと思います。

 それこそ、セラートといったコントロールバイナルの導入方法や活用方法は詳しく紹介し、これらを読んでデータでのDJに踏み切った方が多いかと思います。
 私自身は、一切データでのDJのことが分からない(アナログオンリーの馬鹿野郎なので!)のでアレですが、かなり分かりやすく、かつ具体的な内容を紹介し、変な話、安心して「データでのDJ」に切り替えた方が多いかもしれないですね??

 では、機材系の特集を紹介しながら、GROOVEに関する魅力を紹介したいと思います!!


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<新商品チェック with DJ Komori> 2011年冬号

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<ヘッドフォン 注目モデルの視聴 DJ Watarai×高宮永徹> 2012年春号

 まずは、定番と言えば定番の企画ですが、有名DJが新商品を試してみたり、機材を比べてみたりする特集です。

 こういった有名DJ/プロデューサーが機材を試して論評する特集は、前期のGROOVE時代からも行っており、もはや「伝家の宝刀」レベルな特集ですが、後期のGROOVEでも、頻繁どころか、毎号、必ず掲載があった内容になります。

 例えば、上の資料画像では、あのDJ Komoriさんが、データでのDJ(セラート)に適したDJミキサーのモニターをしています・・・こういった企画は、毎号、必ずミニ特集みたいな形でページが割かれており、参考にしていた方は多いかもしれません。
 また、ヘッドフォンやDJ針のように、同業他社の商品をまとめてチェックする企画もたまにあり、音にこだわりをもっているDJやプロデューサーが起用されることが多く、資料画像として載せた記事ではDJ Wataraiさんと高宮永徹さんが、各社のヘッドフォンを視聴して、その特性を論評する特集がありました。

 なんでしょう、その業界で「有名なDJやプロデューサー」を起用して、機材を紹介する方法論は定番中の定番ではありますが、後期のGROOVEの特徴としては、大変マニアックなことを語っているのだけど、なるべくカジュアルに紹介している点がポイントだと思います。

 それこそ、こういった機材の紹介って、全てではないかもしれないですが、実は機材メーカーより広告料をいただいて誌面化している部分もあるので、その機材の「魅力」を語ることが大切なんですよね。
 そのため、魅力を分かりやすく語る方法論として、具体的に文章に書くよりも、有名なDJやプロデューサーが「認めた」という一点だけあれば、ダイレクトに説得ができる要素があったので、こういった方法論が珍重されてたのだと思います。

 ただ、そこはGROOVEですよ・・・やっぱり書いてあることはマニアックで、特に機材に関しては「真摯な姿勢」が伺える部分が強かったと思います。

 これらの機材レビューでも、純粋な「よいしょ」はあまりなく、しっかりと各DJたちが評価した上での論評を出しており、参加した
DJも、そして編集の方も大変「真面目に」対応していたんだな~というのが分かります。

 特に、私自身がちょっと疎いので、あまり大きく紹介出来ないのでアレですが、データ系の機材の紹介については、かなり真摯に取り組んでいた姿勢があり、こういったDJ機材が実は性能ではなく「使い方」が重要なことを理解したうえで、しっかりとした記事や特集を組んでいたと思います。
 これらは、いわゆる「新人さん向け」なHow To的な部分も含まれますが、DJ機材が持つ「魅力」を真摯に伝え、その上で「楽しくDJをやろうよ!」みたいな意図が感じられ、根は真面目なんだな~と思ったりします!


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<追憶 Technics SL-1200> 2011年春号

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<レコード針 樽屋カードリッジ> 2014年夏号

 んで、GROOVEらしい「マニアックな姿勢」を代表するのが、上記の特集かもしれないですね~

 上は、ターンテーブルの代名詞である「Technics SL-1200」の生産終了を受けて組まれた特集記事で、2002年のDMCチャンピオンであるDJ KentaroさんがSLの魅力について熱く語っています・・・

 ちょうど、この間、DJ機材の変遷を紹介したところだったので、アレですが、DJ機材というのは、新しい製品やDJ方法が生まれる中で、どうしてもその生存競争に残って行けず、去ってしまった機材も多くあります・・・
 そういった機材は、去ってしまった時点では過去の産物なのかもしれないですが、実は歴史をひも解くと、ものすごく重要な機材も多く、かつ実は新しい機材に負けない魅力もあったりもします・・・
 
 GROOVEにおいては、新しい機材を紹介しつつ、過去の機材にも敬意を払っていた部分も多く、その象徴がこの記事かもしれないです・・・

 また、古い要素を維持しつつ、新しい試みをしている機材の紹介も行っており、今となっては使用者が多いレコード針「樽屋」のドマニアックな紹介もGROOVEらしいですね!
 MUROさんや辰緒さんなど、このレコード針の出音の太さ/大きさを評価して使用しているDJが多く、ここ最近のヒット商品でもありますが、GROOVEでは、開発者の樽屋毅さん(82歳!)へのインタビューなど、大変深い特集をしています・・・

 DJ機材って、新しいものは新しいものなりにイイところが多いのですが、音で勝負するという意味では、新しい=良いとは言い切れず、古い機材や古い方法が良かったりすることもあります。
 GROOVEにおいては、そういった点を熟知し、機材の紹介を行い続けていた点は大変素晴らしいと思います!





(4) まとめ

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 今回はかなり駆け足で紹介してしまったので、あまりうまくまとまりませんでした・・・すみません。

 ただ、GROOVEという雑誌の魅力は、断片的ではあるかもしれないですが、なんとか伝えられたのかな~と思います。


 毎回、こういった記事を書くとき、肝に銘じていることがあります・・・

 それは、こういった紹介したモノが、決して「古びることがない存在」であることを証明することです。

 GROOVEについては、断片的にではありますが、ビジュアル面で優れつつ、非常にマニアックな内容を取り上げていた雑誌であることを伝えました・・・それは、裏を返せば、今でも資料価値が十分にあることを意味します。
 それこそレコードガイド的な側面であったり、クラブや機材の紹介のような資料的な側面だったり・・・今風にいえば「アーカイブ」としての価値は存分にあるかと思います。

 今回の紹介で興味をもたれた方は、ぜひ、古いバックナンバーなどを掘って頂き、その魅力にヤラれてください!!

 そして・・・我々の「DJ文化」のライフスタイルを支える部分して、GROOVEは絶対に必要な存在です・・・復活することを切に願っております(^0^)














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<本当のビックボム>

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 え~、読んで頂いた方によっては「なんでこのタイミングでGROOVEを?」と思う方も多いかもしれません・・・そして、ここで謎のMUROさんのお写真が・・・

 はい、今回の紹介には「ふか~い」理由があります・・・

 実はですが、今回、GROOVEの過去に書かれた記事を中心に、MUROさんのDJ活動30周年を記念する本が発行されることになり、その本に私が執筆者の一人として参加をさせて頂き、その報告も込めて、GROOVEの紹介をさせていただきました!!

 もう一回、大文字で書きますよ・・・

MUROさん本に執筆者として参加しました!


 もー、今年は2月にMUROさんとの歴史的な対談がありましたが、この1年を考えると「MUROさんに始まり、MUROさんに終わる1年」でした・・・
 その対談の際も、MUROさんから「今年はミックステープを作り出して30年目なので、いろいろと動くよ~」とおっしゃっており、その「動き」がまさか私にも回ってくるとは思いませんでした・・・むろん、お話をいただき、問答無用で受けさせて頂きましたよ!!

 内容に関しては、今回のGROOVEの紹介でも触れさせていただいた、後期GROOVEにおけるMUROさんの過去記事を再構成しつつ、様々な内容が掲載され、まさに「MURO」さんの全てを紹介した本になっております!!

 んで、ちょうど今日がこの本の情報解禁日だったので、どう考えても遠回りな方法(?)で告知をした次第です・・・まどろっこしくってすみません(^^;)
 
 とりあえず、以下がその本の紹介です~


『真ッ黒ニナル果テ』
著者 MURO
定価 2,484 円(本体2,300円+税)
仕様 A5判/264ページ
発売日 2015年12月25日

詳細 http://www.rittor-music.co.jp/books/15317112.html



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 そして、肝心な執筆ですが・・・私らしい「仕事」でした!

 その本の最後に、オマケ的に掲載をされるようですが、MUROさんが作った「ミックス作品の作品リスト」を作ることになり、頑張って作成をしました!!

 分かる方には分かることですが、MUROさんのミックス作品、今となっては膨大な作品数がリリースされており、かつノベルティーなどで詳細が分からず流通している作品も多く、一体どれだけの作品がリリースされたかが分からない状況ですよね・・・
 また、大半のミックス作品がアンダーグラウンドなリリースがゆえに、詳細な情報がつかめず、かなり捕捉するのが難しい状況です・・・

 私自身、MUROさんの作品は大好きなので、MUROさんが作る作品を毎回楽しみに追いかけているので、なんとかその全容がつかめていますが、新たにMUROさんの作品を追いかける方にとっては、その全容をつかむこと自体が厳しく、かなり険しい道を進むことになります・・・

 そんな状況があるので、以前よりこのブログにおいてMUROさんの作品リストを作って公開をしていましたが、詳細が分からずに掲載してた作品も多く、実は「これでいいのかな?」と思いながら、掲載をしていた経緯がありました・・・

 そんな中、今回の本を企画した編集者の方から、このリストを発展させる形で、MUROさんが作った「ミックス作品」のリストを作って欲しいと依頼があり、対応した次第です・・・


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 今回のリスト、内容は見てのお楽しみですが・・・結果として、とてつもないレベルの「リスト」を作ることができました。

 それは、今まで不明確だった作品の詳細を、編集さんを通してMUROさんから確認ができ、その内容が明確になったことに加え、グレーゾーンなアンダーグラウンド作品もリスト化をすることができ、結果的に「MUROさんのミックス作品」のほぼ全てを抑えることができたリストを作ることができたからです。

 どのくらい「深いレベル」のリストになったかというと・・・もはや都市伝説なミックス作品である「MUROさんの結婚式の引き出物」まで掲載することができました!!

 え~、この話は初めてしますかね・・・

 2014年5月、MUROさんが晴れて結婚式を行われた際に「2枚のミックスCD」と「1枚の7インチ」が引き出物として配布され、当時、大変話題になりました。
 ただ、内容が内容だけに、市場に流れることは皆無といっていいほど無く、今となっては「幻級」の作品になっているかと思います・・・

 ただ、私に関しては、割と早いタイミングでご縁があり、この「三種の神器」を購入という形で手に入れることができ、MUROコレクターとして、MUROさんの功績の一つを未来永劫に保管しようと心に近い・・・今日の日まで保管しておりました。

 今回、このレベルの作品を含め、相当マニアックなノベルティー作品などもリスト化し、12月に発売予定の作品を含めて合計「233作品」をリスト化し、MURO作品の全容を初めて明確化することができたと思います!
 
 リストは予定では文字だけなので、分かりやすさの観点から行くとアレかもしれないですが、オリジナルと再発も分かりやすく表示し、確定的な作品リストが作れたことは大変意義があるかと思います・・・

 だって、233作品ですよ・・・これだけオリジナルなミックス作品を作ってきたことが分かる資料になったのは、MUROさんの活動を評価する上でドストライクで、流石「King of Diggin'」と一発で分かる内容になったと思います・・・
 うん、胸を張って言いましょう・・・これは「ギネス級」な作品数です・・・その証拠となりそうなリストが作れたことは、メチャクチャ嬉しいことで、MUROコレクターとしてこの上ない幸せです(^0^)


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 ただ、今回の仕事、リスト作りというと簡単そうに聞こえますが・・・かなりの苦行でした(^^;)

 時期的にも仕事が凄い忙しかったり、あの無駄に長くなってしまった「素晴らしきDJ機材カタログの世界」の作成と少しクロスもしてたので、かなりヘビーな状況で、夜なべ作業を繰り返していた次第です・・・
 そのため、11月はあまりブログの更新ができませんでした・・・すみません。

 ただ、今回のリストづくり、私一人の力では作れるものではありませんでした。

 まず、MURO作品については、ホント謎な作品が多いのと、気付いたら233作品という膨大な量がリリースされていることから、その確認作業が大変でした。

 その点については、私と同じMUROコレクターの同士であり、私以上にMUROさんのことが詳しい「豆さん」にご協力をいただき、リストの細かい修正や確認を頂き、リストの精度を高めていただきました!!

 ほんと、今回に関しては、私が苦手とする細かい確認作業を豆さんにお願いした形になってしまい、大変恐縮です・・・
 ブログを読んでいる方なら分かるかと思いますが、私は根っからのO型人間なので、多少の文字の間違いはスルーしてしまう悪い癖がある(こら!)のですが、そういった点を詳細に指摘いただき、リストの精度を高めてくれたのは豆さんのおかげです・・・ホント、ありがとうございました!!

 また、不明作品の確認においては、編集の服部さん、そしてMUROさんやMUROさんのマネージャーさんにもご協力を頂き、大変恐縮です・・・

 その中で、一点、コレクターとして大変うれしい話がありました!

 これまで、市場で高値になってほしくない理由だけで、あまり触れなかった作品なのですが、MUROさんが監修した「FRONT Presents Diggin' From The Vaults - MURO’s Summer Vibes」という97年に作られたコンピレーションCDにおいて、プロモレベルでDJミックスが施されたテープがあります・・・
 これについては、私も実物を見たことがなく、当時のFRONTのプレゼント情報で掲載され、本当にDJミックスをされているか、またこのテープが存在するのかも含め、全く謎なテープでした・・・

 ただ、今回、編集さん経由で、当時を知っている某大物ライターさんに問い合わせをしていただき、このテープが本当に存在していて、CDとは別にDJミックスが施されていることが判明しました!

 いや~幻ではなかった・・・この点が確認できたのは超嬉しく、リストにもコンピとは別にノベルティー作品として掲載させていただきました!

 結果的に、まだ入手は出来ていないですが、このテープの尻尾だけはつかむことはできたかな??
 
 煽るわけではないですが、どう考えても「日本で一番レアなミックステープ」です・・・もしお持ちの方がおられましたら、たんすの肥やしにせず、市場に出してくださると嬉しいです!!


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 そんなわけで、今回の記事は終わりです~

 最後はMUROさんの話になりましたが、GROOVEもMUROさんも「最&高」です(^0^)

 本は12月25日の発売ですので、皆さん、お楽しみに・・・

 年末になり、いろいろと忙しくなりますが、ブログもなんとか頑張って更新していきますのでよろしくお願いいたします!!

 





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コメント

baba

すごい!!!!!

mixtapetroopers

Re: タイトルなし
>babaさん

いつもどうもありがとうございます!
凄いっしょ(^0^)
あと、週末は頑張りますね~



ソロバン

祝!MURO本!
博士のこれまでの研究の成果が!とうとう認められましたね!!
これは何か関係ないぼくまで嬉しくなる話です!!KINGのあの名曲風に言うなら

「ZEROから始まった関係が今ではこうなっちまったわけ」

と言ったところでしょうか!?

そして当たり前の感想を述べて申し訳なんですが、「この人、『GROOVE』もキッチリ集めたてたのかよ!!」と。本当にコレクターって、ありとあらゆるものを集めるんだな…と溜飲が下がる思いです。

『GROOVE』に関してはぼくもこの前、某B・オフから四冊ほど捕獲して来たのですが、一ヶ月ほど前に買ったのにも関わらず全然手をつけられてないので、この記事見て「読まなきゃ!」って感じですわ〜。

それでは、取り急ぎ乱筆失礼しました(^^)

mixtapetroopers

Re: 祝!MURO本!
>ソロバンさん

コメント、ありがとうございます!
いや~、GROOVEに関しては、かなり惰性で買ってて、気付いたら後期は全部持ってて、心の減価償却も込みで紹介した次第です・・・

今回、結構、運命的だった部分もありました・・・
今回の本題である、MUROさんの本のお話とは関係なく、春に休刊になってしまったことを受け、夏前ぐらいに紹介しようかな~と思い、とりあえずタンスの中からだして、パラパラとめくる日々を過ごしており・・・紹介する方向性が見えないまま、秋を迎えてしまい、紹介することに諦めかけてた時期に、突然今回のお話を頂けたので、それでバシッと方向性が決まりました!
当然、MUROさんの作業の方が先ではありましたが、リストを作りながら、どういう感じで紹介すべきかが見えてきて、しばらくの脳内会議のあと、先週末の土日で書き上げ、残りの二日間で調整でした・・・我ながら、どえらい日程での作業でしたが、神に、いやMUROさんに導かれて書いちゃった・・・そんな感じに思っています!

あと、ソロバンさんも書かれてますが、某Bでは、底値も底値ですよね・・・その辺も意識して書いた部分もあり、絶対に掘って損はない雑誌だと思っています!
正直、レゲエネタは少ないですが、2012年夏号ではジャマイカ取材で、Stone Loveなどの現場に潜入し、GROOVEらしく機材の取材(サウンドシステム!)があり、流石ですよ・・・ぜひ、掘ってくださいね~

ではでは、今後ともよろしくお願いいたします!!




追伸
明日は決戦の土曜日・・・今日は真面目に帰宅し、ちゃんと睡眠をとってからの参戦です!
気合いを入れて散財してきます!!



松野

すごすぎそうです!楽しみです!

ソロバン

見ました見ました!日本勢はランキンさんとかマイティクラウンがインタビューされてるやつですよね?

うーん、アレねー。個人的には「ちょっと複雑な思い」で見てたんですよ……。

というのも、日本に「レゲエ」なり「サウンドシステム」なり、っていうカルチャーが根付いて、もうだいぶ時間が経ってるのに、未だにそーいう特集をする時って「ランキンさんとマイティクラウン」なのかなぁって…。
ファッション誌とかならわかりますけどね。でも『GROOVE』っていうけっこうコアにクラブミュージックを掘り下げる音楽誌ですから。当時それで購入には至らなかったんですけど。


というのも、全国どこに行ってもサウンドシステム構えてるようなレゲエのサウンドさんがいる時代になってるじゃないすか?
これって実は凄いことなんですよ。
たとえばアメリカにしろヨーロッパにしろカリブ系の移民が多い、っていう土壌があって、そーいうコミュニティからレゲエを始めとするカリビアンミュージックが発展したきた。という「歴史」がある。

※で、そっから更に枝分かれしてヒップホップなり、ジャングルなりドラムンベースなり、って音楽が生まれて……っていうのはまぁ色んな本とかネットとかに書いてあるんでモチロンMTTブログをご覧の皆さんはよーくご存知だと思うんですけども。

でも、極東の島国日本にはそもそも黒人が海の向こうからやってきて、っていう歴史自体がない訳で、そんなところでこれだけ「レゲエ」が根付いた、というのは実は驚異的なことなんです。

あと、やっぱり昔に比べたら緩くなったけど、未だにレゲエには
「有名アーティストのDUBをいっぱい録って、山のようにそびえ立つサウンドシステムを作って」
っていう文化が根強く残ってる。

それに対してみんな数百万〜一千万単位で投資して「上」を目指す訳であって。やっぱりレゲエのサウンドマンが、他ジャンルのDJさんからある種の畏敬の念を持って見られるのは「ソコ」による部分が大きいんですよね。


だから、それだけやってるんだからもっと「外」に向けてみんなアピールしろよ!!とは思ったし、そうしないと、ランキンさんが、マイティクラウンが育ててきた文化がダメになっちゃうだろ!!とはちょっと思ったんですよね〜(^^;)

リアクション取りづらくてごめんなんですけど(笑)、まぁMTTブログなんでこーいうことを書いても許されるかな?と。とりあえず自分ももっとがんばらなあかんなーと思いましたね。

mixtapetroopers

Re: 連名で失礼します
>松野さん

コメント、ありがとうございます!
このネタは絶対に反応して頂けると思っていました。
私自身も、今回の話がなくっても、絶対に読みたい本です・・・
かなりマニアックな企画が多いので楽しみにしててくださいね!
では、今後とも、よろしくお願いいたします(^0^)


>ソロバンさん

追加コメントありがとうございます!
いやー、熱い返しにヤラれました・・・色々とご指摘、ありがとうございます!
確かに、ソロバンさんがおっしゃる通り、日本って特殊なのかもしれないですね・・・ある意味、サウンドをもつことは、悪い表現も含みますが「モノマネ文化(=本物をとりあえず模倣する)」になりがちな国民性がスタートで、そこからオリジナルに向かっていった・・・ということなのかな??
ただ、この文化は今となっては無くなって欲しくないですね・・・というのは、「音」をここまでこだわっている姿が、機材が簡易化してくる中で、昔から変わらないピュアな部分を含むからです・・・
まあ、かなり大変なことではありますが、レゲエ以外にも派生して欲しい文化です・・・MUROさんが作りたいと言っていますが、ぜひとも「KODPサウンド・システム」は聴いてみたいですね!
ではでは、今後ともよろしくお願いいたします。


ありがとうございました!
「MUROさん 全Mix作品リスト」プロジェクト、お疲れさまでした!

また、今回はお誘いいただき、本当にありがとうございました。

あれ(〆)から数日経過し、やっと少しずつ実感が湧いてきたのでコチラにお邪魔します。
(先週末、まさかまさかで「泣きの10回表裏」があったので、このカキコミは「今」でよかったです笑)


今年2月の、震えが止まらなかったグランドクロス・惑星直列の時ですら、よもや年末こんな展開になるとは、、、
しかも、私がお慕い申し上げて止まないMix Tape Troopers師からオファーをいただき、微力ながらお手伝いさせていただくことになるとは夢にも思わなかった、、、

このような、「光栄」と心の底から言える状況はそうそう有りません。

大抜擢で私にお声かけ下さったこと、
私の拙い意見・提案・修正案に、真摯に耳を傾けてくださり、多く採用してくださったこと、
1ヵ月ちょっと、Troopersさんとチームとして動けたこと、、、

など、言葉には置き換え難く、心にしまっておきたい想いがあります。


未熟ゆえの失礼な意見や検討外れな提案も多くあったと思いますが、そんな私に対してあくまで「Let's」の姿勢を崩さなかったTroopersさんに、改めて大きな敬意を抱くのであります。
フラットかつクールな目線にシビれ、学ばせてもらうことばかりでした。


各ポイントにおいて常にギリギリで、時間との戦い(すみませんでした!)でもありましたが、「最終段階で時間を残して仕上げることができた」、これが全てです。

Mix作品の網羅と分類、解釈、深度、、、
リストの隅々まで、「Mix Tape Troopers、ここにあり!」な内容になったと思います。

往年のMUROさんファンの方に向けてだけでなく、MUROさんのMix作品にこれから触れる方の指標となるようなリストにもなるならば、とても嬉しいですね。

大きな影響を受けたMUROさんの、「Mixを作り始めて30周年」をお祝いすると共に、「still counting」なKingをこれからも追いかけて参りましょう。

怒濤の日々でした〜、、、本当にお疲れさまでした。

ありがとうございました。



そして三種の神器、、、
で、出た〜、、、出てしまった、、、

三種揃っての公開は宇宙初!(※豆調べ)
この点、深くは触れませんが、、、私としては複数の方角を向いて、深くお辞儀をしておきます、、、

あとは達郎Mixの実現があるかどうか、、、
ただ、達郎さんは「全部自分でやりたい人」なんで、どうなんでしょう。。。
これ、実現したら「奇跡」という言葉では足りないと思う、、、今からオムツして待つ!!



最後になってアレですが、本体の「特集:GROOVE」について、、、
まず、あの鬼スケジュールの中、ここまで凄い熱量でまとめ切った点、ビガップせざるを得ないのが現状、、、汗
「Mix Tape Troopersの中の人、何人いるんだ疑惑」噴出も待ったなし!笑

Troopersさんも繰り返されてる通り、とにかく資料的価値の高い雑誌ですね。
個人的には年々雑誌購入数が減る中、2015年になっても毎号買ってる雑誌(全ジャンル)はWaxPoeticsとGROOVEだけになってしまいました。

後期は言わずもがな最&高なんですが、毛色の違う前期にも神回が多く、2015年視点から見ても勉強になります。
もー、大好き&影響を受けた号を挙げ始めたら枚挙に暇がないですね。(というかほとんど全部)

休刊はもちろん残念、、、
でも、歳月の洗礼に負けず、シリーズ揃えてずっと保管しておきたくなる雑誌というのは貴重で、代え難い存在だと思います。

特別版という形でも嬉しいので、復活を待ちましょう!



わー、また異常に長くなってしもたー
お邪魔いたしました〜

今後とも宜しくお願いいたします!

(そして、ソロバンさん、やはり凄いな〜、、、勉強になる、、、MTTブログのコメ欄の醍醐味、ここにあり、、、)


追伸

「私以上にMUROさんのことが詳しい豆」の部分、これはさすがに「最後の修正願い」出します!笑
どうかご勘弁を、、、それは反則です、、、汗
もー、Troopersさんからは、ほんとに教わること&与えられることばかりで。
今後も背中を見て勉強させていただきます!


追伸2

土曜のシモキタ(というか金曜の閉店後からか。。。)、凄い事になりそうですね〜
鉄火場ならぬ修羅場を想像するだけでチビる、、、
アレは一体どなたの元に収まるんだろう、、、
あそこまでのブツだと(あまりいい表現ではないけれど)「手にする資格」みたいなものがある気がする、、、最初のモッシュで(メンタル的な意味でも)死者が出ないことを祈るばかり、、、

mixtapetroopers

Re: ありがとうございました!
>豆さん

もー、今回は大変お世話になりました!!
そして、こちらでもクソ熱いコメント、ありがとうございます!!

もう、感謝の言葉が言い尽くせない状況ですが、チームを組めて本当に助かりました(^0^)
私も、かなりギリギリな状況で対応してましたが、なんとか乗り切れたのは豆さんのおかげです・・・発売を楽しみにしましょうね!!
こちらのGROOVEの特集も、豆さんのフォローなくしては出来ませんでした・・・確かにあの状況で書いてたのは、もう3人ぐらいMTTがいてもおかしくは無いですよね(^^;)

ではでは、あんまり長いのもアレなので、これにて失礼!
今後とも宜しくお願いいたします!!


追伸
下北決選、この音楽(この人?)を未来永劫まで大切にしてくださる方に渡ってほしいですね・・・私としては、今も寒空の下で一番乗りで並ばれている「あの方」に渡って欲しいと思います。
ただ、カードの与信枠の差もありそうですね・・・最低でも金なんでしょうね(^^;)

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mixtapetroopers

HipHop,R&B,Soul,Funk,RareGroove,DanceClassics,Garage,Houseなど、私が気に入っているMixTape,MixCD,その他もろもろを紹介するブログです。

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