え~、
前回の3000本記事 は突然ですみませんでした・・・
でも、色々な方に反応を頂き、感謝感激です・・・ありがとうございました!
まあ、自分の持っているテープの数を報告しているだけかもしれないですが、もはや、
皆さんに見守られながら世界一周のグレイトジャーニー をしているみたいな感じもあるので、ちゃんとした形で報告をした次第です(^^;)
う~ん、黙っていても、4000本は行くと思いますので、引き続きの応援をお願いいたします!
そんなわけで、自分を活気づける為に聴いてた大名作の紹介です!!
今回は、
HipHopという音楽/文化を作り上げた偉大なDJの一人 である
「DJ Grandmaster Flash」 さんが1997年にリリースしたミックス作品を紹介したいと思います。
もー、我々世代だと、ジャケ写を見ただけで「間違えなし!」と反応する作品で、Discoの名門レーベルである
「Salsoul」をHipHopマナーでミックスした大名作 です!!
まず、説明は不要かもしれませんが、Flashさんのことを紹介しましょう!
Flashさんは、70年代からNYで活動をするDJ/Producerで、DJ Kool Herc、DJ Africa Bambaataaと並び、
「HipHop」という音楽/文化を作ったとレジェンドの一人 になります。
この辺の話は、様々なHipHopの歴史を取り扱った本(
Hip Hop Beats なんかがイイですかね~)などでご確認頂ければ幸いですが、
Flashさんに関しては「DJ Mix」という行為を発展させた 点で、ホント重要で偉大なお方だと思います。
それこそ、HipHopという音楽が
「だれも着目しない既存の曲のドラムブレイクなどを繰り返すことで躍動感のある音楽を作り上げること」 が根底とするならば、Hercさんがその方法論を発見し、Bamさんがジャンルに関係なくドラムブレイクを探し出すこと、そしてFlashさんは
ブレイクをカッコよく繰り返す技術 を構築したことを見出したんですね・・・
つまり、FlashさんはHipHopにおける2枚使いやスクラッチ、そして様々な音楽を掛け合わせることなどの
「DJ技術」のレベルを高めたお方 になります。
それこそ、Flashさんの代表曲の一つである
「The Adventures Of Grandmaster Flash On The Wheels Of Steel」 が結果として象徴的で、様々な楽曲の躍動感のある部分をクリエイティブにミックスし、かつ2枚使いやスクラッチを交えて更に次元を高めていったこの曲は、永遠のマスターピースで、様々なDJ/Producerに影響を及ぼしたと思います。
特に、いわゆるターンテーブリストやバトルDJはFlashが元祖ともいえ、尊敬してやまない存在になっているし、Cut UpやMegamixの元祖ともいえるので、HipHopを超え、HouseやBreakbeats系の方からも尊敬があり・・・ホント偉大なお方です!
そんなレジェンドが1997年に発表した、この作品は、Salsoulの名曲をFlashらしく選曲とミックスをした名作で、影響を受けた方も大変多いかと思います!
ただ、Salsoulというと「Disco(ディスコ)」なイメージが強く、
なんで「Hip Hop」と関係するんだろう? と思う方も多いかな・・・作品の紹介に入る前に、この辺の話から入れておきましょう。
まず、Salsoulは、70年代~80年代にかけて一世を風靡したDisco系レーベルで、ソウルフルでダンサンブルな名曲を多く生み出し、クラブシーンに対して多大な貢献をしたレーベルになります。
特に「House」の源流に当たるとされる音楽を作ったことから、どちらかというと
House~Garage~Discoのライン で捉えられることが多く、知識の少ないリスナーにとっては「HipHop」ではないですよね?
ただ、
70年代のHipHopを「作ってきた」DJ達は、ジャンルに関係なく、自分たちの求める「ブレイク」がある曲なら、何でもプレイしていた ことから、Salsoulの曲もトップで活用されており、
実はHipHopにおいては「無くてはならない存在」 だったと思います!
Salsoul自体、SalsaとSoulの融合から始まっており、Discoという観点から考えると、Soul~Funk的な要素も沢山含んでいることから、HipHopでも馴染みやすいブレイクは満載で、当時のHipHopDJ達はSalsoulの曲をかなり愛用していました。
それは、HipHopが「パーティーミュージック」であったことも踏まえると、Discoという場で「踊らす」為に作られたSalsoulの曲が合わない訳がなく、ブレイクの2枚使いを駆使しながら、NYのブロックパーティーで爆音でプレイされていたそうです・・・まさに「ゲットー・ディスコ」ですね!
そんなHipHopという音楽の基礎になっていたSalsoulの音楽を、当時からプレイし、擦り倒したFlashさんがミックスする作品です・・・どう考えても「間違えなし!」ですね!!
では、以下で作品の紹介をしたいと思います!!
まず、この作品に関しては、恐ろしいまでに「出だし」で勝負が決まっているかと思います・・・
イントロでは、UBBにも収録されているブレイククラシック「Gaz / Sing Sing」のブレイクを2枚使いしつつ、そのブレイクの上でサイドMCが小粋に収録曲を紹介し、徐々に盛り上げていきながら、高まった所で「♪One Two Three, Here We Go!」の掛け声と共に、大名曲の
「The Salsoul Orchestra / Runaway」 にカットイン・・・もー最高の一言です!!
この作品においては
「70年代のブロックパーティー感」 というのを念頭に置いた作品になっており、このイントロ部分を聴いただけでもビシビシと伝わります!
ブロックパーティー・・・それは、70年代のNYにおいて、Bronx等の郊外の地域で行われていたパーティーで、近隣の公園にDJセットを持ちだし、DJが奏でるパーティー向けな音楽をバックに、MC達がその選曲を盛り上げ、観客と一体となって楽しむパーティーになります。
そう、
ブロックパーティーこそ「HipHop」を作り上げた母体 で、Flashさんはこの点を強く意識した作品作りをしています!
選曲はブロックパーティーで通じるSalsoulの名曲をチョイスしつつ、それらを
ブロックパーティーマナーに従った2枚使い を要所要所で入れながらパーティーを盛り上げ、更に
サイドMCとの絶妙なコンビネーション がその世界観を深めて・・・もー、この完成度の高さといったら異常です!
更に憎いのが、要所要所で
ブロックパーティーっぽいお客さんの歓声 が入っており、ほんとヤバいです・・・ベースとなるDJミックス、そしてサイドMCと観客の声が綿密に絡まり、DJミックスだけでは作れない世界観を提示しているのが素晴らしすぎます!
本来なら選曲の話から行うべきでしたが、この作品においてはこの
「ブロックパーティー感」 がホント大切で、この感覚があるからこそ、作品が成立し、かつ選曲された曲が光り輝いています!
選曲的には、ブレイク感がしっかりとあるSalsoulの楽曲を多く選びつつ、結構幅の広い選曲で流石の一言です!
それこそ、ド定番な
「Double Exposure / My Love Is Free」 といった定番から、
「Aurra / Checking You Out」 のようなブギーっぽい曲も選曲しているのですが、その全てが
「ブロックパーティー」 という言葉に当てはまってしまい、凄い気持ちよく、かつ気分を高揚させてくれる選曲になっています。
特に、繰り返しになっちゃいますが、肝となる
「ブロックパーティー感」がFlashさんのDJにMCなり観客の声が絡まることで、メチャクチャカッコよくなる曲 も多く、ヤラれます・・・
その代表格が先ほどのRunawayなのですが、
「Silvetti / Spring Rain」 もクソヤバいですね!
前曲の「First Choice / Love Thang」のブレイク部分を2枚使いしながら、Love Thangのブレイクの気持ちよさを伸ばしつつ、ブレイクの決まりフレーズとなるフォーン部分を上手く残しながら、カットインでSping Rainに繋ぎます・・・
そして、ココからが上手くって、Spring Rainのイントロブレイクの上でサイドMCが小粋に盛り上げ、Spring Rainが盛り上がる直前まで煽っていき、その勢いを維持して本編を爆発させる・・・もー、この展開の完成度の高さと言ったら、最高すぎます!
この点は、ブロックパーティー感にも繋がりますが、やっぱり
「DJ×MCのコンビネーション」に勝る盛り上げ方は無い ですね!
また、Flashさんの
「選曲の進ませ方」 も上手いな~と思いました!
前半は、Bでも反応しそうなBPM遅めの曲からスタートをしていくのですが、徐々にBPMを上げていき、最後はクラシックな「Double Exposure / Ten Percent」でエンドです・・・最後になると、
BPM的にはHouseレベル なんですよね!
Flashさんは、ブロックパーティー感を核にして、それこそ2枚使いやサイドMCの活用なんかをして盛り上げているのですが、その上で、後半に進
むと「グルーブ」を繋げる選曲 も行い、難なくBPMを上げる選曲をしています。
特に、ストリングス系の楽器などをキーにして繋げてきたり、80’sブギー的なグルーブで繋いできたり、段々と「楽曲の持つ基礎的なグルーブ」を上手く引き出すような選曲/DJミックスをしてて、上手すぎです・・・
なんでしょう、最初の方はノリで引っ張り、
お客さんに声を上げさせるプレイ をするのですが、DJの世界に引っ張り込み、その後はグルーブも重要視したDJにシフトチェンジし、
後半は段々とお客さんの足を動かしていく選曲 なんですよね・・・
その上で、最後はSalsoulらしいソウルフルで躍動感のある曲でピークを演出するんだから・・・もー素晴らしすぎます(^0^)
そんなわけで、ただでさえ大好きなSalsoulを、こんなに躍動感のあるグルーブで作り上げた、このミックスは・・・聴くだけで元気になります(^0^)
もー、なんでしょう、
1000円のユンケル級に利き目がある んですよね・・・
本来は、一番最初で愚痴るところですが、今現在、仕事的に山場で、かなり頑張らないとイケない状況です・・・無理して気分を上げるのはアレですが、Flashさんのミックスを聴いていると、素直に気分が上がって「頑張るぞ!」となるので、今週は重宝しましたよ!
かなり定番なので、簡単に買えたりもするのですが、下でも紹介する別の側面があったりするので、かなり「見落としがちな作品」だと思います。
ただ、この「ブロックパーティー感」は、作り込んで出来るものではなく、その時代を知っているからこそ作れる内容です・・・このレベルの作品があることが「奇跡」と言ってもいいと思いますので、興味のある方は是非聴いてみてくださいね!!
<Release Date>
Artists / Title : DJ Grandmaster Flash 「Salsoul Jam 2000」
Genre : Disco、Garage・・・・
Release : 1997年
Lebel : Salsoul Records(US) 20-1026-2
Notice : プレス違いについて
オリジナルはUS版として1997年にリリースされていますが、1999年にUnidisc(Canada)から再発があります。オリジナルはホログラムジャケ、再発は普通の印刷で、私が持っているのは再発の方になります。
また、人気作品なので、それ以降にも再発されていて、EUプレスなんかだと、全然ジャケが違う形でリリースされているようです。
Notice : LPについて
1997年のオリジナルがリリースされた際、CDと同じ「DJミックスが入っている」内容で上記の
LP(アナログ盤) がリリースされました。
ただ、このLP・・・思い出がある方が多いと思います!
当時、LPなりレコードって、DJプレイを前提に考えているので、DJミックスが施された内容のLPは使わないよ・・・と思っていた中、このLPがあるタイミングから注目された流れがありました。
それは、紹介でも触れた「サイドMCとの掛け合い」部分が異常に完成度が高いので、ある意味の
「エディット版」 として使える・・・ということです。
特に、文中で紹介した「Runaway」と「Spring Rain」は鉄板で、どんなエディットにもかなわないキラーエディットに仕上がっていますね!
そして、その「使える」を紹介したのが・・・私としては
「DJ MURO」 さんになります!
98年ごろだったかと思いますが、MUROさんがDJを務められていたラジオ番組「Hip Hop Journey Da Cypher」において、「Spring Rain」をプレイしているんだけど、イントロがカッコいいMC入りなので「何だろう?」と思っていたら・・・実は、このLPからプレイしていることを知り、飛び上がりました!
その時の音源は
「この記事で公開」 をしましたが・・・個人的には、このレコを通して、
MUROさんの「掘りの素晴らしさ」 を知りました!
当時としては、このLP,全然評価されず、中古でも大した値段ではなかったんですよ・・・それなのに、こんなカッコいい部分を見つけてくるMUROさんの腕の確かさにヤラれました(^0^)
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独り言
たいした話がないので、写真なしですが、日帰りで青森に行ってきました・・・日帰りです(^^;)
今週末に青森で仕掛けるイベントがある関係で、最終打ち合わせで青森に行ってきましたが・・・もはや、青森が日帰りで行く場所になっているのにはビックリしました(^^;)
まあ、新幹線さまさまなんですが、東京にいる限り、日本国内のどこでも、日帰りが出来ちゃうのは・・・嬉しいやら悲しいやらです(^^;)
なお、従来の出張報告なら、地元のレコ屋情報を入れたいところですが、今回は全くなし・・・仕事の打ち上げ後に、地元の方に連れて行ってもらったスナックの近くにレコ屋(ヘリテージさん?)がありましたが、全く近寄ることが出来ずでした・・・
ただ、地方スナックは凄いですね・・・つきだしで出てきた煮物のレベルが高すぎ、そして私の親よりも高齢なママの青森弁トークがヤバすぎです(^^;)
う~ん、久しぶりに愚痴だけでした・・・
なお、来週は、そんな青森に翻弄されるので、更新はお休みの予定です・・・すみません・・・
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コメント
2016519
以前からこのブログを楽しく読ませていただいております。
今回は自分が所有してるブツなのと, 反応するツボがあまりにもカブっていましたので, 思わずコメントさせていただきました...😆
自分語りで恐縮ですが, 自分はレコードマニアなので, 基本的にCDやTAPEで所有するのは, DJ mixモノに縛っております...。
海外のTAPE事情は分からないですが, この作品は個人的には,是非 mixtapeフォーマットで聴いてみたい1本ですね !
追伸
MTTさんには, 某レコ屋(地方行脚時)に,らしき方と遭遇した覚えがあります。
再び, お会い出来た際には, 勇気を出してお声がけしようかと思いますので, その時にはよろしくお願いいたします。
2016/05/19 URL 編集
トマトジュース
ヘリテージ寄れなかったとは残念です。あそこのレコ屋は、MTTさんきっと良い掘りができる気がするのですがー。次回は是非!他にもレコードスポットあるので、何かあれば聞いてください(笑)
2016/05/21 URL 編集
mixtapetroopers
コメント、ありがとうございます!
このFlashの作品、市場的には「ミックス作品」という認識が薄いけど、絶対に影響を受けた人もいると思ったので、反応を頂き、ありがとうございます!
確かに、この作品はテープで聴いたらヤバいだろうな・・・時期的にはUSであれば、テープで出てもおかしくないので、ちょっと探してみようかな?
あと、「らしき方」については、是非、お声をおかけくださいね~
地方行脚=出張=スーツだと、イルな空気を漂わせていますが、多分、普通な人(?)なのでお声をおかけくださいね~
ではでは、今後とも、よろしくお願いいたします!
>トマトジュースさん
コメント、ありがとうございます!
先ほど、3泊4日の青森出張から帰ってきました!
まあ、ヘリテージさんも含めて、一切自分の時間がなく、アレでしたが、青森はいいところですね~
今日の身内に打ち上げでは、新青森駅下の居酒屋で大ハッスル・・・食べ物とお酒が美味しいし、人もイイ方が多いので、大好きになりました!
今後は、ちょっとしばらくイケるタイミングがないのですが、また行きたいっすね・・・レコ屋もイケなかったし、なんとか仕事作っていこうかな??
ではでは、今後とも、よろしくお願いいたします!
追伸
出張後、自分を「浄化」する為に、ユニオンに行くことが多いのですが・・・今回の帰京後は、テープが放出された北浦和へ・・・ボチボチ抜けました(^0^)
ただ、記憶だと、昨年の今ぐらいの時期に出張し、その帰りにテープ放出があったので北浦和に行ってるんですよね・・・相当、疲れてるけど、なんか行っちゃうんですよね~(^^;)
2016/05/22 URL 編集
チキン
2016/05/24 URL 編集
mixtapetroopers
コメント、ありがとうございます。
ご指定の動画は、大昔に手持ちのVHSからリッピングした動画を持っていますが、このブログのポリシーで動画や音源のリクエストは受け付けていないので、ご依頼にはお答えできません・・・申し訳ないです。
う~ん、今のYouTubeって、アップする側の方が色々と面倒(著作権のある動画や音源だと、色々とチェックされるんですね~)なので、簡単に上げられないしな~
ではでは、今後ともよろしくお願いいたします。
2016/05/26 URL 編集
チキン
2016/05/28 URL 編集