DJ Masayuki 「Sunny - Minutes Remix」

え~、先週のKensawさんの追憶記事を書いてたら、耳が「Hip Hop」モードになってしまったようで、今週はHipHop系の作品を聴いてました・・・
30半ばになりましたが、こういった音楽が好きになったきっかけは、少年時代に聴いてた「HipHop」なので、オッサンになっても反応しちゃうんですよね・・・
特に、DJミックスが上手いのにはノセられてしまい、帰宅の夜道でつい首を振ってしまう訳で・・・今週の帰宅の夜道では、なぜかノリノリなサラリーマンになっていました(^^;)
そんなわけで、今週、見事にハメられてしまった、この作品の紹介です!!

今週は、98年にリリースされた名作「Sunny」を紹介します!
この作品は、京都のDJである「DJ Masayuki」さんが制作した作品で、当時の売れ具合などは分からないですが、中古市場では結構見かける点を踏まえると、結構売れていた作品のようです?
Masayukiさん自体は、中々詳細がつかめないお方ではありますが、オフィシャルHP(!)の情報によると、95年より大阪/京都でDJを開始されたそうで・・・大阪/京都のレコード文化にガッツリと根ざしてた方なのかな~と思っています。
京都であればUlticut Up!(=Vinyl 7)のお膝元だし、大阪は大阪で素晴らしレコード屋さんが多かったし・・・関西圏のレコード文化で育った(育てた?)部分があるかもしれないです。
なお、リリースはDJ S@Sさんが主宰していた「Undaprop Wreckordz」で、確認できる範囲では3本のテープがリリースされています。
アンダ自体、東京のレーベルではありましたが、京都のミックステープ業界を代表するDJである「DJ Gossy」さんが、割とアンダと繋がりが深かったので、その流れでアンダからリリースをしたのかな~と思います?
なんか、今回は「?」が多くてすみません・・・
ただ、作品は「怒涛のクイックミックス」でかなりヤラれます!
きっと、当時、この作品を聴いたことある方なら影響を受けた方も相当いるのではないでしょうか・・・今聴いても、そう思うので、かなりレベルが高い作品です(^0^)
では、作品紹介です~




この作品は、もはや「Masayukiスタイル」と言っても過言でないくらい、グッとくる「黄金期HipHopのクイックミックス」が聴きどころな作品で、HipHopが好きな方なら絶対に「首を振る」作品になっています!
ある販売サイトの情報によると、A面+B面で122曲、1曲平均44秒のプレイ、そして、アナログのレコードで一発録りのようで・・・まさに「怒涛のクイックミックス」です!
それも、ただ単にクイックをしているのではなく、HipHopらしい「ノリ」を選曲とミックスで上手くキープしながらのプレイになり、そんじょそこらの「クイックミックス」ではなく、聴いてて圧巻です!
まず、選曲的な話を入れておくと、Bなら反応をせざるを得ない選曲です(^0^)
A面は、割とNew School(90年代初期)を中心に、同アーティスト繋ぎやトラックメーカー繋ぎで選曲をしてて、それこそ写真上の「DJ Premier」であれば、出だしから「Group Home / Supa Star」や「Gangstar / Mass Apeal」を選曲しててヤラれます!
そして、B面は、New SchoolからMiddle School(80年代後半)まで選曲の幅を広げ、同アーティスト繋ぎなどもこなしつつ、全体的にノリを優先したミックスで、それこそ「Run DMC / Here We Go」からの「Biz Markie / Nobody Beats The Biz」にはグッときました!
クイックミックスって、ミックス作品として作るのはかなり大変なので、あまり作る人がいなかったジャンルになりますが・・・クラブ等での現場では「絶対的な武器」になる技術になるかと思います。
それは、色々な理由があるかと思いますが、クラブプレー中に、それぞれのお客さんが色々な方向を向いて楽しんでいるのを、クイックをすることでお客さんの意識を「DJ」に向かせ、そして、DJが作る「ノリ」で一体感を作り、フロアーを盛り上げる・・・そんな効果があるかと思います。
この限りにおいて、重要なのは「クイックしていくことでノリを掛け算していくこと」と「お客さんが知っている曲でボムらせること」になるかと思います・・・
後者は、知っている曲=俗に言う「HipHopクラシック」になるので、それなりに知識、いやそのDJが「HipHopが好き」であれば外さない要点ですが、前者の「ノリを掛け算」することは、実はかなり技術がいるかと思います・・・




Masayukiさん自体も、結構現場でプレイをしてたようなので、その辺の「現場感」も踏まえたクイックになっているように聞こえますが・・・細かく聴くと、要所要所でその「ノリを掛け算」するプレイがあり、メチャクチャ上手いです・・・
その観点で押したいのが、A面で披露されている「Pete Rockメドレー」です!!
ざっと紹介すると、Pete Rockが外部プロデュース(またはリミックス)をした曲を選曲しており、「①Das EFX / Jussumen (Remix)」から始まり、「②A.D.O.R. / Let It All Hang Out」、「③Run DMC / Down With The King」、そして大トリは「④Public Enemy / Shut Em Down (Remix)」という流れになります・・・
それなりにHipHopがお好きな方であれば、この並びをみて「うほっ」とはなりますよね・・・ただ、Masayukiさんのプレイにおいては「攻め方」が上手く、PEでつい激しく首を振ってしまいます(^^;)
どんな攻め方かというと、①~③はイントロのブレイクを2~4小節程度だけプレイして次の曲にカットインしていき、その過程で「期待感」を煽ってからの④でボムる展開なんですね・・・割とベタと言えばベタですが、ここを聴いただけでMasayukiさんのプレイの上手さが如実に分かります!
まず、基本的なDJミックスはカットインなのですが、そのタイミングと、前後の曲の「メロディ」や「グルーブ」をしっかりと読み切ったカットインなので、ガッツリと次の曲がハマっています!
これらの曲はPete Rockの全盛期の曲なので、独特なドラム感やソウルフルなホーン使い等が上手くかみ合った名曲なので、繋ぎやすいと言えば繋ぎやすいのですが、この辺の読み切りを含め、大胆にカットインしていくのが大変素敵です!
その上で「ノリの掛け算」が上手すぎます!!
私の感じた視点で紹介すると、①→②になった時点で「おっ、Pete Rock繋ぎだね!」と聴いてる側は反応する訳ですが、速い展開のイントロブレイクのクイックをすることで「Pete Rockのノリ」だけを抽出し、急速にグルーブを増加させている感じです・・・
この「急速」の部分が、足し算ではないので「掛け算」という表現をしましたが・・・段々と「どんな展開をするか」という期待感も加わり、全体のグルーブが加速度的に早まります・・・
その急速なグルーブの行きつく先が「④Public Enemy / Shut Em Down (Remix)」で、この曲だけは1曲をプレイするのですが、①~③の「掛け算」があったからこそ、メチャクチャ首振りなグルーブになってて、気付いたら、最初っから首を振り、ラップをしながら夜道を歩いている私がいました(^^;)
なんか、技術的なところは、あまり上手く紹介ができませんでしたが、これぞ「DJマジック」と言いたくなるような技が随所に光った作品です!
単純に「クイックミックスをしている作品」と言えばそれまでかもしれないですが、要所要所で現場で培われた「技」が光っており、かなり最高です!
HipHopがお好きな方であれば、絶対にお勧めなので、探して聴いてみてくださいね~
なお、今週も独り言がないので、独り言と蛇足をかねて話を追加しておくと、ここ数年、こまめにHipHopのオリ盤を買ってたので、こういった作品が何とか自分の力だけで紹介出来るようになって良かったな~と思います。
この辺の12inchは、大昔は死ぬほど高かったので、当初はリベンジ買いだったのですが・・・やっぱりこれらの時代の曲は「カッコいい」ので、今は「カッコいい曲だから買う」みたいな方向性になっています・・・
Pete Rockなんかが特にそうですが、サンプリングだけど「オリジナル」なんですよね・・・うん、やっぱり「Hip Hop」って素敵ですね(^0^)
<Release Date>
Artists / Title : DJ Masayuki 「Sunny - Minutes Remix」
Genre : Hip Hop・・・
Release : 1998年
Lebel : Undaprop Wreckordz UWT-011