HipHop,R&B,Soul,Funk,RareGroove,DanceClassics,Garage,House・・・など、私が気に入っているMixTape,MixCD,その他もろもろを紹介するブログです。
DJ Celory 「Higher Level Vol.2」
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 え~、この間の「キングギドラ / 空からの力」を紹介して以降、どうも、私の中で「日本語ラップ」ブームが始まったようで、高校生の頃に気持ちを戻して、色々なテープを聴いています・・・
 
 そんな中から、まだ紹介していなかったCeloryさんのテープを紹介するわけですが・・・この作品って、20年前の作品なんですね!
 20年たっても、私自身は何にも進歩してない(笑)けど、こうして、20年後でも同じ気持ちで聴けることは、嬉しい意味での考え深さがあるな~と思いました!


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 まず、今回は、作品紹介をする前に、このテープがリリースされた1996~97年ごろの状況について、お話をしておきたいと思います。

 この頃の日本では、一般的にもDJやHipHopを始めとするクラブミュージックが注目されはじめ、特に高校生~大学生といった若者層から人気を得るようになり、文化として成立しはじめた時期かな~と思います。

 その中で「高校生」が文化を盛り上げていた点は非常に大きく、俗に言う「高校生DJ」が出てきて、その流れでHipHopなり、日本語ラップが盛り上がっていった過程がありました。

 参考
 90年代中ごろにHipHop/DJなどの情報が載った昔の雑誌

 
 私自身は、1996年~97年ごろは、千葉の片隅でその過程を体感しており・・・みんな、情報が無い中、不器用にHipHopやDJを愛していて、こういった原動力があったから、その後のDJ/HipHop文化の発展があったんだな~と思っています。

 んで、話を今回のCeloryさんのテープに戻すと、私としては、そういった高校生~大学生のBボーイたちが良く聴いていた印象がありました。

 まず、このテープは、ManhattanCiscoといったレコード屋さんでも売られていましたが、どちらかと言うと、B系の洋服屋さんで売っていたことの方が多く、私も当時、このテープは渋谷のBeamsの奥にあったESPというお店で購入した記憶があります。

 私自身は、あまりB系の服が似合わず、B系の服屋さんにはそこまで出入りしていませんでしたが、当時、Manhattanとかは店前にイカついBが溜まってて入るのが怖かった(笑)ので、HipHopやDJの情報を求めて、比較的入りやすかったB系の洋服屋さんに出入りして、ミックステープやフライヤーをチェックしていましたね・・・
 この当時だと、原宿のネバーランドとか、ファイヤー通りにあったお店(Nishimiaさんのテープが売ってたお店)とか、比較的入りやすいお店は行ってました・・・ただ、ファイヤー通りのビルの上階にあったClip13とか、Manhattanの裏のStill Diggin'も、イカついBがいて、怖くて行けなかったです(^^;)


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 んで、このテープの話に戻りますが、当時、私の友人周りでは、このテープが本当に人気で、その理由を考えると「ジャケのタグ」が重要だと思います!

 まず、私自身の話をすると、これを購入し、家や外で聴いていると、友人からこのテープを「貸してくれ」と言われるケースが多かった記憶があります・・・この辺は記憶が曖昧ですが、レコードを買ってないBほど、そう言われたことが多かったと思います・・・

 つまり、ジャケのタグが「本物っぽい」印象があり、それで人気があったんでしょうね・・・

 この辺の話は、文化の黎明期が故の珍エピソードですが、参加者が音楽や文化に対してそこまで知識がなく、むしろ「本物っぽい見た目」が重要だったことを表す話になるかと思います。
 それこそ、洋服屋さんが重要だった点は、まさに「見た目」が先行していた点を表していますが、この「タグ」も物凄く重要で、タグっぽいジャケなら、それで本物!と言った流れもありました・・・

 うん、私と同世代の方なら「うんうん」と頷いてくれると思いますが、タグってホント重要でしたね!

 タグは一番手軽に「B」になれる手段として珍重され、上手く書けるだけでモテモテでしたね・・・

 それこそ、DJなら機材やレコードを用意しないとイケない、MCやダンサーなら人前で披露できるように修練しないとイケない中で、タグは敷居が低く、かつ、上手く書けたら、すぐBだと認められる要素が強く、みんな練習してましたね~
 ホント上手い奴だと、それだけでナンパ手段になり、他校の女の子が通学カバンに書いて~みたいな依頼があり、そこから交際が・・・みたいなこともあり、当時の高校生Bにとっては、実は重要な能力でした!

 なお、写真は、当時の雑誌(東京ストリートニュース)で、こういったレクチャー記事が載るほど需要は高く、これはコピーが良く出回り、これを見て練習していましたよね~

 うん、当時の「B」って、その音楽や文化が好きだからではなく、むしろ女の子や友達から「モテる」「カッコよくなる」ために嗜んでいた部分が凄く強かったんですね・・・
 私自身も、そういったことが「きっかけ」で、HipHopなりDJが好きになった訳ですが、みんな、こういった「モテるため」に始めたのがきっかけでしたね・・・これは、日本でのDJやHipHop、そして日本語ラップを語る時に忘れてはイケない視点です!


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 では、作品の紹介をしましょう!

 この作品は、既にSoul Screamの一員として活動していたDJ Celoryさんの作品なので、日本語ラップが絡みつつ、US系HipHopをメインに構成されたミックス作品になります。
 流れ的には、Kiyoさんも出していたテープシリーズ「Higher Level」の第2段になりますが、当時はそういったシリーズ要素を意識せずに売られていたような気がします・・・

 まず、US系の選曲から紹介数すると、当時の新曲が多く、大変懐かしいですね・・・
 
 それこそ、ATCQとか、The Rootsとかが選曲され、結構、このテープで選曲された内容を聴いて、イイな~と思った曲は12inchを買った記憶があります・・・
 特に、当時らしいJazzyな要素が光った楽曲には、素直に反応してたので、写真の「O.C. / Word...Life (DJ Celory Remix)」は撃沈で、直ぐに写真の12inchを2枚買って、ガシガシと擦った記憶があります(^0^)
 
 また、当時、良く流行ったHipHopのビートにR&Bのアカペラを被せる「ブレンド」もしっかりと披露されてて、B面の頭では「Black Street / No Diggty」をネタに、Sadat XのRamp Rampや、Da Bush BabeesのThe Love Songのインストを上手く使ってて、ヤラれましたね~

 当時の私は、まだそこまで「DJ」としての意識は低かったと思いますが、やっぱりミックステープを聴いて「DJを吸収」していた部分は大きいと思います。

 それは、DJの選曲だったり、2枚使いやブレンドといった技術になり、ミックステープを一つ一つ消化していくことで、自分の中で「DJ」が進歩していったんだな~と痛感します・・・




 そして、このテープの魅力となると、やはり「日本語ラップ」のカッコよさを教えてくれた点があるな~と思います。

 自分達のSoul Screamの曲に加え、RhymesterやRappagariyaの曲をプレイしてて、プレイの前にシャウトアウトが入る感じが熱いですね・・・

 んで、何よりも熱いのが、A面頭のフリースタイルで、久しぶりに音源をアップして紹介しましょう・・・

 この時期にミックステープでは、そのDJと関係のあるMC達がフリースタイルを提供することが慣例になっており、どのDJもその人選や内容に凝っていました。
 特に、このテープのフリースタイルは「カッコいい!」と評判で、当時から語り草になっていた部分があったと思います・・・私自身も大いにヤラれ、日本語ラップが好きになった「きっかけ」の一つだったと記憶しています。

 面子としてはShakazombieのHide-Bowie、RappagariyaのQと山田マン、T.A.K. The RhymeheadとN.A.O.、そしてSoul ScreamからE.G.G.ManとHabが登場し、かなり完成度の高いフリースタイルを披露しててヤラれます!
 私としては、一発目のHideさんのフリースタイルが撃沈で、レゲエ的な節回しを出しつつ、勢いのあるラップにヤラれ、こういった音源を聴いて「日本語ラップってカッコいいな~」と思った記憶があります・・・今聴いてもHideさんが優勝でしょうかね?

 ただ、これも忘れてはならない視点ですが、当時、日本語ラップは凄く歓迎された存在ではなかった・・・と思います。

 日本でHipHopなりDJが流行った過程においては、今回の記事でも断片的な紹介がありますが、実は「スタイル先行」の部分が強く、とにかく「本場が一番」のような流れがあり、音楽としてのHipHopであれば、USのモノが本物で、それ以外(日本語ラップ)は本物ではない、みたいな流れがありました。

 これは、当時のHipHop専門誌「Front」でも論争があったトピックで、結果として、日本語ラップの進化と共に、そういった壁は無くなりました・・・

 そういった「壁」を取り払う作業において、私としては「ミックステープ」の存在は凄い重要だったと思っています。

 今回のCeloryさんのテープを例にとれば、タグジャケというイージーな入り口、カッコいいUS系HipHopが並びつつ、効果的に日本語ラップのカッコ良さを紹介している構造になっており・・・結果的に「日本語ラップがそこまで好きでなかった人」を日本語ラップに振り向かせる効果があった、と思います。

 この辺は、凄い情報が曖昧で恐縮ですが、日本語ラップに関わっているDJ達は、いかにして自分達の「HipHop」がカッコイイのかをアピールするのに、凄い苦心をしていたと思います・・・DJ Kenseiさんの「Ill Vibes」がそういった意義で作られていた、と思います?
 
 そう、この壁を取り払う作業は、無認識に「海外のがカッコイイ」という不文律を、いかにして崩していく作業とも言え、DJ達が取った手法の一つが、全体的にウケが良いミックステープの中に、カッコよく日本語ラップを仕込むことだったんですね・・・
 そのため、この時代のミックステープに収録されたフリースタイルには、きっと「俺たちの時代を作ろう!」みたいな意味も含まれていて、今の時代にはない「熱さ」があり、今でも消えない「作品の良さ」に繋がっているようです・・・



 
 なんか、バシッと決まらない紹介や説明になりましたが、このテープを考えると、当時のB界の事情と見合った内容になりつつ、聴いた人を日本語ラップの世界に導いた点では、凄い意味のあるテープかと思います。

 今の市場では、多少値段がついていますが、かなり本数が出たことから、今でも買いやすいテープかと思います・・・お好きな方は探してみてね!




<Release Date>
Artists / Title : DJ Celory 「Higher Level Vol.2」
Genre : HipHop、日本語ラップ・・・
Release : 1996年 
Lebel : Higher Level No Number






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<独り言>
 今週はお休みです~ 

 毎週、レコード&テープ万歳な話題があると、困ってしまいます(^^;)

 ただ、最近はブログの方が頑張ってなかったので、色々と企画中です・・・まだ、具体化してないのもありますが、頑張りますね(^0^)









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コメント
この記事へのコメント
>実は「スタイル先行」の部分が強く、とにかく「本場が一番」のような流れがあり、音楽としてのHipHopであれば、USのモノが本物で、それ以外(日本語ラップ)は本物ではない、みたいな流れがありました。

これ、本当にそうですよね!
“最近の、日本語ラップから入ったようなニワカは全く分かってない!
『ILLMATIC』も聴いたことがないなんて!”

みたいなことを、当時は先輩らもよく言ってたような記憶があります(特に自分の高校生の頃はギドラが再結成してオリコン入ってたような時代だったので)。

時は流れ、2010年代となりましたが
“最近の、『ダンジョン』や『高ラ』から入ったようなニワカはまったく分かってない! 『証言』も『人間発電所』も聴いたことがないなんて!”
というような発言をSNSで見かけると、時代は繰り返すんだなと言うか、何とも遠い目になります(^^;)
2017/06/26(月) 01:08:32 | URL | ソロバン #-[ 編集]
Re: タイトルなし
>ソロバンさん

コメント、ありがとうございます!
親父の小言じゃないですが、こういった事実は意外と忘れがちなので、ついつい頭をひねって書いてみました(^^;)
ただ、20年前の話なんですよね・・・今、block fmで光嶋崇さんゲストの番組(さんぴん特集!)を聴きながら書いてますが、やっぱり特別な時代だったのかな~と思っています。
きっと、今の時代からしたら、不便極まりない時代かもしれいないですが、その分、得るものは多かったかな?

ではでは、今後ともよろしくお願いいたします!



2017/06/26(月) 22:43:18 | URL | mixtapetroopers #EK3m6DHM[ 編集]
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