HipHop,R&B,Soul,Funk,RareGroove,DanceClassics,Garage,House・・・など、私が気に入っているMixTape,MixCD,その他もろもろを紹介するブログです。
Tony Touch 「Hip Hop #50 - Power Cypha 50 MCs」
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 え~、今週も仕事一色で、土曜日までフルマラソンでした・・・いや~、疲れました(^^;)

 来週に大仕事があるので、それまで耐えれば完走だと思いますので、それまでは頑張りましょう・・・

 そんなわけで、気付いたら紹介してなかった名作テープの紹介です!!


tony touch

 今回は、NYを代表するDJである「Tony Touch (トニー・タッチ)」さんの作品で、名作ミックステープの一つに数えられる「50MC's」を紹介したいと思います!

 まず、Tonyさんについて簡単に紹介しておきましょう~

 Tonyさんは、NYのブルックリン出身のHipHop系DJ/Producerで、割と日本では馴染みの深いお方かと思います。

 1969年生まれの47歳で、子供のころからHipHopに馴染み、その流れでDJを志したそうで、バックボーンである「プエルトリカン」という立場を生かして、NYのみならず、世界各地でDJをされている大御所になります。

 まず、Tonyさんにおいては、やっぱり「プエルトリカン」という立場が大きく、一時期はカリブ海地域の音楽とHipHopの融合を推進した立役者として有名で、一つのジャンルにもなった「Reggaeton(レゲトン)」をプッシュし、HipHop業界的にはホント重要なお方です!
 それこそ、このレゲトンの流れは、同じプエルトリカンのアーティストを昔から協力をしていたことの「賜物(たまもの)」であり、時代を少し遡り、90年代後半位からプエルトリカンのアーティストが増えていった背景には、TonyのDJとしての後押しがあったからでしょう・・・Big Punisherあたりは、実力もありましたが、Tonyさんの後押しが大きかったのかな~と思います。

 また、Tonyさんはダンサーとしての「B-Boy」でもあり、現在でもあの「Rock Steady Crew」のメンバーに名を連ねています・・・今は踊ってないようですが、TonyさんがバックDJをやっているイメージはおぼろげにあります・・・
 元々、子供の頃はB-Boyだったこともあり、その流れでRSCに入っているようです・・・そのため、一時期はRSC関連~B-Boyバトル系のイベントのバックDJとしても活動していたと思います。

 あと、そのB-BoyバトルのバックDJの流れもあってか、日本には結構来日してて、あの「Zeebra」さんとは作品での共演(I'm Still No.1のRemix)をきっかけに凄い仲が良いことが有名ですね・・・

 なんか、まとめになりますが、ジブさんもTonyさんも40を過ぎてもタンクトップが似合うのが頼もしいですね・・・うん、その「気取らない姿」が海を越えて愛されているのだと思います!


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 そして、Tonyさんにおいて、一番重要なのが「ミックステープ」ではないかと思います!

 今回紹介する作品自体がHipHopシリーズの50作目になり、リリースは1996年です・・・当然ながら、それ以降のリリースもあるし、R&BやReggaeといったジャンル別のシリーズも多くリリースしており、めちゃくちゃ作品数が多いです・・・
 詳しくは「Discogsの一覧(海外のコレクターは頑張ってますね!)」を参照ですが、ホント本数が多いです・・・私も、何となく買ってますが、現在の中古市場でも頻繁に出やすいことを考えると、USもさることながら、日本でもミックステープが人気があったことが伺えます。

 そして、この点を踏まえて言いたいのは、Tonyさんは「ミックステープを一般化」させたDJであることです!

 特に、これらのテープは、いわゆる「新譜テープ」で、その時にリリースされた新曲を中心に構成され、ある意味で「ラジオでは対応ができないストリート向けのスピーカー」になっていました。
 まあ、NYに関しては、ラジオもメチャクチャ機能をしていたのは事実ですが、ラジオである以上、放送コードやポリシーがあるので、HipHopという真のストリートミュージックをプレイすることが難しかったんですね・・・その「隙間」を埋めたのが、この「新譜テープ」になるかと思います。

 また、この点を進めると、その「制作したDJにしか作れない音楽作品」としての側面も出始め、例えば人気MCのフリースタイルを収録してたり、未発表の曲がプレイされてたりしてて、DJが主導になってこれらのミックステープを盛り上げていた部分もありました。
 この点では、Tonyの後に頭角してきたDJ Clue?などが、自身の政治力を使ってエクスクルーシブな曲を多く集めて、ミックステープと言う存在を拡大させた訳ですが・・・結果的に、ミックステープという存在が「DJのアイデア」の元で作られた「音楽作品」であることは変わりがありません。

 そして、ここでいう「DJのアイデア」が爆発させたのが、今回紹介する「50 MC's」になるかと思います!

 詳しくは、以下で紹介しましょう!!


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 まず、この作品はTonyさんのミックステープ50作目(HipHopシリーズとして)を記念して制作された作品で、タイトルの50にあやかり、50人のMCの「フリースタイル」を収録した作品になります!

 それも、どこかのクラブの隅や電話越しに録音した内容ではなく、しっかりとスタジオに入って録音した「曲ともとれるフリースタイル」を収録しており、もはやTonyさんの「音楽作品」になっています!!

 ミックステープにおける「フリースタイル」を考えると、大半がシャウトアウトレベルの簡単なものが中心になり、それこそ、DJミックスの合間に入る「おまけ」的な存在かと思います・・・
 一方で、DJによっては、そのフリースタイルが作品上の売りにもなるので、結構気合いを入れる部分でもあり、レゲエで言う「ダブ」のような意味合いで、エクスクルーシブなフリースタイルをしっかりと録音して、DJミックスの出だしなどに入れておくこともあります・・・

 今回のTonyさんの作品では、この後者の考えを踏まえて「だったら、全部フリースタイルにしちゃおう!」という考えで作られており、ある意味で「ミックステープ=DJのアイデアの結晶」であることを具現化した作品になります!
 
 HipHopって「発想」を大切にする音楽ですよね・・・

 当然ながら、このアイデアはHipHop精神に裏打ちされているので、当時のNYでも相当ウケ、爆発的にヒットしたそうです・・・やっぱり、こういった「アイデア」を評価する部分がHipHopの良いところですよね~
 また、少し横道に逸れますが、同時期にリリースされた「DJ Spinbad / 80's Megamix」もアイデア一本で勝ち上がった部分を考えると、95~6年ごろのNYでは、DJ達が「自分のアイデア」で今までに無い「ミックステープ」を作っており、大変「熱い」時期だったのかもしれませんね・・・

 ただ、このアイデアについては、冷静に考えると、Tony自体、昔からレゲエに明るかった部分があり、レゲエでは一般的だった「ダブ(そのDJ/DJクルー用の特注曲)」の考え方を上手く使った部分もあるのかな~とも思います?
 ただ、現場実況を収録したテープでは当然あったけど、ダブだけで「ミックステープ」を作る流れは96年よりもうちょっと後のような気がするので、その意味では先駆的な部分はあるかもしれません?


 そして、実際の内容は、その当時の大御所MCやニューカマーのMCが勢ぞろいし、聴いていて「熱い!」感じがバシバシして最高ですね!

 参加したMCとしては、有名どころだと、写真のKRS-ONE、Kool G Rap、Guruなどの有名ラッパーや、Onyxなどのグループはメンバー総出でフリースタイルをしており、かなり豪華です!
 何となくですが、写真を白黒で揃えていたら、こういった面子を名前になりましたが、それ以外にもWu関係者、Bootcamp関係者、また渋いところだとGrandmaster CazなどのOG勢も参加してて、これだけの面子を揃えられたのは、Tonyの力量あってですね!

 ある時期から、特にUSでは、ミックステープにおいて「どれだけ有名MCのフリースタイル/エクスクルーシブ曲を入れられるか?」が、そのDJの「力量のバロメーター」になったわけですが・・・このテープの人選を見ちゃうと、Tonyさんの力量以上に、各MC達からの「リスペクト」があったからこそ、作品として成立したのかもしれません!

 前段の「プエルトリカン」の部分で、Tonyさんが「DJとして後押ししている」と書きました・・・それは、Tonyさんに関しては、ミックステープのリリースを通して、収録した曲のアーティストを「後押し」しています・・・
 きっと、この作品に参加したMC達は、こういったTonyさんの後押しに対してリスペクトがあり、だからこそ、ここまで協力的にフリースタイルをしたんだと思います・・・なんか、ミックステープが「MCとDJを結びつかせる場所」であることも示してて、グッときます!

 また、最後に、いつものミックステープ評論的なことも入れておくと、そのフリースタイルで使われる「インスト曲」が良く、この辺もTonyさんのDJの上手さが出てるかな~と思いました。

 1996年の作品なので、それこそ7 Minutes of Funkを引き直した「Jay-Z / Ain't No Nigga」などの懐かしいチューンを使うんですが、これがカッコいいんですよね・・・高校生時代に好きで聴いてた曲ですが、Tonyさんがプレイすると、なんか雰囲気が高まり、昔聴いたよりもカッコよく聞こえます!
 また、その一方で、古典ブレイクともいえる「Wild Style / Down By Low」を2枚使いでバックトラックにしてて、ある意味で「オールドスクール=B-Boy」を忘れていないところも素敵です!




 今回も、思い付いたことをバーっと書きましたが、やっぱりHipHopは「アイデアの文化」であることを改めて思い直しました。

 そして、その考えを元に作られている「ミックステープ」は「DJのアイデアの結晶」なんですね・・・これも大切なことですね!

 今となっては「ミックステープの古典」とも言える作品ですが、こういった「DJ文化で忘れてはいけないこと」を思い直させてくれる点は素晴らしく、改めてTonyさんの偉大さにリスペクトです!

 なお、テープ的には、USでは相当売れてて、それなりに入手しやすいはずですが、ここ最近、USでも、そして日本でも、こういった90年代中ごろのミックステープ(それこそTape Kingzなど)は高騰傾向にあるので、これも入手が難しいかな?
 ただ、普通にYouTubeにもアップされているので、気になる方は探して聴いてみてね~



<Release Date>
Artists / Title : Tony Touch 「Hip Hop #50 - Power Cypha 50 MCs」
Genre : HipHop・・・
Release : 1996年
Lebel : No Lebel No Number   


Notice : 別ジャケについて
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 私が所持しているレベルだと、右のTape Kingzプレスも存在しています。ただ、写真のBガールジャケの方が一般的のようなので、今回はBガールの方で紹介しました。個人的には50番前後の流れを考えると、Bガールが最初で、Tape Kingzの白黒ジャケは2ndになるような気がします・・・
 また、Bガールの方は、この絵を作ったデザイナー(Hardkore)は書いてありますが、レーベル名は書いていません・・・どっちが1stプレスかも含め、こういったUSミックステープの「謎」な部分は、深く考え過ぎると無限ループになるので、深く考えない方が良いと思います(^^;)


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 なお、その「深く考えない方が良い」の話がでたので、別角度の補足をしましょう・・・

 今現在、日本で買える「US産のミックステープ」は、純粋にNY等でプレス/コピーされたテープもあれば、当時の日本でコピーされたテープも多く含まれています。
 
 実は、今回のテープにおいて、TapeKingzのは、明らかに日本でコピーしたテープだと判断できます・・・

 両方とも市販のカセットテープにダビングをした作品ですが、TapeKingzの方は、90年代後半に日本のディスカウントショップで1本100円程度で販売されていたコ●カ製のテープなので、日本コピーでしょうね・・・
 このコ●カのテープ、私自身は凄い思い入れがあり、90年代後半の高校生時代、深夜ラジオが好きで、録音用に安いテープを常に探していた中で、秋葉原の高架下の怪しい店が爆安でこのコニカのテープを出してて、まとめ買いをして使っていたので・・・このTapeKingzが日本コピーと判断しました・・・
 なお、Bガールジャケの方は、Maxell製で、ジャケの裏にたまたま入っていた元の市販テープのインデックスシールにおいて、裏の説明書きが英語なので、コッチはUSプレスのようです・・・

 1990年代前半から98年ごろまでの日本での「販売方法」を考えると、徐々にHipHopが人気になり、それこそレコードの輸入量も増えていった過程がありますが、総体的な輸入量が低い状況では、アメリカで作られたテープをそのまま輸入してきて売るのにはコストが高くつき、こういった「日本でコピーする」ことも少なくはありませんでした。

 それこそ、レコード屋さんや洋服屋さんが多かったのですが、NY等のへの買いつけの際に、元となるミックステープを1本買ってきて、日本でコピーをすれば経済的ですよね・・・
 この流れでは、どのお店がやっていたかは伏せざるを得ませんが、割と有名な洋服店でやってたり、Cisco坂の手前で露店を開いているお兄さん(テープ屋キングス!)がやってたり・・・日本産のコピーは割とポピュラーだったと思います。

 まあ、私自身は、色々な過程を経てテープ馬鹿になったので、そういった「コピー」も、このミックステープ文化の「華」であると考えており、悪意のあるコピーテープ(海賊版という意味合いか?)以外は歓迎しています・・・

 なので、今回、こうして指摘はしていますが、あくまでも「ミックステープの楽しみ方」の一つとして捉えていただければ幸いです・・・


 なお、関連情報ですが、こういったTape Kingz等のNY系のミックステープを現地品かどうか見分ける方法は多岐にわたり、私自身も知識をフル動員して検品(?)をしています・・・
 ただ、ここ最近に聴いた話で、日本でコピーしていた某店において、わざわざUSで良く使われている無地テープ(メーカー記載が無い透明のテープ)を輸入してきてコピーしていた、という強烈な情報を知り、もう、判別すること自体も辞めようかと思っています・・・(^^;)





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<独り言>

 最初に愚痴った通り、仕事が忙しかったので、今週も独り言はお休みです・・・
 そして、来週は週末がモロ出張なので、来週は更新自体がお休みです・・・すみませんね~(^^;)

 でも、昨日は、仕事のしすぎで頭がおかしくなりそうだった(笑)ので、残業後に無理やりレコード屋に行って魂の浄化を・・・やっぱり、レコ屋は落ち着くな~
 そんな流れで、下北に行ったら、嬉しい出物が・・・N村さん、A井さん、いつもありがとうございます!






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コメント
この記事へのコメント
いつも楽しく拝見させて頂いてます。
初めまして

いつも楽しみに記事を拝見させて頂いています。
若干私の方が歳が上(今年40です)だと思いますが、当時のことを記事を見ながら思い出しています。
お仕事との両立は大変だと思いますが、無理の無い範囲で続けて下さい。
2017/05/23(火) 13:47:17 | URL | JunTheMan #.mqOTgE.[ 編集]
Re: いつも楽しく拝見させて頂いてます。
>JunTheManさん

コメントありがとうございます&レスが遅れてすみません!

うん、私としては、あの90年代末~00年代初期の「熱さ」が、大切だと思って書いているので、反応を頂けることは大変嬉しいです(^0^)
また、仕事との両立についても応援頂き、ありがとうございます・・・無駄に仕事は忙しかったりしますが、その反対としてこのブログがあるので、しっかりと両立していきたいとおもいます!

今後とも、よろしくお願いいたします!!



追伸
毎年、この時期にある地獄の出張が無事に終わりました・・・疲れた~(^^;)
某四国へ連泊で行ってたのですが、今回ばかりは、よく無事に終わったな~と思っています・・・うん、自分で自分をちょっと褒めてしまいました!
ただ、明日からも普通に仕事(部下を休ませることを優先させるとこうなる・・・)なので、週末までは気合いの日々です・・・今週末はちゃんと休みになりそうなので、それまで頑張ろう!




2017/05/28(日) 20:58:34 | URL | mixtapetroopers #EK3m6DHM[ 編集]
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