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DJ Kensaw 「DJ Kensaw Hip Hop #10」
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 今週は、急遽、紹介予定だった作品を差し替えての紹介です・・・こういう紹介はあまりやりたくはないですが、故人を偲んでの紹介です・・・


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 既にご存知の方も多いかと思いますが、大阪HipHop界のレジェンドである「DJ Kensaw(ケンソウ)」さんがお亡くなりになられたそうです・・・

【訃報】DJ KENSAW (LOW DAMAGE/梟観光)が死去


 もともと、あまり情報が出ない方なので、正確な情報は分かりませんが、ここ最近はあまり体調が良くなかったそうです・・・謹んでご冥福を申し上げます。

 Kensawさんというと、どうしても大阪の方なので詳細が分からない部分が多いですが、大阪での影響力はホント大きいかと思います。

 80年代末より活動を開始し、盟友のDJ Tankoさんと共「Low Damage」を結成し、DJ活動や楽曲制作を通して「大阪でHipHopを根付かしたDJ」になります・・・

 この点は、なかなか実証しづらいところはありますが、聴いたお話だと、かなり早い時期からHipHopをプレイしてて、大阪のヘッズ達はKensawさんのプレイを通して「HipHopのカッコよさ」を学んだそうです・・・
 特に、95~97年ぐらいの日本語ラップ/DJブームの際はシーンの中心として活躍し、大阪版の「証言」と言っても過言ではないクラシック「Owl Nite」の制作を通して、大阪のHipHopシーンを盛り上げた点は非常に大きいかと思います。


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 そして、その「カッコよさ」を学ぶことにおいて、活用されていたのが「ミックステープ」だと思います!

 当然、現場でのプレイも大きいですが、Kensawさんのテープを聴いて「HipHop」なり「DJ」の魅力を教わった方は多いかと思います。

 Kensawさんのテープは、一般的には「そこまで出していない」と思われがちですが、実は結構出していて、特に今回紹介する「DJ Kensawシリーズ」は大阪の方であれば、思い入れがある方が多いでしょうか?


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 このシリーズは95年~96年ぐらいに集中的にリリースされていたテープで、分かりやすい表現であれば「新譜紹介テープ」になります・・・

 こういったテープは、色々なDJが作っているのであまり注目がされませんが、Kensawさんのテープは作っていた時期がHipHopがブームになり始めた頃なので、まだ「HipHop」を知らない子達がKensawさんのテープを聴いて「HipHopの魅力」を学んでいたようです・・・
 私自身、大阪のシーンのことは分からないのでアレですが、今年の大阪旅行で某レコード店の店主さんからこのシリーズの初期テープをお譲り頂いた際、お話を伺うと、やっぱり影響を受けた方は多かったようです・・・

 そして、テープ自体はいわゆる「手製(手刷り)」で作られ、どれも味のあるジャケットが印象的ですね・・・

 95~97年ぐらいだと、まだテープを業者さんに発注して作ることは慣例的ではなかったのと、シーン自体がかなりアンダーグラウンドだったので本数的に手刷りレベルでも対応できたので、結果的に手刷りのテープが多かったのですが・・・手刷りのテープはかなり重要な存在だったと思います。

 当時を思い返すと、東京では「DJ Nisimiyaさんのテープ」なんかが有名でしたが、シーンが黎明期が故に情報が無いので、その「情報のなさ」を上手く埋めてくれた存在になっていましたね・・・
 今の時代からしたら信じられないかもしれませんが、こういった情報を教えてくれる本や雑誌、TVやラジオは殆どなかったので、生の「HipHop」や「DJ」を知ろうと思ったら、レコード屋さんとか洋服屋さんに行って、こういったテープを買うことが身近だったんですね・・・

 実際に大阪でどのように販売していたかは分かりませんが、ヘッズ達がテープを購入し、擦り切れるぐらいに聴いて勉強をしていたのかもしれません・・・

 では、テープの紹介です!


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 今回紹介するのは「10作目」で、リリースは96年になります。

 この10作目は、今の中古市場でもよく見かけ、東京のユニオンでもよく見かけるので、大阪を飛び越え、全国で流通していたようです・・・それだけ内容が良く、人気があった証拠ですね!

 内容的には、当時の新譜HipHopミックスになり、私たち世代だと懐かしい「Group Home / Suspended In Time」「Tragedy / Da Funk Mode」など、あの時期特有のハーコー感やアングラ感が出たHipHopが多く、かなりヤラれます!

 今回、改めて聴いてみて思ったのが、Kensawさんの選曲って「実は独特」で、このミックスでも割と独特な方向性があるな~と思いました。

 トラックリストがついていないので全ての曲が捕捉できないですが、当時としてはあまりチョイスしなかった曲が多く選らばられている感じで・・・変な話、他のDJがプレイしない曲を多く選曲している感じがします。
 それこそ、「Tragedy / Da Funk Mode」なんかは今でこそクラシックですが、当時はそこまで珍重されてなかったし、他の曲も聴いてて全然知らない曲が多いんです・・・Kensawさん自体、かなり早い時期から西のHipHopを押してたりしてたので、ちょっと視点が違うんですよね・・・

 ただ、聴いてると「独特のファンクネス」というんでしょうか、HipHopらしい「武骨さ」が伝わる選曲で大変イイんですよ・・・

 その「武骨さ」は、シュアな2枚使いやスクラッチが更に盛り立て、この時期のHipHopの良さを分かりやすく表現しています・・・
 なんでしょう、2枚使いやスクラッチがうるさくならない程度に擦ってくるんですが、それがかえって「味」になり、楽曲を盛り立てます・・・同時期であればDJ Kenseiさんなんかの方向性と同じ擦りなのですが、ちょっと「大阪ノリ」がある点が「武骨さ」を醸し出しているかもしれません。

 そう、この作品・・・というか、Kensaw作品において一番重要なのが「大阪ノリ」だと思います!

 「大阪ノリ」と書いてしまうと、なんか吉本ライクなコテコテなイメージが出てしまいますが、東京のHipHopとはちょっと違う感じがあります・・・
 う~ん、なかなか表現が難しいのですが、東京だと無言で淡々と首を振っている感じなのに対して、大阪は「皆で盛り上がろう」的なフレイバーも含まれているのかな~と思います。

 そして、その「大阪ノリ」の顕著な部分は、DJミックスに「MCがマイクイン」している構成になっていることです!

 大半の作品では、盟友である「DJ Tanko」さんがマイクインし、現場感を盛り上げています・・・この作品だとロボ声にして登場していますが、この「おしゃべり感」は大阪ですかね?
 大阪の方には失礼かもしれませんが、大阪の方は「しゃべり」が「ノリ」を生み出していて、それが人間のコミュニケーションの根幹になっているかと思います・・・その辺の背景があってのマイクインかと思いますが、個人的には大変好きですよ!



 あまり上手く紹介ができませんでしたが、Kensawさんのテープは「大阪HipHop」の基礎を作ったかもしれませんね・・・

 Kensawさん、お疲れさまでした・・・こんな素敵なテープを残してくれてありがとうございます!!




<Release Date>
Artists / Title : DJ Kensaw 「DJ Kensaw Hip Hop #10」
Genre : Hip Hop・・・
Release : 1996年
Lebel : Owl Nite Muzik No Number


Notice : Kensawさんと日本語ラップ

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 今回の作品紹介では外しましたが、Kensawさんにおいては「日本語ラップ」も重要なので、別項として紹介しますね!

 まず、このテープの範囲だと、写真のように、テープのケースに後付けのシールで「MC Ichi aka 1Low / Ghetto Red Hot」の告知(?)が貼ってあり、テープにもボーナストラックのような形で同曲が収録されています。

 Kensawさん自体、もはや大阪クラシックなポッセカット「Owl Nite」を制作されたり、日本語ラップの普及に貢献をしてたお方なので、テープでも日本語ラップを取り入れることもありました。
 作品単位であれば、大阪~名古屋の日本語ラップをショーケース的に紹介(トコナも参加!)している「Between In The Beatz」(97年)なんかが有名ですが、テープ自体に大阪のMC達をフューチャーしてることもあり、この辺も聴きどころかもしれません。
 
 ただ、ミックステープ単位だと日本語ラップはメインではないのと、当時のことを考えると、聴いた人は、これらのテープに収録された「USのヒップホップ」の魅力を知った方が強かった(無論、日本語ラップの曲の良さも伝えていますが)と思うので、別項にしました・・・すみません・・・


Notice : 手刷りテープについて

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 今回は独り言がないので、補足事項を多めにしましょう!

 作品紹介でも触れましたが、このシリーズは、基本的には「手刷り」で制作されています。

 手刷りとは、専門業者に発注して作ったテープではなく、市販のカセットテープを、製作者側が一本一本ダビングして作ったテープのことで、手作りで作ったテープになります。

 業者に発注すると、それなりの金額がかかるのに対し、手刷りであれば、テープは1本100円ぐらいで買えたので、自分たちの労力を換算しなければ相当安上がりに作れたので、90年代はかなり手刷りで作ってた方が多いです・・・
 まあ、ミックステープが黎明期だったので、DJ側が「どこに発注してイイか分からなかった」のもあるし、都市伝説レベルの話ですが、ミックステープが著●権をアレしてるので業者側が受け付けなかったこともあったそうで・・・90年代は手刷りも主流でした。

 んで、今のコレクター市場から考えると、手刷りのテープは根本的な本数が少ないので、おのずと希少性があり、一部のタイトルは高くなってしまうのですが、業者発注のテープと違い、オリジナル品かどうかの区別がつきづらく、売る側としては敬遠されており・・・結果的にテープの優劣(?)としては「業者テープ > 手刷りテープ」になっているかと思います。

 ただ、手刷りは手刷りで凄いイイところもあります。

 それは「テープ質」がイイ点です!

 実は、当時、日本で市販されていたテープは結構品質が良く、テープ特有の悩みである「伸び」とかがあまりないんですね・・・相当マニアックな話ですが、80年代のはメチャクチャ質がよく、90年代になると色々な理由で値段が下がりして品質は少し落ちますが、品質の良さは変わりありません・・・
 むしろ、業者テープの方が質が悪いことが多く、特に海外発注系のだと、テープ自体が薄かったり、品質的に悪かったりするので、後々になり、テープが伸びたり、謎の再生不良がおきたり・・・最悪は切れたりするケースがあったりします。

 実は今回、Kensawさんのテープが正にそうでした・・・

 今回の作品紹介においては、真っ先に思い付いたのが、大阪~名古屋の日本語ラップの紹介とKensawさんらしいDJミックスがフューチャーされた「Between In The Beatz」だったのですが、こっちは業者プレスなのに、謎の再生エラーで満足に聴けませんでした・・・他のテープ(A to Zとか)でも同様のエラーがあり泣くに泣けませんでした(^^;)

 その半面、今回の手刷りのシリーズテープは全然普通に聴けました・・・結果的に、こっちのテープを聴いて「Kensawさんの紹介はシリーズテープの方が良い!」となったので、結果オーライではありますが、改めて手刷りテープの威力を痛感しました(^^;)


 なお、業者テープの再生不良は、今回のはテープ全体が微妙にヨレているのが原因で、それで音が悪かったり、デッキの方が再生出来ずに止まってしまう・・・そんなエラーです。

 んで、皆さん、そういったテープをどうやって聴けるようにするのか?が気になるかと思いますが・・・こういう場合は、諦めて別のテープを買う方が良いかと思います・・・
 ただ、全く同じタイミング・環境・内容でプレスしてるので、買い直しても同じケースの場合もあります・・・もう、運に任せるしかないんです(^^;)




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