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DJ Tsubasa(t-Ace) 「TheTruth」

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 最近は3週間に1回ぐらいで、なかなか中途半端な更新ですね・・・すみません(^^;)

 ただ、こんなペースではありますが、昨年から自宅のテープ整理&研究により、紹介したいネタは溜まっているので、コツコツと紹介していきたいと思います・・・

 では、溜まってたネタからの紹介です~


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 まず、この写真を見て「えっ、なぜ?」と思う方が多いでしょう・・・

 今回は、人気ラッパー「t-Ace(ティーエース)」さんのDJ時代のミックステープを紹介しますね!!

 まず、t-Aceさんはご存知ですよね・・・

 t-Aceさんは「エロ神クズお」の異名を持つラッパーで、YouTubeでの音源公開やライブ活動等による精力的な活動があり、今や日本を代表するラッパーの一人かと思います。
 それこそ、HipHopファンにとっては好きか嫌いかが分かれるところでしょうが、自分のキャラクターをしっかりと作り出し、自身の手の中で活動を進め、しっかりと稼いでいる点は、もっと評価されても良いのかな・・・どうでしょう??

 そして、t-Aceさんについては、活動の初期をひも解くと、もともとは「DJ」だったと言われています!


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 DJについては、t-Aceさんのwikiに以下の情報が記載されています。抜粋して紹介しますね。

・茨城県水戸市を拠点とし活動する日本のラッパー。本名は、住谷翼。
・14歳(1995年)の時に地元の友人や先輩の影響でヒップホップと出会い、DJとして活動を始める。
・16歳(1997年)の時に茨城県の水戸市に戻り、鳶職をしながら音楽活動を再開した。
・21歳(2002年)の時に水戸市からメジャーデビューしたLUNCH TIME SPEAXに影響を受け、ラッパーに転身した。


 そう、t-Aceさんは、日本屈指のHipHopタウンだった「茨城県水戸市」で、「先輩たち」の影響を受けて「DJ」を開始し、21歳頃(2002年ごろ)まではDJとして活動をしていたんですね!
 
 もう「水戸市」「先輩たち」という単語をだけで「間違えなし!」ですよね・・・

 水戸は、日本語ラップにおいて重要ラップ・グループの一つである「Lunch Time Speax(ランチタイムスピークス)」を代表に、HipHopという音楽や文化が大変盛り上がった都市として有名で、様々なDJ、ラッパー、トラックメーカー、ダンサー等が活動していました。

 特に、水戸においては「DJ」の層が異様に厚く、水戸発のミックステープは他都市と比べて作品数が多く、どの作品も内容が良いことから全国流通をした作品も多いです・・・その事実だけでも、水戸のDJ層の厚さが理解できます。

 上の写真は水戸発のミックステープの一部で、前述したLunchのDJ Denkaさん、そしてDJ Tanpeiさん、DJ Suuさん等の作品は全国的にもヒットをしたので、ご存知の方も多いでしょうか?
 また、最近の私の研究では、現在も水戸で営業中のレコード屋さん「Under Pass Tracks」が、ある時期はテープレーベルとしてローカルのDJ達の作品をリリースしていたことが分かり・・・うん、水戸は「ミックステープ」が熱かった都市ですね!!

 参考で、比較的有名な水戸関係の作品は、下記にリストアップしてありますので、ご確認くださいね~

 ●参考 DJ Denka / 水戸関係 作品リスト


 そんな水戸という都市で、t-AceさんはHipHopが好きになり、先輩達の背中を見ながらDJの活動をしていたら、当然ながら「ミックステープ」を作りますよね!!

 私自身、1980年生まれで、t-Aceさんと年齢が近いことから、中学生ぐらいでHipHopに出会い、そして先輩の背中を見たことでDJをはじめたことは凄く理解ができます・・・
 それが、Denkaさんといった剛腕の先輩たちが周りにいたら、自然と濃いHipHop街道を進みますよね・・・それは、今回紹介する作品を聞いても、その「濃さ」が分かりましたよ!


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 そして、今回の作品紹介の前に、あえて「脱線する話」も入れておきますね・・・

 まず、今回の作品を紹介するにあたり、この作品が「本当にt-Aceさんの作品なのか?」という疑念もありました・・・

 それこそ、このテープを手にとっても「t-Ace」とは書かれてないし、t-Aceさんのディスコグラフティには書かれていない作品なので、本当に「t-Aceさんの作品なのか」と問いかけられたら、自信をもって「そうです」とは言えないですね・・・

 そのため、しばらく、この疑念に悩まされた「私の経過」を説明しておきたいと思います・・・

 まず、私自身、正直なところ、いつこのテープを入手したかは記憶がないのですが、気づいたら持っていました・・・
 ある時期から、とにかく知らないテープがあれば真っ先に買うようにしていたので、どうやら数年前に買っていたようで、たぶん、ユニオンの下北店あたりで、100~300円程度で購入したと思います・・・

 ただ、こういった「知らないテープ」はとりあえず購入はしますが、あまり聞くことはなく、すぐ私の記憶から遠のいてしまいます・・・

 このテープも、たぶん、買ってすぐに殆ど開かない「マイナーDJ箱=未整理箱」に収納され、収納したと同時に、自分の記憶からこのテープを持っていたことが消えてしまいます・・・5000本ぐらい持っていると、買ったものを全て覚えられないのが悩みです(汗)
 
 そして、月日が経ち、ある時期からヤフオクでこのテープが「t-Aceさんの作品」として出品されるようになり、一部のミックステープ・マニアはザワついたかと思います・・・

 私自身もザワつきましたが、凄い欲しいものではなかったのと、本当にt-AceさんのDJ時代のテープであるのか確証が得られないと思ったので、その時点では傍観しました・・・

 そして、その後、何かのきっかけで家掘りしてたら普通に発掘し、それも2種類も持っているとが分かりました・・・


 まあ、嬉しい反面、自分の管理の悪さに軽く凹むのですが、私ですらこの作品がt-Aceさんの作品と気付かないので、何もリリース情報が無ければt-AceさんのDJ時代の作品とは気づかないですよね・・・

 たぶん、ヤフオクの情報がない限り「水戸にいた謎のDJ」としか判断がつかなかったと思います・・・ミックステープ道は、厳しい道のりなのです(汗)


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 そして、本題の「本当にt-Aceさんの作品なのか?」に話を戻すと、答えは「t-Aceさんの作品」で間違えないでしょう!!

 この2本、タイトルは「The Truth」と同じタイトルになっていますが、それぞれ別の作品となっており、収録曲から判断すると、手前のは2001年~2年ぐらい、奥のは2002年ぐらいに作られたものと考えられます。

 おっ、2002年ですよ・・・

 前述のwikiの情報に従うと、2002年はラッパーに転身した頃なので、この作品がt-Aceさんの「DJ時代」の作品であることは証明できますかね?
 
 もちろん、この作品でのDJ名「DJ Tsubasa」が本名の「翼(つばさ)」からきていることは理解できるし、作品のアートワークがLUNCHのGocciさんだったり、作品に水戸関係者のフリースタイルが入っていたりするので、このテープが「t-Aceさんが水戸でDJをしてた頃の作品」であることは実証できます。

 そして、そして・・・個人的には、このテープの内容が「水戸っぽさ」満載で、そのことにより、この作品が「t-Aceさんの作品」であると確証しました!!

 では、今回は2001年~2年ぐらいに作られたとされる作品の方で、t-Aceさん、いや「DJ Tsubasaさん」の良さを紹介したいと思います!!


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 まず、選曲面から紹介です!

 選曲は、2001年頃のニューリリース系のHipHopを中心とした内容なのですが、個人的には「水戸の黒さ」が光った内容だな~と思いました。

 例えば、写真の「P. Diddy fea. Busta Rhymes & M.O.P. / Bad Boy For Life (Remix)」であれば、ビルボードヒットもした曲のRemixになり、客演したBustaとM.O.P.の熱いラップが最高で、ストリートでもヒットしたRemixかと思います。
 Tsubasaさんは、このようなビルボードヒットをした曲なんかも選曲してくるのですが、ラップが熱かったり、トラックもネタ感があってボトムが太いのを選んでる傾向が見えます・・・

 そう、これが「水戸の黒さ」だと思います!

 それこそ、DJ Denkaさんがそうであったように、選曲する曲が黒くって、気づいたら首を振っているんですよね・・・

 この「黒さ」を、私自身が上手く説明できないのが悔しいですが、P. Diddyの曲でも黒さを見抜いている時点で、グッときます・・・
 うん、選曲するTsubasaさんは「水戸のグルーブ」を引き継ぎつつ、なかなか素晴らしい選曲をしてくるな~と思いました!

 また、この黒さを高めるのは「2枚使い」です!!

 このP. Diddyの曲も、ガンガン2枚使いを入れてきて、その黒さを高めていきます・・・というか、2枚使いが上手い!!

 それこそ、Denkaさんの話になりますが、Denkaさんも太い2枚使いが印象的で、ある意味で「HipHopは2枚使いをすると、更に黒くなる」を実証していたお方かと思います・・・
 きっと、Tsubasaさんも、そういった先輩達の2枚使いを見て育ったんでしょう・・・時に太く、時に繊細な2枚使いが、選曲する曲の黒さを更に引き立たせていて、メチャクチャカッコいいですね!!


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 そして、その2枚使いが最高に光っているのが、水戸クラシックの「Lunch Time Speax / Beat On Tactics」でしょう!!

 イントロブレイクからタイトに2枚使いを入れつつ、歌詞で「♪ランチ、タイム、スピークス」と歌う部分があれば、つかさず2枚使い・・・
 そして同じく歌詞で「♪へーイ、ディージェー、D、E、N、K、A~」と歌う部分があれば、やっぱり2枚使い・・・

 私は、この2枚使いに目頭が熱くなりました・・・

 この2枚使い、水戸のHipHopを作った「Lunch Time Speax」という大先輩達へのリスペクトに外ならず、自然と目頭が熱くなりました!!

 それこそ、この作品のアートワークでランチのGottiさんが参加されてたり、A面の最初にはフリースタイルでTAD'Sさんが参加(それもKashiさんと共に!!)されてたり、ランチ勢との交流は太かったのでしょう・・・
 そして、t-Aceさん、いやTsubasaさん自身が水戸でDJをしてたから、DJ Denkaさんとも交流はあったでしょう・・・この部分の2枚使いを聞くだけでも、Denkaさんからの影響を感じて止まないです!!

 そして、そして・・・この部分を更に分析すると、「言葉」を上手利用した2枚使いですよね!!

 それこそ、選曲したHipHopの曲の中で、目立たないけど味のあるパンチラインを見逃さず、そこを強調するかの如く、2枚使いを入れてきます・・・
 なんでしょう、2枚使いをすることで、初めて「あっ、このパンチラインって最高じゃん!」と気付く感じですね・・・

 うん、私の妄想を含めてですが、後にt-Aceとして大成する素養「みんなが盛り上がる言葉を見抜き、その言葉で盛り上げる」感覚を、DJ時代から持っていたのかもしれないですね!!
 

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 今回、どうしてもレコが揃わず、借り物写真で紹介したので、最後はアウトテイクの写真でまとめましょう・・・P.Diddyは意外と入手困難でした・・・

 まず、まとめると、t-Aceさんが「HipHop」であることが分かる1作です!!

 そのへんのDJより選曲もDJも上手いし、何よりも「水戸のグルーブ」が最高に気持ちよく・・・こういった良さは、結果的に今のt-Aceさんの良さに繋がるのかな~と思いました!

 気になる方は探してみてね!!





<Release Date>
Artists / Title : DJ Tsubasa(t-Ace) 「TheTruth」
Genre : HipHop、R&B、日本語ラップ・・・・
Release : 2001年~2002年ごろ
Lebel : No Lebel No Number

Notice : フリースタイルの参加
 A面では、TAD'S A.C.とKashi Da Handsomeが参加しています。B面では、Woodsman、Co-Chin、Jose、Q-Rip、Marsという5名が、M.T.C. Finestとして参加しています。




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<独り言>

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 まず、先週のBig-O(オオスミ)さんの突然の訃報には驚きましたね・・・

 お昼、食後に休憩がてらTwitterを見てたら、この訃報のニュースが出てて、思わず「えっ、ほんと・・・」と言葉に出してしまい、周りの同僚を驚かせてしまいました・・・ 

 ●WWD 訃報 デザイナーのオオスミタケシ氏が47歳で死去

 
 私自身、大好きなラッパーの一人で、日本語ラップが好きだった高校生の頃(1996年~98年)は、メチャクチャ好きなラッパー=アイドルの一人でした・・・
 
 うん、オオスミさんの温和な性格を表した、どこか優しさとユーモアのあるラップ、だけど確実に記憶に残るフローとパンチラインは絶品で、ほんと才能があるお方でしたね・・・
 また、この点は、あまり整理できていないのでアレですが、オオスミさんは色々なDJのミックステープにフリースタイルで参加してて、それも上手かったですよね・・・

 ガキの頃のアイドルが、お亡くなりになられるのは、ほんと寂しいです・・・

 そして、才能がある方は、なぜ、早く天国に行かれるんだろう・・・


 うん、安らかにお眠りください・・・


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 そして、オオスミさんがお亡くなりになられた日・・・・実は、この日の夜は「待ちに待っていた日」でした!!

 なぜなら、我らのMUROさんのラジオ番組「King of Diggin'」で、なんと「山下達郎セット」を披露するからです!!

 ●Tokyo FM King of Diggin'  『DIGGIN' 山下達郎』


 当日の夜、このプレイを聞かせていただき、思わずTwitterで「こんなシーンを待ってたぜ!」と呟いてしまったぐらい・・・嬉しかったです!!

 このブログを長くお読みの方ならご存知でしょうか・・・

 2014年12月のブログでこんなことを書いていました・・・

 『来年は、MUROさんによる「山下達郎ミックス」が聴きたい!』

 たしか、意欲的なミックスCDが一般市場でリリースされるようになったこと、和物人気がジワジワと上がってきたことを踏まえて、ミックスCDの将来を期待して、こんな宣言をしたようです・・・

 結果的に、このことは、毎年毎年、ことあるごとにアピールしてたり、MUROさんとお会いした際にもお伝えしたり・・・なんとしても実現したかったことになります!!

 だって、この日本のDJ業界で、達郎さんの良さを一番最初に教えてくれたのは「MUROさん」だから・・・

 また、オフィシャルなミックスCDを達郎さんの了解を得て、現実的に作れるのは、MUROさん以外にいないから・・・


 こんな思いを抱きながら、MUROさんのミックスを拝聴しました・・・

 聞いた後の私の素直な感想は「やっぱり作品じゃないと満足できない」でした!!

 確かにSparkleのカットインには思わず「きゃ~」と声が出てしまったけど、達郎さんの世界はもっと深いし、MUROさんだったら、その深さを更に掘れるはずです・・・
 
 2021年の夏、MUROさんによる達郎さんミックスがCDで聞けることを望みます・・・


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 そんなわけで、最後は、やや遅れてしまったけど、今年のMuroさんのHeatで・・・

 今年のHeat、全体の方向性だったり、選曲の深さだったり、流石ですね!!

 ここ最近、緊急事態宣言でもあるので、少し早めに家に帰るようにしてて、夕食後、これを聞きながらゴロゴロしているのが幸せです・・・

 仕事の方は緊張感のある毎日だけど、こうやって幸せな時間があるのはイイことなんでしょうね・・・
 


 ではでは、また次回をお楽しみに~







 
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コメント

gin

t-Ace氏のTruthシリーズですが、11まで出ていますね。
(10が自作曲のMIXで、11がEPですが)
自分が見ているヤフオクの範囲では8と9はCD媒体で出ていました。
~7までのいくつかはテープ媒体で出しているかもしれませんね

mixtapetroopers

Re: タイトルなし
>ginさん

貴重な情報をいただき、ありがとうございます!!
そこまでシリーズ化されていたのですね・・・ビックリしました(^0^)
時代的にもMixCDに移行する時期だと思うので、後半はそうなんでしょうね。

他のテープも頑張って探してみたいと思います~
引き続き、よろしくお願いいたします。




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mixtapetroopers

HipHop,R&B,Soul,Funk,RareGroove,DanceClassics,Garage,Houseなど、私が気に入っているMixTape,MixCD,その他もろもろを紹介するブログです。

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